No.83 2011年3月号


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目次 東日本大震災への対応状況
■ブロックの動き
 九州沖縄ブロック運営協議会 議事録
■支部の動き
 支部報保護・調査記事関連トピックス
■事務局からのお知らせなど
 支部卸販売をご利用ください
 支部名称等変更のお知らせ
 連携団体全国総会(仮称)の開催日程
 学生バードソン2011へのご参加を!
 会員数


≪東日本大震災への対応状況 ≫

このたびの東北地方太平洋沖地震による災害で、被災された皆様に心からのお見舞いを申し上げるとともに、被災地の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

財団法人日本野鳥の会
会長 柳生 博

 この震災への当会での対応状況などについて、3月21日現在の情報をお伝えいたします。最新の情報は当会ホームページに掲載しておりますので、あわせてご参照ください。

●当会会員の被災状況と安否確認について
 大きな被害が伝えられている青森、岩手、宮城、福島、茨城の5県には、3,043名の当会会員がおられます。このうち沿岸部の皆様が特に大きな被害を受けられたではと思われます。当会では、被災地域にお住まいの会員の方の安否情報の収集に務めていますが、その被災状況を個々に把握することがなかなか難しい状況にあります。
そこで皆さまにお願いです。このHPをご覧になった方で、当会会員と思われる方の被災状況や、現住所、連絡先などについてご存知の場合には、どんな小さなことでも結構ですので、ぜひお知らせくださいますよう、お願いいたします。
 ★連絡先:
    日本野鳥の会会員室 会員グループ
    E-mail:[email protected]
    電話:03-5436-2631

●当会支部等の安否状況について
 青森、岩手、宮城、福島、茨城の5県には、当会の連携団体・支部等(以下、支部と略)が17支部あります。
これらのうち、特に被害が大きいと思われる太平洋沿岸部の支部の代表者、事務局等の安否状況は以下のとおりです。(敬称略)

【青森県】
あおもり
  支部長 針生倖吉:本人に無事を確認
  事務局 同上  :
【岩手県】
宮古
  支部長 佐々木宏:無事との情報
  事務局 関川 實 :無事との情報
  元支部長 遠藤公男:無事との情報
  支部会員 :全員が無事との情報
【宮城県】
宮城
  支部長 竹丸勝朗:無事との情報
  事務局 無し(私書箱)
  財団理事 小室智幸:無事との情報
【福島県】
福島県相双
  支部長 白瀬 豊 :無事との情報
  事務局 同上  :
南相馬
  支部長 佐藤勝彦:無事との情報
  事務局 杉内慶夫:無事との情報
いわき
  支部長 小野金次郎:無事との情報
  事務局 峠 順治 :本人に無事を確認
【茨城県】
茨城
  会 長 池野 進 :本人に無事を確認
  事務局 同上  :

●被災地域の支援について
(1)物品の提供
 当会事務所がある東京都品川区は岩手県宮古市と互援助協定を締結しており、被災地へ救援物資の提供が行われております。この協定による物資提供を利用させていただき、わずかではありますが以下の物品を被災地へ提供させていただきます。
・当会制作のオリジナルTシャツ  約200着
(3月23日頃に品川区へ納品の見込み)

(2)会費の免除等
 被害の大きい地域の会員の本部会費は、2011年4月より1年の間、一律に免除といたします。対象とする地域は、被害状況の情報を元に、今月中に確定してお知らせいたします。
また被災地域の支部の支部会費につきましても、当面、収受を停止します。対象支部と停止後の会費取り扱いにつきましては、各支部と協議いたしたまして決定いたします。

(3)義援金の募集
 被災地域の支部、会員のみなさまの支援のため、義援金を募集します。
郵便振替にて必ず「被災地支援」と明記の上、以下の口座にご送金ください。振込用紙は郵便局備え付けのものをご利用ください。

・振込口座名義(加入者名):財団法人 日本野鳥の会寄付
・口座番号:00140−5−740256
※お送りいただいた義援金は、日本野鳥の会で一旦お預かりし、全額を被災地の当会支部と会員のご支援のために使わせていただきます。
※義援金につきましては当会での預かり金のため、寄付金控除の対象にはなりませんので、予めご了承ください。

●当会の行事、発行物等について
(1)探鳥会について
 被害の大きかった地域では支部活動が停止しており、探鳥会の開催は困難となっております。また周辺地域でも探鳥会開催の自粛や中止が行われております。
探鳥会の開催状況は、当会ホームページをご覧ください。
http://www.wbsj.org/shibu/tancho/index.html

