No.64 2009年7月号


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目次 ■ブロックの動き
 09年度全国連絡会は1月30、31日に
 近畿ブロック会議 出席報告
■支部の動き
 西表設立総会と石垣島第1回探鳥会
 支部報保護・調査記事関連トピックス
■理事会議事録
 平成20年度第4回理事会(定例)議事録
■事務局からのお知らせなど
 カンムリウミスズメ 八丈島で上陸調査
 訂正記事「密猟防止のための識別研修会」
 ワイルドバード・カレンダー採用作品決定
 ワイルドバード・カレンダーへの名入れ印刷
 支部長交代のお知らせ
 H20事業報告・決算をホームページへ掲載
 会員数

ブロックの動き

■09年度全国連絡会は1月30、31日に■

 今年度の全国ブロック連絡会は、年が明けまして1月30日(土)、31日(日)に開催する予定です。
 参加費用、開催地など詳細はまた改めてご案内させていただきますが、開催日程についてはどうぞご予定いただきますようお願いします。

(会員室長/小林豊)

■近畿ブロック会議 出席報告■

【日程】2009年6月13日14時〜14日12時
【会場】奈良県上北山 大台ケ原
【主管】奈良支部
【出席】大阪支部、兵庫県支部、和歌山県支部、京都支部、滋賀支部、奈良支部の6支部から26名の参加があった
財団からの出席は、佐藤仁志副会長、山本裕(自然保護室チーフ)、林山雅子(普及室)の3名
【欠席】なし
【来賓】なし
【議題・内容】
  1. 挨拶

    • 奈良支部 川瀬 浩 支部長
    • 財団 佐藤 仁志 副会長
  2. 理事会報告

  3. 川瀬理事(奈良支部長)より、理事会報告(平成20年度予算及び20年度決算等)があった。
    • WINGの名称を「鳥と緑のセンター」に変更し、日野市民により情報等が還元できる施設とする
    • 佐藤副会長が常勤となる
    • 公益法人新制度により、評議員は最高経営責任者となる。会長、副会長は象徴的な存在となる
    • ストリクスの復刊に向けて活動していく
  4. 評議員会報告

  5. 納屋仁評議員(大阪支部幹事)より、今年度の評議員会について配付資料をもとに報告があった。
    • 事業報告;一般寄付が堅調であり、バードメイトも含めて伸びている
      法人会員が150社→170社(最盛期は200社)、景気の影響により大企業でも退会する企業がある
    • 決算報告;出版物販売数の伸び悩み
      「トリーノ」の広告収入の減
      中途退職者があり、人件費は減
    • 伊藤監事からの依頼として

      1. 財政再建への明らかな道筋をつくる
      2. 自然保護、普及活動の効率化と有効化
      3. 職員が誇りをもって働ける体制づくり
      があった
    • 定款変更の案の承認、目的・小幅修正・その他公益認定ガイドラインに沿った文言の修正を行う
      支部の名称は「日本野鳥の会+地域名」(環境省、内閣府が調整のうえ政府内で確認)
    • 評議員選定委員会を設置する
    • 8名で構成。現評議員会代表1名(松田評議員会議長)、監事1名、事務局員1名、会員2名(評議員から札幌支部山田氏、宮崎県支部前田氏)、外部委員3名
    • その他;ストリクスの復刊に向けて活動していく

  6. 議事

  7. ●公益法人新制度改革について
    現在に至る経過及び今後の見通しについて佐藤副会長より説明が行われた。
    1. 名称形式は環境省を通じて再度公益認定委員会事務局と調整した結果、支部名称は「日本野鳥の会+地域名」で問題はないとの見解を得た
    2. 2010年6月頃までに、支部名称の変更(支部規定の変更)をお願いしたい。もし対応が無理な場合には個別相談に応じる旨の連絡を行なう
    3. 制度改革対応に関するブログで、「公益法人制度改革に関する一問一答集」を掲載しているので、ご確認をお願いしたい
    <意見、提案>
    • 名称に関しては、一般会員がわかりやすいようにし、統一感があったほうがいい(兵庫県支部)
    • 支部という名称をとることで、任意団体であるイメージが強くなるため、調査等の仕事を行政からうけにくくなるなどの理由から、法人になることを検討している(大阪支部)
    ●近畿ブロック規模での野鳥調査等の取り組みの提案(川瀬奈良支部長)
    奈良南部「二津野ダム」は4000羽を超えるオシドリの越冬地になっている。この場所は、奈良、和歌山、三重の三県にまたがっている。このように複数県にかかる場所は近畿地方には他にもあり、ブロック全体での調査体制を作りたいとの提案があった。

    ●探鳥会関係の報告とご提案(林山雅子 財団普及室)

    • バードウィーク一斉探鳥会時の非会員参加率は33.7%だった。野鳥ファン拡大のために次年度も拡大して実施したい旨をご連絡するとともに、支部からのご意見を伺った。
      →探鳥会実施計画は、早い時期に作られるので、それにあった迅速な実施連絡の依頼が必要(各支部から)
    • 探鳥会保険申請の変更のご確認および申請のお願いを行なった。
    • 探鳥会ホームページのリニューアルのご報告と追加、修正の受付のご案内を行なった。
    • フィールドマナー改訂のご報告と今後は普及に努めることの連絡を行なった。
    ●自然保護室からのご報告(山本裕 財団自然保護室チーフ)
    • モニタリングサイト1000 陸生鳥類調査について、調査協力のお礼とこれまでに得られている結果の概要報告を行なった。
    • 「IBA白書2010」作成に向けて現在内容を検討中である。今後、アンケートをお願いするので協力をお願いしたい旨連絡を行なった。
  8. その他

  9. ●2009年10月24日(土)に運行する「環境イベント列車 琵琶湖・淀川環境号」への参加の呼びかけが行なわれた(平軍二大阪支部長)。
  10. 懇親会

  11. 夕食後、懇親会が開かれ、各支部、および財団での情報交換を行なった。
  12. 探鳥会

  13. 日本の国立公園で1番目に実現した「利用調整地区」に入山し、環境省が設置した防鹿柵の現状や立ち入り制限された自然環境内での野鳥観察等を行なった。

(普及室/林山雅子)

支部の動き

■西表設立総会と石垣島第1回探鳥会■

 先月号で石垣島支部と西表支部が認定され、石垣島支部が設立総会を開かれたことをご報告しました。その後、西表支部でも設立総会が開かれました。また同日に石垣島支部の第1回探鳥会も開かれまして、いずれも財団から会員室長の小林が出席しましたので、その模様をご報告します。

●西表支部
【設立総会】
 6月14日13時半より、竹富町西表島の内浦公民館において、設立総会が開催されました。出席者は5名でしたが委任状が14名あり、総会としては成立です。規約案の承認、衣斐継一支部長以下、伊藤正孝副支部長などの役員の選出、10月のサシバ探鳥会、3月の春の探鳥会、支部報として野鳥情報のメール配信などの事業計画と予算案が承認され、西表支部が発足しました。
【第1回探鳥会】
 14日の午前に西表支部の第1回探鳥会が開催される予定でしたが、あいにく早朝までの強い雨で中止となりました。ただ朝方から徐々に天候が回復してきましたので、有志で探鳥会予定地に出かけました。
場所は、西表島の北西側、道も通っていない船浮地区です。道路が途切れる白浜から連絡船に乗り、10分ほどのところです。時間が遅めでしたので鳥は見られませんでしたが、集落を抜けるときれいな砂浜がひろがっていました。また、あまり交通の便がよいとは言えないとこですが、それでも大手資本によるリゾート開発の計画があるそうで、企業に買い取られてしまったカンムリワシのすむ森を見学しました。
●石垣島支部
【第1回探鳥会】
石垣島支部の第1回探鳥会が、6月14日の夕方から開かれました。
場所は市街地からほど近いバンナ公園。およそ20人の参加があり、施設内で聞きなしの練習やカエルの声などを覚えた後、暗くなった園内でリュウキュウコノハズクやアオバズク、それにアイフィンガーガエルなど何種類ものカエル類の声を楽しみました。リュウキュウコノハズクとクビワオオコウモリは、ちらっとですが姿を見ることもできました。

(会員室長/小林豊)

■支部報保護・調査記事関連トピックス■

 本記事は日本野鳥の会本部に送付されてきている各地の支部報から抽出して作成し、調査・保護に関心がある野鳥の会内部の方へ配信しております。
 本記事の一部又は全部を不特定多数が見る可能性があるところへ公開される場合は、各支部の了承を事前に得て下さい。記事は筆者の意向に反しないように、取り扱いをお願いします。

※編注:
事務局の手違いにより、掲載が中断しておりました。お詫びいたします。
中断中のトピックスを今号から何度かに分けて掲載いたします。分量が多くなりますが、ご了承ください。

○支部報保護・調査記事関連トピックスNO.464

●2009/3 室蘭
・支部活動への参加訴え
・餌やりの問題
●2008/12〜2 盛岡
・風力発電設備でのイヌワシ衝突死事故現場調査
●2009/3 神奈川
・相模川ふれあい懇談会が発足 
・順序が逆 
・野鳥を増やそう 
・キジバトの誕生観察記録 
●2009/3 富士山麓
・トラツグミの奇妙な行動 
・山中湖、河口湖に飛来したガンカモ
●2009/3-4 愛媛県
・カモ類調査の報告 
●2009/3 熊本県
・九州中央山地の尾根越えに挑戦するタカ 
・クロツラヘラサギ・ズグロカモメ一斉調査報告 

