No.29
2006年8月号
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■ハヤブサ・アンケート調査のお願い
■理事会および評議員会報告
  平成18年度第二回理事会(定例)議事録
  平成18年度第一回評議員会(定例)議事録
■事務局からのお知らせなど
  IBAのサポーターを追加募集
  IBA新規サイト登録のおたずね
  鳥獣保護法改正と第10次鳥獣保護事業計画
  風力発電への対応について
  学校対応への取り組みインタビュー
  支部報発送、支部事業補助金決定
  7月号災害での会費請求対応
  会員拡大広告、野鳥誌8月号発送
  「活動」などパンフレット発行、会員数

ハヤブサ・アンケート調査のお願い
 私ども日本野鳥の会大阪支部では、府内の湾岸部のホテルのベランダを利用して2004年から繁殖をはじめたハヤブサの観察や保護についての取り組みを進めております。
 このたび、日本全国でのハヤブサの繁殖の状況を概観するとともに、ビルなどの人工物を利用した繁殖など都市環境への進出や依存の状況等を把握するため、アンケート調査を行うことといたしました。そこで、日本野鳥の会の各支部へも、このアンケートへのご協力をお願いさせていただきます。 お忙しいところ恐縮ですが、調査の趣旨をご理解いただき、アンケート用紙に回答をご記入のうえ、9月30日までにご返信くださるようお願いいたします。
  なお、既存の文献調査として、各都道府県が発行されているレッドデータブックでのハヤブサのランク付けと記載されている生息状況について次頁のとおりまとめました。これらをさらに補完する形で、今回のアンケート調査が全国のハヤブサの生息の現状(特に都市環境への進出の状況)をより詳細に把握できるものになればと考えております。ご回答いただきましたアンケートの結果につきましては、11月に本会が開催を予定しています「ハヤブサ保護シンポジウム」の中で報告する他、アンケートに協力いただいた支部あてに後日まとめを送付いたします。なお、具体的な繁殖場所の情報につきましては、保護上の配慮が必要なものについては、非公開といたしますので、ご了承のうえ、アンケートへのご協力よろしくお願いいたします。

■ハヤブサ保護シンポジウムを開催します!■
日時:11月4日(土)13時30分〜17時
場所:きららセンタービル2階「きららホール」
プログラム(予定):
●基調講演 「福井県と金沢市におけるハヤブサの現状と将来」
  松村俊幸氏 (日本野鳥の会福井県支部)
●泉大津のハヤブサの子育て
  2006年の繁殖状況、明らかになった生態等について 報告
●「大阪府における猛禽類の現状と保護の課題」
  小海途銀次郎氏 (大阪希少鳥類研究グループ)
●全国アンケート調査のまとめ
  特に都市部へのハヤブサの進出状況について
●パネルディスカッション
  都市に暮らすハヤブサとの共生のために
参加費:一人500円(資料代含む)
主催: 日本野鳥の会大阪支部
泉大津ハヤブサ・サポート倶楽部
申し込み:不要。どなたでもご参加いただけます。
お問い合わせ先:
  大阪支部幹事 納家(なや)TEL0725-92-1186
皆さん、ぜひご参加ください。
(大阪支部長/岡本恭治)
ハヤブサの各都道府県レッドデータでのランクと繁殖状況




印刷用アンケート用紙はこちら

理事会および評議員会報告
■平成18年度第二回理事会(定例)議事録■
【日時】 平成18年5月27日(土) 11:00〜13:00
【会場】 (財)日本野鳥の会 鳥と緑の国際センター リコーホール     
東京都日野市南平2-35-2 
【現在理事数】 17名(うち出席理事数14名)
【出席理事】
敬称略
柳生 博、佐藤 仁志、鈴木 君子、吉田 新、 海老原 美夫、滑志田 隆、樋口 広芳、花田行博、
河地 辰彦、坂本 宗吏朗、高木 清和、 狩野 清貴、真鍋 啓二、松富士 将和
以下委任状出席: 親泊 素子、松田 輝雄、白岩 康夫 /以上17名
【出席監事】 敬称略 
高松 健比古/以上1名
【来賓】 敬称略 
野口 正一(環境省自然環境局野生生物課 課長補佐)/以上1名
【傍聴】 敬称略
日比野 政彦(評議員)、東 陽一(本会職員労働組合委員長)/以上2名
【事務局】 飯塚利一(事務局長)、原元奈津子(総務室長)、小林豊(会員室長)、箱田敦只(普及室長)、古南幸弘(自然保護室長)、葉山政治(サンクチュアリ室長)、岩下路子(総務室経理グループチーフ)、森下祐子(総務室経理グループ)、勝田ひろみ(総務室総務グループ)、吉家奈保美(総務室総務グループ)/以上10名
出席者合計28名
11:00開会
●会長挨拶
   柳生博会長より、4/21付書面表決理事会の結果報告と新執行役員の紹介があった後、会長就任当初より各支部を訪ねるなどして広く意見を聞くとともに、異業種の人達とも関わりながらこれらの連携についても模索してきているところであり、少しずつ手ごたえを感じているなど、続投にあたっての挨拶があった。また、柳生会長が委員を務めている名古屋市の東山動植物園再生事業では、愛知県支部の協力も得て探鳥や植樹を行うイベントを行い盛会であったこと、東京バードフェスティバルでは、当会と(財)東京港埠頭公社および(社)日本望遠鏡工業会との実行委員会方式であったが、当会がより前面に出ていた印象がありよかったこと、このイベントの対談にも出演してもらうなど、日頃から当会活動に理解と協力をいただいている江戸家子猫氏については、当会のゲストアドバイザー的役割を依頼していく方向で常務会において検討している等の報告があった。
●来賓挨拶
   環境省自然環境局野生生物課の野口正一課長補佐より、自然環境保護行政への当会の協力への感謝、当会活動への敬意表明があり、最近の話題として、東京バードフェスティバルと日程が重なった全国野鳥保護の集いでは愛鳥週間60回目として盛会であったこと、来週より鳥獣保護法改正が今国会で審議されること等、挨拶と報告があった。 
●近況報告
   鈴木君子専務理事より、5/13-14の東京バードフェスティバルに台湾から参加された中華民国野鳥学会の方々との交流を深め国際交流の端緒としたこと、今年度は特に中西悟堂賞について方向性の整理をしていきたい等の近況報告と、専務理事就任にあたり、人と人をつなぐ橋渡し役として物事を丁寧に取り上げ、常務会等に諮り、またフィードバックしながら問題の解決を図っていきたいこと、昭和の時代に始まり連綿と続く日本野鳥の会の架け橋の一端を担うにあたり、一所懸命努力するので理事のみなさんの協力を願いたい等の挨拶があった。

 飯塚利一事務局長より、理事現在数17名のうち、委任状3名を含め17名の出席となり、寄附行為第27条に基づき本理事会は成立している旨の報告があった。 また、寄附行為第30条に基づく議事録署名人に、海老原美夫理事と河地辰彦理事が選任された。

 議事に入る前に、花田行博理事より4/21付書面表決理事会について、執行役員選出という大事な案件を書面表決で行ったことは寄附行為違反ではないか、議案や結果について異議はないが今後のこともあり確認しておきたいとの発言があった。
 これに対し、佐藤仁志副会長より書面表決理事会は事前に書面表決で行う旨の説明を行い了解を得た案件や、軽易であり緊急を要す案件について認められている。理事会にかける案件はいずれも重要な事案であり、軽易かどうかの判断は難しい面がある。今回は、会長、副会長、常務理事は継続、専務理事のみが不在で後任に前常務理事が就任するとの案であり、軽易なものと判断した。このような事例については書面表決理事会規程を審議する際にも説明してきたことや、後任の専務理事をできるだけ早く選任して会務に当たる必要があるが、5月末に予定されている定期理事会までには相当時間があったこと、臨時理事会を開催するには多額の費用等がかかること、事前に了解を取っておくべきであったが前回の理事会開催時点(2月)では今期の理事が誰になるか確定しておらず執行役員も白紙であったことなどのため、書面表決理事会としたとの説明があった。
 海老原美夫理事より、理事会規程第6条の「緊急を要する場合」であると判断し書面表決に同意したが、今後は書面表決で行うべきでないとの発言があった。 今後の同様な場合の対応について、花田理事より、任期満了後でも後任者が就任するまではその職務を行うとする寄附行為第18条第3項に従えばよいのではないか、との意見があり、佐藤副会長より、今回は前専務理事が3月末で理事を退任したため、5月まで継続するのは無理であったこと、財政状況や定例理事会開催時期、具体的な執行役員メンバー案の内容など総合的に勘案して実施したものであり理解願いたい、今後は事前に了解を得る等の対応をしていきたい等の回答があった。
●第1号議案 平成17年度事業報告及び決算案承認の件
   原元奈津子総務室長より、平成17年度事業報告(案)について、中長期計画未策定、会員数減少など目標に達しない事業もあるが概ね事業計画に沿って一定の成果をあげ、懸案事項の解決に向けても1歩踏み出すことができた旨、資料に基づき説明があった。
 続いて、岩下路子経理グループチーフより、平成17年度決算(案)について、当期収支差額がマイナス約1,978万円と予算時より約1,500万円好転したこと、その主な要因は人員の補充の遅れ等による給料手当の減少であること、また予算と決算との差額が大きいものとしては保護区購入があり、購入が平成18年度にずれ込んだために大きな差違が生じていること、正味財産については大口寄付が2件あったことにより黒字となり全体として約100万円増加して約24億2600万円となったこと等、資料に基づき説明があった。
 続いて、高松健比古監事より、5/11に伊藤直人監事と共に監査を実施し、会計については適正であると確認したこと、業務については平成17年度も赤字決算、会員減となり、法人特別会員増加など努力の成果も見られるが依然未解決な部分があること、会員増の対策として国民から評価される自然保護活動を実施し、バックアップしたいと思わせるような働きかけが必要であること、企業の力を有効に活用すること、広報とイメージアップについて立案と努力を望むこと、学校における環境教育への関与などについて一層の努力が望まれること、保護関係では支部との連携の再点検、野鳥保護区の活用、サンクチュアリでの人材育成とネットワークの構築や活用が望まれること、柳生会長も2期目となり良い意味で当会が変わってきていることが一般にも理解されつつあること、今後は具体的な成果を望むこと等の監査報告があった。

