No.41 2007年8月号


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目次 ■支部の動き
 道東の保護区を巡る探鳥会 奥多摩支部
 平成19年度支部事業補助金の交付が決定
 支部長交代のお知らせ
 支部の収入総額は2億3千万円以上
 支部報保護・調査記事関連トピックス
■ブロックの動き
 九州・沖縄ブロック出席報告
 中部ブロック出席報告
 近畿ブロック出席報告
■理事会・評議員会報告
 平成19年度第1回理事会(定例)議事録
 平成19年度第1回評議員会(定例)議事録
■事務局からのお知らせなど
 探鳥会パンフレットの作成
 インターネットショップの一部URL変更
 バードプラザ9月末〜10月上旬一時休業
 初台事務所とショップが10月上旬に移転
 「支部報とりまとめ発送」次回日程
 会員データ保管<続報> 万一は副会長に
 野鳥誌8月号を支援者の方々へ送付
 会員数 前月比で40人減

支部の動き

■道東の野鳥保護区を巡る探鳥会■ −奥多摩支部投稿−

 奥多摩支部は北海道東の野鳥保護区を巡る探鳥会を下記のように行いました。道東の野鳥保護区事業所では始めてということでした。空港からはバスで移動しましたが、所々に徒歩あり、列車に乗り、雄大な保護区を身体で感じ、レンジャーのこれまでのプロセスを生の声で聞き、感激のいっぱいあった旅でしたので、ここで皆様にも報告します。

「道東の野鳥保護区を巡る探鳥会」

【期日】
2007年6月22日(金)〜24日(日) すべて晴
【コース】

6月22日
羽田空港―釧路空港―厚岸水鳥観察館(富岡・有田レンジャーと合流・駅弁牡蠣弁当を食べる)―高台展望所から早瀬野鳥保護区全体を眺める―JR花咲線厚岸駅―(列車に乗り別寒辺牛湿原保護区の中を走る)―糸魚沢駅―早瀬保護区内「いとう橋」まで歩いて往復―(バスで移動)霧多布湿原・アゼチ岬ここでレンジャーと分かれる―養老牛温泉へ(宿泊)
6月23日
早朝探鳥会―厚床駅(富岡・有田レンジャーと再会)―渡邊野鳥保護区フレシマ(歩いてアプローチ)―春国岱スワン44―藤田野鳥保護区酪陽(手嶋レンジャーに交替)―春国岱原生野鳥公園ネイチャーセンターへ(手嶋レンジャーと分かれる)―鶴居村へ(宿泊)
6月24日
早朝探鳥会―鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリへ(渡辺レンジャーと合流)―保護区の成り立ち、今の課題、今後の展望などをレクチャー受ける―温根内野鳥保護区を視察―温根内ビジターセンターから釧路湿原の木道歩く(北海道ブロックの花田理事・歓迎のお迎えあり)―塘路駅(ノロッコ号に乗る・釧路湿原を走る列車内で、駅弁かに飯弁当を食べる)―釧路駅―釧路空港へ―羽田空港

【担当者メモ】
 参加者24名、担当者・企画部 櫻井宗和
 日本野鳥の会の野鳥保護区は、2006年12月で1700ヘクタールまで広がり、そのほとんどが道東に集中しています。これらの保護区を巡る探鳥会を、奥多摩支部が先駆的に企画実施しました。日本野鳥の会の理念に賛同した多くの資金預託者がおいでになり、それをもとに地道な活動を継続するレンジャーがいて、地元にもよき理解者がおられる事を、耳から目で、足や、肌で実感した旅でした。保護区に立つと「あれはうちのタンチョウ」「あれはうちのオジロワシ」と言えるのです。空の広さに胸を張り気宇壮大です。

和歌(道東の保護区を巡る旅に来て多くの人の思いひとつに)

 ここで一首。

 幸いな事に、3日間とも晴天に恵まれ鳥種は、タンチョウ、シマフクロウ、シマアオジ、ケイマフリ、イスカ、ニュウナイスズメ、ショウドウツバメ、ワタリガラス、を含めて68種。植物は、カラフトホソバハコベ、クシロハナシノブ、エゾイヌゴマ、フタマタイチゲ、シコタンタンポポ、エゾタンポポ、シバナ、エゾノツルキンバイ、ウミミドリ、ハマエンドウ、ハマハコベ、ヒメカイウ、エゾノカワヂシャ、など、普段あまりみられない種がおおく、興味深いものでした。
 なお、鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリが20周年を迎え、いろいろな記念行事が予定されている事にたいして、参加者一同の名で些少ですが2万円を寄付する事にしました。

「渡邉野鳥保護区フレシマ」内での記念撮影
「渡邉野鳥保護区フレシマ」内での記念撮影

春国岱でレンジャーからの説明を聞く
春国岱でレンジャーからの説明を聞く

(奥多摩支部長/鈴木君子)

■平成19年度支部事業補助金の交付が決定■

 平成19年度の支部事業補助金は以下の6件に交付されることが決定しました。応募された全ての支部へ7月23日付けの文書にて正式に結果を通知しております。

  • 「宮城県支部創立60周年記念行事」(宮城県)
  • 「新潟県支部設立30周年記念事業『新潟県産鳥類目録』作成・発行」(新潟県)
  • 「チュウヒ保護啓発事業」(大阪)
  • 「奈良県縦断一斉探鳥会(調査)」(奈良)
  • 「野鳥衝突防止ステッカー『タカ丸くんⅡ』無料配布事業」(広島県)
  • 「十勝川中下流域におけるオオハクチョウの小麦畑への飛来実態の把握と小麦畑採餌問題解決策の検討」(十勝)

 なお今年度は、応募総数が9件と多かったため、要綱に従い抽選方式により交付先を決定しました。残念ながら落選となった支部の皆様には、また是非、来年度以降応募いただければと存じます。来年度は平成20年4月以降に募集予定としております。

(総務室/吉家奈保美・大蔵博美)

■支部長交代のお知らせ■

 以下のとおり連絡がありましたので、お知らせ致します。(敬称略)

●佐賀県支部支部長
  新  佐久間 仁   2007年6月24日付
  旧  坂本 和応 

(総務室/吉家奈保美・大蔵博美)

■支部の収入総額は2億3千万円以上■

 各支部のみなさま、支部の総会や会計のご報告をお送りいただきましてありがとうございます。お送りいただいた報告は支部毎にファイルして保管しているのですが、このほどその中の会計報告から各支部の収入と支出を集計してみました。
 集計の対象としたのは、06(H18)年度の会計報告をいただいている、下記の37支部です。このうち福井県支部では事業年度が8月から翌年7月となっておられますので、05年8月〜06年7月の会計報告を用いております。また支部によっては販売や受託を別会計にされていますが、大括りに把握するため、できるだけ一般会計に合算して集計しました。前年度繰越金、次年度繰越金についても、分かる範囲でそれぞれ収入、支出に合算しております。

●集計結果
・収入総額    226,956千円
・支出総額    203,028千円
・収支差額     23,927千円
・次年度繰越総額 152,381千円

●集計対象の支部(37支部)

・北海道ブロック
オホーツク、十勝、滝川、札幌、小樽、室蘭
・東北ブロック
青森県、山形県、北上、宮城県
・関東ブロック
茨城、栃木県、埼玉県、東京、奥多摩、神奈川
・中部ブロック
石川、福井県、長野、甲府、富士山麓、愛知県、岐阜県
・近畿ブロック
京都、大阪、兵庫県
・中国・四国ブロック
鳥取県、島根県、岡山県、広島県、香川県
・九州・沖縄ブロック
福岡、筑後、長崎県、熊本県、宮崎県、鹿児島県

 半分弱の支部数の集計でこれくらいですので、支部全体では相当な金額になるのではと思います。これから総会報告や会計報告を送付される支部もあると思いますので、揃いました頃に改めて集計してみたいと思います。
 またこれまで会計報告などをお送りいただいていない支部におかれましては、どうぞご送付をお願いいたします。改めて報告を作っていただく必要はなく、総会での配付資料や報告が掲載されている支部報などをそのままお送りいただければ十分です。どうぞよろしくお願いいたします。

(会員室長/小林豊)

■支部報保護・調査記事関連トピックス■

 本記事は日本野鳥の会本部に送付されてきている各地の支部報から抽出して作成し、調査・保護に関心がある野鳥の会内部の方へ配信しております。
 本記事の一部又は全部を不特定多数が見る可能性があるところへ公開される場合は、各支部の了承を事前に得て下さい。記事は筆者の意向に反しないように、取り扱いをお願いします。

○支部報保護・調査記事関連トピックスNO.376

●2007/5-6 宮城県
・ガン類、ハクチョウ類の鉛中毒について
●2007/5 茨城
・観光船からの海鳥観察
・カワウの生息状況に変化の兆し
・鳥獣保護員だより
・秋のカワウの胃
●2007/5 奥多摩
・子供とバードウォッチング
・ガビチョウ、カオグロガビチョウ民家に進出か
・鳥の囀りについて
●2007/5-6 島根県
・県の風力発電所指針
・タンチョウとナベヅル
・秋季に島根半島を通過する鳥類
●2007/5 福岡
・2007年ツバメの初認日
・2007年ガン・カモ・ハクチョウ類一斉調査

●2007/5-6 宮城県
・ガン類、ハクチョウ類の鉛中毒について
 H4/3〜H18/1、宮城県内で確認された鉛中毒野鳥個体は、オオハクチョウ41、マガン1である。県の家畜保健衛生所の検査で、胃内から散弾弾、釣の錘が見つかった。
(宮城県「雁」NO.223,P12)

●2007/5 茨城
・観光船からの海鳥観察
 銚子市の外川漁港から、年に数回出るイカルウォッチングの観光船に乗り、利根川河口沖10〜30kmの海域に出て、海鳥観察をしている。大まかな傾向は海ガモ、ウ、アビ類は沿岸近く、数km沖にはウミスズメ類が、更に沖にはミズナギドリ類、ウミツバメ類が、アホウドリ類は一番離れた沖に出現する。観光船照会先:銚子海洋研究所(TEL 0479-24-8870)
(茨城「ひばり」NO.277,P3〜4)
・カワウの生息状況に変化の兆し
 06年、山梨県を含む富士川以東、福島県までカワウの一斉追い払いが行われた。茨城県内のカワウ塒調査では、海で餌が捕れない冬季に数が多く、夏季は大型コロニーがある東京湾に移動し、減少する。冬の霞ヶ浦でのカワウは06年までは個体数が増加していたが(夜間は昼間より個体数が減る)、07年冬は数が大幅に減り、昼夜の数も逆転した。主な要因は印西市の戸神川調整池からの飛来が無くなったためである。県内のカワウは07年一時的に?減ったが、塒の数は増えており、塒が不安定化する中、小規模化、分散化が進んでいる。全国内水面漁連だけが賛成するの中で、環境省は今期の狩猟期からカワウを狩猟鳥にする方針である。
(茨城「ひばり」NO.277,P5〜7)
・鳥獣保護員だより
 茨城県の鳥獣保護員定数は97名で、今年度から市町村推薦91名の他に、自然保護団体推薦6名が新設され、支部から6名を推薦し、4月に辞令が出た。市町村推薦の保護員は、狩猟期間中の巡視が殆どで、支部の保護員は通年を通して毎月4日程度の勤務になる。茨城県ではオオタカ誤射防止キャンペーンでの実績より、支部関係の保護員への信頼はある。
(茨城「ひばり」NO.277,P21)
・秋のカワウの胃
 10/14〜11/5、久慈川でカワウ42羽の魚捕食状況学術調査がされた。捕食尾数比率ははアユ55%、オイカワ26%、ウグイ7%、カマツカ6%、モツゴ3%、スゴモロコ2%、ニゴイ1%で春先に比べ、アユが激増し、ニゴイとギンブナが激減している。大きさは10cm未満が43%、10〜19cmが51%、20〜29cmが6%で20cm未満を好む。中流域ではアユが42%であるが、下流域では85%と増え、産卵を終え、体力が落ちたアユが下流で捕食された結果と思われる。次世代を残す役目を終えたアユの捕食を、漁業被害と看做すかは議論が分かれる。
(茨城「ひばり」NO.277,P22〜23)

●2007/5 奥多摩
・子供とバードウォッチング
 H18年、支部は幼稚園や小学校で子供向けに12回の探鳥会、室内授業を実施した。一学期は「野鳥観察に興味を持つ」、二学期は「身近な野鳥から自然環境を知る」、三学期は「巣箱を掛け、野鳥を身近に感じる」をテーマにしている。
(奥多摩「多摩の鳥」NO.176,P2〜3)
・ガビチョウ、カオグロガビチョウ民家に進出か
 06年夏、あきる野市の住宅地でガビチョウの声を聞く。真似る声はクロツグミ、サンコウチョウ、ウグイス、キビタキ、メジロ、コジュケイ、オナガ、ヒヨドリ等がある。カオグロガビチョウも同市で、下草が少ない公園や畑の地面で採餌している。同鳥の巣が畑の隅のアズマネザサの、地上2mに古巣も含め5個が1m間隔で見つかった。碗形で外径20cm、内径10.5cmでヒヨドリより大きく、外枠に笹や栗の葉をカナムグラの蔓で巻き付けている。日本で繁殖するガビチョウの仲間(チメドリ科)は他はカオジロガビチョウ、ソウシチョウ、ヒゲガビチョウで、最後者以外は特定外来種である。ヒゲガビチョウも06年、高知県の標高650mの常緑広葉樹林で繁殖が確認された。
(奥多摩「多摩の鳥」NO.176,P6〜7)
・鳥の囀りについて
 囀りの共通点に、繁殖の縄張宣言(song)、スズメ鳴禽亜目の小鳥の雄の声、特定の節とリズムがある等があるが、例外も多く、スズメ目以外でも囀る、モズの様に繁殖期以外でも鳴く、雌も囀るものがある。息を吸う時にも声が出せるとあるが、その後の調査では鳥も息を吐く時にしか声が出ず、鳴きながら1秒間に細かに数回〜十数回息付をしている。鳴禽亜目には脳に歌を制御する神経細胞の集まり(神経核)があり、若鳥になると、小声で発声、音節の配列を学習し、左脳を発達させる。
(奥多摩「多摩の鳥」NO.176,P23)

●2007/5-6 島根県
・県の風力発電所指針
 島根県は風力発電での事業者が行う環境影響評価に関し、地域特性を効果的に配慮する目的で「島根県風力発電所環境計画配慮指針」を制定し、6月から発効する。
http://www.pref.shimane.lg.jp/life/kankyo/kankyo/seido/fuuryoku.data/fuuryoku_sisin.pdf
(島根県「スペキュラム」NO.117,P1)
・タンチョウとナベヅル
 3/26、斐伊川河口でタンチョウ若とナベヅル成が行動を共にしていた。3/31迄滞在したが、12/15、益田市で確認されたものと同一と思われ、高知〜岡山〜愛媛〜高知〜島根と移動した。アムール川周辺のタンチョウは嘗ては、大陸から西日本へ渡来していたと言われ、現在では朝鮮半島西側から揚子江で越冬し、その1羽が今回渡来したと思われる。
(島根県「スペキュラム」NO.117,P1)
・秋季に島根半島を通過する鳥類
 島根半島中程の十六島山地でH16年の秋季に延21日、計107時間、午前と夜間を基本に、通過する鳥類を調査した。635件の記録より確認種は65種、約1万羽であった。出現は6〜9時が多く、飛行は尾根から5〜100mが多かった。多い順にヒヨドリ、アトリ、ウミネコ、ツグミ、ツバメ、オシドリ、カケス、他のツグミ類、マガモ、カワラヒワであった。
(島根県「スペキュラム」NO.117,P2〜4)

