No.155 2017年2月号


バックナンバー一覧に戻る

目次 ◆支部の動き
支部報 保護・調査記事関連トピックス
◆事務局からのお知らせなど
2月号『フィールドガイド日本の野鳥』
 増補改訂新版の取り組み

ワイルドバード・カレンダー2018 写真募集中
ブロック会議運営費助成が始まります
平成28年度連携団体全国総会報告
支部・代表者・事務局変更のお知らせ
会員数

支部の動き

■支部報保護・調査記事関連トピックス■

 本記事は日本野鳥の会へ送付されてきている各地の支部報/会報から抽出して作成し、調査・保護に関心がある野鳥の会の会員へ配信しております。本記事の一部又は全部を不特定多数が見る可能性があるところへ公開される場合は、各支部/各会の了承を事前に得て下さい。記事は筆者の意向に反しないように、取り扱いをお願いします。

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.829

●2017/1 埼玉
・野鳥記録委員会の最新情報(同委員会)
・カワウ対策の今後(県カワウ対策協議会委員)
・WING閉館
●2017/1 東京
・中西悟堂生誕百二十周年記念誌「自然」
・下町のツミは生き残れるのか
・名所復活が望まれるオシドリ
●2017/1 香川県
・ナベヅル紀行
●2017/1-2 島根県
・H28年度連携団体全国総会
・台風に連れてこられたセグロアジサシ
●2016/12 福岡
・2016年秋ハチクマの渡り観察(片江展望台観察班)
●2016/12 筑豊
・紙の会報からメール版会報へ
・植物の分類(植物部・編集部)

●2017/1 埼玉
・野鳥記録委員会の最新情報(同委員会)
 10/13、所沢市でキマユホオジロが撮影された。埼玉県内野鳥リスト337番目に追加した。10月初旬〜中旬、滞在した。茨城県では記録がある。10/30、幸手市でモリムシクイの写真が幹事に寄せられた。県内338番目の野鳥となった。本種はユーラシア大陸西部に分布し、熱帯アフリカで越冬する。「日本鳥類目録」改訂第7版(2012年)に拠れば、国内では1984/10、舳倉島で、1991/10、苫小牧市で、2006/10、飛島で記録があるのみ。
(埼玉「しらこばと」NO.393,P4)

・カワウ対策の今後(県カワウ対策協議会委員)
 関東におけるカワウ個体数(12月)は1994年からピークの2009年までに2.2倍の約2万羽、塒数は11.5倍の約90箇所に増えたが、その後2015/12までに約18,000羽、約70箇所になっている(2016加藤)。環境省と農林水産省は2014/4、「カワウ被害対策強化の考え方」を発表し、被害地から半径15kmのカワウを管理し、10年間で個体数半減を目指す。山梨、静岡、新潟を含む「関東カワウ広域協議会の指針」に基づき、2007/11、「埼玉県カワウ対策計画」が策定され、県内のコロニーは森林公園1箇所に限定し、他への定着を防止する。
(埼玉「しらこばと」NO.393,P5)

・WING閉館
 連携団体全国総会で報告があった。東京都日野市にある本部の「鳥と緑の日野センター」(愛称WING)は日野市から敷地2,000坪の無償貸与を受け、多くの会員の寄付のもと、1997/3に竣工し、国際協力事業、調査研究、保護分野等の事業を行ってきたが、20年を経て修理、維持に多額の費用が掛かるとして、解体撤去、更地で返還することを理事会で決定した。
(埼玉「しらこばと」NO.393,P12)

●2017/1 東京
・中西悟堂生誕百二十周年記念誌「自然」
 2015年は悟堂生誕120周年に当たり、その記念誌「自然」が刊行された。西洋思想ではnatureにはヒトは含まれず、ヒトと対立するものと捉えられ、東洋思想では「自然」はヒトも含め、天地一切を意味する。したがって、野鳥の会は鳥類愛護のみならず思想性や文芸を介しての感性、抒情性を育む総合的文化運動として発足した。悟堂の3000首の短歌から35首を厳選し、紹介し、悟堂が護ってきた注記すべき野鳥33種を解説している。現在、野鳥の会会員で中西悟堂の名前を知らぬ人も多い。どの団体であれその理念、歴史を知るのは大事である。
(東京「ユリカモメ」NO.735,P3)

・下町のツミは生き残れるのか
 東京江東区の仙台堀川公園は30年以上前、運河を埋立て造成された10.4haの親水公園である。公園両側の道路を拡幅し園内の0.9haが伐採される計画がある。ここでは4、5年前からツミが毎年3〜4羽の雛を育てている。東京都区部の絶滅危惧種(TA類)を保護しなければならない規定はなく、区の決済で工事は進む。ご意見を「仙台堀川公園を考える会」にお寄せ下さい。
(東京「ユリカモメ」NO.735,P10)

・名所復活が望まれるオシドリ
 嘗て、都心部には大規模なオシドリの名所があった。台東区の不忍池で最大300羽(1960〜70年代)、港区の自然教育園で158羽、皇居のお堀で342羽(1980年代)との記録がある。その後明治神宮、新宿御苑で見られていたが、2010年代は風前の灯である。減少するオシドリを増やそうと、武蔵野市の井の頭自然文化園では1988年から「オシドリ千羽計画」を立て巣箱での繁殖、人工育雛を試みたが難しい。
(東京「ユリカモメ」NO.735,P20)

●2017/1 香川県
・ナベヅル紀行
 鳥の飛行速度はどうやって測っているか?「鳥の渡りを調べてみたら」(ポール・ケリンガー著)ではレーダーでの測定、体の大きさ類似種から推定、トランシーバーによる一定区間時間測定、電波送信器取り付け等紹介されているが、汎用的でない。最近はGPS、速度計利用もある。私は動画のコマ送りで鳥の体長との比較で鳥がほぼ真横方向に通過する場合を解析した。四万十市に飛来しているナベヅルで得られた計測速度を13%減すると(35km/h)で他の計測値とよく合った。これは飛行時の鳥の体長が少し短いためと思われる。このツルは日常的に西伊予市宇和を行き来しており、その間飛行時間2時間半と合う。その間は500mを超える山間を縫いながら河川沿いに飛ぶ。
(香川県「かいつぶり」NO.396,P1〜4)

●2017/1-2 島根県
・H28年度連携団体全国総会
 11/12,13、千葉市で開催。全国の支部から60名、本部から43名が参加した。柳生会長の挨拶で「バードウォッチング長靴」がロングライフデザイン賞を受賞したと報告あった。NHK小野氏から「ニッポンの里山」の講演があり、松田道生理事からは「野鳥の鳴き声とその魅力」の講演で「鳴き声ガイド日本の野鳥」の誕生秘話の紹介があった。本部事務局より現況報告、各支部への依頼があった。3支部よりブロック会議等の報告があり、翌日も10支部から自然保護に関する問題提起、会員を増やす方策等が発表された。幼稚園/保育園関係者への勧誘(神奈川)、支部報電子化(京都)もあった。
(島根県「スペキュラム」NO.175,P4)

・台風に連れてこられたセグロアジサシ
 10/6朝、大田市の畑で羽をばたつかせているセグロアジサシが報告された。前日、島根県沖を通過した台風に巻き込まれたようである。陸から遠く大洋上で生活し、尖閣列島、沖ノ神島で繁殖している。
(島根県「スペキュラム」NO.175,P9)

●2016/12 福岡
・2016年秋ハチクマの渡り観察(片江展望台観察班)
 9/8〜10/10、片江展望台で観察した。観察者累計213名でハチクマ6,346羽を記録した。ピークは9/24:1,183、10/2:1,030であった。
(福岡「野鳥だよりふくおか」NO.446,P13)

●2016/12 筑豊
・紙の会報からメール版会報へ
 11月の連携団体全国総会で支部は電子版(メール)での交流を提案し、了承された。現在、四半期ごとに本部から全国約90連携団体へ紙ベースの会報を送付しているが、本部に送られてきた電子版会報を受信環境がある85団体へメールで配信することになった。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.466,P24〜25)

