No.143 2016年02月号


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目次 ◆支部の動き
支部報保護・調査記事関連トピックス
◆ブロックからのお知らせなど
中部ブロック会議報告
◆事務局からのお知らせなど
2月号『フィールドガイド日本の野鳥』
 増補改訂新版の取り組み

風力発電と野鳥の脆弱性マップ作り検討会を
 開催します

平成27年度第4回理事会(定例)議事録
支部名称・代表者・事務局等変更のお知らせ
会員数

支部の動き

■支部報保護・調査記事関連トピックス■

 本記事は日本野鳥の会へ送付されてきている各地の支部報/会報から抽出して作成し、調査・保護に関心がある野鳥の会の会員へ配信しております。本記事の一部又は全部を不特定多数が見る可能性があるところへ公開される場合は、各支部/各会の了承を事前に得て下さい。記事は筆者の意向に反しないように、取り扱いをお願いします。

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.780

●2015/11 千葉県
・シジュウカラガン顛末記
・大型カモメ類
・ニホンザル、ライチョウを捕食(9/1 朝日新聞)
・ライチョウ保護手探り(9/7 日本経済新聞)
●2015/11-12 島根県
・2015年秋飯梨川のシギ・チドリ
●2015/11-12 愛媛
・コマドリの現状
・佐田岬ハチクマの渡り観察会
●2015/11 筑豊
・探鳥会におけるリスクマネジメント(編集部)
・ヌマアジサシ類
・ヨシガモの鳴声
・野鳥の好む色(編集部)

●2015/11 千葉県
・シジュウカラガン顛末記
 2014/12/17我孫子市の古利根沼近くで1羽を見る。年明けの3月にはカメラマンが集まる。4/27午前に河川敷ゴルフ場で見たのが最後であった。2014/12/22の日本雁を保護する会調査では我国に飛来したシジュウカラガンは1,070羽を数えた(宮城県の化女沼に集中)。宮城県から飛来した個体か不明。
(千葉県「ほおじろ」NO.415,P3〜5)

・大型カモメ類
 中型のウミネコは8月中旬に千葉県に飛来する。大型カモメ類ではオオセグロカモメは8月、ニシセグロカモメ、キアシセグロカモメは9月末〜10月中旬、セグロカモメは10月下旬に渡来する。大型カモメ類は秋から冬にかけて真っ白な夏羽の頭が冬羽斑になり、焦茶色に退色した初列風切は脱落し、黒く先端部に白斑を持つ新羽に生え換わる。換羽時期はオオセグロカモメ、キアシセグロカモメ、セグロカモメ、ニシセグロカモメの順で、ニシセグロカモメでは3月でも換羽完了していないものもいる。
(千葉県「ほおじろ」NO.415,P6)

・ニホンザル、ライチョウを捕食 (9/1 朝日新聞)
 8/31ライチョウの研究者、中村浩志信州大名誉教授は北アルプスでニホンザルがライチョウの雛を捕食する画像(8/25、東天井岳で撮影)を発表した。ニホンザルが高山まで生息域を広げ、登山者からは既にライチョウが捕食されている実態が報告されている。同教授は今後、サルが集団でライチョウを襲う可能性が高まったと言う。9月アイスランドでの国際ライチョウシンポジウムで報告する。
(千葉県「ほおじろ」NO.415,P12)

・ライチョウ保護手探り (9/7 日本経済新聞)
 生息数2千羽弱になったライチョウを国や動物園が個体数回復に乗り出したが、飼育中の雛が突然死し、険しい予想にある。6月、乗鞍岳で卵10個採取し、9羽が孵化した。8/27〜9/6上野動物園では生後2箇月の雛5羽が全滅した。富山市ファミリーパークでは1羽は孵化後死んだが3羽が育っている。2010年から国内6施設にノルウェーの亜種を輸入し、人工飼育の準備をしていた。
(千葉県「ほおじろ」NO.415,P12〜13)

●2015/11-12 島根県
・2015年秋飯梨川のシギ・チドリ
 8/2〜9/Eに調査した。個体数が最大は9/3の72羽で内訳はタカブシギ20、トウネン15、イソシギ12、メダイチドリ5、オバシギ4、ソリハシシギ3、アオアシシギ2、クサシギ2、キアシシギ2、エリマキシギ2、ダイゼン、シロチドリ、コアオアシシギ、ウズラシギ、ハマシギ以上各1。チュウシャクシギは8/19、13羽が通過。
(島根県「スペキュラム」NO.168,P2)

●2015/11-12 愛媛
・コマドリの現状
 コマドリはS45年に愛媛県の鳥に指定され、嘗ては石鎚山のコマドリは声が良く石鎚駒として知られていた。約20年前は71個体が確認されたが、今年は9個体に減っている。愛媛県ではコマドリの生息地は標高1,300m以上のブナ林の尾根で、その環境に変化が無く激減の原因は不明である。
(愛媛「コマドリ」NO.229,P2)

・佐田岬ハチクマの渡り観察会
 9/22、9〜15時 伊方町権現山で観察した。通過数はハチクマ242、サシバ82、ノスリ21、ハイタカ3、オオタカ2であった。ピークは10時台で9〜13時に大半が通過した。
(愛媛「コマドリ」NO.229,P7)

●2015/11 筑豊
・探鳥会におけるリスクマネジメント (編集部)
 自然保護という社会的使命のもと、善意に基づいた活動では不測の事態を起こした場合、刑事事件としては免訴になるのが一般的であるが、刑事事件として起訴される事もある。ボランティア活動では民事事件として起訴され処分される事例は多い。事故の被害者にも一定の瑕疵が認められる場合は過失相殺が認められる。責任が問われる点は下見不十分、注意伝達不適切、活動範囲不明確、監視体制不備、臨機応変の処置不備等。責任が問われない例は不可抗力、自己過失、不可避的なものに限定される。「事故に対し自己責任」明記は法的に有効ではない。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.456,P21〜24)

・ヌマアジサシ類
 日本で記録があるヌマアジサシ類はクロハラアジサシ、ハジロクロハラアジサシ、ハシグロクロハラアジサシの3種。最後の種は繁殖地が中央アジアで日本を通過するのは非常に珍しい。北中米には亜種アメリカハシグロクロハラアジサシがおり、日本でも過去数回記録がある。ヌマアジサシ類の特徴は淡水域を好み、昆虫も捕食する。採餌は水中に飛び込まず、上空から下降し、水面や地面を掠め取るようにするのが他のアジサシ類と異なる。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.456,P26〜28)

・ヨシガモの鳴声
 ヨシガモの鳴声の録音は少なく、唯一「日本野鳥大鑑・鳴き声420増補版」(蒲谷鶴彦、松田道生)のCDにある。これにはホイー、ホイーと鳴く声がある。私が録音した声にはこの声の合間にビルルルル・・・と金属片を振動させるような不思議な声があった。録音が4月上旬で繁殖期の♂の声とも考えられる。野鳥大鑑にヨシガモ♂はピリー、ピリー、又はピュルルと鳴くとある。ヨシガモの語源は大変美しいを意味する古語「いとおし」のおしからヨシになったが有力である。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.456,P30〜32)

・野鳥の好む色 (編集部)
 日本での実験結果:大豆、トウモロコシに色をつけて食べさせた実験では赤、黄、褐色が良く食べられ、黒、青、白は普通で、食べない色は緑、紫となった。植物の種子の果実の色は鳥たちの好みに合わせて進化したとされる。緑色の果実の種子は通常、昆虫により拡散されている。英国での車に落ちた鳥の糞を見ると、糞の被害の多い頻度は赤色の車、続いて青、黒、白、灰色(シルバー)の順になり、緑色の車は最も被害が少ない。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.456,P39)

