北海道根室市フレシマ地区における風力発電所建設計画が中止となりました

当会は、太平洋に面する北海道根室市フレシマの海岸付近に計画された風力発電事業に対し、変更を求める活動を行なってまいりました。その結果、2014年7月16日に事業者である電源開発株式会社より、計画が中止されることが発表されました。

計画地周辺は、国指定天然記念物で絶滅危惧種でもあるオジロワシ、タンチョウが繁殖する重要な地域であり、また、越冬期には多数のオオワシ(天然記念物・絶滅危惧Ⅱ類)とオジロワシが採食地や休息地として利用しています。

そのため当会では、フレシマでの風力発電所の建設がこれら鳥類に重大な影響を及ぼすことを懸念し、2012年より計画地の変更を事業者に求め、また適切な指導を行なうよう、連携団体や他の自然保護団体と協力しながら、環境省や北海道、根室市など行政に働きかけてきました。

風力発電が生物多様性に与える影響を極力回避するためには、立地選定段階での生物多様性、希少種保全の検討を幅広に行なうことが重要です。自然エネルギーの導入が進む昨今、気候変動による生物多様性の危機への対応手段のひとつである風力発電所の設置が、野鳥ひいては生物全般の生息環境に影響を与えることにならないよう、当会では、法整備や市民の意識改革など社会環境への働きかけを継続してきました。

今後も行政、事業者との議論を継続し生物多様性に影響を与えない自然エネルギーの導入をめざして活動を継続し、また適切な立地選定の検討がなされていない風力発電計画については、引き続き見直しを求めてまいります。