No.106 2013年1月号


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目次 ◆支部の動き
 支部報保護・調査記事関連トピックス
◆事務局からのお知らせなど
 青森県・十三湖の風力発電計画に対する環境大臣の事業見直し意見
 ワイルドバード・カレンダー2014写真募集
 平成24年度第3回理事会(定例)議事録
 支部名称等変更のお知らせ
 会員数

支部の動き

■支部報保護・調査記事関連トピックス■

 本記事は日本野鳥の会へ送付されてきている各地の支部報/会報から抽出して作成し、調査・保護に関心がある野鳥の会の会員へ配信しております。
 本記事の一部又は全部を不特定多数が見る可能性があるところへ公開される場合は、各支部/各会の了承を事前に得て下さい。記事は筆者の意向に反しないように、取り扱いをお願いします。

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.639

●2012/11 札幌
・鳥の名前を楽しむ(野鳥写真家 大橋弘一)
・H23年度オオワシ、オジロワシ越冬個体調査(住友順子)
・礼文島の自然に学ぶ(北海道ボランティア・レンジャー協議会 道場優)
●2012/11 茨城県
・優先されるは県民の悩み解消(会長 池野進)
・2012年シギチドリ類調査報告(環境計画部 武田隆治)
・洋上風車の事業者2社に決まる(事務局)
・シラコバト 絶滅危惧TB類へ(事務局)
・一歩前進防鳥ネットの法解釈(事務局)
●2012/10 新潟県
・長岡市のカラスの営巣調査(長岡野鳥の会 渡辺央)
●2012/11 南富士
・日本鳥類目録改訂第7版(渡辺修治)
●2012/11 徳島
・ちょっと気になる野鳥の和名 ミヤマガラス(曽良寛武)

