No.104 2012年11月号


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目次 ◆支部の動き
 支部報保護・調査記事関連トピックス
◆ブロックからのお知らせなど
 関東ブロック協議会報告
 近畿ブロック会議報告
 九州・沖縄ブロック大会報告
◆事務局からのお知らせなど
 洋上風力発電が野鳥の与える影響に関するシンポジウムのお知らせ
 連携団体向け卸販売
 平成25年度連携団体全国総会開催日決定
 平成24年度第2回定例理事会議事録
 会員数

支部の動き

■支部報保護・調査記事関連トピックス■

 本記事は日本野鳥の会へ送付されてきている各地の支部報/会報から抽出して作成し、調査・保護に関心がある野鳥の会の会員へ配信しております。
 本記事の一部又は全部を不特定多数が見る可能性があるところへ公開される場合は、各支部/各会の了承を事前に得て下さい。記事は筆者の意向に反しないように、取り扱いをお願いします。

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.628

●2012/9 埼玉
・朝日新聞社などに抗議文を送付
●2012/9 千葉県
・谷津干潟の現状 渡り鳥の生活を攪乱(幹事会)
・シギ・チドリの渡り経年変化(橋本了次)
・オオルリ違法飼育、密猟(7/20 YAHOO!ニュース 産経新聞)
・ラムサール条約に9湿地登録(7/4 朝日新聞)
・絶滅危惧種のカニ東京湾で初めて発見(7/24、千葉日報)
●2012/8 伊那谷
・アマツバメ(吉田保晴)
・伊那谷に生息するブッポウソウ(副会長 小口泰人)
・フクロウの放鳥(小口泰人)
●2012/9-10 遠江
・2012年5〜6月モニタリング調査結果(調査・保護部)
・モズ(鵙)(平出恒夫)
●2012/8 長崎県
・佐世保市烏帽子岳タカ渡り23年間の記録(今里順一郎)

●2012/9 埼玉
・朝日新聞社などに抗議文を送付
 7/17付け朝日新聞に、同社、全日本写真連盟、森林文化協会三者主催の「日本の自然」コンテストの写真が掲載された。その中にオオヨシキリの雛への給餌写真が受賞作品として載った。7/26、支部と本部の連名で主催者に抗議文を送付した。メディアにこのような写真を受賞作品として掲載する事は全国のアマチュアカメラマンに鳥の巣の写真撮影を奨励する事になり、写真を通して野鳥と親しむはずが、逆の悪影響が出るので、野鳥の巣の写真を同様なコンテストで取り上げないよう求める。
(埼玉「しらこばと」NO.341,P4)
●2012/9 千葉県
・谷津干潟の現状 渡り鳥の生活を攪乱(幹事会)
 谷津干潟がラムサール条約登録地になって、来年で20年になるが、近年、環境は悪化しシギ、チドリ渡来数は当時の4割に減り、国内で最も環境が悪い登録地と思われる。昨年秋から谷津干潟観察センターがイベントで干潟に頻繁に立入を始めた。従来、習志野市との間で干潟北西部に限定するとの合意があったが、現在、無視されている。環境省はこの指摘に対し、7/19、関係者4者で協議をし、観察センターより「人の立入りをある程度抑制する」とあったが、守られないケースがある。この夏、8回のイベントが予定され、支部は人的攪乱調査をした(後日報告)。
(千葉県「ほおじろ」NO.377,P2)
・シギ・チドリの渡り経年変化(橋本了次)
 我孫子市北西部の水稲田を1985年以来見ている。ツルシギ、タカブシギは今では見られなくなった。チュウシャクシギは20年前、10羽以上が、現在は1〜3羽が春に立ち寄るのみ。ムナグロはほぼ横這いのようで、秋の渡りにはルートが違うのか殆ど見ない。タゲリは97年に最多の150羽、毎年20〜90羽が見られていたが、2008年以降漸減している。
(千葉県「ほおじろ」NO.377,P3〜6)
・オオルリ違法飼育、密猟(7/20 YAHOO!ニュース 産経新聞)
 7/20、埼玉県警は熊谷市に住む、2人の男を鳥獣保護法違反の疑いで書類送検した。自宅でオオルリを違法飼育し、5/13には秩父市内の山林で網やトリモチを使ってオオルリを捕獲しているのを、パトロール中の警察官が発見した。
(千葉県「ほおじろ」NO.377,P13)
・ラムサール条約に9湿地登録(7/4 朝日新聞)
 7/6、ルーマニアで開かれたラムサール条約締約国会議で我国の下記9箇所が認定された。大沼(北海道)、渡良瀬遊水地、立山弥陀ケ原・大日平(富山)、中池見湿地(福井)、東海丘陵湧水湿地群(愛知)、円山川下流域・周辺水田(兵庫)、宮島(広島)、荒尾干潟(熊本)、与那覇湾(沖縄)。
(千葉県「ほおじろ」NO.377,P13)
・絶滅危惧種のカニ東京湾で初めて発見(7/24千葉日報)
 環境省のレッドリストで絶滅危惧U類のカニ「ハクセンシオマネキ」が7/14、小櫃川河口で地元の漁師により見つけられ、東京湾で確認は初となる。この種は3cm程の甲羅とほぼ同じサイズのハサミを持ち、♀を呼ぶためにそれを上下する「ウェービング」と言う動作が白扇を振るように見え、その名が付いた。
これまでに確認された最北は三浦半島の東京湾外であった。
(千葉県「ほおじろ」NO.377,P13) ●2012/8 伊那谷
・アマツバメ(吉田保晴)
 アマツバメは雨が降るからよく飛ぶという事で名付けられたらしい。伊那谷では渡りの季節によく見る。天竜川の水面で水を飲む事もある。繁殖期は中央アルプスの千畳敷、宝剣岳周辺で群が見られる。山岳の鳥でヤマツバメとも呼ぶ。翼の形状からカマツバメとも呼ばれる。
(伊那谷「かわせみ」NO.35,P2)
・伊那谷に生息するブッポウソウ(副会長 小口泰人)
 1985年、ブッポウソウは長野県の天然記念物に指定された。伊那谷では鉄骨の橋脚や巣箱で営巣が確認されている。本来はキツツキやムササビが利用した穴を再利用するが、チョウゲンボウやオシドリに取られてしまい、ブッポウソウ同士の穴の取り合いもあり、巣箱を設けた結果、昨年は5ペアから20羽が巣立ちした。
(伊那谷「かわせみ」NO.35,P6〜7)
・フクロウの放鳥(小口泰人)
 2/1、上伊那地方事務所より衰弱したフクロウが搬送されてきた。ここ数日の冷たい雪、雨で餌が取れなかったのか。使い捨てカイロを鳥の胸に当て、体力を回復させ、シカ肉を食べさせた結果、3日後、早朝に「ホホ、ボロ着て奉公」と5回も鳴いた。この鳥を保護した小学校に出向き、72名の子供たちに見てもらい、放鳥すると、近くの森まで飛んで行った。1996年から猛禽類を中心に毎年30〜40羽の鳥の救護ボランティアをしており、この5月の「全国野鳥保護のつどい」で環境省自然環境局長賞を受けた。
(伊那谷「かわせみ」NO.35,P8)
●2012/9-10 遠江
・2012年5〜6月モニタリング調査結果(調査・保護部)
17箇所で調査した。今回確認できたのは69種で、08年:63種、09:64、2010年:56、11:70で、今回の69種は留鳥43種、夏鳥12、旅鳥10、冬鳥4であった。オオバンは5月、6月は確認されず、何処に行っているのか。
(遠江「遠江の鳥」Vol.261,P12〜13)
・モズ(鵙)(平出恒夫)
鵙はキィー、キィーと喧しく鳴く声から付いたとの説がある。鵙の正字はェ揩ナその鳴き声の擬声語である(漢語林)。百舌鳥は他の鳥の鳴きを真似るから、百舌は大食からつけられたとする説がある。激しく鳴くのははやにえ(早贄)で刺していた獲物が見つからず、怒っている? (遠江「遠江の鳥」Vol.261,P16)
●2012/8 長崎県
・佐世保市烏帽子岳タカ渡り23年間の記録(今里順一郎)
 2011年秋の烏帽子岳のアカハラダカの渡り数は2,440羽で、23年間の平均約22,500羽の1割と過去最低であった。1箇月の内、15日前後に飛来があったのは従来と変わらない。これは中継地の対馬でも同様であった。昨年の秋は長崎県への小鳥の飛来も大変少なかった。過去23年間の9月の烏帽子岳でのアカハラダカの飛来数遷移は1989年:3,150羽から毎年増加し、1996年:62,516羽の最大数となり、1999年:55,100羽、その後2万前後で増減し、08年:43,233羽、09年:23,000、2010年:11,000、そして2011年2,440と減った。渡りのピークは9/11〜20及び9/25にあり、特に9/11は平均3,600羽と他のピーク値の2倍近くもある。渡りは8〜10時、12〜14時の時間帯に集中している。
(長崎県「つばさ」NO.296,P1〜14)

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.629

●2012/8 滝川
・カイツブリ(支部長 越後弘)
・天然記念物トキ(渡邊増子)
●2012/8-9 宮古
・北上高地の風力発電計画に反対(支部長 佐々木宏)
●2012/7-8 栃木
・ツバメの巣の写真(編集委員会)
●2012/9-10 栃木
・市貝町で始った「サシバの里」づくり(遠藤孝一)
・聞きなし物語 キジバト(河地辰彦)
●2012/7 三重
・伊勢のタカ渡り〜25年間の記録(吉居瑞穂 吉居清)
●2012/9 徳島県
・冬鳥は減ったのか(研究部 東條秀徳)
●2012/9-10 鳥取県
・オオタカの巣立ち(加藤貞和)
・「大山オオタカの森」設立運動の経緯(田中一郎)
●2012/秋 鹿児島
・2012日本野鳥の会連携団体全国総会(本田洋)

