No.85 2011年4月号


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目次 ■東日本大震災への対応
 対応状況
 義援金経過報告
支部の動き
 支部報保護・調査記事関連トピックス
■事務局からのお知らせなど
 連携団体向け卸販売などの遅延
 野外鳥類学論文集 Strix vol,27 発行します
 公益財団法人日本野鳥の会となりました
 理事会、評議員会が開催されました
 「支部報とりまとめ発送」と次回のご案内
 支部名称等変更のお知らせ
 連携団体(支部)代表者名称について
 会員数


≪東日本大震災への対応 ≫

このたびの東日本大震災による災害で、被災された皆様に、心からのお見舞いを申し上げます。当会は全国の支部、会員の力を結集し、被災に会われた皆さまへの支援と被災地復興のために、全力を尽くす所存です。

財団法人日本野鳥の会
会長 柳生 博

 この震災への当会での対応状況などについて、4月12日現在の情報をお伝えいたします。最新の情報は当会ホームページをあわせてご覧ください。

●被災地の支部代表の皆さま、会員の皆さまの安否状況について
 前号でお知らせしましたように、被害が伝えられた青森、岩手、宮城、福島、栃木県、茨城県内の会員や支部の状況につきましては、災害直後から多くの皆さまから安否情報等をよせていただきました。なかなか確認がとれない地域もありましたが、一週間のうちに全ての支部の代表や事務局の方のご無事がわかりました。ありがとうございました。
 しかし、いまだに連絡の取れない会員の方も多くいらっしゃいます。特に岩手県、宮城県、福島県の沿岸部にある、宮古、北上、宮城、いわき、福島県相双、南相馬の支部におきましては、被害が甚大で支部役員の方も被災されたり、避難されたりしているなかで、会員の方の状況の把握に努めておられます。
   会員室では、引き続き、支部と連携をとりながら、『野鳥』誌の到着状況や、HPで把握できる情報など集め、一人でも多くの会員の方の安否の確認を続けてまいります。当会会員と思われる方の被災状況や、現住所、連絡先などについてご存知の場合には、ぜひお知らせ願います。
 ★連絡先:
    日本野鳥の会会員室 会員グループ
    E-mail:[email protected]
    電話:03-5436-2631

●被災地域の支援について
時がたつにつれ、被害の甚大さが明らかになり、被災地にある支部の復興にも多くの支援が必要です。被災された支部の皆さまへの支援を通して、被災地の復興につなげたいと考えています。引き続き、義援金へのご協力をお願いします

<ご送金方法>
■郵便振替で
ゆうちょ銀行・郵便局の貯金窓口に備え付けの振替用紙で、必ず通信欄に「被災地支援」と明記の上、次の口座にご送金ください。
・振込口座名義(加入者名):財団法人 日本野鳥の会寄付
・口座番号:00140−5−740256
■当会ホームページから
「オンライン寄付」へアクセスしてお申し込みください。
http://www.wbsj.org/support/kifu/online.html
※お送りいただいた義援金は、日本野鳥の会で一旦お預かりし、全額を被災された会員の皆さまや当会支部の支援のために使わせていただきます。義援金をお渡しする支部や会員の決定は、被災の状況を熟慮のうえ、支部と十分協議して進めていきます。結果につきましては、当会ホームページならびに会誌『野鳥』においてご報告いたします。
※義援金につきましては、当会での預かり金扱いのため、寄付金控除の対象にはなりませんので、予めご了承ください。

●被災にあわれた会員の本部会費の免除について
 前号でお伝えしましたが、被災の大きい地域にお住まいの会員の本部会費は、2011年4月より1年間免除いたします。厚生労働省による災害救助法の指定をもとに、支部と連携をとりながら、対象地域を定め、可能な限りの地域の方に個別にご案内をさしあげる予定です。

●当会の行事、発行物等について
(1)探鳥会について
 被害の大きかった地域では、支部活動が停止し、探鳥会の開催が困難となっています。また周辺地域や関東地方でも探鳥会を自粛・中止する場合があります。開催状況は刻々変わりますので、当会や支部のホームページでご確認ください。
http://www.wbsj.org/shibu/tancho/index.html

(2)当会の協定旅館の営業について
 被災地にある下記の当会協定旅館については、震災などの影響で営業が中止となっておりますので、ご注意ください。

また、そのほかにも営業上の注意のある施設がございますので、必ず事前にホームページやお電話などでご確認ください。
http://www.wbsj.org/nyukai/tokuten/hotel.html
(3)当会の定期刊行物『野鳥』やフリーマガジン『Toriino』などのお届けの遅延が、郵便事情により予想されます。また、配送が困難となっている地域もあります。お届けできなかった刊行物については、当会で保管させていただき、配送手段が確保されしだいお届けいたします。また、震災の影響によりご住所が変わられた皆さまには、落ち着かれましたら、ぜひ当会に新しいご住所をお知らせ願います。
 『バードショップカタログ2011春夏号』は、発行が延期となったため会員の方には『野鳥』5月号に同封させていただきます。会員以外の方には、4月上旬より順次発送させていただきます。
(4)福島市小鳥の森について
3月中休館しておりました福島市小鳥の森は、4月1日より営業を再開いたしました。
(5)当会事務所およびバードプラザ等について
震災被害はありませんが計画停電の影響と節電協力のため、一部業務の縮小、バードプラザの営業時間の変更などが発生する場合があります。お問い合わせなどへの対応が不十分になる場合があるかと思いますが、ご了承のほどお願いします。


■義援金へのご協力ありがとうございます■

 4月9日現在、以下の支部・ブロック会議・探鳥会グループの皆さまから義援金をお寄せいただいております。ご協力いただき、誠にありがとうございます。 また、日本野鳥の会滋賀、日本野鳥の会滝川の事務局からも、検討中とのご連絡をいただきました。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

この他にも、個人や関係団体などから254,000円をお送りいただき、合計700,210円となっております。

3月29日、日本野鳥の会埼玉の代表、藤掛保司様と、事務局の海老原ご夫妻が、五反田事務所にご来局され、柳生会長に義援金をお渡しくださいました。

(会員室/猪沢則子)



支部の動き

■支部報保護・調査記事関連トピックス■

 本記事は日本野鳥の会本部に送付されてきている各地の支部報から抽出して作成し、調査・保護に関心がある野鳥の会内部の方へ配信しております。
 本記事の一部又は全部を不特定多数が見る可能性があるところへ公開される場合は、各支部の了承を事前に得て下さい。記事は筆者の意向に反しないように、取り扱いをお願いします。

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.551

●2011/2 小樽
・小樽支部の名称を継続
・札幌にムクドリ区が誕生見込み
●2011/1 茨城県
・2009年度冬季のカラス類塒調査の結果
・コアジサシに人工島プレゼント
●2011/2 長野
・救護ボランティア アオバズク
●2011/1 大阪
・残せるかチュウヒの聖地を大阪に
・シマフクロウ保護に関する協定締結
・オオカワラヒワ
・森と暮らす、森に学ぶ
・愛玩飼養制度の即刻廃止を
●2011/2 北九州
・鳥インフルエンザ情報
●2011/2 筑豊
・福岡県環境部と県内四野鳥の会支部の意見交換会