(2)定期刊行物について
 当会の定期刊行物『野鳥』と『Toriino』は通常どおり発行いたしますが、配送の遅延が予想されます。また東北地方については、配送が困難になっておりますのでお届けできません。お届けできない定期刊行物については、当会で保管させていただき、配送手段が確保されしだいお届けいたしますのでご了承のほどお願いします。

(3)福島市小鳥の森について
 当会で福島市より業務受託している福島市小鳥の森につきましては、3月中は閉館となっております。4月からにつきましては、改めてご案内します。

(4)当会事務所およびバードプラザ等について
【西五反田事務所】
震災被害はありませんが計画停電の影響と節電協力のため、一部業務を縮小しております。お問い合わせなどへの対応が不十分になる場合があるかと思いますが、ご了承のほどお願いします。
【バードプラザ】
西五反田事務所併設のバードプラザも被災しておりませんが、18日までは臨時休業とさせていただきました。22日からは、通常通りの営業を予定しておりますが、その時の状況により、営業時間の変更等、させていただく場合がございます。予めご了承いただきますよう、お願いします。
【鳥と緑の日野センター(WING)】
こちらも被災はしておりませんが、21日までは休館の予定です。
22日からは通常開館の見込みです。


ブロックの動き

■九州沖縄ブロック運営協議会 議事録■

≪日時等≫
日時:2011年2月5日 13:30〜18:00
場所:日本野鳥の会 福岡 事務所(福岡市中央区大手門)
出席者:筑後・松富士、佐賀・佐久間、北九州・森本、前田、石垣島・宮良、西表・衣斐、
     鹿児島・中村、熊本県・高野、田中、筑豊・真鍋、広塚、福岡・田村、神園、小野
財団:佐藤、古南、永松、岡本
※欠席:宮崎県(カンムリウミスズメイベントのため)、大分、長崎県

≪配布資料≫
① 議題について(宮崎県の鳥インフルエンザの対応状況の報告含む)
② 2011年日本野鳥の会九州・沖縄ブロック大会の開催について
③ 出水地方における野鳥の保護・収容・ウイルス検査の状況
④ 2010年度バードウィーク一斉探鳥会等の報告
⑤ 矢部川新聞
⑥ まめわり
⑦ 探鳥会などにおける危険要素の回避についての事例
⑧ 新聞記事(オオカミ導入の検討)

≪議題≫
進行役予定の長崎・執行さんご欠席のため、暫定事務局の福岡・田村さんが進行。
1.2009年度の負担金の収支
 長崎・執行さんに収支報告を依頼中。長崎県、やんばる、佐賀県の負担金が未納。
2.2010年度ブロック大会報告と負担金の収支
 ブロック負担金と参加費で収支0。オークション売上約8万円。半分の4万円をブロック事務局に納めた。
3.2011年度ブロック大会と負担金を含めた予算について
 佐賀大会を2011年4月2日に開催予定。出欠を教えてほしい。各支部の紹介タイムをとる。希望時間があれば、前もって教えてほしい。
<4月以降のブロック事務局>
 筑豊が担当する。具体的な人選は広塚さんが持ち帰って検討する。任期は2年。引き継ぎは長崎・執行さんより。
<ブロック大会の今後>
 順番では石垣島だが、2012年は先に鹿児島で行い、その後の状況にあわせて、石垣島・西表(合同の可能性もあり)での実施を検討する。

