No.111 2013年6月号


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目次 ◆支部の動き
 支部報保護・調査記事関連トピックス
◆ブロックからのお知らせなど
 2013年度中国四国ブロック会議記録
◆シリーズ「探鳥会におけるリスクマネージメント」
 第3回:ウルシの仲間
◆事務局からのお知らせなど
 オオタカの種の保存法からの指定解除の検討について、パブコメに意見をお寄せください
 兵庫県但馬地方から放鳥されたコウノトリの追跡と情報提供のお願い
 Strix-野鳥保護資料集-第29巻発行の知らせ
 Strix-野鳥保護資料集-第30巻の原稿募集のお知らせ
 ツバメの部分白化と・現状把握のための全国調査(2013)への協力のお願い
 7月は「サマーフェア」開催!連携団体向け卸販売をご利用ください
 野鳥観察ハンディ図鑑「新・山野の鳥 改訂版」「新・水辺の鳥 改訂版」の発行
 目録改訂の対応(チェックリストとオリジナル図鑑の改訂)について
 会員数
 支部名称等変更のお知らせ

支部の動き

■支部報保護・調査記事関連トピックス■

 本記事は日本野鳥の会へ送付されてきている各地の支部報/会報から抽出して作成し、調査・保護に関心がある野鳥の会の会員へ配信しております。
 本記事の一部又は全部を不特定多数が見る可能性があるところへ公開される場合は、各支部/各会の了承を事前に得て下さい。記事は筆者の意向に反しないように、取り扱いをお願いします。

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.658

●2013/4 オホーツク
・ゴジュウカラの巣箱
●2013/3 滝川
・ワシ類一斉調査に参加して
●2013/4 宮古
・岩手県オオワシ・オジロワシ一斉調査
●2013/3 富士山麓
・河口湖、山中湖に飛来したカモ類
●2013/3 沼津
・ガンカモ類カウント調査
●2013/4 富山
・「バードディ」と巣箱事始
●2013/4 ひょうご
・兵庫県鳥類目録
●2013/4 徳島県
・2013年春のタカ渡り速報
●2013/4 高知
・平成25年1月ガンカモ調査
●2013/4 福岡
・2013年ツバメの初認記録
●2013/4 長崎県
・2012年諫早小江干拓地標識調査
・カンムリウミスズメ 

●2013/4 オホーツク
・ゴジュウカラの巣箱
 ゴジュウカラが4月半ば、巣箱の出入口を改修し巣材を運び込む。4〜8羽の雛が約60日かけて巣立っていく。年2回繁殖するが同じ巣箱を続けて使わない。巣立雛は逆さ止まりはできない。巣箱は21cm角、高さ33cm、穴は3cm径、穴は泥で23oX25oへ、上蓋の隙間も泥で塞がれている。巣材厚さ86o、重さ200g、カラマツ、キタゴヨウの針葉樹の樹皮が半分を占め、広葉樹のシラカバ、イヌエンジュ、ナナカマドの樹皮が45%、蘚苔類5%であった。産座は蘚苔類で直径6p、深さ4cm。これら数値は「日本の野鳥・巣と卵図鑑」(1995)と差がある。
(オホーツク「ばあどこおる」NO.311,P2)
●2013/3 滝川
・ワシ類一斉調査に参加して
 2/17、一斉調査が行われた。支部は7年前から参加し、石狩川と空知川周辺を調査している。今回、2時間の調査で4羽のオジロワシ成を確認した。全体はオオワシ:道東630羽、道北198、道央96、本州11、総計935。オジロワシ:道東524、道北266、道央168、本州16、総計974。
(滝川「あかもず」NO.44,P12)
●2013/4 宮古
・岩手県オオワシ・オジロワシ一斉調査
 2/17、岩手県内の19箇所で調査した。結果は沿岸部でオオワシ7、オジロワシ3。内陸部で同0、同4。合計14羽は03年の吹雪の時の16羽より少ない。嘗ては30羽の記録があった。今年はサケの河川捕獲数が激減したため、ワシ類が飛来していない地区がある。五葉山系ではシカの死骸を当てにオオワシが集まり、鉛中毒が心配である。北海道ではオジロワシの巣が150程確認されている。
(宮古「ミサゴの海」NO.227,P2〜3)
●2013/3 富士山麓
・河口湖、山中湖に飛来したカモ類
 1/16、河口湖と山中湖のカモ類を調査した。総数は河口湖で595羽、内訳はマガモ283、キンクロハジロ98、カワアイサ75、ヒドリガモ43、ホシハジロ33、カルガモ28等。山中湖は総数484羽、内訳はホシハジロ211、カワアイサ115、マガモ87、ヒドリガモ34等。両湖でカモ類の構成に差があるが、両湖ともカモ類の個体数減少傾向で、十数年前の半分近くになっている。
(富士山麓「野鳥の声」NO.136,P7〜8)
●2013/3 沼津
・ガンカモ類カウント調査
 1/6〜20、静岡県の委託で沼津市内8箇所を調査した。総計972羽(前年1,113)で、内訳はヒドリガモ302、カルガモ260、コガモ191、キンクロハジロ104、マガモ41、ホシハジロ26、オナガガモ25等。
(沼津「野鳥だより沼津」NO.240,P3)
●2013/4 富山
・「バードディ」と巣箱事始
 1915年に発足した日本鳥学会の学会誌「鳥」創刊号に、「鳥ノ記念日ニ就テ」という短報が載った。米国の「バードディ」を紹介し、日本でも民間レベルの保護活動を説いている。この実現に動いたのが農商務省の内田清之助で、日本野鳥の会の陰の生みの親である。1916年、内田は雫石演習林で害虫駆除を目指し、我国初の巣箱を多く架けた。巣箱架けは成功したが、内田らが奔走した「バードディ」が実現したのは1947年である。
(富山「愛鳥ニュース」NO.89,P2〜3)
●2013/4 ひょうご
・兵庫県鳥類目録
 兵庫県では兵庫野鳥の会により1970年と1990年、鳥類目録が刊行されているが、当会はその後のデータを関係機関の承認を得て、鳥類目録「ひょうごの鳥2010」で刊行した。配布は支部会員のみ。
(ひょうご「コウノトリ」Vol.193,P7)
●2013/4 徳島県
・2013年春のタカ渡り速報
 鳴門山展望台での2/28〜3/24の観察結果。サシバ2(3/21、3/23各1)、ノスリ1,065、オオタカ8、西行ハイタカ112 ピークは3/19の31であった(東行は2)。サシバは3/20、阿南市で初認、4/2には同市で12羽でサシバの渡り本格化が期待される。
(徳島県「野鳥徳島」NO.415,P2〜3)
●2013/4 高知
・平成25年1月ガンカモ調査
 1月、高知県下25箇所で調査した。総計18,229羽(前年12,990)で、内訳はマガモ6,404、ヒドリガモ4,596、コガモ2,109、カルガモ1,986、オナガガモ1,007、オシドリ966、ホシハジロ346、ヨシガモ338、オカヨシガモ223等。オシドリ以外の他の種は全て数が前年より増えた。マガモ、コガモは倍増した。
(高知「しろぺん」NO.316,P1〜2)
●2013/4 福岡
・2013年ツバメの初認記録
 3/6:福岡市南区で7羽、以後福岡県で連日ツバメ確認記録あり。
(福岡「野鳥だよりふくおか」NO.402,P9)
●2013/4 筑後
・2013年ガン・カモ調査
 1/12〜14、21箇所で調査した。総数8,488羽で、内訳はヒドリガモ3,054、マガモ2,163、カルガモ1,186、オナガガモ1,149、コガモ432、ツクシガモ167、ハシビロガモ163、オシドリ99等。
(筑後「まめわり」NO.143,P10)
●2013/4 長崎県
・2012年諫早小江干拓地標識調査
 11月、12月の6日間、諫早湾北側の葦原で調査した。12種、421羽を放鳥し、内、多い順にオオジュリン306、ツリスガラ65、アオジ31。他はモズ、ウグイス、ミソサザイ、ジョウビタキ、アトリ、カワラヒワ、マヒワ、ベニマシコ、ホオジロで1〜5羽程度。幼鳥の比率が高く、オオジュリンでは88%、ツリスガラ89%、アオジは全て幼鳥であった。雌雄比はオオジュリン♂61%、ツリスガラ♂58%、アオジ♂52で、他地で放鳥、当地で回収はオオジュリン5羽、ツリスガラ1羽であった。
(長崎県「つばさ」NO.304,P2〜3)
・カンムリウミスズメ
 カンムリウミスズメは日本近海でのみ生息する海鳥で、宮崎県の枇榔島、伊豆諸島が大きな繁殖地とされる。長崎県の状況を考えると、第3の大きな営巣地が考えられる。11〜6月に観察され、男女群島、福岡県沖の島、甑島等に営巣地があると考えられ、米国の調査では索餌に100kmも島から離れるとあり、五島航路で見られる幼鳥はその付近からの巣立ちと推測できる。夜間に巣に戻る前に海上に集まる習性を使い、米国の研究者は船を出して、海上にライトを当てて調査するスポットライトサーベイが有効としている。
(長崎県「つばさ」NO.304,P4〜6)