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.781

●2015/9 十勝
・JTが助成金(6/8 十勝毎日新聞)
・2015年秋期の猛禽類渡り調査前半
・カンムリカイツブリ
・オオミズナギドリ(大水薙鳥)
・カンムリウミスズメ
●2015/11 大阪
・鳥の絵を描く楽しみ
・大阪のツバメねぐら調査2015
・カラスの枝落とし
・コウノトリ放鳥式典
・猛禽類保全は他の野鳥も守る
・オオタカ希少種解除へ
・阿呆の鳥飼(日本バードレスキュー協会)
・50歳以下の活動

●2015/9 十勝
・JTが助成金(6/8 十勝毎日新聞)
 日本たばこ産業(JT)は非営利団体の地域活動を支援する助成金を全国から237件の応募に対し42団体に贈与した。総額5,571万円で、十勝支部には約60万が5/27、贈与式で公布された。支部は毎年開催している小中学校生向けの野鳥観察会の費用に当てる。
(十勝「十勝野鳥だより」NO.189,P18)

・2015年秋期の猛禽類渡り調査前半
 9/5〜17、池田町で観察した。トビを除く9種の猛禽類が観察され、総計149羽を数えた。内訳はノスリ41、ハイタカ33、ハチクマ21、ツミ15、チゴハヤブサ12、ハイタカ属10、オオタカ8、オジロワシ6、チョウゲンボウ2、ハヤブサ1。トビの中には明らかに渡りもあり、オジロワシ、チゴハヤブサには定着している個体もカウントされている可能性がある。
(十勝「十勝野鳥だより」NO.189,P23〜24)

・カンムリカイツブリ
 カンムリカイツブリは3亜種に分かれ、世界で92〜140万羽程度とされる。アジア側での基亜種は過去数十年で個体数増加、分布拡大が見られる。日本ではこれは主に西日本で、2000年代以降、道東への分布拡大が示唆されている。現在、青森県、茨城県、滋賀県で少数が繁殖する。1990年代末には東京湾で3千羽を越す越冬個体が見られている。カンムリカイツブリは沿岸の浅い海岸を好み、アカエリカイツブリは外洋性である。
(十勝「十勝野鳥だより」NO.189,P32)

・オオミズナギドリ(大水薙鳥)
 西太平洋に分布し、日本近海の離島で繁殖する。国外では中国東部、朝鮮半島、ロシア沿海地方の離島で繁殖する。北海道では渡島大島で嘗ては30万羽が繁殖し、国の天然記念物であったが、絶滅寸前にある。非繁殖期には豪州、ニューギニア等の海域に移動し、日本で放鳥された個体はフィリピン周辺で多く回収される。総数数百万羽、内、百万番が日本周辺、主に御蔵島で繁殖する。御蔵島では営巣期、親鳥は2日未満及び4〜10日かけて採餌トリップをし、カタクチイワシ、サンマ、イカ類を獲り、半消化したストマックオイルとして雛に与える。
(十勝「十勝野鳥だより」NO.189,P34〜36)

・カンムリウミスズメ
 北の海を故郷とする種が多いウミスズメの中で、数少ない例外がカンムリウミスズメで、暖かい日本近海の黒潮で繁殖する固有種である。生息数は5千〜1万羽で、繁殖後、雛をつれて何処へ行くのか謎であった。近年、7〜10月、道東の太平洋で少なからず見る。沖合10q以上離れているため、その存在が知られていなかった。
(十勝「十勝野鳥だより」NO.189,P39)

●2015/11 大阪
・鳥の絵を描く楽しみ
 日本ワイルドライフアート協会は野生生物を題材に絵を描く団体で、プロ、アマ合わせて全国に112名の会員がいる。入会には作品による審査に通る必要がある。素人が鳥の絵を描き始めるには谷口高司氏の「タマゴ式鳥絵」を勧める。
(大阪「むくどり通信」NO.240,P7)

・大阪のツバメねぐら調査2015
 支部が府内各地の環境団体に呼び掛け、協力を得て大阪府内6箇所のツバメの塒を調査した。総数は、昨年7箇所で72,150羽が今年は6箇所で65,120羽であった。内訳は高槻鵜殿4万、豊中赤坂下池1万2千、堺市美原区1万2千(新規)等。太田町防災溜池1万、堺市休耕田8千は今年は利用されず。
(大阪「むくどり通信」NO.240,P10)

・カラスの枝落とし
 大阪ではハシブトガラスは秋から冬を中心に、繁殖に関係なく大量の木の枝を折って落とす。1990年代後半から見られ、大阪府内の公園ではクスノキの枝が大量に落ちているのを見る。その他ナンキンハゼ、クロガネモチでも見る。何れにもビークマーク(嘴の跡)がある。樹木には実が残っているが、落とされた枝には9割近く実が無くなっている。落ちた枝の実を食べるカラスを見ている。カラスは体重が重いので、枝先の実を採るため枝を折っているのでは。他県の情報ではこのような例は無いとあり、大阪府以外の情報を歓迎する。
(大阪「むくどり通信」NO.240,P11)

・コウノトリ放鳥式典
 7/23、千葉県野田市で幼鳥3羽がソフトリリースで放鳥された。放鳥後宮城県付近まで行き、1羽は伊豆大島を経て本州中部へ移動した。9/3韓国西部礼山で6羽がハードリリースで放鳥された。内2羽は兵庫県豊岡市から贈られた個体である。10/3福井県越前市で2羽が放鳥された。1971年、同地でコウノトリ1羽が保護され、2010/4、2羽が渡来し3箇月滞在した場所である。
(大阪「むくどり通信」NO.240,P13)

・猛禽類保全は他の野鳥も守る
 北海道大学によると、苫小牧26湿地の調査で、「チュウヒ繁殖成功率が高い湿地では小鳥類も巣立ち雛が多い」となった。
http://www.zaikei.co.jp/article/20150911/268277.html
鳥類を主に食べる猛禽類の生息地の周辺では餌となる鳥類の個体数が少なくなる事があるとある。
(大阪「むくどり通信」NO.240,P13)

・オオタカ希少種解除へ
 大阪府では2000年頃をピークにオオタカの繁殖番数は著しく減っている。
環境省の今後の動きは、
http://www.env.go.jp/nature/kisho/domestic/otaka.html
(大阪「むくどり通信」NO.240,P13)

・阿呆の鳥飼(日本バードレスキュー協会)
 内田百けん(間の日を月)の随筆集に「阿呆の鳥飼」(1993年)がある。これにはあらゆる鳥を飼う話が出てくる。ウグイスを各家に配して声を聞く「銘鶯会」の話、中西悟堂から小鳥の雛貰う話、野鳥の会の理念から見ればとんでもない内容であるが、空襲で鳥籠を持って逃げたとか戦前の野鳥と人の関係を知る興味ある本である。
(大阪「むくどり通信」NO.240,P21)

・50歳以下の活動
 支部はU50(50歳以下)の探鳥会、懇談会を4月より運営を始めた。
https://www.facebook.com/U50.osaka
(大阪「むくどり通信」NO.240,P21)

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.782

●2015/10-11 宮古
・チゴハヤブサの現状
・大煙突に集まるイワツバメ
●2015/11 茨城県
・民俗学からみた霞網猟
・10年越しで御用・オオタカの密猟
・コシアカツバメの珍しい事象
・いつくるの?いつまでいるの?(環境計画部)
・カモのお助け人 日鳥連会長賞受賞(事務局)
・牛久沼のカナダガン捕獲(事務局)
●2015/11 徳島県
・邦賀川町出島野鳥園(共存部)
●2015/11-12 広島県
・松永湾に飛来した標識鳥
・2015秋のシギ・チドリ渡り調査
・2015年7月カワウ調査
●2015/冬 鹿児島
・ナベコウ、シベリアセンニュウ観察