●2012/11 札幌
・鳥の名前を楽しむ(野鳥写真家 大橋弘一)
 ウグイスは「ウーグイ」と鳴くとされ、鳥を示す接尾語「ス」が付いた。カラスは同様に「カーラー」+「ス」、ホトトギスは「ホトトギ」+「ス」。スズメは「シュンシュン」+「メ」、ツバメは「チュバチュバ」+「メ」。カッコウ、ジュウイチ、ヒヨドリは鳴声そのものである。ホオジロ類の古名「しとと」はその地鳴きが起源。ヤブサメは古は鳴声を藪に降る雨音と聞いた。チョウゲンボウは江戸時代から出てくるが、語源は不明。一説には、大型トンボを意味する北関東の方言「げんざんぼう」から「鳥げんざんぼう」が出た。カヤクグリ:カヤは繁殖地の高地には無く、冬に平地で藪の中で見るので、カヤは藪の意味では。ホオジロ:頬は白くなく一説には「ホホ」+「イチジロシ(著し)」で、頬を膨らませて囀る様子から。カササギは朝鮮の古名「カサ」+騒がしい鳥の日本の古名「サギ」である。アマサギ:亜麻色からではなく、江戸時代以前にはそのような色名は無く、古くからある飴色からと考えられる。参考:「鳥の名前」(2003年、東京書籍 2625円 大橋弘一)。
(札幌「カッコウ」NO.348,P4〜8)
・H23年度オオワシ、オジロワシ越冬個体調査(住友順子)
 「オジロワシ、オオワシ合同調査グループ」の北海道全域調査に協力した。 夕張川合流点〜新石狩大橋(2/19):オオワシ2、オジロワシ16。新石狩大橋〜札幌大橋(3/4):同1、同7。札幌大橋〜石狩河口橋(3/4):0、2。石狩 河口橋〜石狩川河口(3/4):2、4。モエレ沼(3/4):0、0。五輪橋〜石狩川合流点(3/4):0、1。
(札幌「カッコウ」NO.348,P9)
・礼文島の自然に学ぶ(北海道ボランティア・レンジャー協議会 道場優)
 礼文島は約260万年前から何度か訪れた氷河期に大陸と陸続きになり、島になりを繰り返し、最後の約1万年前に南下して来た寒地植物が隔離された。島には縄文時代、擦文文化・オホーツク文化、アイヌ文化の遺跡がある。昔の人もこの花を見、この鳥の声を聞いていたと想像すると不思議な思いに駆られる。
(札幌「カッコウ」NO.348,P10)
●2012/11 茨城県
・優先されるは県民の悩み解消(会長 池野進)
 ノスリの雛を拾って飼っている人が、違法と知り、鳥獣保護センターに引取り願いをしたが、県は預かれないと断ったため、已む無く野に放した由。「ヒナを拾わないでキャンペーン」の履き違えである。第11次鳥獣保護事業計画で、環境省は「収容すべき鳥獣の種の選定等により、意義のある傷病鳥獣の救護を効率よく実施すること」としたため、カラス、ドバト等、その増大で市民生活が脅かされる恐れがある傷病鳥獣を収容しない事が可能になった。この指針を受けての県が杓子定規に受け取りを拒否する態度では、届ける側の悩みは解消しない。県はまず受け取る事で届けた人の煩いを開放すべきである。
(茨城県「ひばり」NO.310,P2)
・2012年シギチドリ類調査報告(環境計画部 武田隆治)
 4/29、県下62箇所で、8/21、47箇所で一斉調査した。春は20種、総計4,686羽、秋は24種、703羽を記録した。春の内訳はムナグロ3,329で全体の71%を占め、チュウシャクシギ534、ミユビシギ238、キョウジョシギ216、タシギ124、コチドリ47、トウネン41、メダイチドリ38、キアシシギ36、ハマシギ32等。秋の内訳はコチドリ314、ムナグロ189、タカブシギ57、イソシギ35、ミユビシギ15、メダイチドリ14、シロチドリ11、クサシギ10。春のムナグロ、キョウジョシギは過去22年間を見ると、(半分程度に)減少しており、水田農作業の短縮が影響していると思われる。 絶滅危惧U類になったタカブシギは、茨城県では97年以降、減少傾向になく、県南部の広大な淡水湿地が残っているためかも知れない。
(茨城県「ひばり」NO.310,P4〜7)
・洋上風車の事業者2社に決まる(事務局)
 8/28、茨城県は神栖市の鹿島港沖の洋上風力発電事業者に丸紅と地元のウインド・パワー・エナジーを決めた。応募は2社のみで、有識者委員会でこの2社を選んだ。2017年稼働、5千KW級大型風力発電設備を沖合600mに7qに渡り25基建設する。この10月より、法改正でこの事業も環境影響評価の対象になる。支部は地元の波崎愛鳥会と提携していく。
(茨城県「ひばり」NO.310,P22)
・シラコバト 絶滅危惧TB類へ(事務局)
 8/28、鳥類の環境省第4次レッドリストが発表され、データ不足とされていたウズラが今回、絶滅危惧U類に入った。茨城県では20羽に満たぬシラコバトは絶滅危惧TB類になり、危機的状況が高まった。
(茨城県「ひばり」NO.310,P22)
・一歩前進防鳥ネットの法解釈(事務局)
 6/21に環境省に出した防鳥ネットへの要望書を受け、県は収穫後放置されたままの防鳥ネットは違法と考えるとの回答があった。環境省は事例を個別に判断するとして、防鳥ネットについて考慮するとなった。
(茨城県「ひばり」NO.310,P23)
●2012/10 新潟県
・長岡市のカラスの営巣調査(長岡野鳥の会 渡辺央)
 長岡野鳥の会は83年、94年に長岡市内のカラスの営巣数を調査している。それによると、カラスの営巣巣は83年:140巣(ボソ130、ブト5、不明5)、 94年:218巣(ボソ190、ブト14、不明14)であった。07年の再調査では466巣(ボソ359、ブト60、不明47)となった。ハシブトガラスの比率が上がっているのは同種の市街地進出を示唆する。営巣密度は全体では0.02巣/haで、市街中心部で0.07巣/haで、東京都は0.15、札幌市は0.17で、長岡市の街中の営巣密度はその半分以下である。営巣時期はボソが3〜4月、ブトが4〜5月と1箇月程の差がある。人工物への営巣は54巣で、その内、鉄塔は43巣(ボソ26、ブト11、不明6)もあり、東京都や札幌市では鉄塔使用は極めて少ない。
(新潟県「野鳥会報」NO.74,P5〜9)
●2012/11 南富士
・日本鳥類目録改訂第7版(渡辺修治)
 日本の新種の野鳥として認められるには、これまではハードルが高く、正式な論文に発表する必要があった。今後は種の識別可能な写真が撮られていればOKとなったのは画期的である。
(南富士「さえずり」NO.360,P6)
●2012/11 徳島
・ちょっと気になる野鳥の和名 ミヤマガラス(曽良寛武)
 ミヤマガラスは徳島県では1987年に初めて観察された。ミヤマガラスは「深山」から奥山に棲むカラスと信じていた。繁殖地は深山ではなく(越冬する日本でも)農耕地の鳥で深山に結び付かない。鳥名辞典でも語源に明快な記述は見当たらない。鳥類学者が標準和名をミヤマガラスにした事に大きな疑問を感じる。福岡、佐賀では「ワタリガラス」と呼び、これが適正な和名ではと思う。一方、北海道の「ワタリガラス」は大きさが最大であるので「オオガラス」に改名するのが良いと考える。
(徳島「野鳥徳島」NO.410,P4〜5)

