調査報告 2010年4月 - 初めての一斉調査を実施、441羽を確認!-

調査報告 2010年4月 - 初めての一斉調査を実施、441羽を確認!-

4月は伊豆諸島北部海域のカンムリウミスズメの分布と個体数を明らかにするために、伊豆諸島北部の4島(新島、神津島、三宅島、御蔵島)周辺と、伊豆半島の神子元島(みこもとじま)周辺海域で同時に5隻の調査船を使い、一斉での洋上調査を初めて試みました。その結果、4月6日に441羽、4月20日に321羽を確認しました。いずれも新島と神津島の海域に多く出現しました。これほどの規模でカンムリウミスズメの個体数を調査したことは今までに無く、貴重な結果となりました。また、一斉調査以外の洋上調査では、御蔵島の南西約35kmに位置する藺灘波島(いなんばじま)および八丈島での洋上調査を初めて行いました。
洋上での調査とあわせて繁殖地での営巣調査も実施しました。実施した場所は、伊豆半島・神子元島、神津島・祇苗島(ただなえじま)、八丈島・小池根(こじね)です。このうち神子元島と祇苗島では夜間の上陸調査を実施しました。結果、祇苗島では営巣確認はできませんでしたが、島へ戻ってきた複数の成鳥を観察し、うち1羽に足輪標識を装着しました。また、複数個所の岩場で鳴き合う声を確認することができました。神子元島では営巣確認や痕跡発見はできず、ネズミ類の生息痕跡も確認できませんでした。小池根でも営巣確認はできませんでしたが、カンムリウミスズメと思われる死体を4個、卵の殻を5個確認しました。いずれも何者かに捕食された様子でした。
4月の調査では、伊豆下田フィッシングの喜久丸、みこもと丸、新島の浜庄丸、神津島の萬作丸、三宅島の北洋丸、大和丸、第三松丸、八丈島の第11優宝丸、優宝丸のご協力をいただきました。

A.洋上の個体数調査

1.一斉調査

場所:
伊豆諸島北部4島(新島、神津島、三宅島、御蔵島)と伊豆半島・神子元島の周辺海域
方法:
チャーター漁船でカンムリウミスズメが集まっていそうな海面を航行しながら、目視した個体をカウント(ダブルカウントを避けるよう航行コースをとる)

<第1回>

調査員:
当会職員16名、学生ボランティア2名、写真家2名
期日と結果:
4月6日 成鳥441羽
 内訳:新島335羽、神津島34羽、三宅島32羽、御蔵島6羽、伊豆半島34羽

<第2回>

調査員:
当会職員14名、学生ボランティア2名
日程と結果:
4月20日 成鳥321羽
 内訳:新島108羽、神津島120羽、三宅島3羽、御蔵島0羽、伊豆半島90羽


新島沖での調査


神子元島沖での調査

2.個別調査

(1)伊豆半島
場所:
伊豆半島・神子元島周辺海域
方法:
上陸調査のため渡船で往復する際に目視した個体をカウント
調査員:
当会職員3名
日程と結果:
4月7日 8:49~9:22 観察できず、13:55~14:20 観察できず
(2)三宅島
場所:
三宅島西側の大野原島(三本岳)にかけてと三宅島南側の海域
方法:
チャーター漁船でカンムリウミスズメが集まっていそうな海面を航行しながら、目視した個体をカウント(ダブルカウントを避けるよう航行コースをとる)

<1回目>

調査員:
当会職員5名、学生ボランティア2名
日程と結果:
4月21日 成鳥2羽

<2回目>

調査員:
当会職員4名、ボランティア2名
日程と結果:
4月26日 成鳥125羽

(3)藺灘波島

場所:
御蔵島の南西約35kmに位置する藺灘波島(いなんばじま)の周辺と三宅島から往復する海域
方法:
三宅島自然ふれあい友の会と共同でチャーターした漁船で三宅島を出港し、目視した個体をカウント。ダブルカウントを避けるために往路と復路は5kmほどの距離をとった
調査員:
当会職員2名、三宅島自然ふれあい友の会会員7名
日程と結果:
4月18日 7:12~12:32 5羽

