No.145 2016年04月号


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目次 ◆支部の動き
支部報 保護・調査記事関連トピックス
◆事務局からのお知らせなど
4月号『フィールドガイド日本の野鳥』増補改訂新版の
 取り組み

「世界渡り鳥の日」のご紹介
平成27年度第5回理事会(定例)議事録
新常務理事(兼 事務局長)のご紹介
支部名称・代表者・事務局等変更のお知らせ
会員数

支部の動き

■支部報保護・調査記事関連トピックス■

 本記事は日本野鳥の会へ送付されてきている各地の支部報/会報から抽出して作成し、調査・保護に関心がある野鳥の会の会員へ配信しております。本記事の一部又は全部を不特定多数が見る可能性があるところへ公開される場合は、各支部/各会の了承を事前に得て下さい。記事は筆者の意向に反しないように、取り扱いをお願いします。

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.789

●2016/1 道南桧山
・根室と古釜布間の海鳥目視観察
●2016/1 福島
・2016年阿武隈川ガン・カモ・ハクチョウ生息調査
●2016/1 千葉県
・カモメ類概論
・鳥インフル シベリア経由(11/4 読売新聞)
・コクガン日露研究者が調査(11/9 毎日新聞)
・この冬のスズガモの動向
●2015/12-1 京都
・2015年タカの渡り一斉調査(調査研究部)
・鳥名の由来を探る
・竹の巣箱で育つキビタキ
●2015/12 和歌山県
・タカの渡り観察
●2016/1 香川県
・アオサギの飛翔形態
●2016/1 高知
・四万十川沿川でブッポウソウの巣箱架け
●2016/1 長崎県
・オシドリ調査

●2016/1 道南桧山
・根室と古釜布間の海鳥目視観察
 2001/8、北海道から国後島まで航海して海鳥を観察した。計4時間の観察で1,557羽、内訳はハイイロヒレアシシギ1,057、フルマカモメ162、オオセグロカモメ128、ハシボソミズナギドリ75、ウトウ37、陸小鳥30、ハイイロミズナギドリ18、ウミネコ15、シロエリオオハム12、ウミガラス11、ケイマフリ10、トウゾクカモメ2。フルマカモメは明色型が8羽のみで、多くは暗色型で、北太平洋では暗色型はその南部に多い。北大西洋での分布はその逆である。カモメの名があるが、ミズナギドリ科である。
(道南桧山「はちゃむ」 NO.113,P6〜9)

●2016/1 福島
・2016年阿武隈川ガン・カモ・ハクチョウ生息調査
 1/11〜12、阿武隈川の6箇所で調査した。結果はガン類0、オオハクチョウ319、コハクチョウ64、カモ科3,214、内訳はオナガガモ1,447、コガモ481、マガモ334、カルガモ259、ホオジロガモ102、ヒドリガモ79、キンクロハジロ75、ホシハジロ34等。
(福島「きびたき」NO.217,P4)

●2016/1 千葉県
・カモメ類概論
 日本ではウミネコ、オオセグロカモメの2種が繁殖し、ミツユビカモメが夏季に見られる事があるが、他の種は多くは冬鳥か迷鳥である。成鳥になるまでの期間は大型カモメの大半、ウミネコで4年、他の大型カモメ、中型カモメで3年、小型カモメで2年である。幼鳥からの換羽は部分的で翼は抜け変わらない。春の換羽は全ての年齢で部分的に起き、翼は換羽しない。秋の換羽は全ての年齢で全身に起きる。初列風切は内側から外側に向けて換羽する。カモメの識別が難しいわけは、1・カモメの年齢別に、季節によって、形態が変化する。2・種・亜種の区分けが変化している。3・和名の名付け方が変化している等の理由で複雑になっている。
(千葉県「ほおじろ」NO.417,P3〜6)

・鳥インフル シベリア経由(11/4 読売新聞)
 昨冬、西日本で約35万羽の鶏が殺処分された原因の高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N8型)の感染ルートは韓国ルートと推定されていた。農林省の調査でシベリアで繁殖活動した鳥が越冬で北から南下する際に持ち込んだ可能性が高い。
(千葉県「ほおじろ」NO.417,P12)

・コクガン日露研究者が調査(11/9 毎日新聞)
 日露の専門家で作る「道東コクガンネットワーク」は11/7、道東や国後島でコクガン飛来数の一斉調査をした。野付湾だけでも2,661羽を確認した。
(千葉県「ほおじろ」NO.417,P12)

・この冬のスズガモの動向
 支部は、三番瀬から湊川河口までスズガモの生息状況調査を3年継続している。11/27の結果は、総計102,585羽、集中的に見られたのは浦安市日の出沖の49,000、木更津港外の40,000で、その他小さな群が散在するのはまとまった餌資源が無い状態と危惧される。
(千葉県「ほおじろ」NO.417,P13)

●2015/12-1 京都
・2015年タカの渡り一斉調査(調査研究部)
 9/21、滋賀県、京都府の17箇所で一斉調査した。米原市柏原でサシバ281、ハチクマ25、猪子山でサシバ483、ハチクマ129、岩間山でサシバ545、ハチクマ39、京都市山科区熊ヶ谷でサシバ252、ハチクマ9、京都市音羽山でサシバ211、ハチクマ48、岩間山でサシバ545、ハチクマ39、宇治市でサシバ287、ハチクマ33等。
(京都「そんぐぽすと」NO.197,P10〜11)

・鳥名の由来を探る
 参考文献:菅原浩 柿澤亨三「鳥名の由来辞典」(柏書房 2005)、阿部直哉 叶内拓也「野鳥の名前」(山と渓谷社 2008)、吉井正監修「世界鳥名辞典」(三省堂 2005)、インターネット百科事典Wikipedia。アトリは「あっとり」と呼ばれ、集まる鳥の意とされる。キツツキは平安時代に「てら(寺)つつき」、鎌倉時代に「けら(虫)つつき」、室町時代に「きつつき」に変化した。サシバは鎌倉時代よりさしばと呼ばれ、弓の矢羽にオオタカではなくサシバの羽が使われ、差羽と名がついた。
(京都「そんぐぽすと」NO.197,P12〜14)