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.640

●2012/冬の巻 弘前
・ツバメの塒入り観察(鳴海真澄)
●2012/3-4 諏訪
・アトリ数十万羽が舞う(宮澤富幸)
・諏訪湖ガンカモ調査
●2012/9-10 諏訪
・○○○ネッタイチョウ(林正敏)
●2012/11-12 島根県
・飯梨川2012年秋のシギ・チドリ(本吉洋子)
●2012/11-12 広島県
・秋のシギ・チドリ渡り調査結果(日比野政彦)
・標識付きソリハシシギの再飛来(渡辺健三)
・野の鳥は野に(鳥獣保護員 渡辺健三)
●2012/11-12 愛媛
・風力発電施設の建設について(保全担当)
●2012/11 宮崎県
・高鍋の海岸にアオバト(牧野田節子)
・イヌワシ生息確認できず
・ 絶滅種

●2012/冬の巻 弘前
・ツバメの塒入り観察(鳴海真澄)
 弘前市の川幅約9m、長さ約50mのヨシ原に7/21、10±が塒入り、7/27には200±になり、8月下旬、300〜400、多い時は500羽ものツバメが塒入りする。 9月初めから数が徐々に減りだし、最終確認は10/2の2羽であった。
(弘前「初風切」NO.172,P5)
●2012/3-4 諏訪
・アトリ数十万羽が舞う(宮澤富幸)
 1/20、辰野町で天竜川を挟んで両側の山まで覆い、流れるアトリの群、数十万羽。一度出現した帯は10分程続いた。1/21、前日の3割程度に減る。 1/22、数十〜百羽程度になり、その後諏訪地方で小さなアトリの群を見る。
(諏訪「いわすずめ」NO.143,P5)
・諏訪湖ガンカモ調査
 2012/1/9、諏訪湖を調査した。総計3,294羽で内訳はコハクチョウ131、カワアイサ1,612、ヒドリガモ541、オナガガモ334、カルガモ196、マガモ185、ホシハジロ147、キンクロハジロ69、ミコアイサ59等。カワアイサは1987年に63羽であったが、以前から捕獲できない非狩猟鳥であるが、03年頃から急増している。諏訪湖では95年以降、銃猟全面禁止になっても、他の種では増加傾向にない。
(諏訪「いわすずめ」NO.143,P6〜7)
●2012/9-10 諏訪
・○○○ネッタイチョウ(林正敏)
 台風通過後の6/21、茅野市でネッタイチョウが保護された。種の同定に頭を悩ませた。中央の尾羽が短いので成鳥ではない。野鳥の会のフィールドガイドに幼鳥の嘴の色は、アカオネッタイチョウでは黄色、シラオでは黒色とあった。
これより保護されたのはシラオネッタイチョウとされたが、新聞の写真を見た山階鳥研からシラオにしては体が大きいとあり、森岡照明著の「安城市のネッタイチョウ類」にはアカオの幼鳥の嘴は黒、基部は淡青灰色、シラオでは灰色、先だけ黒、成長すると黄色とあり、上記と全く異なっていた。アカオは初列大雨覆は羽先に三角形の斑があるとされ、結局、これらからこの個体はアカオネッタイチョウと断定された。介護飼育が難しく27日後に死亡した。
(諏訪「いわつばめ」NO.146,P2〜3)
●2012/11-12 島根県
・飯梨川2012年秋のシギ・チドリ(本吉洋子)
 数が多かった日を記すと、8/26:コチドリ6、ムナグロ10、ダイゼン1、キョウジョシギ1、トウネン30、オバシギ1、アオアシシギ3、キアシシギ2、イソシギ5、ソリハシシギ2、タシギ2、総計11種、63羽。9/16:メダイチドリ2、トウネン17、ハマシギ2、オバシギ10、ミユビシギ7、エリマキシギ2、アオアシ シギ1、クサシギ1、タカブシギ5、キアシシギ1、イソシギ5、ソリハシシギ2、タシギ2、セイタカシギ1、総計14種、58羽。別の日にオジロトウネン、サルハマシギ、キリアイ、キリアイ、ツルシギ、コアオアシシギ、オグロシギ、チュウシャクシギ、アカエリヒレアシシギを見る。9/9、ノゴマ1通過。
(島根県「スペキュラム」NO.150,P2)
●2012/11-12 広島県
・秋のシギ・チドリ渡り調査結果(日比野政彦)
 9/9〜17、県下10箇所を調査した。総計20種、385羽で内訳はケリ71、ソリハシシギ56、タシギ56、シロチドリ46、イソシギ40、トウネン23、コチドリ21、キアシシギ21、アオアシシギ12、クサシギ9、ダイゼン8、タマシギ7、ムナグロ6、ハマシギ5等。
(広島県「森の新聞」NO.183,P5)
・標識付きソリハシシギの再飛来(渡辺健三)