●2011/2 小樽
・小樽支部の名称を継続
 本部の公益財団法人化に伴い、法人格の無い各支部は、内閣府の指導で「支部」の名称は使用できないとされていたが、1月、突然、内閣府から従来通りの「支部」の名称使用可能と判断が示された。小樽支部は名称変更手続きを進めていたが、本部からの通知に基づき、従来通りの「小樽支部」の名称を継続する事を検討する。
(小樽「あおばと」NO.125,P2)
・札幌にムクドリ区が誕生見込み
 4月、札幌の11番目の区としては発寒区が発足する見込みになった。地名の由来はアイヌ語のハチャム・ペツ(ムクドリのいる所)とされ、ムクドリを区のシンボルにする見込み。農耕をしないアイヌにとって利害が薄いムクドリのアイヌ語は見つからない。ハチャムは桜鳥と説明するものがあるが、桜鳥は桜の開花頃飛来するコムクドリの俗称とされ、アイヌはムクドリと区別しなかったようで、ハチャム、発寒とムクドリが結び付く。
(小樽「あおばと」NO.125,P7〜10)
●2011/1 茨城県
・2009年度冬季のカラス類塒調査の結果
 鳥インフルエンザに感染した養鶏舎の周りのカラスも感染している例が多いとして、県の委託で09/12〜10/2、カラスの塒を調査した。見つけた塒は88個所、内訳は県北8、県央27、鹿行(県南東部)10、県南23、県西20、最大は神栖市での3,420羽で、全体で37,722羽は04年の東京都の36,143羽を上回る。県北から筑波山塊の山地は昼間の採食地が無いためか塒が無く、水田単作地帯も塒に適した林がないためか塒が無い。再調査では約1/4の塒が消滅、統廃合された。塒の高木は杉、檜の常緑樹で、その樹冠を突き抜けた落葉広葉樹が混じる林を特に好んだ。
(茨城県「ひばり」NO.299,P4〜5)
・コアジサシに人工島プレゼント
 神栖市の利根川河口の中洲に、嘗て1万羽を超す、コアジサシの繁殖地があった。しかし、中洲は草で覆われ、利用されなくなり、国交省は川浸水対策でその中洲を撤去し、代償として銚子大橋上流約500mに、約7,500m2の人工島を7/30に完成させた。
(茨城県「ひばり」NO.299,P22)
●2011/2 長野
・救護ボランティア アオバズク
 H20/7、強風でケヤキが倒れ、巣を架けていたアオバズクの雛2羽が投げ出され保護された。外敵に食べられないよう、新しい巣箱(入口径12cm、箱の高さ50cm、床27cmX28cm)を作り、3日後設置した結果、作業中から親が近くを飛び、雛に給餌し、2羽とも無事に巣立った。
(長野「野鳥ながの」NO.491,P2)
●2011/1 大阪
・残せるかチュウヒの聖地を大阪に
 11/20の大阪バードフェスティバル2010記念フォーラムより。石川県河北潟のチュウヒ標識調査では巣立ち1箇月で移動始め、最長は宍道湖までの記録がある。ここ堺市まで渡って来た記録があり、ここで定着した可能性がある。88/4、巣材運びを確認、04/9、若鳥複数を記録、その後92回の調査、巣立ちも06年:1羽、07年:2、09年:1、参考:Strix Vol25
2007。当日、本部自然保護室の浦氏から「チュウヒのくらし映像とトーク」で秋田県大潟村のチュウヒの話があり、当会からは堺第7-3区のチュウヒの危機的な状況の報告があった。
(大阪「むくどり通信」NO.211,P10)
・シマフクロウ保護に関する協定締結
 10/14、日本製紙は根室地方で所有する森林126haに「日本製紙野鳥保護区シマフクロウ根室第3」を本部と共同設置し、野鳥保護区活動をする協定を結んだ。ここには3番のシマフクロウがいる。
(大阪「むくどり通信」NO.211,P12)
・オオカワラヒワ
 日本ではオオカワラヒワ、コカワラヒワ(現在はカワラヒワの呼称)、オガサワラカワラヒワの3亜種が確認されている。オオカワラヒワ(成♂)の識別は、一回り大きい、三列風切外弁の白色部が幅広い、頭から後頸が灰黒色より淡い灰色とされる。追加として、上面の羽色に微妙な差があり、コカワラヒワはオリーブ(緑黄)が強く、オオカワラヒワでは赤茶色味がある。春季は換羽せず、体羽が摩耗し、褐色味が消失し、黄色味が両亜種とも増す。三列風切の白部外弁も摩耗のため狭くなり、識別が難しくなるが、先端部では内弁に白部が食いこんでいるオオカワラヒワもいる。オオカワラヒワは千島列島〜カムチャッカ半島で繁殖し、大陸にいるウスリーカワラヒワ(頭頸、上面の羽色が更に淡い)の冬季飛来も考えられる。
(大阪「むくどり通信」NO.211,P13〜17)
・森と暮らす、森に学ぶ
 11/2の大阪での講演より。大半を豊岡市でのコウノトリの話をされた。農家の種々の事情を突破したのは水田で生物調査を続けている子供たちで、「うちの田んぼに生き物が少ないのは何故?何とかならないの」の声、これより農薬をできるだけ使わない水田が広がり、田の水を落とす「虫干し」の時期をずらし、冬水たんぼが広がった。柳生家では行き詰まった時は「野良仕事に出なさい、野が良くなる仕事をしなさい」と伝えらてれきた。著書「森と暮らす、森に学ぶ」の一節が紹介された。
(大阪「むくどり通信」NO.211,P18)
・愛玩飼養制度の即刻廃止を   11/27、28、松山市で第18回密猟問題シンポジウムが開催された。現在、環境省の第11次鳥獣保護事業計画の見直しが始まっており、密対連の宿願である「愛玩飼養制度の廃止」に向けて、各地からの環境省への要望書提出、各自治体への要望を行う取り組みの呼びかけがされた。
(大阪「むくどり通信」NO.211,P24)
●2011/2 北九州
・鳥インフルエンザ情報
 環境省は野鳥の糞によるウィルス調査、野鳥の異常死の監視を強化し、野鳥に接する当会会員に情報の期待が寄せられている。高病原性鳥インフルエンザに対し、感染リスクが高いカイツブリ類、カワウ、カモ科、ユリカモメ等の水鳥、カモ類、死体を捕食するタカ類、カラス類に注意をして頂きたい。今シーズンは春の北帰行が終わるまで予断を許さない状況で、支部の皆様と情報を密に対応していきたい。
(北九州「北九州野鳥」NO.296,P12)
●2011/2 筑豊
・福岡県環境部と県内四野鳥の会支部の意見交換会
 12/21、北九州、福岡、筑後、筑豊の4会と県の意見交換があった。野鳥の会の要望として、県内一斉調査、保護区設定効果調査の継続、愛鳥の集いに県内誘致、県全体の鳥類目録、外来生物図鑑の作成、メジロの愛玩飼養の廃止、密猟対策セミナーの開催、違法飼養を助長するものへの警告、英彦山ブナ林再生、傷病鳥獣保護対象から有害鳥獣(カラス、ドバト等)を外す事、有害鳥獣捕獲申請の実態、指導について。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.396,P13〜15)