●2009/3 室蘭
・支部活動への参加訴え
 支部創立30周年、設立に係られた方々が現在も支部役員として、支部活動を支えている。その役割を次世代へ引き継ぐ時期になっている。地域に残された貴重な自然を子供たちに残していくのは、私たち大人の責任である。本会の果たす役割は、今後とも地域の自然を守っていく上で重要である。大事な事は、会員が会の活動の主人公になる事である。会を通じて、人と繋がっていく事も大切な視点である。現役員は高齢化のため、多くの会員が積極的に会を支える主人公として立ち上がって頂きたい。
(室蘭「ハヤブサ」NO.114,P2)

・餌やりの問題 
 餌やりの自粛は東京都の不忍池では、07/12から、ウトナイ湖では08年秋から始まっている。餌やりで愛鳥家、自然保護に関心を向ける人を増やしたのは事実であるが、08年の高病原性鳥インフルエンザでのハクチョウ死亡で「野鳥は病気を運んでくる、餌やりは全て悪い」と極端な誤解を広めた。水鳥飛来地のような不特定多数が餌を与える場所では、管理が難しいので、餌やり禁止は望ましい。各自の餌台では問題点を認識し、管理する事は可能なのでは。
(室蘭「ハヤブサ」NO.114,P3〜4)

●2008/12〜2 盛岡
・風力発電設備でのイヌワシ衝突死事故現場調査
 9/20、釜石広域ウインドファーム風力発電設備で、イヌワシの白骨死体が発見され、県内3支部で組織される岩手県連絡協議会と本部自然保護室合同で現場を調査した。本部浦氏はイヌワシは視覚認識機能に問題があり、晴天でも危険はあるとする。12/8、岩手県知事へ要望書を提出した。岩手県には全国の約1割のイヌワシが生息し、32箇所の営巣地が発見されている。適切な衝突防止策を立案、実施すること。事故再発防止委員会を設け、猛禽類飛翔状況調査を継続すること、規則的に動くロボットではイヌワシはすぐ慣れてしまうこと、イヌワシ飛来確認時は風車運転停止を指導すること。
(盛岡「山翡翠」NO.324〜6、P3〜6)

●2009/3 神奈川
・相模川ふれあい懇談会が発足 
 12/6、一般公開で支部長が世話役として入り、同会が発足した。H9年の河川法の改正で、河川環境の保全と整備、民意の反映が加わった。この懇談会で相模川、中津川の整備計画のたたき台を、流域自治体で構成する相模川川づくり協議会の意見と調整して作り、学識経験者、流域住民意見、知事、市町村長の意見を加え、「河川整備計画」として策定される。県内の多摩川、鶴見川では同じような協議会がいち早く、できている。
(神奈川「はばたき」NO.442,P2)

・順序が逆 
 例えば、コスタリカのツアー放映で、日本の都市近郊でも普通に見られるのと余り変わらないナナフシの擬態に驚嘆するシーン、釧路湿原のツアーから帰った人がアオサギを初めて見て感激したと言われると、多少違和感を持つ。日本の身近な生物を知らない人が目立ち、やる事の順序が逆です。行政も司法の差し止め判決さえ無視して、時代錯誤の計画を企てる。「地域の活性化」という決まり文句で、金儲けを先に考えてしまうのも順序が逆で、自然環境の何たるかを、小学校の理科からやり直して頂きたい。
(神奈川「はばたき」NO.442,P3)

・野鳥を増やそう
 野鳥が増えるのを妨げる制限要因として、環境、食料、天敵、寄生虫を含む病気、気候、生息密度等がある。野鳥が減った時、その制限要因を摘出して対応が必要である。野鳥を増やすのに役立った例として、道路の橋脚の壁面から少し離して、5cm位のメッシュの金網で覆うと、蔦が這い上り、その隙間にオオルリ等が営巣する。ドイツではこれを巣ポケットと称して、壁面緑化で巣箱を使わない野鳥が営巣している。
(神奈川「はばたき」NO.442,P4〜5)

・キジバトの誕生観察記録 
 キジバトが庭の松に巣を作り、産卵2個、孵化2羽、1羽が巣立った。5/2〜3、巣作り。5/3、産卵、雌雄交代で抱卵開始。5/31、2羽孵化、6/6、蛇に雛1羽取られる。6/10、親鳥は夜間の添い寝を止めて、巣から離れる。6/13、巣立ち雛は余り飛べないが、仮巣立ちで夜間、別の木で休む。6/23、飛ぶ訓練で庭より外へ飛び出る。7/8、給餌したためか、飛来して、鳴いて餌をねだる。
(神奈川「はばたき」NO.442,P6)

●2009/3 富士山麓
・トラツグミの奇妙な行動 
 1/12、忍野村で雪が解けた所でトラツグミが餌を探している。立ち止まったまま、6、7回体を上下し、3、4歩動き、地面の枯葉をひっくり返し、餌を探す。これを何度も繰り返し、離れているので、音は聞こえないが、中西悟堂の本にドッドッドッと音が腹の中から聞こえてくるとの記述がある。多分、地中の虫を追い出すためと思われる。
(富士山麓「野鳥の声」NO.128,P4)

・山中湖、河口湖に飛来したガンカモ
 1/16、定点調査した。カモの数は山中湖で484羽、河口湖で657羽であった。山中湖ではヒドリガモ25%、マガモ24%、カワアイサ24%、ホシハジロ19%等で、河口湖ではマガモ55%、キンクロハジロ14%、ヒドリガモ9%等。過去の推移はH12年:山中湖:563、河口湖:1,404、H15年:803、871、H18 年:602、1,018。
(富士山麓「野鳥の声」NO.128,P8〜9)

●2009/3-4 愛媛県
・カモ類調査の報告 
 1/11〜13、県下で調査した。17種、28,066羽(前年26,327)をカウントした。内訳はマガモ9,398、コガモ4,996、オナガガモ4,697、ヒドリガモ4,028、カルガモ1,660、オシドリ1,245、トモエガモ688、ホシハジロ380、キンクロハジロ312、ヨシガモ189、ハシビロガモ186、オカヨシガモ153、ウミアイサ112、スズガモ16等。
(愛媛県「コマドリ」NO.189,P16)

●2009/3 熊本県
・九州中央山地の尾根越えに挑戦するタカ
 4年越しの調査で、宮崎県の奥椎葉から九州中央山地を越えて熊本県の奥球磨へサシバ、ハチクマが渡っているのが確認できた。同地は自衛隊機の山岳特殊訓練地でジェット機やヘリコプターが低空で尾根を越えて行き、バードストライクが懸念される。
(熊本県「野鳥くまもと」NO.262,P2〜6)

・クロツラヘラサギ・ズグロカモメ一斉調査報告
 1/11、熊本県内の海岸、河口等を調査した。確認数はヘラサギ4(成2、若1、不明1)、クロツラヘラサギ84(成18、若13、不明53)、ズグロカモメ564であった。2/28、日本クロツラサギネットワークで報告(於福岡)予定。
(熊本県「野鳥くまもと」NO.262,P16)

 

○支部報保護・調査記事関連トピックスNO.465

●2009/4 オホーツク
・木の寿命
●2009/3 滝川
・タンチョウ何でもQ&A
●2009/4 千葉県
・支部の活動はボランティアの手で
・カモメたちの受難 
・アホウドリ鳥島気象観測員の記録(2/4 朝日新聞)
・野鳥の越冬地が北上、温暖化が原因か(2/12 千葉日報)
・海中公園拡大へ環境省方針(2/6 朝日新聞)
●2009/4 東京
・東京のオオタカについて調べます
●2009/4 南富士
・去り行く冬鳥ユリカモメについて
●2009/4 石川
・ガンカモ調査 
・東アジア・オーストラリア地域フライウェイパートナーシップ
・風力発電施設建設計画への対応

●2009/4 オホーツク
・木の寿命 
 道内の長寿樹木はイチイ(一位ではない)1,700年、ミズナラ1,200年、ミヤマビャクシン1,000年、トチノキ800年、カツラ、ナルニレ、スギ、クロマツ共に700年位である。トドマツ、エゾマツ等の針葉樹は毎年、規則的に成長するので、横枝の段数からおよその樹齢を知るが、老木では難しい。
(オホーツク「ばあどこおる」NO.263,P2)

●2009/3 滝川
・タンチョウ何でもQ&A
 鶴居・伊藤サンクチュアリの有田茂生チーフレンジャーに訊いた。タンチョウは道内に1,065羽、国外には約1,400羽と言われる。鶴居村には約300番、600羽。飼育下では36年半の長寿記録があるが、野生では18〜20年が限界。1日の移動は100kmも可能。抱卵期間は32日、孵化度100日前後で飛べるようになる。1番が営巣に必要な面積は東京ドーム20個分。環境省から冬期の餌代として500〜600万円支給。道内で約300羽に足環が付けられ、07/3現在、約130羽の生存が確認されている。
(滝川「あかもず」NO.36,P4〜5)

●2009/4 千葉県
・支部の活動はボランティアの手で 
 支部は3分野(普及活動、調査・研究活動、保護活動)で活動を展開している。これらは全てボランティアの手で行われており、「鳥の為にいい事を!」の志が千葉県の環境を護る。幹事会は会員に積極的な参画を呼び掛ける。
(千葉県「ほおじろ」NO.336,P2)