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.659

●2013/4 札幌
・オオワシ、オジロワシ一斉調査 
●2013/4-5 栃木
・ツバメとその未来
●2013/3 新潟県
・長岡駅のカラスの集団塒調査 (長岡野鳥の会)
・飯豊山地山麓に生息するイヌワシの生態
●2013/4 南富士
・ウルトラトレイル・マウントフジ2013 (保護部)
●2013/4 伊那
・ノスリ
・今年も渡来したコハクチョウ
・ブッポウソウの巣箱作り
●2013/4 香川県
・音声によるリュウキュウサンショウクイの聞き分け
●2013/4 筑豊
・ハヤブサはインコの仲間?
・福岡県環境部自然環境課との意見交換会
・マダニの 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウィルスについて
・真冬のノビタキと虫喰いレンジャク

●2013/4 札幌
・オオワシ、オジロワシ一斉調査
 2/17、札幌市近郊の河川、沼を調査した。結果はオオワシ3、オジロワシ9、不明1であった。
(札幌「カッコウ」NO.352,P12)
●2013/4-5 栃木
・ツバメとその未来
 ツバメは世界中に分布するようになったのは、営巣場所を人の住居に変えたためとの研究が出た*。DNAの調査で、アフリカの近縁種から進化し、ヨーロッパ、アジア、アメリカの3系統に分かれ、東へ行くほど新しい系統である。約十万年前に分離し前2者はほぼ同時に数を一気に増加させ、人がアフリカから世界へ広がるのを追い広がった可能性を示す。しかし、現在、欧州では減少が確認され、その要因は農作業の変化でツバメの餌が減ったためとされる。日本でもツバメ繁殖メッシュ(10km四方)で、1975年頃は509箇所が2000年には359箇所と減っており、圃場整備等でツバメの餌の減少が考えられる。
*Dor R et al.2010 Mol Phylogen,Evol 56:409-18 Zink RM et al.2006 Proc.Royal Soc B 273:1245-51
(栃木「おおるり」Vol.226,P11)
●2013/3 新潟県
・長岡駅のカラスの集団塒調査 (長岡野鳥の会)
 カラスの塒の大規模な調査は、長野県(山岸 1962)、三重県(倉田他1972)、神奈川県(ねぐら研究会 1986)、東京都心(唐沢 1988)等がある。長岡野鳥の会は2006/10〜2007/8、隔月1回、計6回、長岡駅のカラスの塒を調査した。市街地のビルに囲まれた駅ビル構内が塒である例はあまりない。ハシブト、ハシボソ、ミヤマの3種が就塒し、その数は12月に最大で9,542羽、4月には513羽に減少し、8月に3,370羽と再び増加する。長岡市内の営巣数から市内生息のカラスは2,700〜3,000羽で、冬季は市外から相当な数が塒に集まって来ていると想定される。
(新潟県「野鳥会報」NO.75,P2〜5)
・飯豊山地山麓に生息するイヌワシの生態
 イヌワシはS40年に国の天然記念物に指定され、全国の推定個体数は約650羽(環境省 2012)である。当該地域では11月頃からディスプレイ飛行が見られ、営巣場所は断崖岩場で岩がオーバーハングして、巣穴になっている。冬はノウサギ、ヤマドリの捕食が多く、夏はヘビ類の比率が高くなる。平均体重4kgのイヌワシが1日に必要な餌は107.5g(乾燥重量)で、年間39kgになる(由井 1988)。ノウサギは平均1.5kg(含水率75%)、毛、骨等を除いた可食部は250g(乾燥重量)となり、年間156頭で39kgとなる。
(新潟県「野鳥会報」NO.75,P6〜8)
●2013/4 南富士
・ウルトラトレイル・マウントフジ2013 (保護部)
 今年の競技コース詳細が発表された。開催日4/26と昨年より1箇月早まり、夏鳥の繁殖への影響は多少減ったが、猛禽類は逆に抱卵期に当り、影響が大きくなった。コースが毛無山の稜線から朝霧の東海自然歩道に変更となり、富士山を半周するコースはこどもの国から左回りで河口湖までとなるため、南富士を一周して通過する人数が大幅に減る。保護部ではオオタカの営巣に影響あるか調査をしている。
(南富士「さえずり」NO.365,P4)
●2013/4 伊那
・ノスリ
 ノスリは奈良時代から言われるノセからと言われる(菅原・柿澤2005)。「野を擦るように低く飛ぶ」の意味で、関東地方ではタカ類が羽ばたかず飛ぶ様子や急降下を「ノス」と呼び、「ノス鳥」からノスリとされる(榮川1991)。飯田地方での観察では、ノスリは小形の哺乳類以外に小鳥類も巣に運んだ。長野県南部の大鹿村ではノスリをヘビタカと呼び、名の通り蛇も餌にしているが、巣を襲ったアオダイショウを親は防げなかった。
(伊那「かわせみ」NO.37,P6)
・今年も渡来したコハクチョウ
 伊那谷の駒ヶ根市には大雪が降った2005年以来、毎年、コハクチョウが飛来している。今年は2家族、11羽である。コハクチョウの糞は犬の糞に似ていて、直径23〜27o、長さ50〜70o程度で、田圃の肥料になる。
(伊那「かわせみ」NO.37,P7)
・ブッポウソウの巣箱作り
 上伊那ではブッポウソウは飯島町と中川村に営巣している。「ブッポウソウを見守る会」を立ち上げ、3/13、子供たちと10個の巣箱を作り、飯島町の山林に設置する。
(伊那「かわせみ」NO.37,P8)
●」2013/4 香川県 ・音声によるリュウキュウサンショウクイの聞き分け
 サンショウクイは「ヒリリ」と澄んだ声で、リュウキュウは「ジリリ」と少し濁っている。蒲谷鶴彦氏の日本野鳥大鑑でもそうなっている。サンショウクイの声は純音に近く澄んだ音で周波数は高いところで4.5khz程度で、他方は様々な周波数を持った音が重なる複合音の様子で、これが濁った音として聞こえ、周波数も5.3khzと高い。
(香川県「かいつぶり」NO.351,P4)
●2013/4 筑豊
・ハヤブサはインコの仲間?
 野鳥類のDNA分析はこの10年程で進み、野鳥たちの意外な間柄が分かってきた。ハヤブサはインコ、スズメの仲間に近く、トキはコウノトリ目からペリカン目に変わり、フラミンゴはコウノトリ目とされていたが、カイツブリに近く、ミフウズラはカモメに近い遺伝情報を持つという。どの仲間に移動しようと、絶滅危惧種に変わりはなく、保護の重要性は変わらない。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.422,P7)
・福岡県環境部自然環境課との意見交換会
 2/22、福岡県庁で福岡県内4支部と福岡県との意見交流会があった。人から餌を貰わない野生のノネコであれば、鳥獣保護法で有害捕獲ができる。ハリスホークの調教は違法ではないが、生態系上好ましくなく狩猟行為と誤認される恐れがあるので、調教は鳥獣保護区外でやって頂きたい。可猟区で狩猟期間中、猛禽を使って狩猟鳥獣を捕獲する事は違法ではない。密猟は警察の110番対応、違法飼養は県警と自然環境課が協力して立入をしている。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.422,P23〜26)
・マダニの 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウィルスについて
 マダニから重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウィルスが人に感染し、死者が出ている。頭に小豆大に膨らんだマダニがついているミヤマホジロを見たが、渡り鳥を介して外国から日本にウィルスが入ったと思うのは間違いで、以前から日本に生息しているものである。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.422,P33〜34)
・真冬のノビタキと虫喰いレンジャク
 2/9、福津市でノビタキ♂の夏羽に近い個体を見た。稀に越冬例がある由。3/9、福津市で松林にレンジャク約10羽、松の枝をつつき、中の小さな虫を食べている。レンジャクは集団で木の実を食べ尽くすイメージがあるが。
http://yacho.org/cbird/pages/3_gallery/shibuta_akira/shibuta_akira.htm#mafuyu_nobitaki
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.422,P43)

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.660

●2013/4 十勝 ・北海道東部太平洋沿岸のアビ類
・シマフクロウ生息地保護問題
●2013/4 道南桧山
・民俗学者宮本常一氏の著書から
・オオワシ2羽から鉛検出 (1/11 北海道新聞)
●2013/3 弘前
・ガン・カモ1・ハクチョウ類カウント調査
・青森市でのワシタカの渡り
●2013/4 埼玉
・チフチャフ、亜種オオハヤブサ (野鳥記録委員会)
●2013/4 千葉県
・鳥類をめぐる自然環境を記録しよう (幹事会)
・谷津鳥獣保護区干潟体験ゾーン復活へ
・珍客コスズガモ (2/21 東京新聞)
●2013/4-5 京都
・2012年度ガンカモ調査
・ノドアカツグミ