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.552

●2011/2 いわき
・ハシボソミズナギドリの大群
・ウミウの調査報告
●2011/1 神奈川
・何を守れば?
・街中で塒するコムクドリ
・丹沢ブナ党シンポジウム報告
●2011/2 石川
・県内2010年野鳥大ニュース
●2011/2 ひょうご
・長谷川博先生からのメッセージ
・サンショウクイの声
・巣箱観察会
●2011/2 熊本県
・アオバズク観察報告
・2010年野鳥情報トピックス
・ニシコクマルガラスとコクマルガラスの交雑個体   

●2011/2 いわき
・ハシボソミズナギドリの大群
 11/13、NHKが「ワンダーワンダー;アリューシャンマジック」を放映した。アリューシャン列島ではオキアミが大発生し、それを求めニシン、鯨が500頭、ハシボソミズナギドリが集まり、1時間程で10km四方の海に1,000万羽に達する。南半球で繁殖し、北上し、5/25、いわき市の新舞子海岸の100m程に30羽以上の死体が上がった。
(いわき「かもめ」NO.106,P3)
・ウミウの調査報告
 1/15、カワウと分離するため、河口、漁港を中心に19個所でウミウを調査した。総計283羽で、多い個所は小名浜港:48、小浜漁港:41、鮫川河口:40、豊間漁港:33等。
(いわき「かもめ」NO.106,P3)
●2011/1 神奈川
・何を守れば?
 反捕鯨、イルカ猟に反対する人は「頭がいいものは守ろう」と言う。日本では「人の役に立つものは守ろう」がある。益虫、害虫、雑草等これらの観点から出た農業用語である。「綺麗なものは守ろう」もある。○○の群落、綺麗な鳥、蝶は当然のように大事にされている。「少ないから守ろう」もある。これらを守ろうとして、回りにいる普通の生き物を排除すると、どうなるかは、自然界は既に教えている。大事にしなければならないのは「普通のもの」である。コンクリートの中で自然や生き物の事を考えて来なかった人は、雑草を刈って園芸種を植える行為を手入れと思っている。
(神奈川「はばたき」NO.464,P4〜5)
・街中で塒するコムクドリ
 7月中旬より、藤沢市の街中の欅の街路樹でコムクドリがスズメと共同で集団塒する。極めて隣接しムクドリも塒している。9月上旬、400〜500羽と最大となり、10月上旬南へ渡って行く。塒の下には換羽した羽根が多数落ちている。横浜市中区の繁華街でも楠木に9/9、最大1500羽のコムクドリがスズメ、ムクドリと塒し、10/12に30羽、10/16には終認であった。両地とも人との軋轢のため、街路樹が伐採され、街路樹の意義を失なうため、何らかの対策が要る。野鳥たちはこれにめげず近くの樹へ移動するのみであった。
(神奈川「はばたき」NO.464,P6〜7)
・丹沢ブナ党シンポジウム報告
 11/21、丹沢に関するシンポジウムが開催された。丹沢のブナ枯れの原因をオゾンであるとするのは科学的ではないと言う人もいるが、オゾン、水分ストレス、ブナバチ等が複雑に作用しているようである。オゾン分布調査結果から見て主因はオゾンと言える。
(神奈川「はばたき」NO.464,P9)
●2011/2 石川
・県内2010年野鳥大ニュース
 4/7〜5/1:舳倉島でヒガラの群の中にキバラガラ(本邦初)。6/13〜14:柴山潟でレンカク(本県初)。3/23〜28:加賀市でソリハシセイタカシギ(本県初)。7/10:能登半島沖でアカアシカツオドリ(本県初)。9/30〜10/2:舳倉島でイワバホオジロ(本邦2回目、初回も同島)。9/26〜1016:舳倉島でヒメウタイムシクイ(本邦2回目、初回も同島)、滞在中換羽した。1016〜24:能美市でモリムシクイ(本県土初、舳倉島で記録有)。9/4〜7:能美市でヒメハマシギ(本県2回目)。ライチョウの白山で越冬。
(石川「石川の野鳥」NO.156,P2)
●2011/2 ひょうご
・長谷川博先生からのメッセージ
 11/7の会創立30周年記念講演から。11/21〜12/10、第105回鳥島調査に向う。今シーズン鳥島では480番のアホウドリが産卵すると期待している。2011年には番数は500組を超し、79/11の初の番数調査から32年目で10倍を超える事になる。2018年に総個体数5,000羽、2020年には番数1,000組を予想する。今後も出来る限り長く、アホウドリの回復を記録し続けたい。
(ひょうご「コウノトリ」NO.180,P5)
・サンショウクイの声
 サンショウクイは兵庫県南部では通過鳥で、北部では夏鳥として渡来する。亜種のリュウキュウサンショウクイは南西諸島で繁殖し、四国や紀伊半島でも記録され出した。「野鳥大鑑」によると、前者の声は「鈴を振るようなリズム」、後者は「平坦に鳴く」とある。両者の声紋は明らかに違い、その声はバードリサーチのHP内、資料集の声図鑑で聞ける。
http://www.bird-research.jp/1_shiryo/nakigoe.html
(ひょうご「コウノトリ」NO.180,P7)
・巣箱観察会
 甲山森林公園で10数年間、巣箱設置管理をした。何らかの形で鳥に利用された巣箱は7割以上、今年の結果は36巣箱の内、塒利用は19箱、巣材ありは23箱(塒と重複有)、巣立ちしたもの18巣箱。ヤマガラを見る機会が増えたのは巣箱だけのためではないと思われるが、シジュウカラのみが特に増えている感じでもない。ヤマガラは孵化時体重1gが、1日当り15Kcalの餌で1週間で体重14gになり、成鳥は15gであり、短期間に体重が増える。
(ひょうご「コウノトリ」NO.180,P718〜21)
●2011/2 熊本県
・アオバズク観察報告
 2010年、2個所の神社で観察した。A神社では5/12:声確認、7/30:2羽目巣立、8/2:少し離れた所で4羽、9/6:終認。B神社では7/19:3羽巣立、8/7:5羽、8/11:4羽、8/26:3羽、9/1:2羽、その後1羽を確認し、10/8にホッホッの1羽の声。A神社では9/6以降も残留していた可能性はある。10月に南下するとあり、B神社ではそこまで確認できた。
(熊本県「野鳥くまもと」NO.283.P2〜3)
・2010年野鳥情報トピックス
 県産種(亜種)の追加:2/16〜3/28、人吉市温泉町にノドグロツグミ滞在(県初記録)。5/1、熊本市でオオチュウカッコウの囀りが録音された。88/5の長崎県、10/4の沖縄県に次ぐ国内3例目(県初記録)。11/17:熊本市でオオヨシゴイの幼鳥(県初記録)。希少種として:県下2個所でオオハクチョウが前年の13年ぶりに続き、渡来。2/27、熊本港でコクガン2羽(6年ぶり)。5/3、熊本市でシベリアオオハシシギ、11/3、玉名市でアカアシチョウゲンボウ、5/5、天草町でシマゴマの囀り(県下26年ぶり)。特記事項として:09〜10年、横島干拓・熊本港で最マナヅル39羽、ナベヅル1羽が越冬。熊本市でコイカル繁殖(県下15年ぶりの記録)。
(熊本県「野鳥くまもと」NO.283.P12〜16)
・ニシコクマルガラスとコクマルガラスの交雑個体
 11/11、12、玉名市の横島干拓でミヤマガラス約100羽、コクマルガラス数羽の中に、いずれからも追い払い行動を受けるカラス類1羽を見る。虹彩は灰白色でコクマルガラスの黒色と明確に異なり、ニシコクマルガラスを示唆するが、ニシコクマルガラスの体色とは異なり、灰色、灰白色が多く、両種の中間的な様相を示し、両種の交雑個体と思われる。両種はバイカル湖周辺で繁殖分布が近接し、比較的に交雑例が多いとされる。
(熊本県「野鳥くまもと」NO.283.P17〜18)