●2007/5 福岡
・2007年ツバメの初認日
 2/11:福岡市和白干潟、2/25:志摩町泉川河口、3/10:福岡市大濠公園、3/11:和白干潟、3/17前後に複数箇所から報告あるので、この前後に一気に渡来?
(福岡「野鳥だより・ふくおか」NO.331,P11)
・2007年ガン・カモ・ハクチョウ類一斉調査
 1/6〜15、福岡県内116箇所で調査した。結果はオオハクチョウ1、コハクチョウ1、コブハクチョウ1、カモ類は22種、24,718羽であった。昨年の1.3倍で、内訳はヒドリガモ5,678(昨年の倍増)、マガモ5,518、スズガモ3,485(昨年の2倍)、ホシハジロ2,537、オナガガモ1,542、カルガモ1,462、ツクシガモ1,037、オカヨシガモ768、キンクロハジロ586、ハシビロガモ484、コガモ466、ウミアイサ447、ヨシガモ445等。カワウは1,158+。
(福岡「野鳥だより・ふくおか」NO.331,P16〜19)


○支部報保護・調査記事関連トピックスNO.377

●2007/5-6 群馬県
・平成18年度ガンカモ科鳥類調査結果
・2007年ウグイス初鳴き
●2007/6 千葉県
・サンカノゴイ個体群の今後を危惧する
・モンゴルカモメの識別と渡来状況
●2007/6 東京
・イカルチドリレポート
●2007/6 神奈川
・タゲリ米と農村自然再生高度化モデル事業
・野生動物救護を通して
・2006年12月「川の自然調べ」
●2007/6 滋賀県
・第2回中部近畿カワウ広域協議会総会
・密猟パトロール
・沖島における春の渡り観察
●2007/6 兵庫県
・長寿のユリカモメ
・ジョウビタキ、ルリビタキ、キビタキの地鳴きについて

●2007/5-6 群馬県
・平成18年度ガンカモ科鳥類調査結果
 狩猟期終了(2/15)の後の2/18に県内36箇所を調査した。ガン類は今回記録無しだが、75年以降8回の記録があり、最近で多いのは01年の11羽である。ハクチョウ類はオオハクチョウ31、コハクチョウ130で、何れも湖沼で確認され、河川での確認は無い。カモ類は15種、14,178羽で、内訳はオナガガモ4,610、マガモ3,098、コガモ2,529、カルガモ2,407、ヒドリガモ867等。カワウは344羽で前年より138羽増加した。最近のカワウの最大数はH13年の548羽である。
(群馬県「野の鳥」NO.281,P14〜17)
・2007年ウグイス初鳴き
 2/10:伊勢崎市、2/12:高崎市、2/13:渋沢市、2/26:前橋市。詳しくは支部のHPに記載。
http://www.geocities.jp/wbsj_gunma/shonin/uguisu/uguisu.htm
(群馬県「野の鳥」NO.281,P20)

●2007/6 千葉県
・サンカノゴイ個体群の今後を危惧する
 絶滅危惧種ⅠB類のサンカノゴイの本州での繁殖地は印旛沼のみである。嘗て琵琶湖で繁殖していたものは道路建設で姿を消し、印旛沼でも交通量増加に伴い、
十数番の繁殖を確認しているが、営巣域が狭まっている。千葉県と㈱成田新高速アクセス(会長:堂本千葉県知事)は印旛沼を横断する道路と鉄道を建設しており、その生息地の代替地造成を開始した。増加する釣人の規制も急務である。
(千葉県「ほおじろ」NO.314,P2)
・モンゴルカモメの識別と渡来状況
 1952年、セグロカモメの亜種としてモウコセグロカモメの和名が出てくる。最近の研究ではモンゴルカモメはオオセグロカモメがアジア内陸部に移動し、交雑で分化したとされる。識別については07/1のバーダー「モンゴルカモメってどんな鳥?」(氏原道昭)に詳しい。日本周辺では長崎新漁港、宍道湖・中海で見ている。韓国漢江へは渡りの時、1,000羽の群、厳冬期に朝鮮半島西部の海岸に群で飛来、中国の上海北北西400 kmの塩城珍禽保護区にも飛来するとされる。
(千葉県「ほおじろ」NO.314,P3〜6,11)

●2007/6 東京
・イカルチドリレポート
 大井埠頭中央海浜公園でイカルチドリを観察している。東京湾の運河畔の干潟で7月から翌年3月まで見られる。7月は成鳥1、2羽が飛来と少なく、同地での繁殖は確認されていないが、8月以降幼鳥が加わり、11月には10羽以上の群になる。その後数が減っていく。
(東京「ユリカモメ」NO.620,P18〜20)

●2007/6 神奈川
・タゲリ米と農村自然再生高度化モデル事業
 茅ヶ崎市の市民団体「三翠会」はタゲリの来る水田の保全活動を通して、自然環境の創出と自然との共存を目指す、農水省の「農村と自然の再生」モデル地区、
 全国十数箇所の1つに選ばれた。活動では水田の冬季湿地化、水田への魚遡上のための小規模魚道設置、水田の一部を稲を植えず開水化、冬季水張りのための井戸堀等を計画する。
(神奈川「はばたき」NO.421,P2)
・野生動物救護を通して
 神奈川県自然保全センターで有志が清掃、給餌、リハビリ、野生復帰、追跡調査のボランティアをしている。救護された動物のデータ解析、鳥獣保護思想の普及啓発活動、環境教育活動も行っている。同センターには年間6〜700頭・羽の傷病鳥獣が運ばれ、8割は野鳥である。猫による被害は死亡率が70%、野生復帰23%とそれ他での死亡率50%、野生復帰率30%と差がある。
(神奈川「はばたき」NO.421,P3)
・2006年12月「川の自然調べ」
 県内の中小河川を中心に161区間、総延長179kmを調査した。サギ類で多い順にコサギ149羽、アオサギ69、ゴイサギ23、ダイサギ12。00/12の調査より何れも出現率は減っている。カモ類はカルガモ、コガモが大半で、この2種が中小河川に広く生息している。セキレイ類は2000年と比較し、ハクセキレイ728→565、セグロセキレイ259→162、キセキレイ169→118と減っている。カワウは377→737と倍増。バンは21→33であるが、出現率は5%と低いままである。カワセミは105→53と半減している。
(神奈川「はばたき」NO.421,P4〜7)

●2007/6 滋賀県
・第2回中部近畿カワウ広域協議会総会
 3月に滋賀県庁で開催された。滋賀県の5ヵ年計画の「滋賀県カワウ総合対策」が公開された。
http://www.pref.shiga.jp/d/shizenkankyo/kawau_keikaku/
 内容は当会として納得し難い。昨年の5月からの帳消し的な会議であった。環境省は各府県からの厳しい意見に、まともに反論ができていない。広域保護管理指針は地域実施計画の作成のあり方について、意見続出で決まらず。滋賀県のカワウ銃器駆除数はH18年度、1.5万羽、H19年度、2万羽となる。
(滋賀県「におのうみ」NO.9,P10)
・密猟パトロール
 02年より毎年、11/15〜2/15、東近江市能登川地区を車で巡回している。不審車、薬莢に注意を払い、追跡、待機し、密猟者には直接接触せずに、警察へ通報している。密猟は年々減ってきているが、06年度は99回の巡視で、警察出動2回、空薬莢取得10個(2箇所)であった。02年度は125回の巡視で警察4回、空薬莢73個(14箇所)であった。
(滋賀県「におのうみ」NO.9,P10)
・沖島における春の渡り観察
 4/21、琵琶湖中部の沖島(近江八幡市)で鳥類調査をした。38種の鳥類を確認し、内、春の渡り途中と思われるのは、サンショウクイ、コマドリ、トラツグミ、エゾムシクイ、センダイムシクイ、キビタキ、オオルリ、ゴジュウカラであった。沖島の落葉広葉樹林は渡りの中継地の可能性が高い。
(滋賀県「におのうみ」NO.9,P14)

●2007/6 兵庫県
・長寿のユリカモメ
   1/16、伊丹市の昆陽池で撮影したユリカモメの脚に付けられていた識別タグを調べた結果、85/12、京都府の鴨川で装着された個体であった。通常、ユリカモメは6年前後の寿命とあるが、この個体は21年以上の長寿であった。
(兵庫県「コウノトリ」NO.158,P3)
・ジョウビタキ、ルリビタキ、キビタキの地鳴きについて
 20kHzまでの声紋をジョウビタキ、ルリビタキ、キビタキで分析した。先に報告のごとく、ジョウビタキの地鳴きは高さにバラツキが大きく、異質な声に気付く事が多いが、ルリビタキの地鳴きでは約9kHz(2倍音)、13.5kHz(3倍音)、18kHz(4倍音)と倍音が出ており、これらの組合せに違いがあるが、人の耳では聞き分けられない。同様に、キビタキでは約7kHz,11kHz、14kHzに倍音が出ている。声の高さは平均でジョウビタキ5.2kHz、ルリビタキ4.6kHz、キビタキ3.6kHzとなった。「ヒッ」と地鳴きするノビタキは声の高さは平均4.9kHzで、尻下がりに鳴いた。
(兵庫県「コウノトリ」NO.158,P8〜10)



○支部報保護・調査記事関連トピックスNO.378

●2007/6 札幌
・オジロワシの餌
・ワシ類の保護対策
・北海道でのセグロサバクヒタキの記録
●2007/5 道南桧山
・ウミネコ営巣地調査
・江差町の風力発電計画と支部の取組み
●2007/6 郡山
・研修部を何故立ち上げたか
●2007/6 埼玉県
・農家と当会の交流イベント
・ヨーロッパトウネン初記録、シロハラクイナの越冬
・spという変な言葉
●2007/6 石川
・能登半島に風力発電建設ラッシュ
●2007/6 福岡
・アメリカオグロシギ日本初記録
・玄界灘の海鳥報告書完成
・外来鳥類の生息状況調査

●2007/6 札幌
・オジロワシの餌
 1日のワシの餌は体重の10%位と言われ、オジロワシは体重4〜7kgで、餌は400〜700g程度になる。オジロワシの主食は魚類と鳥類で、他に哺乳類である。越冬期に飛来する個体は、漁業での水産廃棄物に依存するものが少なくない。ツミでは体重100〜170gでその1/2程度もの餌を必要としている。
(札幌「カッコウ」NO.290,P4〜5)
・ワシ類の保護対策
 オジロワシは道東、道北の水辺の森林の大木で営巣する。知床ではミズナラ、ハリギリ、イタヤカエデ、ダケカンバ、アカエゾマツ等である。ワシ類、シマフクロウは電柱での感電死も多く、斜里町では北電が電柱に樹脂製チューブを立てたり、電柱の上に別の止まり木を付けたが、高圧送電線では事故は続いている。98年には鉛中毒死のワシ類は26羽とピークであったが、01年からのエゾシカ猟での鉛散弾禁止で、その死亡は減った。最近は風力発電での衝突死が増えている。オオワシは越冬時、宗谷岬からホーツク沿岸を南下し、知床では2千羽が通過し、国後、択捉島へ渡る。極東のみに生息するオオワシは総計6千、北海道で越冬はその半数となる。オジロワシは極東〜欧州北部と広く分布し、その数は5〜7千番程度である。05年には国のオオワシ、オジロワシ保護増殖事業計画が定められ、調査も始まった。
(札幌「カッコウ」NO.290,P6〜9)
・北海道でのセグロサバクヒタキの記録
 セグロサバクヒタキは我国では10例程しか記録が無い迷鳥とされていた。日本鳥学会が更に情報を集めた結果、20例を超え、記録僅少種のリストから外れた。北海道では91/4の利尻島が唯一の報告であったが、検索の結果、86/5に天売島で♂が撮影されており、それが北海道での初記録になる。
(札幌「カッコウ」NO.290,P10)

●2007/5 道南桧山
・ウミネコ営巣地調査
 利尻島で70日間連続してウミネコの繁殖生態調査をした。毎日のフィールドワーク、データの整理に耐えたのは殆どが女子学生であった。このような調査には女性が向いている。ウミネコは個性があり、人間を見下す個体は人と喧嘩となる。存在感があり、押しが強く、体育会系の学生にはウミネコは手を出さない。
(道南桧山「はちゃむ」NO.73,P2〜4)
・江差町の風力発電計画と支部の取組み
   同地で建設予定の18基の風力発電に関し、4/26、㈱日本風力開発と話合いをした。H20年着工、H21年竣工、稼動期間17年間を予定。支部の意見を十分伺って建設地等を決定する、稼動後はバードストライク調査を常駐調査員が連日行い、結果を支部に報告、水平軸型以外に垂直軸型も研究、環境調査立案次第支部と協議、今後も支部の求めに誠意を持って対応を約束した。
(道南桧山「はちゃむ」NO.73,P10〜11)

●2007/6 郡山
・研修部を何故立ち上げたか
 野鳥の会は全国に89支部、16箇所に1500haのサンクチャリを抱える我国最大の自然保護NGOになったが、会員数はピークの5万4千人から4万5千となり低調が続いている。20〜30代の会員は半減、小中学生は0.5%のみ、平均年齢は57歳を超え、更に高齢化している。要因は野鳥の会会員である事で自然保護団体としてステータスが得られない。会の活動が会員、会員予備軍の期待に合わない。情報発信が足りない。子供を含めた広範な輪の拡大が見られない等の指摘がある。当支部も同じ問題で、今回研修部を作り、まず、知識を広める講座の開設、総合学習支援の充実を図る。
(郡山「かっこう」NO.58,P2〜3)

●2007/6 埼玉県
・農家と当会の交流イベント
 さいたま市大久保農地で昨年、6/14、シロハラクイナが発見され、7/23、雛5羽も見られた。支部は繁殖地での農薬散布中止をお願いし、耕作者の協力が得られた。11/18、柳生会長から地権者に感謝状を贈呈し、農家と当会の繋がりを強めた。収穫された米はシロハラクイナの写真を付け販売され、5/3、「農家と野鳥の会交流−米づくり体験」に8家族15人が参加し、田植えを体験した。
(埼玉県「しらこばと」NO.278,P2〜3)
・ヨーロッパトウネン初記録、シロハラクイナの越冬
 11/26、越谷市で夏羽が残ったヨーロッパトウネンが撮影された(埼玉県生態系保護協会)。支部はこれを信頼できる情報として埼玉県初記録、320種目の鳥と記録した。我国には希な旅鳥、冬鳥で近年観察例が増え、ニシトウネンとも呼ばれるが、命名は最新の日本鳥類目録(日本鳥学会)による。昨年さいたま市で繁殖したシロハラクイナは翌年、3月の野焼きで移動しても、通年声が聞かれ、5/3、再度、同じ営巣地で姿を確認した。同種の越冬は埼玉県の初記録となる。
(埼玉県「しらこばと」NO.278,P4)
・spという変な言葉
 学名の種名は「属名+種小名」で、種小名が同定できない時に属名+spで表記される。例えば「Accipiter.sp」と表し、タカspなる表現は学名でないタカを使っている事、属ではなく科の名前のタカを使っている事で二重に間違っている。タカ科不明種 と表記したら。
(埼玉県「しらこばと」NO.278,P4)

●2007/6 石川
・能登半島に風力発電建設ラッシュ
 能登半島では稼動中も含め、近々風力発電は80基となる。玖珠市では準備作業中にハチクマ3巣の営巣放棄があり、更に6種のタカ、10営巣木に危機が迫っている。志賀町では7つのタカの巣が風力発電稼動に伴い、消失するであろう。このままでは舳倉島、河北潟でも建設されるのでは。能登半島の鳥たちのために本腰を入れて欲しい。具体的な状況を教えて頂き、支部も取り組む。
(石川「石川の野鳥」NO.134,P6)