●2012/8 滝川
・カイツブリ(支部長 越後弘)
 カイツブリは巣を離れる時、濡れた巣材で卵を隠し、巣に戻る時、体の水分で卵が冷えないか心配である。故黒田長久氏はカイツブリの仲間の巣は、時間と共に巣材が自然発酵し、暖かくなると記述している。モズは最初の繁殖は枝先に巣を掛け、2回目は樹木の中の陽が当らない場所に巣を掛けると言う。同じようにカイツブリも2回目の巣は、直射日光が当らない木陰の涼しい場所に変えたのは目から鱗である。
(滝川「あかもず」NO.43,P2)
・天然記念物トキ(渡邊増子)
 佐渡のトキの森公園は94年に開園した保護と繁殖を行う研究施設である。
トキの放鳥は08年より始り、現在50羽弱が主に佐渡島内に生息している。トキ分散化計画が進み、多摩動物公園、いしかわ動物園、出雲市トキ分散飼育センター、長岡市トキ分散飼育センターでも飼育されている。昨年、佐渡島は能登半島と共に、国際連合食糧農業機関の世界農業遺産に選ばれ、トキに優しい環境づくりを目指している。
(滝川「あかもず」NO.43,P3)
●2012/8-9 宮古
・北上高地の風力発電計画に反対(支部長 佐々木宏)
 宮古市から岩泉町に跨る北上高地の尾根で、2500KW級風車89台建設の計画が浮上している。問題点は建設のための道路建設による環境破壊、道路建設での土砂流出で河川が荒廃する、騒音で放牧牛に悪影響が出る、近くにイヌワシの営巣地がある、バードストライク等。支部は同計画に反対である。日本野鳥の会岩手県連絡協議会より県知事へ要望書を出す。
(宮古「ミサゴの海」NO.223,P2)
●2012/7-8 栃木
・ツバメの巣の写真(編集委員会)
 支部報でのツバメの巣の写真の是非について回答する。巣の写真撮影は、繁殖へ影響があるとして、研究等の場合を除き、一般的には控えるべき行為である。ツバメについては、人の営みを利用して天敵を防ぐ習性を持ち、人家に営巣する数少ない種である。この事より巣の前に居座らない限り、繁殖行動への影響は少ないと考える。身近に育雛行動が観察できる数少ない種で、写真掲示は新たな命の息づかいを感じてもらう意であり、繁殖に影響のない配慮をして撮影したとのコメントは必要であった。
(栃木「おおるり」NO.222,P4)
●2012/9-10 栃木
・市貝町で始った「サシバの里」づくり(遠藤孝一)
 オオタカ保護基金が管理する市貝町谷津田保全地、この周辺は100q2当り130番を超えるサシバの生息地で、多分、日本一の密度である。サシバと農業活動の観点より3つのゾーン分けを行政、地域の皆さまと行っている。谷奥部の小規模な谷津田(生き物エリア)、谷中部の中規模な谷津田(農業と生き物の共存エリア)、河川沿いの広い水田(農業エリア)である。私たちは2010年秋から生き物エリア(0.4ha)で地権者のご厚意のもと、保全活動をしている。市貝町は「サシバの里」を地域ブランドとして、売り出す予定である。
(栃木「おおるり」NO.223,P3〜4)
・聞きなし物語 キジバト(河地辰彦)
 昔、奥羽の国々は時々酷い飢饉にみまわれた。その年も作物は実らず、母親は最後の一握りの蕎麦の実を粉にして、子供に持たせて畑仕事をしている父親へ弁当として持たせた。子供は川で蕎麦粉を雑魚の群に撒いてしまい、畑に着くと、父親は既に亡くなっていた。子供は道草をした事を悔いて、残った蕎麦粉を父親の口に入れ、「テデ(父親)粉(コ)くえ(クエ)・・・」と繰り返した。この子供の魂がキジバトになってテデポッポー・・・と鳴く。
(栃木「おおるり」NO.223,P22〜23)
●2012/7 三重
・伊勢のタカ渡り〜25年間の記録(吉居瑞穂 吉居清)
 この25年間の会の公式活動として、伊勢でのサシバを主にした調査記録をまとめて64頁の報告書(「伊勢のタカ渡り25年間の記録 1986年〜2010年」、入手は本人へ照会)を出した。タカ渡りは全国で調査されているが、データが出版物になっているのは少なく、今回の発表は高く評価される(編集 M.H)。1985/10/6、NHKの初めての全国渡り鳥情報放送(87年の第3回まで)に参加している。同地の秋のサシバの渡り数は4054-114.3A(Aは1986年を0とした年数)と表され、毎年百羽前後減少している。伊良湖では近くからの塒立ちが見られるが、同地でも早朝の塒立ちがあり、朝6時前後に小さな渡りのピークがあり、その数は全体の数%から20%前後である。
(三重「しろちどり」NO.72,P1〜35)
●2012/9 徳島県
・冬鳥は減ったのか(研究部 東條秀徳)
2箇所で毎年4回、計6年間の探鳥会で記録された17種の冬鳥の経緯を調べた。大麻山で06〜11年、種数10〜11、平均個体数35〜165→2012冬では 種数5、平均個体数7。眉山で06〜11年、種数7〜10、平均個体数31〜171→2012冬では種数3、平均個体数5。2012年冬はその前年までの平均気温より低かったが、冬鳥が減ったのは間違いない。留鳥は例年とデータに差が無かった。
(徳島県「野鳥徳島」NO.408,P2〜3)
●2012/9-10 鳥取県
・オオタカの巣立ち(加藤貞和)
 4年前からオオタカの巣立ちを見ている。4年前、6/4、雑木林の松の木の巣に白い雛1を見る。雌親は茶色の若鳥であった。7/5、巣を中心に親子で飛びまわる。 一昨年は雛2羽、7月上旬に巣立つ。昨年は例年より約10日遅く6/13、2羽の雛を見る。6/29、雛は胸が縦斑の幼鳥羽になったが、7/3、1羽見えなくなる。7月中旬1羽が巣立つ。8月中旬まで巣の近くで観察できた。今年は4/12、既に抱卵中、7/10、3羽が巣立つ。
(鳥取県「銀杏羽」NO.123,P9)
・「大山オオタカの森」設立運動の経緯(田中一郎)
 1993年、大山町で開発計画があり、県は「オオタカ問題研究会」を作った。94/6、現地に入ると、巣材の塊が落ちており、営巣木に絡む蔓が切られ、巣が落とされていた。95年は4羽が孵化し、3羽が巣立った。巣の下に解体された幼鳥が落ちており、他の雛へ給餌されたようである。この内容を記者発表した。「オオタカ問題研究会」は問題に対応できず解散し、97/2、「大山オオタカを守る会」を立ち上げた。00/7、開発業者が倒産、01/1、県の用地(104ha)購入予算議決、04/3、県から委託を受けた当支部と鳥取大学がモニタリング調査の結果を報告した。04/4、県立大山オオタカの森の保全に関する条例施行で、立入禁止区域が設置され、04/5、同森開所式、支部に同森保護員の委嘱状が交付された。オオタカ保護の条例は他に例が無い。県は毎年「大山オオタカの森協議会」を開いて意見を聞いている。
(鳥取県「銀杏羽」NO.123,P10〜13)
●2012/秋 鹿児島
・2012日本野鳥の会連携団体全国総会(本田洋)
 5/26、27、東京で開催された。会員減少問題は本当に深刻になりつつある。これに伴い、会の資金不足が重大な現実の問題になっている。財団として寄付金を多く募る取り組みを進めたいとあった。必要なのは財源か人か、真剣に考えるべきである。だだ金を集めるだけでなく、重要な人材を集めていく事が、未来に対し希望が持てる会になるのではとの、多くの発言があった。
(鹿児島「るりかけす」Vol.135,P16)

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.630

●2012/9 茨城県
・渡良瀬遊水地に期待する(会長 池野進)
・大洗コアジサシコロニーの顛末(川崎慎二)
・サンコウチョウのその後(多田恒雄)
・公園で溺死したツミ(池野進)
・防鳥ネットで環境省に要望書提出
・洋上発電で県へ質問書提出
●2012/9 宮崎県
・サシバなら金御岳
・ヤイロチョウ今季も鳴き交わし聞かれず
・ツバメの巣悲しい結末(鈴木澄子)
・コアジサシの繁殖地 長雨とカラスの食害で全滅
・クロシロカンムリカッコウ(事務局)
・ツバメ渡来数激減?(8/1 毎日新聞)

●2012/9 茨城県
・渡良瀬遊水地に期待する(会長 池野進)
 渡良瀬遊水地は念願のラムサール条約登録湿地になった。思い返せば空港構想があり、第二遊水地の掘削騒動があった。戦後間もなく、遊水地出口付近で利根川堤防が決壊し、大水害になった記憶を逆なでしてはならない。茨城県内には環境省が潜在同候補地とする3箇所、霞ヶ浦・北浦、利根川河口、涸沼がある。条約登録には3つの要件(鳥獣保護区、保護すべき希少な動植物が生息、地元自治体の要請がある)が必要である。
(茨城県「ひばり」NO.309,P2)
・大洗コアジサシコロニーの顛末(川崎慎二)
 大洗サンビーチでコアジサシの繁殖が確認されたのは06/6、海水浴シーズンには、県はコロニーをロープ柵で囲った。08年、大洗港の浚渫残土を利用し、1500u、高さ1mの人工コロニーを造成したが、コアジサシは頑固で当初の営巣地から離れず、2010年に一部の10巣前後が移動した。昨年3月の大津波で瓦礫の山になり、海浜修復工事で3万u、高さ3、4mの台地ができた。ここに新たに103巣のコロニーができ、コロニーの回復と観光地復旧が同時に果たされた。今年も約100番のコアジサシが飛来しており、ビーチを訪れる人が「鳥と人のすみわけ」を学び、観光にも厚みが増すと考える。
(茨城県「ひばり」NO.309,P3)
・サンコウチョウのその後(多田恒雄)
 サンコウチョウ営巣地に6月より、常時15名以上のカメラマンが押し掛け、県の要請を受け、鳥獣保護員として現場から退去を要求した。第1回:「お前は何者だ、退去させる権限あるのか」「正午までに退去して下さい。その時車を撮影し、県へ報告する」と予告。第2回:車を撮影しながら現場へ。当方の説得で、帰るものもいる。第3回:悪質な車を半ば命令調で移動させる。「県の注意掲示無いではないか」「法的根拠あるのか」「県は鳥獣保護法違反容疑で県警へ告発を検討する」と密猟者に使う言葉を使う。残った1名を監視。第4回:2名から県へ抗議の電話があり。県はHPでも告示し、現場に注意看板を立てた。「希少な野鳥の繁殖保護のため、撮影や森林内立入禁止。鳥の繁殖を放棄させる行為は鳥獣保護法違反になる場合がある。茨城県」
(茨城県「ひばり」NO.309,P4〜5)
・公園で溺死したツミ(池野進)
 ツミの営巣地にカメラマンの群が参上。雛が池に落ち、浮かんでいる。カメラマンは何の収拾もせず、撮影に執心している。回収したツミの雛の死体を鳥獣保護センターに運び、胃の中を調べると、何も無く、給餌がされていなかった。一日中、カメラマンが巣に張り付けば、繁殖が失敗するのは道理である。これで得られた写真は我利我欲を極めたもので、その披露は邪悪を重ねた結果を、衆目に晒すおぞましい行為である。
(茨城県「ひばり」NO.309,P5〜7)
・防鳥ネットで環境省に要望書提出
 6/21、ハス田の防鳥ネットで野鳥が被害を受けている事に関し、本部、江戸崎雁の郷友の会と連名で環境省へ要望書を提出した。鳥獣保護法で曖昧にされてきた防鳥ネットの目的にそぐわない期間に張ったままの違法性について質した。霞ヶ浦・北浦を国設鳥獣保護区に指定すること。稲敷市で越冬するオオヒシクイの個体群を絶滅の恐れがある地域個体群として絶滅危惧TA類に指定すること。
(茨城県「ひばり」NO.309,P21〜22)
・洋上発電で県へ質問書提出
 5月、茨城県港湾審議会は、神栖市沖の鹿島港区内に大規模な洋上風力発電の設置を認めた。波崎愛鳥会と連名で、その間の経緯説明と、鳥類の生息状況、過去の大型船舶座礁事故などをどう反映しているのか質問書を出した。県の回答は国の施策と審議会の役割に沿った働きをする、実務については落札業者が計画段階から検討するよう指導し、その過程を指導監督する県、有識者、地元関係者による協議会を設けるとしている。当会は10年余り蓄積した冬の海鳥の生息状況を参考に、的確、適正な経過を辿れるよう関与していく。
(茨城県「ひばり」NO.309,P22)
●2012/9 宮崎県
・サシバなら金御岳
 過去10年間の金御岳でのサシバの平均出現数は10/1:696、2:724、3:765、4:754、5:712、6:1,232、7:1,110、8:1,307、9:1,845、10:1,471、11:1,444、12:1,306、13:490、14:279、15:621。統計的に10/6〜12に集中する。総数は02年:21,204、03:9,945、04:17,877、05:18,412、06:16,350、07:15,737、08:18,018、09:19,874、2010:19,266、11:20,420、昨年は再度2万羽台へ増えた。地元の会員、愛好家の努力により、金御岳は全国でも有数のサシバ観察地点になった。カウントを支援してくれる人大歓迎。増やそう"サシバ症候群"。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.233,P5〜8)
・ヤイロチョウ今季も鳴き交わし聞かれず
 御池野鳥の森を代表するヤイロチョウ、今季も渡来し、5月中旬、鳴きを確認したが、1羽のみで、繁殖につながる鳴き交わしは無かった。全国でも100羽程度しか渡来しないと言われる。ヤイロチョウの生息環境取り戻しのため息の長い運動を進めていきたい。ヤイロチョウを追いかけ回さないことである。今季、宮崎県内で6箇所もヤイロチョウの生息を確認したが、繁殖は確認されていない。優しくヤイロチョウを見守ろう。7/27の北海道新聞によると、6/13、天売島で道内では殆ど観察されないヤイロチョウが撮影された。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.233,P5〜8,23)
・ツバメの巣悲しい結末 (鈴木澄子)
 宮崎市で3年前に作ったツバメの巣が放棄された後、今年はスズメの雛が生まれた。しかし、巣立ち前にカラスに巣ははぎ落された。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.233,P11)
・コアジサシの繁殖地 長雨とカラスの食害で全滅
 コアジサシの繁殖地、串間市の福島港では今年10巣、5/23、卵全てがカラスに食べられる。その後6/8、新たに42巣、6/27、豪雨で巣を放棄。宮崎市の一ツ瀬川河口では500羽が渡来しコロニーができたが、カラスに卵を食べられ、巣を放棄。宮崎市一ツ葉入江では110個のデゴイを設置し、約100羽が渡来し、5/16、3巣、これも食害で繁殖できず。ヤイロチョウと共にコアジサシは宮崎県の希少野生動植物に指定され、保護の条例がある。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.233,P19〜20)
・クロシロカンムリカッコウ(事務局)
 7/22、宮崎市で、電線に止
まるクロシロカンムリカッコウが撮影された。北アフリカの鳥で、マスコミ報道も無く籠脱けか不明。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.233,P22)
・ツバメ渡来数激減?(8/1 毎日新聞)
 兵庫県稲美町の加古大池に例年2万羽のツバメの飛来があるが、昨年から激減し始め、今年は7月末現在、数十羽しか確認できない。甲子園球場の12倍もある池でヨシ原に大きな変化は無い。8/4のツバメ塒観察会は中止となった。ここ4、5年、田舎でもツバメの激減の報告がある。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.233,P23)
 