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.553

●2011/春の巻 弘前
・ガン・カモ・ハクチョウ類調査報告
・弘前公園付近のカラスの冬塒生息個体数調査
●2011/1 ふくしま
・サンコウチョウ分布(予備)調査
・2011年阿武隈川ガン・カモ・ハクチョウ生息調査結果
●2011/2 千葉県
・鳥の大量死はなぜ起きたのか (1/7 ナショナルジオグラフィック日本語サイト)
・アホウドリ 第3の繁殖地期待 (12/13 朝日新聞)
●2011/2 神奈川
・シンポジウム「生き物地図を未来へ」
●2011/1 愛知県
・鳥インフルエンザについて
●2011/2-3 京都
・2010年タカの渡り調査
・密猟問題シンポジウムに参加して
・鳥名の記述順の変更
●2011/2 長崎県
・烏帽子岳を渡るサシバ

●2011/春の巻 弘前
・ガン・カモ・ハクチョウ類調査報告
 1/9、弘前地区の8個所で調査した。結果はヒシクイ3、オオハクチョウ(成767、幼108)、コハクチョウ3、カモ類総計17,790羽で内訳はカルガモ5,558、マガモ4,634、オナガガモ3,820、スズガモ2,822、コガモ500、キンクロハジロ210等。総数は前年調査の2倍以上で、各種とも大幅に増加した。
(弘前「初列風切」NO.163,P3)
・弘前公園付近のカラスの冬塒生息個体数調査
 1/29、30、朝5:30〜7:00(日の出6:45)、弘前公園を囲む定点7個所でカウントした。1/29:5,252羽、1/30:4,023羽でこれは20年前の4〜5倍となる。20年前は夏〜秋の1,300〜1,700羽が冬期に1,000羽程度まで減少したが、近年はその減少が目立たないのは、外部から渡来するハシブトガラスやシベリアから渡来するミヤマガラスが加わるためと思われる。寒さ、降雪などで餌不足のためか、落鳥したカラスを食するハシブトガラスが見られる。
(弘前「初列風切」NO.163,P4)
●2011/1 ふくしま
・サンコウチョウ分布(予備)調査
 5月後半〜7月初め、6時〜8時、各場所2、3回、ラインセンサス(往復15分程)、または15分間のスポットセンサスを行った。調査地は一定以上の森林面積(1.7〜7.5ha)、落葉広葉樹にスギ、ヒノキが混在、ホオノキ、フジ等の営巣植生地、小川、池等の水辺から20m以内の飛翔性昆虫供給源に合う福島市内38個所を選んだ。その結果、14個所でサンコウチョウの生息が確認された。
(ふくしま「きびたき」NO.197,P4〜5)
・2011年阿武隈川ガン・カモ・ハクチョウ生息調査結果
 1/9、8班に分かれ、調査した。結果はオオハクチョウ543、コハクチョウ229、カモ類は7,858羽で内訳はオナガガモ5,227、マガモ768、カルガモ655、コガモ570、ヒドリガモ239、キンクロハジロ172、ホシハジロ129、カワアイサ53、ホオジロガモ40等。カワウは32。
(ふくしま「きびたき」NO.197,P6)
●2011/2 千葉県
・鳥の大量死はなぜ起きたのか (1/7 ナショナルジオグラフィック日本語サイト)  2010年大晦日から米国で野鳥の大量死が次々と報告された。全米オーデュボン協会の鳥類学者は北米には常に100億〜200億羽の鳥がおり、毎年、概ねその半分が自然死すると言う。夜間、3km2に約5千羽の鳥が空から落ちて来たが、原因は鳥が止まっていた木の周辺で、花火が打ち上げられ、それに驚いて飛び立ち、人工物等に衝突死したと思われる。星を目印に飛ぶ鳥は、見えない時は建物の照明を目指して進む事がある。
(千葉県「ほおじろ」NO.358,P12〜13)
・アホウドリ 第3の繁殖地期待 (12/13 朝日新聞)
 アホウドリの1組がミッドウェー岩礁で抱卵しているのが確認された。鳥島、尖閣諸島の南小島につぐ第3の繁殖地になる可能性がある。ここではコアホウドリが繁殖し、10年前からデゴイを置き、鳴声を流していた。抱卵している番は鳥島生まれで4年前から繁殖期に飛来し、昨年は巣を作ったが産卵せず、今回は11月中旬から抱卵を始めた。東邦大学の長谷川博教授は、デゴイ作りの協力が実を結んだと言う。
(千葉県「ほおじろ」NO.358,P13)
●2011/2 神奈川
・シンポジウム「生き物地図を未来へ」
 11/27、5月に逝去された浜口哲一氏の遺志を継承するためのシンポジウムが開催された。野鳥の会のみならず多方面に活躍された同氏を偲ぶ人430名が集った。日本自然保護協会から「市民調査で地域の自然と暮らしを引き継ぐ」、当会から「観察記録を重視した野鳥の目録作り」、神奈川県植物誌調査会から「花ごよみで深く知ったマイフィールド」、神奈川大学院から「最後の教え子が語る浜口研究室」、こまたんから「トコロジストはアマチュアの最高の楽しみ」、相模原市立博物館から「生き物地図を未来へ」が発表された。
(神奈川「はばたき」NO.465,P6〜7)
●2011/1 愛知県
・鳥インフルエンザについて
 本部ではこの問題に関する環境省と農水省の検討会委員を務める金井裕主席研究員を中心に事務局で情報収集、関係官庁へ提案を行っている。
http://www.wbsj.org/nature/infection/influenza/101227.html
冬鳥の動き、特にカモ類の動きでお気づきの点があれば、本部自然保護室までメールで情報をお寄せ下さい。
 [email protected]
(愛知県「愛知の野鳥」NO.288,P7)
●2011/2-3 京都
・2010年タカの渡り調査
 岩間山での2010年秋期の結果は下記のタカの渡り全国ネットワークのHPに記載。
http://www.gix.or.jp/~norik/hawknet/hawknet0.html
 ハチクマ907羽の内、155羽で成幼が識別でき、♂56、♀41、雌雄不明20、幼鳥38で、幼鳥率25%は例年通りであった。今回からレーダーが活躍し、25度の角度で空をサーチした。青空では人の目で1q上空は困難であるが、レーダーによると、2000m上空を飛ぶ個体もいた。
(京都「そんぐぽすと」NO.168,P10〜12)
・密猟問題シンポジウムに参加して
 密対連は1992/8、京都で発足し、京都支部が事務局を担っている。・野鳥の輸入は原則禁止・現行法に基づく野鳥の密猟取り締まりの強化・密猟を助長する「愛玩飼養」制度の廃止を掲げている。今回の四国でのシンポジウムで、事務局より愛玩飼養制度廃止に向けた要望が提案され、廃止に向けの声が会場に響いた。
(京都「そんぐぽすと」NO.168,P13)
・鳥名の記述順の変更
 図鑑では鳥名の配列順序はアビ目から始まり、カイツブリ目・・・となっている。これは形態学的見地から、より原始的と考えられる鳥から順番に登場している。DNAを用いた手法で生物の類縁関係や進化上の位置が分かるようになり、ダチョウ目、カモ目、キジ目は古くに分岐したと考えられるようになった。これにより鳥名の記述順が従来から変更されている。恐らく、関係学会で広く承認されている見解であろう。参考:Svennson,L.et al.(2009) BIRD GUIDE(2nd Ed.) Harper Collins,London.
(京都「そんぐぽすと」NO.168,P14)
●2011/2 長崎県
・烏帽子岳を渡るサシバ
 3年前から、佐世保市の烏帽子岳でサシバの渡りを見ている。10/10/7:426羽、内358羽がかなり高いところでタカ柱、北西から南へ渡去した。アカハラダカと同じコースでこれは大陸からの直行便?九州北部では朝鮮半島から南下するサシバが少数いるとされている。
(長崎県「つばさ」NO.281,P3〜4)