●2007/6 福岡
・アメリカオグロシギ日本初記録
 5/5、佐賀県の大授溺でアメリカオグロシギが我国で初めて確認された。04/6のバーダーの「珍鳥大予想」では同鳥は豪州で記録があり、韓国で未確認記録がある。
(福岡「野鳥だより・ふくおか」NO.332,P9)
・玄界灘の海鳥報告書完成
 01年に玄界灘に海上空港構想が出て、02〜06年、同海域で海鳥の情報を集め、今回、「玄海灘海鳥調査総合報告書」を発行した。A4版160頁(カラー24頁)、一般販売価格1500円+送料、限定100部。
照会先:
 支部事業部 楢崎郁雄 [email protected]
(福岡「野鳥だより・ふくおか」NO.332,P16)
・外来鳥類の生息状況調査
 第10次鳥獣保護事業計画で県内四支部共同で、県内の外来鳥類の生息状況調査の福岡県からの受託事業が、H19年度から5箇年実施される事になった。該当種にコウライキジ、カササギも含まれる。
(福岡「野鳥だより・ふくおか」NO.332,P17〜18)



○支部報保護・調査記事関連トピックスNO.379

●2007/7 埼玉県
・もしかして温暖化の影響?
・2006年度全国の会員数
●2007/7 東京
・最近発見された珍しいムシクイ類2種
・佐渡トキファンクラブに入ろう
●2007/6 静岡
・支部のマンネリ化を何とかしなければ
●2007/6 福井県
・オジロワシ、オオワシ渡来状況調査
●2007/6-7 京都
・外来種調査中間報告
・ケリの色足環調査
・カササギの巣
●2007/6 徳島県
・徳島県初記録 ギンムクドリ
●2007/6 長崎県
・対馬の野鳥を楽しむ
・アジア初記録?アメリカオグロシギ発見
●2007/7 福岡
・営巣中の写真

●2007/7 埼玉県
・もしかして温暖化の影響?
 1/16、さいたま市でサンショウクイ2の夏鳥が冬に見られた。1/4、三郷市でカイツブリの幼鳥2。今年、さいたま市でシロハラクイナが越冬した。さいたま市で複数のアリスイが越冬した。従来は氷点下で、蟻が捕れず南下していた。ツミの繁殖、さいたま市で例年より早まった。1月末〜2月、吉川市で数羽のムナグロが見られた。冬季の観察は初めてである。
(埼玉県「しらこばと」NO.279,P5)
・2006年度全国の会員数
 本部会員室の5月の報告では、会員は7年連続して減少し、06年度末の会員数は45,023名(同年度、入会2,114名、退会、3,120名)。会員数が多い順に、東京、神奈川、大阪、埼玉である。人口比で会員が多いのは東京都(0.055%、1万人に5.5人)が1位、沖縄が最下位(0.012%)。年齢層は50〜69歳に集中。男性が女性の2倍以上である。支部型会員へ移行が増えており、本部+支部の総合会員は10年前より11.6%減り、現在42.2%。
(埼玉県「しらこばと」NO.279,P12)

●2007/7 東京
・最近発見された珍しいムシクイ類2種
 今回、東京都でチフチャフとムジセッカが観察され、東京では初記録かも。1/26〜3/3、断続的に日野市の河川敷でチフチャフの越冬が確認された。前年は千葉県で越冬が確認されている。欧州、中央アジア、ロシア極東で繁殖し、アフリカ、アラビア半島、インド北部で越冬し、日本でも少数が迷鳥として記録されている。2/25には板橋区の荒川河川敷でムジセッカを確認した。渡りの時期、日本海側で見られ、西日本での越冬記録もあり、琉球列島でかなりが越冬する。渡良瀬遊水池、印旛沼で記録があるが、東京では初記録となる。
(東京「ユリカモメ」NO.621,P14〜15)
・佐渡トキファンクラブに入ろう
 トキを野生へ返す日が近付いてきた。トキを応援するファンクラブができた。
 申し込みはhttp://toki-sado.jp/fanclub/
(東京「ユリカモメ」NO.621,P21)

●2007/6 静岡
・支部のマンネリ化を何とかしなければ
 マンネリ化した支部を変えるために、アイディアを出し合いたい。会員減少の歯止(魅力有る会の再構築)。若い会員の増加と幹事への登用。多くの会員が
参加する楽しい探鳥会。会報、例会の充実。研究、保護活動の積極的推進等が課題である。
(静岡「野鳥だより」NO.345,P2)

●2007/6 福井県
・オジロワシ、オオワシ渡来状況調査
 2/4、三方五湖に飛来するワシを調査した。オジロワシ成1、オオワシ成1の越冬を確認。オオワシはその特徴より、13年連続して越冬に来ている同一個体と思われる。
(福井県「つぐみ」NO.147,P4〜5)

●2007/6-7 京都
・外来種調査中間報告
 05/8からのアンケート回答45件の内、23件がソウシチョウであった。京都近郊の繁殖地は標高500〜1000mの、山間地林床部の笹の密集地を好む。冬季は京都市内の山麓部で数羽の群で越冬する。
(京都「そんぐぽすと」NO.146,P8)
・ケリの色足環調査
 今年と来年、巨椋干拓地でケリの識別調査をする。右脚に環境省の金属足環と色足輪、左脚に色足輪2個を付ける。同ケリを確認された時は連絡乞う。
 脇坂:[email protected]
(京都「そんぐぽすと」NO.146,P20)
・カササギの巣
 3月中旬、加古川の松林天辺にカササギの巣があり、番が飛んで来た。九州の一部で見られる鳥が、何故、兵庫県で見られるのか。篭脱け?
(京都「そんぐぽすと」NO.146,P20)

●2007/6 徳島県
・徳島県初記録 ギンムクドリ
 4/6、紀伊水道にある伊島でギンムクドリ1羽をムクドリの中に確認。四国では2000年に愛媛県で確認されたのが最初で、今回は二例目である。5月に香川県三豊干拓地で三例目が見つかった。
(徳島県「野鳥徳島」NO.345,P4)

●2007/6 長崎県
・対馬の野鳥を楽しむ
 対馬では毎年200種前後の野鳥が見られるが、留鳥は34種に過ぎず、大半は旅鳥である。春の渡りは4月下旬〜5月上旬がピークで、ホオジロ類、ツメナガセキレイ類、タヒバリ類を中心に、80〜90種が通過する。今年はキマユホオジロが数十羽の群で見られ、シロハラホオジロ、シマアオジも例年に無く多かった。シマアオジは若鳥が多く、北海道での減少をくい止られれば。ヤマショウビンは少なかった。9月中旬にはアカハラダカの群が通過する。昨年は朝鮮半島での長雨で、若鳥が少なかった。秋は渡りは集中的でなく、ホオジロ類は殆ど見られない。10月、ハイタカが渡るが、飛び出し口が確認できていない。2月にはマナヅル、ナベヅルの北帰行がある。
(長崎県「つばさ」NO.244,P2〜3)
・アジア初記録?アメリカオグロシギ発見
 アメリカオグロシギはハドソンオオソリハシシギとも呼ばれ、オグロシギとオオソリハシシギの特徴を持つ。アラスカ、カナダで繁殖し、南米へ渡るが数が多くない。5/5、佐賀県大授溺干潟で同種が撮影された。迷行でニュージーランド、豪州、北欧で記録があるが、アジアでは韓国で未確認情報があるのみで、今回の発見はアジア初記録の可能性がある。5/6には東京、大阪等から60名以上が見に来たが、5/14、飛去した。
(長崎県「つばさ」NO.244,P4〜5)

●2007/7 福岡
・営巣中の写真
 ネットで各地の鳥情報や生態写真を観る事ができる。この時期、結構、営巣や巣内の雛がアップされている。「撮影には細心の注意を払い、影響を最小限に押さえている」とコメントがあるが、支部は原則的に営巣関係の写真は掲載しない、種に依っては支部報へも繁殖情報は出さない。その写真を見て、写真屋が巣を探し、鳥の繁殖に脅威になる恐れがある。
(福岡「野鳥だより・ふくおか」NO.333,P8)

○支部報保護・調査記事関連トピックスNO.380

●2007/7 福島
・オシドリの巣箱の状況
●2007/7-8 群馬県
・野生生物への餌付けについて
●2007/7 千葉県
・鳥を見るマナーについて
・キンクロハジロ個体数変動に関する考察
・コムクドリ早まる産卵(5/30 朝日新聞)
・皇居お濠でコブハクチョウの雛(5/25 読売新聞)
●2007/7 大阪
・ギンムクドリ
・2006年度カワウ調査
●2007/7-8 広島県
・春のシギ・チドリ渡り調査結果
●2007/7 高知
・県内初記録コノドジロムシクイ
●2007/7 北九州
・ツルを調べる
●2007/7 筑後
・アマツバメ
●2007/7 熊本県
・高病原性鳥インフルエンザ感染地周辺視察
・足輪付きセイタカシギ

●2007/7 福島
・オシドリの巣箱の状況
 支部事業補助金事業で設置したオシドリの巣箱の状況を確認した。6/6、卵6個、6/19、卵は10個で抱卵していた。無人ビデオ監視で、親は巣箱の屋根に止まり、入口で20秒ほど確認した後、中へ入った。巣箱はカンナで仕上げたため、オシドリは爪が立たず、何度も滑り落ちたので、滑り止め改造が必要である。
(福島「きびたき」NO.179,P6〜7)

●2007/7-8 群馬県
・野生生物への餌付けについて
 嘗て、伊豆沼ではハクチョウの餌として「カッパエビセン」が売られていた。群馬県では11月中旬を過ぎると、地元の白鳥を守る会や白鳥を愛する会が嬉々として餌付けの準備をする。マスコミも餌付けを白鳥と人の関係を美化して報道し、苦々しく思うし、人間の身勝手と言うべきである。水生植物の繁茂する水辺の自然を再生する事が先決である。野鳥撮影のための撒き餌は言語道断である。
(群馬県「野の鳥」NO.282,P2)

●2007/7 千葉県
・鳥を見るマナーについて
 野鳥個体数減少を実証するために、データをとり続けるのは会員の責務ではないでしょうか。個体数が減り珍しくなった鳥ほど、ウォッチャーの注目を集め、観察者のマナーの悪さが批判される事態である。営巣している巣の近くに立ち止まらない、住民、生活者に対する配慮をお願いする。マナーは人格に属する事でしょうが、注意を喚起する。
(千葉県「ほおじろ」NO.315,P2)
・キンクロハジロ個体数変動に関する考察
 04〜07年の冬季、市川市のじゅんさい池でキンクロハジロを観察した。厳冬期に数が減り、さらに南下しているのでは。暖冬であると個体数の変動は少ない。個体数は2下旬に増加し、♂が8割を占めるが、3月下旬には♀の方が多くなる。これは春先の北上を示し、♂の方が早く繁殖地に向うためと思う。
(千葉県「ほおじろ」NO.315,P3〜6)
・コムクドリ早まる産卵(5/30 朝日新聞)
 コムクドリの産卵が過去30年で2週間早まった事が、新潟市内での東大樋口広芳教授の研究で分った。産卵開始は78年には平均5/25が04年には5/9になった。その間桜の開花は早春の気温と関連し9日早まったが、コムクドリはそれと差があり、更に開く傾向にある。欧米では産卵開始と餌の増加のずれが大きくなるほど、個体数が減った研究もあり、コムクドリの子育てに影響がでそうである。
(千葉県「ほおじろ」NO.315,P12)
・皇居お濠でコブハクチョウの雛(5/25 読売新聞)
 5/16、大手門近くのお濠でコブハクチョウの雛が誕生した。ハクチョウの世話をしている国民公園協会皇居外苑によると、雛の誕生は3年ぶりである。
(千葉県「ほおじろ」NO.315,P13)

●2007/7 大阪
・ギンムクドリ
 4/19、堺市でギンムクドリが飛来し、撮影できた。香港、南西諸島ではお馴染みであるが、大阪府では初記録と思われる。
(大阪「むくどり通信」NO.190,P9)
・2006年度カワウ調査
 府下の11箇所でのカワウの塒調査での個体数の変化は、7月:1,885、12月:5,527、3月:2,716であった。06/5には中部、近畿の15府県、関係機関で「中部近畿カワウ広域協議会」が発足した。
(大阪「むくどり通信」NO.190,P17)

●2007/7-8 広島県
・春のシギ・チドリ渡り調査結果
   4/29前後、県下14箇所で調査した。23種、計816羽であった。内訳はハマシギ272、チュウシャクシギ248、ケリ95、キアシシギ42、タシギ35、イソシギ27、コチドリ24等。
(広島県「森の新聞」NO.151,P4)

●2007/7 高知
・県内初記録コノドジロムシクイ
 4/231、高知県中西部の虚空蔵山で、メジロほどの大きさで、喉は白、背中は茶褐色、頭は羽色、脚は黒:ノノドジロムシクイを撮影した。我国では舳倉島等に数例記録があるのみで、高知県では初記録となる。
(高知「しろぺん」NO.248,P4〜5)

●2007/7 北九州
・ツルを調べる
 66年冬、出水でツルの縄張調査に行った。当時、人工給餌場に殆どツルは寄り付かず、縄張家族は他のツルが侵入すると、ペアで協力して追い出す。共同採餌場には縄張を持たぬ、亜成鳥、未ペア、老齢鳥が小競り合いながらも、定着している。共同採餌場も数日で餌が無くなり、群のツルは縄張に侵入を企てる。主は防衛を図るが、結局、四方からの多勢に乗っ取られ、共同採餌場に変身する。山口県八代のツルの現状は、ペアが縄張を張ってしまい、狭い場所で共同採餌場がないので、他のツルの居場所が無い。
(北九州「北九州野鳥」NO.253,P9)

●2007/7 筑後
・アマツバメ
 アマツバメは漢字で雨燕と書き、雨が降りそうな時、平地で確認できる低空を飛ぶ事に由来する。ハヤブサは最速の野鳥と言われるが、それは急降下時の速度で、アマツバメは時速200kmで、ハリオアマツバメは250kmで飛び回る。九州では阿蘇火口付近の営巣地が有名で、近年福岡県新宮町相島でも繁殖している。アマツバメは相島から一気に筑後地区にも飛来しているようである。
(筑後「まめわり」NO.75,P8)

●2007/7 熊本県
・高病原性鳥インフルエンザ感染地周辺視察
 熊本県球磨郡相良村で感染したクマタカが発見された場所を3/25、環境省2名、熊本県1名、野鳥の会本部1名(環境省鳥インフルエンザ野鳥対策に係る専門家グループとして)、支部2名で視察した。今後、支部は本部と連携して対応し、韓国で汚染した野鳥の飛来も推測され、その情報も必要である。
(熊本県「野鳥くまもと」NO.244,P2〜3)
・足輪付きセイタカシギ
 八代市の氷川河口で11/21、1/7、2/25、足輪付きセイタカシギが見られた。JAWAN(Japan Wetlands Action Network)経由で04/6、台湾南西海岸生後4週目の幼鳥に装着したものであった。山階鳥研ではシギ・チドリの移動データを公開している。
http://www.yamashina.or.jp/ashiwa/ashiwa_index.html#14
(熊本県「野鳥くまもと」NO.244,P12)

○支部報保護・調査記事関連トピックスNO.381

●2007/7 札幌
・日本と豪州を結ぶオオジシギ
・勇払原野のオオジシギ
・オオジシギ雌雄の違い
・ハヤブサと農薬汚染
・ブッシュに爆弾命中
●2007/6-7 宮古
・ノウサギ、ヤマドリを捕獲禁止に
・ホトトギス科の棲息調査
・チョッと怪しい薬の話
●2007/7 南富士
・ツバメのマイホーム事情
・6年ぶりコアジサシが繁殖
・春季シギ・チドリ調査
●2007/7 静岡
・2007春の鷹の渡り
●2007/7 大分県
・2007年春シギ、チドリ類カウント調査

