No.142 2016年01月号


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目次 ◆支部の動き
支部報保護・調査記事関連トピックス
◆ブロックからのお知らせなど
関東ブロック会議報告
中国・四国ブロック交流会報告
◆事務局からのお知らせなど
1月号『フィールドガイド日本の野鳥』
 増補改訂新版の取組み

ワイルドバード・カレンダー2017写真募集中
平成27年度ナベヅル・マナヅルの全国飛来状況調査を
 実施します

連携団体総会報告
平成27年度第3回評議員会(臨時)議事録
新理事・監事のご紹介
支部名称・代表者・事務局等変更のお知らせ
会員数

支部の動き

■支部報保護・調査記事関連トピックス■

 本記事は日本野鳥の会へ送付されてきている各地の支部報/会報から抽出して作成し、調査・保護に関心がある野鳥の会の会員へ配信しております。本記事の一部又は全部を不特定多数が見る可能性があるところへ公開される場合は、各支部/各会の了承を事前に得て下さい。記事は筆者の意向に反しないように、取り扱いをお願いします。

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.777

●2015/10 道南桧山
・7月根室〜古釜布(国後島)海鳥目視調査
(北海道大学名誉教授)
・北海道の風力発電 (エコネットワーク)
●2015/11 東京
・多摩川河口の自然を考えるシンポジウム
(神奈川支部副支部長)
・都、舟運を活性化
(東京港野鳥公園協議会)
・オオタカの希少種指定解除問題の今
・2015年カモ類・水鳥カウント調査
(府中野鳥クラブ)
・フクロウ
●2015/9 長野
・真夏のシメ
●2015/10 静岡
・岩手県のイヌワシ (編集部)
●2015/10 長野
・H27年度初鳴き調査
●2015/9 富士山麓
・ホシガラスの移動
●2015/8 高知
・カワウ生息実態調査
●2015/11 長崎県
・2015年春 生月島標識調査

●2015/10 道南桧山
・7月根室〜古釜布(国後島)海鳥目視調査
(北海道大学名誉教授)
 7/6同間の航海で目視確認された海鳥は総計1,014羽、内訳はウトウ826、フルマカモメ(全て暗色型)142、オオセグロカモメ18、シロエリオオハム8、ウミネコ7、アビ類3、ウミガラス2等。2010/7/5には総計2,610(ウトウ1,986、ハシボソミズナギドリ417、ハイイロミズナギドリ90、オオセグロカモメ56、ミツユビカモメ18、ヒメウ14等)。
(道南桧山「はちゃむ」NO.112,P5〜9)

・北海道の風力発電 (エコネットワーク代表)
 6/27の道ブロック協議会の講演会より。欧州では小規模から大規模まで様々な風力発電が稼働し、農家の副業の性格が強い。ドイツでは適・不適マップで4段階の評価がある。日本の風力発電への提案として、1.ハザードマップの作成、2.事故を起こした風車の危険度評価、3.事故を繰り返す風車への稼働停止勧告、4.事業者との徹底した意見交換。
(道南桧山「はちゃむ」NO.112,P10)

●2015/11 東京
・多摩川河口の自然を考えるシンポジウム
(神奈川支部副支部長)
 多摩川河口の「羽田連絡道路(仮称)」建設に向けた行政側の準備が最終段階に入った。国際戦略特区として既存の手続きが緩和され、市民参加、詳しい情報公開もされない。この特区には法的な裏付けがあるものではなく、「東京オリンピック問題」と同じ構図である。多摩川河口干潟中央部を横断する橋梁が計画され、自然環境影響調査はされていない。交通体系から見ても建設する意味が無く、政治主導の道路計画である。10/31シンポジウムが開催される。
(東京「ユリカモメ」NO.721,P3)

・都、舟運を活性化 (東京港野鳥公園協議会)
 6/25日経新聞に「都、舟運を活性化 羽田-都心航路を短縮」との記事が載り、2015年末を目途にコアジサシ営巣地の森ヶ崎下水処理場の前を通るルートになっている。コアジサシの餌場である森ヶ崎干潟の中央を水深がある満潮時、船が通過する可能性がある。都は船を通すためにわざわざ浚渫はしないと言うが。
(東京「ユリカモメ」NO.721,P10)

・オオタカの希少種指定解除問題の今
  9/22の読売新聞、9/25の東京新聞に種の保存法でのオオタカの国内希少種指定解除の方向性が強まったとある。オオタカの希少種指定は乱開発の制限、環境保全につながっていた。市民団体等は環境省に現状維持を求めているとある。支部は昨年3月、「東京オオタカ・シンポジウム」を開き、首都圏の生息状況を明らかにしてきた。同時に会員や市民団体の考えを随時掲載した。環境省は今年度中に2回目のパブリックコメント公募を予定している。
(東京「ユリカモメ」NO.721,P10〜11)

・2015年カモ類・水鳥カウント調査
(府中野鳥クラブ)
 1/13府中市域多摩川で調査した。カモ類総計447羽(534)、内訳はコガモ332(313)、ヒドリガモ99(183)、カルガモ8(27)等。オオバンは63(36)、括弧内は2014年。
(東京「ユリカモメ」NO.721,P16)

・フクロウ
 平安時代の漢和辞典 和名類集抄にはフクロウは「さけ」の異名があり、父母を喰い殺す鳥とある。中国では唐時代以前は不吉な鳥とされていた。ギリシャでは知恵の鳥で、その後中国経由で日本でも吉鳥とされる。奈良時代フクロウを「いいとよ(飯豊女王)」と言っていたが、それは当時不吉な鳥であったフクロウではなく、ミミズクの事であったとの説に賛成である。
(東京「ユリカモメ」NO.721,P18)

●2015/9 長野
・真夏のシメ
 8/3飯綱山の標高1,100mの小川でシメが水浴びする。シメは冬鳥と思っていたが、繁殖地は北海道、本州中部以北とあり、ここが繁殖地の南限かも。
(長野「野鳥ながの」NO.539,P4)

●2015/10 長野
・H27年度初鳴き調査
 38名の方よりの報告。トケン類ではツツドリ4/22、カッコウ5/9、ホトトギス6/9、ジュウイチ5/22であった。ツバメの初認は池田町の3/21、イワツバメは長野市の3/20、コムクドリは白馬村の4/9、サンショウクイは上田市の4/11、クロツグミは長野市の4/10、ヤブサメは長野市の4/19、オオヨシキリは長野市の4/27、センダイムシクイは上田市の3/31、キビタキは千曲市の3/17、オオルリは大峰山の4/19であった。
(長野「野鳥ながの」NO.540,P4)

●2015/9 富士山麓
・ホシガラスの移動
 富士山3合目辺りで秋に北東から南西に移動するホシガラスを毎回20羽以上見る。それも、喉が膨らみ口を開けている。繁殖期に見るのは2羽程度で、秋のホシガラスは何を口に入れて、何処へ行くのか。
(富士山麓「野鳥の声」NO.141,P4)

●2015/10 静岡
・岩手県のイヌワシ (編集部)
 イヌワシの日本最大生息地である北上高地では、繁殖率低下で絶滅の危険性が高まっている。岩手県のイヌワシ生息環境は人の山の利用(放牧、薪炭林)で保たれてきた歴史がある。その利用の仕方が変わってきている。その環境悪化を補うため、森林の列状間伐、ヤマドリの放鳥等をしている。(岩手放送作成ビデオより)
(静岡「野鳥だより」NO.429,P3)

●2015/8 高知
・カワウ生息実態調査
 高知県からの委託でカワウを調査している。県下のアユ遡上期(4月中旬〜6月)の調査では、昼間の河川踏査で総計232羽、コロニーへの塒入り調査で694羽、同地にある巣の数176であった。巣は松田川河口で93、須崎湾戸島で65、四万十市家地ダムで18(これは調査後駆除された)。
(高知「しろぺん」NO.343,P2〜3)

●2015/11 長崎県
・2015年春 生月島標識調査
 平戸市生月島で4/21〜5/4、野鳥の標識調査をした。新放鳥は総計731羽で、多い順にセンダイムシクイ225(31%)、メジロ141(19%)、ヒヨドリ、エゾムシクイ共に90(12%)、キビタキ45(6%)、ウグイス22、コルリ21、オオルリ17、コゲラ12、コサメビタキ10、シロハラホオジロ8、ルリビタキ6、シロハラ5等。
(長崎県「つばさ」NO.335,P13〜14)

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.778

●2015/9-10 盛岡
・風力発電問題
・2015 間伐運動会
●2015/11 神奈川
・世界の美しい名前の鳥
●2015/10 南富士
・ウルトラトレイル、マウントフジ2015
・秋季シギ・チドリ調査 (調査研究部)
●2015/11 岡山県
・ゴジュウカラ
・タマシギの繁殖観察
●2015/11 香川県
・庵冶半島北部のミサゴ
・干潟のシギ・チドリ観察会
●2015/11 筑後
・セグロカモメ (研究部)
●2015/11 熊本県
・橋下のイワツバメ

●2015/9-10 盛岡
・風力発電問題
 岩手県北部で風力発電計画が加速している。支部は北県境地帯の探鳥経験が少なく、野鳥のデータが不足している。この地区を通過する野鳥は総種数の6割以上に達する。計画段階の通常調査では、この一帯を通過する種の全貌は捉えられないと考えるのが自然である。夜間、悪天候でも渡っており、レーダー観測、無人DG広角撮影(昼間)、バンディング等で通常調査をカバーして、風車設置可否資料が必要である。支部は可能な限り情報収集の機会を持つべきである。
(盛岡「山翡翠」NO.366,P2)