(4)八丈島

場所:
八丈島西側沖、八丈小島を中心とした周辺海域
方法:
チャーター漁船でカンムリウミスズメが集まっていそうな海面を航行しながら、目視した個体をカウント(ダブルカウントを避けるよう航行コースをとる)
調査員:
当会職員3名
日程と結果:
4月27日 成鳥4羽


三宅島沖での調査


八丈島沖での調査

(5)伊豆大島~神津島の定期航路
場所:
伊豆大島~神津島の定期航路に沿う海域
方法:
東海汽船の定期船のデッキより洋上のカンムリウミスズメを目視で探す
調査員:
当会職員5名
日程と結果:
4月5日 6:20~10:00 観察できず
(6)三宅島~東京の定期航路
場所:
三宅島~東京の定期航路に沿う海域
方法:
東海汽船の定期船のデッキより洋上のカンムリウミスズメを目視で探す

<1回目>

調査員:
当会職員6名、学生ボランティア2名
日程と結果:
4月8日 11:10~12:00、13:30~18:15 観察できず

<2回目>

調査員:
当会職員3名、学生ボランティア2名
日程と結果:
4月22日 15:05~17:00 観察できず
(7)三宅島~八丈島の定期航路
場所:
三宅島~八丈島の定期航路に沿う海域
方法:
東海汽船の定期船のデッキより洋上のカンムリウミスズメを目視で探す
調査員:
当会職員2名
日程と結果:
4月27日 5:05~9:02 観察できず

三宅島~八丈島航路の調査

B.繁殖地での営巣調査

1.昼間の上陸調査

(1)神子元島
場所:
伊豆半島南部、下田市の南側の沖に位置する神子元島
方法:
渡船で上陸し、岩の隙間などにある巣を目視で探すとともに、死体、卵殻など営巣の痕跡を探す
調査員:
当会職員3名
実施日:
4月7日9:39~13:55
結果:
営巣確認、痕跡確認はできず。

(2)三宅島

場所:
三宅島の西沖、大野原島(三本岳)の子安根(こやすね)
方法:
チャーター漁船から泳いで上陸し、岩の隙間などにある巣を目視で探すとともに、死体、卵殻など営巣の痕跡を探す
調査員:
当会職員3名、支援ダイバー2名
実施日:
4月26日
結果:
海況が悪く危険が予想されたため、上陸を断念

(3)八丈島

場所:
八丈島西方に位置する八丈小島付近の小池根
方法:
渡船で上陸し、岩の隙間などにある巣を目視で探すとともに、死体、卵殻など営巣の痕跡を探す
調査員:
当会職員3名
実施日:
4月29日10:50~13:30
結果:
営巣確認はできず。ただし、カンムリウミスズメと思われる死体を4個、割れた卵殻を5個確認した。何者かに襲われた可能性がある


神子元島での踏査


小池根の踏査


小池根で発見したカンムリウミスズメらしい死体

2.夜間の上陸調査

(1)神子元島
場所:
伊豆半島南部、下田市の南側の沖に位置する神子元島
方法:
渡船から上陸し、岩の隙間などの巣を目視で探す。夜間は帰巣する成鳥や鳴き声を観察するとともに、天敵となるネズミ類の生息を確認するためトラップ(フットプリント)や自動カメラをしかける
調査員:
当会職員2名
実施日:
4月20日16:24~4月21日5:30
結果:
営巣と痕跡の確認はできず、帰巣する成鳥や鳴き声も確認できなかった。またネズミ類の痕跡も確認できなかった
(2)神津島
場所:
神津島の東側に位置する小島・祇苗島
方法:
チャーター漁船から上陸し、岩の隙間などにある巣を目視で探すとともに、死体、卵殻など営巣の痕跡を探す。また夜間は帰巣する成鳥や鳴き声を観察する
調査員:
当会職員3名
実施日:
4月19日14:00~4月20日6:00
結果:
抱卵中の巣は発見できなかったが、島へ戻ってきた複数の成鳥を観察し、うち1羽に足輪標識を装着。岩の隙間で鳴きあう声も複数箇所で聞いた


神子元島での夜間踏査


祇苗島のカンムリウミスズメ


祇苗島の営巣地

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