・植物の分類 (植物部・編集部)
 花が咲くもの:子房が無いものは裸子植物、子房が有るもので子葉1枚は単子葉類、2枚は双子葉類で合弁花と離弁花に分かれる。花が咲く植物は全体の約8割を占め種子植物と呼ばれる。花が咲かないものは維管束(束状の組織で水や養分の運搬、植物体の芯として支えるもの)の有るものはシダ植物、無いものは水中であれば藻類、陸上ではコケ植物となる。種子植物は種子に発芽に必要な栄養が蓄積されているが、花が咲かないものは胞子はその点で発芽は不利である。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.466,P30〜31)

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.830

●2016/11 オホーツク
・ハシブトガラとコガラ
●2016/10 釧路
・アオジは今どこに?
●2017/1 苫小牧
・オオジシギ保護調査プロジェクト2016年結果
・ウトナイ湖サンクチュアリ開設35周年記念シンポジウム
●2016/11 長野
・2016年カッコウ類初鳴き調査
●2016/11 静岡
・今年のタカ渡りは?
・第17回ライチョウ会議長野大会
●2016/12 徳島県
・オオソリハシシギ地球をまたにかけての旅
・ちょっと気になる野鳥の和名ヒドリガモ
●2017/1-2 鳥取県
・野鳥でヒーリング
●2017/1 宮崎県
・金御岳サシバ大盛況
・コウノトリ渡来(宮崎野生動物研究会)
・シマゴマ県内初撮影

●2016/11 オホーツク
・ハシブトガラとコガラ
 両者の違いの主な箇所。・頭と喉の黒色部の光沢・嘴の太さ、上嘴の丸み、会合線の淡色部分・次列風切外縁部の白色部・尾の形・足の太さ・足指のささくれ(北海道野鳥図鑑 亜璃西社より)。
(オホーツク「ばあどこおる」NO.354,P8)

●2016/10 釧路
・アオジは今どこに?
 支部は環境省が山階鳥類研究所に委託している「鳥類標識調査」に協力している。その中から釧路地域で放鳥したアオジは殆どが太平洋岸の1月の平均気温が氷点下にならぬ、積雪が殆ど無い地域で見つかっている。岩手県宮古市、千葉県、埼玉県、静岡県、最遠は愛知県田原市であった。
(釧路「ホシハジロ」NO>421,P3)

●2017/1 苫小牧
・オオジシギ保護調査プロジェクト2016年結果
 7月末に送信機を装着したオオジシギは暫く勇払原野付近直径3km前後に留まっていた。8/27、最初の1羽が海に向かって飛び立ったが、翌28日に電波は途絶えた。その先に台風10号があり、それが原因かも。渡りを開始した4羽は全て本州を通らず、直接太平洋を南下した。その内1羽はニューギニアまで追跡できた。9/8、勇払原野出発、9/11、鳥島の東約840q、9/12、サイパン島の北約580q、9/13、同島の南約600q、9/14、ニューギニア島北約700q、9/15、ニューギニア島北部へ到着。6日間、約5,400q、地上には降りていないようである。
(苫小牧「あおさぎ」NO.210,P4)

・ウトナイ湖サンクチュアリ開設35周年記念シンポジウム
 11/3、同センター主催で開催された。テーマは「勇払原野をラムサール条約湿地に」で、柳生会長はじめ約100名が出席した。
(苫小牧「あおさぎ」NO.210,P8)

●2016/11 長野
・2016年カッコウ類初鳴き調査
 会員より36件の報告有り。今年の初鳴きはツツドリ4/18、カッコウ5/14、ホトトギス5/16、ジュウイチ報告無、昨年は5/22。ツツドリ、カッコウ、ホトトギス、ジュウイチの順である。カッコウの初鳴き、この10年間は5/26、20、23、12、19、23、15、19、11、21であった。
(長野「野鳥ながの」NO.551,P5)

●2016/11 静岡
・今年のタカ渡りは?
 9/10〜10/15、延べ54名で杉尾山展望台と新富士見台で観察した。9/30、杉尾山展望台では観察始まって以来の最多サシバ1日で5,570羽が通過した。14時まで東または北東から南から南西へ300〜400の群れで流れた。その後は10/4前後にもピークがあった。期間累計はサシバ11,734羽を記録、ハチクマは123、ノスリは394であった。
http://www4.tokai.or.jp/watari_sizuoka/
(静岡「野鳥だより」NO.440,P2〜3)

・第17回ライチョウ会議長野大会
 10/15、16、大町市で開催。初日は一般向けシンポジウムで東邦大学の小林氏から「ライチョウってどんな鳥」、静岡大学の増澤氏から「ライチョウが生き続ける山岳環境とその保全」、地元タレント三四六氏から「ライチョウを守るための未来へのメッセージ」があった。パネリストのコメントに市民参加型の保護を行う「ライチョウサポーター」の誕生報告、捕食者キツネ等に絶対食べ物を与えないこと、長野県では環境教育で学校登山をやめる例が増え残念であるとあった。次日は専門家会議で生息地保全に向けた活動報告がされた。
(静岡「野鳥だより」NO.440,P5〜7)

●2016/12 徳島県
・オオソリハシシギ地球をまたにかけての旅
 外国文献からの紹介である。陸鳥で最も長い距離を無着陸(1万キロ以上)で飛ぶのがオオソリハシシギである。以前ホウロクシギが豪州から中国まで7千キロで最長とされていた。亜種オオソリハシシギ、亜種コシジロオオソリハシシギの2種がおり、共にシベリア、アラスカと豪州、ニュージーランドを往復している。主にニュージーランドの研究者が調査した結果、豪州、ニュージーランドより無着陸で黄海に向かい着水後、コシジロは北極圏に向かい、他方は日本を通り、アラスカへ向かった。コシジロの南下は同じコースを逆に豪州へ達した。亜種オオソリハシシギはアラスカから太平洋の真中を通りニュージーランドまで南下した。 中継地の黄海は干潟が開発の危機にある。
出典:Contrasting extreme long-distancemigration patterns in bar-tailed godwits
(徳島県「野鳥徳島」NO.458,P7〜10)

・ちょっと気になる野鳥の和名ヒドリガモ
 ヒドリガモの名前の由来は「雄の頭が緋色なので緋鳥鴨」とある。頭が緋色のカモであればアカガシラガモ(赤頭鴨)、ヒガモ(緋鴨)が適切である。鳥名に鳥、鴨が同時に入るのは異例で命名の由来は別にあると考える。ヒドリガモの声ピューュはヒヨドリの声に似ているのでヒヨドリガモと言われていたのが、ヒドリガモに転訛したと考える。
(徳島県「野鳥徳島」NO.458,P11)

●2017/1-2 鳥取県
・野鳥でヒーリング
 ヒーリングバードと名付けられた羊毛フェルトで作った手のひらに乗る小鳥を作り、県のストレスオフ活動に参加している。作り方は羊毛40gを刺し固めてピンポン玉大の芯玉を作る。鳥の特徴を示す場所に色羊毛を刺し入れる。目の位置に穴を開け、刺し目を押し込む。別に用意した嘴、尾羽、翼のフェルトを押し込んで貼り付ける。
(鳥取県「銀杏羽」NO.149,P9〜13)

●2017/1 宮崎県
・金御岳サシバ大盛況
 10/10の金御岳のサシバ渡り観察会だけでも7,544羽(今期のピーク)をカウントした。今秋の累計は20,735羽で2013年の21,032羽に次ぐ数であった。同地のサシバカウントは支部の中原聡さんをはじめ熱心な地域の方の応援による41日間に延べ218人の方々によるもので感謝する。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.252,P3〜6)

・コウノトリ渡来(宮崎野生動物研究会)
 11/6、宮崎市にコウノトリ1羽が渡来した。その後も一ツ瀬川周辺を飛び回っている。足環の装着はなく渡り途中の自然個体である。過去に宮崎県へのコウノトリ飛来は5例ある。殆どが渡り途中の立ち寄りと思われる。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.252,P7〜8)

