No.122 2014年5月号


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目次 ◆支部の動き
 支部報保護・調査記事関連トピックス
◆ブロックからのお知らせなど
 2014年度九州・沖縄ブロック大会参加報告
◆事務局からのお知らせなど
 新入会員の方へ『ワイルドバード・カレンダー2015』を
 プレゼントします

 新たな『フィールドガイド日本の野鳥』に向けた
 増補改訂新版の取り組み
 支部名称等変更のお知らせ
 訂正とお詫び
 会員数

支部の動き

■支部報保護・調査記事関連トピックス■

 本記事は日本野鳥の会へ送付されてきている各地の支部報/会報から抽出して作成し、調査・保護に関心がある野鳥の会の会員へ配信しております。本記事の一部又は全部を不特定多数が見る可能性があるところへ公開される場合は、各支部/各会の了承を事前に得て下さい。記事は筆者の意向に反しないように、取り扱いをお願いします。

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.701

●2014/3-4 群馬
・群馬県のカワウの繁殖状況
●2014/3 神奈川
・かもめーるの季節
・鳥名 タダカモメ
●2014/3-4 諏訪
・今季ガンカモ調査
・相次ぐフクロウの受難
・コイカルの群の疑惑
●2014/3-4 鳥取県
・コアジサシ デゴイ大作戦
・ブッポウソウ保護管理調査
●2014/3-4 島根県
・増え続ける野鳥写真屋
●2014/3-4 愛媛
・ガンカモ調査の概況
●2014/3 佐賀県
・消えたコブハクチョウ

●2014/3-4 群馬
・群馬県のカワウの繁殖状況
 カワウの飛来は奥利根湖、野反湖、バラギ湖、田代湖、草木湖、下久保ダム湖、多々良沼、上野村等、県全域になる。その内支部は9箇所で調査している。1・大胡町の千貫沼:冬季は水がないため塒、営巣も無し。2・大間々町の高津戸峡:2013/3、100巣以上。3・箕郷町の鳴沢湖:2005、6年に3,4巣営巣。4・吉井町の南陽台:2013年、51巣確認。5・玉村町の福島橋:営巣記録無し。6・渋川市の真壁調整池:3月、2009〜13年、13〜48巣。7・沼田市の綾戸ダム:2010/3に13巣営巣み。8・富岡市の丹生湖:古巣はあるが営巣未確認。9・中之条町の山田川ダム:2010/4、4巣で営巣があったが、現在0。
(群馬「野の鳥」NO.322,P2〜5)

●2014/3 神奈川
・かもめーるの季節
 夏の海、入道雲、ヨット、海に飛ぶカモメ、こんなイメージが根深いようである。夏の神奈川県ではカモメ類はオオミズナギドリがカモメの仲間と混同される以外、殆どがウミネコである。あるアウトドア月刊誌で夏季を表すとしてカモメの写真を募集しても、殆ど集まらなかったは当然。日本のカモメ類25種の内、23種が冬鳥で、本州ではウミネコ以外、夏にカモメ(類)は殆ど見られない。暑中見舞葉書「かもめ〜る」には冬鳥の代表ユリカモメが載り、カモメが夏のイメージの誤った認識の最たるものである。
(神奈川「はばたき」NO.502,P3)

・鳥名 タダカモメ
 探鳥会のリーダが「タダカモメ」と言う時は種「カモメ」を指す。日本産の鳥名にはある科、属を指す総称名をと同じ名前の種名の鳥がいる。アジサシ、カイツブリ、ホオジロ等がある。〜アジサシ、〜カイツブリ、〜ホオジロとなるが、ホオジロにはホオアカ、カシラダカ、アオジ、コジュリン、ノジコ等も含まれ、ホオジロの英語総称はBuntingである。では、数が少ないカモメが何故総称名となったのかは不明。
(神奈川「はばたき」NO.502,P5)

●2014/3-4 諏訪
・今季ガンカモ調査
 1/13、諏訪湖と上川水系で調査した。13種、2,591羽は過去10年間で2番目に少なかった。内訳はコハクチョウ47、オオハクチョウ1、カワアイサ1,638、ヒドリガモ265、オナガガモ212、カルガモ137、ホシハジロ111、マガモ84、キンクロハジロ60等。オナガガモは2003年の1,213から毎年減っている。カワアイサは10年平均1,345に対し、今回も安定している。
(諏訪「いわすずめ」NO.155,P4)

・相次ぐフクロウの受難
 12/16、岡谷市の県道下に交通禍に遭ったと思われるフクロウの死体を収容した。茅野市では鶏小屋に中で衰弱死したフクロウが見つかった。通常600〜800gある体重が450gしかなく、夜間に鶏の餌を求めて出てくるネズミを狙って出られなくなった?「アウル諏訪」ではフクロウの保護活動をしているが、この9年間で収容された11羽のフクロウ科の内6羽が交通事故によると思われる。夜間、農道や林道を上向きライトで走行する車が増えたためかもしれない。
(諏訪「いわすずめ」NO.155,P5)

・コイカルの群の疑惑
 コイカルの繁殖地はアムール、モンゴル、朝鮮半島、中国東北部で冬に中国南部に渡るが、日本の南西部に冬鳥として局地的に来る。熊本、島根で繁殖記録もある。今ではイカルの群に少数が混じる。1993年までの5年間、茅野市の餌台に、7〜25羽の群が毎年来ていた。環境省の許可を得て、15羽に足環を付け調査、毎年戻ってくる個体もいた。1994年以降、餌台に現れなくなった。当時、東京の水元公園で足環のついたコイカルが繁殖したとの情報があり、足環付きが複数いたのは籠脱けではなく(今でも籠脱けの記録とするものもある)、茅野市で足環を付けた15羽の一部かも?
(諏訪「いわすずめ」NO.155,P6〜7)

●2014/3-4 鳥取県
・コアジサシ デゴイ大作戦
 支部は天神川河口の海岸に人の侵入禁止のロープを張りコアジサシ営巣地の保全に取り組んできたが、飛来数が減少する中、新たにデゴイで呼び戻すことにした。2013年に20体設置し、今後100体規模にする。飛来観察数3羽で未だ成果は無い。2/9、12名でデゴイ作りをした。日本バードカービング協会のシュルトンという柔らかい南洋材の型(1100円)を購入し削り出した。
(鳥取県「銀杏羽」NO.132,P7〜9)