4.その他懸案事項

1)財団事務局より

佐藤: 公益法人制度改革については、今のところ、問題なく認可がもらえる状況である。すでにお知らせしているとおり、公益財団法人の登記は4月1日を目指している。現在の理事・評議員は3月31日までの任期、分かち決算などは必要なくなる。このような事情の中で、3月6日に理事会・評議員会を行う。
支部名称については、内閣府の方針が変わり、利用できることになった。理事会・評議員会で、直接内閣府に説明に来てもらう。改めて、理解と協力をお願いしたい。
4月の登記以降に、全国連携団体総会の開催を計画している。日程が決まり次第連絡する。これまでの本部・支部関係がシステム的に希薄になってくる。それを補完するため、種々の対応策を検討している。その一つが全国連携団体総会であり、野鳥情報ネットワークもその一つと考えている。全国に支部がある強みを生かすため、以前からお願いしている野鳥情報全国ネットにもぜひ参加をお願いしたい。未加盟の支部には、後日以前送付した文章を再送する。
一時休刊していたストリクスを復刊することとなった。この継続には、原稿のスムーズな投稿と購買の拡大が不可欠だ。支部の皆様には、ストリクスへの投稿や、販売拡大に協力いただきたい。
松富士: 支部長に代わる呼び名は、団体によって代表、会長とバラバラで、一定していない。どうするのが望ましいか。
佐藤: 新制度検討委員会の答申に基づき、財団自体が会長を持っているため、混乱しないよう、代表または代表理事がよいと見解を出した。ただし、どうしても会長の名称を使用するとした場合には制約までは行っていない。
松富士: 代表、会長、支部長が混在してしまうのか。
田中: 名称変更に伴って支部としては旗のつくりかえなど予算をとってきた。説明がほしい。
佐藤: 内閣府の担当が来る理事会・評議員会で、直接支部の皆様とやりとりしてほしい。財団としては、この情報をできるだけ早く各支部にお知らせした方がよいと判断して一連の対応をした。
名称の統一が好ましいが、やむを得ずとった対応である。定款の中に規定している連携団体の名称はそのまま変更せず、「連携団体規定」の細則変更等で対応を考えている。
広塚: 内閣府とのやりとりは文書で取り交わされたのか、日本野鳥の会の将来展望も示したのか。
佐藤: 内閣府は文書での回答には応じないため、できるだけ文書で残す努力をしている。記録の確認もしている。監督官庁の環境省も巻き込んで進めてきた。役所は、確認書や覚書のようなものは出さない。
広塚: 筑豊はデータをバードリサーチに提供している。野鳥情報ネットワークと、どう分担、すみわけをしているのか。
古南: 探鳥会のデータベースは、最初はバードリサーチと連携して行っており、今後も共有しながら進めていく。
佐久間: 会員から直にデータベースに送ることはできるのか。
古南: 現在考えているシステムでは、支部の窓口を決めてもらい、そこから送付していただくことにしている。従って、会員個人から直接ではなく、支部の窓口から支部単位でお願いしたい。

2)鳥インフルエンザ対策と状況説明

古南: これまでと様相が変わり、かなり拡大してきている。今年の10月中旬に北海道の稚内で、日本で初めて、野生のカモ類の糞から高病原性鳥インフルエンザウイルスが発見された。そのあと、日本海側で米子、富山、島根、鳥取で、野鳥や飼育下のコブハクチョウ、ニワトリから検出された。12月14日に出水で出てからは、複数個所で様々な鳥に出ている。オシドリ等今回初めてウイルスが発見された種もある。宮崎では養鶏場のニワトリから7例、出水でも1か所でニワトリが死んでいる。出水は野鳥はわかっている範囲はナベヅル6羽で、マナヅルからは見つかっていない。これまでは養鶏場と野鳥の両方から検出された事例がなかったが、今回はそれが島根・鳥取や出水で見つかった。カモ類が運んだウイルスが何らかの経由でニワトリに感染した可能性が高い。まだわからないことが多いが、カモ類やカモメ類といった水鳥に注意が必要。出水では、監視態勢を強化している。地元の方のみでは人が足りないため、1月10日から環境省の依頼で現地に入り、自然保護室の職員・スタッフがパトロールに参加している。情報発信については制約も多い。出水は全国で1、2を争う養鶏の盛んな場所。市としては、養鶏業も観光も守らなければならない。
野鳥からのウイルスの詳細検査のできる機関は全国で3か所のみで、結果が出るまでに時間がかかっている。こうした状況は改善していくべきと考えている。
各地で、渡り鳥の渡来状況など気がついたこと、例年と違うことあれば教えてほしい。
最新の情報を会のホームページで伝えている。出水市は、現在、西干拓・東干拓を立ち入り禁止にしており、会としてはその広報に協力している。個人宅で楽しむ餌台の衛生管理の注意も改めて呼びかけている。
高野: 検査体制をもう少し幅広げられないか。熊本ではクロツラヘラサギの死体を拾得したが、環境省マニュアルの要注意種33種に該当しないということで検査してくれなかった。検査対象は33種だけでよいのか。
森本: オナガガモの弱った個体を捕獲したが、死んでいない個体は調べてくれなかった。
古南: 要注意種の33種は代表的なものとして挙げられたに過ぎないが、県によってはそれ以外は検査しないとなってしまっているので、改訂が必要。環境省から通知を出してもらったことにより、県によっては改善されている。検査については、ウイルスを他の家禽に感染させてしまうおそれがゼロでないことから、野鳥を検査できる立場にある獣医さんの数が少ないのが悩み。家禽に携わる人や開業獣医さんは難しい。高知ではオシドリは見つかった時点では生きていたが、様子がおかしく、安楽死させて調べた結果、ウイルスが見つかった。県によっては、県の家畜衛生保健所が家禽と同様、野鳥の詳細検査も行っており迅速に結果が出ている。こうした改善すべき点は今後、環境省に働きかけていく。
松富士: 久留米の鳥類センターは、鳥インフルエンザ感染の恐れから傷病鳥の引き受けを停止している。このことについて苦情も出ている。動物園などではどう対応しているのか。
古南: マニュアルでは「完全に隔離できない場合は保護しない」といったことしか書かれていない。どこかでラインを出さないといけない。
鳥インフルエンザに関する情報は、入り次第、関係支部にお届けする。ご相談は遠慮なく自然保護室までどうぞ。