●2007/7 札幌
・日本と豪州を結ぶオオジシギ
 オオジシギの繁殖地は北海道周辺のみで、越冬地は豪州南東部とタスマニア島である。南半球でのオオジシギは日本でのタシギの越冬のような生活である。そこも夏でオオジシギは一年中、夏の中にいる形である。日本、豪州とも狩猟鳥であったが、現在は共に禁狩猟鳥である。豪州では急に飛立つのを撃つのが難しく面白いとして一部、渡り途中で狩猟回復になっている。
(札幌「カッコウ」NO.291,P4〜5)
・勇払原野のオオジシギ
 ウトナイ湖周辺の勇払原野の苫東地区では、4月半ばより耳を引き裂くディスプレイが見られ、7月下旬には姿が見えなくなる。01〜04年の調査で、勇払原野の弁天沼が重要な渡りの中継地と分り、1シーズンに400羽以上が利用していた。通過数は7月から徐々に増え、8月中旬がピークで9月末に終る。成鳥は7月中旬までで、幼鳥より先に渡るようである。
(札幌「カッコウ」NO.291,P6〜7)
・オオジシギ雌雄の違い
 オオジシギの尾羽の数は16枚と18枚があるのは知られている。01〜03年、勇払原野の弁天沼で血液から雌雄識別して、両者の比較をした。尾羽枚数と個体数は(14枚 ♂:0 ♀:29、16枚 ♂:57 ♀:169、18枚 ♂:224 ♀:47)で、♂は♀より枚数が多く、ディスプレイフライトに大きな役割を持つ。平均体重は♂:171g ♀:186gで曲芸飛行をするシギ科では、♂が軽く体も小さい。しかし、尾羽長は♂が長く、体重に対する翼長の比率も♂が大きく、ディスプレイフライトに特化して雌雄差が進化したと考えられる。
(札幌「カッコウ」NO.291,P8〜9)
・ハヤブサと農薬汚染
 レイチェル・カーソンは62年、「沈黙の春」でDDTに代表される有機塩素系農薬の環境汚染に警鐘を鳴らした。その前、英国のレース鳩協会は政府にハヤブサを保護から外し、駆除するよう陳情した。政府がハヤブサの調査を開始したところ、同協会の主張とは逆に、数は従来の4割以下に激減、繁殖率も低下していた事が判明した。卵の殻が2割以上薄くなって抱卵中に割れ易くなっていた。英国には卵の収集家が
 おり、その秘蔵品からDDT使用期間との関係が立証され、DDT禁止の一役となった。皮肉にもハヤブサを敵視していたハトの愛好家がハヤブサを救った。
(札幌「カッコウ」NO.291,P11)
・ブッシュに爆弾命中
 5/25、ホワイトハウス前での大統領記者会見時、ブッシュ大統領は突如、空爆を受けた。左袖に命中したのは鳥の糞だけどね。
(札幌「カッコウ」NO.291,P15)

●2007/6-7 宮古
・ノウサギ、ヤマドリを捕獲禁止に
 07年、岩手県内で生息する32番のイヌワシの内、1羽の巣立ちしか確認できない。餌不足が指摘され、餌となる小動物を育てる広葉樹林が伐採され、人工林も手入れがされず、鬱閉状態では餌の捕獲も容易でない。イヌワシの繁殖成功率は88年は6割で、年に20,340羽のヤマドリと6,189頭のノウサギが狩猟された。05年は3,500羽、1,725頭と激減し、イヌワシの餌不足に繋がっている。狩猟期に岩手県へ他県から多くのハンターがヤマドリ目的に押し寄せる。岩手のイヌワシを後世に残すため、県はヤマドリ、ノウサギの狩猟禁止を直ちに実施すべきである。
(宮古「ミサゴの海」NO.192,P2〜3)
・ホトトギス科の棲息調査
 6/Mまでの岩手県内での報告。ジュウイチ5/2、初認。報告1件のみ。ツツドリ5/2、初認。6件の報告。カッコウ5/24、初認。21件の報告。ホトトギス5/25、初認。13件の報告。ジュウイチ、ツツドリは飛来が早いが、記録は少ない。
(宮古「ミサゴの海」NO.192,P4〜5)
・チョッと怪しい薬の話
 昔の人は熊やイモリ以外に野鳥も薬として使った。ツルは長寿で、薬功は凄いとして、その肉は体力増強として食べ、その血は生臭さが無く、温酒に入れて飲んだ。ツルを下々が捕ると、死罪であった。下々はスズメの肉、血を使い、スズメの血は歯槽膿漏の特効薬であった。スズメの糞は「白丁香」と呼ばれる薬になり、目の病、腫れ物、喉の痛み、虫歯等に功があるとされた。ニワトリの雄の白い糞は「鶏屎白」と呼ばれ、通じをよくし、ムカデの毒を消すと言う。何とも奇妙なものを薬にしているが、鰯の頭も何とやらで、効目があったのかも。参考:本朝食鑑、和漢三才図会。
(宮古「ミサゴの海」NO.192,P6〜7)

●2007/7 南富士
・ツバメのマイホーム事情
 今シーズン、富士宮市で、壁にくっつかない独立したツバメの巣が3箇所も見つかった。庇の支柱の天辺に椀型の巣がある。新建材の外壁は泥の着きが悪く、巣が落ちる事が多いための新戦術か。
(南富士「さえずり」NO.296,P4)
・6年ぶりコアジサシが繁殖
 富士川河口では人の出入と、持続する工事でコアジサシの繁殖は絶望的になっている。今回、10年前3年連続繁殖した、田子の浦港で新たに繁殖した。浚渫土仮置場の台地に75巣、6/17には雛31羽以上を確認した。しかし、10日後には台地取り崩しが予定されている。支部の保護部長と共に、国交省へ台地の保全を要望し、土砂搬出をやりくりし、7月下旬まで台地が残る見込みになった。敵は自然界の方が多いかもしれないが、鳥屋が出来る事は、コロニーを訪れ、見守る事で、カラスが近付きずらい、マナーの悪いカメラマン監視である。
(南富士「さえずり」NO.296,P6〜7)
・春季シギ・チドリ調査
 4/29、富士川河口での調査結果はコチドリ10、シロチドリ10、オオソリハシシギ2、キョウジョシギ、ハマシギ、アオアシシギ、イソシギ、チュウシャクシギ、タシギ、ツバメチドリ各1。例年100羽単位で飛来するハマシギが1羽、コチドリ、シロチドリ 10羽とは少なすぎる。
(南富士「さえずり」NO.296,P8)

●2007/7 静岡
・2007春の鷹の渡り
 3/4〜5/27の内、29日間、9〜14時、静岡市の北東10kmの葵区平山で春の鷹の渡りを観察した。総計でノスリ149、サシバ110、オオタカ11、ハチクマ10、ツミ10、ハイタカ8、ハヤブサ7、ミサゴ2が通過した。
(静岡「野鳥だより」NO.346,P3)

●2007/7 大分県
・2007年春シギ、チドリ類カウント調査
   4/10、県下一斉調査をした。21種、2,226羽を記録した。内訳はハマシギ931、チュウシャクシギ720、ダイゼン312、オオソリハシシギ83、キョウジョシギ42、イソシギ35、シロチドリ30、コチドリ15、メダイチドリ14等。
(大分県「たより」NO.205,P10)

(自然保護室ボランティア・神奈川支部/森 要)


ブロックの動き

■九州沖縄ブロック 出席報告■

 6月2〜3日に、宮崎県綾町にて宮崎県支部の担当により九州・沖縄ブロックの大会が開かれ、財団事務局から鈴木専務理事他の2名が出席しましたので、ご報告します。
 九州・沖縄ブロックでは、大会と運営協議会がそれぞれ毎年各1回開催されています。運営協議会はブロック運営の実務協議の場で、毎年2月の第一土曜日に定例で福岡支部の事務所を会場に開かれています。ブロック大会はそれとは別に、各支部が持ち回りで担当し開催するもので、毎年いろいろなテーマを設定し議論や交流を深められています。
 今年の大会は「照葉樹林の鳥たち in 綾2007」のテーマで、前日梅雨入りしたばかりの宮崎県で開催され、九州・沖縄ブロック12支部のうち10支部から101名の参加がありました。内容などは下記のとおりです。
 前田幹雄支部長をはじめ宮崎県支部の皆さま、そして九州・沖縄ブロック各支部の皆さまには、大変お世話になりありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

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九州・沖縄ブロック宮崎大会
「照葉樹林の鳥たち in 綾2007」

【日時】 6月2日(土)〜3日(日)
【場所】 宮崎県東諸県郡綾町北俣5539
「綾川荘」
【担当】 宮崎県支部
【出席】 九州・沖縄ブロック内とブロック外から101名が参加した。出席支部は、北九州、筑豊、福岡、筑後、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県の10支部。ブロック外からは、東京支部の会員の方1名と(株)コーワから2名が参加された。財団からは鈴木君子専務理事、古南幸弘自然保護室長の2名が参加した。
【欠席】 やんばる、八重山
【来賓】 綾町 前田穣町長
「日本一の照葉樹林と照葉樹林文化を守り育てる町として、前町長から引き継いで出会いの文化、ふれあいの文化、分かちあいの文化を高めるよう取り組んでいる。綾町の自然の美、食料の美、人情の美の3つの美を大切にして、都市との交流を大切にしている。今後、世界遺産への登録を目指して綾プロジェクトを展開している。綾の魅力をどうぞ満喫してください。」とご挨拶があった。

【議題・内容】

1.挨拶

  • 宮崎県支部 前田幹雄支部長
  • 九州ブロック選出理事 松富士将和理事
  • 財団 鈴木君子専務理事

2.講演

  • 「綾の照葉樹林の貴重性(魅力)」植物研究家 河野耕三さん
    照葉樹林の歴史、日本の照葉樹林の固有性、綾の照葉樹林の重要性(面積規模が最大、種多様性が最も高い、ブナ林と連続する稀有な地理)、照葉樹林文化について
  • 「照葉樹林の鳥たち」宮崎県支部 井上伸之さん
    照葉樹林に生息する野鳥たちの紹介、生息を危うくさせる要因(伐採・開発、人工林や竹林の放置、シカの食害、密猟や無理な撮影行為、外来種)について
  • 「照葉樹林の野鳥よもやま話」宮崎県支部 鈴木素直さん
    農耕習俗や農事暦、暮らしと結びついた野鳥の方言名や昔話について

3.行事

(1)各支部活動報告

  • 参加の北九州、福岡、筑豊、筑後、佐賀県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県の各支部より、活動状況について以下のような報告があった。
  • 鹿児島県支部:野鳥写真展を8年ぶりにGWに実施、その後4ヶ所巡回し、あと2〜3回行う。
  • 大分県支部:30周年記念で昨年、図鑑を発行、完売。
  • 熊本県支部:写真展を行い、定例探鳥会の案内を600枚配った。野鳥の記録を映像で残す試みを開始。
  • 佐賀県支部:県から受託して小学校における愛鳥指導活動を行っている(支部ネット通信で紹介された野鳥座)。有明干拓における調査活動を継続。
  • 長崎県支部:フクロウの巣箱かけ活動を継続、ブッポウソウの巣箱かけを開始。せちばる町国見山の風力発電計画について異議を申し立てる予定。
  • 筑豊支部:フクロウ用の巣箱をアオバズクが使用、コノハズク用の巣箱試している。ハチクマ調査、秋を10年継続してきたが、春の調査を初めて実施、内陸部をより多く通っている。
  • 福岡支部:支部のブログを設置、公開している。野鳥だより福岡300号記念号で今までの記録をまとめた。玄界灘で油事故があった際の調査報告書を発行。玄界灘の海鳥分布調査(志賀島付近の空港問題に対する牽制)の報告書(2002−2006年のまとめ)を300部発行した。
  • 北九州支部:野鳥販売実態調査を実施、行政に要望書を提出。曽根海岸の保護につながるよう、清掃活動を実施。ホオアカ調査、ハチクマの渡り調査を実施。
  • 筑後支部:野鳥誌2002年6月号で紹介のあったベニアジサシ繁殖地のある三池島の保護について大牟田市と交渉中。

(2)みんなで歌おう「アオバズクの歌」

  • 宮崎県の学校への出前授業の中で、音楽の先生が作詞・作曲された「おしえてよ あおばずく」という歌が生まれた。アオバズクの生態を詠み込んであり、また大変ノリのよい名曲で、市内各校でダンスの曲としても使われている。宮崎県支部の合唱隊の皆さんの美声でその歌のご披露。
  • 参加者一同で「おしえてよ あおばずく」「夏は来ぬ」を合唱。

4.懇親会・探鳥会

  • 大会終了後に、同会場で交流会オークションが開かれた。
  • 翌6月3日は、綾の照葉樹林を見学。入梅直後の雨にけぶる照葉大吊橋を渡って「綾の照葉樹林プロジェクト」に指定されている国有林と綾南川の大渓谷の雄大な景観、それにキビタキやアカショウビン等の声を堪能した。ヒルに食われる危険をおかして照葉樹林内の観察路を歩かれた方もいた。雨のため野外での探鳥会を短縮し、照葉樹展示館内を見学、館内で宮崎県枇榔島のカンムリウミスズメの生態と保護調査活動について宮崎県支部中村豊副支部長からお話を聞いた。
九州ブロック大会の講演
講演
九州ブロック大会の合唱隊
合唱隊
九州ブロック大会の照葉樹林見学
照葉樹林見学

(自然保護室長/古南幸弘)

■中部ブロック 出席報告■

 6月23〜24日に、石川県加賀市にて石川支部の担当により中部ブロック会議が開かれ、財団から柳生会長以下6名が出席しましたので、ご報告します。
 中部ブロックでは、持ち回り制で会議が毎年1回開催されています。今年はブロック内12支部から36名の参加がありました。
 矢田支部長をはじめ石川支部と中部ブロック各支部の皆さまには、大変お世話になりありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

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第15回中部ブロック会議

【日時】 2007年6月23〜24日
【場所】 ホテル「翠湖」(石川県加賀市柴山潟)
加賀市鴨池観察館(2日目))
【担当】 石川支部
【出席】 新潟県、富山県、石川、福井県、長野、甲府、富士山麓、南伊豆、遠江、愛知県、岐阜県、三重県の計12支部より36名の出席があった。
財団よりの出席は、柳生会長、古南保護室長、岡本普及チーフ、田尻鴨池チーフ、松本鴨池レンジャー、小林豊の6名。
【欠席】 佐渡、軽井沢、諏訪、木曽、伊那、東富士、沼津、南冨士、静岡の9支部
【来賓】 加賀市 大幸 甚 市長
石川県自然保護課 美馬 秀夫 課長

【議事・内容】

1.挨拶

  • 石川支部 矢田 支部長
  • 石川県 美馬 課長
  • 財団 柳生 会長
  • 加賀市 大幸 市長

2.各支部自己紹介、議長選出など

  • 各支部出席者からの自己紹介があった。
  • 石川支部より、ブロック会則に従い議長を担当の石川支部で、副議長を来年担当の新潟県支部で勤めるとの報告があった。
  • 石川支部より、出席支部に加え委任状提出が9支部あり、会議は成立している旨の報告があった。

3.報告

(1)理事会報告

  • 中部ブロック選出の高木理事より、次のような報告があった。
  • ここ3年間赤字決算が続いていること、前年度は2千9百万円の赤字だった。
  • 会員数がピーク時から約9千人減少しているので、これを元に戻せば赤字を解消できるのでは。支部でも探鳥会などを通じて仲間を増やす活動そしている。
  • 本部では、委託収入を増加させる、オリジナル商品を開発して販売ルートを開拓していく、寄付金の拡大、コストの削減などが大事なのでは。