●2015/10-11 宮古
・チゴハヤブサの現状
 1954年、岩手県二戸市で本州初のチゴハヤブサの繁殖が確認された。現在、繁殖地は長野県まで南下している。盛岡市では寺社林のカラスの古巣を利用する事が多く、営巣木は杉が多く、サワラの例もある。今年は駅構内の人工物で繁殖、栗の木で繁殖、トラフズクの巣立ち後の巣を使う、通常の8月中旬から1箇月遅い巣立ちの例があった。
(宮古「ミサゴの海」NO.244,P3)

・大煙突に集まるイワツバメ
 宮古市にある高さ160mの煙突(現在使用されていない)に、9月末1千羽位のイワツバメ集団が旋回する。オオタカが襲うとイワツバメがモビングして追い払う。ここに集まるのは採餌、煙浴のためではない。1959年の山弘氏の観察、資料によると、顕著な地物を目標に、渡り途中で集合しているのではとある。
(宮古「ミサゴの海」NO.244,P4)

●2015/11 茨城県
・民俗学からみた霞網猟
 先日、「鳥の道を越えて」という記録映画を鑑賞した。霞網猟が盛んであった越前や加賀のトヤ(鳥屋)は映画の収録地岐阜県東濃地区からの出稼ぎ者が開いたもので、木曾谷から続く文化圏内であった。海無しの東濃地区では渡り鳥を貴重な蛋白源にしたのは自然の理であり、獲った野鳥を貧しさゆえ自家消費していた。その時点では立派な山村文化で、他所に出かけて網を張り、獲物を商品として出荷するようになった時点で、民族的な霞網猟文化は終わった。勿論、これは復活させるべきではない。
(茨城「ひばり」NO.328,P2)

・10年越しで御用・オオタカの密猟
 7月、石岡市の日本鳩レース協会国際委託某鳩舎の前に鳩を入れた鳥かごを置き、オオタカが来ると足をトラバサミで挟む仕組みが設置されていた。これは10年前から行われており、5年前には石岡署も現場に同行し、行政処分と思いしや「今度やったら承知しないぞ」で落着させ、警察はあてにならなかった。今年7月、環境省関東地方事務所に出向き、県環境政策課も積極的に参加し、8/21、警察、地元鳥獣保護管理員、支部保護員総出で現場捜査となった。自宅でレースバトを飼っている人が同じような事をしている事がある。
(茨城「ひばり」NO.328,P3)

・コシアカツバメの珍しい事象
 6月、大洗町で見たコシアカツバメの巣の報告である。一般的な徳利型の6個の巣の中の1つに半球形で、出入り口が天井に接してなく、巣の側面にある。子育ての巣にスズメの出入りが見られ、ヘルパーであったかもしれない。コシアカツバメの親は巣の出入り口にぶら下がる時、外側の長い燕尾を広げて巣の外表面に当て、体を支える役があるようである。
(茨城「ひばり」NO.328,P4〜7)

・いつ来るの?いつまで居るの?(環境計画部)
 茨城県の主な普通種野鳥の初認、終認を会報より最早、最終を見る。コガモ初認8/15、終認5/23、タヒバリ10/19、5/26、ジョウビタキ9/25、5/3、アオジ9/16、5/16、シメ10/11、6/12、ハイタカ(渡り性)11/14、3/15、ツバメ3/12、9/29。
(茨城「ひばり」NO.328,P20)

・カモのお助け人 日鳥連会長賞受賞(事務局)
 5/10、東京で開催された環境省、日本鳥類保護連盟主催の第69回愛鳥週間「全国野鳥保護のつどい」で会員Kさんが、霞ヶ浦の蓮田で防鳥ネットに掛かったカモやオオバンを網から外す救護作業を続けてきたとして、同連盟会長賞を受賞した。
(茨城「ひばり」NO.328,P22)

・牛久沼のカナダガン捕獲(事務局)
 神奈川県と山梨県で野生化したカナダガン個体群はほぼ捕獲が終わり、12/4、その分派である、牛久沼に生息していた特定外来生物カナダガン1羽とその交雑個体1羽を捕獲して我国で確認されていた全ての個体の完全排除が達成された(後半は茨城県のHPによる)。
(茨城「ひばり」NO.328,P23)

●2015/11 徳島県
・那賀川町出島野鳥園(共存部)
 阿南市の同野鳥園は、嘗て51haの出島湿原であった。1986年、支部はこの四国最大の湿原保全の要望書を県へ提出していた。当時、県民の自然環境保護への関心は薄く、30haに縮小し、自然観察公園にするよう野鳥の会本部、日本自然保護協会、WWF-Japanの支援を受け運動を続けた。1988/12、公有水面埋立告示縦覧があり、県から「野鳥公園とゴルフ場内に野鳥生息場所を確保するので意見書を出すな」とあり、8,013名の意見書は下ろし、野鳥公園5ha、野鳥生息エリア10haの覚書を交わし、現在の出島リゾート地区のゾーニングとなった。
(徳島県「野鳥徳島」NO.446,P12〜13)

●2015/11-12 広島県
・松永湾に飛来した標識鳥
 干潟が少ない広島県では広い河口干潟が残る松永湾は県内に飛来するシギ・チドリの6割を占める。2005年以降、同湾で回収された標識鳥は13例で、北海道紋別市で放鳥したソリハシシギは2005年から5年連続して秋に確認されている。2012/5、宮城県鳥の海で確認されたソリハシシギは同年9月、同湾で見られた。同個体は大震災の前年10月に鳥の海で標識され、壊滅的な被害の中、鳥の海を往復した。2015/3、ホウロクシギが確認され、1994/12に豪州で標識されたもので、20年3箇月以上経ち、捕獲時1歳以上で、最低でも21歳と世界最長寿ホウロクシギと思われる。
(広島県「森の新聞」NO.201,P8〜11)

・2015秋のシギ・チドリ渡り調査
 9/13前後、広島県内10箇所で調査した。14種、190羽を記録。内訳はソリハシシギ49、イソシギ39、シロチドリ30、ケリ23、キアシシギ17、アオアシシギ7、コチドリ6、オバシギ5、タシギ5、クサシギ4等。9/2、松永湾では13種、277羽、内訳はソリハシシギ108、キアシシギ56、シロチドリ31、アオアシシギ19、ケリ16、イソシギ13、コチドリ12等。
(広島県「森の新聞」NO.201,P12)

・2015年7月カワウ調査
 7月、県と支部の県内調査結果は個体数2,363(1,579)、巣数250+(223)、生息確認地数31(21)、繁殖地数14(9)。括弧内は2014年7月。
(広島県「森の新聞」NO.201,P13)

●2015/冬 鹿児島
・ナベコウ、シベリアセンニュウ観察
 10/22、南さつま市で電柱にとまるナベコウを見る。日本では稀な冬鳥である。5/14、南さつま市でシベリアセンニュウを撮影した。鹿児島県内3例目の記録となる。
(鹿児島「るりかけす」Vol.148,P10〜11)

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.783

●2015/12 札幌
・エゾモモンガと日没
●2015/12 愛知県
・ディノアドベンチャーランド名古屋
・野鳥飼養初年度登録調査(保護部)
●2015/12 三重
・鳥の名前と色
●2015/12 兵庫
・スズメが食べる砂の量の季節変化
●2015/11-12 鳥取県
・ジョウビタキの渡来ルートは?
・有害鳥獣対策の現状
●2015/12 香川県
・紫雲出山秋のワシタカ渡り調査(調査研究部)
●2015/12 山口県
・タンカー衝突事故による野鳥の汚染
・2015年秋期シギ・チドリ類一斉調査
●2015/12 筑豊
・メリケンキアシシギ
・ジョウビタキは朝鮮半島では囀る
●2015/12 筑後
・ミヤマホオジロ(研究部)