・ブッポウソウ保護管理調査
 2013年の日南町でのブッポウソウの繁殖行動観察結果である。5/8に3つの巣で初渡来、5/11〜20に最大となり、その間20巣に渡来。求愛給餌は例年通り、5月中下旬〜6月上旬に見られた。給餌は7月上中旬に集中していた。番間の干渉行動は5月以降は確認されていない。繁殖は36巣中27巣で子育てし、標識調査で67+の雛、既に巣立ち雛33〜39を加えると100羽以上の繁殖があった。巣立ち時期は7/11〜25、それ以降は猛暑で調査不十分で、不詳であるが、例年8/10頃まで巣立ちがある。
(鳥取県「銀杏羽」NO.132,P11〜13)

●2014/3-4 島根県
・増え続ける野鳥写真屋
 野鳥写真屋の行動の特徴は仲間の情報が頼り:「何か(珍しい)鳥いませんか?」に対し、安易な情報提供は混乱の火種になる。鳥をペット扱いする:種名が呼べす「この子」「○○君」だのやたら擬人化し、自分のペットのように鳥を見ている。写真は写すだけ(見せる)で、HPに同じような写真を垂れ流し、種名も平気で間違えて掲載し、仲間で互いの写真を褒め合い満足する?自己中心的な行動:珍鳥が出ると、マスメディアにやたらに情報を提供し、種名をネットで教えてもらい、教えてもらった事を大層なコメントにして売名行為をする人もいる。自分が撮った野鳥写真をアルバムで持ち歩き、自慢して人に褒められるのを目的にしている。必要悪で高額なカメラを購入し経済に貢献している。
(島根県「スペキュラム」NO.158,P4)

●2014/3-4 愛媛
・ガンカモ調査の概況
 1/11〜13、愛媛県内で調査した。総数25,654羽で内訳はヒシクイ1(重信川河口)、マガモ6,777、コガモ6,280、ヒドリガモ4,311、オナガガモ2,886、カルガモ2,415、オシドリ1,170、ホシハジロ573、キンクロハジロ370、オカヨシガモ247、ヨシガモ114等。
(愛媛「コマドリ」NO.219,P14)

●2014/3 佐賀県
・消えたコブハクチョウ
 川内市の蘭牟田池で観光用に飼われていたコブハクチョウ30羽余りがこの2年で7羽までに急に減った。理由は不明で天敵に襲われ、逃げ出した可能性がある。西へ約20qの川内川にいるのが見つかった。コブハクチョウはロシア南東部、バイカル湖やモンゴルで生息する渡り鳥であり、日本には飛来せず、公園等で飼われたいたものが逃げて繁殖している。野鳥の会鹿児島は逃げたコブハクチョウを「責任を持って早急に捕獲し、適切な処置」を求めた。川内市は捕えて風切羽を切り、番号輪をつけて管理すると言う。外来種の生態系への影響が心配される。
(佐賀県「野鳥さが」NO.193,P13)

●2014/2-3 宮古
・ミサゴのお幣束
●2014/4 軽井沢
・換気扇屋外部の巣
●2014/4 埼玉
・大宮市カラスの集団塒調査
●2014/4 東京
・不忍池カモ減少の意味するもの
・三宅島のアカコッコ保護その後
●2014/3 富士山麓
・山中湖、河口湖に飛来したガンカモ
●2014/3 沼津
・ガンカモ類カウント調査
●2014/3 静岡
・ガンカモ調査
●2014/4 愛知県
・カモ類オス、メス調査
●2014/4 徳島県
・ソデグロヅル徳島県に初飛来
●2014/3-4 広島県
・ガン・カモ・ハクチョウ類一斉調査
●2014/4 福岡
・和白干潟の自然保護活動が「プロジェクト未来遺産」に登録
●2014/3 長崎県
・長崎県初記録 キバラガラ

●2014/2-3 宮古
・ミサゴのお幣束
 S13年の野鳥誌に岩手県での話として「漁師が引き揚げた網の中にミサゴが鱒の背に爪を立てて死んでいるのを見る。縁起をかつぎ(神棚に供える)幣束付き鱒として祝った」とある。同じような話を写真家下村兼二が「カメラ野鳥記」に鹿児島の漁師から聞いたとある。1968年、英国で白骨化したミサゴが鯉の背中に乗っている写真が掲載されたが、いたずら写真であった。ミサゴは網に絡んだり、水面に打撲して死亡する例はあるが、大魚に水中に引き込まれて命を落とすとは考えづらい。ミサゴの爪には釣針のような爪の返しはなく、観察例でも爪から魚を容易に放してしまう。
(宮古「ミサゴの海」NO.234,P2〜3)

●2014/4 軽井沢
・換気扇屋外部の巣
 換気扇の屋外部の空間に小鳥が巣を作った。底面から小枝や落葉を数p盛り上げ、産座は5p位のキビタキの巣で、6/2〜7/27、巣作り〜巣立ちした。古巣を採取し保管する方法は、「水生の木工用接着剤を水で数倍に薄め、スポイトで巣に滴下し、巣を固め、乾燥化で強固になる。それを何度か繰り返すと標本の巣になる。クーラバラ:豪州にいるワライカワセミの豪州名。
(軽井沢「野鳥軽井沢」NO.372,P5)

●2014/4 埼玉
・大宮市カラスの集団塒調査
 大宮市の氷川神社(大宮公園)のカラスの塒を調査した。2006年、同地で2種のカラスとミヤマガラス、総計で100羽程が塒入りしているのを知る。今年1/27、15:30〜17:30(日没は17:03)、塒入りするカラスをカウントした。入が4,525、出が343、差引4,182羽が塒した。日の入15分前後の30分間で全体の約6割が記録された。ミヤマガラス、コクマルガラスもいた事が声から判断された。
(埼玉「しらこばと}NO.360,P2〜3)

●2014/4 東京
・不忍池カモ減少の意味するもの
 昨年12月の不忍池でカウントされたカモは245羽であった。同地のカモは1960年代末以来右肩上がりで数が増え、1970年代後半には1万羽カモと報道された。当方の調査では1989年に8,716羽の最大を示した。1993/12の7,599羽以降から減少始めた。この時期から上野動物園での給餌、餌販売中止となり、2007年から上野公園内で餌やり禁止キャンペーンがされた。今冬は最少数で前シーズンに池を覆っていた蓮が除去され、池の景観が大きく変わった事も影響しているのかも。
(東京「ユリカモメ」NO.702,P3)