・竹の巣箱で育つキビタキ
 昭和から平成にかけて、舞鶴地方で荒れた広葉樹林にある孟宗竹の折れ目でキビタキの営巣を見る。竹の上部は蛇の侵入が少ないと思い、孟宗竹を2.5m高さに切り、上部節目の下6p残し前面を切り開き、底に水抜き孔を設け、上部に板で屋根を作り、筒状巣箱を作ってみた。2007年には19巣作り、キビタキは4/10以降に飛来し、5月に16巣で各3〜5個の産卵があった。内、卵消失6巣、雛消失4巣、残った6巣で計24羽の雛が巣立った。別の巣箱を設けると、20日後に2回目の産卵例もあった。
(京都「そんぐぽすと」NO.197,P15)

●2015/12 和歌山県
・タカの渡り観察
 10/3、 紀の川・橋本市周辺で観察した。サシバ1,064、ハチクマ9、ノスリ3、ツミ2、チョウゲンボウ1。
(和歌山県「いっぴつ啓上」NO.124,P8〜9)

●2016/1 香川県
・アオサギの飛翔形態
 ツルは穀類、小動物を餌にしており、首は胴体に向けて丸く太くなっているため、飛翔時、首を前に伸ばす事で空気抵抗を減らしている。アオサギは大きな魚を丸飲みでき、食道部分は幅広く、飛翔時は長い首の脛骨を舳先状に突き出し食道を両側から押したたみ、首を細くして、空気抵抗を下げているので、飛翔時、首が折りたたまれている。
(香川県「かいつぶり」NO.384,P5)

●2016/1 高知
・四万十川沿川でブッポウソウの巣箱架け
 NTTの電柱30箇所に四国では初めてとなる、ブッポウソウの巣箱架けを計画し、NTTに電柱の占用許可のお願いをしている。巣箱(18p前面X21p側面X68cm後面固定用垂木2本、巣穴7cm直径、板材1.5cm厚さ杉材)の材料は支部が20個分、山階鳥類研究所が10個分用意した。3月中旬から巣箱架けをする。
(高知「しろぺん」NO.348,P2)

●2016/1 長崎県
・オシドリ調査
 2014/1/19、長崎県内でオシドリの一斉調査をした。総計2,246羽(♂1,312、♀809、不明125)を記録した。殆どの調査地にはドングリがある。
(長崎県「つばさ」NO.337,P12〜16)

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.790

●2016/1-2 盛岡
・2016年ガンカモ類調査 
●2016/1 神奈川
・支部の活動
・干支と鳥名
●2015/11 福井県
・カケスの渡り
・2015年秋季タカの渡り調査
●2016/1-2 遠江
・2015年浜松市タカの渡り
●2015/10 奈良
・ツバメの塒
●2016//1 奈良
・古事記・日本書紀・万葉集の中の鳥たち
・奈良県産鳥類の追加(事務局)
・2015秋のタカの渡り
・オオムシクイの声紋による識別
●2016/1 佐賀県
・レンコン蓮田の防鳥ネット
・唐津市の風力発電設備計画

●2016/1-2 盛岡
・2016年ガンカモ類調査
 1/11、岩手県内陸部を中心に20箇所で調査した。総計5,580羽で内訳はオオハクチョウ257、コハクチョウ62、カルガモ1,555、マガモ1,503、オナガガモ633、コガモ632、ホシハジロ496、ホオジロガモ131、ヒドリガモ105、カワアイサ94、キンクロハジロ85等。
(盛岡「山翡翠」NO.368,P3)

●2016/1 神奈川
・支部の活動
 多くの会員は「多くの野鳥の棲める環境」つまり「生物多様性を維持、回復する」を願っている。(探鳥会に来ない)多くの方は探鳥会や野鳥観察に行かれないけれど、その理念に基づいた支部活動に期待して会員登録を継続していると考えられる。「親しむ」「調べる」「守る」で鳥に親しむから始まって「調べる」「守る」活動にステップアップしたい。役員はその手助けをするのが仕事である。会員からの具体的な提案等の積極的な協力をお願いする。
(神奈川「はばたき」NO.524,P2)

・干支と鳥名
 ね(子、鼠):ネズミドリ科の鳥がアフリカにいる。羽毛が鼠のようにボサボサ立っている。うし(丑、牛):Cattle Egret(アマサギ)。とら(寅、虎):トラツグミ、トラフズク。う(卯、兎):南米北部にタテジマフクロウ(愛称ウサギフクロウ)がおり、羽角がかなり長い。たつ(辰、竜):黒竜江葦切(コクリュウコウヨシキリ)。み(巳、蛇):外国にヘビワシ、ヘビクイワシ、ヘビウ等。うま(午、馬):馬を駒と呼びコマドリ。ひつじ(末、羊):ミズナギドリの英名にはMuttonbird(羊肉の鳥)の異名があり、食べると羊肉の味がする。さる(申、猿):サルハマシギ、マシコ類の漢字に猿子がある。とり(酉、鳥):鶏、英名Henがつくものにツカツクリ類、エゾライチョウ。いぬ(戌、狗、犬)はイヌワシのみ。い(亥、猪)は英名boarがつくアカハラヒタキモドキのみ。
(神奈川「はばたき」NO.524,P4)

●2015/11 福井県
・カケスの渡り
 カケスは福井県では留鳥であるが、秋に小さな群で暖地に渡る。若狭町では南西へ十数羽の群で終日通過し、一日で600〜900羽になる。カケスはヒヨドリ同様渡りコースがあるようである。
(福井県「つぐみ」NO.176,P2)

・2015年秋季タカの渡り調査
 9月、福井県内16定点で観察した。越前市西部の矢良巣岳:8日間でサシバ70、ハチクマ89、ノスリ1、敦賀市の鉢伏山:8日間でサシバ8、ハチクマ192、ノスリ1、敦賀市の天筒山:8日間でサシバ359、ハチクマ203、ノスリ24、石川県境の刈安山:3日間でサシバ37、ハチクマ43、ノスリ0、福井県最西部の父子:7日間でサシバ29、ハチクマ78、ノスリ0。
(福井県「つぐみ」NO.176,P3〜4)

●2016/1-2 遠江
・2015年浜松市タカの渡り
 9/20〜10/9、浜松市で観察した。サシバ1,794、ノスリ73、ハチクマ41、ミサゴ36、ツミ28、チゴハヤブサ6、オオタカ4、ハヤブサ3、チョウゲンボウ2、ハイタカ記録無。
(遠江「遠江の鳥」Vol.281,P14)