●2015/12 札幌
・エゾモモンガと日没
 木の下に糞が溜まっている巣を目標に、日没後30分してモモンガが巣から出てくるとの説を確認した。3/31は日没17:59に対し、16分後に出てきた。数箇月観察すると、この個体はだいたい日没後14分前後で巣から出てきており、言われている30分後よりは早かった。
(札幌「カッコウ」NO.379,P11)

●2015/12 愛知県
・ディノアドベンチャーランド名古屋
 愛知県は大高緑地で自然体験型恐竜探険アトラクション施設を来年7月にオープン予定としている。吠える実物大模型の恐竜を林内に点在させ、カートに乗りそれらを見せて自然体験と言うが、自然環境を生かしておらず、恐竜生息環境とは整合せず、また近くにオオタカが営巣する事からも計画の見直しを求める。
(愛知県「愛知の野鳥」NO.346.P6)

・野鳥飼養初年度登録調査(保護部)
 H24/4からメジロの愛玩目的の捕獲は禁止になったが、それ以前に飼養許可された個体の飼養許可更新は認められている。支部は県内16自治体から情報公開請求等で「H25年度市町村飼養登録一覧」を入手した。概ねH20年前後の登録で、春日井市でS53年登録の更新があり、37歳のメジロになる。実物を見たいと言うと、死亡、放鳥で既にいないとあった。県はメジロの登録更新時は鳥を確認するよう、飼養年数が長い(概ね15年以上)の個体は個別に確認するよう指導している。みよし市では登録更新時に該当メジロを全て持参させている。
(愛知県「愛知の野鳥」NO.346.P7)

●2015/12 三重
・鳥の名前と色
 古代の日本語には白、黒、青、赤の4色しかない。緑は青で青葉、青虫、青林檎等と今も使われている。「野鳥の標準和名-漢字名」を参考にすると、鳥の名前で使われている色は7色(白、黒、灰、赤、青、瑠璃、黄)であった。これ以外の例外はヤイロチョウ、モモイロペリカン等があり、日本鳥類目録にはミドリツバメ、バライロムクドリ等がいる。
(三重「しろちどり」NO.86,P4)

●2015/12 兵庫
・スズメが食べる砂の量の季節変化
 9月の日本鳥学会大会でポスター発表した。2014/8/3から1年間、家のベランダで回収したスズメの糞(サンプル104)から砂粒を採取した。スズメを解剖し、筋胃(サンプル21)の中から出て来た砂粒を数えた。砂粒は冬に多く、夏はかなり少ない。砂粒の役割は食べた種子を砕く?ミネラルの摂取?スズメは夏も多くの種子を食べており、夏に砂が少ないのは不自然。降雪期にスズメが家屋の壁土を食べた文献がある。
(兵庫「コウノトリ」Vol.209,P2〜3)

●2015/11-12 鳥取県
・ジョウビタキの渡来ルートは?
 数年前、隠岐島に行った時、9月下旬〜10月上旬に島内あちこちでジョウビタキを見る。本土の美保関(地蔵碕)より早く、ジョウビタキは朝鮮半島から隠岐を経由して渡来と思っていた。その後の早遅データを見るとその逆もあり、対馬から九州山口方面から飛来とも推測でき、真相は未だ不明である。
(鳥取県「銀杏羽」NO.142,P9)

・有害鳥獣対策の現状
 電気柵に草が接触すると漏電し、猪に対しては厚い毛には効果が無く、鼻先の地上20cm位に張る。地面が乾いていると通電しづらく効果が少ない。シカには背の高い電気柵が必要である。有害鳥獣捕獲は狩猟許可と異なり、被害実態を基に、市町村で1年中許可が可能である。H2年に全国に29万人いた狩猟免許保持者はH24年には18万(内60歳以上が13万)に減っている。鳥獣保護法の改訂で「指定管理鳥獣捕獲等事業」が制度化され、民間業者が個々の許可不要で、死体放置可、夜間捕獲可で参加している。本州以南のシカは249万頭、猪は89万頭と推定され、市町村レベルでの捕獲目標は定かでない。特定外来生物駆除は自治体の実施計画の下、狩猟免許が無い者でも銃猟以外で参加できる。
(鳥取県「銀杏羽」NO.142,P10〜14)

●2015/12 香川県
・紫雲出山秋のワシタカ渡り調査(調査研究部)
 9/12〜10/3で11日間、詫間町の同山展望台で調査した。サシバ192、ハチクマ83、ノスリ4、ツミ3、ハヤブサ2、オオタカ1であった。香川県には対岸の岡山県からもっと多くが渡っていると考えられる。
(香川県「かいつぶり」NO.383,P5〜6)

●2015/12 山口県
・タンカー衝突事故による野鳥の汚染
 10/17、下関沖でタンカー同士が衝突し、約13KLの重油が海上に流出した。ワカメ養殖網に油汚染被害が出た。岩礁ではシギ・チドリ類の腹部の羽の酷い油付着があった。
(山口県「やまぐち野鳥だより」NO.242,P5)

・2015年秋期シギ・チドリ類一斉調査
 9/13、山口県内20箇所で調査した。総計414羽で内訳はシロチドリ114、ソリハシシギ74、アオアシシギ58、イソシギ42、ハマシギ24、キアシシギ14、タシギ12、セイタカシギ12、タカブシギ10等。
(山口県「やまぐち野鳥だより」NO.242,P23)

●2015/12 筑豊
・メリケンキアシシギ
 アラスカ南部で繁殖し冬季はメキシコ西岸や南太平洋の島嶼に渡る。日本では関東の太平洋海岸、伊豆諸島、小笠原諸島に主に渡って来る。西日本での観察例は殆ど無い。鼻孔の前にある溝は嘴長の2/3に達する(キアシシギは1/2)。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.454,P24〜25)

・ジョウビタキは朝鮮半島では囀る
 ジョウビタキの繁殖地はユーラシア大陸の東北半分の広い範囲にある。初夏には韓国でその囀りを何度も聞く。日本では北海道、長野で繁殖例があるが、日本で越冬するジョウビタキは朝鮮半島からも来るのか。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.454,P28〜30)

●2015/12 筑後
・ミヤマホオジロ(研究部)
 学名はEmberize elegansで品格のあるホオジロ類の意である。繁殖地はロシアのアムール川流域、中国東北部、朝鮮半島と言われ、広島県、対馬で繁殖記録があるが、例外的な事例である。日本で見る個体は殆どが越冬個体である。
(筑後「まめわり」NO.175,P10)

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.784

●2016/1 東京
・レッドデータブック
・月例探鳥会解析グループ(TBG)(研究部)
●2016/1 奥多摩
・イソヒヨドリ
●2016/1-2 諏訪
・諏訪湖で越夏するカワアイサ
●2016/1-2 広島県
・オジロワシに跳びかかる猫
・デジタルカウンター
●2016/1 宮崎県
・カラフトワシ2年連続して渡来
・ソウシチョウ宮崎市街地で観察
・枇榔島のカンムリウミスズメ
・2015年金御岳のサシバ2万羽に届かず
・アサクラサンショウクイ