・三宅島のアカコッコ保護その後
 「アカコッコ保護プロジェクト」の一環で、今年から16羽のアカコッコの足にカラーリングを付けた。島内は昨年7月からガスマスク携帯不要になっている。
(東京「ユリカモメ」NO.702,P10)

●2014/3 富士山麓
・山中湖、河口湖に飛来したガンカモ
 1/16、両湖で定点観察した。山中湖は477羽、河口湖は815羽で前者は昨年並、後者は昨年より200羽程増加したが、共に、この14年間、減少傾向にある。内訳は山中湖:カワアイサ47%、マガモ31%、ヒドリガモ9%、ホシハジロ7%等、カルガモは記録されず。河口湖:ホシハジロ33%、マガモ24%、カワアイサ20%、キンクロハジロ9%、ハシビロガモ5%等。
(富士山麓「野鳥の声」NO.138,P7〜8)

●2014/3 沼津
・ガンカモ類カウント調査
 1/5〜20、静岡県の依頼で沼津市内9箇所で調査した。総計710羽で2000年以来最少であった。内訳はコクガン1、カルガモ277、キンクロハジロ109、コガモ108、ヒドリガモ73、マガモ45、ホシハジロ42等。カワウは191。
(沼津「野鳥だより沼津」NO.250,P2)

●2014/3 静岡
・ガンカモ調査
 1月に県内43箇所を調査した。総計4,796羽で内訳はカルガモ984、コガモ897、オシドリ809、ヒドリガモ619、マガモ567、オナガガモ216、ホシハジロ189、キンクロハジロ」184、オカヨシガモ106等。カワウは266、オオバンは360、カンムリカイツブリは338を記録。
(静岡「野鳥だより」NO.412,P3〜4)

●2014/4 愛知県
・カモ類オス、メス調査
 バードリサーチの要請で1/5〜19、8箇所でカモの♂♀調査をした。コガモ、オナガガモは♀が多く、ホシハジロ、キンクロハジロは♂が多く、マガモ、ヒドリガモ、スズガモはほぼ同数の傾向があった。全国の結果はバードリサーチで発表される。
http://www.bird-research.jp/1_katsudo/kamo_osu_mesu/index.html
(愛知県「愛知の野鳥」NO.326,P8)

●2014/4 徳島県
・ソデグロヅル徳島県に初飛来
 12/26〜1/26、高知市内でソデグロヅルが確認され、その後見えず、四国ツルネットワークで探していた。2/2、吉野川橋北岸で3羽が確認された。3/18、鳴門市でこの3羽が見られ、北帰行か高く飛び、3/26には1羽が残った。同地には行政と連名で夜間の塒立入禁止の看板を設置した。ソデグロヅルは現在3500羽が越冬地のポーヤン湖で見られ、繁殖地は他のツルより高緯度にある。
(徳島県「野鳥徳島」NO.427,P2)

●2014/3-4 広島県
・ガン・カモ・ハクチョウ類一斉調査
 1/5〜19、環境省の広島県水鳥に連携して県内約220箇所を調査した。 21種、25,616羽、内訳はコクガン1、ヒシクイ1、ヒドリガモ6,373、マガモ3,673、ホシハジロ3,359、スズガモ3,011、カルガモ2,296、コガモ1,900、オシドリ1,244、オナガガモ948、オカヨシガモ751、ハシビロガモ626、ヨシガモ273、ウミアイサ198、カワアイサ187等。カワウは2,599。
(広島県「森の新聞」NO.191,P9〜10)

●2014/4 福岡
・和白干潟の自然保護活動が「プロジェクト未来遺産」に登録
 和白干潟を守る会の同保護活動が、日本ユネスコ協会連盟が進める地域の文化・自然遺産を未来へ守り伝える「未来遺産運動」の第5回「プロジェクト未来遺産」に登録され、2/20、福岡市で登録証伝達式があった。
(福岡「野鳥だよりふくおか」NO.414,P14)

●2014/3 長崎県
・長崎県初記録 キバラガラ
 5/4、平戸市生月島でキバラガラが県内初標識放鳥された。中国の固有種で日本では2009/12、福岡県の海岸防風林で初めて標識放鳥されている。その後、舳倉島、奈良県、大阪府、福岡県、宮崎県等で記録がある。ネット上では2012〜13年、宮崎県で9羽の群が越冬とある。
(長崎県「つばさ」NO.315,P3)

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.703

●2014/1-2 もりおか
・姫神ウインドパーク事業に関する要望書提出
●2014/3 北上
・早池峰山・薬師岳のシカ被害対策
・ガン・カモ類水鳥生息調査
●2014/4 いわき
・コアジサシの大冒険
●2014/2-3 栃木
・ウグイス囀りから進化を考える
●2014/4 千葉県
・希少鳥類の未来を考える
・リニア中央新幹線計画地にミゾゴイ
●2014/4 石川
・ライチョウ飼育の歴史
●2014/4 宮崎県
・枇榔島 守ろうカンムリウミスズメ
・御池野鳥の森 守ろう撮影マナー
・牛舎にフクロウ 福が来ると歓迎
・海岸線の松林

●2014/1-2 もりおか
・姫神ウインドパーク事業に関する要望書提出
 2/23、本部自然保護室で事業主潟Gコ・パワーと面談した。岩手県には全国推定4〜500羽のイヌワシの2割がいる。以前は山焼きで開放面の餌場が多かったが、最近はそれが少なくなり、風車が立つ付近が伐採され、餌となるノウサギ、ヤマドリが誘引され、イヌワシへのバードストライクの危険度が高まる。繁殖成功率31%以上ないと個体群維持が困難とされ、現在20%以下で、これ以上の負の要因には賛成できない。EP側の計画は風車直径100m、2000KW、15基、現在、環境大臣意見書が出ており、今夏、影響評価書の改訂版を出す。イヌワシの保護は餌場がキィーとなる。午後、環境省に出向き、EP社へ今後の調査方法等の指導を要望した。管轄が通産省に移るが、伝えておくとある。
(もりおか「山翡翠」NO.356,P3〜4)