 9/4、松永湾で脚にフラッグが付くソリハシシギ1を撮影した。2010/10/28、宮城県亘理町の「鳥の海」で標識された今年3歳の個体と確認された。この個体は本年5/10、同場所で観察されており、繁殖地への行き帰りに同じ場所を経由する事が明らかになった貴重な記録である。山階鳥類研究所保全研究室のデータに取り込まれた。
(広島県「森の新聞」NO.183,P6)
・野の鳥は野に(鳥獣保護員 渡辺健三)
 初夏、山間部の渓流沿いで1台の車が駐車し、オオルリの囀りが大音響で繰り返し流されていた。近くに鳥モチが巻かれた棒がセットされており、不審者のナンバーをメモし、警察に通報した。現場位置の説明が難しく、警察が「近くに電柱があれば、必ず電柱番号が付いており、地名も記載されている」とアドバイスし、警察で現場が特定できた。鳥獣保護員の身分を明かし、初老の男1人を確保し、駆けつけた警察官に引き渡した。
(広島県「森の新聞」NO.183,P7)
●2012/11-12 愛媛
・風力発電施設の建設について(保全担当)
 現在、県内では佐田岬半島で58基の風車が稼働している。新たに建設が計画されているのは、愛南町と宇和島市の境の観音岳周辺に3事業、西予市宇和町の極山周辺に2事業がある。風力発電事業は環境影響評価法による環境アセスメント対象外であったが、本会等の働きかけにより、法令改正で今年から法による環境アセスメントが実施される。支部も観音岳の事業について意見書を出している。
(愛媛「コマドリ」NO.211,P3)
●2012/11 宮崎県
・高鍋の海岸にアオバト(牧野田節子)
 宮崎県にはアオバトを市町村の鳥にしている(していた)所が4箇所もある。全国で見ると神奈川県大磯町が2010年制定で7番目で、宮崎県では戦後までアオバトを食用にしていたと言われる。宮崎県内では冬の探鳥会で多く見られており、夏の観察もある。しかし、海水を飲む特定の場所は報告されていない。9/1、高鍋町の浜にアオバト12羽が飛来し、7羽が潮留まりに降りる。宮崎県でもアオバトが海辺に群れる事が証明された。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.234,P14〜18)
・イヌワシ生息確認できず
 九州中央山地でイヌワシが発見され、県の委託を受け支部が調査してから10年経過し、9/24、現地再調査した。以前よく見られた2地点、止まり木を中心に定点調査したが、タカsp2、同sp1を見るが、イヌワシと確認できなかった。樹木の生長に伴い、狩り場を変更、雲空のため、上昇気流がが起こりにくかった事等があったと推測した。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.234,P18)
・絶滅種
 8月下旬、ニホンカワウソ絶滅、九州のツキノワグマ絶滅とのニュースがあった。
前者は79/8、高知県須崎市での目撃が最後になった。これで大型の哺乳類が九州からいなくなった。宮崎県では御池野鳥の森のヤイロチョウは・巣に近づくカメラマン・シカの食害・新燃岳の降灰の要因で飛来しなくなっている。県はこの種と営巣するコアジサシを希少野生動植物に指定し、そのものの保護を指定するが、その生息地をいかに守るかの視点が重要である。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.234,P27)

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.641

●2012/10-11 宮古
・ミサゴとフグ(佐々木繁)
●2012/11-12 宮城県
・仙台湾沿岸域における堤防、保安林復旧事業の現状 (中嶋順一 小室智幸)
・台風17号の置き土産(竹丸勝朗)
●2012/12 神奈川
・生物多様性を考える(4)(支部長 鈴木茂也)
●2012/11 ながの
・救護ボランティア チョウゲンボウ(救護ボランティア 小柳静代 鳥獣保護員 小柳守男)
●2012/11 大阪
・南港の野鳥を守る(那須義次)
・大阪のウミウ(和田岳)
・衝突事故(日本バードレスキュー協会 村濱史郎)
・ツバメの塒調査(中野勝弥)
・ハシグロクロハラアジサシ(橋本正弘)
●2012/11 岡山県
・アオバズクの観察記録(渋鍬啓 新野国雄)
●2012/11 香川県
・紫雲出山秋のワシタカ渡り調査(調査部 矢本賢)