●2013/4 十勝
・北海道東部太平洋沿岸のアビ類
 アビ類は寒帯から北極圏の湖沼、内湾で繁殖し、瀬戸内海では漁師とアビ類が一緒に漁をするアビ漁が行われていた。97年、日本海でのナホトカ号の油流出事故で100羽以上のアビ類が犠牲になった。道東太平洋でのアビ類観察記録を見ると、アビとシロエリオオハムで8割を占める。十勝地方は砂浜が多いためか 沿岸性が強いアビが殆どである。アビ、ハシジロアビは秋冬に多く、オオハム、シロエリオオハムは春、秋に多く、冬は本州へ南下すると思われる。オオハム類は夏も多く見られ、繁殖に参加しない若鳥が残っている。詳しい報告は千嶋淳(2013) 北海道東部の太平洋沿岸におけるアビ類の観察記録 帯広百年記念館紀要(31):33-42
http://www.octv.ne.jp/~hyakunen/kiyou.htm
(十勝「十勝野鳥だより」NO.180,P17〜18)
・シマフクロウ生息地保護問題
 広尾町のシマフクロウ生息地(360ha)が伐採後、中国のソーラー発電資本に売却されるとの情報があり、地元森林組合は山林購入を決定し、シマフクロウ生息地を守るため、当支部に協力要請があった。外国資本は土地購入を断念した模様で、支部はシマフクロウの夜間調査と動植物調査をすることで、今後の森林施業に役立てる。2/17、根室市在のシマフクロウ研究者山本純郎氏を招き、その森林施業について講演頂いた。
(十勝「十勝野鳥だより」NO.180,P19)
●2013/4 道南桧山
・民俗学者宮本常一氏の著書から
 著書「忘れられた日本人」から。人間相互信頼できる世の中を作るには、過去歩いて来た道を振り返って見れば自ずと分かる。過去に帰れではなく、過去を見ることで、何を大切にしなければならぬか分かる。現代社会に欠落しがちな視点である。「下北半嶋史」には義経伝説がアイヌ民族のユーカリにあるのを、明治になって入植した日本人が知ったとある。室町時代に「義経紀」が伝わり、取り込まれていた。 (道南桧山「はちゃむ」NO.102,P6〜7)
・オオワシ2羽から鉛検出 (1/11 北海道新聞)
1/10、環境省は釧路市と十勝管内豊頃町でオオワシ2羽から鉛を検出したと発表した。釧路市の例では1/6、保護された幼鳥の血液から0.6ppm以上の高濃度の鉛が検出され、1/9に死亡した。使用が禁止されて鉛弾で撃たれたエゾシカの死骸を食べた可能性が高い。豊頃町では成鳥の死体の糞から鉛を検出。道東では04/10から鉛弾の使用が全面禁止されているが、その後も毎年数件のワシの鉛中毒が確認されている。
(道南桧山「はちゃむ」NO.102,P9)
●2013/3 弘前
・ガン・カモ1・ハクチョウ類カウント調査
 1/13、津軽地方で調査した。総数3,774羽(昨年の1/3、一昨年の1/5)で、(オオハクチョウ以外は多くのカモは冬の気象に大きく影響されているように見える)。内訳はオオハクチョウ675(内幼81)、カルガモ1,589、オナガガモ441、マガモ364、スズガモ173、コガモ131等。その中で、数は少ないもののシノリ ガモ、ホオジロガモ、ウミアイサ、カワアイサ、ミコアイサ等はこの3年間ほぼ数が安定している。
(弘前「初列風切」野鳥たずねて四十八年、P10〜11)
・青森市でのワシタカの渡り
 10/15〜11/5の内8日間、青森市浪岡アップルスキー場展望台でワシタカの渡りを観察した。ノスリ525、オオタカ49、ハイタカ92であった。ノスリは龍飛崎の1/10程度が通過した。ミヤマガラス計1500+が集団で南下した。
(弘前「初列風切」野鳥たずねて四十八年、P21)
●2013/4 埼玉
・チフチャフ、亜種オオハヤブサ (野鳥記録委員会)
 12/24、25、2/21、22、吉川市内でチフチャフが撮影され、埼玉県の初記録となり、県内327種目となる。欧州からシベリアで繁殖し、アフリカで越冬し、日本には迷鳥として、96/11、富山県で、97/11、大阪府と石川県で、07/1、東京都で記録がある。1/15、さいたま市で亜種オオハヤブサが撮影され、県内初記録となる。ハヤブサより髪が太く、頭部が黒い頭巾を被ったような感じで、胸から腹部にしっかりした横斑がある。千島列島からアラスカ西海岸で繁殖し、迷鳥として北海道、宮城、鹿児島で記録がある。
(埼玉「しらこばと」NO.348,P4)
●2013/4 千葉県 ・鳥類をめぐる自然環境を記録しよう (幹事会)
 三番瀬海浜公園は大震災による液状化で2012/5まで閉園となり、現在、陸上部はかなり修復されたが、海の環境は悪化のままである。大震災当日、東京湾では海水が毎秒1mで動き、砂泥が激しく流され、干潟の凹凸が無くなっている。銚子港に水揚げされたスズキから放射性セシウムが検出され、福島原発からの汚染は続いている。当会は定例探鳥会等で線量計で空間線量の計測を続けており、市街地でも線量が増えている事実がある。
(千葉県「ほおじろ」NO.384,P2)
・谷津鳥獣保護区干潟体験ゾーン復活へ
 観察センター、企業、大学等により体験学習として干潟内に立入りが行われている。干潟周囲は直立護岸のため、野鳥は護岸から観察する人には慣れているが、干潟内の人には警戒心が強く、人を見ると飛び去る影響がある。8/12、その影響を調査した。休息している野鳥を飛ばす事で大量の体力消耗とストレスを与える。この状況を環境省に報告し、一部改善されたが、問題は継続している。同地の指定管理者の業務協定書には市民参加の(干潟)体験ゾーンの活用があり、木道周辺の人工干潟造成に伴い、活動の場が広がり、大震災後一時立入禁止が現在は解かれ、復活している。
(千葉県「ほおじろ」NO.384,P3〜6)
・珍客コスズガモ (2/21 東京新聞)
 東京葛飾区の水元公園に1箇月前から、キンクロハジロの群に1羽のコスズガモが混じる。北米大陸北部で繁殖し同南部で越冬するが、日本へは不忍池に10年前に雌が、2006年より数年続けて雄が越冬し話題になった。
(千葉県「ほおじろ」NO.384,P13)
●2013/4-5 京都
・2012年度ガンカモ調査
 1/12〜14、京都府からの委嘱で京都府内186箇所を調査した。総計17,747羽で前年より約1千羽増えた。内訳は、コブハクチョウ1、コハクチョウ7、マガモ4,528、コガモ3,738、カルガモ2,422、ヒドリガモ1,921、スズガモ950、キンクロハジロ887、オシドリ721、ホシハジロ560、オナガガモ471、オカヨシガモ319、ヨシガモ312、ハシビロガモ214等。
(京都「そんぐぽすと」NO.181,P9〜13)
・ノドアカツグミ
 12月〜1月、京都市左京区の府立植物園でノドアカツグミ(ノドグロツグミの亜種)が確認された。雌の第1回冬羽で京都府内初記録である。
(京都「そんぐぽすと」NO.181,P20)

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.661

●2013/5 苫小牧
・鵡川河口シギチドリ調査
●2013/5-6 宮城県
・2012年宮城県沿岸コクガン生態調査 (調査・保護グループ)
●2013/5 千葉県
・ウスアカヤマドリ
・アオサギが水上で巣作り(3/17 北日本新聞WEB版)
・橋下流「ツクシガモの事情」(3/4 産経新聞WEB版)
●2013/5 東京
・ツバメはなぜいなくなった
・東京都初記録、稀な鳥たち (研究部)
●2013/5 大阪
・都市公園で繁殖する鳥
・クロツラヘラサギ世界一斉個体数調査 (3/21 日本クロツラヘラサギネットワーク)
・福島原発周辺で動植物異常相次ぐ (4/2 東洋経済オンライン)
●2013/4 山口県
・第32回ガン・カモ・ハクチョウ類一斉調査
●2013/5 筑豊
・2013年ガン・カモ調査
・アオバズクの巣立ちはオシドリの雛のごとし 