●2014/3 北上
・早池峰山・薬師岳のシカ被害対策
 シカは毎年1〜2頭の子供を産み、口が届く範囲で何でも食べ、地表を砂漠化させる。駆除がある程度成功した所は、知床、丹沢、四国の三嶺山等がある。シカは根も食べようと20cm程掘り返し、植物は復元ができず、裸地になる。1905年、奈良県で捕獲されたオオカミを最後にシカの天敵がいなくなった。岩手県では農業をしている人は、ワナ猟の免許取得が奨励され、一般人でもワナ猟や狩猟の免許を取る考えが出ている。
(北上「北上支部報」1NO.20,P25)

・ガン・カモ類水鳥生息調査
 1/13、北上地区の4箇所で調査した。結果はオオハクチョウ成208、同幼5、コハクチョウ成18、マガモ381、オナガガモ279、カルガモ106、コガモ44、キンクロハジロ33、ホオジロガモ24、ヒドリガモ22、カワアイサ21等。渡来初認日はオオハクチョウ10/11、コハクチョウ10/14、マガモ10/8、オナガガモ9/22、コガモ9/20、キンクロハジロ10/10、ヒドリガモ9/28、ホシハジロ10/16、ミコアイサ11/28等。
(北上「北上支部報」1NO.20,P29〜30)

●2014/4 いわき
・コアジサシの大冒険
 いわきのコアジサシは繁殖した幼鳥は家族揃って、東京湾の幕張に向かう。冬季にも餌の小魚がいるので、セイタカシギやクロハラアジサシのように日本で越冬するようにならないか。その両種は小魚以外に昆虫、蜘蛛、甲殻類、蛙等を食べるようになっている。コアジサシは嘴の形状を替えずに、これらを食べて越冬するようになれば、長距離の渡りをせずに済むのでは。
(いわき「かもめ」NO.122,P3)

●2014/2-3 栃木
・ウグイス囀りから進化を考える
 島に生息するウグイスの囀りは単純である。島では競争による性淘汰が弱い。本土ではウグイス♂は翼長、尾羽が♀の1.2倍、体重は1.8倍あるが、これは島の囀りが単調な事と関係する。本土のウグイスは漂鳥で繁殖期の♂の縄張り争いが強い。島では移動が少なく、縄張りも安定し、一夫多妻制でも外敵が少なく♀の再配偶も少なく、♂の性淘汰も弱くなる。80年ほど前、ハワイに持ち込んだウグイスも、今では囀りが単純化し、同じような事が起きている。
(栃木「おおるり」Vol.230,P11)

●2014/4 千葉県
・希少鳥類の未来を考える
 3/8、東邦大学で同シンポジウムがあった。アホウドリの保護に尽力された同大長谷川教授の定年退職当り、同大学に野生生物保全研究センターが設立された。ヤンバルクイナの話が山階鳥研の尾崎氏からあった。近縁種のムナオビクイナは飛翔力があり、その種が南から沖縄に移住し、捕食者がいないため、飛べない鳥になったのであろう。2005年には700羽に減ったものが、マングース駆除で、今は1500羽を越えた。長谷川教授からアホウドリの呼称をオキノタユウ(沖の太夫)に変更するよう提案があった。
(千葉県「ほおじろ」NO.396,P3〜6)

・リニア中央新幹線計画地にミゾゴイ
 同計画ルート上の中央構造線にある大鹿村でミゾゴイの生息が確認された。毎年、村内で目撃情報があり、作業用の3本のトンネル、変電所が小渋川沿いに予定され、村民は路線変更をJR東海に求めている。6月に伊那支部でミゾゴイ観察会をする。
(千葉県「ほおじろ」NO.396,P12)

●2014/4 石川
・ライチョウ飼育の歴史
 長野県の大町市山岳博物館で1963年からニホンライチョウの飼育に取り組んでいた。5世まで誕生したが、感染症が解決できず、2004年に最後の1羽が死んだ。2009年、ライチョウ会議で、上野、多摩、いしかわ、富山市、長野市の5動物園が新たに参加し、まず外国産亜種を飼育成功し、次はニホンライチョウを予定する。
(石川「石川の野鳥」NO.175,P2〜3)

●2014/4 宮崎県
・ 枇榔島 守ろうカンムリウミスズメ
 9/8、カンムリウミスズメの繁殖地のある枇榔島に漁船が座礁した。その前に同島で環境省を動かし、ネズミの生息調査をしたが、ネズミの生息は確認されなかった。11月、ネズミの上陸有無調査を、罠10個、カメラ2台設置し実施したが、ネズミの生息痕跡は無かった。日本海鳥グループ、2013/4の発表では、同島でのカンムリウミスズメの繁殖番数は1200〜1800、世界で生息する1/4に当る。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.241,P2〜3)

・御池野鳥の森 守ろう撮影マナー
 10月から同森にイワミセキレイが渡来し、県内外からカメラマンが訪れている。一部に撒き餌(ミルワーム)、舞台装置の石、枯れ枝の設置が等があり、撮影マナーが問題になっている。年末に管理事務所で撮影マナーを訴える看板を2箇所に設置した。ミルワームはゴミムシダマシ科の甲虫の幼虫で、頭の部分が硬く消化できない。カメラマンは「おまえの鳥か。皆やっている」 「撒き餌、どこが悪い」と食ってかかってくる。このように生息環境を乱す心無いカメラマンは全国的な問題で、その状況を批判できても、対策が難しい。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.241,P4)

・牛舎にフクロウ 福が来ると歓迎
 秋田市の牛舎にフクロウが住みついている。20年来の育牛で初めてと言う。2階の破れた窓ガラスから出入りする。牛舎内のネズミを補食しているようである。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.241,P21)

・海岸線の松林
 宮崎県の海岸線には防潮林として松が植えられており、毎年、下草刈りやマツクイムシ防除の空中散布が行われている。ここでも南海トラフ巨大地震で大きな津波が予想されている。東日本大震災では海岸にあった松だけの単体林は津波に弱い。横浜国大の宮脇昭名誉教授らは、岩手県で昔からその地にあった広葉樹等を植え、緑の防潮堤を進めている。松を始め、根を深く伸ばすスダジイ、タブノキ、アラカシ等の広葉樹、シャリンバイ、ハヤヒサカキ等の低木層からなる混交林(多層構造)が津波に強い。海岸線にこうした森が復活すれば防災のみならず、多くの野鳥も立ち寄る。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.241,P23)