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.631

●2012/9 岐阜
  ・ツバメの集団電線塒(武知悠)
  ●2012/9 大阪
  ・鳥類標識調査(バンディング)について(中村進)
  ・レッグフラッグの付いたシギ・チドリ(納谷仁)
  ・もっと知りたい「鳥たちの旅」参考図書
  ・ムクドリはどこに集まる?(幹事 和田岳)
  ・渡り鳥の楽園存続の危機 橋下市長の改革で
  ・ツミ 大阪府絶滅危惧U類(小海途銀次郎)
  ●2012/9-10 島根県
  ・飯梨川2011年チョウ&トンボ(本吉洋子)
  ●2012/9-10 広島県
  ・人工干潟造成検討会出席(日比野政彦)
  ・野の鳥は野に(光本正伯)
  ・小学生の先生に野鳥研修
  ●2012/9 高知
  ・フラッグの付いたキアシシギ(西村公志)

●2012/9 岐阜
・ツバメの集団電線塒(武知悠)
 8/10夜、加茂郡白川町の電線で、約1,800羽のツバメが電線に塒していた。
(岐阜「濃飛の野鳥」NO.539,P8)
●2012/9 大阪
・鳥類標識調査(バンディング)について(中村進)
 鳥類標識調査では目視の調査だけでは得られない野鳥の情報が得られる。
例えば、換羽の状況や頭皮を透かして頭骨の状態等を見て、その鳥の年齢が分かる。足環を付けるのは鳥への虐待とネット上にあるが、鳥の研究に無くてはならぬ調査と言える。バンダーになるには、山階鳥研が実施する講習会(約10日)に参加し、認可される必要がある。全国に約400名おり、毎年、バンディングの結果報告の義務がある。バンディングと目視調査で記録される種に差があり、樹冠部を利用する鳥、大きい鳥、小さすぎる鳥、開けた場所を好む鳥等はバンディングには適さない。
(大阪「むくどり通信」NO.221,P4〜6)
・レッグフラッグの付いたシギ・チドリ(納谷仁)
 20年余り前から足環にあわせ、足に旗(フラッグ)を付けるようになった。フラッグは望遠鏡で確認し易い。泉大津市でのフラッグ付きトウネンの記録は、春確認個体の標識場所は揚子江河口、豪州北西部、タイ内湾、秋に確認個体の標識場所は北海道コムケ湖、谷津干潟、サハリンであった。揚子江河口の個体は再捕獲まで6、7年経過していた。レッグフラッグ付きのシギ・チドリを見つけたら、下記へ報告しよう。
山階鳥類研究所 FAX:0471-82-4342 メール:[email protected]
(大阪「むくどり通信」NO.221,P7〜8)
・もっと知りたい「鳥たちの旅」参考図書
『鳥たちの旅 渡り鳥の衛星追跡』(2005年 樋口広芳 NHKブックス 1160円+税。)
樋口教授はこの秋、ハチクマの渡りの位置情報をインターネット上で公開している。
『渡り鳥の世界 渡りの科学入門』(2012年 中村司 山梨日日新聞社 1200円+税)。
エゾセンニュウ、ノゴマは大阪付近から若狭湾を通り、日本海側へ出るルートがある。
『渡りの足跡』(2010年 梨木香歩 新潮社 1300円+税)。
渡りに思いを巡らすエッセイ。
『動物たちの不思議に迫る バイオロギング』(2009 年 日本バイオロギング研究会編 京都通信社 1900円+税)。
動物に小形カメラやジオロケーターを付けての研究で、ペンギン、ウミガラス、オオミズナギドリ、カツオドリ、カワウの行動が紹介されている。
(大阪「むくどり通信」NO.221,P9)
・ムクドリはどこに集まる?(幹事 和田岳)
 黒田(1965)によると、1940年代までは東京のムクドリは、都市で繁殖しても集団塒は郊外にあった。1950年代から規模は小さいが都市部にも集団塒を作るようになった。越川(1991)では1980年代から各地の都市部に大規模な塒が出現したとある。大阪府内でも1991年、21箇所の塒があり、内7箇所は駅前や団地内にあった。街路樹利用は一番賑やかな場所に集中するようで、捕食者から安全な場所である。明るい街灯を暗くした塒では、ムクドリはいなくなった例があり、夜の明るさも関係している。
(大阪「むくどり通信」NO.221,P10)
・渡り鳥の楽園存続の危機
橋下市長の改革で大阪南港野鳥園の施設廃止が、橋下大阪市市長の市制改革プランで検討されている。公共が関与する必要性が低いとされ、橋下体制での切捨て論理である。2014/3に指定管理者制度が切れた後、止めるとされる。大阪府の組織に組み込まれる可能性も考えられる。同園で環境保全活動を行っているNPO法人南港ウェットランドグループが中心になって関係団体と協力して施設の維持、管理運営存続を求めていく。
(大阪「むくどり通信」NO.221,P11)
・ツミ 大阪府絶滅危惧U類(小海途銀次郎)
 ツミは九州以北では主に夏鳥とされ、大阪府では少数が冬期でも観察され、繁殖もしている。金剛・和泉山地では7例の繁殖を確認している。営巣木は杉と赤松である。関東地方では1980年代から都市部に進出しており、名古屋市周辺でも見られ、大阪市周辺では観察されていない。
(大阪「むくどり通信」NO.221,P13)
●2012/9-10 島根県
・飯梨川2011年チョウ&トンボ(本吉洋子)
 モンシロチョウ初認4/1、終認11/9。キチョウ4/27、11/13。キアゲハ4/27、10/21。ヤマトシジミ5/19、10/21.。ベニシジミ4/30、10/21。モンキチョウ4/27、10/27。ヒメアカタテハ7/5、12/13。ツバメシジミ4/27、8/30。ウラナミシジミ8/1、10/27。アゲハ4/27、10/6。アオスジアゲハ5/19、9/13。ハグロトンボ6/30、9/17。コフキトンボ6/5、9/17。シオカラトンボ5/19、10/16。オオイトトンボ6/30、9/13。アオモンイトトンボ6/30、11/9。モノサシトンボ6/30、8/13。コシアキトンボ6/30、8/13。ウスバキトンボ6/30、9/22。ナツアカネ7/5、12/13。アキアカネ9/27、12/13。チョウトンボ7/13、9/6。
(島根県「クペキュラム」NO.149,P2)
●2012/9-10 広島県
・人工干潟造成検討会出席(日比野政彦)
 7/5、広島県の同検討会に干潟生物の専門家と共に、支部長と出席した。この28年間に14回開催され、県と支部と良好な関係が続いている。H22年完工した広島港の人工干潟は順調に推移し、干潟を利用するシギチドリ類が有効に利用した。野鳥園7.5haを緩衝地帯に隣接して計画し、具体化時、本会は全国の野鳥園建設事例の知見を提供していく。
(広島県「森の新聞」NO.182,P1〜2)
・野の鳥は野に(光本正伯)
 広島県で警察から支部会員で鳥獣保護員である3名が野鳥鑑定依頼を受けた事例は、2010年:10例、メジロ38羽、ホオジロ4、ヤマガラ2、オオルリ1。2011年:4例、ヒガラ4、メジロ3、ホオジロ2、キビタキ2、ウグイス1、ミヤマホオジロ1。2012年:7例、メジロ75、オオルリ3、コマドリ3、ウグイス2、エナガ1、ホオジロ1、クロジ1、ヤマガラ1。中西悟堂が提唱した「野の鳥は野に」は法的に実現したが、安心できる状況では無い。
(広島県「森の新聞」NO.182,P3〜4)
・小学生の先生に野鳥研修
 8/9、小学校の依頼で、小学校の校長を含む十数名の先生に対し、野鳥研修を行った。野鳥の一般的な知識、写真を使い身近な野鳥紹介、児童に野鳥への関心を持たせる方法、野鳥観察方法、データの取り方等を説明し、既に実施されている総合学習での樹木の観察を充実させていく意向である。
(広島県「森の新聞」NO.182,P6)
●2012/9 高知
・フラッグの付いたキアシシギ(西村公志)
 2010/5、南国市の水田に緑色のフラッグが付いたキアシシギが観察された。
07/9、オーストラリア東海岸のクイーズランド州で標識されたもので、09年にも徳島県の吉野川で記録されている。
(高知「しろぺん」NO.309,P5〜6)

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.632

●2012/9 十勝
・十勝沖のツノメドリとウミスズメ家族群の観察記録 (千嶋淳)
・フラミンゴを捕まえないという選択肢(支部長 室瀬秋宏)
●2012/9 苫小牧
・傷病鳥獣救護ボランティア養成講座
●2012/10 埼玉
・ツミの観察記録(田中幸男)
・ツミの観察例(山部直喜)
・野鳥写真で全日本写真連盟から回答
●2012/10 愛知県
・竿振りでムクドリ撃退(新實)
●2012/10 ひょうご
・アカショウビンの囀り(梶本恭子)
・2012年兵庫県のツバメ集団塒調査結果(研究・保護グループ 奥野俊博)
●2012/9 岡山県
・岡山県内の越冬期のチュウヒ(多田英行)
・都市鳥になったハクセキレイ(森本章男)