 海老原理事より、事務局からの説明のほかに執行部の評価や考えを聞きたいこと、また小清水支部について、4名の会員が所属しているが実態として活動していないこと、支部長や会計担当が会員でないこと等、異常な事態であるので早急に改善を願いたいとの意見があった。これに対し佐藤副会長より、執行部の総括については、今回特に用意はしていないとした上で、財政再建や中長期計画が未達成である等の反省点はこれまでの理事会でも述べたとおりであること、一時の混乱期から回復してきていること、人件費抑制によるマンパワー不足等の厳しい状況の中で最大限努力をしているが、事業報告(案)の総論に述べてあるとおり、十分とは言えない状況である等の回答があった。また、小清水支部については、常務会で対応について検討中であり、支部に資産もあり難しい面もあるが、対応が決まり次第報告するとの回答があった。

 樋口広芳理事より、自然や生きものへの一般の関心は高まっており、柳生会長はじめ財団事務局や支部が努力しているにもかかわらず、会員が減少している。退会理由は何なのか、その調査等を行っているかとの質問があった。また、理事会等の場で会員減の対策を議論したらどうかとの意見も述べられた。これに対し、小林豊会員室長より、退会者数については1999〜2003年度は年間4,200人、2004年度は3,800人となっており、入会者より退会者が多いため会員数が減少していること、退会者のアンケートでは高齢、病気が理由として多いが、回答率が20%と低く、実態を十分反映していないおそれもあること、引き続きアンケートを利用して把握したいこと等の説明があった。 さらに樋口理事より、自然保護団体としての会への期待が薄れている、会の活動と一般会員あるいは会員予備軍の期待がそぐわないのではないか、その打開について議論したらどうか、また、自然系NPO等があまたあるなかで、一般会員の野鳥誌への期待や当会の探鳥会のあり方、会員であることの目に見えるメリット等について検討する必要があるのではないかとの意見があった。
 小林会員室長より、本部支部に属する総合会員は年々減少しており、アンケート結果からは理由として会費が高いことも考えられること、なお総合会員の割合は44%、支部のみ会員が20%、本部のみの会員が10%、残りは家族会員であるとの説明があった。
 佐藤副会長より、理事は平等かつ無限責任があることから、一緒になって考えてほしいこと、以前、理事が泊りがけで徹底的に議論をしたらどうかとの提案もあったこと、議論の場の設定は早急に対応する必要がある事案なので、当面メールを活用した議論の場の構築について検討したいこと等の回答があった。
 松富士将和理事より、外部委託費や販売事業等の減少は当会のパワー減少を感じること、会員減少について、支部ではマスコミに対し地域レベルで取り組む必要を感じていること、対策委員会のようなものを設け早急に取り組んでほしい等の意見があった。
   箱田敦只普及室長より、販売関係の顧客は7割が会員であり、売り上げは会員の減少に伴い落ち込むため、会員以外の方への販促が課題であるとの回答があった。
  狩野清貴理事より、会員減少対策について、京都支部でも議論したが妙案が出なかったこと、とことん議論する意見に賛同する旨の意見があった。
   高木清和理事より、当会のイメージはかつてより庶民的になったと感じること、会員であるメリットを感じさせるような対応策が必要と思う等の意見があった。

   河地辰彦理事より、事業報告案の中でバードソン’93関連のツル越冬情報について寄せられた件数が1件となっているが、情報はもっとあるはずであり工夫が足りないのではないかとの意見があり、古南幸弘自然保護室室長より、野鳥誌や支部ネット通信で情報提供をお願いしたが、思うように情報が集まらなかった。支部報に掲載されている情報について問い合せるなど、もっと努力すべきであり反省しているとの回答があった。また佐藤副会長より、迅速で簡便な情報収集や発信についての仕組みが整っていないことから、そのようなしくみを早く構築したい。メーリングリストを活用する方法を検討しており、いずれ支部に担当者を決めて対応していただく等のお願いをする予定であるとの補足説明があった。さらに河地理事より、会員は多くのデータを持っておりこれをどのように吸い上げ活用するかが課題であること、会と会員とのつながり、会員であることの認識が希薄であることが原因と思うこと、全国組織であることの力を生かすよう努力してほしいこと等の意見があった。

 柳生会長より、樋口理事の提案について実行を検討したい旨の発言があった。

 以上の審議の結果、柳生会長より第1号議案について賛否を問い異議なく承認された。
●第2号議案 顧問等承認の件
   吉家奈保美総務担当より、新規に名誉顧問1名と顧問1名を、任期満了に伴う再委嘱として顧問3名、学術顧問6名の合計11名をそれぞれ委嘱する件について、阿部學氏と蘇雲山氏については海外出張中で本人と連絡が取れないため、本人の承諾を得ることを条件として承認を得たい旨、資料に基づき説明があった。

 審議の結果、柳生会長より第2号議案について賛否を問い異議なく承認された。
●第3号議案 評議員選任の件
   吉家総務担当より、第10期評議員として次の1名を選出する件について、資料に基づき説明があった。
  ・学識経験者評議員
     樋口 隆昌 氏
     任期:2006年5月27日〜2008年3月31日

 審議の結果、柳生会長より第3号議案について賛否を問い異議なく承認された。
●第4号議案 名誉会員の指名の件
   小林会員室長より、名誉会員の指名について、会員年数50年以上の会員(総合会員、本部型会員、支部型会員、個人特別会員)を対象とすること、ねらいは長年のご支援への感謝と、名誉会員としての地域での活動を通じ当会の支援拡大を期待すること、名誉会員の会費は免除すること等、資料に基づき説明があった。

 滑志田隆理事より、会員規程に名誉会員の条件として特別の貢献とあり、会員歴50年以上の場合は趣旨が異なる印象があるため、名称を「永年感謝会員」とした方がよいこと、名誉会員は、例えば70周年にちなんで支部に推挙を願う等して選定した方がよいこと、会費免除には賛成であること等の意見があった。  河地理事より、滑志田理事の意見に概ね賛成だが、会費免除については「もう結構です」とのネガティブな印象を受ける人もいるのではないかとの意見があった。
 小林会員室長より、名誉会員の「特別の貢献」について基準が確立していないこと、前回の60周年時の指名では、支部推薦、50年以上の会員、寄付等が理由であったこと、長年会員でいることも貢献と判断したこと等の回答があった。

 坂本宗吏朗理事より、お金をくれたことも継続してくれたことも貢献と思うこと、会費免除は実施しても恩義に感じないレベルではないかとの意見があった。

 樋口理事より、永年会員と名誉会員は分けた方がよいと思うこと、選考委員会を設置し選考内規を制定して評価する仕組みとした方が、価値あるものとして歓迎されること、永年会員は会費を免除した方がよいと思うがあまりこだわらない等の意見があった。

 滑志田理事より、本件のねらいとして、地域で当会のPRをすることを期待しているが、永年会員でもそのインセンティブが持たせられると思うこと、またなるべく早く実施するため、書面表決で審議したらどうかとの意見があった。

 海老原理事より、本日は結論を保留し、会員規程の見直しからじっくり検討するべきとの意見があった。

 佐藤副会長より、本件は継続審議とし、本日の議論をふまえ再度整理したうえで、場合によっては書面表決による決裁も行うことが提案され了承された。

 以上の審議の結果、第4号議案については、継続審議、但し早期実施を目指すこととなった。
●第5号議案 野鳥保護区購入の件
   葉山政治サンクチュアリ室長より、タンチョウの生息地購入の進め方としては主に繁殖地のうち保護の法的網かけを外れている場所を確保することを目的としており、取得後の土地については行政へ法的網掛けの働きかけをしていること、鶴居村温根内地区の今回の購入により同地区では連続した地域が保護されること等、資料に基づき説明があった。
 河地理事より、異論はないが、保護区購入はいつまで続けるのかとの質問があり、葉山サンクチュアリ室長より、これまでの成果やタンチョウ繁殖地の現状について、生息数の変化等含め整理評価したうえで報告するとの回答があった。

 以上の審議の結果、柳生会長より第5号議案について賛否を問い異議なく承認された。
●報告事項
  1.書面表決理事会の結果について
 原元総務室長より、4/21付書面表決理事会について、既に議事録を役員へ郵送しているとした上で結果の報告があった。また、第2号議案の野鳥保護区(別寒辺牛湿原のタンチョウ生息地)購入の件に関して、5/25に売買契約を終了した旨の報告があった。

2.役員報酬について
 佐藤副会長より、役員報酬については予算の中で明確にし執行していること、平成18年度は400万円を計上し承認を受けていること、鈴木専務理事には常勤として年200万円の報酬で承諾を得ており4月より支給すること等の報告があった。

 海老原理事より、常勤の出勤日数について質問があり、佐藤副会長より、常勤は月11以上であるが、鈴木専務理事には週3日を目安に勤務してもらう予定との回答があった。

 鈴木専務理事より、この報酬の条件として、全理事の協力を願いたいとの発言があった。

3.支部規程改定の進捗について
 小林会員室長より、2/12理事会での議論や同理事会以降届いた意見をもとに改定案を作成し、支部に提示し意見を受け、最終的には書面表決理事会で諮る予定であること、NPO法人化は支部の意向を尊重する方針であること等、資料に基づき説明があった。