●2013/5 苫小牧
・鵡川河口シギチドリ調査
 2003年から10年間の月別平均個体数が多いものを記す。コチドリ4月:14.1羽。シロチドリ 4月:8.5。メダイチドリ 5月:7.3、9月:6.1。キョウジョシギ 5月:28.2。トウネン 5月:464.4、7月:13.5、8月:27.9、9月:21.1。ハマシギ 5月:16.4、10月:78.3、11月:43.6。ミユビシギ 11月:5.3。ツルシギ 10月:7.0。アオアシシギ 9月:10.7。タカブシギ8月:11.1。キアシシギ 5月:5.8。ソリハシシギ 8月:5.1。オグロシギ9月:9.7。ホウロクシギ 5月:24.4。チュウシャクシギ 5月:27.4。アカアシヒレアシシギ 7月:16.3。
(苫小牧「あおさぎ」NO.188,P5〜6)
●2013/5-6 宮城県
・2012年宮城県沿岸コクガン生態調査 (調査・保護グループ)
1/20、南三陸沿岸でコクガン渡来数調査で、418羽を確認した。それを基に「上陸場所」「水飲み場」「塒」をテーマに観察し、生息環境要因の解明を図った。気仙沼湾では破壊された堤防が地盤沈下し、海藻が付着した波打ち際で採餌していた。水飲み場は面瀬川河口を利用し、湾内の養殖海域で広く塒をしていた。志津川湾でも同様であった。
(宮城県「雁」NO.259,P20〜21)
●2013/5 千葉県
・ウスアカヤマドリ
 千葉県には亜種ヤマドリと亜種ウスアカヤマドリが生息し、富津市と勝浦市を結ぶ線の南側にウスアカヤマドリ、北側にヤマドリが生息する。
(千葉県「ほおじろ」NO.385,P11)
・アオサギが水上で巣作り (3/17 北日本新聞WEB版)
 3/16、富山県射水市の海王バードパークでアオサギが池の上の枯れ草に巣を作ったのが確認された。以前、樹上の巣がネコに襲われた可能性が高く、緊急避難的に水上に巣を作ったのではとされる。当会本部自然保護室によるとアオサギが地上に巣を作る場合は、水上の島が多く、山口、愛知、北海道で例がある。
(千葉県「ほおじろ」NO.385,P12)
・橋下流「ツクシガモの事情」(3/4 産経新聞WEB版)
 ツクシガモ、筑紫鴨は名の通り、九州北部に渡ってくる冬鳥であるが、その飛来地が東へ広がってきており、大阪市の南港野鳥園にも数年前から群が飛来している。野鳥園に関わる自然保護団体は同地存続に向けた活動をしてきたが、橋下大阪市長は財政赤字解消に向けて、来年度末までに園を廃止することを決めた。東京には干潟を再生させた東京港野鳥公園があり、入場者5000人以上の利用がある。
(千葉県「ほおじろ」NO.385,P12〜13)
●2013/5 東京
・ツバメはなぜいなくなった
 1・農薬で虫たちが減った。2・巣材の泥が得にくなった。3・駅の改札口、駐車場入口が無人化された。4・ハシブトガラスがツバメの巣を襲う。5・社会の風潮が必ずしもツバメの来訪を好まなくなった。野生の生き物に関心を示さない人が増えた。泥、糞、病原菌等でツバメを排除する。
(東京「ユリカモメ」NO.691,P8)
・東京都初記録、稀な鳥たち(研究部)
 2011/11/21、狛江市の多摩川中流でコウライアイサ♂1がカワアイサ4羽の中で観察、東京都初記録となる。神奈川県の酒匂川から飛来の可能性が高い。2013/1/6、東京湾中央防波堤地区海域でオオハム第1回冬羽1を観察、東京都での確かな記録となった。2012/8/20、伊豆大島でコグンカンドリ幼1を観察、02/7の多摩湖以来の記録となる。2012/11/25、中央防波堤付近でヒメウ1を観察、以前に不確かな情報が葛西臨海公園等にあったが、今回正式な記録となる。
(東京「ユリカモメ」NO.691,P16)
●2013/5 大阪
・都市公園で繁殖する鳥
広い都市公園ほど繁殖する野鳥の種は多い(樋口他 1982)(和田1999)。連続した山林に近い位置にある公園も同様である。コゲラ、シジュウカラ、メジロ、カワラヒワが大阪で繁殖するようになったのは1980年代以降である。ヤマガラは既に大阪平野周辺に進出し、キビタキは平地の林へ徐々に進出している。都市公園で見る野鳥種は比較的短い間で変わっていき、固定されたパターンではない。
(大阪「ムクドリ通信」NO.225,P10)
・クロツラヘラサギ世界一斉個体数調査(3/21 日本クロツラヘラサギネットワーク)
 1/11〜13の一斉調査で、全世界のクロツラヘラサギの個体数は2,725羽(昨年2,693)で、内台湾でその6割が越冬している。日本での越冬は277羽で、九州、沖縄地域で多く、熊本県、福岡県はそれぞれ80羽前後が記録される。今年は大阪でも1羽が越冬した。
(大阪「ムクドリ通信」NO.225,P11)
・福島原発周辺で動植物異常相次ぐ(4/2 東洋経済オンライン)
 3/30、東大で開催されたシンポジウム(主催:飯舘村放射能エコロジー研究会)「原発災害と生物・人・地域社会」で、研究者から哺乳類、鳥類、昆虫、植物から見つかった異常が報告された。http://iitate-sora.net/symposium地上放射線量が多いとヤマトシジミの翅のサイズが小さい。腫れものができたウグイスは53万ベクレル/キログラムもの汚染があった。原発事故以降に生まれたサルの子は白血球が減り、造血機能へ影響が出ている。
(大阪「ムクドリ通信」NO.225,P11)
●2013/4 山口県
・第32回ガン・カモ・ハクチョウ類一斉調査
 1/13、山口県内47箇所で調査した。総計20,379羽で内訳は、コクガン2、マガン14、マガモ6,349、ヒドリガモ4,644、オナガガモ1,999、カルガモ1,932、オシドリ1,601、ホシハジロ1,111、ヨシガモ693、キンクロハジロ628、オカヨシガモ566.7,コガモ544ウミアイサ274、ハシビロガモ170等。
(山口県「やまぐち野鳥だより」NO.226,P11〜12)
●2013/5 筑豊
・2013年ガン・カモ調査
 1/10〜16、県内5箇所で調査した。総計10種、938羽で昨年より減った。内訳はマガモ524、ヒドリガモ129、カルガモ74、オシドリ66、ハシビロガモ48、コガモ31、ホシハジロ30、キンクロハジロ24、ヨシガモ7、オナガガモ5。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.423,P11〜12)
・アオバズクの巣立ちはオシドリの雛のごとし
 アオバズクの雛が木の下で無傷で収容され、巣立ち前に巣から誤って落ちたと思われていた。洞の巣から羽ばたいて直接飛び出した記録は少なく、フクロウの場合は雛は飛んで移動できず、跳び移るか歩いて巣立ちするとある。アオバズクの雛も洞の中は狭いため、羽ばたきの練習は十分できず、一部の雛は夜間にオシドリの雛のように地面に落ちたり、降りて安全な木に移ると想像している。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.423,P15〜16)

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.662

●2013/5 札幌
・スズメの大量死の原因はサルモネラ
●2013/5 茨城
・この無関心は何なのか
・鳥獣供養祭
・羅網鳥調査
●2013/5 埼玉
・変なキジ
・県へメジロ飼養について要望書提出
●2013/5-6 長野
・コハクチョウへの給餌問題
●2013/5 徳島県
・2013年ガンカモ調査 (研究部)
・2013年春のタカの渡り速報
●2013/4 宮崎県
・カンムリウミスズメ枇榔島で1200〜1800番繁殖
・串間市の風力発電計画に意見書提出
・野鳥に優しい公園管理を要望

