No.163 2017年10月号


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目次 ◆支部の動き
支部報 保護・調査記事関連トピックス
◆事務局からのお知らせなど
10月号『フィールドガイド日本の野鳥』
 増補改訂新版の取り組み

農林水産大臣から感謝状をいただきました
ツル類の飛来情報をお寄せください!
ビジョン2030の策定について
日本野鳥の会小清水の解散
支部HPの新設・移転について
会員数

支部の動き

■支部報 保護・調査記事関連トピックス

 本記事は日本野鳥の会へ送付されてきている各地の支部報/会報から抽出して作成し、調査・保護に関心がある野鳥の会の会員へ配信しております。本記事の一部又は全部を不特定多数が見る可能性があるところへ公開される場合は、各支部/各会の了承を事前に得て下さい。記事は筆者の意向に反しないように、取り扱いをお願いします。

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.860

●2017/7 道北
・ヘラシギ観察
●2017/9 苫小牧
・IR誘致に思う
●2017/8 千葉県
・オオセッカ・コジュリンのカウント
・ジョウビタキ軽井沢で繁殖(6/7毎日新聞)
・大気のメタン濃度1月に最高値を記録(6/5日本経済新聞)
・太古の温暖化でライチョウ激減(6/9日本経済新聞)
●2017/8 徳島県
・吉野川河口「今」「明日」を考えるフォーラム
・世界につながる吉野川河口域
・ちょっと気になる野鳥の和名ミヤマホオジロ
●2017/5 福岡
・トレイルランニングin東峰村
●2017/5 筑豊
・森のムツレ教室(野外教育インストラクター)
・野鳥の繁殖あれこれ(編集部)

●2017/7 道北
・ヘラシギ観察
 2016/9、稚内市でフラッグ付きのヘラシギを見る。ロシアのチュコト半島南部で放鳥されていた。絶滅が危惧され、繁殖地のカムチャッカ半島では人工繁殖に取り組んでいる。
(道北「オロロン」Vol.41.NO1,P12)

●2017/9 苫小牧
・IR誘致に思う
 苫小牧市は積極的にIR(総合型リゾート地)の誘致を進めている。新千歳空港近くの森林地帯でウトナイ湖の水源の1つになっている。森林は二酸化炭素を吸収し、大雨の時、貯水機能を果たす。IRは野鳥の生息地を脅かすのであれば、見過ごせない。
(苫小牧「あおさぎ」NO.214,P7)

●2017/8 千葉県
・オオセッカ・コジュリンのカウント
 7/2、36名が参加し恒例のカウント会で、利根川大橋から河口まで10区間でオオセッカ、コジュリンの囀り雄個体数をカウントした。オオセッカ:利根川右岸142、同左岸95、計237。コジュリン:右岸38、左岸52、高浜休耕田1、計91。両種とも減少傾向にある。国土交通省利根川下流河川事務所では希少種の生息状況に配慮し、湿地再生事業を行っている。
(千葉県「ほおじろ」NO.436,P2)

・ジョウビタキ軽井沢で繁殖(6/7毎日新聞)
 2010年、本州で初めて長野県富士見町でジョウビタキが繁殖し、本州では八ヶ岳周辺や岡山県で事例がある。今月、軽井沢町の別荘地で3羽の雛を確認した。
(千葉県「ほおじろ」NO.436,P12)

・大気のメタン濃度 1月に最高値を記録(6/5日本経済新聞)
 国立環境研究所は人工衛星「いぶき」の観測から大気のメタンの平均濃度は2009年から増加傾向にあり、今年1月に過去最高を記録したと発表した。メタンは地球温暖化を進めるガスとされる。例年5〜7月に濃度が下がり、11〜2月に高くなる傾向がある。
(千葉県「ほおじろ」NO.436,P13)

・太古の温暖化でライチョウ激減(6/9日本経済新聞)
 富山大学はライチョウ50羽分の糞を採取し、遺伝子分析の結果、ライチョウは9千年前から始まった温暖化で激減し、温暖化が収まり始めた6〜4千年前に個体数回復したと推定されるとした。現在、再度、温暖化で数が減ってきている。ライチョウは氷河期の1万年前から一貫して減っていると考えられていたが、このような経緯はライチョウ保護のヒントになる。
(千葉県「ほおじろ」NO.436,P13)