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.554

●2011/3 札幌
・冬に夏鳥
●2011/3 埼玉
・コクガン
●2011/3 千葉県
・大型カモメ類の識別のヒント
・「危ない!」親鳥声を使い分け (1/11 朝日新聞)
・タンチョウ台湾へ寄贈 (1/26 讀賣新聞)
●2011/2 静岡
・ガンカモ調査報告
●2011/3 大阪
・探鳥会担当者の独り言
・桜の花に来る鳥たち
●2011/3 岡山県
・ようこそマナヅル
・今年は来るかな?レンジャク
・県内のカモ生息数
●2011/3-4 愛媛
・ジョウビタキの初認調査
●2011/3 長崎県
・第13回オシドリ一斉調査結果
●2011/3 筑後
・有明海にクロツラヘラサギ多数飛来 

●2011/3 札幌
・冬に夏鳥
 今年の冬は雪が多く、寒い中、1/23、札幌市でトラツグミの遺体、1/24、江別市でメジロの遺体が届けられた。2/13、札幌でアオジの記録、アオジは小樽の餌台で越冬記録があるが、北海道では夏鳥であるこれらの鳥は勇敢にも越冬しようとした?それとも秋に渡り損ねた?
(札幌「カッコウ」NO.331,P15)
●2011/3 埼玉
・コクガン
 12/14、利根川(行田市)でコクガンが撮影された。当会記録では02年以来4例目になる。
(埼玉「しらこばと」NO.323,P9)
●2011/3 千葉県
・大型カモメ類の識別のヒント
 オオセグロカモメ、セグロカモメ、ワシカモメ、シロカモメは成鳥になるのに4年を要し、換羽の順序は共通である。巣立ち時は幼鳥(juv.)と呼ばれ、肩羽は幼羽で概して鱗状に見える。越冬地で肩羽は第1回冬羽(1w)に換羽する。1wは碇型に見え、淡色になる。春先は1wの羽毛の先端部が摩耗し、白っぽく見える個体が増える。第2回冬羽(2w)の肩羽は成鳥と同じ濃度になる。第3回冬羽(3w)の肩羽は成鳥と同じ色になり、雨覆は成鳥と同じ色に順次換羽を始める。
(千葉県「ほおじろ」NO.359,P6)
・「危ない!」親鳥声を使い分け (1/11 朝日新聞)
 シジュウカラの親は、天敵によって、警戒鳴き声を使い分け、雛はその天敵に応じた防衛行動をする事が、立教大学理学研究科の松本俊貴院生の研究で分かった。巣立ち間近の雛がいる巣箱の前にカラスの剥製、透明ケース入れた蛇をそれぞれ置いた結果、11巣でカラスに対し、親は「チカチカ」と鋭く警戒し、雛は巣の奥に引っ込んだ。蛇では10巣で親は「ジャジャ」と声を出し、雛は10〜数十秒で外へ逃げた。雛は天敵に適した防衛策を取ったと考えられる。
http://www.kagakunavi.jp/topic/show/200
(千葉県「ほおじろ」NO.359,P12)
・タンチョウ台湾へ寄贈 (1/26 讀賣新聞)
 北海道と釧路市はこの秋に、台湾へタンチョウのペアの寄贈を決めた。台湾ではタンチョウは長寿、夫婦円満の象徴とされ、辛亥革命から100周年を迎える10/10を祝福する意味合いもある。
(千葉県「ほおじろ」NO.359,P12)
●2011/2 静岡
・ガンカモ調査報告
 1月、県央地区44個所でカウントした。結果はコクガン1、マガン1、カモ類16種5,814羽で、内訳はコガモ1,452、カルガモ1,081、ヒドリガモ921、マガモ630、オナガガモ363、オカヨシガモ284、キンクロハジロ258、ホシハジロ251、オシドリ238等。これとは別にカワウ682、オオバン380。
(静岡「野鳥だより」NO.381,P2〜4)
●2011/3 大阪
・探鳥会担当者の独り言
 探鳥会の主人公は鳥?探鳥会に参加するのは人で、各人が感動、発見をする事を通して各人が主人公である。探鳥会は自然破壊?参加者が多い時はリーダーの管理だけでなく、参加者各人の意識が求められる。探鳥会は異様な集団?数が多いとハイカー、里山を仕事場にしている人達の傍迷惑になっている。標語「やさしいきもち」の「き:気をつけよう・・・」である。専門用語はバリア?顔見知りでは種名の省略形、専門用語を使うが、それを聞くと初心者は次回から参加を躊躇う事になる。初心者にも分かる説明、解説をしたい。
(大阪「むくどり通信」NO.212,P5)
・桜の花に来る鳥たち
 スズメの桜花の盗蜜は80年代後半から注目を集め、アンケート調査では岩手県から宮崎県まで観察されている。更に北海道でも確認され、沖縄県でもその可能性がある(1991 唐沢)。江戸時代中期の絵にスズメが山桜を突く様子が描かれており、江戸(東京)から花見が広がり、各地に桜の木が植えられ、その頃からスズメと桜花が接する機会が増えたはずである。ヒヨドリ、メジロ、コゲラ、イカル、ドバト、シジュウカラ等が桜の花に来て、蜜を吸う、花を食べる、盗蜜をする。
(大阪「むくどり通信」NO.212,P12)
●2011/3 岡山県
・ようこそマナヅル
 年末に県東部の瀬戸内市の錦海塩田跡地に、アマヅル1が舞い降り、瀬戸内IC辺りの田んぼで落穂を拾っていた。何らかの事故で群れから外れたもので、県内には87/11、2羽のマナヅルの記録がある。
(岡山県「野鳥おかやま」NO.183,P6)
・今年は来るかな?レンジャク
 レンジャクが年により飛来数が変わるのは、欧州の研究では繁殖地や通過地の木の実のなり方の多少に関係している。それが多いと、そこに留まる個体が多く、暖地には少数しか現れない。実がよく実って多くの個体が生き延びた翌年の繁殖期に個体数が急増し、その年の冬に多数が南に渡る。実が少ないと、この逆となり、このような植物との関係が多くの鳥で見られる。
(岡山県「野鳥おかやま」NO.183,P7)
・県内のカモ生息数
 2010/11(狩猟期前)と2011/1(狩猟期間中)、県内15箇所でカモをカウントした。総計は17,655羽→22,396羽、内訳はオシドリ229→1、マガモ1,510→1,977、カルガモ721→824、コガモ1,466→485、ヒドリガモ3,190→2,408、オナガガモ750→1,655、ハシビロガモ801→448、ホシハジロ5,575→9,501、キンクロハジロ2,415→3,382、スズガモ402→1,012、ミコアイサ7→78等。(狩猟の有無の影響と調査月の変化が混ざっている 森)
(岡山県「野鳥おかやま」NO.183,P10〜11)
●2011/3-4 愛媛
・ジョウビタキの初認調査
 県内で2年連続して報告があった12箇所のジョウビタキの初認日は、今期は1箇所を除いて全てで昨年より遅かった。昨年の最も早い日は10/18、今年は10/27、平均で昨年より9日遅かった。今年はワシタカの渡りも遅い。
(愛媛「コマドリ」NO.201,P20)
●2011/3 長崎県
・第13回オシドリ一斉調査結果
 1/16、県下46個所で調査した。結果は♂532、♀416、不明836、合計1,784羽。各個所、オシドリ減少傾向にあるが、長崎市の川原大池では従来100羽以下が今年は750羽と何故か多数が集まった。ボート乗り入れ禁止が効いた?しかし、ここではオシドリから高病原性鳥インフルエンザが検出され、立入禁止である。
(長崎県「つばさ」NO.282,P7〜11)
●2011/3 筑後
・有明海にクロツラヘラサギ多数飛来
 1/23、有明海水鳥調査で計22羽のクロツラヘラサギが確認された。1/31には計27羽が確認され、07年に韓国西海岸で足輪付で放鳥されたものが3年続けて有明海東岸に飛来した。今までは精々数羽であったが、数が増えたのは有明海が甦る兆しか。
(筑後「まめわり」NO.119,P8〜9)