(2)評議員会報告

  • 中部ブロック選出の福井評議員より以下のような報告があった。
  • 高木理事の報告を受けて、財団の赤字に対し支部として何ができるかと考えると、それはまず会員を増やすことだろう。各支部でも会員増について議論していただきたい。
  • 公益法人制度改革により、理事、評議員の選出方法が大きく変わってくる。この制度改革に対応するため、理事、評議員の代表で構成される委員会が立ち上がったところ。
  • 制度改革についてはすでに支部ネット通信で情報が出ているが、今後はブロックでも理事、評議員の選出方法などについて議論することになるだろう。

(3)財団よりの報告

  • 財団事務局より、探鳥会パンフレットの制作について説明があり、意見交換が行われた。
  • このようなものがあるとありがたい、既に同じような機能のものを作っており新たに作るのは二度手間になるので大変、このパンフレットを作って本部はどの様に儲けたいのか、などの意見があった。
  • 続いて、全国ブロック連絡会議の開催計画について説明があり、意見交換が行われた。
  • 出席するブロック代表をどの様に選ぶのか、以前の拡大評議員会や全国支部代表者会議とはどの様に違うのか、などの意見があった。

(4)支部の税金問題について

  • 三重県支部より、受託調査の収入で支部のお金が増えてきているので、納税の必要があるのではと考えている。税理士の見解だと100万円ぐらいの納付になりそう、との報告があり意見交換が行われた。
  • 委託調査の収入の配分では、支部2割で調査員8割、支部9割で調査員1割、調査員にほぼ全額だがうち7割は支部へ寄付としてもらう、など支部によって様々な運用されていることが意見として出された。

4.議題

(1)理事、評議員候補の選出

  • 議長より、事前に行われた理事と評議員の推薦結果が報告され、理事候補は現任の愛知県支部の高木氏、評議員候補は新任で静岡支部の坂野氏と新潟県支部の石部氏をブロック選出とすることとなった。

(2)カワウの駆除方法と狩猟鳥獣指定について

  • 甲府支部より、釣り針に餌の魚を付け釣りの形でカワウを駆除することなどについての問題点が指摘され、議論が行われた。
  • 出席各支部の県では、この釣りの形でのカワウ駆除はまだ無いことが分かった。また各支部より、安楽死にならない、カワウ以外の魚食性鳥類が掛かる、駆除数の把握やコントロールが難しいなどのおそれがあるとの意見が出された。
  • 財団保護室よりは、カワウの狩猟鳥獣化は環境省主導で強行されたこと、釣り針を使うのは都市河川で銃猟ができないためだが効率は悪く捕獲数は多くないこと、などが報告された。
  • 議論の結果、カワウの釣り針による駆除については、甲府支部が協議会の場等を利用して混獲防止等について申し入れることとなった。

(3)風力発電所建設に対する取り組みについて

  • 財団鴨池担当から、あわら市の計画地で鴨池のガン類への影響が懸念されるとの調査結果を発表した。
  • 長野支部からは県条例における対応状況、三重県支部からは条例アセスへの対応について、財団保護室からは環境省と資源エネルギー庁による「風力発電施設と環境保全に関する研究会」についての報告があった。
  • 今後も個別案件に対応していくと共に、長野県等の先進事例を研究して制度の改革について引き続き働きかけていくことを確認した。

5.その他

  • 来年の中部ブロック会議は、新潟県支部の担当で11月2〜3日に新潟市内で開催されることが報告された。
  • 鴨池観察館田尻チーフレンジャーより、観察館での活動状況が報告された。

【懇親会・探鳥会】

  • 1日目の会議後に、同会場で懇親会が開かれた。
  • 探鳥会は特になかった。

九州ブロックの矢田支部長
矢田支部長の挨拶

九州ブロックの会議風景
会議風景

(会員室長/小林豊)


■近畿ブロック 出席報告■

 7月14日に、京都市にて京都支部の担当により近畿ブロックの会議が開かれ、財団から柳生会長以下5名が出席しましたので、ご報告します。
 近畿ブロックでは、ブロック理事を出している支部が理事任期の2年間続けて担当になり、毎年1回開催されています。また会議は午前半日となっています。今年はブロック内6支部から28名の参加がありました。会議の内容などは下記のとおりです。
 澤島支部長をはじめ京都支部の皆さま、そして近畿ブロック各支部の皆さまには、大変お世話になりありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

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近畿ブロック会議

【日時】 2007年7月14日 10:00〜12:00
【場所】 京都ぱるるプラザ(京都駅前)
【担当】 京都支部
【出席】 大阪、兵庫県、奈良、和歌山県、滋賀、京都の計6支部より28名の出席があった。
このうち財団よりの出席は、柳生会長、古南保護室長、横田普及室員、脇坂姫路レンジャー、小林豊の5名。
【欠席】 無し
【来賓】 無し

【議事・内容】

1.挨拶

  • 財団 柳生 会長

2.自己紹介

  • 出席者からの自己紹介があった。

3.議事など

(1)理事会報告

  • 近畿ブロック選出の狩野理事より、次のような報告があった。
  • 公益法人制度が改革されるため、当会の仕組みも変わってくる。どの様に対応するか、これから検討がされる。
  • 数千万円の赤字が毎年続いている。なんとかしなければならないため、その対応を理事会でも検討している。
  • 個人情報保護への取り組みが進んでおり、規程の改定などが行われている。

(2)評議員会報告

  • 近畿ブロック選出の福田評議員より以下のような報告があった。
  • 5月の評議員会で事業報告、決算の説明を受け、それに合意した。
  • 赤字対策が求められており、常務会の方でスケジュールを組んで対応していくことになっている。
  • 公益法人制度改革により、評議員会の仕組みも変わる。対応検討のための委員会が組織されている。

(3)財団よりの報告

  • 財団事務局より、探鳥会パンフレットの制作および全国ブロック連絡会議の開催計画について説明があり、それぞれについて意見募集が行われた。
  • 続いてカワウ問題について、法改正で狩猟鳥にされたこと、11月から繁殖が始まるコロニーもあるのでコロニー周辺での狩猟、ウミウとの誤射、生息数のモニタリングなどが課題となることなどの説明があった。

(4)野鳥の撮影マナーについて

  • 中部ブロック三重県支部よりの、野鳥の撮影マナーが悪化しており、三重県内で珍鳥・迷鳥が出ると他県からの見物客も多く対策事例などを知りたいとの提案文書が配布され、意見交換が行われた。
  • 各支部から、珍鳥が出ると集まる人達の中に会員は少ないのでは、珍鳥の写真がマスコミで取り上げられることが多いからでは、迷惑駐車などに対して支部から交通規制を申し入れてはどうか、見るだけではなく餌付けやテープを使って呼ぶのがより問題では、などの意見が出された。
  • 財団事務局からは、フィールドマナーについて支部へのアンケート調査を行う予定であること、従来の「やさしいきもち」だけではカバーできない面を見直したいと考えていることなどの報告があった。

(5)近畿の話題

  • 大阪支部より、ツバメの集団ねぐら調査について、8月4〜5日で実施すること、調査方法や記録の提出方法などの説明があった。
  • また大阪支部よりブロック会議の持ち方について発議があり、現状では担当支部の負担が大きいことからブロック会議運営費を各支部で分担することとして、次期担当の奈良支部で分担方法の原案を作ることとなった。
  • 兵庫県支部より、支部総会で定足数を集めるのが難しいことについて意見があり、各支部から、動物園で開催して出席者が増えた、人集めで講演会とセットにしたら講演会が済んだらほとんど帰った、バザーではバザーが終わったら皆帰った、人気の探鳥会の直後に開催したら出席者が増えた、定足数を規定せず出席者の半数の賛成で決議できるようにしている、などの事例が報告された。

(6)次年度ブロック会議担当支部について

  • 京都支部より、2年間のブロック会議担当を無事終えることができたとのお礼があり、次期担当は奈良支部との紹介があった。

【懇親会・探鳥会】

  • 会議後に、会場近くで希望者の昼食会が開かれた。
  • 探鳥会などは行われなかった。

近畿ブロックの澤島支部長
京都支部の澤島支部長

近畿ブロックの会議風景
会議風景

(会員室長/小林豊)


理事会・評議員会報告

■平成19年度第1回理事会(定例)議事録■

【日時】 平成19年5月26日(土)
11:30〜14:00
【会場】 きゅりあん(品川区立総合区民会館)
7階イベントホール
 東京都品川区東大井5-18-1
【現在理事数】 18名(うち出席理事数:16名)
【出席理事】 敬称略
柳生 博、鈴木 君子、吉田 新、海老原 美夫、親泊 素子、滑志田 隆、樋口 広芳、松田 輝雄、花田 行博、白岩 康夫、河地 辰彦、坂本 宗吏朗、高木 清和、狩野 清貴、真鍋 啓二、松富士 将和
以下委任状出席 佐藤 仁志、土屋 正忠
以上18名
【出席監事】 敬称略
高松 健比古/以上1名
【来賓】 敬称略
猪島 康浩(環境省自然環境局野生生物課鳥獣保護業務室長)/以上1名
【傍聴】 敬称略
池野 進(評議員)、日比野 政彦(評議員)
以上2名
【事務局】 飯塚利一(事務局長)、原元奈津子(総務室長)、小林豊(会員室長)、小林篤六(普及室長)、古南幸弘(自然保護室長)、葉山政治(サンクチュアリ室長)、箱田敦只(人材育成PJ担当)、岩下路子(総務室長代理)、富岡辰先(サンクチュアリ室長代理)、森下祐子(総務室経理人事グループチーフ)、勝田ひろみ(総務室経理人事グループ)、吉家奈保美・大蔵博美(総務室総務グループ)
以上13名
出席者合計33名

●11:30開会

●会長挨拶

 柳生博会長より、NHK「クローズアップ現代」で当会が紹介され、早速寄付の申し出があったこと、タンチョウDVDが花田理事等の協力も得て良い作品に仕上がったこと、三菱UFJ信託銀行が当会への寄付につながる「野鳥と緑の信託」を発売したこと、豊岡のコウノトリのヒナが43年ぶりに自然状態で誕生したこと、5/13の全国野鳥保護の集いでは、愛知県支部が環境大臣賞を受賞、中村桂子評議員も受賞されたこと等の報告と紹介があり、相変わらず財政は厳しいが、新年度はこれまでに仕込んできた事項が花開き実を結ぶよう当会として一致団結して取り組んでいきたいとの挨拶があった。

●来賓挨拶

 環境省自然環境局野生生物課鳥獣保護業務室の猪島康浩室長より、自然環境保全に対する当会の協力に対して感謝の意が述べられ、最近の動きとして、熊本のクマタカから鳥インフルエンザが検出されたこと、昨年の鳥獣保護法改正では、鳥獣保護区における保全事業の創設や、輸入鳥への足輪装着を義務付けて国内産との識別を目的とする特定輸入鳥獣制度の創設等を内容として今年4月に改正法が施行されたこと、ウズラ等の捕獲禁止措置等を内容とする鳥獣保護法施行規則の一部を改正する省令が6/1に施行されること、トキの野生復帰について来年度の試験放鳥に向け取り組んでいること等が挙げられ、我が国は恵み豊かな自然環境を将来にわたって保全し適切に再生していくことが求められており、環境省は鳥獣保護法の適正な運営に務めつつ当会はじめ関係者皆様と連携を諮り自然環境の保全を進めたいので、今後もご指導ご支援を賜りたいとの挨拶があった。

●会務報告

 鈴木君子専務理事より、3/10の評議員会で平成19年度事業計画と予算が原案通り同意を得て確定したこと、平成18年度事業の監査は適正との報告であったが3千万近くの赤字決算であること、カワウの狩猟鳥獣指定については個体数管理等で対応できないかと思うこと、鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリが今年20周年の記念行事のため企業協賛を募っていること、5/19-20東京バードフェスティバルでは約6千名が訪れたこと、『Toriino』は50万部を発行し概ね好評であること等の会務報告があり、事務局職員と一所懸命努力するので役員皆様の協力を願いたいとの挨拶があった。

 飯塚利一事務局長より、理事現在数18名のうち、委任状2名を含め18名の出席となり、寄附行為第27条に基づき本理事会は成立している旨の報告があり、さらに傍聴希望者の傍聴が承認された。
また、寄附行為第30条に基づく議事録署名人に、親泊素子理事と真鍋啓二理事が選任された。

第1号議案 平成18年度事業報告及び決算案承認の件

 原元奈津子総務室長より、平成18年度事業報告(案)について、野鳥保護区事業では、18年度に4箇所の買い取りと2箇所の協定を行い、合計6箇所約100haの増加としたこと、IBA事業では、サポーターのネットワーク化を進めた他、「平成17年度版IBA白書」の配布や日経新聞への広告等の広報を行い、また全167箇所のIBAの約6割が法的な保全措置が不十分であり4箇所が大規模開発の危機にあること等の概況を把握したこと、サンクチュアリ施設支援事業では、全国の自然系施設にアンケートを行い『全国自然系施設総覧』を作成し、施設運営者向けの情報誌もまもなく発行予定としていること、風力発電対策では国際シンポジウム開催と資料集作成等を行ったこと、普及事業では、野鳥ファンを増やす事業として、サンクチュアリや大規模イベントにより約35万人に対し、間接的なものを含めると年間約190万人に対して普及活動を行ったこと、子供向けの事業としては、総合学習、ティーチャーズガイドへの取り組み、小冊子「野鳥のせかいへのパスポート」配布等を行ったこと、その他、新雑誌『Toriino』発行、大口遺贈による子供向けアニメーションDVDの作成等、総じて平成18年度は財政問題などの懸案の事項は残っているが、今後に向けて様々な仕込みを行った年であった等、資料に基づき説明があった。
 続いて、岩下路子総務室長代理より、平成18年度決算(案)について、当期収支差額は約2,946万円の赤字であること、決算書類は今年度より新公益法人会計基準に従い、退職給付引当金と役員退任慰労引当金を計上したこと、正味財産増減計算書では、会計上は固定資産(土地)購入費のため費用として現れない野鳥保護区購入費について事業内容を適切に表示するため、経常費用で野鳥保護区購入事業費を計上し経常外収益で同額を野鳥保護区購入事業見返として相殺したこと、正味財産については、過年度の退職給付引当金を今年まとめて計上したため、マイナス約5,700万円となったこと、財務諸表に対する注記はより詳細に記すことになったこと等、資料に基づき説明があった。
 以上の説明に続いて、高松健比古監事より、5/14に伊藤直人監事と共に監査を実施し、会計については適正であると確認したこと、業務については、寄付によって特定資産は増加しているが平成18年度も赤字決算であること、当会の業務が多岐に渡っているためこれ以上の削減が厳しく、赤字構造を脱却するには新たな発想と展開で現状の厳しい見直しが必要であること、IBAや野鳥保護区をこれからどのように展開し拡大していくかが課題であること、また理事には新たなことを考えていくという明確な認識を持っていただくよう強く要望したいとの報告があった。

 海老原美夫理事より、何年間も赤字決算が続くとなれば理事会としても承認し難く、20年度に赤字予算が提案されれば拒否せざるを得ないので、その審議は理事会の責任において赤字予算を認めないとする提案はどうかとの意見があった。
 花田行博理事より、財政破綻した夕張市の場合、市議会が決算を承認していたが、当会では理事会が市議会と同じであるから、海老原理事と同様、18年度決算は認めても次は認められないという意見があった。
親泊素子理事より、来年度から黒字を求めることは無理であるので、何年までという期間を明らかにしてほしいこと、赤字を減らすと同様に財源を増やす方策を考えるよう提案があった。
 狩野清貴理事より、赤字幅は縮小されており改善の努力があるので、具体的な改善の提示があれば認めてよいのではないかとの意見があった。
 高木清和理事より、会社でいう取締役は当会の理事に相当すると思うが、理事全員が赤字に対する責任を問われる立場にあり、理事会で赤字予算を否決することが可能かどうか判断できない、承認しないというより、どうすれば黒字になるかを考えることが必要ではないかとの意見があった。

