世界一斉個体数調査(2006年)


図1.2005年1月の世界一斉調査の結果

クロツラヘラサギの生息数については、香港観鳥会(Hong Kong Bird Watching Society)が中心になって、毎年1月に世界で一斉に調査が行われており、日本国内については日本クロツラヘラサギネットワークが中心となって調査を行っています。
2006年1月に行われた調査では、全世界で1,679羽が観察され(Tung 2006)、一斉調査が始まった1997年に確認された509羽から右肩上がりに個体数は増加しています。その理由としては、普及活動の結果として観察者が増え、観察される機会が増えたこと、これまで知られていない越冬地の環境が悪化して、従来から知られている越冬地に集中化してきたことなど、様々な理由が考えられています。しかしながら、繁殖地での調査が困難であることなどから、確かなことは解っていません。

国内の越冬個体数については、2006年1月に行われた調査で155羽が確認されました。1997年に確認された個体数は28羽でしたので、世界の総個体数と同様に右肩上がりに増加しています。しかしながら2003年以降は個体数が150~160羽で推移し、横ばい状態となっています。
以下の地図(図2)に示してある主要な越冬地では日本クロツラヘラサギネットワークによる調査が行なわれましたが、それ以外の場所で観察された方は、ぜひ自然保護室(E-mail:[email protected])まで情報をお知らせください。よろしくお願いいたします。


図2.2006年1月の国内の主な観察地点と一斉調査の結果