・シマゴマ県内初撮影
 11/11、えびの市の自宅庭でシマゴマを撮影した。宮崎県内3例目となるが、撮影は今回初である。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.252,P8)

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.831

●2016/12 オホーツク
・オホーツク支部のエンブレム
●2017/1 いわき
・オジロビタキ
●2016/12 佐渡
・ミゾゴイ
・佐渡島の鳥類について
●2016/12 長野
・上田市ため池 群鳥類調査
●2016/12-1 京都
・知っているようで知らない鳥言葉
・ラーメンとシギチ
・岩間山でコグンカンドリ
・ミヤコドリ
・オシドリとハシビロガモ
・鳥獣戯画
●2016/12 徳島県
・「吉野川河口をラムサール条約登録湿地に」要望(共存部)
・ちょっと気になる野鳥の和名イカル

●2016/12 オホーツク
・オホーツク支部のエンブレム
 凍り付くオホーツクの氷原に刻まれた翼の跡から生まれた。環オホーツク圏にしかいないオオワシ(巨鳥)、ワタリガラス(北方の守り神)、ヒメクビワカモメ(極北の天使)、オホーツク圏を代表するこれらに共通する「くさび形の尾」をデザインしている。冠の紋様はアイヌやニブヒの北方民族の魔除けにオホーツク人が用いた「ソーメン模様」を組み合わせている。北方民族の生き方に敬意を表している。
(オホーツク「ばあどこおる」NO.355,P6)

●2017/1 いわき
・オジロビタキ
 9/24、いわき市でコサメビタキに混じってオジロビタキが撮影された。いわき支部初記録である。
(いわき「かもめ」NO.133,P1)

●2016/12 佐渡
・ミゾゴイ
 ミゾゴイはフィリピン等で越冬し、ほぼ日本でのみ繁殖する数少ない夏鳥である。世界に1,000〜2,000羽と推定され絶滅危惧種に指定されている。2014/7、猿八集落で4羽の雛が見つかり、佐渡での観察例が増えている。2015/4、羽茂木戸集落で耕作前の山際の水田でミミズ、サワガニを食べる1羽を見るが、パートナーは現れず、10日程で姿を消した。
(佐渡「いそひよ」NO.25,P1)

・佐渡島の鳥類について
 佐渡島は標高1,173mの大佐渡山地と広大な汽水域加茂湖を有し、春の渡りには1週間で150種以上の鳥が観察される。本州の普通種コゲラ、ゴジュウカラはいない。一方、オオノスリ、オウチュウ、キマユホオジロ、ツメナガセキレイ、ヤマショウビン、ヤツガシラ等の大陸系鳥類が見られ、コホオアカ、シベリアジュリン、アオシギが越冬している。2016年までに360種を超える鳥が記録されているが、探鳥地が整備されておらず、今後観察地整備で観察種は更に増えるであろう。冬に佐渡島にいる鳥は殆どが♂で気候が厳しいため体が大きい♂のみが越冬している?
(佐渡「いそひよ」NO.25,P2)

●2016/12 長野
・上田市ため池 群鳥類調査
 H28年4〜9月、計7回、18箇所でラインセンサスで調査した。優先度(種の個体数÷総個体数)はカイツブリ、カルガモ、スズメ、ツバメ、コガモであった。
(長野「野鳥ながの」NO.552,P4)

●2016/12-1 京都
・知っているようで知らない鳥言葉
 「おしどり夫婦」:由来は中国の故事。同じ墓に入ると誓った夫婦、妻を暴君に奪われ妻は少し離れた墓に葬られた。墓から2本の木が生え、枝が絡み合い、樹上でオシドリが営巣したことによる。「閑古鳥が鳴く」:カッコウの事で、人が少ない場所でよく鳴くので寂れた様子の例え。「若い燕」:女性にとって年下の愛人。大正時代、女性解放運動をした平塚らいてうが若い画家と親しくなり、気の弱い画家は自分をつばめに例え、「1羽の燕で大騒ぎのため、燕は飛び去ります」の手紙を残したことによる。翡翠:カワセミを表す文字として作られ、後でヒスイに転用。部首に羽があり納得できる。・うがい:鵜飼に由来。捕えた魚を吐き出す様より。「ジンクス」:jinxはギリシャ語でアリスイを意味する。アリスイ→蛇→悪魔の連想より悪い予兆を意味する。日本では吉兆、凶兆いずれでも使う。
(京都「そんぐぽすと」NO.203,P8〜10)

・ラーメンとシギチ
 この夏、巨椋干拓地に異変があった。シギチが少ない。理由の1つが休耕田の減少。休耕田がネギ畑に、ネギが増えた理由はラーメン用のカットネギを全国に発送するビジネスが成功し、休耕田がネギ畑になった。ネギは虫が付きやすいので大量に農薬を使う。これらのためシギチは減る。
(京都「そんぐぽすと」NO.203,P11)

・岩間山でコグンカンドリ
 9/24、岩間山でタカの渡り調査をしている時、コグンカンドリ若が通過した。京都では23年ぶり3例目の記録である。
(京都「そんぐぽすと」NO.203,P15)

・ミヤコドリ
 10/15、京都府北部の天橋立に面する阿蘇海にミヤコドリ若2が撮影された。京都府では2015/10、舞鶴市で記録があるのみの珍鳥である。
(京都「そんぐぽすと」NO.203,P15)

・オシドリとハシビロガモ
 オシドリの英名Mandarin Duckのマンダリンは中国唐王朝以降の官人を意味し、冠羽を官人の制服立ち襟に見立てたとされる。後方の扇型の通称銀杏羽は風切4枚の最外側の羽である。脚の爪は樹洞で営巣するため、枝が握りやすく爪が湾曲している。ハシビロガモの嘴の縁には餌をこし取るための櫛状の板歯がついている。上嘴がへの字型に曲がっているのは餌をこした時に水を排出するためである。
(京都「そんぐぽすと」NO.203,P17)

・鳥獣戯画
 鳥獣戯画と言うからには鳥が描かれているはず。鳥獣戯画には甲、乙、丙、丁の4巻あり、鳥羽僧正が描いたとされる擬人化の漫画が出てくるのは甲巻で、鳥は乙巻に登場する。擬人化ではなく、馬、羊と共に猛禽類が描かれている。作者は甲巻とは異なる。
(京都「そんぐぽすと」NO.203,P20)

●2016/12 徳島県
・「吉野川河口をラムサール条約登録湿地に」要望(共存部)
 11/11、上記要望書を環境大臣に提出した。環境省は同地は国際的基準に該当する可能性があるが、ここでの橋梁工事の影響を見届けていく必要があるとあった。ここにはカラシラサギ、クロツラヘラサギ、ツクシガモ、ヘラシギ、カラフトアオアシシギ、セイタカシギ、ズグロカモメ等が渡来する。ミサゴは冬季に20羽以上、ホウロクシギが春の渡りに100羽以上渡来している。
(徳島県「野鳥徳島」NO.459,P6〜7)

・ちょっと気になる野鳥の和名イカル
 奈良時代より「いかるが」の古名で知られているが、大橋弘一(2004)「鳥の名前」によれば、奈良県の斑鳩(いかるが)に住む鳥で、地名がそのまま鳥の名になったとある。阿部直哉(2008)「山渓名前図鑑・野鳥の名前」では鳴声を「イーカールー」と聴いてイカルとある。私は古語「居枯らす」に語源があると考える。これは鳥が花、葉をついばんでしまう意味でイカルが集団で木の実をわずかな時間で食べつくすことで「居枯らす鳥」からイカルになった。
(徳島県「野鳥徳島」NO.459,P10)

(自然保護室・野鳥の会・神奈川/森 要)