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.704

●2014/3 弘前
・青森市ワシタカ類の渡り2013
・カラスの巣探し
・国土強靭化政策
●2014/4 神奈川
・多くの色を名前に持つ鳥
・キマユムシクイ
●2014/4 南富士
・野鳥の違法飼養の家宅捜査
・珍鳥を発見した時の扱い
・絶滅する郵便局の野鳥
●2014/3 福井県
・オジロワシ・オオワシ渡来状況調査
●2014/4 伊那谷
・伊那谷のブッポウソウ
・リニア中央新幹線工事に伴う問題
●2014/4 筑後
・2014年ガン・カモ調査

●2014/3 弘前
・青森市ワシタカ類の渡り2013
9/9〜10/31、青森市浪岡のスキー場山頂で調査した。ハチクマは9/9〜10/14迄見られ、総計110、ピークは9/18の43で前半は殆どが成鳥で、後半は幼鳥が多かった。ノスリは3日間を除いて、毎日渡りがあった。総計2,242でピークは10/24の531。ツミは9/14〜10/31、総計31羽。風の弱い日は高空を飛び、小形のため見落としも多い。ハイタカは9/13〜10/31、総計160、ピークは10/26の40。その他、トビ18、ミサゴ1、オオタカ40、ハヤブサ1、チゴハヤブサ16、チョウゲンボウ1、コチョウゲンボウ1が渡った。
(弘前「野鳥をたずねて四十九年」P21〜22)

・カラスの巣探し
 4月末〜5月上旬、青森市周辺でカラスの巣を探した。神社の森では意外と少ない。樹木が密集した所も少ない。樹木の高低に関係なく、見晴らしがよい所に巣を作り、近く隣接した巣は2例以外は無く、巣を架ける樹木にえり好みはなさそう。人工物への架巣は記録されていない。
(弘前「野鳥をたずねて四十九年」P22〜23)

・国土強靭化政策
ビオトープとして国交省は岩木川合流部の広大な河川敷・水辺の学習広場を整備していた。その周囲の雑木が伐採されており、その池に来ていたカモは今は皆無で、ビオトープの趣旨を書いた立派な看板のみが立っている。そのビオトープの中まで伐採され、国交省は国土強靭化政策と称して、無造作に木を切っている。皆伐された敷地は広大な荒地となり、立派な堤防があるのに、名目上洪水被害防止としている。このような国土強靭化政策は愚劣の極みで、大震災に便乗した火事場泥棒的発想である。
(弘前「野鳥をたずねて四十九年」P25〜26)

●2014/4 神奈川
・多くの色を名前に持つ鳥
 色の数を表す鳥に、5色(ゴシキドリ、ゴシキヒワ)、7色(ナナイロフウキンチョウ)、8色(ヤイロチョウ類)等がいる。日本産には無いが、虹色の鳥はニジキジ属、ニジハチドリ属・・・。日本の鳥で3色はキンクロハジロ、ズグロチャキンチョウ(黒茶金)でいる。白-白と同じ白が重なる鳥に、シロハラホオジロ、ホオジロハクセキレイ、ハジロシロハラミズナギドリ等。和名で最大9色を持つ鳥はノドグロヤイロチョウ(豪州北部に生息)、アカハラヤイロチョウ、ムナグロヤイロチョウ等。
(神奈川「はばたき」NO.503,P5)

・キマユムシクイ
 1/3、2/6、川崎市でキマユムシクイが撮影された。下嘴の先端が黒く、ムシクイ類の分類に詳しい渡部良樹氏に鑑定頂いた。神奈川県では1995/11の大和市以来の2例目となる。
(神奈川「はばたき」NO.503,P8)

●2014/4 南富士
・野鳥の違法飼養の家宅捜査
 8月、密対連の密猟110番に通報があり、警察に連絡が入った。鳥獣保護員の私にも連絡があった。捜査日程を相談したが、警察は多忙を理由に日程決まらず。私も警察に半年も申し入れをしたが、2月、通報者が県警本部に直訴、その場で3/14の被疑者宅捜査となった。しかし、前日野鳥は放鳥され証拠隠滅、前日の警察の撮影では違法野鳥飼育が写っていたが、何が起きたのか。
(南富士「さえずり」NO.377,P5)

・珍鳥を発見した時の扱い
 その種である事の証明になる証拠写真は撮っておく。珍鳥と判明した時は、下記の条件では情報はすぐ流さない。1・カメラマンが集まるとその鳥が迫害される恐れがある。2・その周辺の環境が荒らされたり、破壊される。3・地域住民に迷惑を与える。情報は右から左に考えずに流さず、流す必要がある場合は発見者の了解を得るべきである。
(南富士「さえずり」NO.377,P7)

・絶滅する郵便局の野鳥
 4/1から郵便切手も新料金になった。新しい82円切手の図柄は紅梅、52円はソメイヨシノで、長らく愛用してきた野鳥シリーズの切手の多くが販売中止になった。消滅はシジュウカラ(70円)、キジバト(80円)、カルガモ(90円)、コチドリ(110円)、ウソ(130円)、カケス(160円)である。オシドリ(50円)、モズ(120円)、イカル(140円)は販売は続くている。当然、これからも手元在庫の切手は使える。
(南富士「さえずり」NO.377,P8)

●2014/3 福井県
・オジロワシ・オオワシ渡来状況調査
 2/2、三方五胡に飛来しているワシ類を調査した。オジロワシ成ペアを確認した。湖上のみでなく近辺の海上上空も番で行動した。6年間、成鳥は確認されていなかった。6年目で成鳥になり、それが飛来したと思われる。3年前、湖面でオオバンを捕った例がある。オオワシは5年前から飛来しなくなったが、琵琶湖の湖北地方には安定して渡って来ている。
(福井県「つぐみ」NO.169,P3〜6)