・カモメたちの受難
 2/14、鴨川市でユリカモメが多数死亡した。国道に点々と落ちた鳥が見える。翼を折って血だらけのものいる。死亡は28羽にのぼり、未明からの最大風速30m以上の南南西の風による衝突死であった。
(千葉県「ほおじろ」NO.336,P11)

・アホウドリ鳥島気象観測員の記録(2/4 朝日新聞)
 1947年、鳥島に気象観測所が開設され、51/1、十数羽のアホウドリを故山本正司所長が発見した。日本鳥学会に報告され、国際的に大反響となった。その後、観察は所員の私的な努力で続けられ、62/4、国の天然記念物となった。野良猫は退治したが、65/11の大噴火で観測所は閉鎖され、その時42羽であった。この間、所員の渡辺栄一氏、藤沢格氏の観察記録や写真は貴重な資料となり、東邦大学の長谷川博教授や山階鳥研に引き継がれ、2,000羽を超えるまで復活した。
(千葉県「ほおじろ」NO.336,P12)

・野鳥の越冬地が北上、温暖化が原因か(2/12 千葉日報)
 2/10、全米オーデュポン協会は北米に生息する野鳥の越冬地が過去40年間で平均56km北上したと報告した。66年以来、クリスマス前後に数万人が観察し、305種の野鳥の越冬地を分析した。内、177種の越冬地が北へ移動し、100マイル(160km)を超えたものは60種以上、ウミアイサは500kmにも達した。海沿いや草地に暮らす鳥は森の鳥に比べ、移動距離は短かった。
(千葉県「ほおじろ」NO.336,P12〜13)

・海中公園拡大へ環境省方針(2/6 朝日新聞)
 2/5、環境省は海中公園の指定区域を広げ、海鳥が休む岩礁や干潮時現れる陸地も対象にし、レジャーボート乗り入れ規制等を盛り込んだ自然公園法改正案を今国会に提出する。海中公園は全国69箇所、計3700haあり、中央環境審議会は海上も保全できるよう拡大する、海鳥等への影響のため、動力船の乗り入れ規制が必要と答申した。
(千葉県「ほおじろ」NO.336,P13)

●2009/4 東京
・東京のオオタカについて調べます
 東京のオオタカは80年代の狭山丘陵での密猟監視から表面化し、支部は間接的にしか関わってこなかった。支部報での記録を見ると、70年代後半から、23区内にも進出し、その後急激に個体数が増えたと読み取れる。01年には皇居内でも繁殖したとされた。東京都及びその周辺に30数箇所で営巣が確認され(西野一雄 Goshowk Vol.5 2007)、東京オオタカクラブ(練馬区)は開発に伴う事案を提起している。支部は問題が大きく、影響が種々に渡るとして、 取り組みに躊躇していた。支部にはデータが無く、研究部として、対応するため、情報収集の協力を求める。
(東京「ユリカモメ」NO.642,P13)

●2009/4 南富士
・去り行く冬鳥ユリカモメについて
 モニタリング1000で、ユリカモメの動向が話題になっている。九州では渡来数が極めて少なく、藤前干潟では例年の半分程度、京都の鴨川では例年より早く姿を消す、江戸川放水路では3年前の4,076羽が今年は517羽、東京港野鳥公園では92年から減り出し、98年以降急減とある。風蓮湖では例年1月にはいなくなるユリカモメが今年は200程度が残っていた。ユリカモメの越冬北限が北へ移動していると推測する。
(南富士「さえずり」NO.317,P8)

●2009/4 石川
・ガンカモ調査
 1/11、県下13箇所で調査した。69年より開始し、石川県の委託調査になって23年になる。今回はマガン3、ヒシクイ89、オオハクチョウ10、コハクチョウ859、カモ類30,403であった。内訳はマガモ9,867、コガモ6,201、ヒドリガモ4,421、カルガモ3,637、ホシハジロ1,855、オナガガモ1,205、トモエガも1,144、キンクロハジロ1,001等。カモ類の過去の記録89年:58,397(内マガモ33,107)、99年:47,559(内マガモ21,336)である。
(石川「石川の野鳥」NO.145,P3)

・東アジア・オーストラリア地域フライウェイパートナーシップ
 鴨池は「東アジア地域ガンカモ類重要生息地ネットワーク」に創立の99年以来参加していたが、今回その活動満了を受け、「東アジア・オーストラリア地域フライウェイパートナーシップ」に移行し、3/12、参加認定証授与を受けた。
(石川「石川の野鳥」NO.145,P7)

・風力発電施設建設計画への対応
 加賀市鴨池のマガンの飛行ルートに近い、あわら市の北潟湖畔に鞄d源開発による風力発電施設の建設計画がある。2月〜3月、加賀市長、鴨池レンジャーによる近隣3町内へ説明会を実施、同町内から加賀市議会、石川県知事に対し、要望書が出された。加賀市長に賛同し、地域住民の建設反対意見が公式に出された。加賀市は「マガンがいる風景」を同市が誇る文化的景観とし、保存するよう働きかけをしている。
(石川「石川の野鳥」NO.145,P8)

 

○支部報保護・調査記事関連トピックスNO.466

●2009/4 道南桧山
・海鳥研究から見える刷込みの不思議
・汐首岬の春の渡り調査結果 
・珍鳥ナキイスカ松前で捕獲
●2009/3 郡山
・ツバメの塒入り調査報告 
●2009/2 長野
・公益法人制度改革について
●2009/1  奈良
・溜池とカモ類
・秋のタカ渡り記録2008
●2009/3 和歌山県
・ガンカモ調査
・和歌山県の鳥獣保護、動物愛護の現状
●2009/4 高知
・平成20年度ガンカモ調査結果 
●2009/3 長崎県
・タカの渡り記録
・カササギの動向

●2009/4 道南桧山
・海鳥研究から見える刷込みの不思議
 全米オーデュポン協会の「鳥類学」より。刷込み(Imprinting)は、鳥類や有蹄類で孵化(出生)後、見られる現象である。ガンカモ類でローレンツが1935年に報告した。孵化の2、3日前〜2、3日後に生じ、例えばカモメ類は卵中で鳴き出し(pipping)、親鳥の声が無い場所に動かすと、激しく鳴く。孵化後は目前で動くものが刷込まれ、修正ができない。正常であれば、親と同じ形状をした種が性行動の対照になる。托卵性の鳥はこれが無く、仲間に戻る「パスワード」を持っている。南米のコウウチョウは巣立雛が仲間に加わる時、互いに喧しい特定の鳴き(chatter)をして、受け入れる。
(道南桧山「はちゃむ」NO.83,P6〜7)

・汐首岬の春の渡り調査結果
 08/2/8〜4/29、汐首岬(下北半島対面)で調査した。2/8、オジロワシAd1、オオタカAd1が早くも渡ってきた。ジョウビタキ、ヒメウ、ツグミ、カワラヒワ、ヒヨドリも渡った。2/25、ノスリ1、オオタカ2、オオワシ1が渡ってきて、逆にトビ3が下北半島方面へ。3/18、7:05〜15、トビ120が渡ってきた。コクガン26が同じルートで飛来。3/19、ハクチョウ約500、マガン671、ヒシクイ17、ノスリ107、ハイタカ3が通過。
(道南桧山「はちゃむ」NO.83,P11〜15)
 
・珍鳥ナキイスカ松前で捕獲
 3月、松前町の白神岬で4羽のナキイスカが環境省の網にかかった。国内では渡島管内の森町以来の18年ぶりとなる。山階鳥研はシベリアでの繁殖数が増え、渡ってきたとも考えられるが、詳細は不明としている。
(道南桧山「はちゃむ」NO.83,P16)

●2009/3 郡山
・ツバメの塒入り調査報告
 五百淵観察デッキで08/6/7〜9/27の毎週土曜16::30〜19:00、ツバメの塒入りを調査した。16時頃、最初の数羽が現れ、1時間程、数羽ずつ来て、水面や森の上を飛び回る。日没時に数が増え、上空を乱舞し、鳴きながらヨシの葉先に止まり出し、何度か一斉に飛び立ちを繰り返し、日没10数分後、静かになる。6/21頃から始まり、9/6に2万5千に達し、9/20頃に消滅。
(郡山「かっこう」NO.65,P2〜3)

●2009/2 長野
・公益法人制度改革について
 08/12、曖昧な法人を排除するため、公益法人に関する法律が施行され、野鳥の会は2010/6までに、公益財団法人化を目指す。現支部は本部とは別組織が実態であるため、「支部」の名称は容認されない。07/4、「新制度対応検討員会」にて支部の2文字を削り、野鳥の会○○とする答申がされた。88支部の内、アンケートに回答があった63支部では、これに賛成56(内3で他案併記)、反対6、未検討1であった。
(長野「野鳥ながの」NO.467.P2)

●2009/1  奈良
・溜池とカモ類
 08年のガンカモ調査での総数18,156を環境別に見ると、溜池:11,549、496ha、23.3羽/ha、河川:3,218、186ha、17.3羽/ha、人造湖:2,818、2,453ha、1.1羽/ha、濠:571、25ha、22.5羽/ha。カモ類多くは溜池に依存している。カモ類の中でハシビロガモ比率が多い順に見ると、奈良、香川、大阪、兵庫、岡山となり、溜池の多い府県である。海ガモの要素を除くため、内陸県を比較すると、奈良県のハシビロガモ比率は他県より1桁高い。
(奈良「いかる」NO.124,P1〜4)

