第22回(2007年2月号) 「野鳥はどこで死ぬのですか?」
野鳥の多くは毎年春に複数の卵を産み、ヒナが生きのびれば翌年春には成鳥となって繁殖に加わります。増えすぎてすみかや食物が不足することにならないのは、若い個体の多くはひと冬を越せないためではないでしょうか? 一方、タカなどの小鳥を食べる側はもともと数が少ないし、狩りの失敗が続いて命を落とすものもいるはずですから、小鳥を食い尽くすことはありません。タカに狩られるのは弱った小鳥や経験不足の若い小鳥が多いと考えられます。
スズメの平均寿命が約1年3ヶ月というデータがありますが、ひと冬越せた一部は数年以上生きる可能性があります。もし1割も親になるとしたら野生生物では高い生存率で、小鳥に食べられる側の虫では1%もないのが普通でしょう。さまざまな種が共存している自然界では、命の多くは他の生物の食物になることで、さまざまな種や役割の共存が成り立っています。死体があっても、それを食べる虫がいるし、最終的には微生物などによって無機物に分解されて植物の生育に貢献することになり、持続可能な自然の仕組みの一端を担っています。