●2014/4 伊那谷
・伊那谷のブッポウソウ
 伊那谷でブッポウソウが確認されたのは1924年で、製紙工場の煙突に入るのが捕獲された。その後は1990年で、いずれも、人工物の穴や巣箱を利用し、樹洞の利用は確認されていない。2000年からは天龍村では巣箱で毎年10番程度が繁殖している。支部は2013年に43箇所に巣箱を設置し、9箇所で繁殖した。同時に巣箱架けや探鳥会を通じて撮影者が増え、撮影マナーが問題化している。先進の鳥取県支部によると、ブッポウソウは冬期はボルネオ島北部に渡り、広島、岡山では毎年同じ番が戻って来ており、島根南部では番の変動がかなりあり、繁殖参加は誕生2年目からである。
(伊那谷「かわせみ」NO.40,P5〜6)

・リニア中央新幹線工事に伴う問題
 2/6、長野県へ要望書を提出した。9月にJR東海が公開したリニア中央新幹線環境影響評価準備書を検討した結果、鳥類(特にミゾゴイ、ブッポウソウ、猛禽類)への影響が多大である。「殆どの種について、生息環境に変化は生じない、又は保全される」との評価のみで、具体的なデータが提示されていない。JR東海のこの姿勢は重大な問題で、長野県には保護策を実施して頂きたい。
(伊那谷「かわせみ」NO.40,P7)

●2014/4 筑後
・2014年ガン・カモ調査
 1/12〜28、筑後地区の18箇所で調査した。カモ類14種、8,934羽で内訳はヒドリガモ3,272、オナガガモ2,118、カルガモ1,093、マガモ938、コガモ803、ホシハジロ198、オカヨシガモ135、キンクロハジロ120、ツクシガモ97、ハシビロガモ93等。その他アオサギ125、ダイサギ81、コサギ6。
(筑後「まめわり」NO.155,P10)

(自然保護室・野鳥の会・神奈川/森要)

ブロックからのお知らせなど

■2014年度九州・沖縄ブロック大会参加報告■

日 時 2014年4月12日(土)〜13日(日)
会 場 国民宿舎 海峡ビューしものせき
探鳥会 北九州市門司区部崎 部崎灯台周辺
主 催 日本野鳥の会 九州・沖縄ブロック
担 当 日本野鳥の会北九州
協 賛 KOWA 興和株式會社、シャボン玉石けん、株式会社ヤマモト商事
参加連携団体 北九州(33名)、福岡支部(4名)、筑豊(2名)、筑後支部(3名)、佐賀県支部(3名)、長崎県支部(3名)、熊本県支部(5名)、大分県支部(1名)、宮崎県支部(1名)、鹿児島(3名)
その他参加者 前田俊和(来賓・北九州市環境局長)、北井保/近藤唯之(光学機器展示・興和)、岩本光徳(講演・響灘ビオトープチーフガイド)、浦達也(講演・財団事務局)

会議の様子

会議の様子
九州・沖縄ブロック大会 会議の様子


内 容
○開会式(13:30〜14:00)
・開会宣言
・主催者挨拶
日本野鳥の会九州・沖縄ブロック/代表 前田幹雄
・歓迎挨拶
日本野鳥の会北九州/代表 森本嘉人
・財団挨拶
公益財団法人日本野鳥の会自然保護室/浦達也
・来賓挨拶
九州市環境局長/松岡俊和様

○講演・発表・報告
@ハヤブサの人口巣棚による繁殖実験経過(14:00〜14:45)
発表 日本野鳥の会北九州/代表 森本嘉人
【内容】
2000年に北九州市門司区にある採石場跡の岩崖に掘った人口巣穴にハヤブサを誘導し、餌の供給源が近いこと、人の気配がない高い崖であること、崖に棚を造成可能であることから、繁殖が成功。ほぼ毎年1〜4羽(平均2.8羽)のヒナが巣立っている。

A野鳥と風力発電‐国内の状況・影響・調査方法・アセスについて(14:45〜15:30)
講演 日本野鳥の会自然保護室/浦達也
【内容】
風車が野鳥に与える影響は衝突・生息地破壊・生息地放棄・障壁効果の4つで、衝突は多くの種群で起こり得るが、洋上風力発電でも同じである。ただし洋上風力発電では事後調査が難しく、事前調査が重要になる。風力発電による野鳥被害を減らすには、アボイドマップやゾーニング計画の作成の必要とともに、戦略的アセスの導入が必要だが、まずは利害関係者同士で早い段階から合意形成を果たしていくことが近道である。

休憩(10分間)

日本野鳥の会北九州による発表の様子
九州・沖縄ブロック大会
日本野鳥の会北九州による発表の様子


B響灘ビオトープのこれまでの歴史と今後の展望(15:40〜16:25)
発表 響灘ビオトープ チーフガイド/岩本光徳
【内容】
もともとは廃棄物処分場であったが、S61年に埋立て終了後、地盤沈下箇所に雨水が溜まり湿地化し、植物や昆虫の生息地となっていく。H10年に絶滅危惧種ベッコウトンボが確認され、今ではチュウヒが繁殖する。H12年頃から会北九州を含む有識者でワーキンググループが開催され、この地のビオトープ化が決まり、H24年10月にオープン。

