公益財団法人日本野鳥の会
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シマフクロウの森を育てよう!プロジェクト

   

知床地区 2012年5月3日- 4日 現地巡回の様子

積雪によるシカ柵の損傷と、エゾヤチネズミによる苗木の樹皮食いについて

 5月3日~4日に、知床地区の協賛区画の現地巡回に行って来ました。1ヵ月前には1m近くあった積雪は解けてなくなり、協賛区画では苗木の芽吹きが始まっています。
 4月24日に、雪の重みで損傷したシカ柵の応急措置工事が完了し、現在、補修したシカ柵が協賛区画内へのエゾシカの侵入を防いでくれています。工事を行うまでの期間、フェンスが外れている場所からエゾシカが侵入して、苗木が食べられてしまう可能性もありましたが、幸いにもそうした痕跡は見つかっていません。今後、シカ柵については、5月下旬から6月にかけて、支柱の増設や、強度の高い止金具を使った補強工事を実施し、徹底した積雪への対策を講じていく予定です。
 また、4月16日の現地巡回で、知床で植樹を開始して以来、初めてエゾヤチネズミによる苗木の樹皮食いが確認されました。発見時は、大部分の苗木が雪の下に埋まっていて詳細な調査が出来なかったため、あらためて今回の巡回時に樹皮食い状況の確認調査を実施したのですが、調査の結果、2割(約400本)の苗木にエゾヤチネズミの樹皮食い跡が見つかりました。これらの苗木が全て枯死してしまう訳ではありませんが、現時点では生存しているかどうかの判断が難しいため、あらためて葉が出そろう6月以降に生育状況の確認調査を実施する予定です。
 エゾヤチネズミは北海道の造林事業の大きな障害の一つとされ、毎年、北海道の各地でエゾヤチネズミによる樹皮食い被害が報告されています。被害の多くはカラマツの人工造林地で発生していますが、今回は広葉樹しか植栽していない協賛区画でも樹皮食いが見つかりました。今後も繰り返し苗木の樹皮が食べられる可能性があるため、エゾヤチネズミに関する情報を収集し、対策を検討していきたいと思います。
 エゾヤチネズミの樹皮食いに関する対処法として、殺鼠剤による防除が広く行われていますが、当会としては殺鼠剤を使わずに、自然環境に負荷をかけない対処法を検討し、実践していこうと考えています。
 経過報告については、随時ホームページに掲載していきます。

(今年のエゾヤチネズミ被害に関する参考記事:オホーツクの地域情報紙 伝書鳩2012年 1月31日の記事 「エゾヤチネズミ急増」

2011年5月3日の区画の様子   エゾヤチネズミによる樹皮食いの跡
(ヤチダモ)
     
ハルニレの若葉   イタヤカエデの若葉

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知床地区 2012年4月6日 現地巡回の様子

 4月6日に知床地区の協賛区画の現地巡回に行って来ました。知床地区の巡回は、昨年12月3日以来、4ヵ月ぶりとなります。現地では雪解けが始まっていましたが、まだ多い所では90cmもの積雪が残っています。
 協賛区画を見て回ったところ、シカ柵のフェンスが支柱から外れている箇所が、17ヵ所見つかりました。フェンスが外れてしまったのは、昨年と同じように雪の重みで引っ張られ、支柱とフェンスを固定する止金具が壊れたことが主な原因だと考えられます。
 被害の大部分は、支柱の間隔が広い2010年設置のシカ柵※1で発生していることから、支柱の間隔が広い場所には支柱を増やし、積雪が多い場所や斜面ではより強度の高い止金具を使用するなど、徹底した積雪への対策を講じていきたいと思います。
 経過報告については、随時ホームページに掲載します。

※1:支柱の間隔は、2010年に設置したシカ柵が7m間隔、2011年に設置したシカ柵が5m間隔。

4月6日時点、多い所では90cmの積雪

雪の重みで支柱からフェンスが外れてしまった場所

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知床地区 2011年12月3日現地巡回の様子

 12月3日に知床地区の協賛区画の現地巡回に行ってまいりました。間もなく本格的に雪が積もってきますので、今回が年内最後の巡回となりそうです。まだ雪は3cm程度しか積もっていなかったので、シカ柵のゲートを開けて協賛区画の中に入ることができました。苗木たちは落葉して冬芽の状態になっており、苗木やシカ柵に異常はありませんでした。苗木たちは、この先マイナス10度以下にもなる知床の厳しい冬を、冬芽の状態で乗り越えていきます。

12月3日の協賛区画(2010年植樹区画)

12月3日の協賛区画(2011年植樹区画)

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知床地区 2011年11月9日 現地巡回の様子

 11月9日に知床地区の協賛区画の現地巡回を行いました。紅葉の季節は終わりをむかえ、植樹地の苗木のほとんどが葉を落としていました。まだ落葉していない一部のミズナラは赤く染まり、秋の終わりを彩っていました。すべての樹種で冬芽の成長が確認でき、来たる冬への備えは始まっていました。周辺の山では標高800mあたりまで白い雪が目立つようになり、植樹地に雪が降る日も遠くないでしょう。

11月9日の協賛区画

まだ落葉していないミズナラがありました

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知床地区 2011年10月19~20日 現地巡回の様子

 紅葉が見ごろを迎えた10月19~20日に、知床の協賛区画の現地巡回に行って参りました。
 今回の巡回では、根室地区での調査に続き、知床の協賛区画に植樹されている全ての苗木の生育状況を調査してきました。根室の植樹本数は800本ですが、知床は2区画で4,000本、根室の5倍の苗木が植樹されています。樹列は2010年区画に80列(1列に約25本)、2011年区画に38列(1列に約50本)あるため、レンジャー(2名)が列の数だけ何度も往復して(確認で余分な往復もありました)、苗木の生育状況を確認・記録してきました。苗木は斜面上に植えられているので、その上り下りには体力を消耗しましたが、調査中は爽やかな秋晴れが続き、順調に作業を進めることができました。
 調査の結果ですが、苗木の生存率(全樹種合計)は、2010年区画で75%、2011年区画で89%でした。苗木の生存率については、50%を下回らなければ炭素吸収量算定の当初の想定から外れることにはなりませんし、一定の枯死は織り込んで植樹本数を決めていますので現状では問題ありません。北海道の厳しい自然環境の中での植樹事業ですから、その中で既に枯死してしまった苗木も確認していますが、100年後の森を目指して、今残っている苗木たちをこれからも大切に育てていきたいと思います。
 調査データは、今後も経年変化を見ていく上で重要なデータとなりますので、毎年調査を実施して管理活動に生かしていきたいと思います。
 次回は、冬芽の状態になった苗木たちの様子をお伝えしたいと思います。

10月20日の協賛区画と周辺の紅葉の様子(2010年植樹区画から撮影)

レンジャーが4,000本の苗木の生育状況を調査してきました

知床地区の2010年植樹区画の苗木生存率
(2011年10月20日現在)
  生存(本) 枯死(本) 生存率
ハルニレ 467 33 93%
ヤチダモ 370 130 74%
イタヤカエデ 346 154 62%
ミズナラ 310 190 62%
合計(本) 1493 507 75%

知床地区の2011年植樹区画の苗木生存率
(2011年10月20日現在)
  生存(本) 枯死(本) 生存率
ハルニレ 383 17 96%
カツラ 383 17 96%
イタヤカエデ 363 37 91%
ミズナラ 350 50 88%
ケヤマハンノキ 302 98 76%
合計(本) 1781 219 89%

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