●2015/10 奈良
・ツバメの塒
 平城宮跡で野鳥生息調査をした時に葦原に塒入りするツバメの数を数えている。5月中旬から100羽前後の小さな群が現れ、7月初旬に9千羽と順調に増え、8月には4万羽に達し安定し、9月下旬には1万羽、そして10月に入るとツバメはいなくなった。
(奈良「いかる」NO.151,P3)

●2016//1 奈良
・古事記・日本書紀・万葉集の中の鳥たち
 古事記:鵜5首、雉4首、八咫烏、大鳥、鷺、雁、鵠、各3首。日本書紀:雉25首、鳥22首、雀11首、鷹8首、八咫烏、鶏各6首、鵐(しとど)、隼等。万葉集:ホトトギス163首、雁63首、鳥56首、鶯46首、鶴44首、かまめ(カモメ)、あじむら(トモエガモ)、あじ(コガモ)、鴛鴦(オシドリ)、千鳥、真鳥(ワシ)、鷹、みさご、鳰鳥(カイツブリ)、ぬえ(トラツグミ)、はまはまどり(イソシギ)、白鷺、都鳥(ユリカモメ)、ひばり等が出てくる。
(奈良「いかる」NO.152,P1〜2)

・奈良県産鳥類の追加
 9/7、生駒郡斑鳩町でヒメクイナ、10/10、奈良公園でオオムシクイが奈良県初記録された。これにて奈良県の鳥は20目、60科、260種、外来種4となった。
(奈良「いかる」NO.152,P15)

・2015秋のタカの渡り
 9/12〜10/9、御杖村御杖公園にてサシバ1,795、ハチクマ50、ノスリ12。ピークは10/3のサシバ836。9/22〜10/18、五條市金剛山南山麓にてサシバ2,359、ハチクマ118、ノスリ69、ハイタカ属15。ピークは10/3のサシバ704。
(奈良「いかる」NO.152,P17)

・オオムシクイの声紋による識別
 ムシクイ類は姿が似ており、写真でも識別が難しい。米国コーネル大学提供のフリーソフトRaven Liteを使い声紋分析した。メボソムシクイの地鳴きは3khz前後と低く、オオムシクイは3.5〜8khz、鳴き幅も0.1秒である。日本鳥類目録第7版ではウグイス科にあったムシクイ類はムシクイ科に独立し、その中のメボソムシクイはコムシクイ、オオムシクイ、メボソムシクイの3種となり、190〜250万年前に分かれ、異なる音声形質を持つ。
(奈良「いかる」NO.152,P18)

●2016/1 佐賀県
・レンコン蓮田の防鳥ネット
 佐賀県は全国有数のレンコン産地である。数年前から蓮田の上に防鳥ネットが掛けられ、レンコンを食べない野鳥も網に掛かり命を落としている。支部はネットの張り方を担当部署に相談している。その結果、以前、網は高いが横ががら空きで、野鳥が入り易かったのが、ネットをなるべく下に張る農家が増え、被害に遭う野鳥は減ったが、それでも未だタシギは低い網の隙間から入り、罹網している。
(佐賀「野鳥さが」NO.203,P3)

・唐津市の風力発電設備計画
 潟Aチハが唐津市で計画している2X1990KWの風力発電設備建設計画で、日本気象協会は事業の環境アセスを担当している。11/18、支部と同協会の話合いがあった。風車のブレード長さ43m、タワー全体の高さ121mで500m離して2基予定している。地元の関心は地元への還元策、風車の低周波騒音で、事業規模から見て国や県のアセス実施には該当しないとしている。野鳥調査はしているが、ツルの渡りルートに当りその調査はしていない。環境アセスはその発電出力で限定されるのか、ブレードの旋回面積、タワーの高さは関係しないのか。
(佐賀「野鳥さが」NO.203,P4〜5)

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.791

●2016/春の巻 弘前
・H28年県内一斉ガンカモ調査
●2016/2 神奈川
・オオタカ希少種解除問題のその後
(オオタカ調査グループ)
・武器・道具を名前に持つ鳥(その2)
・かながわの生物多様性ホットスポット(編集部)
・クマは生きている(丹沢フブナ党)
・カナダガン生態系から排除完了
●2016/2 沼津
・2016年1月ガンカモ類カウント調査
●2016/2 南富士
・ガン・カモ調査(調査研究部)
●2016/2 福井県
・カワアイサの越夏、ヒヨドリの渡り
・アオバズク観察記録
●2016/2 徳島県
・コムシクイを確認
●2016/2 山口県
・インドハッカ
●2016/2 福岡
・フィールドガイド日本の猛禽類

●2016/春の巻 弘前
・H28年県内一斉ガンカモ調査
 青森県内一斉調査で総計31,199羽を記録、内訳はヒシクイ84、マガン258、コクガン539、オオハクチョウ3,655、コハクチョウ94、コブハクチョウ28、カルガモ6,680、スズガモ6,512、マガモ3,890、ホシハジロ2,371、オナガガモ1,992、キンクロハジロ1,150、コガモ913、クロガモ811、ホオジロガモ574、ウミアイサ498、ヒドリガモ467、シノリガモ448、カワアイサ190等
(弘前「初列風切」NO.189,P3)

●2016/2 神奈川
・オオタカ希少種解除問題のその後
(オオタカ調査グループ)
 2014/10/16、環境省中央環境審議会野生生物小委員会はオオタカを「種の保存法」での国内希少種指定解除の方向を出したが、その後の保全策の必要性を指摘している。その後、環境省、日本オオタカネットワーク、日本野鳥の会、日本自然保護協会で協議が進められてきた。それを踏まえ下記を強調しておく。1・オオタカの個体数が安定している保証は無いので、各地で木目細かなモニタリング調査を継続する。2・オオタカが「種の保存法」での裏付けがあるから、里山等の生態系保全の実効性が保たれてきた。今後それに代わる法的に裏付けされた保全策が担保されない限り、指定解除すべきではない。
(神奈川「はばたき」NO.525,P2)

・武器・道具を名前に持つ鳥(その2)
 ツル(Crane)は起重機、南米のフナガモ(Steamer Duck)は蒸気船のように早く泳ぐ時、翼を水中で動かす。豪州のウロコフチョウ(Riflebird)はディスプレイ時にパチパチとライフルの様な羽音を出す。ケンバネハチドリ類(Sabrewing)はサーベルの形の翼を持つ。ヤリハシハチドリ(Sword-billed-Hummingbird)は剣を持ち、ミズナギドリ類(Shearwater)は刈り込み鋏が付く。その他、カンムリフウチョウモドキには冠羽にsickle(鎌)があり、セラハシタイランチョウはspade(鋤)を持つ。尾が鋏(scissor)のようでそれが名前にある鳥、フォークとも表現され、Rork-tailedが名前につく鳥がいる。
(神奈川「はばたき」NO.525,P4)