C支部・連携団体活動報告(誌上報告)
1)北九州
・調査活動…ハチクマ渡り調査、ガンカモ調査、曽根干潟の生息鳥類調査等
・保護活動…曽根干潟〈野鳥観察施設〉、響灘ビオトープ、風力発電問題、観察マナー遵守
・その他…会員減少
2)福岡
・2013年度ハチクマウォッチングを終えて…片江展望台は9/21が最多で932羽を観察
・玄界灘海鳥調査報告…オオハムなど水鳥17種、猛禽類5種、陸域22種を観察
3)筑豊
・2014年度探鳥会&ミニ自然観察会の予定
4)筑後
・三池島のベニアジサシ調査…飛来数700羽で増加傾向も、施設の老築化が大きな問題
・有明海水鳥調査…1997年から実施。2006年以降は筑後支部のみ。春秋冬の3回
5)佐賀県
・ラムサール条約登録…佐賀市東与賀海岸のラムサール登録化を応援
・愛鳥普及事業…小中学校での野鳥観察会や巣箱づくり。県からの委託
・調査研究活動…カラスねぐら調査。県からの委託
・活動課題…東与賀海岸のラム化、調査研究能力の充実、会員の拡充、資金基盤の強化等
6)長崎県
・研究保護調査活動…アカハラダカの渡り、烏帽子岳観察、県民鳥オシドリ一斉調査
・懸案事項…会員減少と高齢化および固定化が進行中。機関誌発行やHPの定期更新
7)熊本県 ※荒尾海岸の話を直接口頭で説明
・探鳥会…9地区で実施。H25年度は72回実施で1370名参加
・調査活動…モニタリング調査、猛禽類調査、三池島アジサシ類調査、クロツラヘラサギ・ズグロカモメ一斉調査、ツル類調査、アオバズク調査、水前寺公園鳥類調査
・デジタル書庫開設…デジタルデータの保存と活用
・ラムサール委員会…荒尾海岸ビジターセンター建設と運営を目指して
8)大分県
・大分川流域のブッポウソウ調査…巣箱設置し、2012年はつがい形成を確認
9)宮崎県支部
・撒き餌するカメラマン対策…環境省自然保護官事務所と役場に連絡
・ヤイロチョウに嫌われた御池野鳥の森…3年連続で繁殖せず。悪質カメラマンの影響。行政の対応不足も大きい
・会員増加…会報に入会申込書を入れて勧誘を促すが、効果がなかった
・鳥インフルエンザ対策…県の委託でカモ調査。
※2014年4月12日に熊本県内で発生
10)鹿児島
・川内川に飛来したコブハクチョウ…藺牟田池で2012年に32羽だったが、2013年は9羽に。20km離れた川内川の数カ所に定着も、それらはベッコウトンボの生息地。薩摩川内市に対し、財団事務局と連名で適切な対処(羽の一部切除による飛翔防止など)の要望書を2013年2月に提出

○閉会(16:45)

○記念写真(会場玄関前)

○交流会(18:30〜21:00)
・最初の30分は歓談しながら食事
・その後、北九州の女性会員がフラダンス披露。終了後は他県団体の参加者も交えて踊る。
・続いて、北九州の女性会員が炭坑節を歌い踊りはじめ、徐々に他県団体の参加者も交えながら、会場を取り囲む輪ができあがって、しばらく踊っていた。
・20時頃からオークションが行わる。各参加者が持ち寄ったものを、オークション方式で落札していった。最高額は興和の双眼鏡(定価7万円程度)の3.5万円。

○探鳥会(13日8:00〜)
・当日は雨が激しく降っていたため、部崎灯台周辺でのヒヨドリの渡り観察は中止。
・行先は部崎灯台周辺(現地視察のみ)、唐戸市場、いのちのたび博物館の3カ所となり、各自がどれか興味あるものに参加した後、個別現地解散となった。

○2014年度九州・沖縄ブロック会義に参加して
・各連携団体からの報告事項は誌上(しおり)にまとめられており、講演を重視する内容であった。これは会北九州による考えであり、細かな報告事項よりも、何かを勉強して持ち帰ることのできる会議にしたいということであった。
・受付の時点から物事が機能的に進むような状況になっており、こういった会議の運営において大いに今後の参考になるものだった。
・交流会では、とにかく参加者をもてなすという会北九州の心意気が非常によく表されたものであり、会議そのもの全体を楽しめる内容であった。
・2日目のエクスカーションにおいても、雨天の場合の計画変更プランが事前によく練られており、配車などもスムーズに決められており、こういった会議の運営において大いに今後の参考になるものだった。

○各連携団体からあがった意見
・財団からの挨拶は代理によるものだったが、代理の本人に任せるのではなく、代読でもいいので、会長や理事長などそれ相応の立場の人間からのものになるよう、また設立80周年を迎えた財団の意気込みが十分に伝わる方策をとってもらいたい。
→今後、役員等が各地のブロック会議に出席しない場合は、然るべき立場の人間からの手紙を代読するなど、形式的であってもきちんとした形で進めなければ、担当職員レベルが結局は全権大使のような扱いで挨拶をすることになり、そのことが連携団体からの不満につながる可能性がある。
・風力発電の講演については、細かな説明でなく、今は何が問題なのかを地域の話題に的をしぼった話を聞きたかった。
→今後はニーズに沿った講演内容となるよう、事前確認などが必要。
(自然保護室/浦達也)

事務局からのお知らせなど

■普及室より■

■新入会員の方へ『ワイルドバード・カレンダー2015』をプレゼントします■

 当会は、今年に創立80周年を迎えます。それを記念して、今年(2014年1〜12月)に入会申し込みをされたみなさまへ、当会オリジナル『ワイルドバード・カレンダー2015』をプレゼントいたします。この記念の年に、たくさんの方にご入会いただき、ますます活動の輪をひろめていければと期待しております。
 ぜひ、入会をご検討の方におすすめいただき、入会促進にお役立てください。どうぞよろしくお願いいたします。

●プレゼントの概要:
【対象】2014年中に、「公益財団法人日本野鳥の会」に入会申し込みをされた方。
≪対象の会員種別≫ おおぞら会員、青い鳥会員、赤い鳥会員、個人特別会員(家族会員の方は、ひとつのご家族につき一本となります。)
【プレゼント内容】『ワイルドバード・カレンダー2015』1本をご登録のご住所に郵送いたします。
【お届け時期】『ワイルドバード・カレンダー2015』は2014年9月頃完成予定です。そのため、お届けは2014年9月以降とさせていただきます。

●支部のみなさまへ:「チラシ配布のお願い」
・プレゼントの案内用チラシがございますので、入会案内と一緒にお配りくださいますようお願いいたします。
・配布にご協力いただけます場合には、通常のパンフレット類のご請求先 [会員室 会員グループ(TEL03-5436-2630/FAX03-5436-2636)まで「新入会員カレンダープレゼントチラシ希望」とお伝えの上、必要部数をおしらせください。事務局よりお送りいたします。

●お問い合わせ:
公益財団法人日本野鳥の会 普及室販売出版グループ
〒141-0031
東京都品川区西五反田3-9-23丸和ビル
TEL:03-5436-2623
FAX:03-5436-263
メール:[email protected]
カレンダープレゼントのチラシ
カレンダープレゼントのチラシ
(普及室/江面康子)