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.555

●2010/12 旭川
●2011/3 苫小牧
・鵡川河口付近シギ・チドリ月別調査
●2011/3-4 宮城
・2010年度「環境省鳥類観測蒲生2級ステーション」調査
・野外録音の薦め
●2011/3 東京
・アカコッコの保護研究
・野鳥雑学3題
・シロチドリの減少とその復活に向けて(上)
・鏝絵(こてえ)
・カツオドリ
●2011/3-4 ひろしま
・ガンカモ調査2011速報
●2011/3 北九州
・ビオトープについて
・韓国江華(ガンハ)干潟センターとの交流
●2011/3 熊本県
・クロツラヘラサギ・ズグロカモメ一斉調査報告 

●2011/3 苫小牧
・鵡川河口付近シギ・チドリ月別調査
 2010/3〜2011/2、毎月の調査結果。トウネン39(5月)→1(7月)→46(8)→41(9)→2(10)。ハマシギ1(3月)→1(4)→30(3)→8(9)→44(10)→22(11)→2(12)→3(2)。オグロシギ1(5月)→17(8月)→46(9)→(10)。ホウロクシギ3(4月)→33(5)→1(6)→8(9)。春のみ記録:シロチドリ、キョウジョシギ、オオジシギ、セイタカシギ。秋のみ記録:ヒバリシギ、オジロトウネン、サルハマシギ、コオバシギ、オバシギ、ミユビシギ、エリマキシギ、キリアイ、オオハシシギ、ツルシギ、アカアシシギ、コキアシシギ、アオアシシギ、タカブシギ、ソリハシシギ、タシギ。
(苫小牧1「あおさぎ」NO.175,P5)
●2011/3-4 宮城
・2010年度「環境省鳥類観測蒲生2級ステーション」調査
 当会が蒲生干潟の保護に関わって47年になる。5年前、「蒲生干潟自然再生協議会」が発足し、当会は構成員であるが、進展は中々見られない。春と秋の探鳥会、年4回のシギチ調査をしている。1972年、環境庁事業の渡り鳥のバンディング調査が全国的に開始され、蒲生海岸でも会の有志が協力をしている。同地で2010年度回収された主な鳥類は、キアシシギ(09/8同海岸で放鳥が10/9回収)、アオジ(同海岸で秋に放鳥、1〜2年後複数羽を回収)、オオジュリン(釧路市、東北地方で今秋放鳥が、1〜2箇月後多数回収)、オオミズナギドリ(女川町で放鳥が16年ぶりに回収)。
(宮城「雁」NO.246,P18〜19)
・野外録音の薦め
メモリーレコーダー(ICレコーダー)は外付けマイクが不要で小さい。風の音が入らぬよう風防を付ける。三脚取り付けできなく手で持つ時は、手袋の着用でノイズを減らす。内臓メモリーとSDカード併用がよい。リニアPCM(WAV)録音ができる機種ではCDと同じ44.1KHz/16bitで録音し、パソコンで音楽CDが作れる。MP3での録音は、周波数の高い囀りの録音には不向きである。プレレコーディング機能があれ、数秒前の音から記録される。リモート端子、ヘッドフォン端子があれば更によい。現在手に入る参考書:「野鳥を録る」東洋館出版社、2,800円「日本野鳥大鑑 鳴き声420増補版」小学館 CD Books 14,000円。
(宮城「雁」NO.246,P20〜22)
●2011/3 東京
・アカコッコの保護研究
 トキはコウノトリと共に絶滅に瀕し、国際保護鳥という名の下に国民的コンセンサスを得て、長年、保護増殖施策が続けられている。アカコッコは可愛い名前と天然記念物として親しまれているが、鹿児島県のトカラ列島で少数が繁殖、主に伊豆諸島で生息する日本固有種となっている。一昨年、三宅島のアカコッコ館の調査で4,392羽の生息推定数が出ている。全体でも1万羽程度では。減少した理由はネズミ駆除のため放たれたイタチが考えられが、対策はされていない。当会は三宅島の活動に呼応してアカコッコの保護を目指した保護研究を立ち上げた。
(東京「ユリカモメ」NO.665,P3)
・野鳥雑学3題
 キビタキは秋の渡り時、ミズキの実を食べるが、その種をペリットとして吐き出す(ヒタキ類はよくやる)。ヤマシギ、タシギ、トラツグミは天敵に見つからないように?ゆっくり抜き足、差し足、忍び足をする。ヤマガラはエゴの実を食べるが、この実の中にいるウジ虫(エゴヒゲナガゾウムシ)を食べるのが目的では。
(東京「ユリカモメ」NO.665,P13)
・シロチドリの減少とその復活に向けて(上)
 谷津干潟では1976年頃までは秋〜冬に1,000羽以上のシロチドリが見られたが、近年は出現しない月もあり、40年程前の1%以下になっている。04年からのシギ・チドリ類全国調査(モニタリングサイト1000)によると、全国では冬季04年:8,000羽が07年:半減、その後横ばいになっている。
(東京「ユリカモメ」NO.665,P14)
・鏝絵(こてえ)
 鏝絵は土蔵の白壁等に左官職人が鏝を使って、漆喰をレリーフ状に盛り上げた縁起物の絵柄で鶴や亀が描かれている。昨年、鳥取県倉吉市で全国鏝絵なまこ壁サミットが開催されている。
http://www.pref.tottori.lg.jp/dd.aspx?menuid=120765
(東京「ユリカモメ」NO.665,P15)
・カツオドリ
 ウやペリカン同様、本種の仲間には鼻孔が無く、激しいダイビングでも問題は無い。呼吸は嘴の端で行う。更に、体全面の皮下に海綿状の空気層である気嚢を持ち、水面突入時のショックを和らげる。
(東京「ユリカモメ」NO.665,P23)
