調査報告 2009年8月 -伊豆東海岸で発見! 根室沖から情報も!-

8月は相模湾と北部伊豆諸島を調査。また、会員さんからの観察情報も寄せられています。
相模湾は、静岡県伊豆半島、神奈川県湘南海岸と三浦半島、千葉県房総半島に囲まれ、南の伊豆大島から連なる伊豆諸島がカンムリウミスズメの繁殖地です。今回は、古くからの会員Sさんのご協力により、この相模湾をSさん所有でシーボニアヨットクラブ所属のヨット、シマ8世号(44フィート)で調査させていただきました。3日間をかけた航海の結果、伊豆半島東岸で成鳥1羽を確認することができました。相模湾でこの季節の観察記録は、かなり珍しいものと思われます。
また会員さんからの観察情報も寄せられています。一つは、やはり伊豆半島東岸で、6月に1羽観察したというもの。伊豆半島東岸は、非繁殖期の生息地になっているのかもしれません。
もう一つはやはり会員さんからですが、なんと北海道根室の沖、歯舞群島近海で親子連れを観察したというもの。過去には択捉島でも記録がありますが、既知繁殖地より千キロ以上離れた海域で親子連れが見られたというのは、とても興味深い情報です。
今回の詳細は、下記のとおりです。

繁殖地の予備調査

(1)神子元島(ミコモトジマ)

場所:
伊豆半島下田港の南約10kmに位置する小島
方法:
44フィート(約12m)のヨットで接近し、上陸点、営巣可能場所を確認する
調査員:
会員室小林・安藤、オーナーS氏、クルー7名
実施日時:
8月3日 9時50分頃
結果:
暗礁が多いため、やや離れて一周した。
岸壁があり、上陸は容易そうだった。ガレ場のような地形は無いようだが、北部と南部の端に岩の割れ目が多そうだった。夜間滞在が安全にできそうなので、夜間に滞在し鳴き声からの営巣確認が可能ではと思われた。

(2)恩馳島(オンバセジマ)

場所:
神津島の西約4kmに位置する岩礁
方法:
44フィート(約12m)のヨットで接近し、上陸点、営巣可能場所を確認する
調査員:
会員室小林・安藤、オーナーS氏、クルー7名
実施日時:
8月3日 13時50分頃
結果:
暗礁が多いため、離れて北東側を通過しながら観察した。
東側に営巣しそうなガレ場があり、船から泳げば上陸できるかと思われた。
上部の平坦地も可能性が考えられたが、かなり切り立っており、登坂困難と思われた。

(3)早島(ハンシマ)

場所:
新島の南約0.5kmに位置する岩礁
方法
44フィート(約12m)のヨットで接近し、上陸点、営巣可能場所を確認する
調査員
会員室小林・安藤、オーナーS氏、クルー7名
実施日時
8月4日 11時30分頃
結果
波が3~4mと高く、危険だったので接近できなかった。

(4)鵜渡根島(ウドネジマ)

場所
新島の北約4km、利島の南約3.5kmに位置する小島
方法
44フィート(約12m)のヨットで接近し、上陸点、営巣可能場所を確認する
調査員
会員室小林・安藤、オーナーS氏、クルー7名
実施日時
8月4日 13時20分頃
結果
海況が悪く、南側から接近し西へ通過しながら観察した。
北西側に営巣しそうなガレ場が見えたが、接近できなかったので上陸できそうかどうか不明。
南側の離礁「モノキ」は、上部に営巣できそうな割れ目が見えるものの、急峻すぎて上陸と登坂は困難そうだった。
西側の離礁「フヅシ根」は、北西側の上部に割れ目が多く見えたが、切り立っているので上陸と登坂は困難そうだった。

洋上の個体数調査

(1)相模湾と北部伊豆諸島

海域
三浦半島から伊豆半島東岸、神津島、三宅島、新島の海域
方法
44フィート(約12m)のヨットから、洋上を目視で探す
調査員
会員室小林・安藤、オーナーS氏、クルー7名
期日と結果
8月2日 シーボニアヨットクラブ(三浦半島)-伊豆半島城ヶ崎沖-伊豆半島下田港
      8:40~17:09 1羽(静岡県東伊豆町稲取沖)
8月3日 下田港-神子元島付近-神津島付近-三宅島阿古港
      9:00~17:45 観察できず
8月4日 阿古港-新島付近-鵜渡根島付近-下田港
      8:40~16:20 観察できず

(2)定期航路

8月は行っていない。


シーボニアヨットクラブで出航準備中のシマ8世号


下田沖の神子元島(ミコモトジマ)
北西-南東に長く約400m、幅は150mほど、高さ33m


神津島の西にある恩馳島(オンバセジマ)
幅250mと300mほどの二つの岩礁からなり、高さは36m


新島と利島の間にある鵜渡根島(ウドネジマ)
北西-南東に長く約1.5km、北東-南西は約600m、標高209m


マストにつかまり、カンムリウミスズメを探す



カンムリウミスズメがいた伊豆半島稲取沖
一応中央にいるのだが、小さすぎて見えない
左側はウミネコ


調査を終え、下田港でS氏を囲みクルーの皆さんと

観察情報

(1)伊豆半島東岸

観察者
会員M氏
観察日時
2009年6月21日13:20頃
観察場所
静岡県伊東市川奈沖
観察数:
1羽
観察状況:
ダイビングの準備中に目撃
報告内容:
東伊豆の川奈港より出港し、船首を南に向けて(右舷を陸側)「尾竜」のブイに着ける時、左舷3~5mぐらいの海面に1羽浮いている個体を目撃。採餌中らしくすぐに海中に没し、船底を抜けて右舷側に浮上。海中の姿が見られることを期待して、すぐにEN(潜行開始)したのですが見つけられませんでした。
編注:「尾竜」は、川奈のダイビングポイントの一つで、オリョウと読みます

(2)根室沖

観察者:
会員K氏
観察日時:
2009年7月26日15時~16時頃
観察場所:
北海道根室市沖 歯舞群島近海
観察数:
成鳥2羽、幼鳥2羽
観察状況:
海鳥ウォッチングツアー中に観察
報告内容:
天候は曇り、波は無くうねりが強かったです。
成鳥2羽、幼鳥2羽。イラスト通り親が幼鳥を挟み、4羽で並んで泳ぐ。こちらを警戒していたようだ。船からはさほど離れていませんでした。25mぐらいあったでしょうか?案内があって右舷側へ移動してなんとか観察出来ましたがすぐ潜ってしまい、撮影は出来ませんでした。
近くの海域でほぼ同時刻(午後3時から4時)でウミスズメ・フルマカモメ・エトピリカ・ツノメドリも確認しています。

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