第12回(2006年3月号) 「最近、近所で野鳥が減ってきたようで心配です。どうしたのでしょうか?」
野鳥の数に注意を向けることは大切ですが、増減については、長期的な記録をまとめて解析しないとわかりません。年による変動もあり、数が減った翌年は、生存競争が減るなどして増えることもありえます。季節変化もあり、庭やベランダでエサをあげている場合は、そのエサは植物質のはずですから、小鳥が虫の増えすぎを抑えていることを考えれば、春夏はエサに来なくなったほうがよいとも言えます。身近に野鳥を呼びたい場合は、水を飲んだり浴びたりできる場を用意するなどの工夫もできます。
数の増減については、地域による違いもあるのでスズメやカラスでもよくわかっていません。ある種が減少している場合、営巣環境や繁殖期の食物に変化があれば春夏の繁殖成功率の低下が考えられますが、秋冬の生存率も関係しているかも知れません。地域ごと、季節ごとに採食やねぐらなどの環境、天敵や死亡要因の動向、渡り鳥であれば中継地も含めて因果関係を総合的に調べて解析、検討する必要があります。なお、春に北上する鳥が多い理由としては、ひとつに、食物資源が季節的に集中する北の方が、繁殖に有利になることが考えられます。