 高木理事より、管理費の租税公課について質問があり、岩下総務室長代理より、租税公課1,344万円のうち、1,318万円が支払い納付消費税であり、7万円が法人住民税、19万円がその他登記簿謄本取得時に対する支払いや収入印紙にかかるものであるとの説明があり、さらに原元総務室長より、寄付収入などの非課税収入に対応する消費税は当会が納めなければならないこととなっていること、サンクチュアリの土地や固定資産関係はすべて免税となっているため、租税公課はほぼ全額が消費税である旨の補足説明があった。

 続いて松田輝雄理事より、高松監事が「理事はしっかりしろ」と言われるのは我々に何を要求するのかという質問があり、高松監事より、事務局職員は精一杯やっており、現状の内容で事態を改善することは厳しいため、理事に対して、重点事業を絞ってそこに予算を重点配分することや事業内容の見直しを示していただきたいという、中・長期、もしくは長期のビジョンにかかる部分であるとの説明があった。

 狩野理事より、会員数が減少している理由について質問があり、小林豊会員室長より、入会者数は増加傾向が見られること、会員ではないが、寄付やグッズを購入してくれるサポーターが約7,000名でこれが会員数の外側にある一種の裾野であること、会員数に比べてこの裾野の人数が少ないと思われるが、このサポーター数を把握したのは最近2年のことであり、このサポーター数の拡大とそこから会員へ進んでもらうことが課題ではないかと思うとの説明があった。

 親泊理事より、収支の中で国際協力事業費がゼロであることについて質問があり、岩下総務室長代理より、国際協力事業費に計上するのはバードライフインターナショナルの会費等であり18年度は支払時期の関係でゼロとなっていること、実際の国際協力事業としては、主に自然保護室が、水鳥フライウェイ関係や二国間渡り鳥等保護条約関係の受託事業等により実施しているとの説明があり、吉田新常務理事より、独自の国際協力は人数が足りないために行えていないとの説明があった。

 樋口広芳理事より、赤字決算は何年も続いているが、責任があるのは、職員や執行役員ではないだろうし、理事も日頃から目を通しているわけではないが、制度的には理事に責任があると思う、数字だけで判断するのは難しいので、一人一人が今後の方向性について考えてほしいとの意見があった。
 吉田常務理事より、平成21年度は当会創立75周年であり、平成20年度は支出が増えるがなるべく均衡を図ること、事業を見直すスクラップ・アンド・ビルドにより支出を減らすこと、事業に対しては3ヶ年のテーマ事業を設定し、重点的にマンパワーを集中し、各セクションが1つのプロジェクトに対して有機的につながっていくようにすること、調査研究のキャンペーン等、会員外の方も参加できる重点テーマ事業を考えること、普及事業によって、会員増、収入増を目指すこと、収入増のために、広報宣伝部門を強化し、企業や大口出資等の寄付収入の拡大すること等により、平成21年度の予算はプラスマイナスゼロを目指したいという発言があった。
 松田理事より、執行部が明確な方向性を示してくれたので、理事としてどうするかを考えなければならないとの意見、海老原理事より、理事の一人として何が自分にできるのかを問い、できる限り協力したいとの意見があった。
 白岩康夫理事から、単に賛成ではなく、4年以上赤字が続くのは異常事態であり、新しい事業展開は難しく、当会の発展性から見て重荷になるので、賛成はするが、21年度には均衡予算にもっていくと議事録に記すなら賛成するとの意見があった。

 以上の審議の結果、柳生会長より第1号議案について賛否を問い原案どおり承認された。

第2号議案 規程改定の件

 小林会員室長より、平成18年度第四回理事会(H19.2.17開催)において改定した個人情報保護規程について、事務局の不手際により第14条の改定が漏れており、これに伴い、参照元となる第13条の改正、また第11条、17条の誤字等を併せて改定すること等、資料に基づき説明があった。
 また、吉田常務理事より、規程改定に関連して、平成20年度予算までには事務局の体制を変更し、効率のよい事業展開を目指す上で、事務局分掌規程を現在作成中であること、平成20年度事業計画策定が始まる前には、文書理事会で議決を諮り、体制を変更したいとの説明があった。

 審議の結果、柳生会長より第2号議案について賛否を問い異議なく承認された。

第3号議案 顧問等承認の件

 原元総務室長より、名誉顧問1名の任期満了に伴う再委嘱について承認を得たい旨、資料に基づき説明があった。

 海老原理事より、本人の内諾について質問があり、原元総務室長より内諾を得たとの説明があった。

 以上の審議の結果、柳生会長より第3号議案について賛否を問い異議なく承認された。

第4号議案 野鳥保護区購入の件

 富岡辰先サンクチュアリ室長代理より、平成18年度第四回理事会(H19.2.17開催)において報告した、シマフクロウ生息地について、持田氏からの寄付金により購入し、「持田野鳥保護区日高第一」(432,584㎡)として当会野鳥保護区を設置したいこと、購入金額は30,280,880円であるとの説明があった。

 花田理事より、購入にあたり、交渉が成立してから理事の一人が現地に視察に行く必要があるのではないかとの意見があり、吉田常務理事より、できるだけ最寄りの理事や執行役員にお願いし、現地に行くようにしたいとの説明があった。

 樋口理事より、多額の経費を投入して購入するという必然性と理由があるのか、環境省に働きかけて購入以外の方策がないか、判断材料が不十分であるとの意見があり、富岡サンクチュアリ室長代理より、今回の土地は民有地で法的な網はかけられないという理由により購入すること、今後は研究者との信頼関係を築き、生息状況の情報を得て全体的な計画を立てたいこと、そして研究者、環境省、当会の三者で考えていきたいとの説明があった。

 親泊理事より、英国のナショナルトラストでは、プロパティを購入したり、寄贈や協定を受けたりする際に、その後の維持管理費を含めて是非を決め、維持管理費を含まない場合は受け入れないということもあることから、その点も考慮してほしいとの意見があり、吉田常務理事より、個人の寄付で当会が土地を購入する際は、維持管理費用を含めて寄付者の承認を得ている、今後物件を買い取る際にはきちんとしたいとの説明があった。

 審議の結果、柳生会長より第4号議案について賛否を問い異議なく承認された。

●報告事項

1.新制度対応検討委員会の設置について

 原元総務室長より、平成18年度第四回理事会(H19.2.17開催)で承認された、公益法人制度改革への対応のうち、検討会のメンバーが確定したとの報告があった。

2.タンチョウ生息地における野鳥保護区候補地について

 富岡サンクチュアリ室長代理より、タンチョウ生息地購入について新たに3地域の土地所有者等の調査が終了し所有者と交渉を進めていくこと、企業社有地の協定についても調整中であること、また既存の保護区の周辺については随時交渉を進めること、購入資金は三菱UFJ信託銀行や渡邊氏の寄付、その他の特定預金とのバランスをみながら充てていきたい旨の報告があった。

3.その他

 松富士将和理事より、ベニアジサシが飛来する福岡県三池島について、島を所有する三井鉱山から大牟田市に無償譲渡の打診があったが、維持費が財政を圧迫する可能性があるということで継続審議となっていることから、当会が無償で譲り受け、管理できないかという質問があり、吉田常務理事より、保護区については、稀少種であるシマフクロウやタンチョウに限って設置してきたが、IBAの観点からもそういう情報は貴重であるので、今後サンクチュアリで検討したいとの回答があった。

 狩野理事より、事務局分掌規程(素案)について、第2条2の「事務局長は、…管理・執行できる能力、技術、責任感」とあるが、「能力」のみで良いのでは、第3条②の「普及部」については、内容をみると、広報も含むので、「広報普及」ではないか、また第6条①②と第8条の①に誤植があり、訂正してほしい旨の指摘があった。

 親泊理事より、人件費の節約に関連して大学のインターンシップ制度を利用してはどうかとの提案があった。さらに親泊理事より、国際自然保護連合では本部、支部、特別委員会のうち、特別委員会について専門家をボランティアベースで登録し様々な国際条約のたたき台を作成しているが、当会もリソースである会員の専門知識をボランティアベースで登録し、プロジェクトがあれば有償無償で関わっていただくような特別委員会を作るのはどうかとの提案、また事務局に関しても、ポリシーメーカーに対するロビイングや税制改革、団塊世代の一斉退職等、今の社会を見据えて戦略的に必要な部局を作るのはどうかとの提案があった。

 樋口理事より、メーリングリストの中でも議論しようと何度か提案されているが「無視の歴史」の如く、これまで具体的に議論の棚の上に載ってこなかったことが残念であること、理事会や評議員会、各支部の様々な分野の方にいい意味でご協力いただくような積極的姿勢が必要であること、これまで30万人部会など具体的な提案が成果に結びつかなかった例を踏まえ、今後は割り振りをするなど改善してほしいとの意見があった。
 滑志田隆理事より、執行役員だけではなく、理事会の理事全員が運営責任を持っているので、すべての理事を含めた役割分担を検討すべきとの意見があった。
吉田常務理事より、これまでは「遠慮の常務会」であったが、これからは遠慮なく理事に手紙やメーリングリストで得意な分野の意見を頂戴したいとの意見があった。

 以上により、13時58分、全ての議事審議及び報告が終了した。

 上記の議事を明らかにするため議事録を作成し、議長及び出席理事の名において記名、捺印する。

2007年7月5日
 財団法人日本野鳥の会 平成19年度第1回理事会

議長 柳生 博
議事録署名人 親泊 素子
議事録署名人 真鍋 啓二

■平成19年度第1回評議員会(定例)議事録■

【日時】 平成19年5月26日(土)
15:00〜17:00
【会場】 きゅりあん(品川区立総合区民会館)
7階イベントホール
東京都品川区東大井5-18-1
【評議員現在数】 29名
(うち出席評議員数:23名)
【出席評議員】 敬称略
●ブロック推薦評議員
【北海道ブロック】山田 三夫、盛田 徹
【東北ブロック】西岡 裕介、小室 智幸
【関東ブロック】池野 進、橋口 長和
【中部ブロック】上木 泰男、福井 強志
【近畿ブロック】福田 和夫、井上 清仁
【中国・四国ブロック】日比野 政彦、山橋 良治
【九州・沖縄ブロック】佐久間 仁、前田 幹雄
●学識経験者評議員
芦ア 治、安藤 正治、磯崎 博司、伊藤 勝、
遠藤 孝一、曽我 千文、中村 桂子、樋口 隆昌、
松田 道生
以上23名
【欠席評議員(委任状提出あり)】
  敬称略
●ブロック推薦評議員
川端 一彦(東京支部)
●学識経験者評議員
上田 恵介、川村 研治、国松 俊英、蓮尾 純子、
横山 隆一
以上6名
【出席執行役員】 敬称略
柳生 博、鈴木 君子、吉田 新/以上3名
【出席監事】 敬称略
高松 健比古/以上1名
【傍聴】 敬称略
滑志田 隆(理事)、坂本 宗吏朗(理事)、海老原 美夫(理事)、高木 清和(理事)、狩野 清貴(理事)、河地 辰彦(理事)/以上6名
【事務局】 飯塚利一(事務局長)、原元奈津子(総務室長)、小林豊(会員室長)、小林篤六(普及室長)、古南幸弘(自然保護室長)、葉山政治(サンクチュアリ室長)、箱田敦只(人材育成PJ担当)、岩下路子(総務室長代理)、富岡辰先(サンクチュアリ室長代理)、森下祐子(総務室経理人事グループチーフ)、勝田ひろみ(総務室経理人事グループ)、吉家奈保美・大蔵博美(総務室総務グループ)/以上13名
出席者合計46名

●15:00 開会

 飯塚利一事務局長より、評議員現在数29名のうち、委任状を含め28名の出席を得て、寄附行為第32条第6項および第27条に基づき、本評議員会成立の旨報告があった。なお、芦ア治評議員は15:10に到着した。

●会長挨拶

 柳生博会長より、NHK「クローズアップ現代」で当会が紹介され、早速寄付の申し出があったこと、三菱UFJ信託銀行が当会への寄付につながる「野鳥と緑の信託」を発売したこと、豊岡のコウノトリのヒナが43年ぶりに自然状態で誕生したこと、全国野鳥保護の集いでは、愛知県支部が環境大臣賞を受賞、中村桂子評議員も受賞されたこと等の報告と紹介があり、相変わらず財政は厳しいが、新年度はこれまでに仕込んできた事項が花開き、実を結ぶよう当会として一致団結して取り組んでいきたいとの挨拶があった。

●議長団紹介

 飯塚事務局長より、既に決定されているとおり、議長として松田道生評議員、副議長として佐久間仁評議員が紹介された。

●傍聴者承認

 松田議長より、傍聴希望者について、今回は理事以外の傍聴希望者がいなかったとの報告があった。

●議事日程承認

 遠藤孝一幹事会代表幹事より、5/19に幹事会を開催して本評議員会の議事等について審議したこと、本日の議事にかかる概ねの時間配分案が示され、異議なく了承された。

●会務報告

 鈴木君子専務理事より、残念なこととしては、平成18年度決算が依然として赤字であることとカワウの狩猟鳥獣指定を挙げ、良かった点としては、事務所が活性化していること、三菱UFJ信託銀行から「バード信託」に代わる「野鳥と緑の信託」の提案があり発売されたこと、企業の社有地について当会と協定を結んで保護区にしたいという話があったこと、鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリが今年度開設20周年のイベントのために、企業の協賛を求めて全国を回っていること、『Toriino』誌の協賛を得るための企業訪問を通じ当会の理念を紹介する機会が増えていること、5/19-20に東京バードフェスティバルを開催したこと、フィールドガイド増補改訂版がもうすぐ発行されること等の報告があった。