●2012/9 十勝
・十勝沖のツノメドリとウミスズメ家族群の観察記録 (千嶋淳)
 漂着アザラシの会、浦幌野鳥倶楽部との共同海上調査で、7/15、浦幌町厚内沖合15km地点でツノメドリ1が観察され、十勝地方初記録と思われる。ウミスズメは冬鳥として北日本の海上に多く飛来し、少数が繁殖するが、繁殖のための親鳥の行動が夜間であり、雛も孵化後2日で海上に出てしまうため、繁殖調査は困難である。7/15、7/25、計3組のウミスズメの家族群が見られ、幼鳥は繁殖ステージに差があり、繁殖時期差か、または互いの繁殖地が離れている可能性がある。雛は足が発達しており、生後数日で50q以上移動した記録もある。十勝では冬季にウミスズメは普通に見るが、家族群の確認は初と思われる。
(十勝「十勝野鳥だより」NO.178,P12)
・フラミンゴを捕まえないという選択肢(支部長 室瀬秋宏)
 旭山動物園から逃げ出したフラミンゴの捕獲作戦がうまくいかず、あえて捕まえず、見守ってはと思う。1羽だけであるので、増える心配は無いし、生態系へ重大な影響を与えるものとは思われない。水中の藻や小動物を採っても、小麦を食べたりして人へ害をもたらす事は無い。既に国内で発生している外来種や人為的な放鳥のような大きな問題は無い。捕まえる費用を考えると、このまま見守り、野生状態のフラミンゴを楽しみ、北海動では冬を越せないと思われるので、弱ってきた時に保護すればよいのでは。
(十勝「十勝野鳥だより」NO.178,P16)
●2012/9 苫小牧
・傷病鳥獣救護ボランティア養成講座
 7/22、ウトナイ湖野生鳥獣保護センターで開講した。支部長が講師として参加、35名の受講があった。種の識別、保定、強制補液、洗浄等を体験した。
(苫小牧「あおさぎ」NO.184,P3)
●2012/10 埼玉
・ツミの観察記録(田中幸男)
 6/2、ツミの番の飛来を確認、この日以降、何度か交尾行動を見る。6/5、巣から尾羽が出ており初めて在巣確認。6/8、この日以降、何度も番でしだれ桜の小枝を折り、巣に運ぶ。6/16、♀親の抱卵斑を確認。7/10、巣の縁に♀親が立ち、孵化した模様。7/13、巣内で♀親が給餌活動。7/19、雛2羽、7/26までに雛4羽確認。7/22、この日以降♂親確認できず。7/29〜8/1、4羽が巣立つ。8/9、雛から幼鳥へ換羽完。8/10、幼鳥がアブラゼミを捕る。8/15、この日以降、♀親確認でき雛、幼鳥への給餌は♀親のみが行った。
(埼玉「しらこばと」NO.342,P4〜5)
・ツミの観察例(山部直喜)
 今年、3箇所でツミを観察した。神社にて:4/21、♂が巣材を運ぶ。4/26、巣に坐る。5月中旬以降ツミ確認できず、巣を放棄した模様。20mX50mの屋敷林にて:4/22、番の鳴き交わしを聞く。5月のGW以後確認できず、営巣はしなかった。公園にて:6/1、営巣に気付く。7/22、親と同じ大きさの雛2羽。全部で雛5羽、第5子は白い幼羽。50m以内にオナガの巣が10個以上ある。お盆の頃までに巣立ち雛は少しずつ姿を消す。
(埼玉「しらこばと」NO.342,P5)
・野鳥写真で全日本写真連盟から回答
 日本の自然写真コンテストでオオヨシキリの巣の写真を入賞させた事に対し、主催者から回答があった。「生態系を含め、自然環境の保護を訴える事がコンテストの趣旨で、この写真の撮影者はそれを理解し、相当離れた場所から望遠レンズを使い、野鳥に配慮している。今後、コンテスト運営、紙面掲載の際に留意する。」望遠レンズ使用は当たり前の事で、指摘した問題点に対する十分な回答になっていない。
(埼玉「しらこばと」NO.342,P12)
●2012/10 愛知県
・竿振りでムクドリ撃退(新實)
 毎年、名古屋市天白区の地下鉄駅前で、ムクドリが多数集まり塒する。この排除のため色々と対策したが、効果が無かった。今年は特殊な金色のテープを七夕飾りのように竿の先につけて振り回した結果、全てのムクドリがいなくなった。これは金色に黒い点状の模様があるテープで、福岡県の業者が軒先に吊り下げて野鳥を追い払うために開発したもの(商標:撃退ドットマン)である。これでムクドリ を1つ先の駅に撃退したが、本質的な問題解決ではない。
(愛知県「愛知の野鳥」NO.302,P8)
●2012/10 ひょうご
・アカショウビンの囀り(梶本恭子)
 アカショウビンの囀りの声紋は2音目が一番高くなり、全体になだらかな「へ」の字形である。やや陰気なメロディーで短調の音階である。リュウキュウアカショウビンでは1音目が最も高く全体が尻下りになるが、人の「オホホホホ・・・」の笑い声の感じで明るい。
(ひょうご「コウノトリ」Vol.190,P4〜5)
・2012年兵庫県のツバメ集団塒調査結果(研究・保護グループ 奥野俊博)
 市街地の街路樹や電線で塒するツバメは小規模(500羽の電線塒等)であり、発見された2006年以降、年々個体数が減り、500羽の電線塒は消滅した。比較的広いヨシ原がある河川敷では塒は安定して継続している(2〜5万羽)。しかし、陸生植物の侵入が多く、ヨシ原が荒れると個体数は激減する。丹波市にある塒ではヨシ原が農地に転用され、トウモロコシ畑になっても、塒は継続したが、背の低いアズキ畑になると、塒は消滅した。溜池では池の管理の影響を受けている。
(ひょうご「コウノトリ」Vol.190,P8〜10)
●2012/9 岡山県
・岡山県内の越冬期のチュウヒ(多田英行)
 日本で見られるチュウヒの多くは、越冬期に大陸から渡って来る個体群である。
岡山県の主な越冬地は岡山市の阿部池周辺、瀬戸内市の錦海塩田跡地がある。
一部は国内で繁殖している。チュウヒの餌はネズミ類や小鳥で、越冬期は鳥類の割合が増える。V字飛行は低速で安定した飛行に適する。低空で「不意打ちハンティング」をするため、ヨシがモザイク状に生えているいわゆる「環境のギャップ」が利用される。阿部池では年が明けると越冬個体は減っていく。塒は直径40cm程の広さにヨシを薄く積んだ地面にあり、集団塒(阿部池では4羽程度)を形成する。生息地は多くは干拓地等で開発や植生遷移で失われる事が危惧される。
(岡山県「野鳥おかやま」NO.192,P2〜3)
・都市鳥になったハクセキレイ(森本章男)
 岡山駅前のケヤキに冬季100羽前後のハクセキレイが塒する。郊外では広告看板裏に20羽程の小さな塒がある。山陽本線鉄橋の橋桁でも数百羽が塒した事がある。北から分布が広がり、80年代に中部地方以西でも普通に繁殖するようになったとある。セグロセキレイの生息範囲を脅かす懸念がある。ハクセキレイは従来海岸部の岩場等に生息していたが、都市化で岩場の様な擬似環境出現で、勢力拡大したとの説があるが、この種が持つ食性の変化、適応力、亜種への分化に伴う流れがあるのかもしれない。
(岡山県「野鳥おかやま」NO.192,P4)

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.633

●2012/10 いわき
・東日本大震災に係るハヤブサ生息への影響調査(事務局)
●2012/10 千葉県
・千葉県内のサギのコロニー(上田孝寿)
・アホウドリ200羽→3,000羽(8/19 読売新聞)
・石垣島に珍鳥ジャワアカガシラサギ(8/14 Yahooニュース)
●2012/10 東京
・試行錯誤のカワセミの繁殖研究24年(自然教育園 矢野亮)
・葛西臨海・海浜公園
・オリンピックカヌー競技場建設の変更要望書
●2012/10-11 京都
・当り外れがあるキクイタダキ(澤島哲郎)
・冬鳥たちは異常でした(浪江俊雄)
・桂川の野鳥10年間の傾向(副島猛)
・1452羽のハチクマの運命は?(谷角裕之)

●2012/10 いわき
・東日本大震災に係るハヤブサ生息への影響調査(事務局)
 いわき市は海岸線50qを有する白砂青松の地で、その断崖の岩棚にハヤブサが生息していた。今回の大震災で多くの岩棚が崩壊し、今年の3〜7月、ハヤブサの生息にどのような影響を及ぼしたのか調査した。震災前ハヤブサの巣が5箇所にあったが、3箇所は壊滅し、今年の営巣は2箇所、巣立ち2羽のみであった。昨年3/11、既に抱卵中と思われ、卵が岩場に落ちた後、再抱卵があった模様だが、確認できない。今年は親鳥、幼鳥の目撃が少なく、震災の年の繁殖は少なかった事を示している。
(いわき「かもめ」NO.113,P3)
●2012/10 千葉県
・千葉県内のサギのコロニー(上田孝寿)
 千葉県下の14箇所のサギのコロニーを調査した。個体数が最大になる7月、シラサギ類の総数は16,486羽(昨年14,274羽)で、内訳はダイサギ16.5%、チュウサギ38.9%、コサギ28.9%、アマサギ15.7%であった。チュウサギは減少傾向、コサギは増加傾向にある。アオサギは総計2,143羽であり、県内でのアオサギ繁殖の初記録は1985年である。
(千葉県「ほおじろ」NO.378,P3〜6)
・アホウドリ200羽→3,000羽(8/19 読売新聞)
 東邦大学の長谷川博教授が鳥島のアホウドリ保護に関わって30年以上、当時2百羽足らずが、今回の調査では約3千羽まで回復した。同教授が4〜5月に現地調査した結果、今季巣立った雛は353羽と過去最高値を示した。2018年には絶滅の危機から脱する目安の5千羽に達する見込みである。08年からは小笠原諸島の聟島にも繁殖場所が移されている。
(千葉県「ほおじろ」NO.378,P12)
・石垣島に珍鳥ジャワアカガシラサギ(8/14 Yahooニュース)
 8/9、石垣島でジャワアカガシラサギが3羽も確認された。2010年の沖縄本島に次いで2例目となる。発見者が沖縄県野鳥研究会に同定をお願いし確認できた。インドネシア等の東南アジアに分布し、冬羽ではアカガシラサギに似ていて区別が難しい。
(千葉県「ほおじろ」NO.378,P13)
●2012/10 東京
・試行錯誤のカワセミの繁殖研究24年(自然教育園 矢野亮)
 1988年、港区の自然教育園内のゴミ捨て場の穴がカワセミの繁殖地になり、24年間で11回の繁殖があり、60羽以上が巣立っている。巣内を観察する監視カメラをつけたが、産室を覆うガラスの反射のためか、連続7年間繁殖しなかった。08年、8年ぶりに繁殖があり、産室にはザリガニのペリットと思われるものが敷かれ、糞は無く清潔であった。撮影映像を見ると、産室内で団子状になった7羽の雛、親が来ると先頭の1羽が出口に向い、餌を貰うと尻を出口に向け水様性の糞をする。その後ぐるりと回り、集団の最後尾に並ぶ。次の雛も同じ事をする。小さな餌の時は最後尾に並ばず途中に入る事があり、雛同士で了解があると考えられる。
(東京「ユリカモメ」NO.684,P3)
・葛西臨海・海浜公園
 同地は40年前頃までは沖合約4qまで広がる「三枚洲」と呼ばれる広大な干潟であった。昭和40年代から始まった激しい地盤沈下で水没し、干潟が現れなくなり、ヨシ原は消滅し、シギチは姿を見せなくなった時期がある。水没地を取り戻すため、1972年より348haを埋立する工事が始まった。この埋立に当り、東京都港湾局の委託を受け、10年間、野鳥の会本部が野鳥調査をし、大井埋立地(現東京港野鳥公園)の調査結果が残されている。
(東京「ユリカモメ」NO.684,P8)
・オリンピックカヌー競技場建設の変更要望書
 2020年の東京オリンピック招致で、葛西臨海公園にカヌー競技場建設が計画されている。8/23、当会は本部と連名で都知事とオリンピック招致委員会へ建設場所の変更を要望書で出し、プレス発表を行った。変更を求める理由は・競技場建設予定地の豊かな自然環境を破壊する。・都民のかけがいのない憩いの場、自然との触れ合いの場が消滅する。・他に適した候補地(例えば中央防波堤埋立地)が存在する。
(東京「ユリカモメ」NO.684,10〜11)
●2012/10-11 京都
・当り外れがあるキクイタダキ(澤島哲郎)
 キクイタダキは日本最少の鳥で、全長10cm、体重3〜6g、卵の長径はメジロ17mm、ヒガラ16mm、エナガ15mmに対し、14mmしかない。支部の探鳥会での記録は当り外れが結構大きく、当たり年が何年か継続する傾向にある。多く見られた年は86〜88年、90〜93年、99〜03年、05〜2008年で、その他の年は殆ど見られない事が多かった。
(京都「そんぐぽすと」NO.178,P9)
・冬鳥たちは異常でした(浪江俊雄)
 福知山市を中心に1年間を振り返る。ツグミは初見日は12/10の1羽で、それ以降見られず、3/4に約50羽の集団、それから約3週間で40〜250羽の群をあちこちで見る。3/10、ツグミの群の中にクロツグミ、マミチャジナイが混じっていたのは不思議である。春のツグミの移動が1箇月早まり、他のツグミ類を呼び込んだ?ウソは全く見られなかったが、カモ類は例年と余り変わりはなかった。
(京都「そんぐぽすと」NO.178,P10)
・桂川の野鳥10年間の傾向(副島猛)
 年4回の10年間のラインセンサス法による調査結果で傾向を分析した。個体総数はこの10年間で約20%減り、その中で増加傾向はヒドリガモ、ヨシガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、冬季のダイサギ、夏季のカワウ、夏季のウグイス等で、オオバンは2004年のほぼ0から一気に増加している。多くの種で減少傾向である。夏季のカイツブリは殆ど見られなくなった。ホオジロ、アオジは1/3程度まで激減している。スズメは個体数把握しにくいが、半分程度まで減っている感じである。
(京都「そんぐぽすと」NO.178,P12〜17)
・1452羽のハチクマの運命は?(谷角裕之)
 ハチクマの秋の渡り経路は春と大きく違う事が樋口広芳氏の研究グループの2003年秋以降の40個体以上での衛星追跡で分かっている。秋の渡りで東シナ海700kmの海上を渡って行く。同研究グループの考察では、9月中旬から10月上旬、この周辺では東または東北東の風が安定して吹き、ハチクマが渡る高度数百mから1qでは、気温の高度差から上昇気流が高頻度で発生すると考えられる。昨年9/28、五島列島では1,452羽のサシバが渡っていったが、追い風の東風にもかかわらず、1,279羽が渡らなかった。翌日9/29は東シナ海に低気圧、前線が入り強い南風で、24mmの降雨を記録した。前日渡らなかったハチクマはこの天候を予知していた?渡った1,452羽のハチクマの運命は?
(京都「そんぐぽすと」NO.178,P19)

(自然保護室支援・野鳥の会 神奈川/森 要)

ブロックからのお知らせなど

第36回 日本野鳥の会関東ブロック協議会

【日 時】 2012年10月27日(土)13:30〜28日(日)11:30
【会 場】 「リバーサイド奥久慈」 茨城県久慈郡大子町
【出席者】 38名
       財団出席者 佐久間常勤理事、富岡普及室長
【幹 事】 日本野鳥の会茨城県
【スケジュール】

<一日目> 10月27日(土)
12:00〜13:30 受付・チェックイン
13:30〜13:35 開会 主催者あいさつ
13:35〜13:46 財団あいさつ
13:46〜15:30 支部連絡先と前回議事録の確認。各団体近況報告
15:40〜17:15 報告事項、議事
18:00〜20:00 懇親会