・かながわの生物多様性ホットスポット(編集部)
 11/14、藤沢市で神奈川県自然保護協会創立50周年記念講演会があった。特に保全が求められる場所はどこか、植物、昆虫、鳥、淡水魚、海水魚、両生類・爬虫類、各分野の専門家が解説した。鳥類については丹沢山地のクロジ、城ケ島のウミウ、相模湾の海鳥等を挙げ、移動範囲が広いので生息地のネットワーク化が重要である。
(神奈川「はばたき」NO.525,P6)

・クマは生きている(丹沢フブナ党)
 11/22、横浜市で丹沢ブナ党シンポジウムがあった。広島フィールドミュージアム金井塚務氏が記念講演で、クマの生態系である自然林が大幅に減少している、荒れた二次林も天然林として計上され伐採が激減しているのは伐り尽くされたのが実情である。ツキノワグマは液果、堅果に依存していると思われているが、本来は陸生魚類等を餌にしていた。パネルディスカッションではクマの生態環境として渓畔林がポイントとあった。
(神奈川「はばたき」NO.525,P7)

・カナダガン生態系から排除完了
 2010年の丹沢湖から始まったカナダガン対策は、山梨、静岡、長野、茨城、徳島各県の対策が進み、12/8、環境省は我国の生態系から排除されたと発表された。神奈川県では当支部、かながわ野生動物サポートネットワーク、県立生命の星・地球博物館、地域自然財産研究所、野毛山動物園等の協働があった。
(神奈川「はばたき」NO.525,P16)

●2016/2 沼津
・2016年1月ガンカモ類カウント調査
 静岡県の依頼で、1/3〜17、沼津市内10個所を調査した。総計889羽で内訳はカルガモ239、コガモ211、ヒドリガモ177、キンクロハジロ89、マガモ65、ホシハジロ47等。カワウは総計238羽を記録した。
(沼津「野鳥だより沼津」2016年2月、P3)

●2016/2 南富士
・ガン・カモ調査(調査研究部)
 1/10、富士川周辺の12箇所で調査した。総計2,377羽で内訳はマガン2、ヒシクイ1、コガモ715、カルガモ563、キンクロハジロ525、ヒドリガモ270、マガモ247、オカヨシガモ171、ホシハジロ52等。
(南富士「さえずり」NO.399,P4)

●2016/2 福井県
・カワアイサの越夏、ヒヨドリの渡り
 カワアイサは北海道東部では樹洞や土中の穴で繁殖しているものがいるが、少数であるが福井県も含め全国各地で、繁殖例は無いが越夏記録がある。
(福井県「つぐみ」No.177,P2)

・アオバズク観察記録
 敦賀市で5月アオバズクが孵化し、約2週間後、ニホンザルが巣穴付近に出没し、親鳥と肉弾戦を行う。孵化時期は毎年、アブラゼミの初認と符合する。4羽孵化し、7/19夕方2羽が巣立ち、7/21、1羽が巣立ち、もう1羽は巣立ちしなかった。8/10には親も巣立ち雛も見なくなる。9月末にホッホーとアオバズクの声があるが、渡り途中の別の個体である。
(福井県「つぐみ」No.177,P8〜9)

●2016/2 徳島県
・コムシクイを確認
 コムシクイは野外での外観からの識別は困難で、囀りがあれば容易である。しかし、秋の渡り時期に見ても囀りが無いので、地鳴きを収録しフリーソフトのAudacityから該当部分を切り出し、フリーソフトRavenliteで声紋分析した。オオムシクイは波形が2箇所に割れて広いのに対し、コムシクイは周波数がまとまっている。秋に四国をコムシクイが通過しているのは興味深い。
(徳島県「野鳥徳島」NO.449,P3)

●2016/2 山口県
・インドハッカ
 1/27、下関市の離島、六連島でインドハッカを撮影した。国際自然保護連合(IUCN)種の保存委員会が非常に侵略的な外来種ワースト100種とした中にいる鳥類3種(シリアカヒヨドリ、ホシムクドリ、インドハッカ)の1種で、生態系や農業へ深刻な脅威をもたらす可能性がある。
(山口県「やまぐと野鳥だより」NO.243,P11)

●2016/2 福岡
・フィールドガイド日本の猛禽類
 2012年にミサゴ、2013年にサシバ、この度ハイタカのガイド本を制作した。湖北ワイルドライフアートスタジオhttp://www.studiokohoku.com/ で購入できる。
(福岡「野鳥だよりふくおか」NO.436,P13)

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.792

●2016/初春の巻 弘前
・2015秋青森市浪岡ワシタカ類の渡り
●2016/2 東京
・行徳野鳥観察舎の休館について(幹事会)
・葛西臨海公園東なぎさ大クリーン作戦
・東京、神奈川のサギ類繁殖地(アオサギ研究家)
・第119回鳥島オキノタユウ調査
●2016/2 静岡
・猛禽類
●2016/2 兵庫
・福島の子どもたちへの支援探鳥会
●2016/2 筑豊
・コクマルガラス
・マシコ類(Rosefinch)
・オナガ
・鳥の換羽(編集部)
●2016/2 佐賀県
・佐賀県の傷病鳥獣保護について
・H27年度愛鳥モデル校指導
・マナヅル北帰行渡来(2/13 佐賀新聞)

●2016/初春の巻 弘前
・2015秋青森市浪岡ワシタカ類の渡り
 9/1〜11/25、青森市浪岡、スキー場展望台で調査した。記録した個体数はノスリ1,443、ハイタカ351、トビ195、ハチクマ160、ツミ112、オオタカ57。それ以外にミサゴ6、チュウヒ1、チゴハヤブサ4、ハヤブサ7。ノスリのピークは10/28の158、9/5〜11/16渡った。ハイタカのピークは10/28の61、9/5〜11/16渡った。ハチクマのピークは9/14の41、9/1〜9/29渡った。ツミのピークは9/29の72、9/3〜11/1渡った。オオタカのピークは10/28の10、9/6〜11/16渡った。
(弘前「初列風切」NO.188,P4〜5)