3)有明海再生に向けての野鳥の会としての対応について

松富士: 日本野鳥の会として、九州ブロックとして、有明海再生に向けてアピールしていけないかと考えている。
神園: 諫早の干拓地の前にできているヨシ原にチュウヒやコチョウゲンボウが数多く生息している。ヨシ原が残るようにできないか。
古南: 今までの財団が行ってきたアピールは資料のとおり。開門を要望してきて13年目にして実現した。開門は段階的に行われる見込みなので、最終的にどこまでヨシ原が残るかはわからないが、すぐにヨシ原がまったくなくなってしまうわけではないと思われる。潮受け堤防が撤去されるという話ではないので、劇的には変わらないのではないかと思っている。
ブロックとして、かつて行っていた有明海沿岸4支部合同のシギ・チドリ調査を再び行ってみてはどうか。
松富士: 筑後支部ではその後も継続して実施している。検討する。

4)三池島のベニアジサシ調査の件

松富士: 今年は東大がつけたジオロケーターを回収の予定。照度を記録し、解析して越冬海域を推定できる見込み。

5)油山自然観察センターの委託打ち切りの経過と今後についての説明

佐藤: これまで福岡市から委託を受けていたが、元請けは市の外郭団体で、当会は下請けであった。指定管理に移行するにあたり、情報収集してきたが、結果として、指定管理を受けた団体は日本野鳥の会に再委託する考えはなく、撤退となる。福岡市から出された指定管理の条件には、福岡市内に事務所がある団体というしばりがあった。1位で指定管理をとった団体は、市民の森内の売店部門を担当している「市民の森協会」で、市のOBが中心の任意団体である。管理事務所・自然観察の森・売店の3部門どこでも担える人材を配置し、集約的管理を行い経費を節減することが基本方針であり、経費のかかる日本野鳥の会に自然観察の森の運営を依頼することは、当初から方針になかった。最大限の努力をしてきたが、継続がかなわず誠に残念である。
松富士: この件は福岡支部の会報で目にしたが、財団事務局からの報告がなかったのはおかしいのではないか。メールで問い合わせたが、オープンではなかった。
真鍋: サンクチュアリがウトナイにはじまり、福岡にもできたとき、とても重要な拠点と感じ、思いが生まれた。しかし、なくなるという連絡がなかった。サンクチュアリ運動を推進している本部としては、もっと細やかに動いてもいいのではないか。ブロックからサンクがなくなるのは重要なこと。
佐久間: 福岡支部の会報で見てショックではあったが、油山自然観察の森の運営にかかわっていない自分が何か言う立場にはないと考える。本当に自分たちの核をつくるなら、行政委託ではない形で、拠点や事務所を構えなければならないと思う。指定管理者制度になったのであるから、仕方ない部分はある。
広塚: 情報収集と営業は十分だったのか。西鉄グリーンと組む対応も、遅くはなかったか。全国のサンクチュアリの今後を考える上でも、油山の総括は必要。
佐藤: この件については、日本野鳥の会福岡と密接な連絡を行いつつ最大限の努力をしてきたところである。先の九州ブロック大会の時点では結果が分からない時期であり、お知らせすることができなかった。
当会は、元請けできる状況になく、継続するにはどこかの下請けが前提であった。相手先の選択については、最大限の情報収集と検討を行った中での選択であり、間違っていたとは思っていない。いずれにしても、長年継続してきた管理運営から撤退をせざるを得ず、結果については申し訳ないと思っている。