<二日目> 10月28日(日)
8:00〜      朝食
9:00〜11:30  探鳥会
12:00      −解散―

  1. 主催者あいさつ(茨城県会長池野)
     昨年度末、今年の5月と、皆様から震災の義捐金を頂戴した。心から感謝申し上げる。 当会場の大子町も、強い揺れはあったものの、インフラ等への影響はなかった。しかし、原発の放射能の拡散があり、一年間この大子町も苦しい思いをしてきた。震災復興支援も含めて、ブロック協議会を大子町で開催することとした。支部事務所も影響を受けたが、2日程度で復旧した。毎日水を運ぶなど大変な思いをしたが、今となっては良い思い出でもある。
     今年7月に開催された第11回ラムサール条約締約国会議において、渡良瀬遊水地が登録湿地となった。関係支部の長年の努力の結果であり、ここまでようやくたどり着くことができた。
     ラムサール条約登録は長年の目標であったが、目標が達成された次の段階として、どういう登録湿地に育てあげれば良いかはまだ見えていない。渡良瀬遊水地の健全な発展が、茨城県内の利根川下流部、霞ヶ浦北浦、涸沼の3つの候補地の登録への大きな起爆剤になると思っている。
     茨城県が、涸沼周辺の関係市町村に働きかけを行ったり、渡良瀬遊水地の観察会を主催するなど、行政側の少し動きが出てきている。これからラムサール条約登録湿地「渡良瀬遊水地」を健全に育てあげていきたい。
  2. 財団挨拶(佐久間常勤理事)
     2014年、日本野鳥の会は80周年を迎える。 80周年を記念した表彰を検討している。長年にわたって支部長を勤めてきた方等、表彰の推薦をお願いしたい。
    • 連携団体全国総会を5月に開催したが、参加者が少ないためアンケートを行った。その結果、11月に開催する希望が多かったため、2013年度は11月9日〜10日に、東京周辺で開催する予定である。
    • 90の連携団体があるメリットを生かし、野鳥保護のためのデータ整理や積極的な発信を進めようと「野鳥情報全国ネットワーク及び定期探鳥会データベース」を行っている。ご協力をお願いしたい。
    • しばらく休刊していたストリクスが、皆さんからの強い要望により発行再開した。しかし、売れ行きがおもわしくないので、協力をお願いしたい。短報等簡単なものも載せられるので、各地で行われている調査や観察記録等を投稿してもらいたい。
    • 探鳥会保険は近年、賠償責任等の金額が上がってきている。探鳥会のリスクマネジメントのひとつとして、十分な検討と対策が必要になってきている。
    • 現在の探鳥会保険は、保障が小さく十分な内容となっていない。また、探鳥会リーダーが賠償責任保険の対象外であることや、地震、津波などの天災による事故が対象外である。財団では連携団体にアンケート調査を行い、実態把握に努めるとともに、新たな保障システムの検討を急いでいる。
    • 今年春からツバメ調査を行っている。全国から7300件の報告があった。全体的に減少傾向にあることがわかってきた。3ヶ年の事業なので、情報提供と協力をお願いしたい。
    • 連携団体の紹介等で企業が法人会員になった場合、3割相当が毎年当該連携団体に還元される仕組みがある。ぜひとも法人会員の拡大に協力をお願いしたい。
  3. 前回議事録の確認及び連絡先の確認
    昨年度の議事録の確認と連携団体の連絡先の確認を行った。
  4. 近況報告
    ●栃木(高松氏)
     今年から代表が交代した。渡良瀬遊水地については次の報告事項で。
    ●吾妻(松本氏)
    • 今年4月に代表が交代した。会員は133名。別荘があるので県外の会員が多い。探鳥会は月に1回程度で、北軽井沢等遠方への探鳥会も行っている。その他の活動としては、写真展や少年自然の家や小学校でのバードウォッチング指導等を行っている。
    • 送電線設置工事に伴う野鳥の生息確認調査も実施している。
    • ソーラー発電の計画が3ヶ所ある。そのうち1ヶ所は、数年前に希少な猛禽類が繁殖していた場所である。対応の方法や情報等、いろいろ教えてもらいたい。
    ●埼玉(海老原氏)
    • 今年6月に総会を開催。記念講演は、財団事務局
      普及室の箱田氏から「トコロジストのすすめ」の講演と同室林山氏から「ヒナを拾わないでキャンペーンの絵本、紙芝居」の講演をしてもらった。
    • 県内鳥見ランキング、探鳥会参回数、観察鳥種数等の表彰を行った。また、長く幹事や鳥獣保護員を務めてきた福井氏を表彰した。
    • 総会において決算報告も行ったが、ここ数年1380万円前後で推移していて、窮迫している状況にはない。
    • 普及関係では、探鳥会は昨年度、106回開催している。
    • 朝日新聞に、朝日新聞社他2団体が主催する「日本の自然」写真コンテストの受賞作品が掲載されたが、子育て中の写真であり、このような写真が推奨されることを危惧し、財団事務局と連名で、今後、同コンテストにおいて、同様な写真を取り上げないよう申し入れた。
    • 会員数は全体として減った。支部型会員のみ増えている。支部報3月号で「私たちの会員増加大作戦」というタイトルで原稿を募集した。会員の中に、会員増の意識が芽生えたのかもしれない。入会案内のこまめな配布も功を奏しているかもしれない。
    ●奥多摩(寺本氏)
    • 会員数は、670~680名。探鳥会は昨年度140回、2537名が参加。支部報は隔月6回発行した。
    • 調査関係は多摩川中流域3ヶ所で、タカ渡り観察会を開催。サシバ1809羽、 ハチクマ87羽を記録。多摩川中流域4ヶ所で冬鳥調査を実施。
    • 保全関係は、多摩川羽村関のヨシ原保全活動を20回、狭山丘陵で下草刈りを10回実施した。
    • 野鳥写真展は今年度で10回目を迎えた。病院など巡回している。
    • 奥多摩支部のホームページを開設した。保全活動、タカの渡り観察会等お知らせページがブログになってリンクしている。
    • 野鳥写真展が発展して、郵便切手シートになる。5500枚作成され、東京多摩全局417局及びホームページで販売される。
    ●東京(川内氏)
    • 支部報で毎月会員数を報告している。いろいろ努力をしている結果、会員数は減ってはいるが、減り方が鈍ってきている。支部総会のような会員の集いや調査をセットにした探鳥会、クリーン作戦等、会員参加型のイベントを行っている。
    • 保護研究基金を作り、寄付を集めている。探鳥会や調査には参加できないが、寄付の形で参加意識をもってもらうことに役立っている。250名から120万円の寄付をいただいた。
    • 佐藤理事長を講師として「探鳥会におけるリスクマネジメント」講習会を開催した。社会情勢が変化し、リスクが大きくなってきている。今後考える必要がある。
    ●群馬(田沢氏・浅川氏・松本氏)
    • 23年度は探鳥会を118回開催した。参加人数は2496人だった。震災の影響で、2500人に届かず少なかった。
    • 会員数は562名。前年度は601名と減少傾向にある。
    • 昭和37年4月に創設され、今年度で50周年を迎える。これまでの支部報を電子化し、CDにまとめ、総会で配布した。また、群馬県の鳥類目録を作成中。珍しい行動の記録等もつける予定である。
    • 渡良瀬遊水地のラムサール条約登録にちなんで、県主催の探鳥会を計画している。来年2月開催に向けて下見等準備を進めている。
    ●千葉県(大野氏)
    • 放射能汚染に関して、探鳥会運営に配慮が必要なため、線量計を購入し、探鳥地を中心に測定した。結果を支部報に掲載している。線量が下がっていると報道されているが、この1ヶ月でまた上がっているとの情報が入っている。北風の影響か、雨の影響か分からないが、問題提起をしておく。
    • 新農薬ネオニコチノイドが環境に与えている影響は深刻と考えている。日常的な普通種が減っていると話題になっているが、その原因のひとつではないかと考えている。今後も普通種の動向に注意してもらいたい。
    • 東京湾の青潮が、秋口に多く発生している。船橋沖のアサリ漁が壊滅的な被害を受けた。スズガモに影響が出るのではないかと心配している。底生生物等にも影響が大きく、数年間影響が残ると判断している。
    • 谷津干潟の環境が悪化しているが、抜本的な対策はなされていない。アオサが繁茂するため、野鳥の種数も個体数も減少し、ラムサール条約の登録基準値を満たさなくなっている。重要湿地ではなくなっているのではないか。
    • 谷津干潟自然観察センターの管理が、習志野市から指定管理者になった。干潟に人を入れるイベントを企画する等、干潟に生息する野鳥を攪乱するなど問題があり、申し入れをしている。
    • ラムサール条約に指定されるだけでは効果はなく、その状態を維持するための活動、施策が重要である。
    • 会員減少は深刻である。高齢化にともない、入会から退会までの期間が短くなっている。
      自分の個人的な意見だが、県下の広い地域を対象として、会費を頂戴し、会報を発行し、探鳥会を展開する方法は行き詰っている。県内の各市町村に野鳥の会等があるが、深刻な会員減は起きていない。方法を作り変えていかないと、会員の減少を止めるとか、増加させるというのは望めないのではないか。
      会員参加型の行事などは、新しい方法のヒントになる。
    ●神奈川(鈴木氏)
    • 会員数は2260名。減少傾向に歯止めはかかっていない。支部報を毎月発行。会費・寄付収入で、814万円。このうち、半分で支部報の印刷・発送している。以前赤字であったが、経費を削減し、黒字になっている。これ以上会員数が減れば、再び赤字になる。
    • 探鳥会は134回開催。多様な探鳥会を開催している。ゴミ拾い探鳥会や子供探鳥会、初心者向けや山歩き探鳥会等を行っている。
    • 探鳥会に来た方に、6ヶ月間で1000円のお試し入会制度「ひな鳥会員制度」を展開している。2010年5月から開始し、107名のうち、37名が正式に入会。35%が入会する効果がでている。毎年100人がヒナ鳥会員になってもらえれば、30人くらいが正式に入会してもらえる計算となる。今後力を入れたい。
    • ジュニア会員制度をスタートした。小学校4年生から中学3年生まで、50名を定員としている。中学卒業後、正式入会してもらえることを期待している。ジュニア会員には、無料で支部報を送付する。探鳥会やホームページで広報する。
    • ホームページをリニューアルした。これまで更新頻度が少なく、外部の方が見にきても楽しめるものではなかったので一新した。最近のマナーの低下を憂慮し、最初にマナーの問題を記載した。他に探鳥会の案内、会員の写真投稿(投稿規程あり)、支部の紹介、保護活動の紹介等をしている。
    • 保護活動については、要注意外来生物のカナダガンの早期対策が必要と考えて、他県支部と行政等と連携をとりながら、捕獲等の対策を進めている。捕獲については、学術申請で行っている。