事務局からのお知らせなど

■普及室より

■2月号『フィールドガイド日本の野鳥』増補改訂新版の取り組み■


<「野鳥は捕れない」は当たり前?>

 科学的な知識の普及には、「まだわかっていないことが多く、今も研究は続いている」という認識も大切ではないか、と前号で書きました。今回は、「当たり前は人によって違うことがある」という観点について・・・。
 2007年発行の増補改訂版から『フィールドガイド日本の野鳥』を担当させていただくことになった私は、日本野鳥の会の発行物という観点からフィールドマナーの七か条を追記しただけでなく、野鳥は捕れないということも書き加えました。「はじめに」の中で、野鳥は許可がなければ捕獲できず、近くでよく見るには慣れや幸運が必要です・・・と、柳生博会長に語ってもらったのです。
 日本野鳥の会は、中西悟堂のあるがままに親しむという考え方を元に創設されました。私たちにとっては、野鳥は原則として捕獲できないことは当たり前と言ってよいでしょう。フィールドマナー七か条のひとつ、「採集は控えて・・・」は、虫や植物でもむやみにとらないで、という意図であり、野鳥に関しては法律上の規制もあるので特に意識されていません。
 日本野鳥の会にはさまざまな質問、相談が電話でかかってきます。時々、「どうやったら野鳥を捕れますか?」的なものまであります。野鳥に関心を持つ方が広く多様になったと考えて喜ぶべきなのでしょうか? 標識調査や捕獲・飼育を伴う研究も一般に広く紹介されるようになって誤解が生じているのでしょうか? いずれにせよ、『新・水辺の鳥』では、索引の前で鳥獣保護法を解説しているので、『フィールドガイド日本の野鳥』でも、野鳥は捕れない原則を明記しておきたいと考えたわけです。
 標識調査については増補版までは触れられていなかったので、増補改訂版で用語解説に加えました。そこで、「鳥類では捕獲して足環を付けるのが一般的で・・・」と解説しましたが、新版では、その部分を「許可を得て捕獲して足環を付ける」と修正しました。

<青い瞳は間違い?>

 新版で、カワガラスの解説に「まぶたが白く眼を閉じると目立つ」と追記したことは紹介しました(2015年1月号)。それでも今も「カワガラスは白い瞬膜が目立つ」といった誤った解説が見受けられる中、昨年9月に発行された日本野鳥の会新潟県の会報『野鳥』に、白いまぶたの写真が掲載されていました。千葉晃さんが書かれたカワガラスの生態で、身体的特徴として説明もされていますが、まぶたを閉じることで眼が白く見えることの証拠写真として使えるものに、私は初めて出会いました。
 ほかにも、頻繁に水に潜る鳥なのによく水浴びもする、繁殖後はそこからいなくなるなど、改めて勉強になりました。千葉さんに感謝です。なお、瞬膜については、増補改訂版で新設した「羽・幼羽と年齢・鳥の体」というコーナーで解説を加えています。
 ところで、新版ではそれまで「目」と書かれていた箇所を「眼」に直したことにお気づきでしょうか? 例えば、高野はキンクロハジロで「目は黄色」と書いていましたが、新版では「眼は黄色」になっています。この機会にご確認いただきたいのは新版P15「鳥の各部の名称」でして、「眼:本書では瞳の周りの虹彩の色を解説した」と追記してあります。
 日本語として「目」が間違いではありませんが、新版では瞳や虹彩という用語を使う上で目を眼に改めました。キンクロハジロの眼の黄色い部分、ゴイサギでは赤い部分、西洋人で見られる青い部分は、いずれも虹彩です。ヒトは動物としては特殊で白目の部分が目立つので、色で話題になる部分を瞳と思っている方が多いのではないでしょうか? 動物の瞳=瞳孔は、虹彩によって周囲を囲まれた孔であり、小さな黒い部分のことです。

<ソウシチョウの尾羽に白帯はない?>

 『新・山野の鳥』『新・水辺の鳥』はお陰様で売れ続けているので、増刷の度に必要に応じた修正を施しています。『フィールドガイド日本の野鳥』の新版でも、皆様からいただいたご指摘などを元に、2刷りの段階でどこをどうすべきかの検討をしています。その一例として、ソウシチョウの尾について書いておきます。
 ソウシチョウは外来種として増補改訂版から掲載しました。その図版は『新・水辺の鳥』改訂版の1刷り、2刷りまでも同じものですが、3刷りでは谷口高司さんに修正してもらった図版を掲載しており、新版の2刷りもこちらを使おうと考えています。
 ソウシチョウの尾はとても変わっています。写真図鑑では尾は下面のものが多くてわかりにくいのですが、黒い尾羽の上面半分以上を長い上尾筒が覆っています。が、新版の図版は、黒い尾羽と上尾筒が描き別けられていないので、正確とは言えないことになります。
 なお、尾の途中に見える白い帯は、尾羽ではありません。上尾筒には先が白い羽毛があるので、尾羽の途中に白い帯があるように見えますが、白い帯の見え方には個体差があるようです。日本鳥学会誌に掲載された英文の短報(Kawano et al. 2000)、「ソウシチョウにおける性的二型」によると、上尾筒先端の白帯にも雌雄差があるそうです。

引用文献
千葉晃.2016. 中越地方の山麓河川で観察したカワガラスの生態 日本野鳥の会新潟県会報「野鳥」No.82:2-5
Kawano et al. 2000.Sexual Dimorphism of Red-billed Leiothrix Leiothrixlutea 日本鳥学会誌 vol.49,No1:59-61


© 谷口高司
▲画像:『新・水辺の鳥』改訂版の3刷りの際、谷口高司さんに修正してもらったソウシチョウ。黒い尾羽と上尾筒を描き別けてもらいました。

(普及室・主席研究員/安西 英明)


■ワイルドバード・カレンダー2018 写真募集中

 当会オリジナルカレンダー「ワイルドバード・カレンダー2018」に掲載する写真を募集しております。応募締切は、2017年3月31日です。デジタルデータにつきましては、ホームページ上からご応募を受け付けております。
 詳細は応募要項でご確認ください。応募要項は、当会ホームページで公開中のほか、ご希望の方へは 郵送もいたします。
 皆様の力作をお待ちしております。

●応募要項のホームページ
http://www.wbsj.org/goods/calendar/
※当会HPトップページの「おしらせ」欄、又は、トップページ>ショッピング>商品のご案内>オリジナルカレンダーのページの、「ワイルドバード・カレンダー2018写真募集」をご覧ください。

●お問い合わせ、応募要項のご請求
普及室 販売出版グループまでお願いします。
E-mail:[email protected]
TEL:03-5436-2626

(普及室/清水 久)

総務室より

■ブロック会議運営費助成が始まります

 2017(平成29)年4月1日以降に開催されるブロック会議について、運営費の一部として1会議あたり1万円を助成します。詳しくは、「ブロック会議運営費助成細則」をご覧ください。
 念のため、29年度のブロック会議幹事団体には、別途、財団総務室からご案内を差し上げます。

34.ブロック会議運営費助成細則

(目的)
第1条 この細則は、公益財団法人日本野鳥の会(以下「本会」という。)のブロック規程第7条の規定に基づき、ブロック会議運営費の助成に関して必要な事項を定める。

(助成対象会議)
第2条 助成の対象は、ブロック規程に基づくブロック会議とする。

(助成)
第3条 助成は、前条の会議に対し年1回に限り行う。
2 助成は、1会議あたり1万円とする。

(手続)
第4条 助成を希望するブロックは、ブロック会議幹事を通じ、本会に「ブロック会議運営費助成申請書」を提出する。
2 本会は「ブロック会議運営費助成申請書」を受取次第、遅滞なく指定の口座に助成金を振込むものとする。
3 振込に係る費用は、本会が負担する。

(助成の開始)
第5条 平成29年4月1日以降に開催される対象会議から、助成を行うものとする。

(改廃)
第6条 この細則の改廃は、理事長の決裁を経て行う。

付則 この細則は、平成29年4月1日から施行する

▼ブロック会議運営費助成申請書

■平成28年度連携団体全国総会報告

≪日時≫:2016年11月12日(土)13時〜13日(日)12時
≪会場≫:クロスウェーブ幕張(千葉県千葉市)
≪参加者≫:102名(52連携団体60名、財団42名)
≪スケジュール≫
【11月12日(土)】
13:00 開会宣言(遠藤孝一常務理事)
13:00 会長挨拶(柳生博会長)
13:10 出席評議員・役員紹介(遠藤孝一常務理事)
13:15
1.講演
1)「『ニッポンの里山』を未来へ〜番組制作の現場から〜」(小野泰洋/NHKエンタープライズ 自然・科学番組エグゼグティブディレクター)
2)「野鳥の鳴き声とその魅力」(松田道生/公益財団法人日本野鳥の会理事)