・2015 間伐運動会
 イヌワシがいる山での今年の間伐運動は、間伐材の搬出が主である。「修羅」と称する木材を滑り落とす滑り台を作り、本部から2名の職員も参加し、繁殖時期までに急斜面で丸太に切り搬出した。「イヌワシよ!我々の流した汗を無駄にするな!」
(盛岡「山翡翠」NO.366,P3〜4)

●2015/11 神奈川
・世界の美しい名前の鳥
 和名で「美」、英名で「beautiful」が付いた鳥名、和名ではアマミヤマシギ(奄美)のみである。ウツクシシャコ、ウツクシキヌバネドリ、ビジョスズメ、ビナンスズメ、ビジョハチドリ、ビセイインコの名がある。英名ではインコの仲間にBeautiful Parakeet(ゴクラクインコ)等4種がいる。
 ニューギニアにはBeautiful Paradise Kingfisher(ラケットカワセミ)、Beautiful Fruit Dove(ノドジロヒメアオバト)、アマゾンには,Beautiful Jay(シロガシラアオカケス)、アジアではBeautiful Niltava(コチャバラオオルリ)、Beautiful Nuthatch(ビナンゴジュウカラ)、Beautiful Rosefinch(コウザンマシコ)がいる。
 豪州にはBeautiful Firetail( サザナミズズメ)がいる。北米、中米にはBeautiful Bunting(ムラサキノジコ)、Beautiful Hummingbird(シロハラアカヒゲハチドリ)がいる。南米にはBeautiful Fruiteater(ズグロミドリカザリドリ)、アフリカにはBeautiful Sunbird(ウツクシオナガタイヨウチョウ)がいる。
(神奈川「はばたき」NO.522,P4)

●2015/10 南富士
・ウルトラトレイル、マウントフジ2015
 富士山一周山岳マラソン、山梨県側の特別保護区通過に関し、支部の問題提起、説明会で開催は野鳥の繁殖期を外し9月、樹海から車道コースに変更となった。静岡県側も同じような問題提起があり、解決が難航している。二千人以上が連なり昼夜山中を走る異様なことが定常化されないよう働きかけをしていく。
(南富士「さえずり」NO.395,P3)

・秋季シギ・チドリ調査 (調査研究部)
 9/12富士川河口で総計45羽、内訳はシロチドリ19、コチドリ8、ムナグロ8、イソシギ8、トウネン1、キアシシギ1。
(南富士「さえずり」NO.395,P5)

●2015/11 岡山県
・ゴジュウカラ
 ゴジュウカラも貯食の習性を持ち、秋、針葉樹の幹の隙間に種子を詰め込み、木片等で隠す。キツツキやキバシリと異なり、両足と尾羽の3点支持ではなく、足だけ使って頭を下げ駆け降りる。首が太く短く、尾羽も短く重心が体の中心にあるためか。「木回り」「木ねずみ」の異名の方がこの鳥の特徴を捉えている。
(岡山県「野鳥おかやま」NO.211,P2)

・タマシギの繁殖観察
 9/6水のある休耕田でタマシギ♀、9/10その近くで♂が抱卵、巣は稲の切株の間に藁を積み上げ、直径30p程。9/10〜15卵は3〜4個、♂は食事に出ても巣から3m以内で、主にタニシ、2cm以上でも嘴の根元で割り丸飲みする。9/18水位が上がり巣は水に浸かり、親は卵をかき上げる。9/19水位が下がり、卵が見える。卵を乾かすのか親は巣の横にいる。9/22親は巣の中では動きが目立つためか巣から出て翼を伸ばす。9/25巣から4m位離れた所に雛1と親がいる。残った卵は孵化せず、翌日には親子は移動を開始した。
(岡山県「野鳥おかやま」NO.211,P3〜4)

●2015/11 香川県
・庵冶半島北部のミサゴ
 屋島でミサゴの営巣を見なくなった。東隣の庵冶半島を探すと、5箇所でミサゴの巣が見つかる。確実な巣立ちは確認できなかった。1つは枯れた松の頂上部で、5/14♀の抱卵を確認するがカラスが来ており、6/10には巣を放棄する。1つは5月下旬に抱卵する番を見るが、巣立ち未確認。1つは古巣。1つは抱卵したが、後日、親が松の巣から離れて停まっているのを見るのみで繁殖失敗。1つは携帯電話アンテナ塔の最上部に残された古巣。
(香川県「かいつぶり」NO.382,P3〜4)

・干潟のシギ・チドリ観察会
 9/26姫浜で観察した。コチドリ20+、ダイゼン8、キアシシギ4、イソシギ3、タシギ2、オオソリハシシギ2、ホウロクシギ2、キョウジョシギ(幼)2、チュウシャクシギ1、コアオアシシギ1。
(香川県「かいつぶり」NO.382,P5)

●2015/11 筑後
・セグロカモメ (研究部)
 カモメ類は夏を連想させるが、実際は殆どが冬鳥である。夏場見るのはウミネコ、オオセグロカモメ(青森以北繁殖)である。セグロカモメはロシアのチョコト半島からタイミナル半島で繁殖する。セグロカモメは冬季に観察されるカモメ類では最も個体数が多く、河川伝いに内陸深くまでやって来る。
(筑後「まめわり」NO.174,P10)

●2015/11 熊本県
・橋下のイワツバメ
 熊本市でイワツバメが営巣する橋の補修について支部に照会があり、巣立ち完了する8月まで工事延期了解頂いた。観察結果、巣は60以上あり、6/4電線に67羽、7/9には電線に巣立ち雛も混じり147羽が停まり、全体で200羽程度いる。7/26以降は全くイワツバメを見なくなる。
(熊本県「野鳥くまもと」NO.335,P12〜13)

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.779

●2015/11-12 宮城県
・2015年秋シギ・チドリ類生息調査
(調査・保護グループ)
・コクガン生息地保全(要望)
●2015/11 奥多摩
・タカ渡り観察会2015 (研究部)
・青梅市のサギ類コロニーの繁殖経過
・福島原発事故被災地を訪ねる旅に参加して
・ゴジュウカラ
●2015/11 伊那谷
・クマタカ、ハイタカ
・リニア建設関連ブッポウソウ調査
・伊那谷のコハクチョウ
●2015/11 高知
・コアホウドリを保護
・タカの渡り
●2015/11 北九州
・ハチクマ渡り観察会
●12015/11 福岡
・ジョウビタキ初認日

●2015/11-12 宮城県
・2015年秋シギ・チドリ類生息調査
(調査・保護グループ)
 9/13を中心に県内7箇所で調査した。前回より内陸部では大雨での増水のためか減少した。伊豆沼・内沼はタシギ25のみ。蕪栗沼は9種、33羽。石巻工業港海岸は31種、220羽、多いのはメダイチドリ72、トウネン76。蒲生海岸は15種、122羽、多いのはトウネン52、シロチドリ20。
(宮城県「雁」NO.274,P13〜14)

・コクガン生息地保全(要望)
 海岸沿岸部では大震災復旧工事が本格化し、コクガンの生息に重要な飲水場所、上陸休息場所での堤防工事に関し、10/8支部は宮城県知事へその環境保全するよう要望書を出した。特に重要な生息地として気仙沼市7箇所、石巻市2箇所、南三陸町1箇所、仙台市1箇所を指摘している。
(宮城県「雁」NO.274,P15〜17)

●2015/11 奥多摩
・タカ渡り観察会2015
 9/11〜10/8青梅市の梅の公園、羽村市の羽村郷土博物館で観察した。梅の公園では総計サシバ1,247、ハチクマ42、延べ参加者数211。羽村ではサシバ1,338、ハチクマ20、延べ参加者数272。ピークは9/21、両場所合計でサシバ322、9/22はサシバ210、9/28はサシバ643、9/29はサシバ739、10/3はサシバ323であった。この地を通過したサシバはあきる野市、檜原村、陣馬山付近を南西に向かい、山梨県都留市付近を通り、富士山北側を通っているものと思われる。(9/29に陣馬山でサシバ407(日野カワセミ会)、都留市北麓公園でサシバ809(関東サシバネットワーク))。
(奥多摩「多摩の鳥」NO.227,P2〜4)

・青梅市のサギ類コロニーの繁殖経過
 2015/3青梅市友田の多摩川河畔林(140mX70m)でサギのコロニーが確認された。アオサギの巣17、ダイサギの巣5で両者は混じって営巣した。アオサギ17巣の内15巣で巣立ち(1〜5羽)、抱卵中放棄1巣、オオタカ若に親不在中襲われ、雛1落下、1雛巣内で捕食された1巣。ダイサギは繁殖確認されず。アオサギ15巣の巣立ち雛数は2.87±1.36(29巣の調査では3.10±0.67(白井1999)とある)。ダイサギの方が繁殖時期は遅く、繁殖は安定していない。
(奥多摩「多摩の鳥」NO.227,P22〜23)

・福島原発事故被災地を訪ねる旅に参加して
 9/10〜12本部主催の2012年に続く2回目の視察旅行があった。原発事故現場から20qの楢葉町は9/5避難区域解除で町民の一部戻った。嘗ての田圃は草地から柳が繁茂の林化していた。人が住んでいない町ではヒヨドリ、ムクドリ、スズメ、ツバメは見なかった。漁師は漁をしないので、おこぼれが無くカモメがいなくなったと言う。
(奥多摩「多摩の鳥」NO.227,P24〜25)

・ゴジュウカラ
 支部フィールド内でゴジュウカラの観察記録は標高900m以上が69%、400〜900mが23%となっている。低い標高の丘陵地では過去22年間で、冬季に3件あるのみである。北海道の平地にいるのは亜種シロハラゴジュウカラである。変わった観察例として檜の樹皮を捲って餌探し、幹の股に溜まった水を飲む、川岸で嘴を使って泥をこね団子にして、巣穴の調整のため運ぶ。鳴き声のバリエーションが豊富で、声の主の確認に苦労する。
(奥多摩「多摩の鳥」NO.227,P27)