 以上により、13時10分、全ての議事審議及び報告が終了した。

 上記の議事を明らかにするため議事録を作成し、議長及び出席理事の名において記名、捺印する。
2006年7月3日
財団法人日本野鳥の会
 平成18年度第二回理事会
議 長 
議事録署名人
議事録署名人
柳生 博
海老原 美夫
河地 辰彦
(総務室/吉家奈保美)
■ 平成18年度第一回評議員会(定例) (第36回)議事録 ■
【日時】 平成18年5月27日(土) 14:30〜16:45
【会場】 (財)日本野鳥の会 鳥と緑の国際センター リコーホール     
東京都日野市南平2-35-2 
【評議員現在数】 29名 (うち出席評議員数:22名)
【出席評議員】
敬称略
・ブロック推薦評議員
  北海道ブロック
  東北ブロック
  関東ブロック
  東京支部
  中部ブロック
  近畿ブロック
  中国・四国ブロック
  九州・沖縄ブロック
山田 三夫、 盛田 徹
小室 智幸
池野 進、  橋口 長和
川端 一彦
上木 泰男、 福井 強志
福田 和夫、 井上 清仁
日比野 政彦、山橋 良治
佐久間 仁
・学識経験者評議員
  安藤 正治、遠藤 孝一、川村 研治、国松 俊英、曽我 千文、
中村 桂子、樋口 隆昌、松田 道生、横山 隆一  /以上22名
【欠席評議員
(委任状提出あり)】
敬称略 
・ブロック推薦評議員
  西岡 裕介(東北ブロック)   前田 幹雄(九州・沖縄ブロック)
・学識経験者評議員
  芦ア 治、磯崎 博司、伊藤 勝、上田 恵介、 蓮尾 純子 /以上7名
【出席執行役員】 敬称略 
柳生 博、佐藤 仁志、鈴木 君子、吉田 新 /以上4名
【出席監事】 敬称略
高松 健比古/以上1名
【傍聴】 敬称略
海老原 美夫(理事)、松富士 将和(理事)、坂本宗吏朗(理事)、
高木 清和(理事)、河地 辰彦(理事)、狩野 清貴(理事)、
東 陽一(本会職員労働組合委員長)/以上7名
【事務局】 飯塚利一(事務局長)、原元奈津子(総務室長)、小林豊(会員室長)、箱田敦只(普及室長)、古南幸弘(自然保護室長)、葉山政治(サンクチュアリ室長)、岩下路子(総務室経理グループチーフ)、森下祐子(総務室経理グループ)、勝田ひろみ(総務室総務グループ)、吉家奈保美(総務室総務グループ)/以上10名
出席者合計44名
14:30 開会
 飯塚利一事務局長より、評議員現在数29名のうち、委任状を含め29名の出席を得て、寄附行為第32条第6項および第27条に基づき、本評議員会成立の旨報告があった。
●会長挨拶
   柳生博会長より、今期の執行役員の紹介があった後、会長就任当初より支部重視の立場から各支部を訪ね意見を聞き、また異業種の人達とも関わりながら、これらの連携について少しずつ手ごたえを感じている等の会長続投に当たっての挨拶があり、柳生会長が委員を務めている名古屋市の東山動植物園再生事業では、愛知県支部の協力も得て、探鳥や植樹を行うイベントを行い盛会であったこと、東京バードフェスティバルでは、当会が中心にいた印象があり良かったこと、また同フェスティバルでも協力いただいた江戸家小猫氏に当会のゲストアドバイザー的役割を依頼していく方向で常務会において検討していること、柳生会長が委員を務めている国交省シーニックバイウェイジャパン戦略会議では自然保護団体の代表として景観を重視した道路づくりを提言していること等の報告があった。
●申し送り事項確認と議長団紹介
   飯塚事務局長より、第9期評議員会から第10期評議員会への申し送り事項として、評議員会幹事会について、評議員改選後の初回評議員会における幹事選出までの幹事不在の間、重任となった旧任期の幹事がその任を果たし、重任の旧任期の幹事がいない場合は事務局がその任を代行する旨、資料に基づいて説明があり、承認された。引き続き飯塚事務局長より、議長団について、申し送り事項に従い前回と同じく、議長として佐久間仁評議員、副議長として松田道生評議員が紹介された。
●傍聴者承認
   佐久間仁議長より、傍聴希望者の紹介があり、本評議員会の傍聴が承認された。
●議事日程承認
   遠藤孝一幹事会代表幹事より、5/19に幹事会を開催して本評議員会の議事等について審議したこと、本日の議事にかかる概ねの時間配分案が示され、異議なく了承された。
●近況報告
   鈴木君子専務理事より、5/13-14の東京バードフェスティバルに台湾から参加された中華民国野鳥学会の方々との交流を深め国際交流の端緒としたこと、懸案の中長期計画策定や中西悟堂賞等について整理を進めていきたいと思っていること、また、日本の社会に不可欠の存在と考える日本野鳥の会の架け橋の一端を担うにあたり、専務理事として一所懸命努力するので、評議員のみなさんの協力を願いたい等の挨拶があった。
●議事録署名人選出
   評議員会規程第5条および理事会規程第6条第3項に基づき、上木泰男評議員と国松俊英評議員を議事録署名人として選出した。
【議案審議】
●第1号議案 評議員会幹事会の構成員選出の件
   佐久間議長より、本件について意見が特に出なかったため、議長案として、議長として松田道生評議員、副議長として佐久間評議員、幹事として池野進評議員、曽我千文評議員、遠藤孝一評議員との提案がなされ、審議の結果議長案どおり下記の5名とすることで承認された。

議長
副議長
幹事
幹事
幹事
松田 道生
佐久間 仁
池野 進
曽我 千文
遠藤 孝一
(学識経験者評議員)
(ブロック推薦評議員)
(ブロック推薦評議員)
(学識経験者評議員)
(学識経験者評議員)

 以上を受け、議長を松田道生評議員、副議長を佐久間仁評議員に交替した。
●第2号議案 平成17年度事業報告及び決算案の同意の件
   原元奈津子総務室長より、平成17年度事業報告(案)について、中長期計画未策定、会員数減少など目標に達しない事業もあるが概ね事業計画に沿って一定の成果をあげ、懸案事項の解決に向けても1歩踏み出すことができた旨、資料に基づき説明があった。 続いて、岩下路子経理グループチーフより、平成17年度決算(案)について、当期収支差額がマイナス約1,978万円と予算時より約1,500万円好転したこと、その主な要因は人員の補充の遅れ等による給料手当の減少であること、また予算と決算との差額が大きいものとしては保護区購入があり、購入が平成18年度にずれ込んだために大きな差違が生じていること、正味財産については大口寄付が2件あったことにより黒字となり全体として約100万円増加して約24億2600万円となったこと等、資料に基づき説明があった。

 続いて、高松健比古監事より、5/11に伊藤直人監事と共に監査を実施し、会計については適正であると確認したこと、業務については平成17年度も赤字決算、会員減となり、法人特別会員増加など努力の成果も見られるが依然未解決であること、会員増の対策として国民から評価される自然保護活動を実施し、バックアップしたいと思わせるような働きかけが必要であること、企業の力を有効に活用すること、普及啓発、広報の重要性、保護活動の評価、支部との連携、人材育成などの分野においてさらなる検討と実行を望むこと、柳生会長も2期目となりよい意味で当会が変わってきていることが一般にも理解されつつあること、今後は具体的な成果を望むとの監査報告があった。

 日比野政彦評議員より、決算について、支出で自然保護事業費1億1千万余等を年度内に執行できなかったため、全体として縮小均衡となったと理解してよいかとの質問があり、岩下経理グループチーフより、自然保護事業費のうち保護区購入関係は特定預金を取り崩して執行するものであり、予算全体の中では執行が減額し、それに応じた取り崩しも減額することから、ご意見のように縮小均衡という言い方もできるかもしれないとの回答があった。また、葉山政治サンクチュアリ室長より、本件タンチョウ生息地購入は交渉が遅れ、年度内に執行できなかったこと、同様にシマフクロウ生息地購入も年度内に執行できず現在も交渉中であること、購入交渉は非常にデリケートな側面があり予定どおり進まないことが多々あること、予算には三宅島の緊急対応時の予備費も一部確保していたこと等の回答があった。

 川端一彦評議員より、決算と3/18評議員会で示された決算見込みの差が大きい理由について質問があり、岩下経理グループチーフより、決算見込みは9月末時点の上期の数字を元に11月末頃作成するため参考資料程度と捉えてほしい旨の回答があった。
 さらに川端評議員より、特定預金取崩や自然保護事業費の支出が縮小しているのは、当会の大事な事業の停滞ととられるのではないか、また、個人指定寄付金収入の差が大きい理由について質問があった。これに対し葉山サンクチュアリ室長より、自然保護事業費のタンチョウ生息地購入では契約履行が遅れ、年度をまたいでしまったことにより、結果として決算額に大きな差を生じたとの回答があり、佐藤仁志副会長より、保護区購入交渉は価格やタイミング等非常にデリケートな側面があり、先の見えにくい事業であること、当会は予算主義で運営しているためある程度見込みのある案件については予算計上しておく必要があること、当該予算は寄付金を基金化して運用しており会計全体の中では大きな影響はないこと、土地購入には理事会議決が必要なこと、昨年度執行できなかった案件についても18年度に入って既に2件執行している等の補足回答があった。
 松田議長より、決算見込みの時点でどの程度不確定であるかを説明してほしいとの意見があった。

 佐久間副議長より、物品販売事業の不調に関し、双眼鏡等の価格が他の小売店等に比べ高い状況についての改善策と、保護区購入後の管理経費について質問があった。
 物品販売の質問に対し、箱田敦只普及室長より、現在、販売の顧客の7割が会員であり、今後は非会員への販路拡大が課題であるとの回答があり、吉田新常務理事より、単に他社メーカーの商品を販売してマージンを取るだけではなく、マーケットを分析した上で、シンボルマーク商品も含めたオリジナル商品、権利、企画を進めていく必要があるとの補足回答があった。さらに佐久間副議長より、パイを大きくする必要は分かるが、会員の需要にも十分答えきれていないこと,例えば探鳥のレベルアップに応じた商品展開、当会のマーク入り双眼鏡など工夫の余地があるとの意見があり、松田議長より、営業についてはプロの手腕が必要ではないかとの意見があった。
 保護区購入後の管理経費の質問に対し、葉山サンクチュアリ室長より、職員が管理できることを保護区選定の条件とし、寄付の約半分を管理費として予定していること、道東の管理は支部と連携し、仏沼は地元のNGOと連携して管理しているとの回答があった。さらに松田議長より、管理費がいずれ尽きたらどうするのかとの質問があり、葉山サンクチュアリ室長より、20年先の問題でもあり具体的な対策は未検討であるとの回答があった。

 川端評議員より、野鳥保護区基金のパンフレット作成、IBA事業の総合的ハンドブック編集、HPを活用した探鳥地紹介、ガンカモティーチャーズガイドの講習会について、事業執行が遅れたとしているがその理由について質問があった。これに対し、葉山サンクチュアリ室長、古南幸弘自然保護室長、箱田普及室長より、いずれもマンパワー不足、予想以上に労力がかかったとの回答があり、川端評議員より、職員不足が分かったので職員採用も検討してほしいとの意見があった。

 山田三夫評議員より、サハリンで油田パイプライン建設のプロジェクトが進められており、大規模な自然破壊を招いているが、現地法人の大株主に法人特別会員の企業があったことから、法人特別会員のスタンスを予め定めておいた方がよいのではないかとの意見があり、小林豊会員室長より、現在、入会時の審査はなく入会の意思があれば拒んでいないとの回答があった。これに対し、佐久間副議長より、そのような法人特別会員には、配慮を求めるなど何らかのアプローチがあってもよいのではないかとの意見があり、小林会員室長より、事業部門と共に今後は考慮していきたいとの回答があった。
 さらに川端評議員より、本件は当会のポリシーの問題であり、会員室等だけでなく、理事会の宿題にしたらどうかとの意見があり、執行役員も了承した。