●2017/8 徳島県
・吉野川河口「今」「明日」を考えるフォーラム
 7/8、徳島大学で開催された。吉野川河口は東アジア・オーストラリア地域フライウェイネットワークに登録されている。同フライウェイでは毎年、5千万羽、200種余りの野鳥が往復している。ここではIUCNのレッドリストで33種の野鳥が危機的であり、毎年約6%の比率で減っている。同ネットワークには135のサイトがあり、重要生息地は950箇所余りが登録されている。毎年、同ネットワークパートナーシップの各サイトの生息地管理者が集まり国際的な協力がされている。
(徳島県「野鳥徳島」NO.467,P2〜4)

・世界につながる吉野川河口域
 モニタリングサイト1000のシギ・チドリ類調査記録から。吉野川河口ではシギ・チドリ渡来数はこの12年間の平均は春(4、5月)901、秋(8,9月)334、冬(12、1月)1,107で、全国の約2%を占める。種別で見ると春、秋、冬の順でハマシギ651、10、805。ダイゼン89、82、98。シロチドリ13、68、101。ハマシギが7割以上を占める。ハマシギの減少に伴い、総数は減少傾向にある。吉野川河口では1994年以来、6箇国から11種の標識鳥が見つかり、その中には2014/9〜12、絶滅危惧TAのヘラシギがロシアから飛来した。
(徳島県「野鳥徳島」NO.467,P5〜7)

・ちょっと気になる野鳥の和名ミヤマホオジロ
 ミヤマは文字通り「深山」を示すが、この鳥は奥深い山より平地から低山の明るい林や農耕地で見られる。名前の由来について定説は無い。阿部直哉(2008)「山渓名前図鑑・野鳥の名前」には「ミヤマは離れた遠隔地、以前は朝鮮半島でしか繁殖が知られていなかったので、この名がある」とある。この結びつきには無理がある。誤解を招く和名は早く改名を希望する。
(徳島県「野鳥徳島」NO.467,P15)

●2017/5 福岡
・トレイルランニングin東峰村
 1/13の福岡県環境部自然環境課と福岡県内の4支部の意見交換会より。10/2に実施された東峰村のトレイルランニングはクマタカ生息地で基本的に反対する。東峰村は財政的に環境アセスメントを実施できないため、モニタリング調査で対応し、結果は問題ないとした。県は自然公園法での工作物設置許可のみに関わり、その他の事は県へ報告義務が無いとして、問題点は把握できていない。
(福岡「野鳥だより・ふくおか」NO.451,P13)

●2017/5 筑豊
・森のムツレ教室(野外教育インストラクター)
 森のムツレ教室はスウェーデンで1950年代に開発された子供向けの野外環境教育プログラムで、我国ではNGO「野外生活推進協会」で普及活動がされている。子供の心身の発達段階に応じて6段階が示されている。1自然の中で安心して快適に過ごせる、2自然を楽しむ、3自然を見て観察する、4全体のつながりの関係を理解する、5人間がどう自然に影響を与えているかを知る、6行動して社会に貢献する。子供の頃、自然に触れる機会が無かった人はこの段階の初期に留まっている。これには「マズローの欲求の段階」が基礎になっている。生理的欲求→安全の欲求→所属と愛の欲求→承認の欲求→自己実現の欲求。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.471,P39〜40)

・野鳥の繁殖あれこれ(編集部)
 哺乳類では雄の若者は分散する傾向にあり、鳥類は雌の若鳥がより遠くへ分散する傾向にある。一夫一妻が多いことと結び付けて考えられている。日本で繁殖する陸鳥種数は北海道110、本州120、四国70、九州75。スズメ目の雄の子育て貢献度、♂が抱卵を手伝う26.6%、抱卵中の♀に給餌25.3%、雛に給餌96.1%。年離婚率、0%(ハクチョウ、カラス、カラスバト)、メジロ6%、コマドリ14%、シジュウカラ20%、ヒバリ50%、ツバメ63%。参考:akaitori.tobiiro.jp、Wikipedia
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.471,P47)