●2012/10-11 宮古
・ミサゴとフグ(佐々木繁)
 ウミネコはフグには近づかない。フグは体内にテトロドトキシンという毒を持ち、敵に襲われた時はパフトキシンという粘液性の毒素を皮膚から出すという。 ウミネコはこの臭いを知っている?2009年、ミサゴの巣の中の雛の横に30cm級のマフグが横たわっていた。その日は親子は満腹で、翌日、♀は何度か魚に嘴を近付けたが、その内、掴んで外へ捨てた。♂が気付かず持ち込んだフグを♀は気付き、家族を守った。
http://www.youtube.com/watch?v=oDs2D_CCruc
(宮古「ミサゴの海」NO.224,P2〜3)
●2012/11-12 宮城県
・仙台湾沿岸域における堤防、保安林復旧事業の現状 (中嶋順一 小室智幸)
 ブルーバックス「巨大津波は生態系をどう変えたか-生きものたちの東日本大震災」の著者、永幡嘉之氏は国土交通省や林野庁と交渉を続けている。支部もその活動に協力する事を決めた。国交省は高さ7.2m以上の防波堤を建設中で、林野庁は2、3m盛土し、黒松の造林を行っている。堤防工事では地盤沈下で狭くなった砂浜がより狭く、閉塞した空間になる。防波林造成では、残存している生態系が完全に壊され、必要な土砂は内陸部の山を削る事になり問題がある。
(宮城県「雁」No256,P11〜12)
・台風17号の置き土産(竹丸勝朗)
 10/1、東日本を台風17号が抜けた。蒲生海岸にハシブトアジサシ2羽が29年ぶりに迷行した。藤前干潟にも100羽、群馬県の多々良沼に50羽のハシブトアジサシが飛来した。クロハラアジサシは蒲生海岸で50羽、神奈川県相模三川公園に100羽、三重県には500羽もが飛来した。
(宮城県「雁」No256,P13)
●2012/12 神奈川
・生物多様性を考える(4)(支部長 鈴木茂也)
 生物多様性国家戦略が掲げている第4の課題に地球温暖化防止対策がある。
私たちにできる事は無駄なエネルギーを消費しない事で、生物多様性全体に対しては自然の底辺を支えている動植物の量を増やす事がある。各地で放棄された水田、里山の復元が始まっている。自分の庭でも在来植物を植える。古来からある自然を愛でる心を育て、広めるのも私たちにできる事である。外来生物も自然保護団体も積極的に駆除に関わる事も大切である。
(神奈川「はばたき」NO.487,P2)
●2012/11 ながの
・救護ボランティア チョウゲンボウ(救護ボランティア 小柳静代 鳥獣保護員 小柳守男)
 我家で保護されたチョウゲンボウは、99年から今年までに16羽になる。99年の例は初列風切の先端にガムが付き翼が開かず。03年はガラス窓に当り、介護後放鳥すると、真上でホバリングし、お礼を受けた感じで感泣する。04年は川に落ちた巣立ち雛を2日間、飼育後放鳥すると、3羽の兄弟が一斉に近づいて来た。05年、防鳥網にからまり、♀が片足を失い、家で飼っていたところ、♂が3日間ラブコールに訪れた。今年も1羽を保護して飼育中である。
(ながの「野鳥ながの」NO.511,P7)
●2012/11 大阪
・南港の野鳥を守る(那須義次)
 大阪南港野鳥園は83年に開園、現在、大阪市は廃止を含め、見直しを迫っている。造園計画の1978年当時、「大阪南港の野鳥を守る会」は支部にも積極的に参加をお願いしたが、「支部は趣味の団体で、参加はしないが、反対はしない」のスタンスであった。計画をするコンサルはノウハウが無いため、野鳥の会本部に泣き付き、当方も一定の参画ができた。保護活動は支部とは別にやってくれと言う人が多く、物足りなさから支部を去った人もいた。
単に野鳥が好きだとして集まった支部のような趣味の会組織の中では、制約の少ない人間関係、曖昧さを保つ事で、鳥を守りたいの気持ちを持った人達で(ある特定の分野の活動に特化した)「守る会」ができた。先鋭化した路線対立で、人間関係にしこりを残さないのが運動を長続きさせるコツである。
(大阪「むくどり通信」NO.222,P9〜10)
・大阪のウミウ(和田岳)
 大阪府での確実なウミウの記録はとても少ない。淡路島ではウミウはしばしば記録され、和歌山県では普通に見られる。関東では東京湾の内部でもウミウは記録され、印旛沼や利根川下流の内陸でも記録がある。レッドリストで偶産種(鳥では迷鳥)と希少種の違いが問題になる。両者は記録が少ない事は同じであるが、大阪のウミウは今のところ、迷鳥と見なさざるをえない。
(大阪「むくどり通信」NO.222,P14)
・衝突事故(日本バードレスキュー協会 村濱史郎)
 9月の日本鳥学会で奄美大島での窓ガラスへの野鳥衝突事故を解析した研究発表があった。衝突事故で死亡する鳥は全世界で年間数十億羽と推定され、生息地の破壊に次ぐ野鳥個体数減少の要因とされる。シロハラは全国的に衝突事故の上位を占めており、この原因究明が野鳥の衝突事故防止に有効かもしれない。
(大阪「むくどり通信」NO.222,P17)
・ツバメの塒調査(中野勝弥)
 8/4を中心に大阪府内の主なツバメの塒、6箇所を調査し、計51,520羽をカウントした。高槻市の淀川右岸で32,000羽、大阪市東淀川区の淀川右岸で500羽、豊中市で6,700羽、市は溜池の機能と野鳥の共存は可能として春、夏のヨシ刈はされず、ツバメ塒入り観察会に地元民78名の参加があった。 東大阪市で620羽、松原市で10,000羽、岸和田市で1,700羽を記録した。
(大阪「むくどり通信」NO.222,P20)
・ハシグロクロハラアジサシ(橋本正弘)
 10/5、淀川毛馬で水路を低く飛ぶハシグロクロハラアジサシが撮影された。 大阪府初記録である。翼下面が濃く見える事から、亜種アメリカハシグロクロハラアジサシとされ、東京湾での記録と合わせ、今回の鳥類目録で新しい亜種である。
(大阪「むくどり通信」NO.222,P25)
●2012/11 岡山県
・アオバズクの観察記録(渋鍬啓 新野国雄)
 岡山市の小学校のセンダンの木の洞にアオバズクが営巣し、観察をした。7/7、♂の飛来を確認、7/28、1羽目の雛が巣から出てくる、8/4、親2羽、巣立ち雛2羽が並んで止まる。餌の残留物にアブラコウモリが混じっていた。8/5、50程移動した。8/6、幼鳥は高い木の先端に上がり、翼を広げ10m程飛んだ。8/8には姿が見えなくなる。今までの観察から、♂が先に渡来し毎年同じ木で♀を待つ。♂は全体的に黒褐色が濃く、♀はやや薄い感じである。♀は抱卵で羽毛が傷んでいる。
(岡山県「野鳥おかやま」NO.193,P4〜5)
●2012/11 香川県
・紫雲出山秋のワシタカ渡り調査(調査部 矢本賢)
 9/15〜10/8、三豊市詫間町紫雲出山展望台で観察した。総計354羽、内訳はサシバ182、ハチクマ158、ノスリ8、オオタカ3、ハイタカ、ツミ、ハヤブサ各1。岡山方面から半島に出ている当地を通り、瀬戸内海沿いに南下していく。毎年300羽以上のタカの渡りがあり、今年は10/3にピークがあった。
(香川県「かいつぶり」NO.346,P2〜3)