・秋のタカ渡り記録2008
 9/12〜10/19の内、23日間、御所市高鴨神社(EL:300m)で、サシバ2,044、ノスリ74、ハチクマ60、ハイタカ属21を記録した。9/27〜10/13の内、7日間、下市町(EL:260m)で、サシバ3,632、ハチクマ98、ノスリ25、ハイタカ属13を記録した。ピークは10/3のサシバ1,677であった。
(奈良「いかる」NO.124,P15〜16)

●2009/3 和歌山県
・ガンカモ調査
 県からの委託で1/11、県下一斉調査した。結果はコブハクチョウ1、マガン1、カモ14種、10,281羽で、数は昨年並みであった。内訳はマガモ3,365、ヒドリガモ2,583、カルガモ1,484、コガモ1,253、オシドリ430、ホシハジロ316等。
(和歌山「いっぴつ啓上」NO.102,P5)

・和歌山県の鳥獣保護、動物愛護の現状
 和歌山県鳥獣保護センターは動物愛護センターを兼務している。H19年度の鳥獣保護数は360個体で、内295が22箇所の指定動物病院へ搬送、治療を受けた。20個体が鳥獣保護ゼンターでリハビリ後、放鳥された。県内の51名の鳥獣保護員に飼育、放鳥をお願いする事もある。動物愛護では犬猫の譲渡講習会、動物愛護教室を開催している。
(和歌山「いっぴつ啓上」NO.102,P6)

●2009/4 高知
・平成20年度ガンカモ調査結果 
 1/9〜17、県からの委託で調査した。カモ類は総計12,299で、内訳はマガモ4,301、ヒドリガモ3,383、オシドリ1,095、カルガモ978、コガモ893、オナガガモ608等。この5年間は11,000〜12,000台で大きな変動は無い。コガモは11年ぶりに少なく、オナガガモは20年間で最大であった。その他として、カワウ1,050、オオバン382であった。
(高知「しろぺん」NO.268,P3〜4)

●2009/3 長崎県
・タカの渡り記録 
 08/9/1〜30、佐世保市烏帽子岳で調査した。今回で20周年になる。総計はアカハラダカ43,233、ハチクマ534、ハヤブサ23、サシバ15、オオタカ11、ミサゴ4、チゴハヤブサ3、チョウゲンボウ2、ハイタカ1、ノスリ1。アカハラダカのピークは9/16の11,277、9/26の4,840、9/9の4,623。サシバは9/4の8であった。毎日、日本各地から来訪者があった。
(長崎県「つばさ」NO.259.P2〜4)

・カササギの動向
 東彼杵町で04年よりカササギの観察日数を記録している。07年までの毎月、記録された日数は平均で23〜29日で大きな変化は無かったが、08年は2月:14日、4月:16日、6月:3日、7月:2日、8月:0、9月:5日、10月:12日、11月: 9日、12月: 12日と08年は激減した。九州電力はカササギの巣は、巣立まで見るとしており、ハシブトガラスが卵や雛を襲っているのが散見され、カラスの加害が原因か?07年は出現日数が極めて多く、08年はその裏年?他場所の傾向を知りたい。
(長崎県「つばさ」NO.259.P5)

 

○支部報保護・調査記事関連トピックスNO.467

●2009/4 十勝
・学名変更できない過ち
●2009/3 北上
・水鳥調査
・エナガの巣作り 
・伊豆沼・内沼の自然環境の保全 
●2009/3 奥多摩
・ミゾゴイの生態 
・チョウゲンボウとオオタカの鳥名の由来 
●2009/3 伊那
・上伊那管内のカワウの生態
・里の鳥スズメ 
●2009/3 三重県
・行者山風力発電のその後
●2009/3 大分県
・トキ(時)の話題トキ(朱鷺)
・2009年大分県ガンカモ調査結果集計

●2009/4 十勝
・学名変更できない過ち
 コマドリの学名「Erithacus akahige」、アカヒゲには「Erithacus komadori」とあり、種小名が逆になっている。シーボルトが日本から持ち帰った標本のラベルが入れ違っていた。ホウロクシギは「madagascariensis(マダガスカルの)」種小名を持つが、極東の固有種で、インドネシアの地名を書く時に間違えた。コゲラ「kizuki」、カンムリウミスズメ「wumizusume」は「kitutuki」、「umisuzume」とすべきところを誤記している。北海道にしかいないトウキョウトガリネズミも採集者がエゾ(蝦夷)とエド(江戸)を間違った。
(十勝「十勝野鳥だより」NO.166,P18〜19)

●2009/3 北上
・水鳥調査
 1/12、北上川で水鳥を調査した。結氷が2/3以上あり、今年は餌付け自粛でカモ類は岸に上がらないが、数は例年と余り変わらなかった。数はオナガガモ2,366、マガモ844、オオハクチョウ737、カルガモ472、ホシハジロ213、キンクロハジロ176、コガモ66、マガン61、ヒドリガモ51、コハクチョウ23等。
(北上「北上支部報」NO.15,P18)

・エナガの巣作り 
 エナガの営巣木はコナラ、杉、赤松、ハンノキ、ニセアカシア等が多い。営巣場所は蛾の繭、蜘蛛の糸を紡ぎ、貼り付けて樹皮が白くなっている。次に、ウメノキゴケ、スギゴケを剥ぎ取り、枯草、杉の柔らかい樹皮を使って巣を作る。底から作り、1羽が盛んに首を振って糸を張り、他の1羽は巣材を運ぶ。2、3日で椀形になり、1週間で巣の形ができると、羽毛を運び入れる。羽軸の反りを利用し、強度と弾力性を持たせる。入口が出来ると2羽は盛んに羽毛を運び入れ、1羽が巣に入ると、他は5、6m先の枝で飛び上がって戻るのを繰り返す。巣の完成を喜んでいるのか、巣の位置を晦ますためか。巣は長さ22cm、幅10cm、入口直径2cm、重さ13g、羽毛は1千枚を越えた。
(北上「北上支部報」NO.15,P25)

・伊豆沼・内沼の自然環境の保全 
 同地はS60年に国内2番目のラムサール条約指定湿地に登録された。現在は水田からの除草剤流入や富栄養化でハスやアサザが一面に覆っている。90年代にオオクチバスが侵入し、ゼニタナゴ、メダカ、ジョズカケハゼ等の小型魚類が姿を消した。これらを捕食していたカイツブリ、コサギ、ミコアイサは減った。給餌量は4,127kg、内、観光客8%、92%は財団職員が行っていた。9割を占める組織的な給餌は止めた。
(北上「北上支部報」NO.15,P28〜29)

●2009/3 奥多摩
・ミゾゴイの生態 
 この3年の調査でミゾゴイの基本的な生態が明らかになった。夜間に鳴く、薄暗い林の中で営巣、採餌するためか夜行性の鳥と言われてきた。夜間に鳴くのは、昼間の天敵を避け、番形成と縄張り確保のためである。巣造りに約10日、孵化まで27〜28日、巣立ちに37〜38日掛かる。08年のあきる野市での調査では4/14〜23、日没から鳴き出し、22日は日の出まで10時間鳴き続けた。採餌、給餌は概ね昼間で、天敵の目が届かない薄暗い藪を利用していた。
(奥多摩「多摩の鳥」NO.187,P6〜7)

・チョウゲンボウとオオタカの鳥名の由来 
 「図解 鳥名の由来辞典」(柏書房)によると、江戸初期よりチョウゲンボウ(長元坊)は糞鳶、馬糞鷹、馬糞掴みとあり、糞鳶は奈良時代にはノスリの軽蔑として用いられ、ノスリ、チョウゲンボウは鷹狩に使われないので、蔑称されたのであろう。長元坊の語源は不明で、オオタカは鷹狩りに使われ、大きく強いので「おほたか」と呼ばれた。
(奥多摩「多摩の鳥」NO.187,P11)

●2009/3 伊那
・上伊那管内のカワウの生態
 上伊那管内ではカワウは1〜2月に最大数になる。93年、駒ヶ根市で2羽のカワウ初発見、96年、200羽、03年、340羽、駒ヶ根市で繁殖確認。04年に550羽の最大数を記録。その後冬期230〜250羽、夏期40〜70羽に減る。06年には下伊那管内で100羽以上の巣立ちを確認。カワウの解剖結果ではアユよりウグイの捕食が多い。
(伊那「かわせみ」NO.26,P4)

・里の鳥スズメ
 伊那谷でのスズメの呼び名にチンチ、チーチ等があるが、鳴声に由来した幼児語である。67年、伊那山脈の頂にホテル建設した2年後にはスズメは入り込んでいる。過疎化で、人間生活に伴う開けた環境が維持されない場所では、スズメは姿を消している。伊那ではスズメの雛は成長段階ごとにアカンコ、チョロムケ、アカムケと呼び、巣立ち雛をタチコ、タチンコ、タチッコと呼んでいる。成鳥は繁殖場所を確保すると他へ移動しないが、巣立ち雛は遠くへ移動する。
(伊那「かわせみ」NO.26,P6〜7)

●2009/3 三重県
・行者山風力発電のその後
 H13年、鳥羽市の行者山で風力発電の計画が出され、国立公園内のため、環境省は計画縮小を指導し、一度断念した。H16/4の自然公園法施行規則の一部改正でH17年、業者は再度計画を出してきた。タカの渡りルートに当り、「鳥羽の自然と環境を守る会」は支部と連携して反対した。北側山麓の落合町内会の反対決議、支部探鳥会でのクマタカ確認で、業者は補助金申請取り下げた。H19年、大手業者に事業謙譲し、守る会は市議へ問題説明し、市議会では大差の反対決議、業者と意見交換、以後全く計画の動きは止まった。
(三重県「しろちどり」NO.60,P5〜6)