 以上の審議をふまえ、第2号議案は同意された。

 ここで評議員会を10分間中断し、臨時幹事会を開催した。
 16:10に評議員会を再開し、遠藤代表幹事より、臨時幹事会を開催し互選の結果、代表幹事に遠藤孝一評議員、副代表幹事に池野進評議員が選出されたとの報告があった。
●第3号議案 役員選出の件
   遠藤代表幹事より、3/18評議員会での役員選出時に調整が間に合わなかった追加の候補者について、資料に基づき紹介があり、本日配布した候補者の抱負に関する資料は投票後回収すること、また同資料の回収については、3/18評議員会で議論があったが今回は前回と同様の措置とし、次回検討する旨の説明があった。
 引き続き松田議長より、選挙について、投票用紙へは無記名とし○もしくは×を記入すること、議決は寄附行為第32条第6項および第28条により出席評議員の過半数の賛成をもって承認とする旨の説明があり、投票に入った。開票の結果、賛成過半数により、下記の候補者が理事に選出された。
  ・学識経験者理事候補者(1名)
    土屋 正忠
    任期:2006年5月27日〜2008年3月31日
●質問・意見交換等
   遠藤代表幹事より、質問・意見に関連し、執行部と事務局に対しそれぞれ懸案事項に具体的にどう取り組むのかとの質問があった。これに対し、鈴木専務理事より、まず持ち越しの中長期計画策定と中西悟堂賞に取り組むこと、役員のみなさんに積極的に意見を求めていきたいとの回答があり、佐藤副会長より、難しいことは認識しており、執行役員だけでなく理事、評議員の協力も仰ぎたいこと、また職員の意見も聞きたいこと、執行部には会に精通した人がいた方がいいとの考えから、職員からの理事登用について検討・調整したが種々の理由から実現せず、現在のメンバーとなったこと、職員のマンパワー不足については悪循環にならぬよう留意したいとの回答があった。また飯塚事務局長より、マンパワーについて、現在66名の職員と40名以上のパートタイマーがいるが、企画運営の実行力がある人材は少ないこと、財政難により職員増を求める声を抑えてきたこと、今年度からは職員採用や外部スタッフ等の制度も検討したいこと、収入増については、会費制度の見直し、商品へのプロのアドバイス、法人特別会員の増加等を検討したいとの回答があった。

 佐久間副議長より、保護関係の問題、会員増対策、マナー等を具体的に議論する場がないため、意見交換と具体的方向性を出せるような機会を、なるべく早期に設けたいこと、負担をあまりかけずに、評議員会と同時に実施する等、旧幹事からとして提案があった。 関連して、質問・意見の中の川端評議員からの、評議員会用メーリングリストの要否について審議を行った。松田議長より、情報共有を進めるためにまずは実施したらどうかとの提案があり、特に異議はなかった。橋口評議員より、参加メンバーについて、評議員、理事、事務局の一部ではどうかとの意見、遠藤代表幹事より、趣旨を了解し必要性を認識している方がよいのではとの意見があり、まずは、評議員と執行役員とで始めること、管理は事務局で行うこととなった。

 以上をもって、平成18年度第1回評議員会(定例)(第36回)は終了した。
 上記の審議を明確にするため、この議事録を作成し、議長および議事録署名人の名において署名、捺印する。
2006年 7月 6日
財団法人日本野鳥の会
評議員会議長

議事録署名人
議事録署名人
評議員
 
評議員
評議員
佐久間 仁
松田 道生
上木 泰男
国松 俊英
(総務室/吉家奈保美)

事務局からのお知らせなど
自然保護室より
■IBA(重要野鳥生息地)の協力者(サポーター)を追加募集します!■
 全国の支部をはじめとする協力者(サポーター)の皆様のおかげをもちまして、本年3月に「IBA白書2005」を無事発行することができました(発行部数は当初計画した600部から200冊増刷しました)。また、4月には白書で使わせていただいたデータをもとに、「IBAホームページ」を全サイト公開いたしました。
 しかし、現時点で、別表のとおり54サイトについて、現地での協力者(サポーター)が決まっておらず、本年の「IBA白書2006」では、すべてのサイトからの情報を掲載することを目標としています。
 該当すると思われる支部には、再度、協力者(サポーター)のお願いのお知らせを郵送させていただきますので、よろしくご検討いただけますよう、よろしくお願いいたします。
<参考サイト>
IBAホームページ http://www.wbsj.org/nature/hogo/others/iba/index.html
IBA白書2005 http://www.wbsj.org/nature/hogo/shiryou/no20.html
<メールでのお問合せ先>
 自然保護室・高井健慈 [email protected]
(自然保護室/高井健慈)


■IBA(重要野鳥生息地)、新規サイト登録に関するおたずね■
  IBA選考過程で、事務局及び支部アンケートにて、公表資料を確認できず、IBAリスト公開後に、支部の皆様より、IBA基準に該当するサイトではないかという情報が寄せられています。
 現時点で事務局で新規登録を検討しているサイトは、伊良湖岬周辺(愛知県)、丹沢(神奈川県)ほか2件です。IBA基準に合致するサイトを支部のほうで把握されている場合、公表されているデータ(論文、報告書等)を添付の上、事務局担当までお知らせくださいますようお願いいたします。
<参考サイト>
IBAホームページ http://www.wbsj.org/nature/hogo/others/iba/index.html
IBA基準 http://www.wbsj.org/nature/hogo/others/iba/judge/index.html
<メールでのお問合せ先>
 自然保護室・高井健慈 [email protected]
(自然保護室/高井健慈)
■鳥獣保護法改正の概要と 第10次鳥獣保護事業計画の策定について■
●鳥獣保護法が改正されました
 本年6月8日、通常国会で鳥獣保護法の改正が審議され可決、成立しました。この改正では従来から当会が提案していた、輸入野鳥に標識を付ける制度が盛り込まれており、野鳥密猟対策を前進させるものと期待しています。  日本の野鳥は法律上、原則として許可なく捕まえ飼うことはできませんが、輸入には実質的な規制がありません(ワシントン条約に指定された一部の絶滅のおそれのある種類を除く)。従って日本産と同じ種類の野鳥が、渡っていった先の国で捕まって輸入されて売られたり、また野外で密猟した鳥を輸入したと偽って売るという犯罪が発生しており、日本産であるという立証が一部の種類を除いて難しいため、取締りのネックとなってきました。そこで当会では2000年から毎年、会員の皆さまのご参加と全国野鳥密猟対策連絡会との連携により「バードウィーク全国一斉野鳥販売実態調査」を行い、調査結果を元に、野鳥の輸入禁止の実現をめざして、輸入規制の強化や、適法に輸入された鳥を区別できる制度の提案を環境省や国会議員に働きかけてきました。  これが効を奏し、今回の改正では、国外から適法に輸入された国産と共通の種類には識別用の標識(脚環)が付けられることになったのです。野鳥の輸入そのものが規制されるわけではありませんが、これで輸入鳥と密猟鳥が一目で区別できるようになり、密猟鳥の販売の取締りには大いに効力を発揮することが期待できます。今まで調査にご参加いただいた多くの皆さまの賜物と深く感謝しております。  なお今回の改正ではこの他、わなの設置者の住所・氏名の表示義務付けや、わなの使用を禁止する区域指定制度の新設、網猟とわな猟の狩猟免許の分離等の改正が行われています。
【法律案の概要】
(1) 休猟区における特定鳥獣の狩猟の特例
 休猟区のうち都道府県知事が指定した区域においては、「特定鳥獣保護管理計画」に基づき、農林業被害の防止及び鳥獣の適切な個体数管理のため、シカ、イノシシなどの特定の鳥獣を狩猟により捕獲できることとする。

(2) 狩猟免許制度の区分の見直し
 農家自らによるわなを用いた鳥獣の捕獲を適切に推進するため、現行の「網・わな猟免許」を「網猟免許」と「わな猟免許」に区分することとする。

(3) 入猟者承認制度の創設
 鳥獣の適正な生息数を維持しつつ、狩猟を活用した農林業被害対策を進めるため、一定の区域に入猟する狩猟者の数を都道府県知事などが調整できる制度を設けることとする。

(4) わな猟に係る危険防止のための制度の創設
 人への危険を防止するため、都道府県知事は、危険性の高いわなについて、その使用を禁止又は制限する区域を指定することができることとする。

(5) 網及びわなへの設置者の氏名等の表示義務付け
 違法な網及びわなの設置を防止するため、すべての網及びわなについて、その設置者名などの表示を義務付けることとする。

(6) 鳥獣保護区における保全事業の創設
 鳥獣の生息地の保護及び整備を図るため、国又は都道府県は、鳥獣保護区において悪化した生息環境を改善するための事業を行うこととする。

(7) 輸入鳥獣の識別措置の導入
 海外から輸入された鳥獣の適切な管理を進めるため、適法に輸入された鳥獣に環境大臣が交付する標識(脚環等)を着けなければならないこととし、当該標識とともに譲り渡さなければならないこととする。

インターネットでご覧ください
 鳥獣保護法について http://www.wbsj.org/nature/hogo/law/choujuu/index.html
 法改正の結果について(環境省のページ)   http://www.env.go.jp/info/hoan/

●近年の鳥獣保護法の改正の流れ
1991(平成3)年
 特定猟具(現在の使用禁止猟具)の創設:カスミ網の捕獲目的での所持、販売、頒布の禁止、輸出制限→日本野鳥の会が総力をあげて実現。

1990年から
 カスミ網販売実態調査、全国カスミ網問題シンポジウム、自治体議会の意見書決議、国会請願署名(39万168人分)、各政党へのハガキ作戦等を経て、法改正が実現。

1999(平成11)年
 (1)特定鳥獣保護管理計画制度の創設(科学的、計画的なワイルドライフマネジメント)
 (2)地方分権一括法による国と都道府県の役割分担の変更