●2015/11 伊那谷
・クマタカ、ハイタカ
 イヌワシは北半球に広く分布しているが、クマタカは東南アジアを中心に分布する森林性の猛禽である。餌はアカネズミからタヌキのような大きな動物まで獲る。クマタカはその大きさからクマワシ(この方言名もある)と呼ぶのが似つかわしい。ハイタカは平安時代より雌をハシタカ、雄をコノリと呼び、鎌倉時代にハイタカに変化した。ハシタカは「はしっこい(速い)」からとされ、鷹狩りでは雌が猟に適し、名前で雌雄区分されていた。コノリは大言海には小鳥に乗りかかるからとある。木曽谷では殿様の鷹狩り用にハイタカの巣立ち前の雛が捕獲されていた。
(伊那谷「かわせみ」NO.44,P2)

・リニア建設関連ブッポウソウ調査
 リニア中央新幹線工事に伴う環境影響評価の基礎データを得るため、南アルプストンネル工事土砂搬出ダンプが1日1300台通る四徳大橋でブッポウソウの繁殖調査を行った。この地区には1990年から繁殖が確認されており、今年も3番の営巣があり、孵化直後の巣では1日136回、10日目の巣では221回の餌運びがあった。
(伊那谷「かわせみ」NO.44,P6)

・伊那谷のコハクチョウ
 駒ヶ根市の天竜川周辺の水田に2005年から毎年コハクチョウが飛来する。昨年の初認は12/20。これらの個体は警戒心が薄く、以前、越冬地で人から給餌を受けていたのであろう。
(伊那谷「かわせみ」NO.44,P7)

●2015/11 高知
・コアホウドリを保護
 8/25須崎市でコアホウドリ若が保護された。高知県では初記録となる。台風15号の影響と思われ、体力回復後、船で運ばれ、土佐湾沖で放鳥された。
(高知「しろぺん」NO.346,P1)

・タカの渡り
 9/27高知市の西、横倉山で観察した。サシバ312、ハチクマ8、ノスリ6、オオタカ1が通過した。
(高知「しろぺん」NO.346,P2)

●2015/11 北九州
・ハチクマ渡り観察会
 9/23若松区の高塔山(標高120m)で観察した。11時を中心に午前中に300羽のハチクマが西方向へ飛去した。午後は4羽のみで、門司区の風師山(標高360m)では14時頃に49羽で両者のハチクマの渡りルートは別と推定する。
(北九州「北九州野鳥」NO.353,P4)

●12015/11 福岡
・ジョウビタキ初認日
 10/4福岡市西区で♀、10/6福岡市曲渕ダムで地鳴き。
(野鳥だよりふくおか」NO.433,P10)

 (自然保護室・野鳥の会・神奈川/森 要)

ブロックからのお知らせなど

■関東ブロック会議報告■

●日時:2015年10月31日(土)〜11月1日(日)
●会場:ホテルえすぽわーる伊佐沼
(埼玉県川越市伊佐沼667-2)
●担当:日本野鳥の会埼玉
●参加者:日本野鳥の会埼玉、日本野鳥の会栃木、日本野鳥の会奥多摩支部、日本野鳥の会千葉県、日本野鳥の会東京、日本野鳥の会神奈川支部、日本野鳥の会茨城県、日本野鳥の会群馬、日本野鳥の会吾妻の計9支部より44名の出席があった。財団事務局からは、吉田副理事長、富岡普及室長、箱田普及室長代理、堀本普及室員、植月普及室員、山本自然保護室チーフの6名が出席した。


▲関東ブロック会議、集合写真

●議事・内容
10月31日(土)
(1)開会
 埼玉の副代表小林氏より、開会宣言。
(2)あいさつ
 埼玉の代表海老原氏より、参加への感謝が述べられた。
(3)来賓あいさつ
 財団事務局の吉田副理事長より、会員を増やすための探鳥会では関東ブロック各支部と連携して実施している。社会に貢献するため、各支部の皆さんと一緒に進めていきたいのでご協力をお願いしたい。
 (4)確認・報告
@各団体連絡先確認
A次期開催担当確認
 来年は奥多摩支部が担当することが確認された。
B前回の議事録の確認
C各団体近況報告
 各団体10分弱で以下の報告があった。

(日本野鳥の会千葉県)
 利根川河川敷におけるオオセッカ・コジュリンの生息状況。繁殖期のさえずり個体数の2003年〜2015年の増減について、近年減少傾向にあったが、2015年は若干回復した。利根川流域全体での個体数把握が必要であり、渡良瀬遊水地などでの調査を期待したい。国土交通省河川局利根川下流域工事事務所との定期的な意見交換を行っている。利根川下流域工事事務所からは利根川河川敷の乾燥化対策や在来淡水魚の生息環境再生のため、ワンド、湿地、水路を整備する方針である。これに対して、工事対象地域はオオセッカ・コジュリンの生息数が比較的少ないので繁殖には問題ないと思われるが、猛禽が多数越冬し、利用しており、チュウヒも繁殖している可能性があるため、ヒメガマ群落の埋め立ては最低限にした方が良いと意見した。
 お試し会員の動向について、2014年12月から2015年10月までの期間で、お試し入会者は延べ37名(現在は2名が会員6か月の期間内で残っている)。お試し入会者35名のうち10名が正式入会した。

(日本野鳥の会奥多摩支部)
 2014年度(2014年4月〜2015年3月)130回の探鳥会計画のうち、114回実施し、参加人数は2,848名であった。
 9月5日(月)に探鳥会リーダーとしての技術の向上、共通認識、リーダー同士の親睦を計ることを目的とした奥多摩支部スタッフ研修会を開催した。23名が参加し、グループディスカッション、探鳥会のマニュアルの配布・解説、「身近な鳥の生態」の公演などが行われた。
 ホオジロガモ生態調査を2014年11月〜2015年4月まで実施。延べ94名が参加した。

(日本野鳥の会東京)
 会員数は約2,700名で、この1年間で約130名の減少。幹事(いずれかの探鳥会を担当)が18名、探鳥会の運営をになう探鳥会リーダーが46名の構成。
 ヤング探鳥会はだんだんと活発化してきており、回数も増えている。クモの観察会は観察団体との共催で武蔵丘陵森林公園にて実施。興味の窓口を広げるのに貢献している。
 葛西臨海公園オリンピック問題の状況については、東京都との話し合いを決裂させないようにすることを第一に心がけた。スポーツと自然はどちらも大切な文化だから、両方が成り立つような代案を共に考えようではないかというスタンスがよかった。

(日本野鳥の会神奈川支部)
 探鳥会については定例が5ヵ所(丘陵・低山3ヵ所、河口、県央地域)。一般企画は、探蝶会、探蜻蛉会、干潟掛け持ち(葛西臨海公園と谷津干潟を電車で移動)などが特徴的なもの。山下公園では通りすがりの人に探鳥会に参加してもらう非会員向け探鳥会を実施した。
 バイノス(神奈川支部研究年報)を年1回発行、11月3日に研究報告会を実施する。保全活動は、サシバ棚田(小田原市沼代地区)、タゲリ米水田(茅ヶ崎)など。会員数は2015年11月現在2,006名、過去1年間で100名減少。主な退会理由は高齢による身辺整理や身内の介護で参加できない、高齢による体の不自由など。
 探鳥会時のリーダー所有のスコープの転倒等に対処する機材保証制度を設置した。
 課題として今まで役員会の決定事項が事務局職員に十分伝わっていないことが多かったので、事務局担当幹事を設けて情報の伝達を行っている。
 「たまりゅう」で奥多摩支部と協働しているが、参加費や名簿、保険、配布資料等をどうするかなど各支部によって異なるので調整に苦労することも多いが、今後も交流を図っていきたい。

(日本野鳥の会群馬)
 2014年の探鳥会は110回開催し、参加人数はのべ2,000人弱。3,000人が目標だが、現状は1回の探鳥会に20人の参加なので回数を増やす工夫をしないと達成は難しい。毎月第1日曜日に4分会で探鳥会が重複しており、1回あたりの参加者数の伸び悩み要因にもなっている。
 会ののぼり旗を作成した。初めて探鳥会に参加する人にも受付場所がすぐ分かり、イベント活動でもひろく活用している。デザイン等は会内部で行ったので、ポール等を含めて1本当たり3,000円程度で作成できた。

(日本野鳥の会茨城県)
 普及部関係では、2014年の探鳥会は131回実施し、参加人数は2,178人。平成23年から徐々に参加人数が増加している。久慈川河口が出現種62種と1番多かった。参加人数が多いのは5月の浮島で44名である。
 環境計画部関係では、涸沼がラムサール条約の登録湿地に5月に登録された。同地のアシ原はオオセッカやヨシゴイの繁殖場所になっているが、太陽光発電用地としての転売目的と思われる民間所有の場所があり、繁殖時期前にアシを刈ってしまう事態が起きている。
平成26年度十大(重大)ニュースについても紹介した。