●2009/3 大分県
・トキ(時)の話題トキ(朱鷺)
 九重町に民間の団体「トキの住む里づくり」が誕生したが、地元の学校に昭和初期のトキの剥製があり、身近な鳥であった。トキの経歴は60年:国際保護鳥、81年:佐渡に残った最後の5羽を捕獲、人の飼育下に入れる。99年:中国から贈られた2羽より雛誕生、03年:国内最後のトキ死亡、09/9:人工飼育の10羽を佐渡の空に放鳥。現在、佐渡には20に近い環境NPOがあり、24地区、150地点で餌場の整備、環境保全型農業、放棄水田のビオトープ化が進んでいる。
(大分県「たより」NO.215,P2)

・2009年大分県ガンカモ調査結果集計
 1/10〜17、県内11地区に分け調査した。総計はカモ類17種、22,918羽であった。内訳はヒドリガモ7,205、マガモ6,172、オナガガモ4,583、カルガモ1,426、コガモ933、オシドリ591、ヨシガモ582、オカヨシガモ439、ホシハジロ206、ハシビロガモ202、キンクロハジロ167、スズガモ162等。
(大分県「たより」NO.215,P4)

 

○支部報保護・調査記事関連トピックスNO.468

●2009/4 札幌
・黒い渡り鳥ミヤマガラス 
・ウグイスはどこから
・2009年オオワシ・オジロワシ一斉調査
●2009/3 新潟県
・トキの野生復帰について
・トキ復帰プロジェクト研修のついて
●2009/4 神奈川
・湘南タゲリ米近況とアイデア 
・日本語の数え方はややこしい 
・2009年ガンカモ調査結果の概要 
●2009/4 長野
・カッコウの初鳴き日の経年変化 
●2009/4 甲府
・イワツバメの繁殖分布 
●2009/5 岡山県
・本部の会計報告

●2009/4 札幌
・黒い渡り鳥ミヤマガラス
 ミヤマガラスは70年代は九州周辺でのみ記録され、80年代徐々に日本海側を東へ広がった。北海道では90年代から見られ、その後太平洋側へ。秋の初認記録を見ると、北海道、東北日本海側へは10月中旬、東北太平洋側、北信越へは10月下旬、関東へは11月上旬となる。九州、中国地方へは10月中下旬、近畿へは11月上旬となり、2つの渡りルートがある。伊良湖や白樺峠では東から西へ渡り、琵琶湖では両方向がある。秋田県で送信機を付けた個体は積丹半島、奥尻島付近から飛び出し、アムール川沿いに行く。西の渡りルートは未解明。3月下旬、若鳥の比率が高くなり、成鳥が先に渡って行くらしい。
(札幌「カッコウ」NO.310,P4〜7)

・ウグイスはどこから
 山階鳥研の「渡り鳥アトラス」、鳥類観測ステーション報告書を見ると、北海道のウグイスは日本海沿いを通り、東シナ海沿いに南下するとある。本州中南部の個体は移動は短い。京大梶川学氏の研究でも、全国212羽の調査で、高緯度の個体ほど長い翼を持つ傾向で、遠くへ飛べる。サハリンや南千島の亜種カラフトウグイスは沖縄へ渡り、リュウキュウウグイスとしていた可能性が高い。沖縄には冬に緑褐色と褐色のものがおり、夏には緑褐色のものがいなくなり、これがDNA判別からもカラフトウグイスである。
(札幌「カッコウ」NO.310,P7〜8)

・2009年オオワシ・オジロワシ一斉調査
 2/22、24、全国一斉調査で豊平川、石狩川、茨戸川域を調査した。総計32羽、内訳はオジロワシ30、オオワシ1、不明1であった。多かったのは花畔大橋〜マクンベツ川のオジロワシ12羽。
(札幌「カッコウ」NO.310,P10)

●2009/3 新潟県
・トキの野生復帰について
 9/25、27年ぶりに佐渡の空にトキ10羽が放鳥された。2015年頃に60羽の定着を目指している。放鳥後の情報収集は地上と人工衛星で、毎日行っている。市民も参加し佐渡市トキ交流会館が取り纏めをし、下記で公開している。トキの野生復帰で情報共有のため、「人・トキの共生の島づくり協議会」も発足している。
http://ibis-info.blog.ocn.ne.jp/diary/
(新潟県「新潟県支部報」NO.67,P2〜5)

・トキ復帰プロジェクト研修について 
 本校は文部科学省からスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受け、科学分野の教育、研究開発行っている。「環日本海環境プロジェクト」で昨年7月、「トキ復帰プロジェクト研修」を行った。新潟大学の指導で、生物調査、ビオトープ整備を実施した。
(新潟県「新潟県支部報」NO.67,P8〜9)

●2009/4 神奈川
・湘南タゲリ米近況とアイデア 
 茅ヶ崎市でのタゲリ米協力農家は25軒に増え、販売数量も521箱(5kg入)と過去最大となった。一斉調査で、この地区のタゲリ飛来数は7羽と過去最少になった。休耕田や畑への転作が続き、相模縦貫道路の工事も進んでおり、影響が心配される。井戸を掘り、太陽電池で給水し、魚道の設置等のノウハウ把握、水田の大切さの普及活動が前進した。
(神奈川「はばたき」NO.443,P2)

・日本語の数え方はややこしい 
 四足の肉食が禁じられていた時、坊さんがウサギを食べてしまい、その言訳に「ウサギは鳥だから、ウとサギは鳥だからいーの」。それ以来、ウサギは1羽、2羽となった。探鳥会で初心者が「1匹、毛繕いしている」とか言うが、「1羽、羽繕い」と言いましょう。昆虫全般は1匹、2匹、蝶だけは1頭、2頭が正式である。マグロは海では1尾、2尾、冷凍されると1頭、2頭、築地で鋸が入ると1冊(サク)、2冊、スーパーでは1パック、2パック、食べる時は1切れ、2切れとなる。馬は1頭、2頭が走ると1着、2着!
(神奈川「はばたき」NO.443,P3)

・2009年ガンカモ調査結果の概要 
 1/21前後に県下74箇所で調査した。カモ類が15種、18,458羽であった。内訳はコガモ3,284(♂/♀比0.9)、ヒドリガモ2,914(1.2)、キンクロハジロ2,785(1.2)、カルガモ2,562、スズガモ2,483(0.9)、マガモ1,082(1.3)、オナガガモ931(1.4)、ホシハジロ846(2.1)等。ホシハジロは♂が多い。千羽以上は2箇所のみで、数十から百数十羽で県内に多く分散している。カワウは778羽で、前年より4割減った。
(神奈川「はばたき」NO.443,P6〜7)

●2009/4 長野
・カッコウの初鳴き日の経年変化
 信州野鳥の会等の記録より。97〜08年の安曇野市、松本市、木曾村、塩尻市、長野市でのカッコウの初鳴きは5/8〜27で、平均は5/15前後であったが、07年は全ての場所で5/20以降と遅かった。カッコウは中国南部、マレー、インドシナ半島、インド等から渡来とされるが不詳。夜間の体温は昼間より10度程下がり、抱卵の能力は無い。子育てのエネルギーを産卵に向け、計15個程の卵を生みつける。餌は大型の毛虫で胃内に薄い袋があり、袋ごと毛を吐き出す。
(長野「野鳥ながの」NO.469,P4)

●2009/4 甲府
・イワツバメの繁殖分布 
 05、06年、都留市と大月市でイワツバメの巣を調査した。繁殖が確認された場所は高速道路の高架下が大半で、建物の軒下、ガソリンスタンド、学校等であった。ここではコロニーは高速道路に沿って分布している。
(甲府「カワセミ」NO.106,P6)

●2009/5 岡山県
・本部の会計報告 
 3月の評議委員会より。財政が苦しく、退職者の補充ができず、職員で重複した業務をこなした。欠員補充をネットで616件募集したが、応募は283人、条件に合う人がいない。遺贈等で大口寄付があった。「野鳥の世界のパスポート」「こんばんはシマフクロウ」の子供向け小冊子で各8000通、5000通の希望があった。タンチョウとシマフクロウ保護区350ha以上を購入し、野鳥保護区は計28箇所、2,638haとなった。韓国でのラムサール条約締約国会議に参加、風力発電対策で環境省の情報地図作りのための調査開始、環境省のモニタリングサイト1000調査で支部の協力で60箇所で定点調査、伊万里市でマナヅルの越冬地誘致活動、野鳥生息情報収集「見つけて渡り鳥」を企画、環境省ウトナイ湖鳥獣保護センター利用に伴い、ウトナイ湖サンクチャリーの整理等を実施した。尚、本部の状況は「支部ネット通信」http://www.wbsj.org/info/shibu/net/index_2009.htmlに詳しい(森)
(岡山県「野鳥おかやま」NO.172,P2)

 

○支部報保護・調査記事関連トピックスNO.469

●2009/春の巻 弘前
・一斉ガン・カモ・ハクチョウ類カウント調査報告
●2009/4 秋田県
・餌付けは糞の垂れ流し
・秋のタカの渡り 
・点が線になり、線が・・・
●2009/4 茨城
・ウグイス生息調査
・防鳥ネット被害調査結果報告
・H20年度カワウ調査結果報告 
・狩猟の今昔 主な鳥類の捕獲数 
●2009/4 奈良
・垂仁天皇陵のサギ集団繁殖地 
・早成性と晩成性 
・ガンカモ調査を終えて
●2009/4 香川県
・ガンカモ類県下一斉調査結果