●2016/2 東京
・行徳野鳥観察舎の休館について(幹事会)
 東京湾奥部にある千葉県行徳野鳥観察舎は1976年オープンしたが、耐震基準から危険として12/28から無期休館になっている。同地では東京支部が母体になって「新浜を守る会」等が保全活動を展開している。同所に併設する野鳥病院は千葉県の唯一公的傷病鳥受け入れ施設になっている。環境教育や市民の憩いの場でもある千葉県に対し、「観察舎休館」に意見をお寄せ下さい。
※千葉県環境生活部自然保護課鳥獣対策班宛
FAX:043-225-4630
https://www.pref.chiba.lg.jp/form/b_kouhou_center_teian-j/form.html
(東京「ユリカモメ」NO.724,P3)

・葛西臨海公園東なぎさ大クリーン作戦
 11/10、2000年から16年間続いている渚の清掃作業を行った。50L袋55個のゴミが回収された。参加者73名、漁協は船を2隻出した。作業後、自然観察会を行った。
(東京「ユリカモメ」NO.724,P12)

・東京、神奈川のサギ類繁殖地(アオサギ研究家)
 多摩川中流域では1995年頃よりアオサギの繁殖が観察され、多摩動物公園内に移動後、150巣程度で安定している。東京、神奈川でのアオサギ繁殖地は多摩動物公園、調布市深大寺、行徳、羽村市動物公園、葛西臨海公園、井の頭公園、水元公園、お台場、青梅市友田、連光寺(多摩)、立川市柴崎町、横浜市戸塚上矢部、横浜市金井遊水地、川崎市王禅寺、横浜市佐江戸、川崎市等々力緑地、横須賀市浦賀、藤沢市山本公園が知られる。
※アオサギ・ネット
http://home.c00.itscom.net/ardea/
(東京「ユリカモメ」NO.724,P16〜17)

・第119回鳥島オキノタユウ調査
 12月の鳥島での(アホウドリ)調査結果、繁殖番は752(前年比71増)、個体数カウント平均値1,229(前年比147増)。従来の燕先斜面より、新コロニー(燕先崖上、北西斜面)での増加率が高い。鳥島のオキノタユウは順調に増加している。
(東京「ユリカモメ」NO.724,P17) 

●2016/2 静岡
・猛禽類
 日本で繁殖する猛禽類は抱卵時期は種により様々であるが、雛の巣立ちは殆ど同じ時期になる。その時期が餌の多い7、8月に集中しているのは豊富な餌で雛の独り立ちを支えるためである。
(静岡「野鳥だより」NO.432,P1〜2)

●2016/2 兵庫
・福島の子どもたちへの支援探鳥会
 12/6、13、原発災害で外遊びもままならない福島の子どもたちへの支援のための探鳥会を6箇所で実施した。今回、5回目で参加者141名、カンパ金は福島県日本野鳥の会連携団体連合会へ送金された。
(兵庫「コウノトリ」Vol.210,P2)

●2016/2 筑豊
・コクマルガラス
 黒色型と白色型があり、後者は頸の周りから胸、腹にかけて白くパンダガラスとも呼ばれる。宮崎駿監督の「魔女の宅急便」にも出てくる。昆虫、穀物、果物等を食べるが、ミヤマガラス同様、生ゴミは食べない。※出展:筑豊支部監修 筑豊の野鳥 観察ガイドブック
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.456,P3)

・マシコ類(Rosefinch)
 国内のマシコ類はオオマシコ、アカマシコ、ハギマシコ、ベニマシコ等で、俗に言う「赤い小鳥」の仲間である。北方系が多く、福岡県内でも冬鳥、旅鳥として散発的に観察される。赤く美しい雄成鳥を見るのは少ない。ベニマシコは北海道でも繁殖し、九州でも比較的観察されやすい。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.456,P19〜21)

・オナガ
 オナガはユーラシア大陸の東部(ロシア東部、中国東部、朝鮮半島)と遥か西部のスペインのイベリア半島に生息し、日本では中部地方から東北地方に分布する。1970年頃までは全国的に生息し、その後10年程で九州でも見なくなり、東日本に偏ってしまっている。数万年前まではユーラシア大陸全域に生息していたが、現在は両側に分断されている。日本ではオナガとカササギを同時に見る場所は無いが、中国、朝鮮半島ではカラスの仲間である両種を一度に見る事ができる。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.456,P23〜25)

・鳥の換羽(編集部)
 日本で見られる鳥では冬羽から夏羽へ(部分換羽)、夏羽から冬羽へ(完全換羽)が多い。繁殖期は夏場、非繁殖期は冬羽となる。それぞれ生殖羽、非生殖羽と呼ぶ事もある。雛は幼綿羽と呼ばれるダウン(綿毛)に覆われているが、羽軸のある正羽へ換羽し幼鳥になり、第1回冬羽で風切、尾羽は抜け換わらないものが多い。小鳥類では第2回冬羽で成羽になる。完全に成羽になっていない個体は学術的に幼鳥と呼ばれるが、今年生れの巣立ち雛と区別するため、便宜的に若鳥とも呼ばれる。2歳以上と分かれば「未成鳥」「亜成鳥」とも呼ぶ。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.456,P37)

●2016/2 佐賀県
・佐賀県の傷病鳥獣保護について
 佐賀県には動物園や鳥類保護センターのような野生動物を扱う獣医が配置された施設が無い。鳥獣保護員を経由して指定の動物病院に持ち込み、検査、治療後、ボランティアが引き取り養生後、自然復帰させるのが現実的な対応かと思われる。これには神奈川県の「野生動物救護ボランティア制度」が参考になる。
(佐賀県「野鳥さが」NO.204,P5〜6)

・H27年度愛鳥モデル校指導
 12/15、玄海町で小学1、2年生101名に対し、会員が寸劇「身近な鳥とその暮し」(渡りと食物連鎖の話)を演じた。12/17、中学1年生59名に対し、野鳥講座(映像、鳴き声、渡り、食物連鎖)、野鳥観察を行った。1/21、小学4年生65名に対し巣箱作りを行った。
(佐賀県「野鳥さが」NO.204,P7〜8)

・マナヅル北帰行渡来(2/13 佐賀新聞)
 2/7夕方、鹿島市のラムサール条約登録の新籠海岸近くの田圃に、出水平野からの北帰行途中のマナヅル300羽近くが、6、7のグループで降り立った。この地では初めてである。翌日朝9時頃、北西へ飛び立った。
(佐賀県「野鳥さが」NO.204,P21)