6)福岡県と県内4野鳥の会との意見交換会の紹介など

広塚: 第11次鳥獣保護事業計画に対して、九州ブロックでメジロ愛玩飼育廃止の要望を環境省に出してはどうか。→ブロック理事の高野さん(熊本県支部長)が要望書案を作成し、対応する。

7)探鳥会などにおける危険要素の回避について

田村: 探鳥会でのリスク管理について、昨日佐藤副会長を講師に研修会を行った。他支部についても関連があるので、議題の一つに上げた。
佐藤: 現在保険加入いただいている支部は66支部で、年間2850回の探鳥会が開催されている。これ以外の支部も含めると、5〜6万人は参加していると思われ、野鳥の会が大いに誇れる実績である。一方、回数が多く高齢者も多くなっているので、重大な事故が起こる恐れが高いと考えられる。重大な事故が起こる前に対策をとる必要がある。支部においても十分議論をしておいてほしい。財団が加入している探鳥会保健の費用は、財団が負担しているが、そのあり方や補償額等について、今後財団としても検討していきたい。

8)探鳥会関連の連絡

岡本: 5月のバードウィークでは全国一斉探鳥会、11月のバードウォッチングウィークには、はじめての方や、会員でない方を主対象にした探鳥会を、東京・神奈川・奥多摩と共催で開催した。また、探鳥会では、はじめての方向けの教材として「ミニミニ野鳥図鑑」を活用いただいた。ミニミニ〜には、野鳥誌プレゼントはがきを挟み込み、名簿を取得することで、その先のDMで寄付や入会の案内を送ることができた。その他、ミニミニ〜はプレゼントキャンペーンのマスコミ掲載依頼を行い、複数紙面で取り上げられ、4000件を超える申込みがあった。これら(ミニミニ配布、はがき回収)で獲得した名簿へのDMによる、入会・寄付の効果は、トータルで入会51名、寄付528名(12月末時点)。今後も、探鳥会を通じた支援者拡大の工夫をしていきたく、ご協力をお願いします。
松富士: バードウォッチングウィークは、もっとアピールできるとよい。筑後では、PRしている。有名人の協力を得るなど考えて欲しい。
衣斐: ウイークではなく、バードウォッチング月間としたほうがよい。八重山では時期的にはもう少し遅いほうがよい。

(普及室/岡本 裕子)

支部の動き

■支部報保護・調査記事関連トピックス■

 本記事は日本野鳥の会本部に送付されてきている各地の支部報から抽出して作成し、調査・保護に関心がある野鳥の会内部の方へ配信しております。
 本記事の一部又は全部を不特定多数が見る可能性があるところへ公開される場合は、各支部の了承を事前に得て下さい。記事は筆者の意向に反しないように、取り扱いをお願いします。

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.550

●2010/12 旭川
・冬季石狩川中流域のカモ類調査について ・アオサギのコロニー
●2011/1-2 群馬県
・2010年秋のタカの渡り多点観察結果
・野の鳥は野に!
・イソヒヨドリがダムで子育て
●2011/1 大阪
・たしかな未来はなつかしい風景の中にある
・自分だけのフィールドノートを・・・
・電子版フィールドノートの活用
・観察記録を発表しよう
●2011/2 高知
・支部名称変更問題について
●2010/12 佐賀
・伊万里ツル情報
・ホトトギスのでんせつ 