●2009/春の巻 弘前
・一斉ガン・カモ・ハクチョウ類カウント調査報告
 1/11、支部地区内一斉調査した。結果はマガン473、ヒシクイ28、オオハクチョウ664(幼60)、カルガモ6,389、マガモ2,463、オナガガモ1,113、スズガモ654、コガモ640、カワアイサ278、キンクロハジロ143、シノリガモ59、ウミアイサ52、ホシハジロ51等。
(弘前「初列風切」NO.152,P5)

●2009/4 秋田県
・餌付けは糞の垂れ流し 
 1950年、瓢湖にハクチョウが飛来し、餌付けを始め、54年、成功した。ハクチョウは落穂、稲株の根、草、水草等を食べる。今では人の給餌の多くは食パンの耳で、栄養が高い。その糞尿で内水面の水質汚染を起こしている。鳥インフルで給餌自粛となったが、水質保全と鳥の健康のためにも、給餌をしない方策が必要である。
(秋田県「探鳥あきた」NO.51,P1)

・秋のタカの渡り
 八郎潟干拓地の東、五城目町の標高300mの森山をタカが通過する。9/9〜19、ハチクマ60、オオタカ21、ハイタカ47、ノスリ18が通過した。9/22はハチクマ41、ハイタカ20、ノスリ1で、前日の暴風雨で森山付近に待機して個体が9時半頃、竜飛岬の個体が11時頃、森山を通過した。
(秋田県「探鳥あきた」NO.51,P2)

・点が線になり、線が・・・
 嘗ては観察後、野鳥の巣を壊し、情報を独り占めした人もいた。自分の周囲だけでなく、広く情報を交流する事で、色々な事が分かる。例えば、大潟村に来るムナグロの群れは、新潟県の鳥屋野潟に立ち寄り、埼玉県を通過して茨城県へ向うものとは繁殖地が別であるとか。05年、大潟村のヒメハマシギは大分県、徳島県を通過してきている。情報の線は面となり、面は立体となる。調査に多くの方の参加を望む。
(秋田県「探鳥あきた」NO.51,P3)

●2009/4 茨城
・ウグイス生息調査 
 6/16〜28の早朝、城里町の直径2km圏内で鳴くウグイスの数を数えた。♂29羽を確認した。同時に3羽のホトトギスも確認したが、必ずしもウグイスが多い場所に隣接していなかった。
(茨城「ひばり」NO.289,P3)

・防鳥ネット被害調査結果報告 
 H16年度から輸入野菜価格補助金を受け、霞ヶ浦湖岸のレンコン畑に防鳥ネットが張られている。今冬も支部は羅網している野鳥の数を調査した。ネットに掛かった野鳥は総数1,255羽、内訳はカモsp486、コガモ231、オオバン180、ヒドリガモ84、カルガモ43、マガモ34、コサギ33、ゴイサギ31、タシギ21、バン20、ダイサギ14、小鳥類13、フクロウ6、タゲリ5、アオサギ3、その他のカモ51等。支部は県、生産者鳥に優しいネットの開発を協議してきている。高価のため、財政補助が欠かせない。
(茨城「ひばり」NO.289,P4〜5)

・H20年度カワウ調査結果報告 
 H20/7、県下12箇所の塒(霞ヶ浦周辺7、利根川下流1、県央海沿い2、県北2)を調査した。総数2,220羽で前年より342減った。繁殖があった塒は県央の2箇所(118巣)であった。12月の調査では、塒20箇所、総数3,997であった。11/19、東京湾のカワウの分散があり、同日、久慈川で地付のカワウが北上した後、100+群が北上したのは東京湾から進入を暗示する。
(茨城「ひばり」NO.289,P6〜7)

・狩猟の今昔 主な鳥類の捕獲数
 狩猟者が県内で捕獲した鳥の数はS40年→S50年→S59年を見ると、カモ類62千→50千→54千、キジ12千→9千→11千、ヤマドリ11千→8千→2千、コジュケイ110千→176千→43千、ウズラ12千→4千→9百、キジバト133千→196千→196千、スズメ244千→113千→43千、カラス6千→2千→2千、オオバン3,100→300→100、シギ類33千→24千→11千。S45年前後の県内の水鳥捕獲数は全国一であった。オオバンはS50年に保護鳥指定、ヤマドリ、ウズラは生息数が激減した。
(茨城「ひばり」NO.289,P19〜20)

●2009/4 奈良
・垂仁天皇陵のサギ集団繁殖地 
 08年2月〜7月、サギのコロニーで定点調査した。アオサギは7月に巣立ち直後、離れて行く。アオサギは27の営巣があり、43羽が21の巣から巣立った。他のサギは巣立ち1ヶ月程、そこで塒するので、8/5、塒入りを調査した。数はゴイサギ45、アマサギ175、ダイサギ97、コサギ197であった。77年の奈良盆地での調査ではコサギ1,200、アマサギ670、アオサギは見ないとある(山岸哲ら)。07年の私の調査ではアオサギ575、コサギ800、ダイサギ550等となり、コサギは減り、ダイサギ、アオサギは増加している。これは栃木県、群馬県支部でも報告されている。コサギの減少はアオサギ、カワウとの関係があると思われ、アオサギの増加原因を突き止める必要がある。
(奈良「いかる」NO.125,P1〜2)

・早成性と晩成性 
 タマシギは孵化後半日で巣を離れ、♂親を追い、数日で自分で採食し、20〜30日で独立する。カモ、シギ、チドリ類の雛は早成性である。生後まもなく見た自分より大きい動くものに追従する刷り込みがある。他は晩成性で、スズメ目の中の鳴禽類では生後間もなく、同種の囀りを聞かないと囀れない。
(奈良「いかる」NO.125,P3)

・ガンカモ調査を終えて
 1/11を中心に県下一斉調査した。総計はカモ15種で18,370羽であった。内訳はコガモ5,685、マガモ4,072、オシドリ2,590、ハシビロガモ1,602、カルガモ1,568、ヒドリガモ1,506、キンクロハジロ442、キンクロハジロ417、ヨシガモ193、オカヨシガモ104、トモエガモ81等。カワウは840でカモ同様、ほぼ前年並みであった。
(奈良「いかる」NO.125,P6〜8)

●2009/4 香川県
・ガンカモ類県下一斉調査結果
 1/4〜12、県下178箇所で調査した。17種、20,534羽を記録した。昨年より2,845羽減った。内訳はヒドリガモ5,238、ホシハジロ3,253、マガモ2,982、コガモ2,350、ハシビロガモ1,852、キンクロハジロ1,579、オナガガモ1,294、カルガモ682、ミコアイサ279、オカヨシガモ277、ヨシガモ266、ウミアイサ219、オシドリ193等。地況別では、人造湖(溜池):1,119haで13,899羽、河口:669haで3,198、河川:237haで2,021、海域:2,813haで899、ダム湖:242haで264、他:60haで56。
(香川県「かいつぶり」NO.303,P1〜2)

(自然保護室ボランティア・神奈川支部/森 要)

理事会議事録

■平成20年度第4回理事会(定例)議事録■

【日時】平成21年2月21日(土) 14:00〜17:03
【会場】(財)日本野鳥の会 西五反田事務所会議室 東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル3F 
【現在理事数】17名(うち出席理事16名)
【出席理事】敬称略
柳生 博、佐藤 仁志、鈴木 君子、吉田 新、
滑志田 隆、安西 英明、飯塚 利一、磯崎 博司、土屋 正忠(16:00退席)、花田 行博、小室 智幸、河地 辰彦、高木 清和、川瀬 浩、日比野 政彦、高野 茂樹/以上16名、
(以下委任状出席1名)西村 眞一
【出席監事】敬称略
高松 健比古/以上1名
【来賓】敬称略
吉野 示右(環境省自然環境局野生生物課鳥獣保護業務室長)/以上1名
【事務局】
小林豊(会員室長)、小林篤六(普及室長)、古南幸弘(自然保護室長)、葉山政治(サンクチュアリ室長)、箱田敦只(人材育成PJ担当)、岩下路子(総務室長代理)、五十嵐 真(総務室総務グループチーフ)、田中綾(総務室員)、横田智(総務室員)、小川富由美(総務室員)/以上10名(出席者合計28名)

14:00開会

会長挨拶
 柳生博会長より、第2回全国ブロック・支部連絡会(’08/11/15-16)に出席したこと、公益法人制度改革関連では、主務官庁の環境省や土屋正忠理事から協力や支援を得つつ鋭意検討を進めていること、佐賀県伊万里市で開催した「ツルたちと暮らそう」(’09/1/17)シンポジウムに出席したこと、今後はさらに“生物多様性”をキーワードに当会の活動を展開していきたい旨の挨拶があった。

来賓挨拶
 環境省自然環境局野生生物課鳥獣保護業務室の吉野示右室長より、希少種保護事業等環境省が主として取り組んでいる施策の紹介があり、有害鳥獣対策についても依然増加傾向にあり取り組むべき課題が多い、山口県周南市で開催した「ツル類の越冬誘致に関する技術・情報交換会」(’09/2/18、環境省・当会共催)を例にとるまでもなく、わが国における野鳥保護については当会の協力が不可欠なので今後も引き続き協力を願いたいとの挨拶があった。