■新たな『フィールドガイド日本の野鳥』に向けた増補改訂新版の取り組み■

支部ネット通信4月号からの続き記事となります。

<どんな種を扱うべきか?>
 「鳥は何種?」とか「日本には何種いる?」と問われたら、どう答えますか? 厳密にはわからないし、簡単には答えられません。「およそ1万種」とか、「5〜6百種程度」で納得いただけない方には、私は『フィールドガイド日本の野鳥 増補改訂版』を使って「世界で9721種」「日本鳥類目録(改定第6版)で542種」などとしてきました。が、2012年に発行された日本鳥類目録改定第7版には633種が掲載され、外来種や検討中の種・亜種もそれぞれ倍近くになりました(目録6版から7版の変更点については、野鳥誌2013年1月号および2・3月号をご参照下さい)。また、前回記したように、『Checklist of the Birds of the World』は未だスズメ目が刊行されていません。
 1982年、高野伸二は、目録5版の掲載種が505種の時代に、信頼できる観察例などを加えて524種を扱ってフィールドガイド日本の野鳥を著しました。増補版では野鳥記録委員会による検討を元に、31種を増補しました。私が増補改定を担当することになった2006年には、より多くの種を扱う図鑑も増えた一方で、信憑性に乏しい観察例、誤解や間違いもそのまま公にされるようになり、混乱も頻繁に生じるようになっていました。増補改定版では「この本の使い方」で書いたように、目録6版で掲載および検討中とされたもの、あるいは論文などから、今後も観察されそうな種を軸に検討を重ね、さらに扱うべき種として38種を絞りました。図版も多いほど情報量は増えますが、多いほどわかりにくくなる側面にも考慮し、類似種の解説に含めて図版なしで種の紹介をしたものもあります(補足種という扱いで23種に及びます)。
 外来種も含め、今後も記録は増え続けるので、すべての種を扱うことは不可能です。これから出版する増補改定新版(以後、新版と呼ぶ)では、上記のような考えで検討を重ねた結果、新たに図版込みで扱う種は19種に厳選し、オオハシウミガラス(1983年の記録が確認された)のような目録7版掲載種でも敢えて漏らした種は、補足種や鳥類リストでカーすることにしました。

<分類変更への対応>
 すでに改訂版で目録7版に準拠させた「新・山野の鳥」「新・水辺の鳥」は目や科、学名などを新たにしましたが、本通信3月号で書いたように、国や自治体、博物館や動物園でも目録7版に対応できていないところは多々あります。一方で掲載順を目録7版に沿わせた図鑑も発行されはじめ、「新版はどうなるの?」とよく聞かれます。結論から述べると、分類や野鳥チェックリストは7版に沿って新たなものにしますが、掲載順は変えないことにしました。
 並び変える検討もしましたが、物理的にも、高野著作の継承という側面でも不可能でした。実は、高野著作は目録掲載順を原則にしながらも、図鑑としての使いやすさ、わかりやすさに鑑みて部分的に変えてあります。それを活かすべく、増補改定版では、「山野の鳥」「水辺の鳥」というカテゴリーにも合わせて、「非スズメ目の水辺の鳥(水面、海上、水際)」「非スズメ目の山野の鳥」「スズメ目」というくくりでまとめて、前後の見返し頁もそれに対応させ、お目当ての鳥にコンタクトしやすいように工夫しているのです。

(普及室/安西英明)

総務室より

支部名称等変更のお知らせ

 名称変更などがあった支部についてお知らせいたします。

【代表者等の交代】

●日本野鳥の会 いわき支部
新支部長:川俣 浩文
旧支部長:小野 金次郎

●日本野鳥の会 山形県支部
新事務局長:今野 研一
旧事務局長:國井 良幾
●日本野鳥の会 函館支部
新支部長:小林 明
旧支部長:有馬 健二
●日本野鳥の会 富士山麓支部
新支部長:天野 正夫
旧支部長:宮下 義夫

【名称等の変更】

●日本野鳥の会 青森県支部
新支部名:青森県支部
旧支部名:あおもり

新役職名:支部長
旧役職名:代表

●日本野鳥の会 白河支部
新支部名:白河支部
旧支部名:白河

(総務室/鈴木美智子)

■訂正とお詫び■

支部ネット通信4月号(121号)に誤りがありましたので、お詫びして訂正します。

■ブロック協議会の日程は早めにお知らせください!!■

東北ブロック会議

正:平成26年11月29日(土)〜30日(日)
誤:平成26年4月12日(土)〜13日(日)

(総務室)

会員室より

■会員数■

 5月1日会員数36,924人(対前月-54)会員数は先月に比べ54人減少しました。4月の入会・退会者数の表をみますと、入会者数は退会者数より53人少なくなっています。会員の増減は入会者数と退会者数のほかに、会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活した人数によって決まります。4月の入会者数は161人で、前年同月の入会者170人に比べ9人減少しました。また、4月の退会者は214人で、前年同月の退会者169人に比べ45人増加しました。

表1. 4月の入会・退会者数

※会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活する方がいらっしゃるため、退会者数の年度累計は、実際の退会者数とずれた数字となります。このため、退会者数合計については年度末の集計後にお知らせいたします。

■都道府県および支部別会員数■
野鳥誌贈呈者数を除いた数を掲載します。

表2 都道府県別の会員数(5月1日現在)

備考:不明は転居先が不明の会員を示します。今月からは転居先不明の会員も会員数に含めています。

表2.支部別の会員数(5月1日現在)

備考:支部別の会員数の合計は、都道府県別の会員数の合計と異なります。
これは、本部型(青い鳥)会員や支部に所属されていない個人特別会員が支部別の会員数に含まれないためです。

(会員室/沖山展子)

■支部ネット担当より

暑い日が続いたり、急に寒くなったり、不安定な天候が続いておりますが、皆さまいかがお過ごしですか。いつも支部ネット通信をご愛読いただきありがとうございます。
今回の支部ネット通信では、新入会員の方へのカレンダープレゼントのお知らせを掲載しました。創立80周年の年に、多くの方が入会され、活動の輪を広げる一助として是非ご活用ください。

■支部ネット通信は支部の代表の方に電子メールでも配信をしています。電子メールでの配信を希望される支部の代表の方は下記メールアドレスまでお気軽にお申し込みください。


支部ネット通信 第122号
◆発行
公益財団法人日本野鳥の会 2014年5月23日
◆担当
総務室 総務グループ
奥田秋穂/植月智子/柴田英美
〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23
丸和ビル
TEL:03-5436-2620
FAX:03-5436-2635
E-mail:[email protected]