(自然保護室支援・野鳥の会 神奈川/森 要)

事務局からのお知らせなど

自然保護室より

■青森県・十三湖の風力発電計画に対しての環境大臣が事業計画見直しの意見■

 環境省が、「(仮称)津軽十三湖風力発電事業」(青森県五所川原市、つがる市及び中泊町)に係る環境影響評価準備書について、12月26日付けで経済産業大臣に対し、対象事業実施区域及びその周辺は鳥類の生息環境としての重要な地域であること、本地域における風力発電事業によるマガン等に対する環境影響が著しいものとなる蓋然性が高いことから、マガン等の渡り鳥などの採餌場・移動経路等に位置する対象事業実施区域の位置の変更を基本として、事業計画の見直しを求める環境大臣意見を提出しました。
  詳しくは、
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=16153
 環境大臣意見の作成にあたっては、当会評議員の上田恵介教授(立教大学)への意見聴取結果を基本とし、日本野鳥の会弘前支部からの要害事業に対する意見書や当会から環境大臣宛に提出した過去の要望書等が参考にされているとの事です。
 環境省が風力発電事業に対してこのような厳しい意見を出したのは、これまでで初めてのことです。この7〜8年間、当会や支部の皆様が環境省宛に数々の意見書や要望書を提出、または直接陳情をいくら行っても、それらを聞き入れて事業者らに対して行政指導をしてもらえることもほとんどありませんでした。そのことからすると、環境省からこういった意見が出るのは、歴史的快挙とも言えます。これは、皆様の努力により風力発電事業が法アセスの対象になったことが大きいとともに、意見書提出などの地道な活動の成果が実ったものです。
 しかし、この環境大臣意見がどのように経済産業省大臣意見に反映されるかは分かりませんので、今後の動向について当会としても注意深く見守っていきたいと思います。