会務報告
 鈴木君子専務理事より、第1四半期末時点の実行予算段階で既に赤字が見込まれたため、各事業費の見直しや経費削減を行ったほか、不足分については職員の賞与カットにより補填したこと、普及教育のための小冊子「野鳥のせかいへのパスポート」「こんばんはシマフクロウ」が好評で約8千通と約4千通の応募があり、無料送付に併せ寄付金をお願いしたところ約160万円の寄付が寄せられたこと、当会が入っている丸和ビルのオーナーである丸和油脂株式会社よりご寄付と法人会員のご契約をいただいたこと等、一連の会務報告があった。

飯塚利一事務局長より、理事現在数17名中、出席16名、委任状1名の17名となり、寄附行為第27条に基づき本理事会は成立している旨の報告があった。
また、寄附行為第30条に基づく議事録署名人には、小室智幸理事と日比野政彦理事が  選任された。

第1号議案 平成21年度事業計画及び予算案承認の件
 各室長より、平成21年度事業計画(案)について、当会創立75周年記念事業として、カンムリウミスズメの保護・普及事業及び一般参加型野生生息情報収集事業「見つけて渡り鳥」の実施、ボランティアプログラムである「グリーンホリデー」の実施、野鳥保護区の設置及び「IBA白書2009」の発行等、平成21年度事業の主要項目について資料に基づき説明があった。
 続いて、岩下路子総務室長代理より、平成21年度予算(案)の収支差額は39万4千円でほぼ収支均衡となったこと、平成20年度に寄付された3,000万円を2ヶ年にわたり活用することとし、1,800万円を予算に組み込んだこと、収入については引き続き減少傾向にあるため、新規事業の支出については助成金や寄付金、協賛金等で賄い、固い予算組みとしたこと等、資料に基づき説明があった。引き続き、関連する平成20年度決算見込みについて紹介があり、当期収支差額は40万8千円の見込みであること等について資料に基づき説明があった。

 日比野政彦理事より、平成20年度に寄付された3,000万円のうち1,800万円については平成20年度の財政安定基金に繰り入れ、平成21年度に取り崩すという理解で良いかとの質問があり、岩下総務室長代理より、その通りであるとの回答があった。

 花田行博理事より、平成21年度事業計画にある絶滅のおそれのある種に関する全国調査について質問があり、古南自然保護室長より、全国調査については平成20、21年度ともチュウヒに関するアンケート調査を行い目撃情報の収集や繁殖地の分布状況を把握するものであるとの回答があった。

 磯崎博司理事より、今年の“世界渡り鳥デー”(5/9〜5/10)は「渡りの障害」をメインテーマとしており、これらに当会自然保護事業を関連付けることで企業向けにも、国際的観点からも重要な情報発信が可能であるとの意見があり、古南自然保護室長より、可能なかぎり関連付けられるよう検討するとの回答があった。また、河地辰彦理事より、世界渡り鳥デーは支部や会員の間であまり知られていないとの指摘があり、小林会員室長より、「野鳥」誌での紹介を検討したいとの回答があった。

 高野茂樹理事より、ラムサール条約に関連した水鳥保全事業の進捗について質問があり、古南自然保護室長より、昨年11月開催の締約国会議で水田における生物多様性保全をうたった決議が行われたことなどは一つの成果と考えられること、平成21年度はIBAのラムサール条約登録にむけてさらなる情報提供等に取り組みたいとの回答があった。

 川瀬浩理事より、「野鳥」誌の内容拡充のため人員体制強化をするべきではとの意見があり、小林会員室長より、会員維持のコストは極力抑えるというのが従来からの経営方針であり、それに従い経費節減を実施しておりこれ以上の職員増強は難しいとの回答があった。

 土屋正忠理事より、風力発電施設におけるバードストライク問題やWING(鳥と緑の国際センター)等について、行政との折衝に際しては積極的に橋渡し役を果たしていきたいとの発言があった。

以上の審議の結果、柳生会長より第1号議案について賛否を問い、異議なく承認された。

報告事項
2.書面表決理事会の結果について
 事前に送付した資料の通りであり、詳細な説明は省略された。

3.新制度対応関係について
 五十嵐総務室総務グループチーフより、前回理事会(’08/05/24)以降の公益法人制度改革への対応について、名称形式変更に関する進捗状況や今後のスケジュール、次回理事会では定款変更の骨子案及び新制度下の最初の評議員選任方法について審議いただく予定であること等、資料に基づき説明があった。また佐藤副会長より、名称形式の変更に関して、公益認定等委員会や環境省との折衝について補足説明がなされた。

 土屋正忠理事より、この度の制度改正は善良に活動する法人とそうでない法人を分けることが目的であり、当会のように専ら公益に資する活動を行う法人が円滑に認定申請が出来ないのはおかしいとの意見があった。また、高木清和理事より、会員にとって「日本野鳥の会」という名称は活動のモチベーションを保つ上で非常に重要なので、是非支部名称に「日本野鳥の会」を残して欲しいとの意見があった。

4.WINGの近況について
 飯塚事務局長より、WINGの設立経緯や開館状況、日野市長より市民に親しみやすい建物名称への変更要望があった経緯等について資料に基づき説明があった。また滑志田常務理事より、日野市役所内部において当会に対するWINGの敷地無償貸与が議論になっていること、「WING将来検討会」を事務局内に組織して、運営費などの財政的負担を踏まえつつ今後のあり方について検討を加えている旨の説明があった。

 日比野理事より、自然保護と普及という観点から継続するか否かをいずれ理事会で冷静に判断しなければならないこと、当会は非営利団体であるので財政的効率のみを優先するわけにはいかないが、会員に対して情報を提供しつつ判断をしていくしかないとの意見があった。河地理事より、当会会員の利用が少なく、日野市民が主に利用する施設への転換を求められているのであれば、一般向けに開かれた施設とする方向で良いのではとの意見があった。花田理事より、日野市と良好な関係を保っている間に、日野市へ建物を寄付をすることも検討すべきとの意見があった。磯崎理事より、日野市より無償貸与されているとの関係性から、教育普及施設としての機能を強調せざるをえないのではないかとの意見があった。

5.八重山の新支部設立状況について
 小林会員室長より、石垣島及び西表島について個別に新支部の設立に向けた準備が進捗していること、早ければ次回理事会において支部としての認定について審議していただくことになる旨の説明が資料に基づきあった。

6. サンクチュアリ事業の今後について
 吉田常務理事より、受託型サンクチュアリは、自治体からの委託に頼るものであり、指定管理者制度が普及した今日に於いては永続的な基幹事業とはなりにくいこと、当会として人事的負担が大きいこと、直営型サンクチュアリは、財政的負担とその意義や役割とを勘案する必要があること、これらの点を踏まえサンクチュアリ事業の今後について理事の方々のご意見をいただきながら、縮小や撤退も選択肢に含めて今後検討していきたい旨の説明があった。

 日比野理事より、基幹事業となりにくい点や人事的負担が大きい点についてより詳細な説明を求める意見が出され、吉田常務理事より、主に人事異動を含めた人事管理等が大変であること、受託型サンクチュアリを数年間で半減や全て撤退するということではなく、効果的・効率的なサンクチュアリについては存続方向で検討していきたい旨の回答があった。

7.特定預金の扱いについて
 吉田常務理事より、今後財務体質改善や特定預金を有効に活用していくため、特定預金のいくつかについて、寄付の趣旨を尊重しながら使途や目的を一部変更して運用していきたい旨の説明があった。

8.手元現金の不足について
 鈴木専務理事より、1月19日手元現金24万円が不足したこと、雑損失として処理したこと、現金管理厳格化のため、現金出納のルール変更等対応策を講じたこと等について、資料に基づき説明があった。

以上により、17時02分、全ての議事審議及び報告が終了した。

 上記の議事を明らかにするため議事録を作成し、議長及び出席理事の名において記名、捺印する。

平成21年6月17日
財団法人日本野鳥の会
平成20年度第4回理事会

議 長     柳生 博
議事録署名人  小室 智幸

議事録署名人  日比野 政彦

事務局からのお知らせなど

サンクチュアリ室より

■カンムリウミスズメPJ 八丈島・小池根を上陸調査■

 創立75周年を機に、今年から着手したカンムリウミスズメの保護プロジェクト。先月号の報告では繁殖期調査はこれで終りと書きましたが、6月に八丈島の小池根(コジネ)の調査を行いましたので報告します。

 東京の南約290kmに八丈島があります。この八丈島の西、約4kmに八丈小島があり、小池根はこの八丈小島から200mほど離れて浮かぶ岩礁です。大きさは約150m×50m、高さは約40mです。八丈小島側は切り立った断崖になっていますが、反対側は標高20m付近が岩棚状になっていて、わずかばかりの草が生えています。頂上部は台地状でススキが茂っています。
 カンムリウミスズメは、この中腹の岩棚状になっている付近の岩の隙間と頂上部のススキの根元で繁殖が記録されています。過去の記録では8月にも成鳥が観察されおり、遅くまで繁殖している可能性も考えられました。そこで今回、来シーズンの予備調査も兼ねて上陸調査を行いました。
 結果は、残念ながらカンムリウミスズメも営巣の痕跡も確認できませんでした。ただ頂上部の草地に達するには崖を上る必要があり、転落事故の危険がありましたので頂上部は調査していません。しかし、来年の繁殖期調査をスムーズに行うための現地や調査船の情報を確認することができました。今回の調査の詳細は、下記のとおりです。