●2016/1 東京
・レッドデータブック
 レッドデータブックは国際自然保護連合(IUCN)が1966年に初めて発行し、危機的なランクの解説が赤い用紙に印刷されたのが名前の由来である。日本では1991年、環境庁が、その後各都道府県で作成されている。ランク(カテゴリー)の概要はEX(絶滅)、EW(野生絶滅):飼育、栽培下にある、または自然分布域の明らかに外側で野生化、CR+EN(絶滅危惧T類):現在絶滅の危機に瀕している、CR(絶滅危惧TA類):ごく近い将来絶滅の危険性が極めて高い、EN(絶滅危惧TB類):TA程ではないが絶滅の危険性が高い、VU(絶滅危惧U類):絶滅の危機が増大している、NT(準絶滅危惧):現時点では絶滅危険は小さいが、生息条件の変化で絶滅危惧に移行する可能性がある、DD(情報不足)、LP(地域個体群):地域的に孤立し、絶滅の恐れが高い。
(東京「ユリカモメ」NO.723,P9)

・月例探鳥会解析グループ(TBG)(研究部)
 支部のTBGは日野自動車グリーンファンドの助成を受け、都内7箇所20年間の月例探鳥会データを解析し、その報告書を作成する。例えば明治神宮での記録を見ると、オシドリの記録羽数は、現在は20年前の約1/10、自然教育園のオオタカ記録羽数は、現在は20年前の約6倍に増えている。
(東京「ユリカモメ」NO.723,P16)

●2016/1 奥多摩
・イソヒヨドリ
 海岸線を持たない支部フィールドでもイソヒヨドリは2000年頃より観察されている。2000/11/8、海岸から70km以上離れた奥多摩湖で♂を観察、その後11〜2月の記録が多く、支部では冬鳥の傾向であった。2010年、JR青梅駅周辺で繁殖した可能性がある。世界的にイソヒヨドリは標高2,000〜4,000mの高山の岩山に生息し、日本での海岸での生息は例外的となる。1995年冬、利根川河口から直線で177km離れた群馬県高崎市の河川でも見られている。英名ではBlue Rock Thrush(青色の岩場のツグミ)とある。
(奥多摩「多摩の鳥」NO.228,P23)

●2016/1-2 諏訪
・諏訪湖で越夏するカワアイサ
 カワアイサは冬鳥として広い水辺に渡来し、群で棲む。諏訪湖には当会の1月の調査で1,300〜1,900羽をカウントし、全国では7,000羽程度である。漁食性のため、諏訪湖ではワカサギを捕食するとして排撃攻勢が行われている。舟やモーターボートで群を追い払い、現在は舟から爆音で撃退している。これに軌をいつにして、体力衰弱等で夏、諏訪湖に残るカワアイサが続出している。2014年には15羽、この5年間で計36羽になる。
(諏訪「いわすずめ」NO.166,P8〜10)

●2016/1-2 広島県
・オジロワシに跳びかかる猫
 1986年、野鳥誌に掲載され、全国に衝撃を与えた故 I氏の写真を再度掲載する。
http://www.saturn.dti.ne.jp/~ncc-1701/nakama.htm
(広島県「森の新聞」NO.202,P13)

・デジタルカウンター
 機械式と並んで、デジタル式(ボタン電池で稼働)が百円ショップで手に入る。ベルトで指に止めて使い、機械式と違い、小型で手につけたまま筆記用具が使え、便利である。複数手に取り付け、複数のカウントが同時にできる。
(広島県「森の新聞」NO.202,P14)

●2016/1 宮崎県
・カラフトワシ2年連続して渡来
 10/12、宮崎市の一ツ瀬河口調整池にカラフトワシの渡来を確認した。昨年渡来した時は幼鳥であったが成長していた。今年は行動範囲が広くなり、簡単に見つからず、全国から撮影者が殺到していない。主に欧州東部からロシア南東部に生息し、冬はインド北部、中国、東南アジアへ渡る。日本には稀に渡来し、鹿児島県川内市には1993年から20年間渡来例があり、H26年冬には岡山県でも見られている。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.248,P3〜4)

・ソウシチョウ宮崎市街地で観察
 今までは市近郊で観察されていたソウシチョウが今冬は宮崎市、延岡市の市街地に進出している。11/5、延岡市で10羽、11/16、宮崎市で20羽が記録された。宮崎県では霧島山系、中央山地で繁殖し、冬場に低地に移動する。主な生息地は標高1,000m以上の落葉広葉樹林やスズタケ帯等ある。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.248,P4)

・枇榔島のカンムリウミスズメ
 宮崎県門川町沖の枇榔島で繁殖する国の天然記念物カンムリウミスズメがカラスの食害にあっている事が確認された。「海鳥保全グループ」(本部福島県)の宮崎大学農学部中村豊氏の現地調査によると、カラスが地上で営巣するカラスバトの卵を捕食する様子が記録された。毎年、首を切断されたカンムリウミスズメの死体が40〜50見つかり、割られた卵を多数確認しており、これはカラスの習性と合い、カンムリウミスズメもカラスの被害に遭っている可能性が高い。ネズミは1匹も捕獲されず、ネズミの被害は無いと考えられる。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.248,P5〜6)

・2015年、金御岳のサシバ2万羽に届かず
 9/5〜10/19、金御岳での定点調査で通過したサシバは総計16,692羽で例年より少なかった。四国でも近年の平均より約5,000羽少ない結果になっている。天候が悪い日に西側を通過した個体が1,400羽程と推定され、これを加えれば、18,000羽程度となるが、やはり今年は減っている?30年間の調査で、今回初めてツミ8羽の群が通過(10/19)した。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.248,P13〜14)

・アサクラサンショウクイ
 稀な迷鳥として日本に飛来し、石垣島、西表島、宮崎県等に記録がある。国内で初めて確認されたのは1971/1、延岡市の山中で拾得とある。これを拾得したのは私で、野鳥の会関係書物のため拾得となっているが、本当は銃猟で捕獲したものである。双眼鏡では同定ができず、写真機も無い時で、正体を突き止めたく撃ち落とした。死体は山階鳥類研究所に送られ、我国初記録になった。当時、外国産の野鳥には「鳥獣保護法」適用外で、銃猟で捕獲しても法的問題は無いとされた。今では銃を望遠レンズ付きのカメラに持ち替えている。大正14年、朝倉喜代松氏が台湾で発見した事が種の名の由来である。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.248,P20〜21)

(自然保護室・野鳥の会・神奈川/森 要)

ブロックからのお知らせなど

■中部ブロック会議報告■

●日時:2015年11月28日(土)〜29日(日)
●場所:北潟湖畔荘(福井県あわら市)
●担当:日本野鳥の会福井県
●参加者:日本野鳥の会新潟県(3名)、日本野鳥の会富山(2名)、日本野鳥の会石川(5名)、日本野鳥の会諏訪(4名)、日本野鳥の会甲府支部(2名)、日本野鳥の会富士山麓支部(2名)、日本野鳥の会東富士(1名)、日本野鳥の会沼津支部(1名)、日本野鳥の会南富士支部(1名)、日本野鳥の会南伊豆(1名)、日本野鳥の会静岡支部(2名)、日本野鳥の会遠江(2名)、日本野鳥の会愛知県支部(1名)、日本野鳥の会岐阜(1名)、日本野鳥の会三重(2名)、日本野鳥の会福井県(26名)
●欠席者:日本野鳥の会佐渡支部、日本野鳥の会長野支部、日本野鳥の会軽井沢支部、日本野鳥の会木曽支部、日本野鳥の会伊那谷支部
●財団からの参加者:佐藤理事長、田尻保全プロジェクト推進室長、箱田普及室長代理、堀本普及室員、荒自然保護室員
(計61名参加)

●議事
<開会>
・司会進行:組頭五十夫(福井県副代表)
・開会挨拶:酒井敬治 (福井県代表)
・財団挨拶:佐藤仁志(財団理事長)