(日本野鳥の会栃木)
 リーダー研修会を9月26日(土)〜27日(日)開催した。参加者数は23名。グループワーク「目指すべき探鳥会リーダー像とは」、「探鳥会リーダーの手引き(案)」の検討、情報交換、「探鳥会の工夫、困っていること、やってみたい新企画」、リスクマネジメント講習、実習「救急救助法」。どのプログラムについても、参加者の満足度が高く、今後につながる内容であった。今後は年1回の開催を目指す。
 探鳥会リーダー間の共通認識を図り、探鳥会の安全かつ円滑な運営を行うため、探鳥会の基本的な進め方を明文化した「探鳥会リーダーの手引き」を作成中。
 初心者向け「ビギナー探鳥会」を2000年度から開催しているが、参加人数は増えていないことが課題になっている。今年度は回数・場所を増やして10ヵ所で計10回開催予定。
 若者向け「ユース探鳥会」と「ユース交流会」は2014年度から開催しているが、若い人がいないので苦戦している。地元の大学サークルと共同で開催している。今年度は観察会を6回、交流会を6回開催する。
 「栃木の野鳥図鑑」と「栃木の探鳥地ガイド」の2冊を発行した。
 「渡良瀬遊水地におけるワシタカカウント」を2016年2月7日に開催する。各支部においては、参加の呼びかけ協力をお願いしたい。

(日本野鳥の会吾妻)
 創立以来50年。会員123人。5月に白根山芳ケ平湿原がラムサール条約登録された。会報「きくいただき」を年1回5月に発行した(今年42号)。
 探鳥会は年間19回予定、平均参加者は15名であった。特徴ある探鳥会は、早朝5時集合の榛名山探鳥会と会発足から4月29日に開催し続けている北軽井沢探鳥会。
 写真展を5月に東吾妻町、11月に中之条町で開催した。また、観察指導は、北毛青少年自然の家の研修者、及び四万温泉への来客に温泉組合と協賛で実施した。
 当会50周年記念行事として、北軽井沢記念探鳥会を2016年4月29日に開催する。記念誌の発行に際して、本部より祝辞の寄稿をお願いしたい。
 懸案事項として、毎年6月頃行われている四万温泉〜草津温泉間のトレイルランがあり、野鳥の営巣に悪影響を与えないか懸念している。来年も3回目が開催される予定。
 ワシタカの渡り調査を続けてきた場所にメガソーラーができて観察がしにくくなった。今年は天文台に場所を変更したが、ここも問題ありの可能性がある。

(日本野鳥の会埼玉)
 2014年11月16日に会員を増やすための探鳥会をさいたま市見沼自然公園で開催した。参加者13名、お試し入会1名、これをきっかけに事前に入会申し込みをした人1名、入会意向1名。
 2015年3月、さいたま市発行『見沼田んぼ見どころガイド2015』で「見沼田んぼの野鳥たち」を紹介。当初1万部印刷し、さらに1万部増刷になった。
 6月28日に2015年度第31回総会を開催。役員1名が退任、41名が留任、2名が新役員として選出された。その場で開催された役員会で12年間支部長・代表を務めた藤掛保司から海老原美夫に代表が交代し、新たな副代表として山部直喜を選出した。
 2014年度の探鳥会は110回開催(114回計画)、参加人数はのべ4,155人で1回平均37.8人となり、一昨年の開催回数および参加人数をともに上回った。
 9月5日にリーダー研修会を開催した。参加者は33名、うち新リーダーは5名、参観者:石亀氏(東京支部幹事)。模擬探鳥会を実施した。

(5)本部近況報告
@自然保護室(山本裕チーフ)
 全国鳥類繁殖分布調査は、バードリサーチ、日本野鳥の会、日本自然保護協会、日本鳥類標識協会、山階鳥類研究所、環境省生物多様性センターのNGOが中心となり、2016年から5年間かけて実施する。来年の調査開始に向けて調査地登録が始まっている。配布資料「全国鳥類繁殖分布調査 ニュースレター第2号」(8月13日)や、プロジェクターを用いて、過去の調査結果の内容が紹介された。調査は全国各地に設定されている2,300の調査ルートでの調査と参加者の普段の観察の情報収集の2つの方法で行う。当該調査のHPで調査参加の登録を募集中。
 Strix vol.31が発刊された。特集は、「風力発電と野鳥」である。また、三宅島のレンジャを務めていた自然保護室チーフの山本より三宅島へのバードウォッチングをお勧めしたいとのPRもあった。
A普及室(富岡室長、箱田室長代理、堀本室員)
 2015年度「会員を増やすための探鳥会」は関東ブロック所属の支部と近畿ブロック所属の支部に参加を呼びかけ、関東8支部、近畿4支部の計12支部と合計23回開催することになった。
 「小冊子プレゼントハガキ」の申込み時に連絡先をいただくことで、バードウォッチングに興味のある方のリストを集める事ができる。よって各支部で、ハガキを置いてもらえる店、施設、イベント等の紹介を呼びかけた。
 「第2回 探鳥会リーダーズフォーラム」が2016年1月30日〜31日に八王子セミナーハウスで開催されるので、積極的な参加申込を呼びかけた。
 商品の販売について。長靴は引き続き高い伸びを維持している。その他の商品も全体では2012年に底打ちし、増加傾向をたどっている。課題は支部卸で早期の底打ちを目指しているので、協力を呼びかけた。

(6)提案議題の協議・報告事項
議題1)若い会員を獲得するには
 茨城から若い人を獲得し、育てたいが、何か良い提案があれば教えてほしいという議題に対して、東京支部のヤング探鳥会の運営について紹介があった。埼玉から何か作業がある探鳥会は若い人が集まりやすくなると紹介。世代の違う人と話すことが社会に出た時にいい経験になることを伝える。また、奥多摩支部と神奈川支部からいきなり20代を増やすのではなく、まず30代・40代を増やすことが必要という意見があった。

議題2)ホームページの運用について
 埼玉から昨年10月にリニューアルしたHPについて紹介があった。会員数の減少とPCの普及率上昇とのあいだで相関関係がみられるように思うので、HP作成には考慮が必要かもしれない、短期的には探鳥会情報などが会員以外も入手容易になるので、HPによる情報公開は会員拡充にはデメリットになる面もあるが、長期的にみて会員増に結びつくような工夫が必要になるだろう、会員制度の多角化と一環として、会報の電子版導入も一考に値するだろう等の意見があった。

議題3)リーダーの資質向上について
 埼玉からリーダー研修会の内容について、プロジェクターを使って説明した。

報告1)羽田連絡道建設の現状
 神奈川支部から配布資料を用いて、現状と課題について説明があった。川崎市は建設予定地でのアセスメントを実施していない。多摩川河口干潟保全の署名は今年1月末時点1,000名、10月末で締めて集計中である。

(6)その他
 夕食後、懇親会が行われ、各支部及び財団での懇談と情報交換を行った。

11月1日(日)
伊佐沼周辺での探鳥会が開催された。
((普及室/植月 智子)

■中国・四国ブロック交流会報告■

●日時:2015年11月21日(土)〜22日(日)
●場所:ロイヤルガーデンホテル2階(徳島県阿南市)
●担当:日本野鳥の会徳島県支部
●参加者:日本野鳥の会広島県支部、日本野鳥の会山口県支部、日本野鳥の会香川県支部、日本野鳥の会愛媛、日本野鳥の会島根県支部、日本野鳥の会岡山県支部、NPO法人日本野鳥の会鳥取県支部、日本野鳥の会高知支部、日本野鳥の会徳島県支部、興和光学株式会社、NPOコウノリ湿地ネット、一般市民、財団事務局から75名の出席があった。
 財団事務局からは、上田副会長、遠藤常務理事、葉山自然保護室長、箱田普及室長代理、堀本普及室員が出席した。

●議事:
 21日は一般市民も参加する中で講演会が行われ、その後支部長会議、懇親会を行った。22日はエクスカーションとして、出島野鳥園コースと吉野川河口コースに分かれて探鳥した。

(21日)
<講演会> 14:00〜17:15
(開会のご挨拶)
・三宅武氏(日本野鳥の会徳島県支部 支部長)
 阿南市生物多様性ホットスポットに出島野鳥園が選定されたことや、阿南市のコウノトリの状況を交え、徳島の地を見ながらの2日間をよろしくお願いしたいと挨拶があった。
・遠藤孝一氏(財団常務理事)
 開催への祝辞と一般市民に向けた日本野鳥の会の紹介とともに、実りある会となることを祈念する挨拶があった。
(第一部 特別講演)
「鳥が造った自然界」 上田恵介氏(財団副会長)
 花や実がきれいな理由や昆虫の多様性について、送粉者や捕食者である鳥と共進化の視点から講演された。
(第二部 講演)
「コウノトリの生息環境再生へ -市民の役割-」 佐竹節夫氏(NPOコウノリ湿地ネット代表)
 豊岡市におけるコウノトリを中心としたまちづくりについて紹介され、阿南市でコウノトリをきっかけに、環境再生が進むことへの期待が述べられた。
(第三部 那賀川出島野鳥園開設20周年記念講演1) 
「生物多様性ホットスポット-出島湿原保存運動を振り返って-」曽良寛武氏(日本野鳥の会徳島県支部)
 1986年から始まった出島湿原保存運動の歴史と現在の管理体制や支部の関わりについて紹介された。
(第三部 那賀川出島野鳥園開設20周年記念講演 2)
「生物多様性ホットスポット -出島野鳥園のとりたち-」 宮本勇氏(日本野鳥の会徳島県支部)
 自宅が出島野鳥園に近く、ほぼ毎日通っているという宮本氏より、自身が撮影した写真を使い、サンカノゴイなど野鳥園で見られる野鳥が紹介された。

<支部長会議> 17:30〜18:00
 財団事務局の遠藤常務理事より、今年夏に公益財団法人になって初めての内閣府の立入があり、順調に運営していると評価されたこと、今年度は寄付等が多くなったことや物販が好調なことなどが述べられた。
 同自然保護室の葉山室長より、来年度から始まる第3回全国鳥類繁殖分布調査に支部の協力をお願いしたいと述べられた。
 同普及室の箱田室長代理より、入会促進につなげるため、支部の活動エリア内でミニミニ野鳥図鑑プレゼントを設置できる場所があれば教えてほしいと述べられた。また1月30- 31日に開催される探鳥会リーダーズフォーラムへの参加依頼があった。
 次回の中国・四国ブロック交流会について、日本野鳥の会高知支部が担当することが確認された。