 この夏から秋にかけては、伊豆諸島の未調査営巣地を来シーズンに調査するため、現地予備調査を計画しております。予備調査の報告はまた随時掲載いたします。

●繁殖地での営巣調査
(1)八丈島
場所:八丈島の西側に位置する岩礁、小池根(コジネ)
方法:乗り合い渡船から上陸し、岩の隙間などを目視で探す
調査員:会員室長小林、事務所職員1名
実施日:6月20日
結果:過去に営巣記録のある中腹部の岩棚で、岩の隙間を見てまわったが巣らしいものは見つからなかった
頂上部の草地は登坂に危険を感じたため、調査しなかった
ウミネコが約百羽おり、巣立ち前のヒナを2羽観察した

(2)その他
6月には他の営巣地は調査していない

●洋上の個体数調査
(1)八丈島
海域:八丈島の西側、八重根漁港から八丈小島の周辺の海域
方法:乗り合い渡船「優宝丸」に同乗して洋上のカンムリウミスズメを目視で探す
調査員:会員室長小林、事務所職員1名
期日と結果:
6月20日 09:53〜14:17
  カンムリウミスズメは観察できず
   (うち10:39〜13:44は小池根上陸)

(2)八丈島−三宅島の定期航路
海域:八丈島(底土港)〜御蔵島〜三宅島(三池港)の定期航路に沿う海域
方法:東海汽船の定期船のデッキより洋上のカンムリウミスズメを目視で探す
調査員:会員室長小林、事務所職員1名
期日と結果:
6月21日 10:10〜14:08
  カンムリウミスズメは観察できず

(3)三宅島−東京の定期航路
海域:三宅島〜東京の定期航路に沿う海域
方法:東海汽船の定期船のデッキより洋上のカンムリウミスズメを目視で探す
調査員:会員室長小林、事務所職員1名

期日と結果:
6月23日 14:06〜18:00
  カンムリウミスズメは観察できず

(サンクチュアリ室三宅島担当/篠木秀紀)

自然保護室より

■訂正記事 「密猟防止のための識別研修会」参加者募集■

 前号掲載の記事で、プログラム中の「国内産と外国産のメジロの識別講座」を誤って“国内産野鳥と外国産の”と記載しておりました。お詫びいたします。 改めて訂正した記事を掲載いたします。お申し込みは引き続き受け付けておりますので、どうそご参加ください。

 全国で、メジロをはじめとした小鳥類の愛玩飼養目的の密猟や違法飼養、違法販売等がいまだに行われており、数多くの野鳥が犠牲になっています。こうした違法行為を根絶するには、警察が押収した個体や飼養されている個体が明らかに国内産であることを証明する必要があるため、国内産か外国産かを識別することのできる専門的な知識を持った人に鑑定者として協力していただくことが必要です。そこで、全国野鳥密猟対策連絡会(密対連)と当会ではこれまで、環境省の鳥類標識調査に参加しているバンダーの方々の中から、ボランティアで協力してくださる方を警察署に紹介し、密猟や違法販売の捜査に協力して来ました。
 しかし、現状では国内産か外国産かを識別することのできる専門的な知識を持った鑑定者が不足しており、養成が求められています。そこで、鑑定者育成の必要性を広く訴え、全国で活動できる人材を育成することを目的に、鑑定に必要な基礎的な知識や技術に関する研修を行い、併せて経験豊かな方々との交流を行なうことを目的として研修会を行います。

  1. 日時:2009 年8月9日(日)10:00〜15:00
  2. 場所:東京環境工科専門学校(東京都渋谷区東 2-5-3)
  3. http://www.tce.ac.jp/index.html
  4. 対象:支部の保護部署ご担当者、バンダー、鳥獣保護員、自治体の鳥獣保護担当部署職員で、密猟・違法飼養対策に携わっておられるか関心のある方(80名)
  5. プログラム(予定)

  6. @基調講演 密猟防止に対するバンダーの協力態勢について・密猟の推移と現状の実態
      日本鳥類標識協会 会長 風間 辰夫氏
    A国内産と外国産のメジロの識別講座(座学と実技講習) 茂田良光氏(山階鳥類研究所)
    B違法捕獲・違法飼養・違法販売の実態と関係法令に関わること
      中村 桂子(全国野鳥密猟対策連絡会)
    C鑑定依頼があった際の対応の仕方などについて
      コメンテーター:大城明夫氏(アルラの会)他
    司会進行:古南幸弘(当会自然保護室)
    ※プログラムは多少変更する場合がありますので予めご了承下さい。
  7. 参加費:無料
  8. 主催:全国野鳥密猟対策連絡会 http://www008.upp.so-net.ne.jp/mittairen
      共催:当会
      後援:日本鳥類標識協会(予定)
  9. お問合せ・お申込み先:密対連(中村) [email protected] 携帯:090-1898-7062
    • お名前、ご連絡先(メールアドレス又はお電話番号)、ご所属(支部名等)をお申込みの際にお知らせください。(いただいた個人情報は本行事に関するご連絡以外には使用いたしません)
    • 前日8日18:00から、会場近くで出演者を囲んで懇親会を行ないます(会費4,000円程度の予定)。参加後希望の方は申し込み時に併せてお知らせください。

<本行事は地球環境基金の助成により実施されます>

(自然保護室/古南幸弘)

普及室より

ワイルドバード・カレンダー2010採用作品決定

 「野鳥も人も地球のなかま」をテーマに、1,127点(応募者226名)の写真作品の中から12点を選ばせていただきました。たくさんのご応募をいただき、まことにありがとうございました。撮影者のお名前の掲載は会誌『野鳥』8月号で、採用作品は9・10月合併号での掲載を予定しております。
 また、「ワイルドバード・カレンダー2010」は9月からの発売を予定しています。ご期待ください。

●採用作品と撮影者(敬称略)
[1月]トラツグミ/石橋孝継
[2月]モズ/野村典儀
[3月]キジ/土橋隆男
[4月]ホオジロ/福与義憲
[5月]ビンズイ/P井俊和
[6月]ホオアカ/宮 彰男
[7月]ノジコ/小宮山義光
[8月]クマタカ/逆井富士夫
[9月]ダイサギ/小園卓馬
[10月]フクロウ/吉田幸弘
[11月]ハイタカ/曽良寛武
[12月]ユリカモメ/野村 明

●本件についてのお問い合わせは、普及室 販売出版グループまでお願いします。
TEL:03-5436-2623、[email protected]

(普及室/江面康子)

■ワイルドバード・カレンダー2010への名入れ印刷 ご注文受付中■

 毎年、皆様からご好評をいただいております「ワイルドバード・カレンダー」。このカレンダーに、皆様の支部名等を刷り込むことができます。探鳥会での販売物として、おつきあいのある関係先様、団体へのご挨拶の品として、ぜひ、ご活用ください。
 7月下旬には各支部販売事業ご担当者様宛に、ご案内書(申込書付)をご送付申し上げます。ご注文は100部以上から25部単位で承っております。
 名入れカレンダーの仕様は「紙綴じ製本」で、各月毎にミシン目で切り離してご利用いただきます。一般販売用カレンダー(ペーパーリング製本)とは製本方法が異なりますので、予めご承知おきください。

●本件についてのお問い合わせ
普及室 販売出版グループまでお願いします。
担当:瀬古 TEL:03-5436-2623 FAX:03-5436-2636 [email protected]

(普及室/瀬古智貫)

総務室より

■支部長交代のお知らせ■

下記の通りご連絡をいただきましたので、お知らせいたします。(敬称略)

●滋賀支部 支部長
 新  石井 秀憲 (2009年6月21日付)
 旧  青木 保彦

(総務室/五十嵐 真)

■H20事業報告・決算をホームページへ掲載しました■

 平成20年度の事業報告と決算について、当会ホームページに掲載しましたのでお知らせします。なお、冊子版(平成20年度事業報告書・平成21年度事業計画書)については、7月末に各支部へ発送させていただく予定です。

(総務室/五十嵐 真)

会員室より

■会員数■

●7月1日会員数 42,538人(対前月-53人)

 会員数は先月に比べ53人減少しました。
 6月の入会・退会者数の表をみますと、入会者数は退会者数より67人少なくなっています。会員の増減は、入会者数と退会者数のほかに、会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活した人数によって決まります。
6月の入会者数は164人で、前年同月の入会者数167人に比べ3人減少しました。

また、6月の退会者数は231人で、前年同月の退者数214人に比べ17人増加となりました。

※会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活する方がいらっしゃるため、退会者数の年度累計は、実際の退会者数とはずれた数字となります。このため、退会者数合計については年度末の集計後にお知らせいたします。

●都道府県および支部別会員数
 野鳥誌贈呈者数を除いた数を掲載します。


備考:その他は海外在住の会員を示します。

備考:石垣島と西表は、6月中に会費納入をすまされた人数です。支部に入会を申し込んでいる会員数とは異なります。
支部別の会員数の合計は、都道府県別の会員数の合計と異なります。これは、本部型(青い鳥)会員や支部に所属されていない個人特別会員が支部別の会員数に含まれないためです。

(会員室/沖山展子)

支部ネット通信 第64号
◆発行
財団法人日本野鳥の会  2009年7月17日
◆担当
会員室
〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23
丸和ビル
TEL:03-5436-2632
FAX:03-5436-2635
E-mail:[email protected]