1.財団からの報告
1)全国鳥類繁殖分布調査(自然保護室:荒)
 日本では20年ぶり3回目の実施となるが、国の予算が付かず事業実施の目途が立っていない。そこで、各NGOと生物多様性センターによる共同事業とする。現在、各助成金の申請を行っている。2016年から調査を始め、2020年までに全国約2,300コースを網羅したい。調査員登録やデータの提出は基本的にインターネットを使用する。中部ブロックの皆様にもぜひご協力いただきたい。

2)探鳥会リーダーズフォーラム(普及室:堀本)
 会員増加を図るため、ミニミニ野鳥図鑑をプレゼントしている。中部ブロック圏内で、プレゼントハガキを設置できる場所を紹介していただきたい。また、1/30〜31に東京で探鳥会リーダーズフォーラムを開催する。支部の域を超えて現場のリーダー同士の交流、技術向上を目的とするもので、皆様のご参加を検討いただきたい。

2.議事:中部ブロック会議の分割について
  議長:辻義次(福井県副代表)
1)賛成意見代表:組頭(福井県)
 福井県、長野支部、軽井沢支部の3団体が分割を提案(当日は長野支部、軽井沢支部は欠席)。理由として、団体数が多く活発に議論するにはブロック会議の時間が足らないことが挙げられる。各団体の活性化には、適切な規模で十分に議論の時間を取ることが必要である。

2)反対意見代表:新實(愛知県支部)
 全国的にみても中部ブロックは特に参加団体が多く、エリアも広い。各団体の移動距離を試算すると、500km以上になる場合もあった。しかし、ブロック会議への出席率が低い理由は距離だけでなく、会員数や予算等の事情もある。太平洋側と日本海側に分割した開催を仮定すると、過去のデータから日本海側の出席率がむしろ現状より低下する可能性が示唆された。他地域の団体が一堂に会すことで、多様な議論、活発な交流を図ることができるので、「中部は一つ」であることを希望する。

・分割案について各団体の意見を集約
 【賛成】福井県
 【反対】新潟県、富山、石川、諏訪、甲府支部、富士山麓支部、東富士、沼津支部、南富士支部、南伊豆、静岡支部、愛知県支部、岐阜
 【中立】遠江、三重
⇒反対多数により、中部ブロック会議は分割しないこと(現状維持)を決議。今後、各団体は資料を印刷して持ち寄るなど、主催団体の負担が減るような工夫が必要である。

3.協議(各連携団体から)
1)全国鳥類繁殖分布調査への協力呼びかけ
(新潟県:岡田)
 中部ブロック全体での協力が不可欠な事業である。本事業を機会に、各団体と情報を交換するなど、ブロック全体の交流促進を図りたい。

2)野鳥の生息状況に関する情報収集
(甲府支部:杉原)
 探鳥会等で得られたデータの消失・散逸を防ぐ仕組み作りが必要である。記録の簡易化、データ入力や識別作業を行う人材の確保など、課題も多い。

3)ドローンを使用した野鳥撮影等への対応策
(諏訪:林)
 ドローンを有効活用した事例も報告されているが、無制限な使用は野鳥へ大きな影響を及ぼす恐れがある。
法規制も含めた要望を野鳥誌等でPRすべきである。

4)ドローンを使用したサギ類調査
(愛知県支部:新實)
 サギ類のコロニー調査にドローンを導入した。コロニーを上空から高解像度で撮影できるので、生息数の把握に有効である。また、50m上空からの撮影に対して、サギ類は反応しなかった。ただし、種によって感受性が異なると考えられるため、特に営巣地の撮影には配慮が必要である。
⇒(佐藤理事長)海外の事例も含めて、情報を収集する必要がある。保護区等での野生動物の生息状況や環境調査などに有効な手段だが、課題もあるので今後検討したい。

5)犀川下流部の河川整備問題
(石川:白川)
 河川整備に伴い、チゴモズやアカモズ等の希少種が繁殖していた「普正寺の森」の一部伐採が計画されていることが明らかになった。計画見直しに向けて、財団および各中部ブロックに協力を要請したい。
⇒(財団・連携団体の意見)石川県へ要望書を提出したということだが、協力しようにも情報が不足している。判断材料となる情報を整理して提出してほしい。また、今後の活動について、財団のアドバイスを受けながら方針を決定してほしい。

6)コアジサシ繁殖地の保全・配慮指針の活用
(愛知県支部:新實)
 支部主催の勉強会を開催した。本指針は2014年に環境省が公表したものであり、罰則規定も明記されている。国の指針を適用することで、現場レベルで関係者との対話がスムーズに進行した。


▲中部ブロック会議の様子

4.報告(各連携団体から)
1)あわら風発巡回から見える稼働状況とバードストライク (石川:山本)
2011〜13年の間にトビが3羽衝突している。

2)ため池におけるソーラーパネル設置について(三重:平井)
 五主干潟はセイタカシギの繁殖やオオハシシギが記録される重要な生息地であるが、フロートタイプのソーラーパネルが設置されてしまった。

3)激減したシギ・チドリ類の渡来数(福井県:柳町)
 川西区の休耕田は、県内有数のシギ・チドリ類の渡来地だったが、圃場整備により焼失してしまった。
⇒こうした太陽光発電施設の建設や大型圃場整備による野鳥生息地の消失は、今後全国的にも増加する可能性があるため、財団としても何らかの対応をお願いしたい。

5.講演:マガンとあわら風力発電所 (財団:田尻) ※内容割愛

●閉会
・閉会挨拶:辻義次(福井県副代表)
・次回主催者挨拶:新實豊(愛知県支部長)
・写真撮影

●夕食懇親会

●交流会での発表内容
1)探鳥会の参加者増員への取組み(富山:藤島)
2)遠江の活動の現状と課題(遠江:増田)
3)室内研修会の実施(岐阜:大塚)
4)シロエリオオハムについて(沼津支部:鈴木)
5)金沢犀川におけるオオヨシキリ調査27年(石川:青山)
6)タカの渡り調査で密猟現場に遭遇(福井県:酒井)

※翌29日は希望者による早朝の雁行観察、会場周辺でのマガン採餌行動観察を行った。

(自然保護室/荒 哲平)

事務局からのお知らせなど

■普及室より

2月号『フィールドガイド日本の野鳥』増補改訂新版の取り組み

◇新版はカラスより軽い?
(公財)森林文化協会発行の雑誌『グリーン・パワー』で、新版を紹介してもらうことになりました。編集長に新版を送ったところ、「増補改訂版より80グラムも軽くなったのは何故?どうやって?」と質問され、よくぞ比べていただいたものと、嬉しくなりました。新版は増補改訂版より扱う種も解説も増えて16頁増となりましたが、用紙を工夫することで5ミリほど薄くして、約450グラムから約370グラムにまで落としました。野外で携帯しやすいように、厚くしない、重くしないためであることは言うまでもありません。
 用紙の工夫について、新版の編集を担当した瀬古智貫(普及室販売出版グループチーフ)に改めて聞いてみたら、私も知らなかった工夫をしていたので一部を紹介すると・・・『フィールドガイド日本の野鳥』は、従来から、鉛筆で書き込みがしやすい点が評価されていたので、新版の用紙を検討する際にその機能が失われないような配慮もした、とのこと。また、バードウォッチャーは平地から高山まで移動することもあるので、周りの湿度変化も激しくなります。そこで束見本をいくつも作って鞄に入れ、富士山のふもとから5合目まで何回も往復して、紙のヨレ等もチェックしたそうです。
 ちなみに、新版の約370グラムは、ハシボソガラスより少し軽いくらいでしょうか? 野鳥の種ごとの体重は『野鳥便覧』(1941年、大阪支部発行)に記載され、近年では愛媛県支部編『愛媛の野鳥 観察ハンドブック はばたき』(1992年発行)が紹介しており、ハシボソガラスは428〜728グラム、ハシブトガラスは516〜825グラムと記されています。同種でもずいぶんと違いはあるものの、新版はハシボソガラスより軽くなり、2冊合わせてハシブトガラスほどの重さと言えるかも知れません。なお、『新・山野の鳥』は約90グラムでざっとムクドリ(68〜98グラム)程度、『見る読むわかる野鳥図鑑』約170グラムがキジバト(192〜290グラム)より軽い程度と言えるでしょう。