<懇親会> 18:30〜
 懇親会では、各団体からの自己紹介や活動紹介の場があり、続く二次会も含めて情報交換や親睦を深める場となった。

(22日)
<エクスカーション> 8:30〜14:00
 出島野鳥園コースでは、出島野鳥園での観察の後、吉野川河口に移動し、ミユビシギやダイゼンを観察、最後にコウノトリ特別保護区の鳴門市大麻地区へ行き、採餌する2羽を観察した。


▲出島野鳥園での観察会風景

(普及室/堀本 理華)

事務局からのお知らせなど

■普及室より

■1月号『フィールドガイド日本の野鳥』増補改訂新版の取り組み■

◇アカゲラが増えている?
 昨年、新たに佐渡島鳥類目録を発行された佐渡支部の方から、前回話題にしたアオジの生息状況について、改めてご教示いただきました。要約すると、海岸に近いアカマツとニセアカシアの混交林で4〜8月までさえずる個体が観察されていて、巣やひなは未発見であるものの、数つがいが繁殖しているらしいとのこと。アオジが多く観察されるのは春で、秋や冬は少ないそうですが、島全体では1年を通して観察されるようになってきたので留鳥と呼べなくもないし、夏鳥や冬鳥として移動しているものがいるかも知れません。
 旅鳥として考えた場合、春に多くて秋に少ないということは、何故でしょう? ちなみに、『鳥類アトラス』(山階鳥類研究所が標識調査の結果をまとめて2002年に発行)によると、アオジの815例の回収記録のうち、95%以上が秋のようです。春は繁殖のために北上する個体が多いはずですが、佐渡から目指すのは東北や北海道か?大陸なのか? また、広い越冬分布域(本州以南、南西諸島や中国南部まで含む)のどこから来ているのでしょう?
 佐渡支部の方によると佐渡島の目録では、ヒヨドリを留鳥とはしたものの、これも悩ましいそうです。春と秋に、何百、何千羽もが通過していくが、どのような移動をしているか、よくわからないとのことでした。さらに、オオアカゲラが減って、アカゲラが増えているような動向もご教示いただきました。
 佐渡島と同じ日本海側の隠岐諸島にはオオアカゲラが分布しており、新版の分布図では、ともに一年を通して見られる茶色を着色しました。佐渡にはほとんどいないアオゲラ、コゲラが隠岐では少なくないらしいことも興味深いのですが、アカゲラは新版で参考文献とした佐渡島の前目録では稀な冬鳥とされていたので、新版の分布図では示しませんでした。ところが、新たな佐渡島の目録では留鳥として普通とされていて、2007年には繁殖も確認されているそうです。

◇キタツメナガか?シベリアツメナガか?
 新版に取り組む契機となった2012年の日本鳥類目録改訂第7版発行後も、Strixや鳥学会誌などで新たな記録が発表され続けていると、前回書きました。ルリオハチクイは新版でハチクイの類似種として書き加えたし、ハシブトゴイは絶滅した種として画像や解説を残していたのが幸いした次第ですが、最新の鳥学会誌、64巻2号(2015年10月発行)では、ブロンズトキやツメナガセキレイの一亜種(著者らによると、和名はロシアツメナガセキレイが適当と考えると記されている)の記録がありました。
 ツメナガセキレイに関しては、増補改訂版で削除した亜種を新版で復活させたことはお気づきでしょうか? 増補版までは、亜種シベリアツメナガセキレイが図版も含めて紹介されていました。が、この観察や識別について疑問視する見解があったことや当時の目録6版には掲載されていなかったことなどから、2007年、増補改訂版に取り組んだ際、削除しました。新版で再登場させたのは、その後の観察や目録7版での掲載に鑑みてのことです。
 ただし、渡部良樹さんが13亜種とも17亜種とも言われるツメナガセキレイの亜種の識別点を検討してくれたので、増補版までの解説は書き直しました。例えば、亜種キタツメナガセキレイは眉斑がないことで識別できるように書かれていましたが、小さいながら眉斑がある点で亜種シベリアツメナガセキレイに似た個体もいるそうです。そこで、眉斑の位置や、眉斑以外の識別点にも触れました。
 ただ、ツメナガセキレイの亜種の識別は雄夏羽について論じられることはあっても、雌や冬羽、幼鳥や若鳥などについては信頼できる記載が多くありません。
 例えば、雌夏羽とされる写真のほとんどが雄夏羽より地味に見えますが、すべての亜種がそうであるとの確証もないので、そのような傾向があると思われるという解説にとどめました。

◇何亜種いるのか?
 亜種については、十分研究されているわけではありません。分類には諸説あり、野外識別が難しいとされるものも少なくない中で、『フィールドガイド日本の野鳥』は、野外識別可能な亜種については掲載する方針でした。増補改訂版では、目録6版で亜種から種に変更されたウチヤマセンニュウやリュウキュウコノハズクを書き直したり、日本で複数の亜種が記録されている種は、種名の横にマークを表示するようにしました。オオヒシクイのように亜種が識別され、亜種名もよく使われるようになったものは紹介するように努めたし、和名では種名と亜種名の混乱があるので、亜種の和名は、解説文中では灰色文字にする工夫も試みました。
 新版では分類や亜種名を目録7版に準拠させる方針としながらも、目録7版とは違う見解(キジ、コガモ、クビワオオシロハラドリ、トラツグミ、オジロビタキなど)も紹介に努め、目録7版に掲載された全種、全亜種はリストにして、巻末に掲載しました。
 その最初のキジ目キジ科では、5種の中で4種が亜種に区分されています。亜種に区分されていないのはウズラだけですが、エゾライチョウとライチョウは日本では1亜種だけなので、解説頁では種名の横に亜種マークはありません。ここでは種名ライチョウの下に亜種名ライチョウがあるので、日本以外に亜種ライチョウ以外の亜種がいることがわかります。
 以前述べたように(2015年2月号)、亜種名の右に主な分布を表すようにしましたが、目録7版で要検討とされたものには「?」を示してあります。例えば亜種キジで「?本(北)・佐」と記されているのは、亜種キジは本州北部と佐渡島に分布していることになっているが、検討を要するという意味です。
 参考までに目録7版に掲載された633種のうち、亜種に区分されない種をカウントしてみたら286種になりました。つまり、半数以上の種は亜種に区分されていることになりますが、ライチョウのように日本では1亜種のみという種は217種でした。また、亜種不明として種が掲載された種は27種に及び、種子島のコゲラなど留鳥とされながら亜種不明という例、キジやヤマドリの亜種のように分布を含め検討を要する例、さらにシマハヤブサなどの絶滅したとされる亜種もあります。目録6版で絶滅とされたダイトウウグイスが目録7版で復活した例(2015年2月号)もあり、日本で何亜種になるのか?は簡単に答えられません。


©谷口高司
▲今回は、新版で谷口高司さんに追加していただいたキヅタアメリカムシクイ(若鳥)の画像を紹介します。目録7版では本種の2010年1〜4月の記録をSetophaga coronata coronatatと掲載しており、亜種まで同定しています。学名は属名と種小名の2つで種を表し、さらに亜種小名で亜種を表します(新版では、亜種小名を灰色文字で示す工夫をしてみました)。

(普及室/安西 英明)

■ワイルドバード・カレンダー2017 写真募集中■

 当会オリジナルカレンダー「ワイルドバード・カレンダー2017」に掲載する写真を募集しております。応募締切は、2016年3月31日です。デジタルデータにつきましては、ホームページ上からご応募を受け付けております。詳細は応募要項でご確認ください。応募要項は、当会ホームページで公開中のほか、ご希望の方へは 郵送もいたします。
 皆様の力作をお待ちしております。

●応募要項のホームページ
http://www.wbsj.org/goods/calendar/

※会HPトップページ の「おしらせ」欄、又は、トップページ> ショッピング >商品のご案内> オリジナルカレンダーのページの、「ワイルドバード・カレンダー2017写真募集」をご覧ください。

●お問い合わせ、応募要項のご請求
普及室 販売出版グループまでお願いします。
E-mail:birdshop @wbsj.org
TEL:03-5436-2626

(普及室/江面 康子)


■自然保護室より

■平成27年度ナベヅル・マナヅルの全国飛来状況調査を実施します■

 自然保護室では、ナベヅル、マナヅルの越冬の集中化対策のため、飛来実績のある地域と協力して越冬地を増やす活動を進めています。その基礎データとして、毎年連携団体の皆さまや各地の観察者、自治体等にご協力いただき、国内の飛来情報を収集しています。
 今年度も環境省事業の一環として実施することになりました。今季は四国地方で多数のナベヅルが確認されています。ナベヅル、マナヅルをはじめツル類を確認した場合は、是非情報をお寄せください。
【対象期間】2015年10月〜2016年2月頃
【対象地域】鹿児島県出水市以外の全国
【調査項目】
@確認場所(地名まで)
Aツルの種類
B個体数(成鳥、幼鳥の内訳)
C観察期間
Dツルが利用していた環境
(例:水田、耕作放棄地、河川等)
E採食内容(確認できた場合)
Fねぐらの場所及び環境
G生息を脅かす要因
Hその他(情報提供者の氏名や報道記事等)
 ※可能な範囲で
I確認場所の詳細情報の公開可否
(調査結果は4月以降に報告書に掲載します)
 ※専用の調査用紙をご希望の方は、下記までご連絡ください。
【募集期間】2015年2月末まで
 ※報告書へ掲載する都合上、2月末に〆切とさせていただきますが、以降も飛来情報があれば是非ご連絡ください。
【ご送付・お問合せ先】自然保護室 伊藤加奈
E-mail:[email protected]
TEL:03-5436-2633 FAX 03-5436-2635