(自然保護室・野鳥の会・神奈川/森 要)

事務局からのお知らせなど

■普及室より

■4月号『フィールドガイド日本の野鳥』増補改訂新版の取り組み■


<オオハシシギは普通か?>

 前号では、観察頻度を示す考え方について書きました。その中で触れたつもりですが、普通の鳥とは何か?・・・これが簡単には決められません。地域や時代によっても違うのは「珍しい鳥とは?」「どのくらい珍しいか?」も同じです。
 日本鳥類目録では、少ない記録をIV=irregular visitor(不規則な飛来)、AV=accidental visitor(偶然の飛来)などに区分していますが、目録に掲載されていない観察例は多々あるし、目録と異なる見解も少なくありません。新版の観察頻度は目録7版を参考にしながらも、私自身の観察や全国各地の支部報などによる情報を加味し、さらに、各地の会員に尋ねたりしながら、私が判断しました。
 私が増補改訂版を担当して普通に見られる種に●○△を記した後、新版で変えた例を紹介しておきましょう。ウミウは●(広い範囲で普通にいる)から○(範囲は広いが多くない)にしました。同じ頁のカワウの●とは差をつけたほうがよいと考えたからです。オオハシシギは無印から△(地域や環境によっては普通)にしました。全国各地の支部報など拝見していると、近年、観察例が増えてきているようです。無印、つまり普通でない鳥の定義は前号でも記したように「飛来が不定期」「とても少ない」ですが、オオハシシギは今やそうとは言えないと考えました。ただ、定期的に飛来している場所は多くはないと思われるので、△としました。

<チュウジシギは珍しいか?>

 新版での●○△に、異論もあることでしょう。私自身が悩みに悩んだし、人に相談するほどにさまざまな見解が返って来ます。今も悩み続けている例としてチュウジシギを挙げておきます。
 オオジシギやハリオシギなどの類似種との識別は野外では難しいとされてきたし、今も簡単とは言えません。が、近年は支部報などで、外側尾羽の色や模様、形状、枚数を確認するなどして、識別根拠をきちんと示している記録が増えてきました。時間をかけて観察し、慎重に検討すれば、定期的に飛来しているところは少なくないと思われます。△や○として、観察を促すべきとの意見もありました。
 しかし、種を特定できないことも少なくない現実を理解できない人が増えるのは困るし、わからない時は、はっきり「わからない」としていた故高野伸二の姿勢を思いだし、無印のままにしてあります。
 ちなみに、これら通称ジシギ類の修正箇所には、解説では外側尾羽の違いの追記、図版ではハリオシギの肩羽の模様(タシギに似て見えた羽縁の白線の一部を削除)があります。高野図版のハリオシギのくちばしが長すぎたのは、増補改訂の際に修正しました。
 ここで余談ですが、旅鳥のシギたちが北上する頃になると、シギが好きだった高野さんを思い出します。新版をお持ちの方は、P5の高野さんの「はじめに」をご覧下さい。私が希望して、右上に3種のシギが伸びをしている図版を並べてもらいました。私は、はじめ、識別が難しいシギたちを好きではありませんでした。森の小鳥よりも動作や行動を観察しやすい、その声は単純でも哀愁に満ちているなど、シギたちの魅力は高野さんに教えられました。

<メジロの卵は緑っぽいか?青っぽいか?>

 新版に挟まれている「お客様アンケート」はがきが、たくさん戻ってきます。有難いことですが、関わった当人としては一喜一憂しています。「増補版と全然変わっていない」とか「掲載順を変えていないのはおかしい」など、中味をよく読んでいないと思われる意見や感想が少なくありません。そのような辛いはがきもある一方で、この連載を読んでいる方などからは具体的で、適切なご意見やご指摘をいただいており、感謝に耐えません。逐一返信できていないのは申し訳ないのですが、適切なご指摘については、例えば2刷りの段階で、どう修正すればご指摘を生かせるかなどを検討しています。
 3月に、日本野鳥の会三重の研修会に呼ばれて出向いた際、「日本の野鳥識別図鑑」をネットで展開されている三曽田明さんから「新版では、どこをどう変えたのですか?」というご質問をいただきました。この連載で新版での修正やその背景を紹介してきたつもりですが、メジロの卵の色の書き直しについて、ちょうど実物が手元にあったのでお示しして、解説できました。些細な修正箇所ではありますが、誤りや至らなかった点を思い今も心休まらない身としては、僅か一文字の直しにも経緯があることを知っていただければ幸いです・・・。
 私が探鳥会などによく持参する、拾った羽や卵の殻などを披露していたので思い出したのですが、増補改訂版(P342)でメジロの卵を「緑がかった白」と書いたのを、新版(P348)では「青緑がかった白」に修正しました。
 増補改訂版で「古巣・卵・痕跡の見分け方」を追記した際、小海途銀次郎さんの著作『巣と卵図鑑』(世界文化社)を参考文献とさせていただきました。そこには、メジロの卵は「純白または淡青緑色で無斑」と書いてあり、5卵の図版はどれもやや緑味を帯びているように見えました。卵の識別はおまけのようなもので、字数を割くことができず、「緑がかった白」と大雑把にまとめた表記にしたのですが、その後、会員からもらった卵の殻には、緑系より青系に見える白もありました。小海途さんが書かれた「淡青緑色」が適切な表現であると、改めて考えた次第です。


© 谷口高司
*新版で谷口高司さんに追加していただいた画像から、オニカッコウ(左:雄、右:雌)を紹介します。雄は光の具合によってはもっと輝いて見えることもありますが、好条件は例外的と考えて、地味めに描いてもらいました。

(普及室/安西 英明)