    • 5年に1回、鳥類目録を作成している。1999年1月より、会員による県内各地での毎月1回の定線センサスを実施している。2008年までの10年間で159ヶ所実施し、調査結果を解析した結果がまとめられている。
      <質問>
      カナダガンの捕獲を学術申請で行っているのはなぜか。
      → 特定外来生物に指定されてないため、有害鳥獣の捕獲申請が認めらなかった。しかし、今回の改正で指定されるため、今後は有害鳥獣駆除で進められるであろう。
    ●茨城(池野氏)
    • 平成25年で、50周年を迎える。現在会員数は1000人程度。入会と退会が均衡している。少しでも上向きにするため、「ひばり会員(お試し入会制度)」を進めている。20名ほどいるが、その中から3名が正式に入会した。効果はあると思われる。
    • 引き継いだときは、会員数が1300名だったが、1000名に減っている。会計が厳しい状況。この30年間、会費2000円は変わっていない。値上げすると退会する人が増えるので、値上げできない。発送費の削減を進めている。最近は、郵便会社のゆうメールに切り替えている。支部報の3分の1は手渡ししている。経費削減の効果は大きい。
    • 探鳥会は150回開催し、2000人が参加した。半分以上が定例探鳥会であるが、定例探鳥会が増えると固定客が増えるメリットはある一方で、あまり知られていない探鳥地は忘れられてしまう。足が向かないところに目を向けようと、企画探鳥会も実施している。 昨年度は震災の影響で、1ヶ月全て中止とした。また、海岸沿いはがけ崩れ、山は落石が続いている等、探鳥会の開催場所が制約され、探鳥会の開催数、参加者数が減少した。今年度も影響が残っているが、盛り返して行きたい。
    • 懸案事項はハス田の防鳥ネット。主に11月から3月にかけて、カモ類やオオバン、シギ・チドリ類1200羽が被害に遭っている。特に12月、1月に集中する。昨年は、オオヒシクイが網にかかった。県の環境部局は煮え切らない態度。農政部局はすでに問題は解決済みとの考えである。財団事務局とともに、鳥獣保護法の判断が曖昧にされてきた防鳥ネットの違法性について、目的にそぐわない期間に張ったままの防鳥ネットに限定して、法的な見解を明確に示すよう、環境省に要望書を提出した。
    • その後、県の環境部局に再度問い合わせたところ、目的にそぐわない期間については、鳥獣保護法違反であるとの考えを示した。一歩前進と考えている。
    • 県内波崎町で、50機の風力発電計画が持ち上がった。注意深く監視していきたい。
  5. 報告事項
    ●渡良瀬遊水地のラムサール条約登録について(栃木・高松氏)
    • 栃木では、渡良瀬遊水地に関連していくつかの活動をしている。 探鳥会を年5回程度行っている。5月には、野鳥や植物、昆虫を含めて観察会も行っている。渡良瀬遊水池には市民団体が4つある。また、栃木、群馬、埼玉、茨城と4県に跨っているので、連携して活動を行っている。
    • 調査研究については、他団体と共同でチュウヒ、ノスリ等、ワシタカカウント調査を実施した。PR効果が大きい。ラムサール登録に貢献した事業であろうと思われる。
    • 渡良瀬遊水地は4県にまたがっていて、3300ヘクタールと広大な湿地。多種多様な動植物がいて、生物多様性のモデルである。
      90年代以降、いろいろ活動を展開してきた。
      バブルの時期には、巨大な空港の建設計画等、大きな開発計画があり、反対運動が中心であった。その後、21世紀になってから大きく変わってきた。湿地保全、再生というキーワードで、国交省が動き始めた。
      2008年5月、柳生会長を招いて小山市でシンポジウムを開いた。ここから状況が変わり始めた。地元市町はラムサール登録を反対していたが、シンポジウムで小山市長が、あいさつの中で「ラムサール条約を目指す」と話し、180度方向が変わった。その後、小山市を先頭に自治体が動き出した。
      同地にはこれまで利用の観点がなかったため、交通も不便。泊まる場所もなく、インフラの整備が遅れているため、この整備が必要と思われる。管理についても、ヨシ原の多面的な利用について、ヨシズ以外の利用がないため、今後考える必要がある。
      周辺の水田については、蕪栗沼、豊岡等の例にならい、ふゆみずたんぼや有機農業など、生き物にやさしい有機的な栽培形態をとろうという動きがでてきている。行政と自然保護の2極だったが、これに住民農業サイドが加わり、良い動きが出始めている。
      放射性物質の影響でヨシ焼きが行われていない。その結果、植物が打撃を受ける可能性がある。放射性物質の調査や、全面でなくローテーションを組んで順番に焼く等、工夫をしながらヨシ焼きの再開が必要である。 これまで100年の歴史があるが、これまでは土木事業の歴史であった。これからは湿地として維持されていくことが国際的に約束されたことが最大のポイントである。
    (茨城県・一色氏)
    • ラムサール条約登録については評価できるが、地域住民が置き去りにされている。もう少し時間をかけて、みんなが理解するところまでいってからの方が良かったと思う。今後、影響が出てくるように思い、心配している。今後、いろいろな課題を連携して解決してもらいたい。
    ●東京オリンピックカヌー競技場建設地変更要望など3件(東京・飯田氏)
    • 東京オリンピック誘致に伴い、葛西臨海公園にカヌー競技場建設の計画が浮上した。公園が整備されて20年以上経ち、豊かな自然が再生した。水鳥だけでなく、山野の鳥も多く記録され、公園西部の森は渡り鳥の中継地として重要な場所である。近隣の遊休地への変更等、代案も含め、都知事に陳情書を提出した。今後、話し合いを進める。
  6. 提案議題
    ●渡良瀬遊水地周辺におけるコウノトリの野生復帰について(栃木・遠藤氏)
    豊岡のコウノトリが野生復帰し、順調に個体数を増やしている。トキも同様である。ふゆみずたんぼ等の地域での市民活動が盛んになっていることは、大変喜ばしいことである。
    南関東エコロジカル・ネットワーク構想に関連する取り組みで、関東地方でもコウノトリを放鳥しようという動きがある。
    日本野鳥の会栃木も関わっている「わたらせ未来プロジェクト」では、「渡良瀬遊水地やその周辺を100年後にはコウノトリやトキが棲める環境に戻そう」という夢を持っている。しかし、現在のような、湿地や周年かん水した水田が少ない環境では、コウノトリが良好な状態で生息し、新たな個体群を形成できるとは考えられない。
    日本全体のコウノトリ個体群の回復計画がない中で、関東に新たな個体群を作ることが適切か、疑問である。 コウノトリの放鳥をするには、以下の点に留意することが必要と考えている。
    • 国内のコウノトリの個体群構想の構築という目標の中で位置づけられた計画であること。
    • 放鳥から個体群の管理まで、しっかりとした計画が策定され、遂行する体制・予算が担保されていること。
    • コウノトリの生息に必要な生息環境が確保されていること。
    • 「コウノトリ野生復帰グランドデザイン」における「コウノトリの野生復帰における留意事項」をクリアしていること。
    <意見>
    • 地域の生産者の理解を得られない中で、生息環境を考えずコウノトリを放鳥するのは問題がある。
    • 放鳥を否定はしないが、留意しながら進めてもらう必要がある。
    ●野鳥の撮影マナーのあり方について(茨城・多田氏)
    昨年に続き、今年も県内のサンコウチョウの営巣地で、20名を超える撮影者が押し掛ける状況になっている。 県と協議し、「営巣中の撮影により、鳥の繁殖を放棄させる行為は、鳥獣保護法違反となる場合がある」という見解に基づき、鳥獣保護員が注意、退去させるという方法で対応し、効果を上げたので紹介した。
    • 財団事務局の対応について(財団事務局普及室・富岡)
      今年5月に開催されて連携団体全国総会において、日本野鳥の会千葉県から、県内の撮影・観察マナー問題の事例が報告された。それを受けて、財団事務局においても、近年大きな問題になってきている撮影・観察マナーへの対応をすることとなった。
      財団事務局においては、以下の3つを行いたいと考えている。
      ①今後、新聞社や写真コンテスト、カメラ会社等へ対応していくが、情報が不足しているので、全国の連携団体にアンケートをお願いする。内容は、問題がどのくらい起きているのか数量的なデータと、どのような問題が起きていて、どのように対応できている、あるいはできていないかという事例を数多く集めたい。
      ②集まったデータを整理し、どのように対応すれば良いか等、事例集や想定対応集のようなものを作成できればと考えている。
      ③春前に、新聞社や写真コンテストの主催者に、営巣中の写真等を掲載しない、とり上げないようお願いする文書を送付したいと考えている。
    <意見・質問>
    • 財団事務局のホームページでは、営巣中の写真を撮らないよう呼びかけているが、連携団体によってスタンスはまちまち。このあたりをはっきりさせないとスタートできないのではないか。  → 整理できていない。事例を集める中で、整理できればしていきたい。一方で、法的に対応できる部分もあるので整理していいきたい。
    • どこまでは良くて、どこからが悪いか決めるのは難しいと思う。野鳥の写真をホームページに載せている方はたくさんいるが、趣旨を理解している方のホームページには、必ずマナーの問題が載っている状況を作っていければ良いと考える。
    • これまで法的に規制する根拠が見つからなかった「鳥の繁殖を放棄させる行為は、鳥獣保護法違反となる場合がある」ということで、茨城県が動いたことは意義があり、。全国的にこの方法が使える可能性がある。環境省にあたって、より詳しく調べていきたい。
    • カメラメーカーへの対応は財団本部でなければできない。期待したい。
    • 連携団体としても、写真コンテストの主催者等へ、適切な言葉を選びながら申し入れていく必要がある。日本野鳥の会茨城県ではバーダーのコンテストや、ジャパンバードフェスティバル等へ、ネットに流れたような有名営巣地で撮られた写真については採択しないよう申し入れをしている。具体的な地名を入れて対応していく必要がある。
    ●探鳥会保険について(千葉県・大野氏)
    社会福祉協議会のボランティア保険に加入し、主催者側の賠償責任は担保されているが、天災まではカバーしていない。カバーすると保険料が2倍になる。予算の関係で踏み込めていないのが現状である。
    <意見>
    • 現状の保険では十分とは思っていないとの意見が複数あった。
  7. 次回の開催団体の確認
    日本野鳥の会栃木が事務局になる。次回は、渡良瀬遊水地で開催したい。