▲飛翔するナベヅル

総務室より

■連携団体全国総会報告■

●日時:2015年11月7日(土)〜8日(日)
●会場:クロスウェーブ幕張(千葉県千葉市)
●参加者:90名(連携団体48名、財団42名)
●スケジュール
≪11月7日(土)≫
13:00 開会宣言(遠藤孝一常務理事)
13:05 開会挨拶(柳生博会長)
13:15 出席評議員・役員紹介(遠藤孝一常務理事)
13:20〜
【講演】
1「自然エネルギーの現状と課題」(NPO法人環境エネルギー政策研究所/松原弘道)
2「鳥類学の最前線〜カッコウ類と宿主の進化的攻防戦」(立教大学理学部教授・評議員・副会長/上田恵介)

【財団事務局からの報告】
1「全国鳥類繁殖分布調査」(自然保護室/葉山政治)
2「支部と財団事務局の連携〜裾野を広げた普及活動へ〜」(普及室/堀本理華)
3「保全プロジェクト推進室が進める希少種保護」(保全プロジェクト推進室/田尻浩伸、手嶋洋子、竹前朝子)

【ブロックからの報告】
1「関東ブロック協議会の概要報告」(埼玉/海老原美夫)

【連携団体からの質問】
1「支部役員の資格」(筑後支部/松富士将和)

【連携団体からの報告・提案】
1,資料配布のみ
1)「入会のハードルになっているものは?」(京都支部/寺田綾乃)
2)「日本野鳥の会群馬の活動エンブレム『のぼり旗』の制作」(群馬/田澤一郎)
2,報告・提案
1)「日本野鳥の会創立80周年記念善福寺公園探鳥会実施報告」(東京/西村眞一)
15:30 終了
18:00 懇親会

≪11月8日(日)≫
6:30 早朝探鳥会
9:00〜
【連携団体からの報告・提案】(続き)
2)「根室地方と十勝地方におけるシマフクロウ生息地保全活動について」(十勝支部/室瀬秋宏)
3)「葛西臨海公園オリンピック問題の現状報告」(東京/飯田陳也)
4)「多摩川河口の羽田連絡道路」、「野鳥の識別から野鳥の行動観察へのシフトをしよう」(神奈川支部/石井隆)
5)「京都支部改革 この2年間の取り組み」(京都支部/西村克之、寺田綾乃)
6)「大阪支部の活動内容」(大阪支部/橋本正弘)
7)「兵庫県における違法飼養の現状と課題」(ひょうご/堺明生)
8)「ベニアジサシの今年度の営巣状況と、ブッポウソウの2年連続の飛来・営巣・巣立について」
  (筑後支部/松富士将和)
11:40 全体総括・閉会挨拶(佐藤仁志理事長)
11:50 集合写真
12:00 解散

●記録
≪11月7日 1日目≫
 午後1時、遠藤孝一常務理事の開会宣言により、平成27年度連携団体全国総会が開幕した。
 柳生博会長の開会挨拶、出席評議員及び役員紹介に続き、記念講演が開始された。


▲連携団体全国総会への思いを語る柳生博会長

【記念講演】
1「自然エネルギーの現状と課題」(NPO法人環境エネルギー政策研究所/松原弘道)
 世界のエネルギー供給量は、産業革命以降急増、その結果、8割以上を占める化石燃料は、すでに生産が供給に追い付かない状況にあり、今後、値段の高騰や、環境に悪影響を及ぼすものを使うなどの問題が出てくるおそれがある。これからは、エネルギー消費を減らし、化石燃料から自然エネルギーの割合を増やす努力が必要である。
 そのほとんどを輸入に頼っている日本でも化石燃料は8割を超えており、その結果原子力政策を進めてきたが、東日本大震災以降、原子力発電が停止され昨年度の稼働は0となった。世界的には、チェルノブイリなどの大事故を経て、原子力の発電量は減っているが、中国をはじめとしたアジア諸国では増加傾向にある。今後のエネルギー政策を考える上で、原発・気候変動・化石燃料の限界と制約を考慮する必要があるが、自然エネルギーにはもっと注目すべきである。
 日本の自然エネルギーの発電量は1990年以降10%前後で推移しているが、世界では22.8%に上る。太陽光発電は、住宅用がほとんどであったが、2012年以降、事業用の導入が進んでおり、導入量では世界第2位となっている。残念ながら、風力発電では中国、米国及び欧州に大きく遅れているが、環境アセスメントに時間がかかりすぎることが原因としてあげられる。これからは、環境アセスメントに要する時間を短縮するようにしなければならない。また、地熱発電にも同様の問題がある。小水力発電はダムを使わずに川の流れを利用するものでるが、権利問題が未解決である。自然エネルギーを推進するための課題は多いが、電力自由化、発送配電分離などの「電力システム改革」が進んでいる今、地域金融、地域企業、市民で作り上げる、地域主導の自然エネルギー政策を進める動きがあり、課題解決の糸口になることを期待している。持続可能なエネルギー供給実現に向け、気候変動、化石燃料、自然エネルギーなどを知る努力、またセミナーやシンポジウム、地域の活動などへの参加などが必要と考える。

2「鳥類学の最前線〜カッコウ類と宿主の進化的攻防戦」(立教大学理学部教授・評議員・副会長/上田恵介)
 カッコウの托卵習性は紀元前300年ごろから知られており、ヨーロッパでは、2000以上の論文が発表されるなど研究が進んでいる。托卵が進化と考えると、多くの野鳥が行うと考えられるが、托卵をするのはほんの1%程度に過ぎない。北米の托卵鳥の代表コウウチョウ、仮親のヒナを鋭いくちばしで殺してしまうミツオシエ、カモの仲間では唯一托卵をするズグロガモなどがよく知られている。
 托卵の大きな問題は、仮親は他の種の卵を育てるだけでは、自分のDNAを残せない、種の存続が危ぶまれるということである。しかし、一方的ではなく、寄生する側と宿主となる側の攻防がある。例えば、モズの場合、巣の近くにいるカッコウを攻撃したり、カッコウの卵を排除するようになったりする。カッコウは卵が排除されないように色に変化をつけたりする。
 また、カッコウは、宿主転換することがある。カッコウの卵には線状紋があるものが多い。ホオジロにもこの線状紋がある。これはホオジロに托卵していたことの名残りと考えられる。攻防の末、ホオジロが勝利したのであろう。進化は偶然の繰り返しの結果である。
 ホトトギスはほとんどがウグイスに托卵する。この戦いは万葉集にも記載されており、1300年前からこの関係は続いている。これは、ウグイスの繁殖開始時期が早く、ホトトギスが渡ってくる前に1回目の繁殖が成功しており、2回目、3回目の繁殖で托卵されても種の存続が危ぶまれる事はないからであろう。
 ジュウイチは、オオルリ、コルリなどオスが青くて地面に近いところに巣を作る種に托卵することが多い。
 ホトトギスやジュウイチなど寄生した種のヒナは宿主の親鳥より大きく、一羽分の餌では十分に育つことができない。ヒナはこの問題にどのような対策をしているのか。カッコウの場合、大きい声と声を発する間隔を短くして、ヒナの数が多いように偽装している。ジュウイチの場合は翼角をくちばしだと錯覚させ、ヒナの数を多く見せている。カッコウ類と宿主の興味深い研究はまだまだ続いている。

【財団事務局からの報告】
1「全国鳥類繁殖分布調査」(自然保護室/葉山政治)
 「全国鳥類繁殖分布調査」が2016年からスタートする。この調査は、鳥類の増減が分かることで、保護政策に活用することができる。連携団体単位でも、個人でも参加できるので、一人でも多くの参加をお願いしたい。
 石部評議員から、若い方に参加してほしい、また全国組織である日本野鳥の会の力を見せる機会にしてほしいとのコメントがされた。

2「支部と財団事務局の連携〜裾野を広げた普及活動へ〜」(普及室 堀本理華)
財団では、バードウォッチングの楽しみを伝えるための小冊子を制作し、新聞などで告知し小冊子の申込者を募ってきた。申込者には、販売カタログとともに「探鳥会の案内」などの情報を継続的に送り、イベントへの参加、グッズ購入や寄付を訴求、そして入会に繋げるようにしてきた。この積み重ねがここ数年実を結び成果が見えてきた。とはいえ、新聞などマスコミにたよる告知には波があるため、小冊子プレゼントハガキを作成し施設などに設置し申込者を募る方法もとってきており、今年度は日本野鳥の会栃木の協力で設置拠点拡大を図ったところ、栃木県からの申込者が増えた。今後、他の連携団体の協力も得て、各連携団体の探鳥会への参加につなげたい。また、初心者のための探鳥会、そのためのリーダー研修会の実施などを一緒に実施していきたい。

3「保全プロジェクト推進室が進める希少種保護」(保全プロジェクト推進室/田尻浩伸、手嶋洋子、竹前朝子)
 北海道で進めているタンチョウ、シマフクロウの保護について、タンチョウは昨年の一斉調査で1,500羽に増えてきており、今後は土地購入から分散先確保、自然採食地の維持管理等を主に進めていく。シマフクロウは、森林作りとともに給餌、巣箱設置を進めている。日本製紙社有林をシマフクロウのために、活用する覚書を締結した。覚書締結にあたりヤマハや富士通の協力もいただいた。
 伊豆諸島を中心に保護活動を進めているアカコッコ、カンムリウミスズメについて、アカコッコは、個体数回復のため、営巣場所、採食地の確保を目的に、環境管理のための生態調査を地元住民の協力で管理ができるように進めている。カンムリウミスズメは、繁殖地の調査や保護区指定への働きかけ、人工巣を設置し営巣地の増加を進めている。