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.861

●2017/8-9 札幌
・生息地を丸ごと守る(本部野鳥保護区事業部)
●2017/8 甲府
・ジョウビタキ繁殖
・フェイスブックで探鳥
・記録が少ない鳥たち
●2017/8 大阪
・夏もいる冬鳥
・大阪府鳥類目録2016刊行(鳥類目録編集委員会)
・レスキュー日誌(NPO日本バードレスキュー協会)
●2017/8 北九州
・大規模太陽光発電施設のあり方について(本部自然保護室)
・野鳥の巣箱
●2017/8 筑後
・広島県のブッポウソウ繁殖地
・2017年度三池島ベニアジサシ調査(調査部)
・カササギのミラーテスト(研究部)
●2017/6 佐賀県
・フラッグ付きシギ

●2017/8-9 札幌
・生息地を丸ごと守る(本部野鳥保護区事業部)
 タンチョウやシマフクロウを守るため道内に「野鳥保護区」を設置し、1986年からナショナル・トラストの手法を用い、寄付金で地権者からの土地の購入や開発しない協定を締結している。現在、道内に33か所、3,559ha(シマフクロウ856ha、タンチョウ2,873ha等)まで拡大している。その結果、タンチョウは約1,800羽、シマフクロウは約140羽まで回復し、一部は道東から道北や道央に分散している。
(札幌「カッコウ」NO.396,P10)

●2017/8 甲府
・ジョウビタキ繁殖
 昨年5羽の巣立ちを確認している場所(山梨県内)を、今年5月中旬、探してみた。別荘の郵便ポストに4羽の雛がおり、親鳥2羽が給餌していた。
(甲府「カワセミ」NO.139,P2)

・フェイスブックで探鳥
 スマホは使い方次第ではQOLの向上に資する。趣味の世界でも応用は無限で、マナー遵守が担保されれば鳥見でも有効である。野鳥の動画、囀り記録より検索で識別が可能で、最近はスマホ専用の外付け望遠レンズもある。将来的には観察種が瞬時に識別できるようになるであろう。当然、鳥見趣味の本質を損なわない使い方である。リアルタイム、探鳥会後の情報発信にSNSでの(社会的責任が明確である)フェイスブックを使わない手は無い。
(甲府「カワセミ」NO.139,P3)

・記録が少ない鳥たち
 2016年まで山梨県で支部が確認している野鳥は271種で、過去に記録が2件以下は57種いる。内訳は留鳥1、夏鳥1、冬鳥16、旅鳥22、迷鳥16、参考1。内、古い方からオオノスリは1927年、シラオネッタイチョウは1951年、ナベコウは1972年、アカマシコは1975年、オオメダイチドリ、ダイゼン、オバシギ、チュウジシギは1978年が最終確認年である。嘗て、確認できて2000年以降確認できない種はこれら8種を含め23種いる。
(甲府「カワセミ」NO.139,P4)

●2017/8 大阪
・夏もいる冬鳥
大阪でも冬鳥とされる野鳥18種が夏に記録されている。カモ類8、カイツブリ類2、カモメ類3で水鳥が13種を占めるのは、飛べなくなっても水面に残り、浮かんで暮らせるためであろうか。しかし、飛べても夏に残る例としてオナガガモ(不忍池)、ユリカモメ(大阪)等がいる。留鳥は繁殖するのが前提で、この18種を越夏個体と呼んでみる。内、チョウゲンボウは繁殖しており、留鳥と扱われるようになった。冬鳥が越夏し、繁殖するようになり、留鳥になるプロセスがある。
(大阪「むくどり通信」NO.249,P17)

・大阪府鳥類目録2016刊行(鳥類目録編集委員会)
 3/28、2001年に続く、2016年版の大阪府鳥類目録が刊行された。(会員向け)
http://sun.gmobb.jp/wbsj-osaka/PR/mokuroku-2016/index-resp.html
(大阪「むくどり通信」NO.249,P18〜19)

・レスキュー日誌(NPO日本バードレスキュー協会)
 5/10、大阪府警は府下12箇所で、鳥獣保護管理法違反で一斉検挙した。堺市の「メジロの鳴きあわせ会」から芋づる式に違法飼養者が検挙され、170羽以上のメジロが保護された。8月に府立の野鳥救護施設が羽曳野市に開所された。
(大阪「むくどり通信」NO.249,P23)