■自然保護室より

■「世界渡り鳥の日」のご紹介■

 5月といえば日本では愛鳥週間(5/10〜5/16)ですが、世界的には「世界渡り鳥の日:World Migratory Bird Day(WMBD)です。今年は、5月14日,15日です。そして今年のテーマは、「渡り鳥の密猟・違法な取引をなくそう!」です。
 「世界渡り鳥の日」とは、世界規模で渡り鳥とその生息地を守るためのキャンペーンとして国連環境計画(UNEP)の下にある2つの国際野生生物条約(移動性野生動物の種の保全に関する条約(ボン条約)及びアフリカ・ユーラシア渡り性水鳥保全協定(AEWA))の主催で 2006年から毎年開催されています。世界各地で渡り鳥に関する観察会や調査、展示イベントなどが行われています。アジアでも東アジア・オーストラリア地域フライアウェイ・パートナーシップ(EAAFP)もサポートを行っています。
 残念ながら、日本はボン条約に加盟していませんが、日本からもこの日の前後に行った各種のイベントや調査などの活動を登録することができます。イベントはEAAFPのホームページや特設のホームページから登録ができます。ホームページは、右上の言語を選ぶと機械翻訳ですが、日本語でも見ることができます。
 バードウォッチングに最適なこの季節、世界でも野鳥保護のためのイベントが行われていることをご紹介しました。日本も早くボン条約に加盟できることを希望します。
※EAAFPの関連ページ:
http://www.eaaflyway.net/our-activities/wmbd/wmbd2016/#poster
※特設ページ:
http://www.worldmigratorybirdday.org/


(自然保護室/葉山 政治)


総務室より

■平成27年度第5回理事会(定例)議事録■

1、開催日時  平成28年3月10日(木) 午後4時00分〜午後6時10分

2、開催場所  当財団会議室 東京都品川区西五反田3-9-23丸和ビル3階

3、出席者
出席理事 9名(理事現在数 9名)
安西 英明
上原 健
遠藤 孝一
狩野 清貴
佐久間 仁
佐藤 仁志
松田 道生
見田 元
吉田 新

出席監事
川村 研治

傍聴
石井 隆(評議員)
岡本 裕子(職員労働組合副委員長)
江面 康子(職員労働組合書記)

事務局
葉山 政治(自然保護室長兼保全プロジェクト推進室長代理)
富岡 辰先(普及室長)
田尻 浩伸(保全プロジェクト推進室長)
大畑 孝二(施設運営支援室長)
景山 誠 (会員室長代理)
奥田 秋穂(総務室長)
五十嵐 真(総務室長代理)
林山 雅子(総務室員)

4、議長  理事長  佐藤 仁志

5、議決事項
第1号議案 平成28年度第1回評議員会招集の件
第2号議案 平成28年度事業計画及び予算(案)の件
第3号議案 常務理事選解任の件
第4号議案 事務局長任命の件
第5号議案 平成28年度常勤役員の年間報酬額決定の件
第6号議案 顧問委嘱の件
第7号議案 小林弘明氏ご寄付の資金使途の件
第8号議案 理事会招集権者順序決定の件

6、議事の経過の要領及びその結果
 理事会開催にあたり、冒頭、佐藤仁志理事長から挨拶があった。遠藤孝一常務理事が開会を宣言し、本理事会は定款第42条の規定に定める定足数を満たしており、適法に成立している旨の報告がされた。また、石井隆評議員及び職員労働組合から2名の傍聴者が出席している旨の報告がされた。なお、議事録署名人については、定款第44条に基づき、出席した代表理事及び監事となっており、佐藤理事長、吉田新副理事長及び川村研治監事が署名人となることを確認した後、次の議案の審議に入った。

(1) 第1号議案 平成28年度第1回評議員会招集の件
 奥田秋穂総務室長より、定款第20条に基づき、下記の要領で定時評議員会を招集する旨の説明がされた。
 審議を経て、議長がこの賛否を諮ったところ、全員が異議なくこれを承認した。
1 日時:平成28年6月15日(水)16:00〜
2 会場:日本野鳥の会西五反田事務所会議室
3 目的事項
(1) 議決事項  なし
(2) 報告事項
1 平成27年度事業報告及び決算の件
2 平成28年度事業計画及び予算の件
3 平成27年度第4・5回 及び平成28年度第1回理事会の結果の件

(2) 第2号議案 平成28年度事業計画及び予算(案)の件
 各室より、平成28年度事業計画(案)の概要について、資料に基づき説明がされた。引き続き、五十嵐真総務室長代理より、平成28年度予算(案)について、一般正味財産の部の経常増減額は37,552千円増、全体では正味財産期末残高が2,418,704千円と期首に比べ126,023千円減少する予算であること、また会計及び事業区分ごとの損益の傾向等について資料に基づき説明がされた。なお、平成28年度予算(案)は、資金収支ベースで583千円のマイナスに抑えられており、収支均衡という予算編成の目標をほぼ達成できたと説明がされた。
 上原健理事より、事業計画に定量目標の記載がないがとの質問があり、吉田副理事長より事業計画には数値目標を記載しないが、個別の執行計画書には目標数値を設定している旨の説明がされた。
 審議を経て、議長がこの賛否を諮ったところ、全員が異議なくこれを承認した。

(3) 第3号議案 常務理事選解任の件
 佐藤理事長より、昨年10月から常勤でなくなった佐久間仁常務理事について、本日をもって常務理事を解任し上原理事を常務理事に選任したい旨の説明がされた。
 審議を経て、議長がこの賛否を諮ったところ、全員が異議なくこれを承認した。

(4) 第4号議案 事務局長任命の件
 佐藤理事長より、定款53条に基づき、上原常務理事をこれまで空席になっていた事務局長に任命する旨、資料に基づき説明がされた。
 審議の結果、議長がこの賛否を諮ったところ、全員が異議なくこれを承認した。

(5) 第5号議案 平成28年度常勤役員の年間報酬額決定の件
 奥田総務室長より、定款第33条及び「役員及び評議員の報酬等並びに費用に関する規程」第3条に基づき、平成28年度の常勤役員の報酬額を資料のとおりとする旨の説明がされた。
 審議を経て、議長がこの賛否を諮ったところ、全員が異議なくこれを承認した。

(6) 第6号議案 顧問委嘱の件
 奥田総務室長より、土屋正忠氏を引き続き顧問として選任し委嘱すること、任期を平成28年5月27日から2年間としたい旨の説明がされた。
 審議を経て、議長がこの賛否を諮ったところ、全員が異議なくこれを承認した。

(7) 第7号議案 小林弘明氏ご寄付の資金使途の件
 五十嵐総務室長代理より、小林弘明氏のご寄付の使途について、遺言公正証書及び生前のご意思に基づき、資料のとおりとする旨の説明がされた。
 審議を経て、議長がこの賛否を諮ったところ、全員が異議なくこれを承認した。