【ブロックからの報告】
1「関東ブロック協議会の概況報告」(日本野鳥の会埼玉代表 海老原美夫)
 2015年10月31日(土)〜11月1日(日)、川越市伊佐沼で、本部から6名、次回幹事の奥多摩支部から13名、10団体50名の参加を得て開催された。1日目、各団体の近況報告や、「若い会員を獲得するには」「ホームページの運用について」「リーダーの資質向上について」「多摩川河口干潟羽田連絡道路建設の現状」などについて意見交換をし、2日目は探鳥会を開催し協議会を終了した。

【連携団体からの質問】
1「支部役員の資格」
 日本野鳥の会筑後支部から「支部役員になるには、本部会員である必要があるかどうか」との質問に、佐藤仁志理事長より、連携団体認定基準細則第2条で連携団体の構成員については「原則として、本会の会員によって構成され、会員の種別は本会会員規程に適合していること」との規定はあるが、特に支部役員に関する規定はないとの回答がされた。

【連携団体からの報告・提案】
1,資料配布のみ
@「入会のハードルになっているものは?」(日本野鳥の会京都支部)
 京都支部寺田綾乃氏より、現在の入会案内パンフレットは会員の種類、支部の種類等の情報が多く分りにくいので、支部のみの入会情報を掲載した分りやすいチラシと振込用紙を作成したとの補足説明がされた。
A「日本野鳥の会群馬の活動エンブレム『のぼり旗』の制作」(日本野鳥の会群馬)
 群馬田澤一郎氏より「参加者募集中!」の文字を入れ、デザインは人目を引き、初めて参加する人にも探鳥会の受付場所が分かりやすく、また、何をしている団体かが分るようにしたとの補足説明がされた。

2,報告・提案
@「日本野鳥の会創立80周年記念善福寺公園探鳥会実施報告」(日本野鳥の会東京/西村眞一)
 日本野鳥の会創立80周年を記念して、2014年11月30日、日本野鳥の会創立者中西悟堂ゆかりの杉並区善福寺公園で実施した探鳥会の様子を、観察された野鳥の写真をもとに報告された。また、杉並区立郷土博物館分館西棟2階で開催されている「中西悟堂生誕120年 野鳥の父、中西悟堂をめぐる人々」の概要、展示会の図録についての紹介がされた。


▲各連携団体の情報共有の場となった懇親会の様子

≪11月8日 2日目≫
 6時30分から会場付近で、安西英明主席研究員を案内役として早朝探鳥会を開催した後、前日に引続き連携団体からの報告・提案を行う。

A「根室地方と十勝地方におけるシマフクロウ生息地保全活動について」(十勝支部/室瀬秋宏)
 楽天株式会社の助成金制度を活用し、十勝支部がシマフクロウ保護のための植樹活動をすることになった。植樹活動は北海道ブロックでも呼びかける予定である。また、十勝地方のシマフクロウ生息地に中国系資本によるソーラーパネル設置の動きがあり、これを阻止するため、予定地の買い上げを模索したが、販売価格が高騰したため断念、財団事務局に協力要請をしている。

B「葛西臨海公園オリンピック問題の現状報告」(東京/飯田陳也)
 葛西臨海公園オリンピック問題は、IOC、視察団来日への働きかけ、署名活動、テレビをはじめとしたマスコミ対応などにより一応の解決を見たように思われるが、葛西臨海公園のコンセプト「生きもの(自然)と触れ合える公園」が考慮されず、『公園の活性化』の名の下に西なぎさを海水浴場として復活、このまま海水浴場の常設化が進めば、西なぎさ海岸のコアジサシの営巣地の保護ができなくなり、また営巣地付近にドッグランの設置計画が進められるなど、多くの課題が残されている。

C「多摩川河口の羽田連絡道路」、「野鳥の識別から野鳥の行動観察へのシフトをしよう」(神奈川支部/石井隆)
 多摩川河口の羽田道路の連絡橋は、多摩川河口の中央部を横切る形で計画されており、シギ・チドリなどの野鳥の飛来に影響がある。この計画に対して、野鳥への影響が極力少なくなるように活動をしていきたい。10月31日に開催したシンポジウムには多くの方に参加していただき、大きな反響があった。
 また、神奈川支部が進めている野鳥の行動情報を加えた鳥類目録の説明がされ、今後は、他の連携団体とも連携していきたいと付け加えられた。

D「京都支部改革 この2年間の取り組み」(京都支部/西村克之・寺田綾乃)
 会員の減少による会費、活動費の減少対策として「会員拡大(特に若い世代を取り込む)」「経費削減による赤字体制からの脱却」「活動の活発化」を進めてきた。会員拡大対策として、一般向け探鳥会(ガールズ探鳥会、スチューデント探鳥会、親子探鳥会など)の開催、お試し会員制度、バードウォッチング未経験者を対象とした野鳥講座などを実施した。経費削減対策としては、支部報印刷方法の見直し、HPを充実し支部報(紙)の削減を図った。活動の活性化では、平日探鳥会、室内探鳥会の拡大、会員専用ウェブサイトの充実などに取り組んだ。この結果、大きな成果につながった。
 栃木の内田氏から、野鳥講座の広報はどうしているかとの質問に、京都新聞を利用した、新聞の効果が大きいとの回答があった。丸谷評議員から、会員専用サイトが充実することは会員になるメリットにつながるが、制作、管理はどうしているのかとの質問に、HP委員会を設け実施しているとの回答があった。富山の藤島氏から退会理由を分析することは重要だという意見が出され、現在はできていないが今後はしていく予定であるとの回答があった。

E「大阪支部の活動内容」(大阪支部/橋本正弘)
 大阪支部から、オオタカの種の保存法からの解除について、2000年、2001年は48番であったが現在は20番ほどに減った、また営巣放棄も増えている、オオタカが種の保存法から外れることは里山の自然への影響は大であり、別方向からの里山の保全対策が必要になる。また、2010年以降繁殖しなくなったチュウヒについて、草原保全の取り組みや、大阪湾のコアジサシの営巣について、その他、「むくどり通信」(大阪支部報)で、「死ぬまでバードウォッチング」特集を組み、若い方の会員促進と、定年前後の方の取り込みに注力していると報告された。

F「兵庫県における違法飼養の現状と課題」(ひょうご/堺明生)
 兵庫県には野鳥のリハビリ施設がなく、自営工場の2階を改造し傷病鳥や違法飼育で証拠品となった野鳥の世話をしているが、はやく野鳥のリハビリ体制を整えたい。また、証拠物件としての野鳥の取り扱いは不十分で施設に運ばれてくるまでに死んでしまうことが多い、また判決までは放鳥できないため、渡り鳥の場合、渡りの時期を逸してしまうこともあるなど、違法飼養で押収された野鳥に対する問題点が報告された。
 あおもりの関下氏から、青森県には傷病鳥対応の施設があるが他はどうかとの質問に、京都にはあるが、施設は土日が休みのため、京都の密漁対策連絡会が窓口になっており、そこから依頼がされることが多い。また、証拠物件は鑑定書のみでいいのではないかとの質問に、兵庫県では野鳥も必要であるとの回答があった。

G「ベニアジサシの今年度の営巣状況と、ブッポウソウの2年連続の飛来・営巣・巣立について」
(筑後支部/松富士将和)
 池田島のベニアジサシ調査について、今年は飛来数が少なく営巣しなかった。昨年、ブッポウソウが八女市矢部村のダムに20数年ぶりに飛来、営巣、巣立ちした。岡山県、広島県などの事例を参考に保護活動を検討している。そのほか、各方面からくる野鳥に関する相談・対応方法の連携団体内での情報共有、バードウォッチングウィークの広報などの課題をあげ、連携団体の結束を高めたいことが話された。
 筑後支部では、HP、SNSでの広報が十分でないので相談窓口があればよいがとの話に、佐藤仁志理事長が、財団で相談に乗ることはできる旨を伝えた。


▲恒例の参加者全員による集合写真

【閉会】
 佐藤仁志理事長より、連携団体全国総会という形式になって5年がたち、年々充実してきているが、未だ全連携団体の参加には至っていない、ブロック会議等で、参加されていない連携団体に参加を促してほしい、これからも連携団体の連携を深めていきたい旨の挨拶で閉会となった。
次回は、2016年11月12日(土)〜13日(日)、会場は今回と同じクロスウェーブ幕張で開催する。

(総務室/林山 雅子)

■平成27年度第3回評議員会(臨時)議事録■

1、開催日時 平成27年12月8日(火)午後4時00分〜午後5時25分

2、開催場所 当財団会議室
東京都品川区西五反田3−9−23丸和ビル3階

3、出席者
出席評議員 7名(評議員現在数 8名)
石井 隆
石部 久
上田 恵介
上原 治也
北白川 道久
原 剛
柳生 博

出席理事 8名(理事現在数 8名)
安西 英明
遠藤 孝一
狩野 清貴
佐久間 仁
佐藤 仁志
松田 道生
見田 元
吉田 新

出席監事 1名(監事現在数 2名)
上原 健

事務局
奥田 秋穂(総務室長)
五十嵐 真(総務室長代理)
林山 雅子(総務室員)

4、議長  柳生 博

5、議決事項
第1号議案 監事の辞任の件
第2号議案 理事の追加選任の件
第3号議案 監事の追加選任の件

6、議事の経過の要領及びその結果
 遠藤孝一常務理事が開会を宣言、その後、柳生博評議員長から挨拶があった。引続き、遠藤常務理事より、本評議員会は定款第22条の規定に定める定足数を満たしており、適法に成立している旨、報告があった。
 議事録署名人については、定款第24条の規定により、出席した評議員長及びその会議において選任された1人となっており、評議員長の他、石部久評議員が選任され、本人も承諾し、直ちに議案の審議に入った。