2.財団事務局からの報告
1)「メガソーラーへの今後の対応について」(浦達也/自然保護室)
2)「全国鳥類繁殖分布調査の進捗状況」(荒哲平/自然保護室)
3)「オオジシギ保護調査プロジェクトについて」(田尻浩伸/保全プロジェクト推進室)
4)「保全プロジェクト推進室の事業について」(田尻浩伸/保全プロジェクト推進室)
5)「小冊子から探鳥会へ」(堀本理華/普及室)
6)「WING閉館について」(吉田新/副理事長)

3.ブロックからの報告
1)「中部ブロック会議の報告」(新實豊/愛知県支部)
2)「東北ブロック協議会総会報告と、東北ブロック参加団体内での情報共有と対処について」(関下斉/青森県支部)
3)「中国四国ブロック交流会の報告」(三宅武/徳島県支部)

4.連携団体からの報告・提案
1)「小鷲頭山保護区の管理について」(鈴木正之/沼津支部)
17:30 総会1日目終了
18:00 懇親会

【11月13日(日)】
6:30 早朝探鳥会
9:00 総会2日目開会
2)「NPO十勝支部NPO解散とNPO化についてのメリット・デメリット」(室瀬秋宏/十勝支部)
3)「大規模風力発電、太陽光発電に対する具体的対策を求める」(篠原盛雄/室蘭支部)
4)「水鳥が茨城のハス田で羅網死する理由」(池野進/茨城県)
5)「葛西三枚洲のラムサール登録に向けて」(飯田陳也/東京)
6)「幼稚園(保育園)関係者への環境教育の働きかけ」(笠原逸子/神奈川支部)
7)「会員専用サイト〜運用と課題」(坂根勝美/京都支部)
8)「バスを利用した宿泊探鳥会の開催について他」(村濱史郎/大阪支部)
9)「野鳥の愛玩飼養根絶のためのお願い」(西村公志/高知支部)
10)「紙の会報からメール版会報への交流促進について」(広塚忠夫/筑豊支部)
11:40 全体総括・閉会挨拶(佐藤仁志理事長)
11:50 集合写真
12:00 解散

≪記録≫
【11月12日 1日目】
○午後1時、遠藤孝一常務理事の開会宣言により、平成28年度連携団体全国総会が開始された。
○柳生博会長の開会挨拶、出席評議員及び役員紹介に続き、記念講演が開始された。

▲連携団体全国総会への思いを語る柳生博会長

1.講演
1)「『ニッポンの里山』を未来へ〜番組制作の現場から〜」(小野泰洋/NHKエンタープライズ 自然・科学番組エグゼグティブディレクター)

▲講師:小野泰洋氏

【要旨】
 里山とはどのようなものかを伝えたくて番組「ニッポンの里山」の制作に携わっている。
 自然には、人の手の入っていない原生林と、人の手を入れてしまったものがある。一度人の手を入れてしまった自然は人の働きによって維持されており、そのままでは自然の豊かさを保てない、この自然が里山である。
 近年、里山は、「SATOYAMAイニシアティブ」「里山資本主義」「若者の田園回帰現象」など注目を集めているが、里山との向かい合い方が確立されていないのが現状である。これから「里山フィールドワークのすすめ」を紹介したい。
 「里山フィールドワークのすすめ」その1、まずは、里山に出かけ風景に感動したら、「風景の物語」を考えてほしい。
 例えば「高さ8mの石積みと棚田」「森の中のワサビの棚田」「海岸線にみかんの帯ができる浜」など、地元の人と話したり調べたりする中でこの風景の物語を探していく、つまり自然の成り立ちを調べていくことで自然を巧みに利用する人々の知恵をたくさん発見することができる。この知恵が国土を保全したり持続的な二次的自然を作ったりしていることが分かってくる。
 なぜ、里山には多くの生きものが棲息しているのか。里山では、よい作物を作るために自然の力を生かし、様々な生態系が作り出されている。その生態系を自然界に見立てて多種多様な生きものが進出している。つまり、自然の力を生かした人の営みが生きものの多様性を生み出し、美しい景観や環境を作り出しているのである。
 里山を未来に伝えるにはどうしたらいいか。「里山フィールドワークのすすめ」その2、里山と関わってほしい。里山の暮らしが維持されなければ里山も維持されない。里山の生産物の消費、守る活動への参加、ハイパーソニックサウンドなどの里山の魅力を伝えるなど、里山と関わることが里山を未来に伝えることになる。特に原体験のない子どもたちには体験の場を持てるようにすることが重要と考える。日本野鳥の会の各連携団体が実践している探鳥会は、原体験の場として有効である。
 里山は人間を育てている。里山が里山でなくなる時、日本人が日本人でなくなってしまう。できるだけ里山と関わっていきたいと考えている。今日の話が今後の活動の一助になることを願っている。
※講演の中で、「ニッポンの里山〜ミゾゴイが巣立つ里 大鹿村」を視聴。

2)「野鳥の鳴き声とその魅力」(松田道生/公益財団法人日本野鳥の会理事)

▲講師:松田道生氏

【要旨】
 鳥類は鳴き声に特化した生き物であり、鳴き声から生活を知ることが出来る。限られた時間ではあるが鳴き声の魅力を伝えたい。探鳥会等で初心者に接した時のひとつの話題として活用してほしい。
 鳥はわずか数oの鳴管を震わせて、音域は幅広く、音量も様々で、声にバリエーションがある。
 なぜ、夜明け前にさえずるのか。空気が安定している上に、空気が冷えており密度が高く音が遠くまで響く上、天敵である猛禽類が活動していない等の理由が想像できる。昼間さえずることのないアカハラは、夜明け前の午前3時頃に猛禽類を避けてさえずる。
 なぜ、森林の鳥は声が高く、草原の鳥は低い音で鳴くのか。さえずりは雌へのアピール、縄張りの主張などの意味があり、遠くまで響かせる必要がある。そのため、森林では木々の間を遠くまで響かせるために隙間を通りぬけるように高い音で鳴き、草原では、遠くまで響く低い音で鳴く。大きい声や目立つ場所でのさえずりは天敵に狙われる可能性が高くなるが、健康な雄であることをアピールできるなど有効である。ウグイスなど藪の中でさえずる鳥は、大きい声を出しながら移動している。ヒバリなど空高く飛びながらさえずる鳥はずっと鳴き続ける。鳥の鳴き声から生活が想像できる。
 人と鳥を比べてみると、人の声の周波数は500〜1.000Hzと狭いが、ミソサザイは3,500〜8,000Hzと幅広く、ヤブサメは8,000〜10,000Hzと高い、ウソは倍音でふくよかな声を出しているなど種によって違っており、鳥のさえずりで種が区別できるとともにその種の生活ぶりが想像できる。
 しかし、野鳥の声の識別ができるようになるには経験値を高めることが重要である。環境と季節など、声以外の情報を加味して識別しているからである。その経験を確実なものにするには録音することは有効である。現在は、高品質録音やメモリー録音が可能であり、鳥に警戒されることなくチャンスを逃さずに録音することができる。
 今年、日本野鳥の会が制作した「鳴き声ガイド日本の野鳥」は、377種800以上のバリエーションが収録されており、鳴き声を識別する力を高めるには有効なツールである。これから皆さんが録音を始めると10年後には各地域の鳴き声ガイドが出来上がるのではないか、ぜひ声から鳥にアプローチをしてみてほしい。