●2010/12 旭川
・冬季石狩川中流域のカモ類調査について
 旭川市街を抜け、その下流の石狩川の約2qで、数が多い3種のカモ類をカウントした。ホオジロガモ:09/1/4、650羽最大数、09/2/17、520羽、以後徐々に減り4/25、1羽。2010/1/31、620羽最大数、4//26、16羽。マガモ、09/2/17、490羽最大数、4/25、20羽。2010年は4/26に330羽の最大数を記録。コガモ、3月末〜4月上旬に最大数になった。
(旭川「北の野鳥」NO.45,P3)
・アオサギのコロニー
 北海道アオサギ研究会松長克利氏によると、64年の道内のアオサギのコロニーは6個所のみで、営巣は約700巣、04年には道内全地区70個所、約5,000巣に増加した。旭川の嵐山コロニーを観察してきた。3月中旬に渡来し、文献にはペア形成された順にコロニーに入るとあるが、北国では渡り途中で番形成が行われているように思われる。採餌範囲は5〜10qと言われるが、ここでは上川盆地の広範囲に及び25qを超えるものもある。抱卵、育雛期には100羽を超えるカラスが狙ってくる。巣立ちは7月中旬が多く、8月には巣にいなくなり、近くで見るが、9月下旬〜10月上旬に川に集合後、集団で渡るらしい。
(旭川「北の野鳥」NO.45,P4〜5)
●2011/1-2 群馬県
・2010年秋のタカの渡り多点観察結果
 9/12〜10/3、県南7個所での観察でサシバ14、ハチクマ3、ノスリ2、オオタカ1の低調な結果であった。他の小鳥の渡りも少なかった。
(群馬県「野の鳥」NO.303,P8〜11)
・野の鳥は野に!
 11/27、28、四国で2回目となる第18回野鳥密猟シンポジウムが愛媛で開催された。関東7都県は野鳥の愛玩飼養を認めていないが、23府県ではメジロに限り一世帯1羽の飼養を認めており、四国の4県はその中にある。 愛玩飼養は新たな密猟を生む原因にもなっており、「メジロの鳴き合せ会」は西日本に多い。H20年の全国でのメジロ愛玩飼養目的での許可捕獲羽数は1,277羽で、最大は鹿児島県の165羽、以下静岡県149、高知県138、その数は増える傾向にある。高知県では過去5年間で検挙56件、違法捕獲メジロ562羽にのぼる。2012年からの第11次鳥獣保護事業計画に向けて、この愛玩制度を終息すべき。
(群馬県「野の鳥」NO.303,P11〜12)
・イソヒヨドリがダムで子育て
 イソヒヨドリは通常、海岸の岩場で見られるが、内陸の前橋市内で見られ、今回、藤岡市南部の下久保ダムで繁殖(若鳥)を確認した。
(群馬県「野の鳥」NO.303,P13)
●2011/1 大阪
・たしかな未来はなつかしい風景の中にある
 柳生会長からのメッセージ。なつかしい風景とは・・・「里山」だと思う。生き物がいっぱいいて、人間が生き物たちと折り合いをつけて、いいあんばいで暮らしてきたあの風景。豊岡で、里山の生態系の頂点に立つコウノトリの舞うなつかしい風景をもう一度再生するため、できるだけ農薬や化学肥料を使わない、冬でも田んぼに水を入れるということをやった。これまで野生で生きるコウノトリは44羽になった。2011年には50羽を超える。日本各地で、同じような水面輝く里山があったらコウノトリは必ず舞い降りる。生き物たちは、子孫を残すために命をつなぐために生きている。連綿と変わらない生き物の営み。多様な生き物が多様に関わり生きている。そのつながりの中に自分がいる。行きとし生けるもの、みんな機嫌よく生きることができる環境を取り戻すこと。生き物のあふれるなつかしい風景の中にこそ、私たちの確かな未来がある。
(大阪「むくどり通信」NO.211,P2)
・自分だけのフィールドノートを・・・
メモ帳の場合は表紙は厚めで水気に強いものがよい。必ず名前、住所、連絡先を書いておく。ルーズリーフ方式(システム手帳のリファイル)は綴じたり、外したりして後で目的別にファイルができる。未記入の用紙を持ち歩くので、過去の記録を紛失する事がない。帰宅後、調べた事が追記できる等のメリットがある。フィールドノートでよく使う略号は♂、♀、Ad(成鳥)、Juv(幼鳥)、S(囀り)、C(地鳴き)、F(飛行)、Fの上に→(上空通過)、F↑(飛び立ち)、F↓(降りる)、fe(採食)、P(写真撮影)、V(ビデオ撮影)。
(大阪「むくどり通信」NO.211,P4〜8)
・電子版フィールドノートの活用
 NPO法人バードリサーチ、日本野鳥の会等が共同開発したデータベース「フィールドノート」は便利である。どんどん記録を保存しておき、検索で必用なものをExcelファイルで出力し、容易にリストや分布図、クロス集計表等ができる優れ物である。バードリサーチのホームページの野鳥データベースプロジェクトから無料のソフトがダウンロードできる。
http://www.bird-research.jp/1_katsudo/yachodb/index.html
(大阪「むくどり通信」NO.211,P9)
・観察記録を発表しよう
 フィールドノートの記録はそのままでは宝の持ち腐れになる。興味ある記録は会報に投稿、更にストリクスや鳥学会誌への挑戦も楽しい。論文を書く場合の参考として下記がある。「フィールドの観察から論文を書く方法」(濱尾章二著、文一総合出版、2010/10初版、1200円+税)
(大阪「むくどり通信」NO.211,P9)
●2011/2 高知
・支部名称変更問題について
 本部の公益法人化に伴い、内閣府は「日本野鳥の会○○支部」の名称は使えないとの見解を示していた。しかし、今年になり、内閣府は○○支部も認める方針を示した。それを受けて本部常務会通知は「地域名称は、内閣府公益認定等委員会事務局の支部名称取り扱い方針変更に伴い、従来の「日本野鳥の会○○」に加え、「日本野鳥の会○○支部」を認める事とする」。それにより、当会は再度規約変更し、従来通りの高知支部へ名称戻す事にする。
(高知「しろぺん」NO.290,P2)
●2010/12 佐賀
・伊万里ツル情報
 10/28、マナヅル4(成2、幼2)が飛来。11/1、監視小屋設置、伊万里ツルの会による監視活動開始。11/4、伊万里長浜干拓で小学生によるツルのデコイ設置。ここは出水平野で越冬するツルの飛来コースで、ツル越冬分散候補地で昨季はマナヅル、クロヅル457羽が飛来し、マナヅル8羽が越冬した。
(佐賀「野鳥さが」NO.171,P9〜10)
・ホトトギスのでんせつ
 山形県の小学三年生が夏休みの課題で、野鳥の会各支部に照会した「日本各地のホトトギスに関する言い伝え」が「ホトトギスのでんせつ」にまとめられ、山形県の社会展で優秀賞を得た旨の感謝の手紙が届いた。野鳥の会の活動の強い印象を残せたのではないでしょうか。
(佐賀「野鳥さが」NO.171,P12) 