●2013/5 札幌
・スズメの大量死の原因はサルモネラ
 05〜06年冬季に見られたスズメの大量死は麻布大学の宇根氏がサルモネラの関与を報告しているが、道央圏では最終結論無いままであった。今回、酪農学園大学に冷凍保存されていた47個体で遺伝子や抗体検査の結果、同菌の関与が確認され、小鳥に強い病原性を示す特殊なネズミチフス菌(ファージタイプDT40)と判明した。北米や欧州で小鳥を殺傷するとして恐れられ、(多分北から北海道へ侵入した)日本初の菌で、哺乳類等での発症例は少ない。
(札幌「カッコウ」NO.353,P11)
●2013/5 茨城
・この無関心は何なのか
 日本では熊が里山に出没すると、ハンター総出で撃ち殺すことは日常茶飯事になっている。アジアゾウが集落に闖入し、毎年何百人の人が亡くなっているが、その対策のため徹底的な原因究明と、その回避措置が講じられている。タイでは長老格の頭の良い飼いゾウを群の中に放ち、森まで誘導させている。翻って、茨城の蓮田では効果的な方策を検証せず、短気にも防鳥ネットを張りめぐらし、蓮収穫後も防鳥ネットをそのままにし、多数の野鳥が羅網しているのを知りながら、放置しておくとは。
(茨城「ひばり」NO.313,P2)
・鳥獣供養祭
 2/24、土浦市の大聖寺で鳥獣供養祭が営まれた。本会、江戸崎雁の郷友の会、大聖寺が主催し、本会本部、山階鳥研、鳥類保護連盟、茨城県獣医師会が協賛した。人と動物が共生していくには、科学で解決しても、納得いかない事は宗教との協働が必要である。
(茨城「ひばり」NO.313,P3〜4)
・羅網鳥調査
 1/31〜2/8、霞ヶ浦、北浦湖岸の蓮田の防鳥ネットに掛かっている野鳥を調査した。羅網鳥総数1,093羽で、H21年度より約100羽減った。被害鳥が減ったのは初めてである。放置期間が長いと種名の判断ができず、1/3を占める。判明できたのはカモ類は695羽、オオバン322羽、サギ類52、オオタカ2、フクロウ1、コミミズク1、ハシボソガラス2、小鳥類10、シギ類5、キジバト1、バン2等。天井網のみにし、周囲の四周網を止めた地区では羅網数は減った。2月になると羅網数が急に減るのは、カモ類の餌や採食場が変わるためと思われる。石川県では蓮田の中にカモ誘導池を設け羅網数を減らし、当地でも夜間照明された出入り自由な蓮田でその役目を果たした。
(茨城「ひばり」NO.313,P6〜7)
●2013/5 埼玉
・変なキジ
 2/3、北本市の自然観察公園で見た事がないキジが撮影された。キジの♂、♀、コウライキジ♂等の特徴が入り混じっている。人為的な交雑種、突然変異かは望遠鏡で見るのみの鳥見人には判別できない。その中で、学識者はこの個体には脚にけづめが無く、キジかコウライキジの雌が高齢化で卵を産まなくなって、雄化した可能性があるとした。カモの雌が同様に雄化する例が知られている。
(埼玉「しらこばと」NO.349,P2〜3)
・県へメジロ飼養について要望書提出
 メジロの捕獲は既に禁止されているが、それ以前からの愛玩飼養は個体が生きている限り、飼養許可は継続される。密対連から全国の支部に呼び掛けがあり、本会は3/18、県の鳥獣保護管理業務担当へ「飼養許可更新手続き」について要望書を出した。・年1回の手続きを確実に行うこと。・足環確認、無い場合は飼養許可 取り消すこと。・飼養現場を確認すること。・不法が発覚した時は指導ではなく、鳥獣保護法違反として即通報すること。
(埼玉「しらこばと」NO.349,P12)
●2013/5-6 長野
・コハクチョウへの給餌問題
 上田市の千曲川にコハクチョウが飛来するようになって5年、今年は53羽。年々メディアで報道され、見物人が増え、ついに人の給餌が原因と思われる事故が発生した。1羽の幼鳥が餌を食べ過ぎ、体重が増え、飛び立てず北帰行の家族から置き去りにされ、その数日後、死体で発見された。同様に2羽の幼鳥が飛び立てない例があり、幼鳥は安易な餌付けに、食べる量の加減ができずメタボになると思われる。
(長野野鳥ながの」NO.516,P5)
●2013/5 徳島県
・2013年ガンカモ調査(研究部)
 1月、第44回全国一斉ガンカモ調査を行った。1/20頃、羽数のピークがあったようである。総数は23,509羽で内訳はヒドリガモ7,565、マガモ4,520、ホシハジロ2,784、カルガモ2,063、コガモ1,773、オシドリ997、オカヨシガモ979、キンクロハジロ937、スズガモ852、オナガガモ622等。オナガガモは前年の3.8倍で、元々増減の多い種である。過去5年間の平均との比較では総数では91%、マガモは76%、コガモが83%で、2007年以前はマガモは全体カモの中で3割以上占めていたが、今回は2割を割り、確実に減少している。 (徳島県「野鳥徳島」NO.416,P8)
・2013年春のタカの渡り速報
 鳴門山展望台で3/21、サシバ初出、3/30に225羽で最大数、その後4/4、99。4/8、35。4/13、21。4/16、10、・・・。同展望台で4/19までの西行きハイタカは計211羽、西行きツミも3羽確認され、4/19にはチゴハヤブサ初出であった。
(徳島県「野鳥徳島」NO.416,P9〜11)
●2013/4 宮崎県
・カンムリウミスズメ枇榔島で1200〜1800番繁殖
 4/5、枇榔島でカンムリウミスズメの生息調査をしている日本海鳥グループの報告が同島がある門川町であった。同島で繁殖するカンムリウミスズメは1200〜1800番と推定され、世界に生息する約1/4に相当する。その理由は島内に天敵となる哺乳類がいないためとされる。支部は同調査を側面からバックアップしている。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.237,P13〜14)
・串間市の風力発電計画に意見書提出
 串間市の尾根に2000KW級風車27基、総計67,500KWの九州最大の風力発電所の計画があり、環境アセスメントの対象になっている。3/21、支部は本部と連名で串間ウインドヒル会社に環境影響評価方法書に対する意見書を提出した。クマタカ以外の野鳥調査は1年限りとしているが、2年間連続調査で、猛禽類の渡り解明、夏鳥の繁殖状況調査等を求める。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.237,P23)
・野鳥に優しい公園管理を要望
 3/5、支部は宮崎市に同市阿波岐原森林公園の市民の森の管理方法に対し、要望書を出した。林床部の低木層や草本層が刈り取られ、見通しのよい明るい場所に管理されているため、支部のモニタリング調査では、藪を利用するアオジ、ウグイス等が年々減り、ウグイスはついに確認できない。都市公園は自然公園でないとして、安全対策で全面手入れがされているが、野鳥も人も機嫌よく生活できるよう、外周等の茂みは残し、安全上問題がある時は支部は相談に乗るとしている。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.237,P26〜27)

(自然保護室支援・野鳥の会 神奈川/森 要)

ブロックからのお知らせなど

2013年度中四国ブロック会議記録

日時: 2013年5月18日(土)14:00〜
       19日(日)12:00
場所: 「国民宿舎あわくら荘」(講演等、懇親会、宿泊)
参加連携団体: 49名
財団からは佐藤理事長、箱田(普及室)、浦(自然保護室)が出席

【内容】

5月18日(土)
 14:00〜14:30 受付(チェックイン 15:00〜)
 14:30〜14:35 開会 主催者あいさつ
 14:35〜15:00 公益財団理事長あいさつ
 15:00〜16:00  各団体近況報告(各団体5分程度)
 16:00〜17:00 講演「錦海塩田跡地のチュウヒ繁殖について」(講師 岡山県支部 多田英行 氏)
 17:00〜17:20 質疑応答 閉会
 17:20〜18:30 代表者会議
 18:30〜20:00 夕食(懇親会)
5月19日(日)
  6:30〜     朝食
  9:00〜12:00  探鳥会 あとは流れ解散。
【内容】
  1. 主催者あいさつ
  2. 公益財団法人日本野鳥の会理事長あいさつ
     公益財団法人への移行後、理事会は7名、評議員は8名となった。それまではブロックが理事や評議員の選出母体となっており、財団の経営に携わってきたが現状ではこのブロック大会が財団と支部との接点として重要な役割を追うようになっている。財団に対するご意見を頂きたい。
     財団は来年80周年を迎える。これに向けてさまざまな企画を考えているのでこれについてもご意見いただきたい。
  3. 各支部からの近況報告
    ○徳島県支部
     徳島県の生物多様性地域戦略が今年10月に完成する。徳島県支部も23団体のひとつとして参画している。
     毎年探鳥会を県内5か所で開催しているが、一般向けに定例探鳥会の行事予定を千枚作製した。財団の入会パンフと合わせて催し物で配布している。会員増を目指したい。
    ○山口県支部
     来年、ブロック会議の担当になるため準備を始めた。開催時期は、来年11月1日(土)、2日(日)で予定している。会場は新山口駅近辺。来年6月には案内が出せると思う。
     本部と協力して下関市の洋上風力発電に対応している。3000キロワット20基で日本最大級のものが計画されている。4月中旬で方法書の縦覧が終わり、その後の準備書の策定、来年度中ごろから着工という予定で進みつつある。5月に予定地で探鳥会をおこなったが、住民から話しかけられ、「わたしたちも情報がなくて戸惑っている。」とのことだった。
    ○高知支部
     定例探鳥会の報告を地元新聞の朝刊で一年間毎月連載してもらえることになった。毎月第4土曜日の朝刊。誌面の半分をもらっている。高知県で7割のシェアをもっている新聞なので効果が期待できる。
     いきさつは、テレビ高知という番組で、「がんばれエコ応援団」という30分番組があり、支部の探鳥会を取材してもらった。番組を見た高知新聞の編集委員が興味を持ってくれたのがきっかけ。ぜひ他の支部でも、知り合いの新聞社に持ちかけてみてはどうか。
    ○広島県支部
     1000人いた会員は、半分以下になった。支部の会務を担当してくれた方が亡くなり、2年間なんとか支部の運営を維持してきた。
     近年、探鳥会の回数も減った来たので、新しいリーダーを育成しようと、今年1月の総会で、安西を講師に招いて講演と探鳥会を開催した。支部員を対象にベテランでなくても探鳥会リーダーはできるということを伝えた。
     経費節減のために、機関紙「森の新聞」をデータ配信を試行したが、2年間で20人とあまり反応がない。
     八幡川人工干潟については、完成後地盤沈下が進んでいたが、県のメンテナンスにより、干潟が戻った。支部として生息調査と観察会をおこなっている。今年度から県からカワウの生息調査の依頼があり対応している。
    ○愛媛
     愛媛は役員の平均年齢が低いが、次の役員会で大学生が加わるためさらに低くなる。愛媛では風力発電の対応に追われている。伊方町58機、宇和島と愛南町に2つの計画、西予市で2つの計画に意見を出している。新たに宇和島と愛南町の間に計画がでてきたので方法書に意見書を出した。クマタカが観察されている場所でもある。
     密猟対策では、4月2件摘発、5月には鳴き合わせ会で50羽検挙された。
    ○鳥取県支部
     希少種の保護増殖に取り組んでいる。天神川でコアジサシのデコイを設置したが親鳥がまだ来ておらず昨年に比べて遅れているようだ。その他、県からの依頼でカワウの調査を受けることになった。
     会員数は、減少傾向にあり、今年春の段階で192名、昨年は198名なので6名の減少。
     HPを立ち上げたのでその効果を見ている。5月の一斉探鳥会では、3か所で探鳥会をおこなったが何人かHPを見たという人がいて少しずつその効果を実感し始めている。
    ○香川県支部
     県からの委託でカワウの調査、鳥獣保護区の更新の際の際の鳥類リストの作成の依頼が来ており、支部の財政を支えている。
    ○島根県支部
     オオバン、ハジロカイツブリの調査結果をお知らせする。野鳥情報ネットワークに登録者に呼び掛けて実施した。  全国的な動きのあるテーマを選んで支部のネットワークを生かして広域調査をおこなうと面白いことが見えてくる。
    ○岡山県支部
     コアジサシ10羽いるかいないか。今年はまだ確認していない。その他、ブッポウソウの保護にも取り組んでいる。今日の講演でも扱うがチュウヒの保護の問題を抱えている。
  4. 講演会
    (1)多田(岡山県支部)
     錦海塩田跡地(岡山県・瀬戸内市)で繁殖したチュウヒ(絶滅危惧TB類)について、行動範囲や採餌場所とその環境、主な餌とハンティング方法、営巣環境、育雛や雛の成長の様子が報告された。
    (2)浦(財団保護室)
     国内でのチュウヒの推定繁殖つがい数が100つがいであること、国内の繁殖分布や生息環境、保護対策の状況、風力及び太陽光発電による脅威などについて報告された。
    (3)丸山(岡山県支部)
     錦海塩田跡地におけるメガソーラ発電所建設問題について、計画の概要や支部がこれまでに行ってきた取組み、今後の対策などについて報告された。
  5. 支部代表者会議
    (1)日本野鳥の会創立80周年(2014年)に向けた取り組みについて
    (2)H25年連携団体全国総会の開催について
    (3)個人会員・法人会員・支援者の獲得・維持について
    (4)新規館員獲得をめざした探鳥会の開催について
    (5)探鳥会保険の見直しについて
    (6)ツバメ調査について
    (7)東日本大震災・福島第一原子力発電所放射能漏れ事故への対応について
    (8)Strixの販売促進・原稿寄稿について