2002(平成14)年
 カタカナ文語体からひらがな口語体へ

2006(平成18)年 今回
・本来は、1999年改正の見直し条項と2002年改正の附帯決議を受けて、抜本的な改正が行われるはずだった。
「野生鳥獣の保護を一層明確にした法制度、鳥獣による農林業者の被害救済措置、公的機関が主導する捕獲体制の強化、野生鳥獣の保護管理のための国と地方の責務の一層の明確化等の具体策」(1999年衆・参附帯決議) 「野生鳥獣の保護を一層明確にした法制度、鳥獣による農林漁業者の被害救済措置、公的機関が主導する捕獲体制の強化、野生鳥獣の保護管理のための国と地方の責務の一層の明確化等の検討を進めるため必要な、特定鳥獣保護管理計画の実施状況の把握及び評価を進めるとともに、野生生物全般の保護に係る将来的な法体系の確立に向けた検討を行うこと。」(2002年衆議院附帯決議) 「生物多様性の確保に向けての担保措置の整備充実を図るとともに、野生生物保護の法体系の見直しについて検討を行なう。」(2002年参議院附帯決議)
・この法改正の準備として、次の検討過程を経た;
  (1)2002年1月〜2004年12月 野生鳥獣保護管理検討会(中央環境局長諮問機関) http://www.env.go.jp/nature/choju-kentokai/index.html
(2)2005年10月〜2006年1月 鳥獣保護管理小委員会(中央環境審議会野生生物部会の下部機関) http://www.env.go.jp/council/13wild/yoshi13.html#04
日本野鳥の会は(1)に委員を出し(古南)、野鳥の輸入規制や愛玩飼養制度の廃止等に関して意見を述べた。また、同様に委員を出している日本自然保護協会や、WWFジャパンなど他NGOとも共同で結成している「野生生物保護法制定をめざす全国ネットワーク」名義で「鳥獣保護法 ここを変えたい!!9項目」をまとめ、要望事項を主張。
・(1)が2004年12月に出した「野生鳥獣保護管理検討会報告書〜新たな野生鳥獣保護管理に向けて〜」はそれなりに論点整理を行った。両論併記的ではあるが、野鳥輸入と愛玩飼養制度についても前向きな記述がある。
http://www.env.go.jp/nature/choju-kentokai/rep1612.pdf
・(2)を受ける形で国会に出された法案は、人材の育成確保といった上記報告書の主な論点を残念ながら反映していない。今回も2002年に続き抜本改正とはならず、個別的ないくつかの課題を消化したのみといった感がある。
・野鳥の輸入について、省令で定める種類には輸入元の国、地域を問わず個体識別用の足環をつける、という大きな前進があった(第26条の改正)。
・愛玩飼養制度については、残念ながら改正の俎上に上がらず。
・行政や民間において、鳥獣被害の対策指導や保護管理を行える人材の確保、育成について、国会の審議の中でかなり時間をさいて議論が行われたことは、収穫ではないかと思われる。環境省としては具体化の策として人材登録制度を予定している模様。
●第10次鳥獣保護事業計画の策定に向けて
 この法律改正を受けて、環境省は現在、次の2つの作業を行っています。
(1)法律の施行について詳しく定める施行令、施行規則の改正や新設
(2)各都道府県の鳥獣保護事業計画の改定のもととなる基本指針(「鳥獣の保護を図るための事業を実施するための基本的な指針」)の策定  ちょうど今年は各都道府県の鳥獣保護事業計画(第9次)の期限が切れ、第10次計画の策定を行うべき年となっています。鳥獣保護法改正の影響を受けて、通常なら年明け位には告示されているはずの基本指針が、12月告示予定と、約10ヶ月の遅れとなっています。

・5/31に中央環境審議会の鳥獣保護小委員会で検討開始。

・「(1)鳥獣保護事業」「(2)特定計画」「(3)人材育成」3つのワーキンググループが設置され、9月までに3回程度の検討会が持たれる予定。(1)にWWFジャパンから、(2)に日本野鳥の会から、(3)に日本自然保護協会から、委員が参加している。

・指針は10月までにワーキンググループと小委員会により案がまとめられてパブリックコメントが実施され、指針が確定して告示されるのは12月の見込み。例年の鳥獣保護事業計画の改訂作業の流れから言うと、10ヶ月程度遅い進行。

・各都道府県が今年度内に事業計画の策定を終了させるかどうかは、不明。次年度に延ばしてもよいことになっている。

・鳥獣保護小委員会の「鳥獣保護事業実施のための基本指針策定に係るワーキンググループ」の議事概要と配布資料は、こちらでご覧になれます。
http://www.env.go.jp/nature/choju_wg/index.html
(参考)現行の基本指針(第9次)はこちら
http://www.env.go.jp/nature/yasei/choju_ho/04.pdf
各都道府県の鳥獣保護事業計画に意見を出しましょう
○鳥獣保護事業計画の項目について
 今回は第10次の計画(2007年度〜2011年度)の策定となります。今年度は鳥獣保護法が改正されたため、法律に基づいて国から各都道府県に示される策定のための基本指針(「鳥獣の保護を図るための事業を実施するための基本的な指針」)の策定が上述のとおり例年に比べ手順が10ヶ月ほど遅れる見込みです。環境省からの情報によると、半数ほどの都道府県が策定を来年度に延ばす可能性もあります。
 このため、策定のスケジュールについては、急ぎ各都道府県に確認しておく必要があります。
 第9次の際に計画項目として挙がっているのは以下のとおりです。第10次指針ではこれに追加される項目も多少出てくると思われますが、基本的にはこれらの項目について、現状を点検し、意見を述べていくことが重要と思います。
 【鳥獣保護事業計画の項目(第9次)】
  第一
  第二
  第三
  第四
  第五
  第六
  第七
  第八
  第九
鳥獣保護事業計画の計画期間
鳥獣保護区、特別保護地区及び休猟区に関する事項
鳥獣の人工増殖及び放鳥獣に関する事項
鳥獣の捕獲等及び鳥類の卵の採取等の許可(有害鳥獣捕獲に限る。)に関する事項
銃猟禁止区域、銃猟制限区域及び猟区に関する事項
特定鳥獣保護管理計画の作成に関する事項
鳥獣の生息の状況の調査に関する事項
鳥獣保護事業に関する普及啓発に関する事項
鳥獣保護事業の実施体制に関する事項  
  第十   その他鳥獣保護事業の実施のために必要な事項 (それぞれの都道府県の第9次計画と第10次計画の策定スケジュールについては、都道府県庁の鳥獣保護担当部署にお尋ねください。)
○鳥獣保護区の設定要望について
 当会が国際的見地から保護を優先すべきとした重要野鳥生息地(IBA)167ヶ所については、まだ鳥獣保護区特別保護地区等の指定がなされていない地域が78ヶ所もあります。この機会に、IBAの鳥獣保護区特別保護地区指定に向けて、皆様の支部からも要望を出してくださるよう、ご検討をお願いいたします。なお、前回の鳥獣保護事業計画の策定時は、鳥獣保護区に関しては次のようなスケジュールで進められていました。
■事例:第9次北海道鳥獣保護事業計画策定スケジュール(鳥獣保護区設定計画部分)
平成11年
8月中 鳥獣保護区等設定箇所等検討、利害関係人調整(主に猟友会)を経て計画初案を提出
9月下旬 全体計画案の検討・回答
10〜12月 関係機関への事前説明、協議、回答、調整
平成14年
1〜2月 道環境審議会自然環境部会に報告、道環境審議会に諮問・答申
3月 告示、環境省への報告、関係機関への通知
鳥獣保護事業計画の改定に関する資料と、具体的な鳥獣保護区未指定IBAの資料については、各支部事務局あてに改めて8月中にお送りいたしますので、ご参照くださるようよろしくお願いいたします。
(自然保護室長/古南幸弘)
■風力発電への対応について■
●当会の対応の状況
 ここ数年、野鳥への悪影響が懸念される風力発電の設置計画が増えてきており、支部の皆さまからのお問い合せやご相談をお受けしています。今年度に入って当会からは以下のような案件について、計画見直しの要望書を出す等の対応をしているところです。
・福井県あわら市(電源開発株式会社)
・三重県鳥羽市(鳥羽ウインドファーム株式会社)
・北海道函館市汐首町(ユーラス・エナジー・ジャパン)
・島根県出雲市(ユーラス・エナジー・ジャパン)
・長野県伊那市入笠山(三峰川電力株式会社)
 当会は、温暖化対策のための自然エネルギー源として風力エネルギー開発を否定するものではありませんが、現状の風力エネルギー開発は、以下のような問題点を抱えていると認識しています。欧米では設置場所によっては、様々な分類群の野鳥への悪影響が起こることが指摘されており(表1)、また国内でも下表に示すように、オジロワシなどの希少種を含む複数の衝突事故の事例が知られています(表2)。わが国では2010年までに300万kW(平成17年度末の3倍強)の発電量を確保するとの計画が進められています(地球温暖化対策大綱)が、風力発電施設による環境影響については、環境影響評価(アセスメント)法の対象にはなっておらず、風力発電事業への補助を行っている新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から法的拘束力の無いガイドラインが示されているだけで(2002年 総発電量10,000kW以上の大規模発電施設に関する環境影響評価マニュアル)、きちんとした調査を行っていない事業も各地で散見されます。条例により環境アセスメントを行っている県はまだごく少数で(福島県と兵庫県のみ)、これらを除いてはアセスメントの仕組みが整っていません。風力発電の設置にあたって法的規制があるのは、現在のところ基本的には国立公園・国定公園のみとなっています。
 大規模な風力発電事業は、ほとんどすべてが経済産業省(事業者が民間企業の場合)または新エネルギー・産業技術総合開発機構(事業者が自治体やNGOの場合)の補助金の交付を受けていますが、この申請にあたってはそれぞれの機関での審査が行われますので、環境影響のおそれや調査の不備、また地元合意の不備等について、各機関、あるいは関係する省庁(鳥獣保護区や種の保存法の希少種等が関係する場合は環境省、天然記念物が関係する場合は文化庁等)に要望を行ってきているところです。
これらの要望書等に関しては、インターネットの当会のページでご覧になれます http://www.wbsj.org/nature/hogo/others/fuuryoku.html
国立公園・国定公園における設置規制については
http://www.env.go.jp/nature/wind_power/
http://www.env.go.jp/press/file_view.phpY?serial=5262&hou_id=4651
新エネルギー・産業技術総合開発機構の大規模発電施設に関する環境影響評価マニュアルについては
http://www.nedo.go.jp/
●新たな制度の構築のためにシンポジウムを開催します
 しかし制度上の不備は明らかで、このまま進むと野鳥への悪影響が急速に拡大していくおそれがあるため、早急に風力発電施設が野鳥に与える影響やその評価、回避方法について検討し、適当な制度を導入する必要があります。そこで当会では11月に欧米の専門家を招いて、以下のようにシンポジウムを開催することとしました。風力発電計画についてお悩みの支部の皆さんにはぜひおいでくださいますようご案内いたします。
「風力発電施設が鳥類に与える影響に 関する国際シンポジウム」予告
<開催趣旨>
政府は温暖化対策のため、2010年までに国内の風力発電による総発電容量を300万kW(現在は約100万kW)にするという数値目標を設定し、風力発電施設の設置を推進しています。しかし設置基数が増えるに従い、希少種の風車への衝突死等の悪影響が各地から報告されるようになり、今後はさらに増えることが懸念されます。 わが国では、風力発電施設が野鳥に与える影響について体系的に調査・研究が行われてこなかったため、環境影響評価や事故の回避・軽減のための知見が不足しています。また、鳥類への影響を軽減しながら風力発電を推進するための法的枠組みについて、具体的議論は行なわれてきませんでした。そこで海外の先進事例を学び、風力発電施設導入による鳥類への影響を最小化するための科学的・社会的方策を探るため、そして、風力発電と野鳥の共存がはかられ、真にクリーンなエネルギー源となることを目指し、国際シンポジウムを開催します。
<開催の日時・場所等>
日時: 2006年11月4日(土) 開演10:00 閉演16:30
場所: 日本教育会館一ツ橋ホール  〒101−0003東京都千代田区一ツ橋2−6−2
定員: 300人
入場料: 500円
交流会: 同日18時より学士会館(東京都千代田区神田錦町3-28)にて交流会を行います。
参加費・1名6,000円。
<申し込み方法>
(1)Eメール:[email protected]
(2)FAX:042-593-6873
(3)はがき:〒191-0041東京都日野市南平2-35-2 WING
のいずれかの方法で、
(財)日本野鳥の会「バードストライク国際シンポジウム」係宛  氏名連絡先交流会参加の有無を明記のうえ、平成18年10月25日(水)までにお申し込みください。電話による申し込みは行っておりません。なお、定員に達してご入場いただけない場合のみ、こちらからご連絡差し上げます。
(※事前申し込みによる個人情報は、このシンポジウムのためにしか利用いたしません。)
<おもな講演ゲスト>
・Rowena Langston博士(イギリス):
The Royal Society for the Protection of Birds (RSPB)主任研究員。 風力発電施設におけるバードストライク問題について造詣が深い。
・Shawn Smallwood博士(アメリカ):
  環境影響評価の専門家。カルフォルニアのアルタモントパス風力発電施設群において多くの鳥類調査を実施し、報告書等を多数執筆。
・白木彩子博士:
  オジロワシの研究者で東京農業大学生物産業学部講師。オジロワシの衝突事故をきっかけに独自調査を開始。論文執筆、講演など多数。
・中津弘:
  大阪府立大学大学院農学生命科学研究科博士課程。景観構造と鳥類の関係について研究中。学会発表など多数。 風力発電計画、あるいは上記シンポジウムについては、自然保護室までお尋ねください。
(自然保護室/浦、古南)