●2011/3-4 ひろしま
・ガンカモ調査2011速報
 今回から環境省/広島県の水鳥調査と連携し、1/9の前後1週間で実施。19種、19,052羽が記録された(昨年は19種、21,634羽)。内訳はヒドリガモ5,864(昨年は6,511)、マガモ2,278(2,685)、コガモ2,034(1,794)、スズガモ1,692(2,944)、カルガモ1,526(1,664)、ホシハジロ1,371(1,158)、オナガガモ957(741)、ハシビロガモ745(656)、オカヨシガモ700(784)、キンクロハジロ611(550)等。カワウは3,206(2,892)。
(ひろしま「森の新聞」NO.173.P5)
●2011/3 北九州
・ビオトープについて
 北九州市若松区に日本最大?の48ha響灘ビオトープが出現した。ビオトープはギリシャ語のbio(命)+topos(場所)からの造語で独語でBiotop、英語でBiotope(バイオトープ)。トンボが産卵する池のビオトープと言うが、トンボはその他の場所も広く必要としている。その種のみを保護する活動は問題である。その管理に多大の手間がかかり、野イヌ、野ネコ、入園者のマナー対策が求められる。
(北九州「北九州野鳥」NO.297,P10)
・韓国江華(ガンハ)干潟センターとの交流
 1/23、韓国江華(ガンハ)干潟センターから7名が来日し、当会と交流した。同干潟は世界文化遺産に指定され、曽根干潟の74倍の広さがあり、クロツラヘラサギの繁殖地で世界の半数が飛来する。同センターの来日目的は、両国の湿地交流、姉妹湿地団体を作る、日本の湿地教育、湿地センターの運営状況調査、クロツラヘラサギ越冬地の訪問。
(北九州「北九州野鳥」NO.297,P11)
●2011/3 熊本県
・クロツラヘラサギ・ズグロカモメ一斉調査報告
 1/22、県下10箇所で調査した。結果はヘラサギ5羽(成3、若2)、クロツラへラサギ81(成61、若14、不明6)、ズグロカモメ557。昨年はクロツラヘラサギ106羽で過去最高を記録していた。今年は最大の越冬地台湾のクロツラヘラサギは大幅に減っている。
(熊本県「野鳥くまもと」NO.284,P13〜14)

(自然保護室支援・野鳥の会 神奈川/森 要)

事務局からのお知らせなど

普及室より

■2011年春夏 連携団体(支部等)向け卸販売 案内送付の遅延について■

 この度の東北地方太平洋沖地震の影響による、バードショップカタログの発行の遅延や、郵便事情の都合により、「連携団体(支部等)」(以下、連携団体)向け卸販売のご案内のお届けが遅れております。皆様にはご迷惑をおかけし、申し訳ありません。郵便等の配送が可能な地域には、順次発送をしております。まだ、案内が届いておらず、急ぎ必要な場合は、下記までご連絡いただけますようお願い致します。

●連携団体向け卸販売についてお問い合わせはこちら
普及室 販売出版グループ
TEL:03-5436-2623   FAX:03-5436-2636
メール:[email protected]

(普及室/江面 康子)

■野外鳥類学論文集 Strix vol,27 発行します!■

2008年発行の第26巻をもって休刊しておりましたStrixが、当会の評議員である立教大学の上田恵介教授と三上かつら氏のご支援をいただき、5月、27巻として復刊することとなりました。

●Strix編集長の上田恵介(立教大学)教授からのメッセージ

連携団体の皆様
 どうもお待ちどおさまでした。復刊したStrix、ご覧になっていかがでしたでしょうか。26巻で休刊になったときは、もうこれで復刊はないのではと心配された方も多かったのではないでしょうか。
 Strixは創刊から一貫して日本における野外鳥類学の研究誌として、大きな役割を担ってきました。休刊までの26巻に掲載されたさまざまな鳥種、テーマの研究論文は、日本の鳥類学研究の発展に大きな貢献をしてきました。それは全国津々浦々に展開する日本野鳥の会の連携団体と会員の力によるものです。その意味で、Strixは会誌の『野鳥』とともに、日本野鳥の会の"顔"とも言える存在です。
 鳥の研究は一部の人たちのものではありません。私が野鳥の会に入って間もない頃。私は当時中学生でした。家の近くの田んぼでケリが繁殖していました。当時の小林図鑑(古い会員の皆さんは覚えておられるでしょう)には、「ケリの繁殖南限は京都府巨椋干拓田である」と書かれていました。寝屋川市は巨椋より南です。そこで当時の大阪支部報に「寝屋川市でのケリの繁殖」という報告を投稿しました。中学生にとって、自分の文章が活字になったときの喜びは忘れられません。それがたぶん、今の私が歩んでいる道を決定づけたのだと思います。
 連携団体の皆さんは野外で実際に鳥と長い時間をともにすることによって、プロの研究者が気づかなかったさまざまな新しい現象を発見するチャンスに恵まれています。どうか、野外で見つけた面白い発見を論文の形にしてStrixに報告してください。そして若い会員、とくに中学生や高校生に、深く観察することの喜びを教えてあげて下さい。そして若い力を育ててください。それが将来の地域の自然保護の力にもなっていきます。各地の連携団体で若い会員を育て、「鳥の観察から研究へ」という流れを創っていただけたら、それが日本の鳥学研究を大きく底上げすることにつながります。
 全国の会員の皆様と、楽しくStrixを作っていきたいと思っています。