(自然保護室)

普及室より

■ワイルドバード・カレンダー2014 写真募集■

 「ワイルドバード・カレンダー2014」の写真(ポジフィルム/デジタル)を募集致します。応募期間は2013年1月10日〜3月31日です。
 デジタルデータにつきましては、ホームページ上からご応募を受け付けます。詳細は応募要項でご確認下さい。応募要項は、当会ホームページで公開中のほか、ご希望の方へは 郵送も致します。皆様の力作をお待ちしております。

●応募要項のページ
http://www.wbsj.org/goods/calendar/index.html
会HPトップ > ショッピング > 商品のご案内 > オリジナルカレンダー

●カレンダーについてのお問い合わせ、要項のご請求は、 普及室 販売出版グループまでお願いします。
TEL:03-5436-2626  FAX:03-5436-2636
E-mail:[email protected]

(普及室/江面 康子)

総務室より

■公益財団法人日本野鳥の会 平成24年度第3回理事会(定例)議事録■

  1. 開催日時:平成24年12月27日(木) 午後3時00分〜午後4時40分
  2. 開催場所 : 当財団会議室 東京都品川区西五反田3-9-23丸和ビル3階
  3. 出席者: 
    理事現在数 7名
    出席理事   7名(代表理事を含む。)
    理事    佐藤 仁志
          吉田 新
          安西 英明
          飯塚 利一
          遠藤 孝一
          佐久間 仁
          松田 道生
    監事現在数 	2名
    出席監事  	2名
    監事    曽我 千文
          見田 元
    オブザーバー	1名        
    評議員   柳生 博
    事 務 局  安藤康弘(事務局長代理兼会員室長)
          葉山政治(自然保護室長)
          富岡辰也(普及室長)
          田尻浩伸(保全プロジェクト推進室長代理)
          岩下路子(総務室長)
          五十嵐真(総務室経理人事グループチーフ)
          奥田秋穂(総務室総務グループチーフ)
    