2.財団事務局からの報告
1)「メガソーラーへの今後の対応について」(浦達也/自然保護室)
 メガソーラーは環境影響評価が必要ないなど手続きが簡単で土地所有者の相続問題・地域の過疎化などにより導入が進み、また、売電価格の低下により発電施設の大規模化が進んでいる。一方で、土砂流出や水害などの災害、水質汚染などの生活環境への影響、鳥類など野生生物への影響などの問題を孕んでいる。特に、野鳥にとっては、保護区やその近くは貴重な場所、重要な場所であり影響が考えられ、鳥の食物資源となるものが棲息する場所であれば繁殖への影響も考えられる。また、水鳥がパネルを水面と間違えて衝突する恐れがあることなど詳細に説明がされた。今後は、設置場所の限定、ゾーニングに基づく場所と立地規制、地域住民等との十分な合意形成、環境影響評価法等の法制度の整備など、全国の会員、連携団体と協働で行政機関等への政策提言を進めていきたいと報告された。
 また、丸谷聡子評議員より、兵庫県のメガソーラーの現状が報告された。
※使用したパワーポイントデータは希望者に提供する用意がある、また、野鳥保護資料集や当会ホームページでも情報が公開されている。

2)「全国鳥類繁殖分布調査の進捗状況」(荒哲平/自然保護室)
 全国鳥類繁殖分布調査は、1974‐78、1998‐2002についで、今回が3回目となる定期的な調査である。調査結果は、野鳥の生息数の変動が把握でき、また、保護政策、レッドリスト改訂、生物多様性評価、アセスメント等で活用することができる重要な調査であるが、国の予算は見込めず、必要な経費は助成金で賄う予定である。調査1年目の今年度で50%超の調査が済んでおり、2020年までには完了させたい、依頼があれば調査方法等の説明会を開催する、と調査協力への呼びかけがされた。

3)「オオジシギ保護調査プロジェクトについて」(田尻浩伸/保全プロジェクト推進室)
 ウトナイ湖サンクチュアリの支援を続けてこられた越崎様からのご寄付をもとに、勇払原野保全とオオジシギの保護を進めることになった。今年度は、オオジシギの渡り航路解明のための衛星追跡やカラーフラッグ装着、勉強会開催やマスコミ対応などの普及教育活動、ワークショップ開催などの保護活動等を実施したことが報告された。カラーフラッグを装着したオオジシギを発見された場合は報告してほしい、また、次年度以降、観察記録提供やアンケート調査を予定していることが伝えられた。

4)「保全プロジェクト推進室の事業について」(田尻浩伸/保全プロジェクト推進室)
 保全プロジェクト推進室の事業のうちシマフクロウについては、十勝地方で初の野鳥保護区「持田野鳥保護区シマフクロウ十勝第1(365ha)」の設置、巣箱設置の試み、タンチョウについては、航空機を用いた営巣状況調査等の実施、アカコッコについては、40羽にカラーリングを装着し情報提供を募集中であること、カンムリウミスズメについては、人工巣設置から6年目で初めて繁殖に成功したことなどのほか、ウトナイ湖サンクチュアリ開設35周年記念シンポジウムの開催、春国岱原生野鳥公園ネーチャーセンターでの調査やシンポジウムなどについての報告がされた。

5)「小冊子から探鳥会へ」(堀本理華/普及室)
 小冊子を作成し新聞での告知、プレゼントハガキでの広報等で年間約1万名の申し込みをいただいた。申込者に対して、連携団体の探鳥会情報を紹介した「探鳥会のご案内」(年4回発行)やメールでのイベント告知(不定期)を継続的に行い、入会促進、商品購入につなげていると説明がされた。連携団体が活動している地域の小冊子申込者の増加は、探鳥会情報送付者の増加となり、ひいては探鳥会への参加者増加につながるので、小冊子プレゼントハガキの配布及び地方紙への小冊子記事掲載への協力依頼がされた。さらに、探鳥会参加から入会へと繋げるには探鳥会リーダーの技術向上が必要であり、「探鳥会リーダーズフォーラム」を東日本で、2017年1月28日(土)〜29日(土)に実施するのでぜひ参加してほしい旨の話もされた。

6)「WING閉館について」(吉田新副理事長)
 鳥と緑の日野センターは1997年にオープン、以来、国内における野鳥の研究拠点として大きな成果を残してきたが、建物の老朽化が進み維持費がかさむこともあり、日野市と協議して今年度で運営を終了し、建物を撤去して用地を日野市に返還することになった。日本野鳥の会東京、日本野鳥の会奥多摩支部に対しこれまでの多岐にわたる協力へのお礼が述べられるとともに、寄付者には11月後半に文書でお知らせする予定であると報告がされた。

3.ブロックからの報告
1)「中部ブロック会議の報告」(新實豊/愛知県支部)
 2016年10月1日(土)〜2日(日)、財団5名、17連携団体36名、スタッフ等23名合計64名が参加し豊田市自然観察の森で開催された。懸案のブロック分割案については、昨年「中部はひとつ!」と結論し、今年は、「中部ブロック規約」の改定、「開催ルール」の策定などに加え「中部ブロックで連携してできる活動をさぐる」「環境保全について考える」「普及活動の新たな試み」など、充実した活動をめざして約5時間を会議に費やし「中部はひとつ!」を再確認し会議を終了することができたと報告がされた。

2)「東北ブロック協議会総会報告と、東北ブロック参加団体内での情報共有と対処について」(関下斉/青森県支部)
 2016年7月16日(土)、86名が参加し八戸市で開催された。小林眞八戸市長、佐々木あつこ青森県環境生活部自然保護課長、上原健財団常務理事の来賓挨拶、成田章氏による基調講演「蕪島のウミネコ」の他、福島県相双支部、山形県支部、もりおか、財団普及室からの報告等があった。また、他ブロックの情報共有の方法について、情報収集したい旨の話がされた。

3)「中国四国ブロック交流会の報告」(三宅武/徳島県支部)
 2016年11月21日(土)、連携団体等の参加は約70名、講演を一般公開としたため他30名ほどの一般参加があり、合計約100名が参加し阿南市の阿南ロイヤルガーデンホテルで開催された。財団副会長上田恵介氏による「鳥が作った自然界」、NPOコウノトリ湿地ネットの佐竹節夫氏による「コウノトリの生息環境再生へ〜市民の役割〜」などの講演が行われ、その後、支部長会議、交流会、オークション等を実施、翌日は、出島野鳥園、吉野川河口干潟、鳴門市コウノトリ渡来地でエクスカーションを実施したと報告された。

 司会の遠藤孝一常務理事から、来年度の総会ではさらに多くのブロックからの報告が聞けることを楽しみにしているとのコメントがあった。

4.連携団体からの報告・提案
1)「小鷲頭山保護区の管理について」(鈴木正之/沼津支部)
 「小鷲頭山野鳥保護区」について、現状と、管理方法、また、経済的な理由から管理が不十分であるとの説明がされ、財団に対し他の保護区の管理について確認を求められた。
 田尻浩伸保全プロジェクト推進室長より、この保護区は、昭和61年に保護区第1号として寄付金50万円とともに寄贈されたものであり、沼津支部には寄付金50万円のうち登記費用10万円を除いた金額で管理をお願いした。これまでの管理に感謝しているが、財団には資金の援助のシステムがないため、今後、財団としての管理方法を決めたうえで、沼津支部と協議したい旨の説明がされた。


▲各連携団体の情報共有の場となった懇親会の様子

【11月13日 2日目】
○6時30分から会場付近で、安西英明主席研究員、林山雅子財団総務室員を案内役として早朝探鳥会が開催され約50名が探鳥会を楽しんだ

▲早朝探鳥会の様子

2)「NPO十勝支部NPO解散とNPO化についてのメリット・デメリット」(室瀬秋宏/十勝支部)
 2011年、タンチョウ、マガン、ヒシクイなどによる農業被害増加で深刻化する野鳥観察者と農家との対立の解消を図るため、十勝支部ではエコツアーの運営を開始した。支部は、スムーズなエコツアーの運営のため、助成金取得を目的としてNPO化したが、申請書や報告書作成等の事務負担が思いの他大きく、また、NPOに課せられる税金等を考慮し、年内を目途にNPO解散を予定していると報告された。

