第33回(2008年1月号) 「古巣から、使った鳥の名はわかりますか?」
枯れ草などを椀型に組む点では同じでも、ヒヨドリはやや高いところ、モズは低いところ、ホオジロは地面近くに作る傾向があります。また、ヒヨドリではやや粗雑ですが、モズは内側が緻密であるとか、メジロは横枝にハンモックのように下げますが、カワラヒワは枝上に乗せるように作るという違いもあります。スズメやシジュウカラの場合は穴の中に巣材を運び込むので外からは見えませんが、スズメは主に枯れ草や茎、シジュウカラは主にコケ類を使います。
ヒナが巣立った後は使われないことが多いので、古巣は落ちていた鳥の羽とともに、触れる教材として活用できます。卵を産み落とす産座には柔らかい毛や羽毛を敷き詰めてあるとか、同じ種でも地域や個体によって巣材や形に違いがあるなど、子どもでも詳しい観察が可能です(東富士支部では、子どもたちに巣材の人工物を調べてもらい、ゴミを減らすキャンペーンに展開させています)。また、小枝などを集めて鳥の巣を真似て作ってみる環境教育プログラムでは、巣材集めや組み立ての苦労も実感できます。
*参考:黒田長久監修、柿沢亮三・小海途銀次郎『日本の野鳥巣と卵図鑑』世界文化社 1999