普及室より
■学校対応への取り組みインタビュー■
 一昨年度、普及室では支部の学校対応の状況をお聞きするアンケート調査を実施し、17支部から回答を頂きました。その後アンケートに回答を頂いた支部の中から、最も積極的に学校対応を実施されている栃木県支部と茨城支部の担当者に問い合わせたところ、実際に学校対応の現場を見せていただけるとのことでしたので、現地に伺い学校対応の現場を視察させていただきました。さらに、支部の担当者と受け入れ側の学校の先生を交えてお話をうかがうことができましたのでそのときの模様をご報告いたします。ここでは、支部が学校対応をおこなうようになったきっかけや学校対応を行う上で大切にしている事等をお話していただきました。学校対応に関心を持たれている支部のご担当者の皆様のご参考にしていただければ幸いです。
●栃木県支部へのインタビュー
栃木県支部: 高松幹事 岩淵事務局長
二宮町立長沼北小学校: 墨野倉校長先生
司   会: 景山誠(普及室)

<きっかけは愛鳥モデル校>
司 会 そもそも、栃木県支部が学校と関わったきっかけは何だったのですか?
高 松 栃木県が行っている愛鳥モデル校制度です。以前、愛鳥モデル校に指定された学校の先生が巣箱づくりを行う企画をたて、その指導を支部にお願いしたいと連絡があったのがきっかけです。いくら熱意のある先生が1人いても、学校を動かそうとした時には、愛鳥モデル校のような制度がなければ動きづらいと思います。
墨野倉 例えば教員が、他の学校から愛鳥モデル校の学校に転勤してきたとします。そうすると、今まで目に映っているけど意識しなかった鳥に目が向くのです。いつもピッピッピなんて鳴いているのはコジュケイだと分かると楽しいのですよ。子どもはもちろん、教員にも楽しむためのきっかけが大切です。
高 松
望遠鏡を使って子どもたちに野鳥を見せる高松さん
特に都会に住んでいる人にとって、バードウォッチングをはじめ、自然に触れるという体験は、自然豊かな遠方へ出かけて行うというものだという印象が根強くあると感じていたのです。自然豊かな場所と比べれば数は少ないかもしれないけど、学校の周りや自宅の周りにでも野鳥を見ることができるという事に気づいてもらって、もっと自然や野鳥を身近に感じてもらいたいという想いもありました。実際、学校対応を行って感じることは、今まで学校の先生や子どもたちが、身近な自然や野鳥にあまり目を向けなかったのは、学校の周りや自宅の周りにこんな鳥がいるという事に気がついていなかっただけなのです。実際バードウォッチングをして、カワセミってこんなにきれいなのだと分かると、我々が何も言う必要はなくなって、先生や子どもたちがどんどん野鳥を見るようになりました。
<授業計画は、先生が中心になって>
司 会 授業内容はどのように立てているのですか?
高 松 とにかく先生方はどういう活動をしていいのか分からないのです。なので、放課後先生方に集まってもらって、他の学校対応事例を紹介しながら、こういう活動はどうですかというアドバイスをしました。それと、まず最初に先生方だけとバードウォッチングを行いました。実際にバードウォッチングをすることで、先生方は具体的なイメージを掴んでいたようです。さらに班や、グループ毎に講師が付いて指導すると良いとか、時間帯はどのぐらいが良い等、観察を行う上でのポイントも話しました。
司 会 実際にバードウォッチングを行い、観察を行う上でのポイント等の話をするとなると、そういった場を数回持たないといけませんよね?
高 松 そうです。数回行いました。私たちが持っている情報を先生に提供すると、先生からこんなふうにできないか?と提案が来るのです。そんなやりとりをしながら、活動計画を作っていくのです。実際活動するのは学校なので、活動計画を作る時は、先生が中心になれるよう心がけています。
<先生へのサポートも大切>
司 会 学校の立場で、授業計画の立案や実施する時のポイントは何ですか?
墨野倉 学校の立場で最近私が思うのは、やはり校長や教員がその地域の特色、例えば川がある、草原がある等、その学校の置かれた状況をつぶさに見ることが大切だと思います。川にいろいろな鳥が来る、じゃあ、講師として誰を呼ぼうかという画策をして教育計画をたてるのです。地域を見れば、自ずと特徴ある授業ができます。 「教員のサポートも必要です。特に興味のない教員が来た時は、校長自ら同行して、うまくできた所、うまくできなかった所をアドバイスします。任せきりでは、先生にも失礼だし、何より、子どもにちゃんと伝わらないのです。 「また、こうした活動を継続するかどうかは、教員による学校評価で決まります。その評価がよければ、継続して行うことになります。このときに愉快なのは、楽しくて人柄がよくて、あの指導者は明るくていいわねというのがポイントです。頭が良くてよく知っていても、人柄が悪いと“ううん”となります。
<モデル事例をつくってもっと広げたい>
司 会 今度は場所を変えて、支部事務局の岩淵さんにも入っていただき、支部の学校対応への取り組みについてお聞きしたいと思います。 今後、学校対応に関する具体的な取り組み内容をお聞かせ下さい。
岩 渕 今までは、山間部の学校で対応をしてきました。今後、栃木県の中で一番の都市部である宇都宮市街地にある学校に働きかけを行って、モデルとなる事例を作りたいと考えています。うまくいけば、他の地域に普及させていけると考えています。
司 会 都市部で児童数の多い学校に通っている子供が、自然体験をできないということは避けないといけないですものね。本来、一番体験が必要なのはその辺の子供たちだと思います。ただ、そこに手を付けようと思ったら、平日動けるリーダーさんが大量に必要ですよね?
岩 渕 そうなのです。今は、高松さんが知っている人たちに声を掛ければ何とかなっています。ただ活動エリアを広げるとなると、現在それだけの人数を確保できていません。そこで、現状を把握するために、学校からの依頼がどれだけ来ているのかを把握することと、実際に今、講師として声を掛けられる人が支部の中にどれぐらいいるかというリストを作ろうと考えています。
<プログラムのネタが欲しい>
司 会 最後に、学校対応に関して、財団事務局への要望等をお聞かせ下さい。
高 松
バードウォッチング後のまとめをおこなう高松さん
残念なことに、栃木県では愛鳥モデル校制度が廃止されました。やはり愛鳥モデル校制度がないときっかけが作れないのです。そこで、財団事務局から、例えば市町村の教育委員会に働き掛けて行って欲しいと思います。 また、日本野鳥の会のサンクチュアリで我々と同じようなことをやっていると思います。そこでサンクチュアリで行われているプログラムが欲しいのです。我々は新しい人を養成しなければならないのです。もちろん、経験を積んでもらう必要がありますけど、プログラムがあれば事前に研修することができるので必要だと思っています。
司 会 今、財団事務局では、各サンクチュアリでの事例や、他の観察会で鳥をテーマとして行っている事例を集めて、皆さんが探鳥会の中で、例えば冒頭の30分だとか、まとめの15分に使えるような、プログラム集を作成しようと考えています。今後も支部の皆さんと協力して事業展開を図っていきたいと考えています。本日はどうもありがとうございました。


●茨城支部へのインタビュー

茨城支部: 池野支部長
水戸市立柳河小学校: 中川先生
司   会: 景山誠(普及室)