(8) 第8号議案 理事会招集権者順序決定の件
 佐藤理事長より、定款40条第2項に基づき、理事長に事故があった場合の理事会招集権者の順序を、吉田副理事長、上原常務理事、遠藤孝一常務理事の順としたい旨の説明がされた。
 審議を経て、議長がこの賛否を諮ったところ、全員が異議なくこれを承認した。

7 報告事項
(1) 資金運用状況の件
 五十嵐総務室長代理より、「資金運用規程」第9条に基づき、運用中の債券の参考時価及び格付け等について説明がされた。

(2) 平成27年度大口寄付の資金使途の件
 五十嵐総務室長代理より、平成27年度の1億円以上の大口ご寄付のうち第7号議案を除いた2件の資金使途について、資料に基づき説明がされた。なお、この2件については公正証書等で使途が明確にされているため、報告案件とした旨の説明がされた。
 松田道生理事より、大口寄付に係る広報について質問があり、景山会員室長代理より、遺贈者の意志に沿うが、可能な限り寄付を何に使用したかを広報していくとの説明がされた。また大口寄付が好調な背景には、三菱UFJ信託銀行のOB及び三菱UFJ信託銀行の協力によるところが大きいとの説明がされた。

(3) 根室市道移設に伴う三菱UFJ信託銀行野鳥保護区酪陽の記念碑設置地の土地一部売却の件
 田尻浩伸保全プロジェクト推進室長より、北海道開発局が進める根室防雪事業による国道及び根室市道付け替えに伴い、三菱UFJ信託銀行野鳥保護区酪陽の記念碑設置地の一部が道路予定地に掛かるため、記念碑の移設を前提に北海道開発局と補償条件について協議してきたところ補償金の提示があったことが報告された。なお、北海道開発局への土地売却承認の回答期限は3月末とされたことから、「理事会規程」第11条第2項に基づき、理事会の決議を経ずに土地の売却を先行させる場合もあることも報告がされた。

 議長は以上をもって全部の報告を終了した旨を述べ、午後6時10分閉会を宣言し解散した。

 上記の議事を明らかにするために議事録を作成し、佐藤理事長、吉田副理事長及び出席監事の名において記名、捺印する。

平成28年3月17日

公益財団法人日本野鳥の会

議長  代表理事 佐藤 仁志

代表理事 吉田 新

監  事  川村 研治

(総務室/林山 雅子)


■新常務理事(兼 事務局長)のご紹介■

 平成28年3月10日に開催された理事会において、上原健理事が常務理事及び事務局長に就任されました。

【常務理事(兼事務局長)】上原健(うえはら たかし)

(就任のご挨拶)
 ついこの間、理事就任のご挨拶をさせていただきました上原健です。何がどう転んだのか、4月からは常務理事と兼務で事務局長という重責を担うことになりました。
 先に理事の抱負として「多くの方とコミュニケーションを深め、どんどんアイデアを出していきたい。」と書きましたが、早くも責任をもってそれを実践する立場となり、身が引き締まる思いです。
 事務局長としての私の責任は、約60名の職員を擁する事務局をひとつのチームにすることです。チームが皆で掲げた目標を達成するために、日々前向きに、誇りをもって新しいことにチャレンジできるような職場環境作りに取り組みたいと思います。私自身にとってもそれは大きなチャレンジですが、「誠実さ」をもってその大切な仕事に臨みます。そして職員一人ひとりにも「誠実さ」を求めたいと思います。家族に対して、仕事や同僚、会員の皆さんに対して、自然に対して、そして何より自分に対して誠実であること。この価値感をチームで共有して活動することで、社会から信頼され、必要とされる存在になりたいと思います。それなりに不安もありますが、その何倍も楽しみで、わくわくしています。どうぞ、よろしくお願い致します。

(総務室/林山 雅子)


■支部名称・代表者・事務局等変更のお知らせ■

 名称変更などがあった支部についてお知らせいたします。

【支部長の変更】
●日本野鳥の会佐渡支部
新支部長:土屋 正起
前支部長:坂田 金正
変更年月日:2016年3月6日より

【事務局長の変更】
●日本野鳥の会佐賀県支部
新事務局長:中村 さやか
前事務局長:島田 洋
変更年月日:2016年4月1日より
(敬称略)


(総務室/鈴木 美智子)


会員室より

■会員数■

 4月1日会員数35,822で、先月に比べ49人減少しました。3月の入会・退会者数の表をみますと、入会者数は退会者数より55人少なくなっています。
 会員の増減は入会者数と退会者数のほかに、会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活した人数によって決まります。3月の入会者数は160人で、前年同月の入会者154人に比べ6人増加しました。また、3月の退会者は215人で、前年同月の退会者267人に比べ52人減少しました。

表1. 3月の入会・退会者数

※会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活する方がいらっしゃるため、退会者数の年度累計は、実際の退会者数とずれた数字となります。このため、退会者数合計については年度末の集計後にお知らせいたします。

■都道府県および支部別会員数■
 野鳥誌贈呈者数を除いた数を掲載します。

表2 都道府県別の会員数(4月1日現在)

備考:不明は転居先が不明の会員を示します。

表3 支部別の会員数(4月1日現在)

備考:支部別の会員数の合計は、都道府県別の会員数の合計と異なります。
これは、本部型(青い鳥)会員や支部に所属されていない個人特別会員が支部別の会員数に含まれないためです。


(会員室/沖山展子)


■支部ネット担当より

 朝、窓を開けると、シジュウカラのさえずりが聞こえるようになりました。野鳥の子育ての季節は始まっています。皆さまいかがお過ごしでしょうか。いつも支部ネット通信をご愛読いただき、ありがとうございます。
 今月号では、「世界渡り鳥の日」が紹介されていました。野鳥を観察することは、グローバルなことなのですね。支部の活動を登録してみてはいかがですか。また、新事務局長の抱負も記載しております。新たな年度とともに、日本野鳥の会事務局一同、新たな気持ちで活動を進めていきたいと考えております。皆さま、お体をくれぐれもご自愛ください。

■支部ネット通信は支部の代表の方に電子メールでも配信をしています。電子メールでの配信を希望される支部の代表の方は下記メールアドレスまでお気軽にお申し込みください。

支部ネット通信 第145号
◆発行
公益財団法人日本野鳥の会 2016年4月26日
◆担当
総務室 総務グループ
奥田秋穂/林山雅子
〒141-0031
東京都品川区西五反田3-9-23
丸和ビル
TEL:03-5436-2620
FAX:03-5436-2635
E-mail:[email protected]