(自然保護室支援・野鳥の会 神奈川/森 要)

事務局からのお知らせなど

普及室より

■支部卸販売をご利用ください■

 「バードショップカタログ2011春夏号」を発行しました。3月中に、各支部販売事業ご担当の皆様には、支部卸販売のご案内と合わせてお届け致します。


●オリジナル新商品のご紹介
◎1000人でシマフクロウの森をつくろう!キャンペーンTシャツ「千人の森」
<バードショップカタログ2011春夏号 P2>
 100年後にシマフクロウが生息できる森を目指す「シマフクロウの森を育てよう!プロジェクト」との連動企画です。シマフクロウのすみかとなる森を育てる事業の一環として、Tシャツ1枚につき250円を植樹活動に寄付します。Tシャツはシリアルナンバー入りで1000枚制作し、500平方メートルに100本の植樹を目指しています。


◎Tシャツ「カンムリウミスズメ」/Tシャツ「カンムリウミスズメ」キッズ
<バードショップカタログ2011春夏号 P3>
 当会カンムリウミスズメ保護事業のシンボルマーク入りTシャツの新色・新サイズを発売します。今回はキッズサイズも新たに制作しました。ぜひご家族でのご着用に、お子さんやお孫さんへのプレゼントに、ご活用下さい。




◎バードウォッチング靴下 婦人用サイズ
<バードショップカタログ2011春夏号 P20>
 長時間の歩行や立ち仕事による足の疲労が軽減されると好評の「バードウォッチング靴下」。従来は、紳士用サイズ(25〜27cm)のブラックのみでしたが、4月に婦人用サイズ(23〜25cm)を発売します。色はネイビーとグリーンの2色です。


●支部卸販売のご注文、お問い合わせ
 普及室 販売出版グループまでお願いします。
 TEL:03-5436-2623 FAX:03-5436-2636
 [email protected]


(普及室/江面 康子)


総務室より

■支部名称等変更のお知らせ■

●千葉県支部 (2011年1月30日より)

・新名称:『日本野鳥の会千葉県』
・支部長→会長

※先月号にて新名称を『日本野鳥の会千葉』とお知らせしましたが、正しくは『日本野鳥の会千葉県』です。
謹んでお詫び申し上げます。

(総務室/五十嵐 真、小川 富由美)


■「日本野鳥の会連携団体全国総会」(仮称)の開催日程 ■

 財団本部の新制度移行日程の遅れに伴い、開催を延期しておりました「連携団体総会」(仮称)ですが、7月2日(土)〜3日(日)の日程で開催いたします。より具体的な開催内容については、おってお知らせいたします。