●議事録署名人選出

 評議員会規程第5条および理事会規程第6条第3項に基づき、前田幹雄評議員と中村桂子評議員を議事録署名人として選出した。

●議案審議

第1号議案 平成18年度事業報告及び決算案の同意の件

 原元奈津子総務室長より、平成18年度事業報告(案)について、総じて平成18年度は財政問題などの懸案の事項は残っているが、今後に向けて様々な仕込みを行った年であった等、資料に基づき説明があった。
 続いて、古南幸弘自然保護室長より、IBA事業について、現地サポーターの協力を得て167箇所151地点の情報を更新できたこと、法的担保がないもしくは不十分な箇所が95箇所と全体の57%あり、沖縄の泡瀬干潟のように大規模開発事業が進行している箇所が4箇所あること等を把握したこと、今後これらの情報をHPやIBA白書等で広く公開したいこと、個別IBAの保全事業として5箇所のサンクチュアリ以外に支部等が関わる7箇所の保全の支援活動を行ったこと、IBA以外の事業としては、絶滅危惧種の保全、ナベヅル・マナヅルの越冬地の分散事業、密猟対策、鳥インフルエンザ対応、風力発電対策の5つの分野について取り組んでおり、風力発電対策については、支部支援等の活動の結果、3月に環境省と資源エネルギー庁により設置された風力発電施設と自然環境保全に関する研究会のメンバーとなり、この場で立場の違う多くの関係者に対して、影響とその対策という基本的な議論をしていること、また自然保護室に関する事業の新聞、雑誌の報道件数について、平成18年度は全113件の記事を確認しており、このうち、IBA関係は24件、風力発電関係は49件、鳥インフルエンザ関係は10件であったとの報告があった。
 小林篤六普及室長より、サンクチュアリやイベントの参加者等の直接的な普及活動と、HPや印刷物、展示物等の間接的な普及活動を含め当会全体として約190万名に普及の働きかけをしたこと、バードプラザについては年間5,991名の来客対応と目標を超える3,090万円の売上を達成し、個人向けの通信販売売上は1億円であったこと、企業とのシンボルマークのロイヤリティ契約を継続し寄付金を含めた使用料収入を得たこと、安西英明主任研究員執筆の「スズメの少子化、カラスのいじめ」が一万部出版されたこと、ヒナを拾わないでキャンペーンを日本鳥類保護連盟や野生動物救護獣医師協会と共催で実施したこと、「野鳥のせかいへのパスポート」32,000部を配布したこと、レンジャー養成講座や企業のリーダー研修を請け負ったこと等の報告があった。
 葉山政治サンクチュアリ室長より、野鳥保護区事業では、タンチョウ生息地4箇所を買い取り、2箇所を協定により確保して、野鳥保護区を約100ha増加し約1,700haとしたこと、その際、柳生会長の協力を得て広報に力を入れたこと、また保護区でのワークキャンプや会員向けの見学会を実施したこと、IBA保全事業として「ウトナイ湖・勇払原野保全構想」を広めるため、記者発表を行い、繁殖調査等も行っていること、三宅島では噴火後の回復状況調査、片野鴨池ではふゆみずたんぼを実施、また全国の自然系施設とのネットワーク化により自然保護の輪の拡大を目指し、「全国自然系施設総覧」の編集作業を進め、ニュースレターの作成準備を行ったこと、ティーチャーズガイドを活用した講習会や一般への観察等は約2,500名に実施したこと等の報告があった。
 小林豊会員室長より、3月末時点の会員数は45,023人であり、期首会員数より1,001名減少したものの減少幅は過去最低水準になったこと、新入会者数は、2,114名で前年度より33名増加したこと、『Toriino』発行は160万円マイナスになったが会員数増加に寄与したこと、タンチョウをテーマにした子供向けオリジナルアニメーションDVD作成を進めたこと等の報告があった。

 続いて、岩下路子総務室長代理より、平成18年度決算(案)について、当期収支差額は約2,946万円の赤字であること、決算書類は今年度より新公益法人会計基準に従い、退職給付引当金と役員退任慰労引当金を計上したこと、正味財産増減計算書では、会計上は固定資産(土地)購入費のため費用として現れない野鳥保護区購入費について事業内容を適切に表示するため、経常費用で野鳥保護区購入事業費を計上し経常外収益で同額を野鳥保護区購入事業見返として相殺したこと、正味財産については、過年度の退職給付引当金を今年まとめて計上したため、マイナス約5,700万円となったこと、財務諸表に対する注記はより詳細に記すことになったこと等、資料に基づき説明があった。
 以上の説明に続いて、高松健比古監事より、5/14に伊藤直人監事と共に監査を実施し、会計については適正であると確認したこと、寄付によって特定資産は増加しているが平成18年度も赤字決算であること、赤字構造を脱却するには、スクラップ・アンド・ビルドが必要であり、IBAや野鳥保護区をこれからどのように展開、拡大していくかが課題であること、当会の中・長期ビジョンにかかわる件で、評議員の皆様には多大なご尽力を頂きたい等の報告があった。

 佐久間仁評議員より、野鳥保護区購入に関わる寄付の使途と保護区管理の実態、またシマフクロウ保護区の設定の仕方について質問があり、またシマフクロウ野鳥保護区購入のための使途を指定した1万円からの寄付について提案があった。富岡辰先サンクチュアリ室長代理より、寄付の使途について50%を購入費用、50%を維持管理費用に充て、購入費用には準備や調査のための約20日間の人件費を含んでいること、管理の現状について、フレシマタンチョウ保護区では購入後3年間は釣り人がいたが、巡回監視や柵の設置により今年はゼロであったこと、ソウサンベツ保護区ではゴミ投棄やハンターによる保護区の標識折損があり、地元支部や警察と協力して対応したいこと、シマフクロウについて、環境省と地元研究者と調整しながら進めており、新たに購入する土地についても、当会が民有地を購入し、周辺の道有林や国有林は行政が法的な網掛けをし、給餌については環境省を中心に地元の研究者と調整しながら進めていくとの説明があった。

 安藤正治評議員より、会員であることのモチベーションを維持するためには、目に見える形で自然保護に貢献しているということを示していくことが必要ではないか、特定寄付で保護区を購入するだけではなく、会費の1〜5%を保護区の購入に充てる等、会費を払うことが保護区購入につながるという形の方が、モチベーションを高めるのではないかという意見が出された。
 葉山サンクチュアリ室長より、以前、会員にどういう事業に関心があるかを調査したところ、野鳥保護区購入に最も高い関心があったため、3年前から1口10万円の野鳥保護区基金を開始していること、会費の一部を充てることについては、財政事情を見ながら、執行役員と相談して決めたいとの説明があった。
 佐久間評議員より、維持管理費を捻出する方法として、用途を指定してアピールしてはどうか、野鳥保護区基金については知らない人が多いので、具体的な鳥の名称と金額を示した目標を掲げれば会員は理解しやすいと思うので検討してほしいとの提案があった。

 遠藤評議員より、調査研究部門について、ここ数年退職者の補充をせず、Strix発行も遅れていることから、今後どのようにするのかという質問があり、吉田新常務理事より、専門家集団としての役割の部分が弱体化しているのではないかとの指摘どおり、自然保護室の人員が減っていることは憂慮すべきことであること、当会の活動は科学的データに基づくべきであるという前提であるので、人員補充はできるだけ行い、クオリティーを落とさないように務めたいとの説明があった。
 古南自然保護室長より、自然保護室は発足当初の14名から、現在は受託事業の縮小等により7名に減っているとの説明があり、吉田常務理事より、法制度、調査研究、受託事業等を1人が何役も担当しており、明確に役割分担できないとの説明があった。

 池野進評議員より、風力発電についての当会の基本的スタンスについて、また配布資料「個別の風力発電建設計画への対応」の中の「事業者の都合により中断」の具体的内容について質問があり、古南自然保護室長より、「質問および意見」の資料で回答したように、風力発電については地球温暖化防止の手段として重要であるという前提があること、我が国の問題は、施設の設置場所によっては、野鳥の生息に大きな影響を与えるにも関わらず、許認可の制度がなく環境アセスメント法の対象になっていない等、法令や制度が不十分であること、一番大切なのは立地選択であり計画段階で影響評価を行うことが重要であるのにその制度がないことであること、現在の対策は、補助金を交付している経済産業省や国立公園を抱える環境省等に対し、個別の案件について問題を指摘すると同時に、きちんとした制度を早急に整えることを訴えていること、また稼動している風力発電所での実際の影響やバードストライクのメカニズムを調べることも必要であること、環境省等の風力発電の研究会において今後も提案していきたいこと、また、事業者の都合により中断した内容について、根室ウインドファームは、環境アセスメントが途中まで進んだが、変電所を作ることができないという北海道電力側の理由で凍結となったこと、汐首岬は、北海道電力の電力買い取り枠が限られているため、抽選による契約事業者決定が実施され、汐首岬の案件は抽選に外れたこと、また鳥羽ウインドファームは、国立公園普通地域で、環境省から環境調査が不十分であると指摘されており、事業者側で指摘に応じた調査が実行できず中断しているので、今後も支部とともに監視していきたい旨の説明があった。

 日比野政彦評議員から、赤字について、平成15年は1,600万円、平成16年は好転して200万円、平成17年は2,000万円、平成18年は2,950万円とずっと続いているが、豊かな繰越収支差額によりまだつぶれずに済んでいるが、3月に追認した平成19年度予算は6,000万円の大幅赤字であり、今回の1億2900万円の繰越収支差額から差し引いても7,000万円は残ることから、自然保護に対して十分な力を持って活動できると楽観的に見ることもできるが、平成19年度終了段階で予算が縮小されなければ、これまでのような活動はあと一年しかできないという認識で同意してほしいこと、調査研究の人員が削減され研究機能が低落していることは、お金を集めても熱意があっても、データを持てないことであり、吉田常務理事からの具体論を待ちたいこと、風力発電についても、データをもって説明ができるように自前の実験施設があってもいいと思うこと、会員減、研究レベル低下はあるが、プラスになるのは寄付であり、執行役員は何らかのターゲットを示してほしい、「したい」ではなく「やるぞ」というところを見せてもらえば我々は不安をもちながらも同意するとの意見があった。
 吉田常務理事より、平成20、21年の2ヶ年をかけて財政を立て直したいこと、私見としては、支出削減として、事業のスクラップ・アンド・ビルドにより事業費を平成20年度で500万〜750万円削減すること、人件費は自然保護室のクオリティー維持と、退職者と新しい人員の条件をプラスマイナスゼロとすること、収入増として、2ヶ年で少なくとも4,000人の会員増により会費の47.8%を活動費として1,000万円の収入増とすること、会員増に伴い販売事業収入も増えるので支出ベースで1,000万円増、販売物以外では、会員向けの国内ツアー等の実施で500万円増、寄付収入は、一般寄付収入とオリエントコーポレーションの寄付で1,000万円増等を挙げ、マンパワーに合った事業内容にして広報宣伝に力を入れたいこと、3ヶ年のテーマ事業を設定し、具体的なキャンペーン等は平成20年度に実施したい、これらの事業内容に併せてセクションを横断できるようなプロジェクト本位の事務局の体制を作りたい等の話があった。

 以上の審議をふまえ、第1号議案は同意された。

第2号議案 事務所の移転に伴う寄附行為第2条変更に関わる文書評議員会の開催について

 原元総務室長より、事務所の移転に伴う寄附行為第2条の変更に関わる評議員会の議決について、原則として書面表決による評議員会としたい旨、資料に基づき説明があった。また、今後の公益法人制度改革への対応で寄附行為変更が頻繁に発生する可能性があるため、主務官庁からの指摘もあり、寄附行為第32条を改定して文書評議員会について寄附行為にもりこむ検討を進める旨、説明があった。

 以上をふまえ、第2号議案は承認された。

●報告事項

1.新制度対応検討委員会の設置について

 原元総務室長より、平成18年度第四回理事会(H19.2.17開催)で承認された公益法人制度改革への対応について、検討会委員会のメンバーを確定し、第1回検討会を7月に予定している旨の報告があった。
 佐久間評議員より、任期について質問があり、原元総務室長より、今年度より2010年の4月以降の検討終了まで、3年程度としているとの説明があった。
橋口長和評議員より、メンバーの肩書きに変更があった場合について質問があり、原元総務室長より、理事等に変更があれば、改めて委員を選出することになるとの説明があった。

●質問・意見交換等

 山田三夫評議員より、風力発電施設計画に対して当会として説得力のある見解がほしいとの意見があった。

 磯崎博司評議員より、カワウについて、現行の鳥獣保護法では、有害駆除制度では対応できないため、狩猟鳥獣として個体数管理をすることになってしまったが、環境省と議論する上で欠けているのがデータと科学的な根拠であること、データがないから個体数管理を行ってデータを集めるという論理に逆転してしまったこと、移動範囲や具体的な被害の数字が必要になった場合に対応するためにもデータの充実を進めてほしいこと、来年は、ラムサール条約、世界遺産条約、ボン条約、気候変動条約を一度に審議する国際会議があるが、バードストライクについて、ライト・ポリューションとの関連で各支部のデータを積み重ねて提言できれば効果的と思うこと、風力発電だけでなくそれ以外の分野でも活動してほしいとの意見があった。佐久間評議員より、保護活動の一つのテーマとなると思うので、事務局で検討してほしいとの意見があった。
 古南自然保護室長より、カワウはこの10年程度、データを取り管理等について環境省を論破できたと思っているが、政策的な決定は別のことであり、今回は残念であったこと、ライト・ポリューションについては、風力発電に関してもライトアップしている施設があるが疑問視する意見も多いので今後検討していきたいとの説明があった。

 曽我千文評議員より、『野鳥』誌の編集体制について、パートスタッフで対応して質の維持ができるのか、会員を継続していただくためには『野鳥』誌の担う役割は非常に大きく力を入れていく部門ではないかとの意見があり、小林会員室長より、先月末に編集担当者が退職して専従がゼロになり、現状維持がやっとであること、品質を維持しつつ、収支を確保できるようにしたいとしか答えられないという回答があった。

 曽我評議員より、研修等の人材育成の取り組みについて、外部との接触の機会をもつ職員を対象とあるが、良い仕事をしている組織は末端の個人まで社会的ミッションを認識していると見受けられることから、職員は全員、どのような仕事をしていてもすぐに営業に行けるくらい、会の理念を身につけることが必要ではないかとの意見があり、吉田常務理事から、個々のスキルを120%出せるような研修プログラムを考えていきたいこと、当会の理念や思想については全職員がいつでも対応できるようにしたいとの説明があった。

 橋口評議員より、新制度対応検討委員会では評議員として傍聴したいこと、また今後企業の力をより活用することが必要と思うことから、当会も理念を明確にし、企業のCSRでメリットがあると主張できれば一層援助を受けることができると思うとの意見があった。
佐久間副議長より、新制度対応委員会の傍聴について、できるだけ参加できる方向で検討したいとの説明があった。
 前田幹雄評議員より、広報体制を充実してほしいこと、バードウィーク等の機会に東京から全国に向けて発信してほしいとの意見があり、佐久間評議員より、後者の意見について、バードソンのような全国一斉のイベントを本部から提案してほしい趣旨であることが確認された。

 以上により、17時27分、平成19年度第1回評議員会(定例)(第38回)は終了した。

 上記の審議を明確にするため、この議事録を作成し、議長および議事録署名人の名において署名、捺印する。

2007年 7月 5日  財団法人 日本野鳥の会

評議員会議長 評議員 松田 道生
議事録署名人 評議員 前田 幹雄
議事録署名人 評議員 中村 桂子

(総務室/吉家奈保美・大蔵博美)

事務局からのお知らせなど

普及室より

■探鳥会パンフレットの作成について■

●本企画の背景

 現在、全国で年間約3千回行われている支部の探鳥会の参加者は、延べ約8万7千人にのぼり(注)、自然や野鳥の素晴らしさを伝え、自然を守る仲間を増やすための柱の事業であると思います。そのため、探鳥会に一般(非会員)の新規参加者を増やしていくことは大変重要と考えております。
(注:2006年度に普及室で把握した回数と参加者数)

●探鳥会パンフレットの新規作成

 これまで普及室では、『野鳥』誌、ホームページ上で支部探鳥会情報の広報を行って参りました。これに加えて、支部毎の探鳥会情報を掲載できるパンフレットを新規に制作し、各支部へご提供することで、一般の新規参加者拡大につなげていきたいと考えております。
 既に独自の探鳥会パンフレットを制作・活用されておられる支部もありますが、コスト等の問題で単独制作が困難な支部もあるかと思われます。そこで普及室にて一括制作し、各支部へご提供することにより、全体でのコストを軽減しつつ広報効果を向上していきたいと考えております。

●パンフレットの内容

 パンフレットはA4判両面の表面を印刷したものを普及室が作成(全支部共通)し、裏面に各支部の探鳥会予定を適宜印刷・掲載いただけるよう考えております。表面の掲載内容については、これまでに各ブロック会議の場でご意見をいただき、内容を検討してまいりました。タイトルやデザインは現在も検討中ですが、試作版イメージをご覧ください。なお、北海道及び関東ブロックの皆様には、9月のブロック会議にてご説明し、ご意見をいただきたく考えております。さらに検討を重ね、来月の支部ネット通信9月号では、より完成に近い形でご覧いただく予定です。