<きっかけは国語の授業と愛鳥モデル校>
司 会 そもそも、学校と関わるためのきっかけは何だったのですか?
中 川 ちょうど『ツバメが住む町』という教材が国語であったので、ツバメの巣を探すフィールドワークをしようということになったのです。それをきっかけにして、『じゃあ、ほかにもどんな鳥がいるのだろうね。ちょっと歩いていこうか』なんて言って、那珂川の堤防まで行きました。たくさん鳥がいるというのは分かるのですけど、名前も分からないし、フィールドスコープも持っていませんでした。『あのくちばしの赤い鳥は、何だろう?』と話している中で、子供たちが興味を持つようになりました。そこで、校長が、那珂川の近くに日本野鳥の会茨城支部があることに気づき、連絡したのがきっかけです。
司 会 池野さんは、どのくらいの頻度で学校対応されているのですか?
池 野
学校対応をおこなう池野さん
1ヶ月に1回です。年に1回のイベントでは、鳥の名前も覚えないし、1回も鳥を見ないで終わる子もいる。だから1回ではやりません。『やるのだったら、1年やらせてください』とこちらから学校に提案しました。そうしたらずっと定着して、3年目になります。今では他にも6校対応していますよ。
司 会 どのような経緯で、6校に増えたのですか?
池 野 私が学校対応を行っている時に、県の方が視察に来たのです。その方が、他の愛鳥モデル校に事例紹介をして広がりました。特に新しく愛鳥モデル校に指定されたところは、何をやっていいか分からなかったのでしょう。
司 会 栃木県支部の事例でもそうだったのですが、愛鳥モデル校という制度が、きっかけになっているのですね。あと、授業の計画はどのように立てられているのですか?
中 川 授業内容は、基本的に教師が立てます。あとは子供たちが活動していく中で、疑問や観察素材が見つかった時に、池野さんに相談します。
池 野 あまり多くの事は言いません。ヒントを出す程度です。
司 会 池野さんがやられているような、先生自身が授業のデザインを引いていく中にヒントが出せるというのが、一つ理想の形だと思います。
<子どもと同じ感動体験を>
司 会 学校での活動を行ううえで、大切にしていることは何ですか?
池 野 子供たちに『何だ、こんなもんか』という印象を持たせたら、もう終わりだと思います。最初に『面白かった、また来てね』と言われるようにしないと。そのために、鳥がたくさん出そうなところを歩いて、コース取りをするのです。だから初めての学校は、下見が2〜3回必要ですね。
中 川 私は、教師が子供と、どれだけ同じ感動体験を持てるかというのが、一番のキーポイントかなと思います。子供が見つけたのを見て、『どれどれ、先生にも見せて』と言えるかどうかですね。
池 野 先生には、『野鳥観察の時には先生という身分を捨てて、子供と一緒になって喜んでください』と言っています。また、私は、なるべく子供の名前を覚えるようにしているのです。名前を呼ばないと、親しみがわかないと思います。
司 会 学校にとって、鳥という生き物を素材にする、その魅力というのは何ですか?
中 川 どこにもいるということだと思います。改めてお金がかかるわけではないし、本当にいつでも見られる。ただその見るための、手段とか技術とかそういったものについては、野鳥の会の方の協力を得なくては、学校だけでは絶対にできないことだと思います。
司 会 野外の観察や鳥がどういう生き物なのかについては、やはり専門家からいろいろ話を伺ったり、現物を目の前で見せてもらったりという体験が必要で、その体験が先生にあれば、今度は授業の中でいろいろ展開ができる。その部分の先生と専門家の役割分担が、事前の打ち合わせできっちり出来上がっている。それがここのケースの特徴だなという感じがしますね。
<成果の出る活動が大切>
司 会   インタビューの冒頭で、学校対応を3年間続けているというお話がありましたが、活動を継続させるために工夫していることはありますか?
池 野   学校対応をおこなって感じることは、学校は職場なので、成果が求められるということです。良い成果が残らなければ継続しないけど、良い成果が出ればやめられなくなる。だから成果を出すためには、目標設定ということをきちんとやっていかないといけないと思います。また、校長先生や担当先生の意志もあるとは思いますが、大切なのは、私たちの「継続したい」という意志だと感じています。
<探鳥会に子どもがやってきた>
司 会   学校対応を行って、支部活動に何か変化がありましたか?
池 野   支部主催の探鳥会に、子供が1人、2人入ってくるようになったということ。はっとします。期待しないところに子供が入ってくるようになりましたしね。これは明るい兆しです。
<子どもへの対応は難しくない>
司 会   今後、茨城支部で学校対応に関して取り組むことはありますか?
池 野  
子どもたちに囲まれる池野さん
今の6校で終わらせたくないのです。支部の中に自分と同じようなことをやれる人を何人か作って、その人たちが他の学校で対応ができる状況にしたいのです。そのためには、とくにかく体験させなくちゃいけないから、まずは、子どもへ対応する場に引っ張り出すことをおこなっています。あとは我孫子市で行うジャパンバードフェスティバルや、茨城県でやっている茨城県環境フェア、水戸市のちびっ子広場等のイベントに来てもらって、子どもと接する経験を積んでもらっています。やはり、経験を積んでもらって、俺でも何とかできるなって思ってもらう事が大切だと感じています。でも、子育ての経験のある方であれば、心配することはないのです。子ども向けの話し方というのは、自分の子どもを育てたときのことをそのままやればいいので、難しくないのです。
<雨天時のプログラムが欲しい>
司 会   最後に、学校対応に関して、財団事務局への要望等をお聞かせ下さい。
池 野   指導者用の紙芝居がほしい。やはり、あの紙の厚さがないとね。今のところ、グッズとしてはあれで十分間に合っています。困るのは、雨の日用のプログラムですよ。今は、塗り絵を用意して実施していますが、毎回塗り絵をやっているわけにもいかないしね。雨のときは、僕が調査でやったときの経験を生かしながら話しているわけです。ヤマセミの話とか、コゲラの話とか、オオタカの話とか。調査で知り得た生のデータをみんなに見せてあげるわけです。雨の日用対策として、例えば紙で作れるモビールみたいなとか、それが塗り絵になっていれば、塗り絵をやってからモビールができるとかね。
<支部同士で情報交換がしたい>
司 会   うれしい話をいっぱい聞けて、僕も喜んでしまいました。支部の皆さんにアンケート調査を行い、うわさには聞いていたのですが、今回取材させて頂いて、初めて形が見えてきたというのが、正直なところです。池野さんや、栃木県支部の高松さんにいろいろお話を伺っていて感じるのは、例えば支部の取り組みではなくて、一会員としてやっていらっしゃる方がたくさんいるのではないかという事です。
池 野    私もそう思います。
司 会   そういう方と、全国レベルで情報交換できるようになり、集まって、いろいろ議論し合えるような場ができたらいいなと思うのです。
池 野   おそらく埋もれちゃっているから広まらないのだと思います。だけども、やっていることは、それほど大仰ではないし、難しいことでもないのだから、やっていることのノウハウを伝授することで一気に広がるものだと思います。
司 会   今日は、長い間、ありがとうございました。


●終わりに
 今回2つの支部を視察させていただいたことで、支部と学校がどのような形で協働をおこなっているかについて具体的なイメージを持つことができました。
 特に「依頼者である学校側の様子」、「支部と学校のお互いの専門分野を生かした役割分担のあり方」「支部と学校が協働したことにより得られたさまざまな成果」について、依頼者である学校側の声、依頼を受ける支部側の声の双方からお話を聞けたことは大変有益でした。また、私たち財団に求められていることについても語っていただき感謝しています。これからじっくりと腰をすえて取り組んでいきたいと思います。
 前回の支部アンケートでは、回答していただいた支部は17支部と少なめでしたが、実際には学校対応に取り組んでいらっしゃる支部は相当な数に上るのではないかと思います。今回のインタビュー記事をご覧いただいて、学校対応に取り組んでいる支部、これから取り組もうとされている支部のご担当者の方から、ぜひご感想、ご意見をいただければと思います。
(普及室/瀬古智貫、箱田敦只)

会員室より
■「支部報とりまとめ発送」次回のご案内■
 次回の支部報取りまとめ発送日は9月8日(金)ですので、支部報は下記の要領でお送りくださるようお願いします。(支部報取りまとめ発送についての詳細は、支部ネット通信2006年6月号をご覧下さい。)
送付期日: 平成18年9月7日(木)必着
送付先: 〒151-0061東京都渋谷区初台1-47-1
小田急西新宿ビル1階 (財)日本野鳥の会総務室 支部報担当宛
本件に関するお問合せ先:
  03-5358-3513 総務室 吉家(きっか)
(総務室/吉家奈保美)
■平成18年度支部事業補助金の交付が決定されました■
 平成18年度の支部事業補助金は以下の5件に交付されることが決定しました。応募された全ての支部へ8月3日付けの文書にて正式に結果を通知しております。
 ・「チュウヒサミット」(愛知県)
 ・「鳥類目録Vの発行」(神奈川)
 ・「玄界灘海鳥調査」(福岡)
 ・「山口県版繁殖地図調査報告書2000作成」 (山口県)
 ・「ウルバ・プロジェクト2006」(千葉県)

 なお今年度は、応募総数が13件と多かったため、要綱に従い抽選方式により交付先を決定しました。残念ながら落選となった支部の皆様には、また是非、次年度以降応募いただければと存じます。次年度は平成19年4月以降に募集予定としております。
(総務室/吉家奈保美)

会員室より
■2006年7月の豪雨災害における会費請求の対応■
 2006年7月の豪雨災害では該当地域の支部から会員への被害が報告されました。そのため、阪神大震災や中越地震など会員への被害が報告された災害の際に会費支払いの猶予措置をとった前例を勘案しまして、今回の災害に遭われた方の次期会費のお支払いについて、以下のような猶予措置をとらせていただくことといたしました。
【2006年7月の豪雨災害に対する猶予措置】
○対象者:
2006年7月の豪雨にて被災され、措置適用をご希望される方
○猶予措置の内容:

次期会費のお支払いについて、1年間の猶予期間を設けます。
次期会員期間への切替時には会費のご請求はいたしません。1年間の猶予期間終了後(次々期の会員期間への切替時)に、猶予期間中の会費と合わせた2年分の会費のご請求をいたします。