(普及室/箱田敦只)

シリーズ「探鳥会におけるリスクマネージメント」

探鳥会におけるリスクマネージメント

シリーズ第3回:ウルシの仲間

日本野鳥の会理事長 佐藤仁志

 野外における危険な植物には、食べて中毒を起こすもの、触れて皮膚炎になるもの、花粉症の原因になるものなどがある。このうち、もっとも事故例の多いのが、触れることによって起こる皮膚炎だ。
 なかでも、ウルシのなかまによるアレルギー性皮膚炎は、遅延型接触皮膚炎と呼ばれ、1〜2日後に皮膚炎が起る。また、その植物に触れた一部の人だけに発症することも特徴の一つだ。この接触性皮膚炎は、よく「かぶれる」といった言葉で表現される。この「かぶれ」の原因植物の筆頭はツタウルシであり、ヤマウルシやハゼノキによる被害も多い。新葉が出そろった春から夏にかけては、その被害が一段と多くなるので注意しよう。
 探鳥会等の指導者は、フィールドを下見するなどして、ウルシのなかまがないかチェックし、もし存在が確認されれば、出発の前に注意喚起を行うなどの対処が必要である。そのためには、ウルシのなかまの特徴や見分け方、対処方法などを熟知しておく必要がある。

■ツタウルシ

 ツタウルシは、ツル性の落葉木で、樹木や岩などに寄りかかるようにして気根を出してはい上がる。葉はだ円形の3枚の小葉からなり、ツタのように一つになることはない。ウルシ科の植物で、野生のウルシのなかまの中ではかぶれる毒性分の強さが最も強い。野外でハゼやウルシにかぶれたという人の多くは、このツタウルシにかぶれた可能性が高い。

*ツタとツタウルシの見分け方

 ツタとツタウルシは、成木の葉を見ると簡単に見分けられるが、ツタの若木の葉はツタウルシのように3枚に分かれることがある。この若木の葉どうしは非常によく似ており、植物にかなり詳しい人でもなかなか見分けがつかない。
 3枚の葉を持つ植物がツタかツタウルシか見分けるには、ツルを目でたどってみて同じツルから出ている葉がすべて3枚かどうかを観察するとよい。ツタの場合、必ずといってよいほど2枚や1枚になった葉が見られる。このほか、ツタはブドウのなかまで、落葉時に葉(葉身)の部分だけが落ちて柄(葉柄)がかなり遅くまで残っていることが多い。また、ツタウルシは枝のように中空に突き出すことが多いが、ツタは樹木などにへばりついて中空に突き出すことはない。さらに、ツタウルシなどのウルシ科の植物は、枝や葉を切ると白い液が出てくる。これらのことを頭に入れ総合的に判断すれば見分けることができる。

*症状は?

 ウルシのなかまに触れることによってかぶれる接触性皮膚炎の特徴は、一部の人だけに発症することや1〜2日後に症状が出ることだ。このため、本人にもその原因が分からないことが多い。毒成分はウルシオールで、顔や首、手、外陰部などにかゆみの強い紅斑を生ずる。

*対処方法は?

 かぶれを確認したら、専門医の治療を受ける。ここで重要なことは、何にかぶれたかを確認し、今後に生かすことである。しかし、ふつうの場合そのような努力をあまりせず、野外に出ることを必要以上に恐れてしまう。よくかぶれる人は、皮膚科の専門医に行ってパッチテストという方法で原因植物などをつきとめるとよい。自分のアレルギーの原因物質を知っておけば、対応が容易になる。

■ヤマハゼとヤマウルシ

 かぶれる木として、ハゼやウルシがあることは多くの人が知識として知っているが、実際にそれらを見分けることのできる人は多くない。島根県内で自然状態でよく見られるこれらのなかまには、ハゼノキ、ヤマハゼ、ヤマウルシの3種がある。

(公益財団法人日本野鳥の会理事長 佐藤仁志)

事務局からのお知らせなど

自然保護室より

■オオタカの種の保存法からの指定解除の検討について、パブコメに意見をお寄せください■

 環境省では、オオタカを種の保存法(絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に係わる法律)の国内野生動植物種の指定の解除について検討を行うことに対するパブリックコメントを開始しました。オオタカがレッドリスで準絶滅種にランクダウンした時から、いつかはこの時が来るかと思っていました。

 環境省のプレスリリースによると、検討開始に背景は以下のように示されています。

○オオタカはこれまで、種の保存法国内希少野生動植物種の指定、開発行為に対する保全策を示した「猛禽類保護の進め方」の策定、また地域の団体等の継続的な取り組みなど、様々な主体によって保全が進められてきた。
○平成17年に環境省が公表した「オオタカ保護指針策定調査」において、全国のオオタカの繁殖個体数は少なくとも1,824〜2,240羽であると推計された。
○平成18年の第3次レッドリストでは初めて絶滅危惧種から外れ(絶滅危惧II類から準絶滅危惧にランクダウン)、平成24年の第4次レッドリストにおいても絶滅危惧種に選定されなかった(第3次同様、準絶滅危惧に選定)。
○最新の調査では関東地方とその周辺に5,818羽(95%信頼限界:3,398〜10,392)が生息するとされた。

 種の保存法は、絶滅のおそれのある種を指定し、捕獲の禁止や譲渡の禁止その他必要に応じた保護事業を行い、絶滅のおそれをなくすことを目的にしていますので、法の趣旨から考えると、この検討開始は妥当なものと考えます。

 しかし、単純にそれでいいと納得できるものではありません。

  1. 種の保存法の指定解除の条件は明確でありません。
    種の保存法の種の指定について、どのような種を指定するかは規定されていますが、その条件を満たす種が自動的に指定されるわけではありません。絶滅のおそれのある種約3500種のうち指定されているものは90種に過ぎません。検討開始の報告があった中央環境審議会の小委員会でも、磯崎委員(当会元評議員)から、解除の条件は指定の条件と必ずしも同じである必要はない。社会的な条件なども考慮すべきと発言されています。
    オオタカのレッドリストのランクである準絶滅危惧は、「現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては絶滅危惧として上位カテゴリーに移行する要素を有するもの。」とされています。ルリカケスの場合は、絶滅危惧U類からランク外になって解除が行われました。オオタカの指定解除はレッドリストのランク外になって、行う等慎重に行うべきとも考えられます。
  2. 鳥獣保護法での保護で十分か
    オオタカが絶滅のおそれのある状態になった原因は、主な生息地である平地林の開発と密猟によるものと言われています。かつてオオタカの巣の密猟パトロールの話題は毎年聞かれました。現在の鳥獣保護法(鳥獣の保護と狩猟の適正化に関する法律)では、密猟に対する罰則がT年以下の懲役または100万円以下の罰金となっており抑止効果としては不十分です。また、種の保存法では、生きた個体だけでなくはく製などもその譲渡が禁止されていますが、鳥獣保護法では、違法に捕獲されたことが証明されないとはく製の譲渡を禁止することができません。生きた個体の輸入に関しても、輸出証明を発行する制度のない国からの輸入には、適正に輸入されたことを証明する標識が必要ないという規定のため、外国産と偽って密猟された個体が違法飼育されることがあります。オオタカの指定解除にあたっては、鳥獣保護法の改正が必要と考えます。
  3. オオタカが自然環境の保全に果たしてきた役割 愛知万博の海上の森の例を始めとして、オオタカは各地の乱開発から自然環境を守るシンボル的なイメージがあります。これは種の保存法は、国内希少種の生息地の所有者、占有者は責務としてその種の保存に留意しなければならないとの規定があり、環境大臣はそれに対して助言や指導を行うことができますためです。更に「猛禽類保護のすすめ」という環境省の保護指針もあり、環境影響評価の際にも配慮されています。オオタカは人の活動の多い平野の森林を主な生息地としており、開発との衝突も多い種です。種の指定が解除された場合、環境影響評価の中で注目種として扱われなくなる恐れがあります。しかし猛禽類は食物連鎖の頂点に位置する種として評価すべきであり、「猛禽類保護の進め方」も環境影響評価の中で位置づけをする必要があると考えます。オオタカの指定解除に先立って、こうした手当もする必要があります。