(普及室 富岡辰先)

日本野鳥の会近畿ブロック会議の概要

【日 時】 10月6日(土)13:30〜
【会 場】 滋賀県守山市 Rise Villa都賀山
【出席者】 財団出席者 佐久間常勤理事
【幹 事】 日本野鳥の会滋賀

  1. ブロック幹事の挨拶 日本野鳥の会滋賀 石井代表
    • 「滋賀」が今年と来年、ブロック幹事をお受けしている。
    • 7年前に各支部等の御支援をいただき発足。あらためて御指導御支援をお願いしたい。
  2. 財団からの挨拶(常勤理事 佐久間)
    • 財団は再来年に発足80周年。その機に表彰すべき方の推薦を支部等で御検討いただきたい。
    • 連携団体全国総会:参加団体数が40団体ほどと芳しくなく、アンケートを行った結果、2013年度以降 11月開催に。なお、次回は2013年11月9,10日開催を予定。
       ぜひ、各支部等から少なくともお一人出席いただけるよう、御配慮願いたい。
    • 「野鳥情報全国ネットワーク」「定期探鳥会データベース」へ参加・協力いただきたい。
    • ストリクス:売り上げが芳しくないので、ぜひPR等をお願いしたい。
    • 探鳥会保険:現在、財団が傷害保険を掛けているが、保障内容が不十分。しかも、昨今では行事主催者への賠償責任が問題化。支部等が開催の探鳥会の場合、第一義的に支部等が責任を問われるが、財団の責任も問われる可能性。 財団で保障内容を検討しているが、支部等にあってもボランティアリーダー保険等を活用した保障充実を積極的に検討を。
  3. 評議員会の報告(平評議員)
    平評議員(大阪支部)から「原子力問題に関する日本野鳥の会の見解」について、取りまとめの経過等が説明された。
  4. 各支部等からの報告等
    ≪大阪支部≫
    • 大阪支部は今年、創立75周年を迎える。ついては11/10、大阪市自然史博物館の大阪自然史フェスティバル2012に便乗の形で柳生会長をお招きし、講演をいただく。なお、講演に先立ち、支部から挨拶と共に「大阪支部75年の歩み」をお話し、その後、支部長と柳生会長でディスカッションを予定。このフェスティバルは参加者が多いと見込まれ、席は特に確保できないが、ぜひ各支部等からも参加いただければありがたい。
    • 大阪支部も運営に関与している大阪南港野鳥園(設立30年を経過)が、大阪市による市税一億円以下の事業が見直し対象になり、「市税を投入して継続する合理性が低い」との指摘。
       大阪市政改革プランに沿って、運営見直しを図りたいとの市の姿勢。
       このため、9月7日に支部独自で意見書を提出し、9/21期限で回答を求めていたが、市庁内部の意見調整が遅れ、今もって回答が示されていなかったが、市は10/19に回答を出すとのこと。
       今後、大阪の5環境保護団体とともに、各支部等にも協力いただいて要望書を出したいので、その際には御協力いただきたい。
    《和歌山支部》
    • 風力発電問題について。和歌山県は東西に幾重にも山脈が走り、各山脈に施設を建てると風力発電に適しているため、すでに5,6箇所はできている。
      震災・原発事故を機に、自然エネルギーの買い取り価格が上り、反対等で止まっていた計画もまた動き出している。特に今年10月から風力発電も環境アセスの対象となったが、アセス逃れに整備事業を分割するといった問題も。和歌山は人工林化が進み、尾根筋だけ自然林が残っているところが多いが、そこが潰されてしまう。 タカの渡りへの影響も心配。各地の状況等をお聞きしたい。
    《京都支部》
    • 1970年代、パン給餌でユリカモメが鴨川に定着。 最近では冬場だけでなく夏場にも給餌がなされ、カラスやドバトが増えて有害鳥獣駆除の対象となるといった弊害も。   2006〜07年に支部で鴨川沿いの野鳥カウントをしたところ、トビが増加。 トビの増加で弁当を取られたり、けがをする人も。このため、2009年から「餌付けをやめてもらう」チラシを配って啓蒙中。  2012年2月の幹事会で「過度な餌付けはやめましょう」という合意事項を決定した。
    • 写真マナーの徹底を各支部等にあってもお願いしたい。
    ≪滋賀≫
    • 探鳥会情報:京都支部とそれぞれの会報で相互紹介
    • 猪子山(能登川)がタカの渡りのポイントとして知られ、他支部からも来訪が。 観察会がぶつかることもあり、調整が必要になっている。
    • 子供を主対象に、カラー版「野鳥観察をはじめよう!」を作成。よければ他支部でも活用を。
    ≪ひょうご≫
    • 会員数:若干、傾向は穏やかになってきたが減少が続いている。 会員の若返り策として親子探鳥会の開催等を図っている。
    • 傷病鳥、違法飼養鳥対策:日本バードレスキュー協会(NPO)とタイアップ。
    • 「東日本大震災」支援探鳥会:当初、近畿ブロックで企画する予定だったが、和歌山県内の水害もあって、「ひょうご」独自で企画。(財団からも各支部等に紹介済。)
    • 「カワウの生態と人との共生に関する講演会」(11/3)のお知らせ。
    • ツバメのねぐら調査結果の報告。 市街地やため池のねぐらでは消滅したところもある。
      →別紙資料参照。
    ≪奈良支部≫
    • 2010〜12年に山間部(台高山系、大峰山系、伯母子山系)で33年ぶりにコマドリ調査を行い,1/10以下の数に激減していることが判明。  これは、シカが下層植生を食い尽くし、スズタケ群生が壊滅状態となったことが主因。  大台ケ原での環境省の防鹿柵によるスズタケ復活の取組に期待し、大峰山系については、県に防鹿柵の設置を働きかけている。
    • 春日山原始林:シカの影響で後継木が育っておらず、このままでは200年後に崩壊しかねない。
    • オシドリ:去年の12号台風のあと、奈良県南部のダムで12月に水位が下げられたために分散し、2200羽から400羽に減少した。
    【意見交換】各支部等から提起や報告のあった課題等について、活発な意見交換が行われた。
    主な意見は次のとおり。
    《風力発電問題》
    • 神戸空港建設時の調査結果では、サシバは高度200〜700mの高さを飛んでいる。  飛行機はタカの渡りに影響しないということになったが、風力発電は影響する可能性がある。
    • 風力発電施設:遊休化しているものも多い。
    • 風力発電施設:10年後には地元に譲渡される?
    • 風力発電施設:なぜファン形ばかりなのか? 筒型 であればバードストライクは減ると大きく期待しているのだが。→会場から、「筒型はまだ実証実験段階」との意見あり。
    《大阪南港野鳥園問題》
    • 6支部等での連名要望書提出:賛成する。
    《野鳥給餌問題》
    • 野鳥への給餌:本来は悪いことではないのではないか。
    • 人間の食べ物:野鳥にとって有害な場合も多い。
    • 給餌:原則として反対すべき。
    • 今日(10/6)午前中、大阪城公園で観察会をやっていたら、メボソムシクイが地上に姿を見せて驚いたが、実は撮影者が給餌していた。
    《自然植生の復元問題》
    • 「自然のままで…」というのは本当に正しいのか。
      えてして放置・放任になりやすい。
    • 動植物の減少:「人間の影響によるものであり、これを人間の力で復元していこう」というのは説得力あり。
    • 竹林が広がるのが「自然のまま」と言えるのか。
        自分たちは竹林を昔の里山に戻そうという取り組みを行っている。竹林はそのままにしておくものではない。
    • 以前、チュウヒが姿を見せていたところに、チュウヒが戻ってくるよう樹木を伐採したところ、近くで府が植林していて、住民から「野鳥の会は何をやっているのか?」とクレームが。
    • ササが直径10mも残ればコルリは残る。コマドリはスズタケが直径30m以上必要。
    • 「木を植える」ことが本当に正しいのか? 業者が大量生産した生産地も分からない、地元とは関係のない木を植えることがよいのか。
    • セイタカシギを繁殖させて放鳥した事件は皆さんの記憶にあるのでは? セイタカシギは適応力が高く、繁殖している。
    ○その他
    【地元(「滋賀」)の取組の紹介】
     「滋賀」から、パワーポイントを用いて琵琶湖での水鳥調査の概要が報告された。
    • 琵琶湖の湖周約220kmを5km単位に区分して水鳥を調査して集計。これに竹生島や瀬田川、それに琵琶湖から離れたため池などでも調査。 今年1月の総数は約17万羽。
      2005年の支部立ち上げに先立って、調査を開始。 2005年以降のデータを見ると、オオバン、キンクロハジロが激増する一方、ハジロカイツブリやホシハジロが激減。
      オオバンをみると、南湖西岸や北湖西岸で増えており、三月には南湖に集まってくる傾向に。
      ホシハジロ:環境省のHPをみても、全国的に減少している模様。
      キンクロハジロ:生息域は広く分布。
      オオバンの増加:水草の分布域が拡大していることも影響している?

(常勤理事 佐久間仁)

日本野鳥の会 九州・沖縄ブロック大会 報告

【日 時】 2012年10月7日〜8日
【会 場】 鹿児島県鹿屋市 ホテルさつき苑
       鹿児島県立大隅広域公園
【参加団体】 北九州、福岡、筑豊、筑後、佐賀、長崎、大分、熊本、宮崎、鹿児島、財団事務局、密対連、KOWA 計80名
【財団出席者】佐久間常勤理事、葉山自然保護室長
【幹 事】 鹿児島

<10月7日>

  1. 開会式
    森本ブロック代表の主催者挨拶に引き続き、鹿児島の中村代表より歓迎の挨拶、財団より佐久間理事から挨拶があった。また、来賓の嶋田鹿屋市長より祝辞をいただいた。 佐久間理事からは、
    ① 2014年に設立80周年を迎えるにあたって、各連携団体で功績を残された方を表彰したいと検討しているので、推薦する人の検討を進めて欲しい。
    ② ツバメの調査には全国から7300件程度の情報をいただいたが、会員は1割程度と、一般のかたの反響が大きかった。来年度も継続を予定しているのでご協力いただきたい、と挨拶があった。
  2.  
  3. 講演・報告
    (1)鹿児島県立照葉樹の森管理事務所長の山口學氏より、「照葉樹林の森の紹介・生態系」として、西日本最 大の規模である「照葉樹林の森」の施設や活動の紹介や稲尾岳の生態系の紹介があった。
    (2)財団自然保護室(葉山室長)より、マナヅル・ナベヅルの越冬地分散の取り組みの紹介と、出水での高病 原性鳥インフルエンザの発生当時の様子を報告した。また、地元にツルが飛来した際のモニタリングや、越冬地受け入れの条件づくりのお願いをした。
    (3)連携団体報告
    参加各連携団体より報告、情報共有がなされた。
    1) 北九州 前田事務局長
    • 野鳥をシンボルとした普及教育のための講師派遣が増加している。
    • 風力発電について、事業者とも密な協議を行なっている。
    • 支部も関わってきた日本最大級のビオトープである「響灘ビオトープ」が、10月6日に開園した。
    2) 福岡 田村副代表
    • 玄界灘海鳥調査 アビ類が少なかった。冠島で標識されたオオミズナギドリの死体を確認した。
    • 福岡市片江展望台でのハチクマ・ウオッチングで、城南区の街づくり課とタイアップしてチラシ配布を行 なっている。これにより一般の方の関心も高まり、ハチクマを見に来た方の中から入会者もあった。
    3) 筑豊 広塚事務局長
    • 探鳥会や植物観察会を一般参加型として実施し、会員数が2007年以降増加傾向にある。
    4) 筑後 松富士支部長
    • 会員の高齢化が進む中で10代が充実している。彼らを今後どう引き止めておくかが課題。
    • バードウィーク探鳥会や小学校の出前事業の際、出現する鳥の予想をビンゴシートに書いてもらって、ビ ンゴになると、商品を出す野鳥ビンゴを取り入れ、楽しんでもらっている。
    5) 佐賀 島田事務局長
    • 広報の効果があり、平成23年度は37回の探鳥会に延べ740人の参加があった。
    • 「伊万里ツル越冬地創出事業」に協力をしている。
    • 県からの委託で、カササギへの影響調査の目的でカラス生息調査をしている。
    6) 長崎 執行事務局長
    • 役員の高齢化、固定化が問題。ホームページの定期更新も課題となっている。
    7) 熊本 田中事務局長
    • 荒尾干潟の写真コンクールの作品募集の紹介。
    8) 宮崎 前田支部長
    • 御池では、人圧に加えて、シカの影響や新燃岳の降灰の影響で、ヤイロチョウは繁殖しなかった。
    9) 鹿児島 溝口氏
    • 鹿児島県鳥類目録の改定について、日本産鳥類目録第7版に準拠し、見直し作業を行なっているとの報告 と、新規記載予定の鳥の写真紹介があった。

    議事終了後、支部代表者会議が行われた。
    夕食・懇親会時に合わせて、恒例のオークションが行われた。オークションでは興和(株)より協賛商品の提供も行われた。
<10月8日>
(1)大隅運動公園に移動し、サシバの渡りの観察が行われたが、約1000羽のサシバが通過し、数百羽のタカ柱や、頭上40mを通過するサシバの大サービスに歓声があがった。なお、当日は支部の探鳥会も同時に行われており、大会参加者の中でも解説を行う人も出ていた。
(2)観察会終了後、同会場で、密猟対策セミナーが開催され、全国野鳥密猟対策連絡会中村事務局長(京都支部副支部長)より、密猟・違法飼養の実態や密猟対策連絡会の取り組みの紹介がなされた。中村事務局長からは、引き続き、違法行為を見つけた時には密対連に連絡してほしいことや、愛玩飼養許可の更新を厳密に行うよう、市町村に働きかけてほしいとの要請があった。

(自然保護室 葉山政治)

事務局からのお知らせなど

自然保護室より

「洋上風力発電が野鳥に与える影響に関する シンポジウム」のお知らせ

 今後、国内でも積極的に導入が進む洋上風力発電について、導入実績が高い英国とデンマークから海外ゲストを招き、野鳥への影響やその評価手法、アセス制度や開発事業者による取り組みなど、海外の先行事例を紹介します。また、国内からは環境省とNEDOに洋上風力発電の実証事業について、研究者等からは日本の海鳥の生息状況等を報告します。そして、ディスカッションを通して洋上風力発電を取巻く国内外の状況や課題を整理することで、野鳥への影響をなるべく出さない洋上風力発電の開発のあり方などについて明らかにしていきます。

【日時】 2013年1月13日(日) 10:00〜18:00(開場9:30)
【場所】 立教大学9号館大教室(東京都豊島区西池袋3-34-1)
      地図はこちら http://www.rikkyo.ac.jp/access/ikebukuro/direction/
※入場料無料 定員600名(申し込み不要)/同時通訳あり

【講演内容】
  1. Mark Desholm博士(オーフス大学/デンマーク)
    洋上風力発電が野鳥に与える影響とその調査手法、衝突リスクモデルなど
  2. Chris Lloyd氏(海洋エネルギーコンサルタント/英 国)
                         英国の洋上風力発電計画において鳥類へのリスク低下をもたらす戦略的初期投資の仕組み‐環境影響評価と鳥類へのリスクに注目して
  3. .環境省(環境影響評価課・田中獏氏/地球温暖化対策課・吉田諭史氏)
    風力発電の法アセス化、政府による洋上風力発電実証実験等
  4. NEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)
    洋上風力発電の今後と銚子および北九州沖の洋上風力発電実証実験の経過報告
  5. 電力中央研究所(北村亘博士)
    環境影響評価における日本的課題
  6. 名城大学(風間健太郎博士)
    洋上風力開発において考えるべき海鳥の生態や特徴
  7. E&Eソリューションズ/芙蓉海洋開発
    洋上風力発電事業に係る環境影響評価の国内事例報告
  8. バードリサーチ(植田睦之氏)
    船舶用レーダーを使った海上の鳥の調査〜その可能性と限界〜
  9. 知床海鳥研究会(福田佳弘氏)
    北海道東部の海鳥の生息状況とケイマフリの保護
  10. (公財)日本野鳥の会
    根室半島における海鳥調査の結果および調査手法の提案

〈主催・後援〉
主催:(公財)日本野鳥の会
共催:立教大学
助成:地球環境基金
後援:環境省ほかを予定
〈問い合わせ〉
日本野鳥の会・自然保護室 E-mail:[email protected]
詳しくはこちらのホーページをご覧ください http://www.wbsj.org/

(自然保護室 植月智子)

普及室より

■12月は「ウィンターフェア」! 連携団体向け卸販売をご利用ください。■

 会誌「野鳥」12月号に「ウィンターフェア2012」のカタログを同封いたします。また、事業担当の皆様には、当フェアの連携団体向け卸販売のご案内を別途お送りします。
 探鳥会やイベント等で会員や参加者の皆様にご案内いただき、ご注文を取りまとめていただければ、卸価格で販売させていただきます。商品を通じたコミュニケーション、支援者の輪の拡大にぜひご活用ください。