探鳥会パンフレット

探鳥会パンフレット試作版のイメージ。A4版を3つ折りにして使用する。

●作成のスケジュールと、配布方法

 表面をカラーで印刷し、裏面が白紙の状態のものを普及室にて制作し、10月下旬頃には各支部にお渡しできる見通しです。なお、表面印刷制作費および各支部への送料は、財団が負担します。各支部におかれましては、裏面の印刷費用はご負担いただきたく存じます。
 11月のバードウォッチングウイークにあわせて、地元の市役所、公民館、図書館、博物館、資料館、自然系施設、飲食店、美容院や病院の待合室などに設置して、各支部の探鳥会情報の広報にご活用いただければ幸いです。

●お問い合わせ

 本件についてのお問い合わせは、
  普及室 普及教育グループ
  TEL 03−5358−3516 [email protected]
までお願いします。

(普及室/横田智)

■インターネットショップの拡充に伴い■
■一部URLが変更になりました■

 通信販売を中心とした販売事業が伸び悩むなかで、インターネットショップを利用したご注文は毎月前年実績を上回り、受注媒体の中でのシェアを高めています。
 そこで、このたびサーバーの移転を行い、商品掲載数を大幅に増加しました。これまでは限られた商品掲載数だったため、同様な商品を組み合わせたページ設定を行うなど構成に苦慮し、そのために若干見にくいページもあり、ご迷惑をおかけしていました。
 このたびの拡充で掲載商品数が増えたことにより、お客様に「サイズ」や「カラー」なども簡単に選んでいただけるようになり、商品のご購入もスムースになりました。
 また、支部発行書籍のご紹介コーナーも引き続き掲載させていただいておりますが、サーバーの移転に伴い、以前にお知らせしたURLが変更になりましたので、あらためて以下にお知らせいたします。
 支部ホームページ等で、リンクを貼っていただいている場合は、お手数でも修正をお願いいたします。

●日本野鳥の会 支部発行書籍の掲載ページ

 http://c05.future-shop.jp/fs/wildbird/c/gr20
 http://c05.future-shop.jp/fs/wildbird/c/gr79
※インターネットショップへの入口(http://www.wbsj.org/shop/web/index.html)はこれまで同様で変更ありません。

●お問い合わせ

 本件についてのお問い合わせは、
  普及室 販売出版グループ
  TEL:03-5358-3519、[email protected]
までお願いします。

(普及室/笹川泰次)

■初台バードプラザは移転準備のため■
■9月30日(日)〜10月上旬まで一時休業します■

 初台バードプラザは、事務所の移転準備のため9月29日(土)17時をもって一時休業いたします。移転先での開店日、連絡先などは改めてご案内申し上げます。

 休業の前の9月11日(火)〜29日(土)の期間に、店頭在庫商品の「売りつくしセール」を実施します。野鳥グッズや洋書(オリジナル書籍、オリジナルグッズなど一部除外品あり)を特別お買い得価格でご提供します。是非お出かけください。

●お問い合せ先

 普及室 笹川(TEL : 03-5358-3515)

(普及室/笹川泰次)

総務室より

■初台事務所とショップが10月上旬に移転の予定■

 経費節減や事務所の二極分散解消、個人情報セキュリティ確保等のため、今年度の事業計画に基づき、この春より適当な移転先を探しておりましたところ、品川区西五反田に希望条件に合致する良い所がみつかりました。新事務所は最寄りの東急目黒線「不動前」駅より徒歩5分またはJR山手線「五反田」駅より徒歩約10分等の交通至便な立地で、2フロア合計の床面積は今より広くなる上に、事務所経費もかなり削減できる見込みです。フロアを2つに分けることにより、大切な会員・支援者の皆様の個人情報セキュリティもよりいっそう高めることができます。

 以上のとおり経費削減と事業の発展や会員サービスのさらなる充実のため、10月上旬をめどに事務所とショップを移転することとなりましたので取り急ぎお知らせいたします。

 なお、移転後の連絡先、地図その他につきましては、改めて本通信9月号などにてご案内いたします。

 引越の前後は、財団事務局が休業状態となり、支部の皆様にご迷惑をかける場合もあるかと存じますが、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

●移転先

 〒141-0031
 東京都品川区西五反田3丁目9番地23号
   丸和ビル
 最寄り駅
  東急目黒線「不動前」駅より  徒歩5分
  JR「五反田」駅より    徒歩約10分
  JR「目黒」駅より     徒歩約10分

●移転時期

 2007年10月上旬の見込み

●お問合せ先

 総務室 原元・岩下(TEL : 03-5358-3513)

(総務室長/原元奈津子)

■「支部報とりまとめ発送」次回日程のご案内■

 次回の支部報取りまとめ発送日は9月11日(火)ですので、支部報は下記の要領でお送りくださるようお願いします。(支部報取りまとめ発送についての詳細は、支部ネット通信2007年6月号をご覧下さい。)

送付期日 2007(平成19)年9月10日(月) 必着
送付部数 110部
※東京支部におかれましては130部お願いします
※神奈川支部、埼玉県支部、奥多摩支部、千葉県支部におかれましては120部お願いします
※ご事情により必要部数に満たない場合は、総務室にて発送先を調整させていただきます
送付先 〒151-0061東京都渋谷区初台1-47-1小田急西新宿ビル1階
(財)日本野鳥の会総務室 支部報担当宛
本件に関する
お問合せ先
03-5358-3513 総務室 吉家(きっか)

(総務室/吉家奈保美・大蔵博美)

会員室より

■震災などに備えた会員データ保管<続報>■
■万一のデータ取り出しは佐藤副会長に■

 会員を始めとした約17万人分のデータを、万一の大規模災害などにより事務所のビルが倒壊するような事態に備えて、都心から約60km離れた「住友倉庫羽生トランクルーム」に委託保管していることは、本通信2007年5月号でお知らせしました。また、このトランクルームからデータを取り出すための認証印が初台事務所にしかなく、事務所が壊滅し印鑑が失われた場合の対応が課題となっていることも同号でお知らせしておりました。
 その後、代理の印鑑を作成する場合どこに責任をもって保管しておくか検討してまいりましたが、この度、佐藤仁志副会長に委託することとなりましたので、お知らせいたします。
 佐藤副会長は島根県在住ですので、首都圏が大きな災害に襲われましても影響が少ないと考えられます。副会長にはこの印鑑と手続き書類、対応マニュアルをお預けし、万一のために保管をお願いするよう、現在手配しております。
 万一の大規模災害などにより事務所が破壊され、職員も勤務不可能という事態になった場合、地方在住の職員や支部の方々に会の再興を託すこととなりますが、その際には副会長にデータを取り出していただければ、早期の復旧に役立てられると思います。

 なお、改めまして会員データなどの保管と復元の概要を下記に掲載いたします。

●佐藤副会長にお渡しするもの

<緊急配達依頼書>
 トランクルームのデータを受け取る際に必要な書類です。
<開封専用印>
 上記の「緊急配達依頼書」を有効にするにはこの印の捺印が必要です。

●会員・支援者データの保管場所

  • 名簿およびシステムのデータは、群馬県に近い埼玉県羽生市の「住友倉庫羽生トランクルーム」で専用の小型コンテナに収められています。
  • コンテナは専用の鍵で施錠されており、当会事務所の耐火金庫で保管しています。鍵の複製は不可能ですが、唯一の予備鍵がトランクルームに封印保管してあります。

●コンテナを開けるには

  • 当会事務所が破壊され鍵や印鑑の回収が困難な場合、直接トランクルームに行き、捺印済みの「緊急配達依頼書」を提出し、預けてある予備鍵を使ってコンテナを開けることになります。

●データを使えるようにするには

  • コンテナにはテープ(DAT)およびMOディスクが入っています。
  • DATは名簿データのバックアップ、MOは会員システム自体の概要データです。
  • システム業者などに依頼して、まずMOからシステム自体を復元します。システムは、マイクロソフトのアクセスを利用したデータベースです。
  • システムの復元ができたら、DATから名簿データを読み込みます。

(会員室/齋藤英一郎)

■野鳥誌8月号を支援者の方々へ送付■

 前年度の事業報告を特集した野鳥誌8月号は、支部型(赤い鳥)会員を含むすべての会員の皆さまへお送りしています。2005年度からは、前年度に一定額(5,000円)以上の寄付をくださった非会員の方、および一定額(10,000円)以上の商品を購入いただいた非会員の方(DM不要の申し出をいただいた方除く)へも、会の活動をご報告し、さらに支援いただけるようにとの考えからお送りしております。今年度、この対象となった方は1,427名(昨年度1,176名)で、7月末にお送りいたしました。

(会員室/齋藤英一郎)

■会員数 前月比で40人減■

●8月1日会員数 44,978人(対前月-40)

 7月に比べ会員数が40人減少しました。
 7月の入会・退会者数の表をみますと、入会者数は退会者数より52人少なくなっています。会員の増減は、入会者数と退会者数のほかに、会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活した人数によって決まります。この復活者数と入会者数との合計が退会者数よりも多かったために、前月に比べ40人の会員数減少となりました。
 7月の入会者数は前年同月の入会者数に比べ+38人でした。

表1.7月の入会・退会者数
入会者数 退会者数
個人特別会員 3人 13人
総合会員(おおぞら会員) 35人 71人
本部型会員(青い鳥会員) 44人 38人
支部型会員(赤い鳥会員) 47人 56人
家族会員 35人 38人
合計 164人 216人
年度累計 796人 ※  

 ※会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活する方がいらっしゃるため、退会者数の年度累計は、実際の退会者数とはずれた数字となります。このため、退会者数合計については年度末の集計後にお知らせいたします。

●都道府県および支部別会員数

 野鳥誌贈呈者数を除いた数を掲載します。

表2 都道府県別の会員数 (8月1日時点)
都道府県 会員数 対前月差 都道府県 会員数 対前月差 都道府県 会員数 対前月差 都道府県 会員数 対前月差
北海道 2,071人 5人 神奈川県 4,641人 -17人 大阪府 2,345人 1人 福岡県 1,554人 0人
青森県 342人 4人 新潟県 478人 -1人 兵庫県 1,715人 -8人 佐賀県 214人 1人
岩手県 465人 -1人 富山県 263人 -1人 奈良県 647人 1人 長崎県 273人 0人
宮城県 595人 1人 石川県 322人 -6人 和歌山県 222人 -1人 熊本県 457人 -6人
秋田県 259人 -3人 福井県 282人 0人 鳥取県 231人 0人 大分県 278人 0人
山形県 222人 2人 山梨県 368人 -4人 島根県 158人 -1人 宮崎県 295人 1人
福島県 860人 2人 長野県 1,028人 -2人 岡山県 652人 2人 鹿児島県 428人 2人
茨城県 1,176人 -5人 岐阜県 665人 3人 広島県 711人 1人 沖縄県 159人 -3人
栃木県 568人 0人 静岡県 1,666人 -11人 山口県 520人 -3人 その他 136人 7人
群馬県 960人 1人 愛知県 1,825人 -11人 徳島県 389人 -1人 全国 44,978人 -40人
埼玉県 2,735人 0人 三重県 533人 1人 香川県 273人 -1人  
千葉県 2,308人 5人 滋賀県 364人 -1人 愛媛県 383人 6人
東京都 6,818人 -6人 京都府 948人 0人 高知県 176人 -1人
備考:その他は海外在住の会員を示します。
表3 支部別の会員数 (8月1日時点 )
支部 会員数 対前月差 支部 会員数 対前月差 支部 会員数 対前月差 支部 会員数 対前月差
小清水 8人 0人 福島 205人 2人 長野 545人 1人 島根県 171人 -2人
オホーツク 220人 0人 郡山 228人 0人 軽井沢 261人 -2人 岡山県 636人 3人
根室 87人 1人 二本松 56人 0人 諏訪 261人 -1人 広島県 669人 -1人
釧路 191人 0人 白河 74人 1人 木曽 49人 0人 山口県 529人 -3人
十勝 150人 1人 会津 78人 -1人 伊那 96人 0人 香川県 242人 -1人
旭川 99人 0人 南会津 19人 1人 甲府 258人 2人 徳島県 421人 -2人
滝川 58人 1人 いわき 147人 0人 富士山麓 90人 0人 高知 182人 -1人
道北 37人 0人 福島県相双 13人 0人 東富士 61人 0人 愛媛県 367人 4人
江別 24人 0人 南相馬 20人 0人 沼津 234人 -1人 北九州 417人 0人
札幌 415人 1人 茨城 1,123人 -7人 南富士 273人 -1人 福岡 775人 1人
小樽 145人 -1人 栃木県  549人 4人 南伊豆 58人 0人 筑豊 221人 1人
苫小牧 225人 -4人 群馬県 846人 -1人 静岡 534人 -8人 筑後 188人 -1人
室蘭 174人 1人 吾妻 100人 2人 遠江 472人 -2人 佐賀県 254人 1人
函館 82人 2人 埼玉県 2,256人 5人 愛知県 1,432人 -8人 長崎県 282人 -1人
道南檜山 69人 0人 千葉県 1,734人 -2人 岐阜県 684人 3人 熊本県 457人 -3人
青森県 207人 0人 東京 4,855人 -5人 三重県 463人 1人 大分県 280人 0人
弘前 149人 0人 奥多摩 1,055人 -8人 奈良 605人 1人 宮崎県 290人 -1人
秋田県 257人 -3人 神奈川 3,660人 -14人 和歌山県 228人 -1人 鹿児島県 381人 0人
山形県 219人 0人 新潟県 394人 -3人 滋賀 317人

1人

八重山 76人 -4人
宮古 118人 -2人 佐渡 24人 0人 京都 1,000人 2人 やんばる 126人 0人
盛岡 218人 1人 富山県 238人 0人 大阪 2,246人 -10人 合計 40,964人 -68人
北上 131人 -1人 石川 317人 -2人 兵庫県 1,456人 -5人  
宮城県 575人 0人 福井県 277人 0人 鳥取県 251人 1人

備考:支部別の会員数の合計は、都道府県別の会員数の合計と異なります。これは、本部型(青い鳥)会員や支部に所属されていない個人特別会員が支部別の会員数に含まれないためです。

(会員室/伊野純子)

■支部ネット担当より

●全国ブロック連絡会議

 先月号でご案内いたしました第1回全国ブロック連絡会議ですが、早速のお申し込みをいただきありがとうございます。また、ご案内の手順に不行き届きがありまして、大変申し訳ございませんでした。
 ブロックの構成支部からもご出席いただきたいと思っておりますので、お忙しい時期とは思いますがどうぞよろしくお願いいたします。開催要項は、本通信7月号の巻頭をご覧ください。

●会員数は上向き傾向

 5月に比べ6月は54人増加したのですが、7月は40人減少してしまいました。期首会員数から比べると45人の減少となりますが、過去3年間はこの時期で300〜700人減少していましたから、それに比べるとかなり小さい減少幅です(注)。入会者数でも、4月からの4ヶ月連続で前年同月を上回っております。
 毎月会員数が減り続けた時期に比べると状況が好転してきた感があります。もう一頑張りと思いますので、各支部におかれましても会員拡大よろしくお願いいたします。
(注:会費切れ退会期間を変更し、一時期、会費切れ退会者が発生しなかった05(H17)年度を除く比較)

 本通信のバックナンバーは、ホームページから閲覧できます。URLは以下のとおりです。
http://www.wbsj.org/info/shibu/net/index.html
 電子メールでもお送りしています。お申し込みは支、部単位で右記のメールアドレスまでお気軽にどうぞ。

(会員室長/小林豊)

支部ネット通信 第41号
◆発行
財団法人日本野鳥の会 2007年8月20日
◆担当
会員室
〒151-0061 東京都渋谷区初台1-47-1
小田急西新宿ビル1F
TEL.03-5358-3510,3511,3512
FAX.03-5358-3608
E-mail:[email protected]