(総務室/五十嵐 真、小川 富由美)


会員室より

 

学生バードソン2011へのご参加を! 当会のカンムリウミスズメ保護への寄付

●この2年間で212万円のご寄付

 昨年の「NEC学生バードソン2010」でも当会のカンムリウミスズメ保護活動に109万円のご寄付をいただきました。2009年にも103万円のご寄付をいただいています。
当会では1998年までに11回のバードソンを行いましたが、学生バードソンは1988年にスタートし昨年で21回目。名前の通り学生の皆さんが実行委員会を組織して、企画から運営まで行われています。これまでに当会活動への寄付を何回もテーマに取り上げていただき、累計の寄付額は1千万円を超えています。

●今年のバードソンにご参加を!

 2011年の募金も、昨年同様、当会のカンムリウミスズメ保護プロジェクトにご寄付いただけることになりました。学生バードソンですが社会人チームの参加も歓迎されており、例年、数十の学生チームに加え十数の社会人チームが参加されています。ぜひ支部からもチーム参加をお願いいたします。皆さんの参加が、カンムリウミスズメの保護と学生の皆さんの活動支援につながります。


学生バードソン実行委員会からのメッセージ


6月12日(日)に学生バードソン2011が開催されます。学生バードソンとは、『楽しみながら自然保護をしよう!』をテーマに行う自然保護チャリティイベントです。
今回集められた募金は、昨年、一昨年に引き続き(財)日本野鳥の会のカンムリウミスズメ保護プロジェクトに全額寄付され、調査費用に充てられます。今年このプロジェクトでは、海洋保護区の設置など具体的な保護施策の実現にむけて、繁殖地や周辺海域の分布調査を、これまでにもまして大規模に行います。
私たちと一緒にカンムリウミスズメを守りたいという学生や社会人のみなさま、ご協力をお願いします!皆様のご参加お待ちしています!
【学生バードソンとは?】
3人1組でバードウォッチングを行い、確認した野鳥の種数を競うゲームです。同時に、参加チームには募金も集めていただき、募金額・募金者数も競います。
【参加方法】
まずは090-2934-8765(事務局専用/担当:亀崎)、[email protected]にお問い合わせください。
またこちらもご覧下さい!(近日公開)
http://www.fa-net.org/birdathon/2011/

(会員室長/小林 豊)

■会員数■

●3月1日会員数40,312人(対前月-50人 )
 会員数は先月に比べ50人減少しました。
2月の入会・退会者数の表をみますと、入会者数は退会者数より47人少なくなっています。会員の増減は、入会者数と退会者数のほかに、会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活した人数によって決まります。2月の入会者数は191人で、前年同月の入会者121人に比べ70人増加しました。
また、2月の退会者数は238人で、前年同月の退会者数291人に比べ53人減少しました。

 表1.2月の入会・退会者数

 

※会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活する方がいらっしゃるため、退会者数の年度累計は、実際の退会者数とずれた数字となります。このため、退会者数合計については年度末の集計後にお知らせいたします。

●都道府県および支部別会員数
 野鳥誌贈呈者数を除いた数を掲載します。

 表2.都道府県別の会員数(3月1日時点)

 
備考:その他は海外在住の会員を示します。

 表3.支部別の会員数(3月1日時点)

備考:支部別の会員数の合計は、都道府県別の会員数の合計と異なります。これは、本部型(青い鳥)会員や支部に所属されていない個人特別会員が支部別の会員数に含まれないためです。

(会員室/沖山展子)


■支部ネット担当より

東日本大震災で被災された皆様にお見舞い申し上げます。
 ここ十年ほどの間ですが、毎年繁殖期には、宮城県石巻市(旧北上町)の北上川河口のヨシ原へ、ヨシキリ類の調査に通っておりました。調査に行くたびご厄介になっていたヨシ業者の皆さんはご無事だったのですが、社屋や機材、趣のあった茅葺きの母屋もすべて流出したとのこと。河口から10kmほど続く国内有数のヨシ原も大きな影響があったことでしょう。
 一日も早い復興をお祈りいたします。

(会員室長/小林豊)

支部ネット通信 第84号
◆発行
財団法人日本野鳥の会  2011年3月25日
◆担当
会員室
〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23
丸和ビル
TEL:03-5436-2632
FAX:03-5436-2635
E-mail:[email protected]