第10回(2006年1月号) 「今年は冬鳥が少ないようですが、どうしてですか?」
【冬鳥とは】 小鳥からカモ類のような水鳥まで多くの種がいて、繁殖地は中国やロシアの東部からアラスカに至るまでさまざま考えられます。ジョウビタキやシロハラでは朝鮮半島、シメやアオジでは北海道や山地でも繁殖するものがいます。 【地域や時期の違い】 ジョウビタキやモズのように1羽ずつなわばりをかまえる鳥は移動が少ないですが、食物を求めて移動を続ける鳥もいます。冬を越せずに死ぬものもいますし、秋の渡来時に少なくても、春先に渡去する際に多く見られるなど、見る時期によって数も違ってきます。
冬鳥に限らず、野鳥の生存率は高いものではありません。それでも滅びないのは、多くが毎年繁殖を繰り返すし、卵をたくさん産むし、一冬生きのびれば翌年春には繁殖できるためです。厳しいようですが、冬の寒さや食物不足を乗り越えた一部しか成鳥にはなれないし、生まれたヒナの多くが生きのびると食物やすみかが不足してしまうかも知れません。また、自然界には死体を食べる生き物も少なくないし、猛禽類では弱った鳥がいないと、飢死するものもいるでしょう。一方、鳥類はほ乳類とともに学習能力があるので、一部でも一年を経験した個体では数年〜10年以上も生きるものもいると考えられます。