第26回(2007年6月号) 「『野鳥の巣には近づかないように』と言われますが、どこまでなら近づいてもよいのでしょうか?」
野鳥の巣は人目に触れないように作られるのが普通ですから、野外で気づかないまま親鳥を警戒させていることがあります。人家に営巣するスズメでさえ、巣の近くの人に警戒した親鳥が、ヒナへの給餌をためらっていると、ヒナが餓死したり、死に至らないまでも成長に影響を与えてしまうことがあります。警戒を意味する声としてシジュウカラではジュクジュクジュク、ムクドリではジャーッがあります。
親鳥の警戒心は、一般に繁殖の初期の段階の方が強いと言われます。それはヒナの成長とともに親鳥へのエサの催促が活発になることにも関係しているのではないでしょうか? つまり、警戒心とヒナに給餌したいという葛藤の中で、後者が勝っていくとも考えられます。私たち人間が、まったくスズメやツバメを脅かさずに日常生活を送ることは難しいかもしれませんが、野鳥にストレスをかけていることを自覚できれば、配慮することはできるでしょう。