<イカルはどこから?>
 1月に入って、イカルが東京の都心部に位置する公園などで見られているそうです。東京では郊外の鳥というイメージで、低地の緑地で見られる冬もありますが、都心部まで姿を見せることは珍しいように思います。この冬はイカルが低地に多いのかも・・・と思っていたら、標高千メートルを越える八ヶ岳倶楽部にもたくさんのイカルが飛来していると、柳生博会長から聞きました。1月24日にシンポジウム「鳥と風の通り道―渡り鳥の魅力とその保護」に登壇して新版の分布図を示しながら、漂鳥とされる鳥たちがどこからどこへ移動しているのかはよくわかっていないという話しをしたばかりだった私は、柳生会長に新版で漂鳥の定義を変えた(2014年6月号などで書いたように、これまでの定義から「国内移動」を削除)ことを解説しました。
 1年を通して日本で見られるという点では留鳥と呼べるイカルですが、春夏だけ、秋冬だけの地域もあるので、漂鳥ともされます。分布図から秋冬のイカルを推測すると、北海道や東北のほか、大陸の繁殖地からも南下してくるものがいても不思議はありません。ただ、ウソやルリビタキのように広く繁殖しているのではなく、ロシアと中国のごく一部だけ。目録7版で英名にJapaneseが付いて書き直した例として、シジュウカラ、メボソムシクイ、サンコウチョウ、クロツグミとともに、過去の連載(2015年4月号)で紹介済みです。
 ついでながら日本では少ないコイカルの分布図を見ると、朝鮮半島から大陸にかけて広く繁殖しています。これは、キビタキとマミジロキビタキ(日本では珍しいが、大陸での分布はキビタキより広い)に似ていると思いませんか? イカルにJapaneseを付けるなら、繁殖地がほとんど日本だけのキビタキにJapaneseを付けてもよいと思うのは私だけでしょうか?

<オジロか?ニシオジロか?>
 新版では、目録7版で検討中とされているニシオジロビタキを解説したこと、日本鳥学会誌63巻1号(2014年発行)にニシオジロビタキの観察記録が掲載さたこともこの連載(2014年6月号)で紹介してきましたが、当会ホームページの担当者から、相談がありました。ホームページ『BIRD FAN』の人気コーナー「フォトギャラリー」宛てにニシオジロビタキの投稿があったので、どう扱うべきでしょうか?と言うのです。
 日本の野鳥は、目録7版掲載種から633種とされるようになってきた昨今ではありますが、そこにニシオジロビタキは含まれていません。が、ニシオジロビタキの写真を掲載する図鑑も増えてきたし、最近はオジロビタキと分けると、日本で冬を越すのはニシオジロビタキの方が多いとも言われるようになりました。一方、下嘴の色(オジロでは黒く、ニシオジロでは淡色が多いとされる)だけで2種を識別できるように思っている人もいるようで、誤認や混乱もあるようです。新版では、ニシオジロビタキの解説で上尾筒の色の違いにも触れておいたし、高野によるオジロビタキ雄のイラスト(P259)はニシオジロビタキ雄と区別するために、喉の赤味のある部分を減らすなどの微修正を施しました。類似種がいる場合は、それを否定できなくては同定できません。写真で同定するには、撮影条件や写り具合でいろいろに見える色味や、角度によっては見えない細部なども含めて、多角的に検討できるような複数のカットを要することが多いものです。
 投稿者が複数の識別点を検討した上で、間違いなくニシオジロビタキを識別しているようであれば、目録7版では検討中であることを付記して掲載してよいのではないか・・・とその場では答えました。ただ、ホームページ上にオジロビタキとして投稿された過去の写真には、ニシオジロビタキと思われるものや、投稿写真だけでは2種のいずれかが同定できないものもあるようです。今後、それらを補足する文章も考えたいと思っています。


©谷口高司
▲画像:今回は、新版で谷口高司さんに追加していただいた画像から、キバラガラ(上:雄夏羽、下:雌夏羽)です。長崎県支部報(2014年3月号)など雌雄の第1回冬羽の識別まで触れた記事もありますが、新版では種の識別を優先して、冬羽や若鳥の識別は解説文で補足しました。


(普及室/安西 英明)


■自然保護室より

■風力発電と野鳥の脆弱性マップ作り検討会を開催します

 日本では現在、一定規模以上の風力発電を建設する際に、野鳥等の環境に与える影響を予測し、影響の回避・低減策を講ずる環境影響評価の実施が法的に義務付けられていますが、課題も多くあり、野鳥や自然保護上は実効性が乏しい手続きとなっています。
 一方、欧州では日本より環境影響の予防原則の考えが強いため、野鳥の生息に影響が出ない立地を選定するための風車の建設可能または不可能な場所を国家または地域の土地利用計画の中で示すゾーニングの策定、または風車建設で野鳥が影響を受ける場所を示し、そこでの建設を避けてもらうための脆弱性マップ作りが進んでいます。
 当会では、欧州のように風力発電に対する鳥類の脆弱性マップが作成され、できるだけ法的義務としてそれが利用されるのが、野鳥保護と風力発電の導入が両立するもっともな近道と考えます。
そこで当会は、今後、風力発電の導入が進むと予想される地域で、風力発電の導入推進側と野鳥保護側とで協議を重ねながら、双方が活用できるような風力発電と野鳥の脆弱性マップを作成すべく、議論の過程を記録し、その中で現れた諸課題への対応策を見出しながら、広く国内にマップ作りの必要性を訴えていくために「(略称)風力発電と野鳥の脆弱性マップ作り検討会」を立ち上げることにしました。
 第1回目の研究会を3月14日の13〜17時にJR五反田駅前(東京都)のアリアル会議室・五反田駅前本館で開催しますが、20名まで一般傍聴者を募集いたします。傍聴希望者はeメールで、タイトルを「マップ作り検討会傍聴希望」として、氏名、住所、連絡先(eメール)、所属先を必ず記載し、3月7日(月)までに[email protected]まで申し込んでください。なお、応募者多数の場合は抽選とし、当選者は3月10日(木)までに通知をもって代えさせていただきます。

(自然保護室/浦 達也)

総務室より

■平成27年度第4回理事会(定例)議事録■

1、開催日時 平成27年12月22日(火)
午後4時00分〜午後6時15分
2、開催場所 当財団会議室 東京都品川区西五反田 3-9-23丸和ビル3階
3、出席者
出席理事 9名(理事現在数 9名)
安西 英明
遠藤 孝一
上原 健
狩野 清貴
佐久間 仁
佐藤 仁志
松田 道生
見田 元
吉田 新

出席監事 2名(監事現在数 2名)
川村 研治
曽我 千文

傍聴
山本 裕(職員労働組合委員長)
篠木 秀紀(職員労働組合副委員長)
江面 康子(職員労働組合書記)

事務局
葉山 政治(自然保護室長兼
保全プロジェクト推進室長代理)
富岡 辰先(普及室長)
田尻 浩伸(保全プロジェクト推進室長)
大畑 孝二(施設運営支援室長)
安藤 康弘(事務局長代理兼会員室長)
奥田 秋穂(総務室長)
五十嵐 真(総務室長代理)
林山 雅子(総務室員)