  4. 議長  代表理事 佐藤 仁志
  5. 議決事項
    第1号議案 常務理事選定の件
    第 2号議案 事務局長任免の件
  6. 議事の経過の要領及びその結果
     理事会開催に先立ち、先ごろ急逝された前小林豊事務局長の冥福を祈り出席者全員による黙祷を捧げた後、佐藤仁志理事長から挨拶があった。佐久間仁理事兼事務局長が開会を宣言し、本理事会は定款第42条の規定に定める定足数を満たしており、適法に成立している旨の報告があった。
     なお、議事録署名人については、定款第44条に基づき、出席した代表理事及び監事となっており、佐藤理事長、吉田新副理事長、曽我千文監事及び見田元監事が署名人となることを確認した後に、次の議案の審議に入った。
    (1)第1号議案 常務理事選定の件
     佐藤理事長より、佐久間理事兼事務局長を総務担当常務理事に選定する旨資料に基づき説明があった。
     佐久間理事兼事務局長より、現在事務局長として総務を含めた事務局業務全般を担当しており、さらに常務理事として総務を担当することに戸惑いを感じるとの発言に、佐藤理事長より、事務局長は職員の中から選ばれるのが本来だが、今回は緊急事態としてお願いした、理事としての対外活動には常務理事という肩書が効果的であると考えているとの説明があった。
    審議を経て、議長がこの賛否を諮ったところ、全員が異議なくこれを承認した。
    (2)第2号議案 事務局長任免の件
     佐藤理事長より、理事会規程11条に基づき佐久間理事を理事会承認を経ずに12月1日付けで事務局長に任命した。本件は、同条に基づき理事会で承認を求める旨資料に基づき説明があった。併せ、事務局長管理職手当相当額を役員報酬として支給することが提案された。
     審議の結果、議長がこの賛否を諮ったところ、全員が異議なくこれを承認した。
  7. 報告事項
    (1)24年度決算見込みの件
     総務室経理人事グループ五十嵐誠チーフより、資料に基づき平成24年度決算見込みについて、一般卸を中心とした物品販売の好調による収入増、経費削減の積上げ及び給与手当の大幅な減少による支出減により、補正予算に比べ収支で7百万円の改善、最終27百万円の赤字になる見込みとの報告があった。
     また、決算見込みは本決算に比べ厳しい数字となる傾向がみられるため、本決算ではもう少し収支が改善するとの見通しが述べられた。
    松田道生理事より、大口寄付の見通しについて質問があり、岩下路子総務室長より、不動産がらみの話はあるが受入可能かを検討中である旨、また佐藤理事長より、現在までに2千万円の大口寄付をいただいているとの回答があった。
     見田監事より、赤字予算の帳尻を結果的に大口寄付で埋めた過去の事例などがあるが、いつまでも赤字予算は組めないとの発言に、吉田副理事長より、バードメイト寄付が好調なこともあり寄付収入を伸ばす方針でいる。今後はリテールに注力し、大口を呼び込んでいくとの説明があった。これに対し、見田監事より、大口の寄付は、地道な活動でどうこうできる性格のものではないのではとの発言があった。
     佐久間理事より、預金中心の安定運用から一歩踏み込んだ運用、また、特定預金の資金使途を柔軟にすることを検討したいとの発言があり、見田監事より、当会の性格上保守的な運用をせざるを得ないが、その中でも選択肢があるのではないかとの発言があった。
    (2)平成24年度事業進捗の件
     各室長より担当事業の進捗状況について、概ね計画どおり進捗している旨資料に基づき報告があった。
    (3)理事の職務執行状況の件
     定款第28条第4項に基づき、佐藤理事長より職務執行状況として原子力発電に関する当会の見解のオーソライズと広報、顧問委嘱、平成24年度補正予算の確定、平成25年度事業計画及び予算編成方針の策定、規程類の策定、ツバメキャンペーンのとりまとめと公表及び積極的な国民への情報発信等を行ったとの報告があった。続いて吉田副理事長より、引続き財政健全化に取組でいる旨、欠員補充を行ったこと及び佐久間理事の加入で経制が落ち着いたとの報告があった。
    (4)その他
     佐久間理事兼事務局長より、葛西臨海公園(東京都江戸川区)におけるオリンピックカヌー競技施設等整備計画に対し、その会場変更等を求める取組について資料に基づき報告があった。

■支部名称等変更のお知らせ■

【代表者等の交代】
● 日本野鳥の会東京
新代表者:川沢 祥三  旧代表者:中村 一也 

※住所・電話番号・メールアドレスに関しては本紙には掲載いたしませんので、ご連絡の際は下記担当へご相談ください。
総務室総務グループ TEL 03-5436-2620 / FAX 03-5436-2635

(総務室/奥田秋穂、鈴木美智子、松井江里奈)


会員室より

■会員数■

 1月1日会員数38,066人(対前月-142)会員数は先月に比べ142人減少しました。
 12月の入会・退会者数の表をみますと、入会者数は退会者数より136人少なくなっています。会員の増減は会者数と退会者数のほかに、会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活した人数によって決まります。12月の入会者数は121人で、前年同月の入会者117人に比べ4人増加しました。また、12月の退会者は257人で、前年同月の退会者266人に比べ9人減少しました。

 表1.12月の入会・退会者数

※会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活する方がいらっしゃるため、退会者数の年度累計は、実際の退会者数とずれた数字となります。このため、退会者数合計については年度末の集計後にお知らせいたします。

●都道府県および支部別会員数
 野鳥誌贈呈者数を除いた数を掲載します。

 表2.都道府県別の会員数(1月1日時点)

備考:その他は海外在住の会員を示します。

 表3.支部別の会員数(1月1日現在)

備考:支部別の会員数の合計は、都道府県別の会員数の合計と異なります。これは、本部型(青い鳥)会員や支部に所属されていない個人特別会員が支部別の会員数に含まれないためです。

(会員室/沖山展子)

■支部ネット担当より

 新年を迎え、関東では7年ぶりの大雪がありました。
東京ではめったに雪が積もらないため、路面凍結や交通機関の大幅な乱れなど、雪の中での慣れない生活が2日程続きました。雪国での生活に慣れていらっしゃる方々の知恵を聞き非常に勉強になりました。 いつも支部ネット通信をご愛読いただき有難うございます。今年度も皆様のお役に立てる情報発信を行っていきたいと思います。
  今年もどうぞよろしくお願いいたします。

(総務室)

支部ネット通信 第106号
◆発行
日本野鳥の会 2013年1月25日
◆担当
総務室 総務グループ 奥田秋穂/松井江里奈
〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23
丸和ビル
TEL:03-5436-2620
FAX:03-5436-2635
E-mail:[email protected]