※ご注文方法につきましては、事業ご担当の皆様にお送りしました案内をご確認下さい。ご不明な点はお気軽にお問合せ下さい。
※12月29日〜1月7日は休業いたします。ファックスでのご注文は休業中も受け付けております。

●本件についてのお問い合わせ
普及室 販売出版グループまでお願いします。
TEL:03-5436-2623 FAX:03-5436-2636 Email: [email protected]

■直営店「バードプラザ」。今年の12月は土曜日も営業!(15日除く)■

 当会事務所併設の店舗「バードプラザ」は、通常、平日のみ営業をしておりますが、今年12月は、土曜日も営業いたします。「ウィンターフェア」カタログ掲載商品や、バードウォッチンググッズが詰まった「お楽しみ袋」などバードプラザだけのお買い得商品をご用意してお待ちしております。ぜひ、皆様のお越しをお待ちしております。
※お求めの商品の在庫は、事前にお問い合わせください。

●バードプラザ
2012年12月の営業日・時間
平日、土曜日(15日を除く)11〜17時
12月30・31日は休業。
※12月15日(土)はビルのメンテナンスのため休業します。
※翌年は1月7日11時より通常通り営業。

●本件についてのお問い合わせ
普及室 販売出版グループまでお願いします。
TEL:03-5436-2623 FAX:03-5436-2636 [email protected]

(普及室/江面康子)

総務室より

■平成25年度連携団体全国総会開催日決定■

平成25年度連携団体全国総会(以下、「総会」という。)の開催日が、平成25年11月9日(土)、10日(日)に決まりましたのでお知らせします。
今年の総会で、次回総会開催日は1人でも多くの人が参加できる日程にするように、との意見に基づきアンケートを実施、その結果、一番希望の多い11月、また連休を避けた原則第2土・日に決まりました。
90団体にお願いしたアンケートには64団体(回収率71%)から回答をいただきました。自由意見には、総会に限らず色々なテーマに対する貴重なご意見・ご要望を頂戴しました。ありがとうございます。多くの回答、貴重なご意見に対しこの場を借りてお礼申し上げます。貴重なご意見・ご要望は今後の参考にさせていただきます。

今年の総会への参加・不参加、不参加理由、開催時期に対するアンケート結果は次のとおりです。

【今年の総会に参加しましたか】
32団体が不参加。
不参加の理由は25団体がスケジュール、10団体が予算をあげている。
また、8団体が参加の必要性を感じなかったとし、その主な理由にブロック会議との関係、議決を伴わない会議をあげている。

【開催時期】
11月45団体、12月30団体、5月27団体、以下10月、9月と続く。
参考として、総会開催日を加えた連携団体全国総会開催要領を添付します。

「日本野鳥の会連携団体全国総会」開催要領

1目的

公益財団法人日本野鳥の会(以下「財団」という。)は、次の目的を達成するため、「日本野鳥の会連携団体全国総会」(以下「全国総会」という。)を開催する。
(1)財団と支部等の連携団体(以下「連携団体」という。)、連携団体相互間の交流促進
(2)『日本野鳥の会』の旗のもとの、活動方針や事業理念等の共有
(3)統一キャンペーンやテーマ等についての話し合いと全国統一行動の実施
(4)新制度下での、会員や連携団体の声を財団運営に反映

2主催

全国総会は財団が主催し、各連携団体の代表等に対し、理事長名で参加招請する。

3開催時期

全国総会は、原則として毎年1回、11月の第2土・日曜日とする。

4開催場所

 全国総会は、当面、東京都内で開催する。

5参加者

全国総会は次の者の出席をもって開催する。
・連携団体の代表者等
・財団の会長、役員、職員

6費用負担

(1)全国総会の会場等の開催費用は、原則として財団が負担する。
(2)財団は、連携団体の代表者等が全国総会に出席するために要する経費の一部又は全額を助成することができる。

7進行・運営

(1)全国総会の進行・運営は、財団が行う。
(2)総会のテーマ等は、財団において素案を作成のうえ連携団体の意見を聴取し決定する。

8その他

 全国総会をより実りのあるものとするため、探鳥会 等の付帯事業を行うことができる。

(総務室/奥田 秋穂)

■公益財団法人日本野鳥の会 平成24年度第2回理事会(定例)議事録■

【開催日時】 平成24年10月2日(火)
午後3時00分〜午後4時40分
【開催場所】 当財団会議室
東京都品川区西五反田3-9-23
丸和ビル
【出席者】 理事現在数 7名
出席理事 7名(代表理事を含む。)
佐藤 仁志、吉田 新、安西 英明、飯塚 利一、遠藤 孝一、佐久間 仁、松田 道生
監事現在数 2名
出席監事 1名
監事 曽我 千文
オブザーバー 1名
評議員 柳生 博
事務局 小林豊(事務局長兼保全プロジェクト推進室長)
安藤康弘(事務局長代理兼会員室長)
富岡辰也(普及室長)
岩下路子(総務室長)
五十嵐真(総務室経理人事グループチーフ)
奥田秋穂(総務室総務グループチーフ)
小川富由美(総務室員)
議長 代表理事 佐藤 仁志

議決事項

第1号議案 平成25年度事業計画及び予算編成方針の件
第2号議案 平成24年度補正予算の件
第3号議案 評議員会招集の件
第4号議案 経理規程変更の件

議事の経過の要領及びその結果

 理事会開催にあたり、冒頭に佐藤仁志理事長から挨拶があった。小林豊事務局長が開会を宣言し、本理事会は定款第42条の規定に定める定足数を満たしており、適法に成立している旨の報告があった。
 なお、議事録署名人については、定款第44条に基づき、出席した代表理事及び監事となっており、佐藤理事長、吉田新副理事長及び曽我千文監事が署名人となることを確認した後に、次の議案の審議に入った。

(1)第1号議案
平成25年度事業計画及び予算編成方針の件

吉田新副理事長より平成25年度事業計画及び予算編成方針(案)の概要について、広報の強化、創立80周年に向けた事業のプラン作り、新しい探鳥会の検討、販売事業の収益確保と寄付収入の増加に重点を置く旨、資料に基づき説明があった。
曽我千文監事より、出版販売事業の海外マーケットに対する方向性についての質問があり、吉田副理事長より、海外マーケットは積極的に打って出るのは難しいが情報収集は怠らないとの回答があった。続いて佐藤理事長より台湾との関係は継続しているとの説明があり、今年の対応について富岡辰也普及室長より、これまでは台湾バードフェスティバルでの販売を中心に行っていたが、今年は富士鷹なすび氏のシール及びポストカードを販売して彼の人気度を測ったり、紙芝居を台湾語で実演するなどマーケティング調査を試みるとの回答があった。さらに、松田道生理事より広報に関して、フェイスブックが効果的なので活用するべきであるとの意見があった。
審議を経て、議長がこの賛否を諮ったところ、全員が異議なくこれを承認した。

      

(2)第2号議案
平成24年度補正予算の件

五十嵐真総務室経理人事グループチーフより、資金ベースで予算比約2,100万円の支出増、最終約3,400万円の赤字とする平成24年度補正予算の説明があった。
赤字幅の拡大は、サンクチュアリ施設運営受託事業支出、物販商品仕入支出及び物品販売事業運営費の増加が挙げられると、資料に基づき説明があった。
吉田副理事長より、物販商品仕入に関しては、長靴への先行投資のため回収見込みはあるが、受託事業の赤字に関しては人事異動などを検討しなければならないとの意見があり、遠藤孝一理事より、人事異動とは人件費の安い人材にする意味かとの質問があり、吉田副理事長よりそのような検討も必要との回答があった。
審議の結果、議長がこの賛否を諮ったところ、全員が異議なくこれを承認した。

(3)第3号議案
評議員会招集の件

奥田秋穂総務室総務グループチーフより、定款第20条の規定に基づき臨時評議員会を招集すること、報告事項3件として下記要領にて招集する旨の説明がなされた。
審議を経て、議長がこの賛否を諮ったところ、全員が異議なくこれを承認した。

【日時】
平成24年11月7日(水)16:00〜17:00
【会場】
ニューオータニイン東京(大崎)
【目的事項】
(1)議決事項
なし
(2)報告事項
1.平成25年度事業計画及び予算編成方針の件
2.平成24年度補正予算の件
3.平成24年度第2回定例理事会結果の件

(4)第4号議案
経理規程変更の件

五十嵐総務室経理人事グループチーフより、平成20年会計基準を採用するのに伴い経理規程を大幅に変更すること、収支予算書は損益ベースで作成するが、内部管理上有用な資金ベースも引続き作成すること等、資料に基づき説明があった。
遠藤理事より、科目と予算の流用について質問があり、岩下路子総務室長より例えば費用に関しては事業費と管理費の二つの大科目があり、大科目の中では資金の流用が出来るとの回答があった。また、松田理事より銀行から資金を借りる際の短期及び長期の期間について質問があり、岩下室長より短期借入は借入期間一年以内、長期借入は1年超であること、また短期借入は理事長決裁、長期借入は理事会決裁である旨回答があった。
審議を経て、議長がこの賛否を諮ったところ、全員が異議なくこれを承認した。

1 報告事項

(1)ツバメキャンペーン中間報告の件

安藤康弘事務局長代理兼会員室長より、ツバメコンサートの参加者は40歳代〜60歳代とこれまでのイベント参加者より若い層であったこと、ツバメ調査に関しては、1:9の割合で非会員からの情報が多く、また、宮城県で尾羽の欠損が見つかり検査の結果、放射性物質に汚染していたこと、ツバメキャンペーンへの寄付金額は過去最高であったこと等、資料に基づき報告があった。
遠藤理事より、調査結果の公表方法について質問があり、安藤事務局長代理兼会員室長より、11月中にプレスリリース予定であるとの回答があった。遠藤理事より、放射性物質汚染の考察については慎重に行うべきであるとの意見があった。続いて曽我監事より、ツイッターでの情報発信と若い世代の反響が多いことに因果関係が見られるのかとの質問があり、安藤事務局長代理兼会員室長より、案内総数9千通のうち6千通はメールを使用した、このためデジタル媒体に慣れている比較的若い年齢層の反響が多かったとの回答があった。引続き松田理事より、会員への勧誘を行うのかとの質問があり、安藤事務局長代理兼会員室長より、会員への勧誘は余り意識していない、気軽に寄付をする層として囲い込みを行うとの回答があり、松田理事より、新しい層であり、会員より効率的であるとの感想があった。

(2) 次回連携団体全国総会の件

奥田総務室総務グループチーフより、今年5月26,27日に開催された連携団体全国総会において、当会から提示した日本野鳥の会連携団体全国総会開催要領について、開催時期については連携団体の意見を良く聞いて決めるようにとの付帯条件つきで了承された為、アンケートを実施し、希望が一番多かった11月、その月の第2土日に開催する旨、資料に基づき報告があった。

 上記の議事を明らかにするために議事録を作成し、佐藤理事長、吉田副理事長及び出席監事の名において記名、捺印する。
平成24年 10月12日

公益財団法人 日本野鳥の会
議長 代表理事 佐藤 仁志
代表理事 吉田  新
監事 曽我 千文


会員室より

■会員数■

11月1日会員数38,400人(対前月-53)会員数は先月に比べ53人減少しました。
10月の入会・退会者数の表をみますと、入会者数は退会者数より50人少なくなっています。会員の増減は、入会者数と退会者数のほかに、会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活した人数によって決まります。10月の入会者数は120人で、前年同月の入会者93に比べ27人増加しました。
また、10月の退会者数は170人で、前年同月の退会者231人に比べ61人減少しました。

 表1.10月の入会・退会者数

※会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活する方がいらっしゃるため、退会者数の年度累計は、実際の退会者数とずれた数字となります。このため、退会者数合計については年度末の集計後にお知らせいたします。

●都道府県および支部別会員数
 野鳥誌贈呈者数を除いた数を掲載します。

 表2.都道府県別の会員数(11月1日時点)

備考:その他は海外在住の会員を示します。

 表3.支部別の会員数(11月1日時点)

備考:支部別の会員数の合計は、都道府県別の会員数の合計と異なります。これは、本部型(青い鳥)会員や支部に所属されていない個人特別会員が支部別の会員数に含まれないためです。

(会員室/沖山展子)

■支部ネット担当より

冬に向け、朝晩の冷えこみが厳しい季節になりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
冷たい風と心地よい日差しを感じながらの毎日です。風邪をひかないよう気を付けてください。
今後ともご愛読の程宜しくお願い致します。

支部ネット通信 第104号
◆発行
日本野鳥の会 2012年11月22日
◆担当
総務室 総務グループ 奥田秋穂/松井江里奈
〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23
丸和ビル
TEL:03-5436-2620
FAX:03-5436-2635
E-mail:[email protected]