4、議長 理事長 佐藤仁志

5、議決事項
第1号議案 「就業規程」改定の件
第2号議案 「特定個人情報取扱規程」制定の件

6、議事の経過の要領及びその結果
 理事会開催にあたり、冒頭、佐藤仁志理事長から挨拶があった。遠藤孝一常務理事が開会を宣言し、本理事会は定款第42条の規定に定める定足数を満たしており、適法に成立している旨の報告があった。
 また、職員労働組合から3名の傍聴者が出席している旨の報告があった。
 なお、議事録署名人については、定款第44条に基づき、出席した代表理事及び監事となっており、佐藤理事長、吉田新副理事長、川村研治監事及び曽我千文監事が署名人となることを確認した後に、次の議案の審議に入った。


▲理事会の様子

(1) 第1号議案「就業規程」改定の件
 五十嵐真総務室長代理より、平成28年1月から施行される特定個人情報(以下「マイナンバー」という。)制度に対応するため、就業規程を改定し、職員採用時にマイナンバーの提出を求めることができるようにする旨、資料に基づき説明があった。審議を経て、議長がこの賛否を諮ったところ、全員が異議なくこれを承認した。

(2)第2号議案「特定個人情報取扱規程」制定の件
 五十嵐総務室長代理より、マイナンバーの取得から廃棄までの取扱い、及び安全管理基準を特定個人情報取扱規程として制定する旨、資料に基づき説明があった。
 上原健理事より、マイナンバーの提出が拒否された場合の取扱いについて質問があり、五十嵐総務室長代理より、マイナンバーの提出依頼から拒否されたまでの過程を記録することで管理義務は果たされるとの回答があった。
 松田道生理事より、マイナンバーの漏洩責任者は誰かとの質問に対し、五十嵐総務室長代理より、マイナンバーの取扱いは総務室経理人事グループに限定されるため、総務室長が負うとの回答があった。
 佐久間仁常務理事より、マイナンバーを提出しない職員は、就業規程違反となるのでないかとの質問に対し、五十嵐総務室長代理より、マイナンバーの提出拒否は服務規律に記載しないので違反にはならないとの回答があった。
 川村監事より、サンクチュアリ等、現場が直接窓口になっている場合の取扱いについて質問があり、五十嵐総務室長代理より、あくまでも窓口は総務室経理人事グループとなるとの説明があった。
 審議を経て、議長がこの賛否を諮ったところ、全員が異議なくこれを承認した。

7、報告事項
(1)理事の職務執行状況の件
 定款第28条第4項に基づき、佐藤理事長、吉田副理事長、佐久間常務理事、及び遠藤常務理事より、平成27年6月から11月までの理事の職務執行状況について、それぞれが担当する案件について、資料に基づき報告があった。

(2)平成27年度決算見込みの件
 五十嵐総務室長代理より、経常収益は受取寄付金の増額と、物品販売事業収益の好調により、補正予算比59,586千円増の1,233,942千円、経常費用は、補正予算比20,485千円増の1,205,131千円、この結果税引後の当期一般正味財産増減額は補正予算比40,051千円増の、21,634千円の増額、また当期指定正味財産増減額は、419,153千円の増額を見込む平成27年度決算見込について、資料に基づき報告があった。
 佐藤理事長より、今年度予定されている大口寄付金は決算見込に反映されているかとの質問に対し、五十嵐総務室長代理より、すべて反映されているとの回答があった。

(3)平成27年度事業進捗の件
 各室長より担当事業の進捗状況につき、概ね計画通りに推移している旨、資料に基づき報告があった。
 上原理事より、自然保護事業に対する支出割合が少ないのではとの質問に対し、田尻浩伸保全プロジェクト推進室長より、今年度は野鳥保護区の新たな購入がなく支出が少なかったが、次年度は新たな野鳥保護区の購入、またシマフクロウの餌場及び営巣環境を整える予定もあり、支出は増大するとの説明があった。また、葉山政治自然保護室長兼保全プロジェクト推進室長代理より、来年度は今年度新設した「野鳥未来基金」を有効活用するので支出増となると説明があった。

(4)シマフクロウ保護区候補地の件
 田尻保全プロジェクト推進室長より、シマフクロウ生息地について、野鳥保護区候補地として検討が開始された旨、資料に基づき報告があった。
 佐藤理事長より、各種の条件が整えば、理事会規程第11条2項に基づき、理事会の議決を経ずに土地の取得を行う場合があるとの説明があった。

(5)その他
 理事懇談会で、上原理事より、ミニFM(インターネットラジオ)設立の提案があったこと、曽我監事より、鳥ガールプロジェクトを進めており、東京港野鳥公園でパタゴニアの職員との観察会を2度実施したことが紹介された。
 また、安西英明理事より、今年は初代会長中西悟堂生誕120周年にあたり、野鳥誌12月号で紹介する予定であること、また、初代事務局長内田康夫氏が記念誌を発行したとの報告があった。
 議長は以上をもって全部の報告を終了した旨を述べ、午後6時15分閉会を宣言し解散した。

 上記の議事を明らかにするために議事録を作成し、佐藤理事長、吉田副理事長及び出席監事の名において記名、捺印する。

平成28年1月6日

公益財団法人日本野鳥の会

議長 代表理事 佐藤 仁志

    代表理事 吉田 新

監事      川村 研治

監事      曽我 千文

(総務室/林山 雅子)


■支部名称・代表者・事務局等変更のお知らせ■

 代表者等の変更のあった支部についてお知らせいたします。

【支部長等に関して】
●日本野鳥の会 広島県支部
支部長代理:日比野政彦(1月から1年間)
旧支部長:倉岡敏彦

(総務室/鈴木 美智子)


会員室より

■会員数■

 2月1日会員数35,914で、先月に比べ23人増加しました。1月の入会・退会者数の表をみますと、入会者数は退会者数より14人少なくなっています。 会員の増減は入会者数と退会者数のほかに、会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活した人数によって決まります。1月の入会者数は192人で、前年同月の入会者214人に比べ22人減少しました。また、1月の退会者は178人で、前年同月の退会者206人に比べ28人減少しました。

表1. 1月の入会・退会者数

※会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活する方がいらっしゃるため、退会者数の年度累計は、実際の退会者数とずれた数字となります。このため、退会者数合計については年度末の集計後にお知らせいたします。

■都道府県および支部別会員数■
 野鳥誌贈呈者数を除いた数を掲載します。

表2 都道府県別の会員数(2月1日現在)

備考:不明は転居先が不明の会員を示します。

表3 支部別の会員数(2月1日現在)

備考:支部別の会員数の合計は、都道府県別の会員数の合計と異なります。
これは、本部型(青い鳥)会員や支部に所属されていない個人特別会員が支部別の会員数に含まれないためです。


(会員室/沖山展子)


■支部ネット担当より

 厳しい寒さが続いておりますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。いつも支部ネット通信をご愛読いただき、ありがとうございます。
 今月号には、関東ブロック会議、中国・四国ブロック交流会や、連携団体全国総会の報告を掲載しており、支部の情報が満載です。ぜひ支部間の情報共有としてご活用下さい。
 今年も支部と財団の連携強化につながるよう、情報発信に努めて参りたいと思います。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

■支部ネット通信は支部の代表の方に電子メールでも配信をしています。電子メールでの配信を希望される支部の代表の方は下記メールアドレスまでお気軽にお申し込みください。

支部ネット通信 第143号
◆発行
公益財団法人日本野鳥の会 2016年2月23日
◆担当
総務室 総務グループ
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