Strix編集長 上田恵介

※皆様へのメッセージですので、「連携団体(支部等)」を全て「連携団体」と表記 させていただきました。

●Strix Vol,27の内容

【掲載タイトル】
(原著論文)

(短報)

(報文)

【B5判】180頁
【定価】¥3,570(税込)

●ご注文
『Strix vol.27』のご注文・お求めは、以下の方法で承ります。

@各連携団体(支部等)の販売事業ご担当者様まで
A通信販売
 日本野鳥の会 普及室 通信販売係
  〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル
  TEL:03-5436-2626 FAX:03-5436-2636
B全国最寄りの書店でお取り寄せ

(普及室/瀬古智貫)


総務室より

公益財団法人日本野鳥の会となりました

 国の公益法人制度改革に伴い、当会では新制度下の公益財団法人へ移行認定申請をしておりました。去る3月25日をもって認定がなされ、4月1日に「公益財団法人 日本野鳥の会」としての登記を完了しましたのでご報告いたします。
 110年間つづいた公益法人制度は、民間による公益活動の拡充という目的のもと、この度抜本的に制度的仕組みが変わりました。新制度では、登記のみで設立可能な一般社団法人・一般財団法人と、そのうち民間有識者からなる合議制の機関の意見に基づき、新たな公益法人として認定される公益社団法人・公益財団法人との2階建てで構成されています。
 当会は、野鳥を通じた自然保護を進め人間性豊かな社会の構築に貢献することを目的として事業展開をしてまいりました。新たな制度においても、その活動の公益性が認められ、「公益財団法人 日本野鳥の会」へと移行いたしました。気持ちを新たにして、自然保護活動にまい進してまいります。

(総務室/五十嵐 真、小川 富由美)


■理事会、評議員会が開催されました■

 3月6日(日)、大崎第二地域センター区民集会所(東京都品川区)にて平成22年度第4回理事会および第2回評議員会が開催されました。概要は下記のとおりです。

●平成22年度第4回理事会

●平成22年度第2回評議員会 ●同日、評議員会終了後、理事、評議員、傍聴の方々による懇親会が行われました。

(総務室/五十嵐 真、小川 富由美)


■「支部報とりまとめ発送」と次回のご案内■

 「支部報とりまとめ発送」についてご案内いたします。各「連携団体(支部等)」(以下、支部という)が発行している支部報を、それぞれの支部より全支部へ送付するのはコストと手間が掛かるため、これを財団事務局にてとりまとめて、下記のとおり全支部に送付しています。

●発送日:奇数月の上〜中旬
●発送方法:原則として宅配便
●発送先:全支部の事務局(現在90)、近畿ブロック、および全サンクチュアリ

取りまとめ発送をご希望の支部は、下記の要領で財団事務局までお送りください。
●必要部数:
余部用を含め110部お願いいたします。
ご事情により必要部数に満たない場合は、総務室にて適宜、発送先を調整させていただきます。
●首都圏の支部へのお願い:
バードプラザやサンクチュアリで、首都圏にある支部の支部報をご希望されるお客様に支部報を差し上げて入会促進を図っております。以下の部数にてお送りくださいますようご協力お願いいたします。
 ・日本野鳥の会東京 130部
 ・日本野鳥の会神奈川、埼玉、奥多摩支部、千葉県120部
●送付〆切り日:本通信上で予めお知らせいたします。
●取りまとめ発送用の支部報の送り先:
 〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23丸和ビル
 日本野鳥の会総務室 支部報担当宛
●本件に関するお問合せ先:
 03−5436−2620 総務室 小川富由美(おがわ ふゆみ)
●次回の支部報とりまとめ発送について
次回は5月31日(火)ですので、取りまとめ発送をご希望の支部は、5月30日(月)までに、上記の送り先へお送りくださるようお願いします。

(総務室/五十嵐 真、小川 富由美)

■支部名称等変更のお知らせ■

●南伊豆支部 (2011年1月1日より)

・新名称:『日本野鳥の会南伊豆』
・支部長→会長

●木曽支部(2011年1月18日より)

・支部長の交代(敬称略)
 【新】 松原 秀幸
 【旧】 小林 八千治

●日本野鳥の会弘前 (2011年3月13日より)

・新名称:『日本野鳥の会弘前支部』(従来の名称へ戻す)
・代表→支部長

●栃木県支部 (2011年4月1日より)

・新名称:『日本野鳥の会栃木』
・支部長→代表

●日本野鳥の会甲府 (2011年4月3日より)

・新名称:『日本野鳥の会甲府支部』(従来の名称へ戻す)
・代表→会長

(総務室/五十嵐 真、小川 富由美)


会員室より

 

連携団体(支部)代表者名称について

 従来の支部名称を変更をされた支部におかれましては、併せて支部長の名称を、代表、会長へ変更された支部が多くあります。このため代表者の名称として、支部長、会長、代表などの名称が混在しています。代表者の方へ文書などをお送りする時のラベルの表示はシステム上一括して『連携団体の長』とさせていただき、効率化を図りたいと存じます。申しわけありませんがご理解をお願いいたします。

(会員室/沖山展子)


■会員数■

●4月1日会員数40,230人(対前月-82人)
 会員数は先月に比べ82人減少しました。
3月の入会・退会者数の表をみますと、入会者数は退会者数より69人少なくなっています。会員の増減は、入会者数と退会者数のほかに、会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活した人数によって決まります。3月の入会者数は165人で、前年同月の入会者152人に比べ13人増加しました。
また、3月の退会者数は247人で、前年同月の退会者数301人に比べ54人減少しました。

 表1.3月の入会・退会者数

 

※会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活する方がいらっしゃるため、退会者数の年度累計は、実際の退会者数とずれた数字となります。このため、退会者数合計については年度末の集計後にお知らせいたします。

●都道府県および支部別会員数
 野鳥誌贈呈者数を除いた数を掲載します。

 表2.都道府県別の会員数(4月1日時点)

 
備考:その他は海外在住の会員を示します。

 表3.支部別の会員数(4月1日時点)

備考:支部別の会員数の合計は、都道府県別の会員数の合計と異なります。これは、本部型(青い鳥)会員や支部に所属されていない個人特別会員が支部別の会員数に含まれないためです。

(会員室/沖山展子)


■支部ネット担当より

 当通信も8年目に入りました。引き続き支部相互や支部と財団間での連携強化につながるような情報発信に努めてまいりたいと思います。
 支部ネット通信の趣旨や配信方法などについては、別冊の保存版をご参照ください。

(会員室長/小林豊)

支部ネット通信 第85号
◆発行
財団法人日本野鳥の会  2011年4月22日
◆担当
会員室
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