▲評議員会の様子

7、議決事項の審議
(1)第1号議案 監事辞任の件
 佐藤仁志理事長より、上原健監事から監事辞任届が提出されている旨説明があり、議長が下記の者の辞任について諮ったところ、出席評議員全員が異議なくこれを承認した。

監事 上原 健(辞任)

(2)第2号議案 理事追加選任の件
 佐藤理事長より、上原健氏を理事として推薦したい旨説明があり、議長が下記の者を提案し、賛否を諮ったところ、出席評議員全員がこれを承認した。また、上原健氏は就任を承諾した。

理事 上原 健(新任)

(3)第3号議案 監事追加選任の件
 佐藤理事長より、川村研治氏を監事として推薦したい旨説明があり、議長が下記の者を提案し、賛否を諮ったところ、出席評議員全員がこれを承認した。また、川村氏からは就任承諾書の提出があった。

監事 川村 研治(新任)

8、報告事項
(1)平成27年度補正予算の件
 佐藤理事長から、平成27年度補正予算について、物品販売事業及び寄付金収益が好調なことから、一般正味財産経常収益合計が当初予算に比べ49,643千円増、また、指定正味財産受取寄付金が好調なことから、正味財産期末残高が当初予算に比べ322,175千円増となる平成27年度補正予算について、資料に基づき報告された。
 なお、補正予算策定後も大口寄付の好調が続いており、決算が上振れすることも考えられること、また、大口寄付好調の背景には、高級老人ホームでのコンサート活動や三菱UFJ信託銀行OBのセールス活動が実を結んだ結果との報告がされた。

(2)平成28年度事業計画及び当初予算編成方針の件
 吉田新副理事長より、前年度同様に赤字予算を組まないこと、これまでは室ごとに事業をすすめることが多かったが、事務局一体となった事業とする平成28年度事業計画及び当初予算編成方針について、資料に基づき説明があった。また、今後の課題としては、職員の待遇改善、人材育成があると説明された。
 石部久評議員より、当会の長期的活動を考えた体制づくりのためにも、常勤理事、職員の待遇改善が必要であるという意見が出された。

(3)平成27年度第2回及び第3回理事会の結果の件
 佐藤理事長より、平成27年度第2回及び第3回理事会の結果について、資料に基づき報告があった。
 石井評議員から役員報酬に関して、定款では報酬基準を決めるのではなく上限基準を決めることになっているのかとの質問があり、奥田秋穂総務室長より「役員及び評議員の報酬等並びに費用に関する規程」の該当条文を紹介し回答した。

(4)当会の財務状況の件
 五十嵐真総務室長代理より、当会の財務状況について、平成26年度決算貸借対照表の主要科目の金額と構成比が示され、総資産の88%は野鳥保護区用地や特定預金などの固定的な資産が占めていること、総資産のうち負債は少なく財務状況は良好であること、平成27年度補正予算正味財産計算書(内訳表)では、収支相償及び公益目的事業比率基準を達成する見込みであることなどが説明された。また、公益法人認定後の正味財産額及び収益事業の推移及び各種の財務指標の状況から判断して当会の財務状況は健全であることが、スライドに基づき説明された。
 石井隆評議員から、平成27年度決算見込に関して、万が一、大口寄付金がなかった場合にも健全な財務状況と考えられるのかとの質問があり、五十嵐総務室長代理から、大口寄付がなかった場合は健全とは言えないが、小口及び中口寄付が堅調であること、複数の大口寄付があったこと、大口寄付は地道な活動が実を結んだ結果であることなどから、決して悲観的になる必要はないとの回答がされた。

 議長は以上をもって全部の報告を終了した旨を述べ、午後5時25分閉会を宣言し解散した。

 以上の議事を明確にするため、この議事録を作成し、議長及び議事録署名人がこれに記名押印する。

平成27年12月15日

公益財団法人 日本野鳥の会

議長 評議委員長  柳生 博

議事録署名人    石部 久

(総務室/林山 雅子)

■新理事・監事のご紹介■

 平成27年12月8日に開催された評議員会において、新しい理事と監事が誕生しましたのでお知らせします。なお、上原健氏は理事就任に伴い監事を辞任されました。

【新理事】上原健(うえはら たかし)
(トコロジストよこはま・あさひ代表)
任期は、平成29年の定時評議員会終結の時までです。

(就任ご挨拶)
 上原健です。かつて11年間、サンクチュアリ室、自然保護室に在籍していました。この度出戻って、再び日本野鳥の会の活動に携わることになりました。どうぞよろしくお願い致します。
 本会退職後は、民間の研修機関でISO14001(環境マネジメントシステムの国際規格)の審査員と環境プランナーという民間資格の研修に関わり、企業と企業人が環境問題への意識と取り組みをどう変化させているかを見てきました。ここ20年、企業の環境問題に対する理解は深まり、意識は大きく変わりました。そして、かつては環境問題を引き起こす張本人だった企業が、その社会的責任を果たすため環境問題に取り組むのは当然、という社会になったのですから”びっくりポン”です。
 野鳥をはじめとする自然界の生き物にとって、また、それらとの共存共栄を願う人たちにとって望ましい社会を実現する。それが本会の変わらぬ理念だと思いますが、世の中がどんどん変化する世の中では本会自体も変わっていかなければなりません。そのために私も多くの方とコミュニケーションを深め、どんどんアイデアを出していきたいと思います。

【新監事】川村研治(かわむら けんじ)
(公益財団法人日本環境教会教育事業部長)
任期は、平成31年の定時評議員会終結の時までです。

(就任ご挨拶)
 このたび、公益財団法人日本野鳥の会の監事に就任いたしました。
 公益財団法人の監事は、組織の社会的信頼を担保する重要な役職であり、組織が法令等を遵守し、本来のミッションである野鳥及び自然環境の保護・保全、多くの人と野鳥や自然と触れあうことの喜びを共有すること、自然を学び・自然を守る人の輪を育てることに力を注げるよう、裏方として会の運営に責任を負うものです。
 私は、1985年から1996年に至る約10年間を日本野鳥の会の職員として自然保護・環境教育に従事し、2011年から今に至るまで教育事業部の部長という立場から公益法人の経営に近い業務にあたっていたとはいえ、私にとって初めて経験する役職です。
 新公益法人制度の勉強を始めることはもちろんのこと、会の役職員、支部の役員、会員、関係団体、関係行政機関、協賛・寄附等の関わりのある企業や団体・個人の方々…その他、会を取り巻くステークホルダーの方々の声に耳を傾けながら、職責を全うしたいと思っています。みなさまのご指導とご助力をよろしくお願い申し上げます。

【理事】
(五十音順)2015(平成27)年12月8日現在
理事長 :佐藤 仁志(日本野鳥の会島根県支部副支部長)
副理事長:吉田 新  (音楽コーディネーター)
常務理事:遠藤 孝一 (日本野鳥の会栃木副代表)
常務理事:佐久間 仁(日本野鳥の会佐賀県支部副支部長)
理事  :安西 英明(公益財団法人日本野鳥の会主席研究員)
上原 健(トコロジストよこはま・あさひ代表)
狩野 清貴(NPO自然観察指導員京都連絡会元代表)
松田 道生 (フリーランス(執筆業等))
見田 元(日本調剤株式会社常務取締役)

【監事】
(五十音順)2015(平成27)年12月8日現在
川村 研治(公益財団法人日本環境教会教育事業部長)
曽我 千文 (東京都職員)

(総務室/奥田 秋穂)

■支部名称・代表者・事務局等変更のお知らせ■

 今月は支部名称等の変更はありません。

(総務室/鈴木 美智子)

会員室より

■会員数■

 1月5日会員数35,891で、先月に比べ31人減少しました。12月の入会・退会者数の表をみますと、入会者数は退会者数より135人少なくなっています。会員の増減は入会者数と退会者数のほかに、会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活した人数によって決まります。12月の入会者数は166人で、前年同月の入会者175人に比べ9人減少しました。また、12月の退会者は296人で、前年同月の退会者331人に比べ35人減少しました。

表1. 12月の入会・退会者数

※会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活する方がいらっしゃるため、退会者数の年度累計は、実際の退会者数とずれた数字となります。このため、退会者数合計については年度末の集計後にお知らせいたします。

■都道府県および支部別会員数■
 野鳥誌贈呈者数を除いた数を掲載します。

表2 都道府県別の会員数(1月5日現在)

備考:不明は転居先が不明の会員を示します。

表3 支部別の会員数(1月5日現在)

備考:支部別の会員数の合計は、都道府県別の会員数の合計と異なります。
これは、本部型(青い鳥)会員や支部に所属されていない個人特別会員が支部別の会員数に含まれないためです。

(会員室/沖山展子)

■支部ネット担当より

 厳しい寒さが続いておりますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。いつも支部ネット通信をご愛読いただき、ありがとうございます。
 今月号には、関東ブロック会議、中国・四国ブロック交流会や、連携団体全国総会の報告を掲載しており、支部の情報が満載です。ぜひ支部間の情報共有としてご活用下さい。
 今年も支部と財団の連携強化につながるよう、情報発信に努めて参りたいと思います。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

■支部ネット通信は支部の代表の方に電子メールでも配信をしています。電子メールでの配信を希望される支部の代表の方は下記メールアドレスまでお気軽にお申し込みください。

支部ネット通信 第142号
◆発行
公益財団法人日本野鳥の会 2016年1月26日
◆担当
総務室 総務グループ
奥田秋穂/林山雅子
〒141-0031
東京都品川区西五反田3-9-23
丸和ビル
TEL:03-5436-2620
FAX:03-5436-2635
E-mail:[email protected]