3)「大規模風力発電、太陽光発電に対する具体的対策を求める」(篠原盛雄/室蘭支部)
 建設を阻止できなかった風力発電用風車や、太陽光発電パネルが林立し、野鳥に影響を及ぼしている北海道の現状が説明され、財団に対し、風力発電用風車や太陽光発電パネルの設置に対する断固たる取り組みを進めてほしいと要望された。
 室瀬秋宏十勝支部長から、東日本大震災の影響で全国の原子力発電所が停止したが、電力不足が起こらなかったことを踏まえ、発電所を新設する必要がないこと、新設しないための節電生活の呼びかけ等をすべきではないかと意見が出された。
 葉山政治自然保護室長から、風力発電については、有効な環境影響評価法とするため、各政党に働きかけをしていると説明がされ、太陽光発電パネル設置については、連携団体から各自治体に条例制定の働きかけをしてほしいとの依頼がされた。また、経産省再生可能エネルギーの自然エネルギー庁のホームページに悪い事例を報告することで、一つの足掛かりにすることが出来るとの説明もされた。
 志村英雄千葉県会長から、太陽光発電パネル設置と温暖化の関係についての問題が投げかけられた。
 関下斉青森県支部長から、アセス法において、事業が中止できない点が問題であり、その点の法整備が急務であると意見がだされた。
 篠原盛雄室蘭支部長から、風力発電問題、太陽光発電問題に関して、財団としての取り組みについて質問があり、遠藤孝一常務理事から、緊急を要する重要な問題ではあるが、現在の財団の財政状況下で、現在の人員以上の体制を組むことに関してはこの場での回答はできない、まずは、葉山政治自然保護室長の提案を進めたいと回答がされた。

4)「水鳥が茨城のハス田で羅網死する理由」(池野進/茨城県)
 水鳥によるレンコンの食害防止のために茨城県で実施したハス田の防鳥ネット設置で、この11年間に2万羽の水鳥が羅網死している実態が報告された。また、日本野鳥の会茨城県がJAや生産者に鳥の掛かりにくい網の使用や網の張り方を提案したが受け入れられなかった状況について、また、食害が水鳥によるものでないことを証明するため、ハス田の野鳥の糞便調査を実施しており、JAと生産者に再度申し入れをする準備をしているとの報告がされた。

5)「葛西三枚洲のラムサール登録に向けて」(飯田陳也/東京)
 葛西臨海公園を東京オリンピック会場にする動きは阻止できたが、まだ海水浴場やドッグラン設置など様々な問題を抱えている現状について説明がされ、葛西三枚洲のラムサール登録に向けた動きを開始したと報告がされた。スズガモの2万羽以上の飛来、カンムリカイツブリの世界の1%以上の飛来等によって登録の可能性が高いことや、観察会やゴミ拾い等の活動を実施し普及啓発にも取り組んでいることなどが説明された。ラムサール条約湿地登録はゴールではなく、保全のスタートとして、登録まで関係者との議論を大切にしたいとも話がされた。
 志村英雄千葉県会長から、三番瀬と盤洲ではスズガモの餌資源が減っており、千葉県南部、神奈川県に移動している可能性があることが話された。
 飯田陳也東京幹事から、現状が悪化しないように、ラムサール条約湿地登録を早急に進めたい旨の話がされた。

6)「幼稚園(保育園)関係者への環境教育の働きかけ」(笠原逸子/神奈川支部)
 保育士、幼稚園教員に自然体験を味わってもらい、自然の魅力を知ってもらうことで、その魅力を子どもたちに伝えてもらえるのではないか、全国の連携団体が地元でこの活動を進めたら、自然に興味や関心を持つ子どもたちが増えるのではないか、また、働きかけた若い保育士や幼稚園教員に会員になっていただくよう働きかければ会員増にもつながるのではないかと説明がされた。

7)「会員専用サイト〜運用と課題」(坂根勝美/京都支部)
 京都支部では、魅力あるコンテンツを提供して入会の促進、支部報をウェブ化し支部報送付件数を減らし経費削減を目的として、2015年6月に会員専用サイトを開設、会員の個人財産は支部の共有財産という考えのもと、羽根図鑑、声の図鑑、鳥の写真、鳥の動画、切手コレクションなどの魅力的なコンテンツを作成、運営している。開設後1年半が経過し登録者数160名、羽根図鑑が見たいから入会した人や札幌、岡山など遠方の方の入会者も出てきているが、支部報不要者は35名にとどまっている。今後、会員のIT習熟度を高める努力と魅力ある新コンテンツを作成し、登録者数と支部報不要者を拡大したいと説明がされた。

8)「バスを利用した宿泊探鳥会の開催についてと、その他の報告事項」(村濱史郎/大阪支部)
 大阪支部は、コスト削減のため代理店を通さずにバスツアーを実施してきたが、国交省から旅行業法違反にあたると注意喚起された。総会参加52連携団体の現状を確認した結果、18団体が探鳥ツアーを実施、内14団体が代理店を通していないことが判明した。
 福本幸夫広島県支部副支部長から、広島県支部の場合、代理店を通したほうが安かったと報告がされ、多くの見積もりを取るべきとの意見が出された。
 鈴木正之沼津支部幹事から、会員内の募集であれば大丈夫なのではないかとの指摘があった。
 室瀬秋宏十勝支部長から、会員内での募集、実施団体が利益を得ないことに留意する必要があることの他、旅行業務の免許を有するバス会社にバスをチャーターすることも経費削減につながるのではないかと話がされた。
 村濱史郎大阪支部副支部長から、大阪支部のツアーは一般書店で販売している支部報で告知しているため不特定多数からの募集であることと、会員内といっても常日頃顔を合わせているような関係でないといけないという注意を大阪府の監督部局から指導されたと報告がされた。
 糸嶺篤人東京副代表から、東京では現在、ツアーは代理店にお願いしているが、代理店には支部報への広告掲載のお願いをしていると報告がされた。しかし、ツアー参加者が少なく催行されなかった場合や予定外の経費は、広告料から引かれるとの話もされた。
 遠藤孝一常務理事から、会員内の募集については日頃から密接な顔を合わせているということが必要条件なので、法律に抵触しない範囲での活動をお願いしたい旨の話がされた。
 引き続き、村濱史郎大阪支部副支部長から、大阪支部は来年度80周年を迎えるに合わせて、鳥類目録の出版、記念行事などを予定していると話がされた。
※支部ネット通信平成29年1月号に、宿泊を伴う探鳥会と旅行業法との関係に関する財団の基本スタンスが掲載されています。

9)「野鳥の愛玩飼養根絶のためのお願い」(西村公志/高知支部)
 平成23年、野鳥の愛玩飼養目的での捕獲が原則禁止になったが、経過措置として飼養許可されているメジロについて、年に一度の更新手続きを厳正にしてほしい旨各連携団体から各都道府県市町村に依頼書を提出しているが、密漁した個体とすり替えるなどの事例が起きている現状について報告がされた。密猟対策連絡会では、全国の飼養登録数の推移を把握し今後の活動に生かしたいと考えているので、各連携団体から都道府県に確認してほしいと依頼がされた。
 新實豊愛知県支部長から、愛知県内の各市町村にメールで問い合わせたところ2か所以外からは回答があった。尋ね方を留意すると回答を得やすいと報告がされた。
 大塚之稔岐阜代表から、更新手続きに立ち会い、個体を確認することで、違法飼養を減らすことに成功した事例が紹介された。
 葉山政治自然保護室長から、福島県内で野鳥の密猟・販売について報告がされており、福島県の連携団体に警察から協力依頼の可能性がある旨の話がされた。