これまで、国内希少野生動植物種で指定解除になった例は、ルリカケスの1例だけです。その時は、環境省で解除の方針を決めて、そのための施行令の変更についてのパブコメが行われました。今回のように、指定解除の検討を行うに際してのパブコメは、異例のことです。これは、当会やオオタカの保護関係者から環境省に対して、オオタカは単にその種の問題だけではなく、各地の保護問題にも関連することから、十分な合意形成を行わなければ、国民の理解を得ることが難しいとの申し入れを行ったためです。

パブリックコメントで全国から寄せられた意見を整理して、環境省と議論を行うシンポジウムを行う予定です。ぜひ指定解除についての意見や、オオタカの指定解除にあたっては、どんなことが危惧される事例やどんな措置が必要か、各地のオオタカの生息状況などの情報をぜひ、パブリックコメントにお寄せください。 意見募集期間 6月3日から7月2日17:30  詳細は以下のサイトで御覧ください。
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=16718

(自然保護室/葉山政治)

■兵庫県但馬地方から放鳥されたコウノトリの追跡と情報提供のお願い■

経緯とお願い

 兵庫県立コウノトリの郷公園では、2005年から開始された兵庫県のコウノトリの野生復帰事業において、コウノトリの放鳥、追跡、調査、管理を実施してきました。その中で、2012年までに個体識別用の足環と衛星追跡用の発信器を装着した計20羽の個体を、豊岡盆地を中心とする但馬地方に放鳥し追跡を行ってきました。ところが、衛星追跡では、位置と移動の情報はわかりますが(図1)、その個体の健康状態や採餌状況等の情報を得ることができません。そのため、20羽のうち2羽が餓死した状態で発見され。その際、その個体の移動先での採餌状況がわかると、所在都道府県による救護のための給餌という対応をとれたのですが、遠隔地であるがゆえに、放鳥主体であるコウノトリの郷公園が出向くこともままならず判断の機会を逸してしまいました。
 以上の失敗・反省を踏まえて、放鳥個体の移動先での下記の情報収集について、野鳥観察に長けた野鳥の会の連携団体・支部の皆様に、ご協力をお願いする次第です。

確認・記録内容

以下の内容についての情報収集をお願いします。
  1. 個体識別
     放鳥される個体は、左右の脚に計2個(金属製、計4色)、または5個(プラスティック製、計5色)のカラーリングが装着されており、1羽ずつ組み合わせが異なっています(図2)。なお、現在、使用されている色は、黒色、黄色、赤色、青色、緑色の5色で、白色は使っておりません。
     色の組み合わせは、右脚の上から下へ、そして左脚の上から下へと読みます。図2の個体であれば、右脚:青・黒(個体番号)、左脚:赤・青・黒となります。色の組み合わせは、それぞれの個体番号に対応しており、この個体の金属製リングでの標識は、右脚:青・赤、左脚:青・黒となります(個体番号のリングがなくなり、また色の位置は変わりますが、読む順番は同じす)。
  2. 位置情報(地図表記または緯度・経度)
     個体の発見場所をGoogle等の地図に記入するか、GPSにより緯度・経度を記録します。
  3. 目視による健康状態
     体部の汚れや傷の有無、翼の垂れ、目の張り等について記録します。
  4. 目視による行動の異変の有無
     飛び方(飛ぶことができない)、歩き方(びっこをひく)、餌の食べ方(飲み込めない)などに不自然さがあれば記録します。
  5. 採餌量の推定  嚥下回数n回/10分またはn回/1時間
     10分または1時間(ほとんど採餌していない場合)の観察で、何回、飲み込んだかを記録します。餌の種類と大きさもわかるようであれば、その情報を記録します。

連絡体制
 放鳥個体が、衛星追跡の結果、移動先に1週間以上留まっているようであれば、コウノトリの郷公園から最寄りの野鳥の会(支部)へ連絡し、協力をお願いすることになります。協力いただけるようであれば、必要な情報をメール等を使って交換させていただきます。

担当者 大迫義人(おおさこよしと)
〒668-0814 豊岡市祥雲寺128 兵庫県立コウノトリの郷公園内
兵庫県立大学 自然・環境科学研究所
Tel 0796-23-6547(直),0796-23-5666(内線224)
E-mail [email protected]

(兵庫県立コウノトリの郷公園)

■Strix -野外鳥類学論文集‐第29巻発行のお知らせ■

 Strix(ストリクス)は、どなたでも気軽に調査結果や観察記録を投稿できる野外鳥類学論文集として1982年より発行しているものです。鳥類の生態や行動についての研究結果、支部による調査活動、探鳥会の記録、繁殖や飛来などの観察記録、野鳥の保護活動の事例などを幅広く掲載しています。  第29巻も上田恵介立教大学教授(当会評議員、編集長)、三上かつら氏(副編集長)のご協力をいただき、発刊することが出来ました。
 今巻では、査読付き原著論文8編、短報12編で、バードストライクを扱った論文のほか、地域による生活史の違い、鳥類群集、分布、採食行動、初記録の情報などを掲載しています。この機会にぜひ、ご購入いただければ幸いです。
 なお、一般書店では取り扱っておりませんので*、お求めは、以下のアドレス、もしくはファックスよりお申し込み下さい。

Strix vol.29 掲載論文

<原著論文>

<短報>

Strix最新刊29巻 頒布価格 ¥3,500(税込)
[最新刊申し込み先]
Eメール[email protected] または、FAX番号:03-5436-2635
※バックナンバーの購入は当会ホームページよりお申し込み下さい。
  http://www.wbsj.org/activity/conservation/publications/strix/strix-dl/

*ジュンク堂書店池袋本店(TEL:03-5956-6111)でのみ取り扱っています。

(自然保護室/山本裕)


■Strix第30巻の原稿募集のお知らせ■

 Stirxの記念すべき第30巻(2014年5月発行予定)への掲載に向けた原稿を募集致します。
 皆様のお手元に眠ったままのデータや面白い観察記録などありましたら、ぜひまとめて、ご投稿下さるようお願い致します。

【投稿に関する詳細】
"投稿する人のために"をよく読んで、ご投稿ください。
http://www.wbsj.org/activity/conservation/publications/strix/strix_rule/

【原稿の締め切り】
 特に定めはありませんが、構成がしっかりしているものであれば、目安としては8月31日までに受け付けた原稿であれば次号に掲載可能です。なお、原稿は、「このようなものはどうだろうか」など、質問がありましたら、ご気軽にご相談ください
(問い合わせ先 自然保護室TEL:03-5436-2633)。

【原稿の送り先】
141-0031東京都品川区西五反田3-9-23丸和ビル
日本野鳥の会自然保護室、または [email protected] 

(自然保護室/山本裕)

■ツバメの部分白化・現況把握のための全国調査(2013)へのご協力のお願い■

 1986年に起きたチェルノブイリ原発事故では放射性物質により、ツバメに部分白化や尾羽の異常が生じたことが報告されています。福島第一原発事故でも同様のことが懸念されるため、当会では昨年5月から、異常のあるツバメの情報を集め、2012年10月末までに1,534件の情報が寄せられ、全国平均で部分白化が5.7%、尾羽の異常個体が3.1%の情報を得ています。福島県内では176件の情報をいただき、部分白化は0.6%、尾羽の異常は見られませんでした。
 昨年、第一原発に近い福島県南相馬市において、のどに特徴的な白斑のある個体が観察されたことから(写真参照)、2013年度は特にのどの部分的な白化に着目して情報を集めます。広い範囲で情報を集め、白斑の有無をモニタリングしていく予定です。
 連携団体(支部等)の皆様で、ツバメを日頃から観察をされている方でご協力をいただける方は、子育て中の親鳥を対象に、以下の項目についての情報をお寄せいただければ幸いです。
 どうぞよろしくお願い致します。