 特に大きな被害のあった地域の諏訪支部、鹿児島県支部には、支部会員の被災状況について確認いただいておりますが、他にも支部会員の方が被害に遭われたとの情報をお持ちの支部につきましては、お手数ですが会員室までご一報いただければと存じます。なお、この猶予措置については、野鳥誌10月号で会員の皆様にお知らせいたします。
(会員室/伊野純子)
■会員拡大のために広告出稿■
 新入会者の減少が続いており、先月号では対策として8月中入会者への「新・山野の鳥」プレゼント企画を行う旨をお知らせしましたが(結果は来月以降にご報告します)、この他の対策として2種類の広告出稿を行っています。
 1つ目はインターネットでの広告です。Google、Yahoo!などの主要検索サイトで、「バードウォッチング」「野鳥」などのキーワードを検索した場合、当会の宣伝テキストおよびリンクが表示される広告掲載を7月末から行っています。 (広告の掲出場所は、検索サイトやキーワードによって異なります。また、「日本野鳥の会」など明らかに当会が検索結果欄の上位に表示されるキーワードについては、広告は表示されないようにしています)  クリックする都度課金され、広告費用を使い切った時点で掲載終了する契約となっており、およそ1ヶ月程度で終了を見込んでいます。そのためこの支部ネット通信をお届けする時点で掲載が終了している可能性もありますのでご了承ください。また、掲載が続いている場合でも、クリックすると課金されてしまいますので、広告表示まではお試しいただくとしても、実際にクリックして会のページに飛ぶのはご遠慮ください。
 この広告については効果次第では継続的に実施していくことも検討しています。
 また2つ目はJRの中高年向け旅行会員組織の会報誌「ジパング倶楽部」への広告出稿で、9月末に発行される10月号にカラー1/3Pで掲載されます。「ジパング倶楽部」はこの旅行会員組織の会員(65歳以上男性、60歳以上女性)へ送付されるもので、発行部数は118万部です。読者層が当会の会員層にマッチしており、その効果に注目したいと思います。
(会員室/齋藤英一郎)
■野鳥誌8月号を支援者の方々へ送付■
 前年度の事業報告を特集した野鳥誌8月号は、支部型(赤い鳥)会員を含むすべての会員の皆さまへお送りしていますが、昨年度からは、前年度に一定額(5,000円)以上の寄付をくださった非会員の方、および一定額(10,000円)以上の商品を購入いただいた非会員の方(DM不要の申し出をいただいた方除く)へも、会の活動をご報告し、さらに支援いただけるようにとの考えからお送りしております。今年度、この対象となった方は1,176名(昨年度1,229名)で、7月末にお送りいたしました。
(会員室/齋藤英一郎)
■「活動」パンフレット2006年度版を作成■
 当会の活動をご紹介する「活動」パンフレットの内容をリニューアルし、8月中旬に完成しました。今回は、ご紹介する事業を2005年度に実施した事業に修正したほか、紙面の関係で限定的ではありますが、支部の活動も重要な当会の活動の一部であるとの考えから各支部の主な探鳥会開催場所や支部報の発行状況なども盛り込みました。  各支部には先だってパンフレット類の追加補充の希望をお伺いしており、ご注文いただいた部数をお送りいたします。追加でのご注文もお待ちしております。  また、個人特別会員の皆さまに対しては、資金面でよりご支援いただいていることもあり、新しい種類のパンフレット・小冊子などが出来る度にご報告としてお送りしておりますが、このパンフレットも準備出来次第お送りする予定です。
(会員室/齋藤英一郎)
■「財団案内」パンフレットを新たに作成■
 一般の企業などで出されている会社案内に相当するものとして、以前から「事業案内」という冊子を作成、発行しておりました。この事業案内は、表紙だけカラーで他は黒一色の印刷だったのですが、A4版で16ページあり制作コストもそれなりにかかるため、千部程度しか印刷できませんでしたし、その印刷発行も2001年度が最後で、その後は使う部数だけをコピー機で作る形になっておりました。  そこでこの度この事業案内を大幅に見直し、A4版3折りサイズのパンフレット「財団案内」として作成し発行しました。掲載内容は、役員名簿、顧問一覧、団体の沿革、事業所(サンクチュアリなど)の一覧、主要取引銀行、登記財産額などです。コンパクト化したことで印刷部数も増やすことができ、前項でご紹介した「活動」パンフレットと組み合わせて、個人・法人会員の入会勧誘や広告、協賛金などの営業のツールとして活用してゆく予定です。
(会員室長/小林豊)
■会員数■
●8月1日会員数 45,725人(対前月 −98人)  
 12ヶ月連続して会員数がマイナスとなり、先月に比べ98人の会員数減少となりました。
 7月の入会・退会者数の表をみますと、入会者数は退会者数より110人少なくなっています。会員の増減は、入会者数と退会者数のほかに、会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活した人数によって決まります。この復活者数を入会者数に加えても、退会者数が多かったために、前月に比べて98人の会員数減少という結果になりました。
 7月の入会者数は前年同月の入会者数に比べ-27人でした。
表1.7月の入会・退会者数
入会者数 退会者数
個人特別会員 5人 7人
総合会員(おおぞら会員) 27人 100人
本部型会員(青い鳥会員) 36人 26人
支部型会員(赤い鳥会員) 36人 56人
家族会員 22人 47人
合計 126人 236人
年度累計 676人
※会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活する方がいらっしゃるため、退会者数の年度累計は、実際の退会者数とはずれた数字となります。このため、退会者数合計については年度末の集計後にお知らせいたします。

7月の入会案内発送件数 8,263件
7月のホームページアクセス件数 27,151件
■都道府県および支部別会員数■
都道府県別の会員数の合計45,999人には野鳥誌の贈呈数も含まれており、野鳥誌贈呈数274を引いた数が公称会員数となります。
表2 都道府県別の会員数 (8月1日時点)
都道府県 会員数 対前月差 都道府県 会員数 対前月差 都道府県 会員数 対前月差 都道府県 会員数 対前月差
北海道 2,056人 -2人 神奈川県 4,771人 -6人 大阪府 2,384人 -13人 福岡県 1,585人 5人
青森県 357人 0人 新潟県 496人 0人 兵庫県 1,758人 -1人 佐賀県 222人 2人
岩手県 484人 -1人 富山県 260人 -1人 奈良県 661人 -4人 長崎県 284人 1人
宮城県 590人 -5人 石川県 334人 -2人 和歌山県 229人 1人 熊本県 462人 -4人
秋田県 260人 0人 福井県 286人 0人 鳥取県 234人 -2人 大分県 270人 -1人
山形県 220人 -2人 山梨県 374人 2人 島根県 162人 5人 宮崎県 297人 -1人
福島県 875人 1人 長野県 1,033人 0人 岡山県 633人 -2人 鹿児島県 425人 -2人
茨城県 1,206人 -4人 岐阜県 671人 3人 広島県 725人 -3人 沖縄県 155人 -1人
栃木県 555人 -2人 静岡県 1,719人 -6人 山口県 516人 -3人 その他 185人 8人
群馬県 998人 -4人 愛知県 1,905人 -2人 徳島県 413人 -3人 全国 45,999人 -95人
埼玉県 2,759人 -12人 三重県 537人 1人 香川県 272人 -1人  
千葉県 2,384人 -8人 滋賀県 370人 1人 愛媛県 411人 1人
東京都 7,049人 -18人 京都府 979人 -4人 高知県 188人 -2人
備考:その他は海外在住の会員を示します。
表3 支部別の会員数 (8月1日時点)
支部 会員数 対前月差 支部 会員数 対前月差 支部 会員数 対前月差 支部 会員数 対前月差
小清水 4人 0人 福島 213人 1人 長野 531人 2人 島根県 170人 3人
オホーツク 206人 4人 郡山 229人 0人 軽井沢 269人 -2人 岡山県 612人 -2人
根室 85人 2人 二本松 60人 0人 諏訪 269人 -2人 広島県 703人 -4人
釧路 186人 -2人 白河 73人 0人 木曽 51人 0人 山口県 522人 -3人
十勝 154人 1人 会津 72人 1人 伊那 96人 0人 香川県 240人 1人
旭川 91人 0人 南会津 18人 0人 甲府 259人 1人 徳島県 448人 -4人
滝川 54人 2人 いわき 159人 0人 富士山麓 94人 0人 高知 191人 -2人
道北 33人 0人 福島県相双 13人 0人 東富士 64人 -2人 愛媛県 396人 -3人
江別 23人 -1人 南相馬 20人 0人 沼津 248人 -1人 北九州 430人 0人
札幌 418人 -7人 茨城 1,163人 -5人 南富士 295人 0人 福岡 777人 -2人
小樽 151人 -2人 栃木県  534人 -4人 南伊豆 58人 0人 筑豊 222人 -1人
苫小牧 231人 0人 群馬県 881人 -3人 静岡 561人 2人 筑後 190人 2人
室蘭 167人 0人 吾妻 101人 -1人 遠江 480人 -3人 佐賀県 266人 -3人
函館 95人 -1人 埼玉県 2,284人 -15人 愛知県 1,501人 -1人 長崎県 299人 1人
道南檜山 71人 0人 千葉県 1,796人 -7人 岐阜県 699人 7人 熊本県 458人 -3人
青森県 214人 1人 東京 5,006人 -25人 三重県 468人 4人 大分県 278人 0人
弘前 155人 -1人 奥多摩 1,065人 -4人 奈良 623人 -5人 宮崎県 299人 0人
秋田県 259人 -1人 神奈川 3,816人 -7人 和歌山県 231人 2人 鹿児島県 386人 0人
山形県 221人 -2人 新潟県 410人 1人 滋賀 303人 4人 八重山 81人 -1人
宮古 120人 0人 佐渡 22人 0人 京都 1,036人 -3人 やんばる 129人 0人
盛岡 227人 -1人 富山県 239人 -1人 大阪 2,312人 -12人 合計 41,978人 -113人
北上 138人 0人 石川 316人 -2人 兵庫県 1,520人 0人  
宮城県 584人 -2人 福井県 281人 1人 鳥取県 255人 -3人
備考:支部別の会員数の合計は、都道府県別の会員数の合計と異なります。これは、本部型(青い鳥)会員や支部に所属されていない個人特別会員が支部別の会員数に含まれないためです。
(会員室/伊野純子)

支部ネット通信担当より
●投稿お待ちします
 今月号では大阪支部からご投稿をいただきました。岡本支部長はじめ大阪支部の皆様、ありがとうございます。 ご投稿はメールでお受けしております。特に締め切りはありませんが、月の前半にお送りいただければ、その月の号に掲載可能です。
 本通信のバックナンバーは、ホームページから閲覧できます。URLは以下のとおりです。
 http://www.wbsj.org/info/shibu/net/

●電子メール配信
本通信は電子メールでもお送りしています。電子メール配信のお申し込みは、下記のメールアドレスまでお気軽にどうぞ。
(会員室長/小林豊)
支部ネット通信 第29号
発行:財団法人日本野鳥の会 2006年8月24日
担当:会員室
〒151-0061 東京都渋谷区初台1-47-1
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