10)「紙の会報からメール版会報への交流促進について」(広塚忠夫/筑豊支部)
 財団総務室が取りまとめて各連携団体に送付している支部報について、財団あて送付分の印刷経費、送付される全国の支部報の保管方法が問題となっており、今後はメール版に切り替えたいので、財団事務局に支部報のメール版を共有できる体制を整えてほしいと依頼がされた。
 奥田秋穂総務室長から、現在、支部間交流のため財団総務室では2ヵ月に1度全国の支部報を取りまとめ、各連携団体に送付しているが、この紙版をメール版に切り替え、財団総務室が把握している85連携団体のメールアドレスに送信することは可能である。しかし、支部ネット通信支部報要約版作成のためなどに必要な最低部数の紙版の提出はお願いしたい、また、メール版は拡散などが危惧されるので支部内での検討を慎重にしてほしい旨の話がされた。
 坂根勝美京都支部副支部長から、経費削減のため鳥類目録は、全国の連携団体への送付はしなかったと報告がされた。
 増田裕遠江代表から、経費削減のため、6年前から全国の連携団体への紙版の送付は取りやめた、PDF版はカラー・紙版はモノクロ、PDF版の送付は2週間ほど早くするなどの差別化を図り、会員にPDF版への移行を進めているなどについて報告がされた。
 葉山政治自然保護室長から、支部報は貴重な情報が掲載されているので、今後紙版が廃止になりPDF版、ウェブ版などに特化した場合でも、財団事務局へは、パスワードの開示などの配慮の依頼がされた。

閉会の言葉
 佐藤仁志理事長より、連携団体全国総会という形式になって6年目となり、年々充実してきていると実感している。これからも継続し、連携団体の連携を深めていく場としていきたい旨が伝えられ閉会となった。

最後に、参加者全員で集合写真を撮影し解散となった。

※平成29年度連携団体全国総会は、平成29年11月11日(土)〜12日(日)、平成28年度同様クロスウェーブ幕張で開催。


▲恒例の参加者全員による集合写真

(総務室/林山 雅子)

■支部・代表者・事務局変更のお知らせ

 名称変更などがあった支部についてお知らせいたします。(敬称略)
【代表の変更】
●日本野鳥の会東京
新代表:東 良一
前代表:川沢 祥三
変更年月日:2017年より

【支部長の変更】
●日本野鳥の会広島県支部
新支部長:福本 幸夫
前支部代理:日比野 政彦
変更年月日:2017年1月26日

(総務室/鈴木 美智子)

会員室より

■会員数■

 2月1日会員数35,427人で、先月に比べ24人増加しました。1月の入会・退会者数の表をみますと、入会者数は退会者数より12人多くなっています。
 会員の増減は入会者数と退会者数のほかに、会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活した人数によって決まります。1月の入会者数は214人で、前年同月の入会者192人に比べ22人増加しました。また、1月の退会者は202人で、前年同月の退会者178人に比べ24人増加しました。

表1. 1月の入会・退会者数

入会者数 退会者数
個人特別会員 19人 14人
総合会員(おおぞら会員) 46人 64人
本部型会員(青い鳥会員) 46人 24人
支部型会員(赤い鳥会員) 61人 61人
家族会員 38人 39人
合計 214人 202人
年度累計 1437人

※会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活する方がいらっしゃるため、退会者数の年度累計は、実際の退会者数とずれた数字となります。このため、退会者数合計については年度末の集計後にお知らせいたします。

■都道府県および支部別会員数■
 野鳥誌贈呈者数を除いた数を掲載します。

表2 都道府県別の会員数(2月1日現在)

都道府県 会員数 対前月差
北海道1734人3人
青森県260人-1人
岩手県366人2人
宮城県484人1人
秋田県245人1人
山形県205人3人
福島県623人-2人
茨城県941人-5人
栃木県590人-1人
群馬県635人4人
埼玉県2232人5人
千葉県1667人-7人
東京都4982人1人
神奈川県3401人-2人
新潟県372人-1人
富山県218人1人
石川県292人1人
福井県228人1人
山梨県294人0人
長野県868人-1人
岐阜県483人-4人
静岡県1356人5人
愛知県1505人4人
三重県425人3人
滋賀県303人0人
京都府780人1人
大阪府1962人-2人
兵庫県1296人2人
奈良県474人3人
和歌山県199人2人
鳥取県183人2人
島根県164人0人
岡山県568人-4人
広島県555人4人
山口県383人1人
徳島県312人-4人
香川県212人0人
愛媛県374人1人
高知県135人1人
福岡県1322人2人
佐賀県200人2人
長崎県210人-1人
熊本県410人-2人
大分県220人7人
宮崎県251人0人
鹿児島県354人-2人
沖縄県110人-2人
海外12人0人
不明32人2人
全国35,427人24人

備考:不明は転居先が不明の会員を示します。

表3 支部別の会員数(2月1日現在)

都道府県 会員数 対前月差
小清水13人0人
オホーツク支部236人1人
根室支部81人2人
釧路支部158人-1人
十勝支部199人1人
旭川支部87人2人
滝川支部48人1人
道北支部33人2人
江別支部20人0人
札幌支部309人1人
小樽支部81人1人
苫小牧支部166人4人
室蘭支部158人0人
函館支部25人2人
道南檜山70人-2人
青森県支部144人0人
弘前支部121人0人
秋田県支部236人2人
山形県支部192人3人
宮古支部92人-1人
もりおか154人2人
北上支部106人0人
宮城県支部439人-2人
ふくしま155人1人
郡山174人1人
二本松17人0人
白河支部40人-1人
会津支部51人-1人
奥会津連合10人-2人
いわき支部110人-4人
福島県相双支部16人0人
南相馬13人0人
茨城県844人-6人
栃木567人0人
群馬571人2人
吾妻39人2人
埼玉1711人-5人
千葉県1092人-7人
東京2913人5人
奥多摩支部848人1人
神奈川支部2,409人3人
新潟県283人0人
佐渡支部29人0人
富山190人0人
石川269人0人
福井県219人1人
長野支部468人0人
軽井沢支部174人1人
諏訪235人2人
木曽支部25人1人
伊那谷支部80人0人
甲府支部203人2人
富士山麓支部60人0人
東富士67人-1人
沼津支部166人0人
南富士支部244人-1人
南伊豆39人0人
静岡支部370人0人
遠江418人4人
愛知県支部1094人3人
岐阜492人-1人
三重358人0人
奈良支部444人2人
和歌山県支部200人2人
滋賀303人0人
京都支部759人1人
大阪支部1846人3人
ひょうご989人0人
鳥取県支部200人2人
島根県支部160人0人
岡山県支部542人-5人
広島県支部481人1人
山口県支部364人0人
香川県支部168人0人
徳島県支部325人-3人
高知支部123人0人
愛媛347人0人
北九州315人2人
福岡支部 600人2人
筑豊支部239人0人
筑後支部168人-2人
佐賀県支部213人4人
長崎県支部205人-1人
熊本県支部405人-3人
大分県支部218人6人
宮崎県支部240人0人
鹿児島322人0人
やんばる支部81人-2人
石垣島支部26人1人
西表支部40人0人
30,554人28人

備考:支部別の会員数の合計は、都道府県別の会員数の合計と異なります。
これは、本部型(青い鳥)会員や支部に所属されていない個人特別会員が支部別の会員数に含まれないためです。


(会員室/沖山展子)


★支部ネット担当より

 立春を過ぎましたが、まだ寒さ厳しき日が続いております。皆さまいかがお過ごしでしょうか。いつも支部ネット通信をご愛読いただき、ありがとうございます。
 今月号には、4月より施行されます『ブロック会議運営費助成』について掲載されています。ぜひご活用ください。
 まだまだ寒さが厳しいですが、くれぐれもご自愛ください。

■支部ネット通信は支部の代表の方に電子メールでも配信をしています。電子メールでの配信を希望される支部の代表の方は下記メールアドレスまでお気軽にお申し込みください。

支部ネット通信 第155号
◆発行
公益財団法人日本野鳥の会 2017年2月24日
◆担当
総務室 総務グループ
奥田秋穂/林山雅子
〒141-0031
東京都品川区西五反田3-9-23
丸和ビル
TEL:03-5436-2620
FAX:03-5436-2635
E-mail:[email protected]