(1)観察された日:
(2)観察された場所:※できる限り番地までご記入下さい。
(3)観察された方のお名前:
(4)のどの部分白化:(有り・無し・わからない)
(5)写真:(Eメールに添付または郵送でお送り下さい)
(6)備考:気がついたこと
※調査の注意点として、その場所で子育てをしている親鳥を対象にします。部分白化がないという情報も大切ですので、観察された結果、「部分白化なし」という情報もお寄せ下さい。

<送付先> 日本野鳥の会 自然保護室 担当:山本
〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23丸和ビル
пF03-5436-2633  Eメール:[email protected]
なお、汚染地域のある飯舘村、浪江町、南相馬市の調査は当会職員が行なう予定です。

(自然保護室/山本裕)

普及室より

■7月は「サマーフェア」開催!連携団体向け卸販売をご利用ください■

 会誌「野鳥」7月号に「サマーフェア2013」のカタログを同封いたします。また、支部販売事業ご担当の皆様には、6月下旬に当フェアについての連携団体向け卸販売のご案内をお送りいたします。
 掲載商品は、全て連携団体向け卸販売の対象商品となります。探鳥会やイベント等で会員や参加者の皆様にご案内いただき、ご注文を取りまとめていただければ、連携団体向け卸価格で販売させていただきます。
 今回のフェアカタログでは、これからバードウォッチングを始める方に向けて、あると便利な道具を紹介しております。そのほか、夏の自然を楽しむおすすめグッズや食品、定番の光学機器の割引セールもございます。 ぜひご利用下さい。

●本件についてのお問い合わせ:
普及室 販売出版グループ
TEL:03-5436-2623、FAX:03-5436-2636、Eメール:[email protected]

(普及室/江面康子)

■野鳥観察ハンディ図鑑「新・山野の鳥 改訂版」「新・水辺の鳥 改訂版」の発行■

 当会オリジナル図鑑「新・山野の鳥」「新・水辺の鳥」の改訂版を2013年5月に発行いたしました。当初は4月の発行とおしらせしておりましたが、5月の発行に延期となり、大変お待たせをいたしました。ご迷惑をおかけいたしました皆様にお詫び申し上げます。
 サイズやページ数などはそのままに、新しい鳥類目録に合わせて、表記を更新しました。改訂のポイントにつきましては、著者の安西英明主席研究員が、後続の記事にまとめてございますので、ぜひご覧ください。
 各連携団体(支部)の事業(販売)担当者様向けに、見本を各1冊をお届けしておりますので、ぜひご覧ください。

【書名】野鳥観察ハンディ図鑑 『新・山野の鳥 改訂版』・『新・水辺の鳥 改訂版』
【仕様】新書判、64ページ
【価格】各630円(税込)
【販売場所】日本野鳥の会通信販売、全国書店、ほか
【卸販売について】連携団体(支部)向け卸販売を行っております。下記までご注文ください。

この件に関するお問い合わせは、普及室 販売出版グループまでお願いいたします。
普及室 販売出版グループ
TEL:03-5436-2623、FAX:03-5436-2636、Eメール:[email protected]

(普及室/江面康子)

■目録改訂の対応(チェックリストとオリジナル図鑑の改訂)について■

日本鳥学会が日本鳥類目録改訂第7版を2012年9月に発行し、これまでの分類から大きな変更があったことは本通信や野鳥誌でも紹介してきました。連携団体(支部)におかれましては対応に苦慮されているところが少なくないと思われますが、当会では新たな分類に準拠できるものは、準拠できるものから準拠していきたいと考えています。発行物としては、既に『野鳥チェックリスト』は第7版掲載の分類順に633種を並べたものを発行しました(別途、主な外来種をまとめ、主な亜種を記載する欄を設けました)。 「新・山野の鳥」「新・水辺の鳥」の改訂は、新たな分類に沿った改訂が基本ですが、この機会に表紙も刷新し全てを見直し、新たな情報も追記いたしましたので、ポイントを紹介しておきます。

  1. 旧分類に配慮しつつ、目や科の変更に対応
    これまでの分類に馴染んできた方や探鳥会リーダー役にも使えるように、何がどう変わったかについても、一覧表を作りました。
  2. 外来種の野生復帰種、図版を追加
    これまで、増刷時に外来種などを解説で書き足してきましたが、『新・水辺の鳥』で外来種の図版を1ページにまとめ、トキやコウノトリのように放鳥事業で見られる機会が増えた種も新たに図版を加えました。
  3. 法律や条約の追記や修正
    『新・水辺の鳥』の野鳥の保護に関係する法律や条約の解説も、増刷時に新たな情報を追記してきましたが、今回は外来生物法を書き足し、狩猟鳥など書き直しました。また、種の保存法による国内希少野生動物種に印をつけてきましたが、国際希少野生動物種(コアジサシ、コシャクシギ、ナベヅル、マナヅル)も示すように改めました。
  4. 種や亜種の追加
    当会が保護に取り組むことで新たに北方への移動などがわかってきたカンムリウミスズメは、これまでウミスズメの解説に含まれていただけでした。が、新たに種として解説することとして、図版も冬羽や飛翔図とともに掲載することにし、掲載種・亜種を全面的に見直しました。その結果、ムギマキやヤツガシラのように新たに図版を掲載したもの、カラシラサギ、ユキホオジロやキンバトなど解説に加えた種もあります。亜種でもウソのように話題になるものは、図版は足せなくても解説で触れるように務めました。
  5. 新たな情報や修正
     生息状況は変化するので、『新・山野の鳥』<この本の使い方>で、「分布や習性などはわかっていないことも多く、また変わることもあるので、見分けるための目安と捉えてください」と記し、増刷時に微修正を重ねてきました。今回は目録上も記載が変わったヤイロチョウ、ヒメアマツバメ、ミヤマガラスなどかなり書き直すことになりました。もちろん、サンショウクイの亜種リュウキュウサンショウクイの分布拡大なども触れました。
    また、本書では日本近辺しか分布域がない、あるいは繁殖地がない種を解説してきたつもりでしたが、改めて見直したところ、ヒヨドリやコゲラなど落ちていたものがあり、書き足しました。 さらに、近年よく話題になること(冬鳥の飛来の年による増減、ムクドリの集団ねぐらの季節性など)についてもスペースを勘案しながら、追記できるものは触れるように務めました。
  6. 姉妹編としての再構築
    全面的に見直すことで、山野と水辺の2冊の姉妹編という関係を改めて考えてみました。
    これまで、それぞれ1冊でも使えるように用語解説や掲載種を敢えてダブらせていますが、解説原稿を書き直し、これまでの方針は変えずに2冊セットでより総合的な情報が整理されるように工夫しました。例えば、<鳥の体の各部の名称>で風切羽や雨覆羽などを解説してきましたが、山野では枚数や細部を補足し、水辺では機能について触れるなど書き直しました。その他さまざまな工夫を凝らし、初心者用というコンセプトを崩さないままで、ベテランにも役立つよう、探鳥会などでも使えるようにして、お勧め、活用いただけるものを目指しました。

(主席研究員/安西英明)

会員室より

■会員数■

 6月3日会員数37,843人(対前月+3)会員数は先月に比べ3人増加しました。
 5月の入会・退会者数の表をみますと、入会者数は退会者数より15人少なくなっています。会員の増減は入会者数と退会者数のほかに、会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活した人数によって決まります。5月の入会者数は227人で、前年同月の入会者269人に比べ42人減少しました。また、5月の退会者は242人で、前年同月の退会者216人に比べ26人増加しました。

 表1.5月の入会・退会者数

※会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活する方がいらっしゃるため、退会者数の年度累計は、実際の退会者数とずれた数字となります。このため、退会者数合計については年度末の集計後にお知らせいたします。

●都道府県および支部別会員数
 野鳥誌贈呈者数を除いた数を掲載します。

 表2.都道府県別の会員数(6月1日時点)

備考:その他は海外在住の会員を示します。

 表3.支部別の会員数(6月1日現在)

備考:支部別の会員数の合計は、都道府県別の会員数の合計と異なります。これは、本部型(青い鳥)会員や支部に所属されていない個人特別会員が支部別の会員数に含まれないためです。

(会員室/沖山展子)

■支部名称等変更のお知らせ■

今月は支部名称等の変更はありません。

(総務室/奥田秋穂、鈴木美智子、松井江里奈)

■支部ネット担当より

今年の梅雨入りはいつもより早かったものの、真夏のような暑い日が続いていましたが、アジサイの花が色を深め、天気もやっと梅雨らしくなってきました。皆さまいかがお過ごしですか。いつも支部ネット通信をご愛読いただきありがとうございます。
さて、今月号のシリーズ「探鳥会におけるリスクマネージメント」のテーマはウルシの仲間です。ツタとウルシの見分け方や対処方法などが紹介されています。探鳥会にお出掛になる際の参考にしていただけたらと思います。

■支部ネット通信は支部の代表の方に電子メールでも配信をしています。電子メールでの配信を希望される支部の代表の方は下記メールアドレスまでお気軽にお申し込みください。



支部ネット通信 第111号
◆発行
日本野鳥の会 2013年6月24日
◆担当
総務室 総務グループ 奥田秋穂/松井江里奈/植月智子
〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23
丸和ビル
TEL:03-5436-2620
FAX:03-5436-2635
E-mail:[email protected]