●2017/8 北九州
・大規模太陽光発電施設のあり方について(本部自然保護室)
 1・設置場所の限定、2・ゾーニングに基づく場所の選定と立地規制、3・地域住民等との十分な合意形成、4・環境影響評価法等の法制度の整備
(北九州「北九州野鳥」NO.374,P12)

・野鳥の巣箱
 S29/10/11の朝日新聞天声人語より。中西悟堂の本によると野鳥の巣箱はドイツの鳥類研究家ベルレプシュが始め、400エーカーの林に2,000個の巣箱を架け、内、9割が野鳥に使われた。1904年、他の森では葉巻虫で丸裸になったが、巣箱の森は無事であった。我国では1916年頃、盛岡高等農林学校で初めて架設され、90〜100%が利用された。
(北九州「北九州野鳥」NO.374,P12)

●2017/8 筑後
・広島県のブッポウソウ繁殖地
 6/18、日本一のブッポウソウ生息地、広島県の状況確認に広島県支部に案内してもらった。広島県では1980年代初めには25番程度のブッポウソウが生息し、使用していた木製の電柱がコンクリート製に変わると、1980年代後半には5〜10番まで減少した。1988年から電柱に巣箱を架けると、2003年には157番まで増え、2014年には北部、中部地域を中心に502巣箱で、営巣は363個、巣立ち数平均3.5羽、毎年1,200羽以上の雛が誕生している。
(筑後「まめわり」NO.195,P6〜7)

・2017年度三池島ベニアジサシ調査(調査部)
 6/11、ベニアジサシ成鳥243羽、6月に入り渡来したようである。卵残骸、死亡卵22個。7/2、ベニアジサシ全くいない。営巣まで確認していたが、営巣放棄の理由は不明。この間の大雨によるのかも。これで3年連続して営巣不成功。
(筑後「まめわり」NO.195,P8)

・カササギのミラーテスト(研究部)
 鏡を見て自分を認識する自己鏡映像認知テストで自己認識できるのは人では3歳児以上、動物ではチンパンジー、イルカ、シャチ、ゾウ等がいる。2008年、カササギで実験した結果、自己認識あった由。カラス類は「羽を持った霊長類」と言われ、哺乳類以外では初めてである。中国では結婚式でカササギをモチーフにした贈物をし、七夕伝説でカササギが織姫と彦星の架け橋になった逸話がある。朝鮮半島ではカササギは良いことの前兆とされ、国鳥に近い扱いで、欧州では逆にずる賢いとして凶兆とされる。
(筑後「まめわり」NO.195,P10)

●2017/6 佐賀県
・フラッグ付きシギ
 4/29、東よか干潟で以下のシギを観察した。オオソリハシシギ1(2014/2豪州ヴィクトリア州で放鳥、当時2歳以上)。同1(2013/2豪州ヴィクトリア州で放鳥、当時2歳以上、2014年、大授溺でも見ている)。トウネン1(2014年カムチャッカ半島西海岸で放鳥)。
(佐賀県「野鳥さが」NO:211,P16〜17)

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.862

●2017/8 埼玉
・ズアオアトリ、シラガホオジロ(野鳥記録委員会)
・害鳥化するタンチョウ
●2017/8 東京
・サシバ等の渡り調査(研究部)
・ガビってる
●2017/8-9 京都
・フクロウは吉兆?凶兆?
・ナイチンゲールとフクロウ
・フクロウの食事メニュー
●2017/9 岡山県
・CSR活動支援を受けブッポウソウ保護活動
・トビ
●2017/9 徳島県
・秋のタカの渡り(研究部・普及編集部)
・ちょっと気になる野鳥の和名 アホウドリ
●2017/9 筑後
・ヘラシギ、カラフトアオアシシギ(研究部)

●2017/8 埼玉
・ズアオアトリ、シラガホオジロ(野鳥記録委員会)
 2/2、富士見市内で撮影された1枚が寄せられた。ズアオアトリの可能性が高い。我国では1990/4の利尻島で1例あるのみで、自然迷行か籠脱けの判断ができず、記録は保留した。2/25、羽生市内でシラガホオジロ♂の写真が寄せられた。輸入されている個体もおり、籠脱けの可能性もあるが、尾羽は何らかの事故で全て欠損していたが、初列風切の擦り切れはなく、県内341番の野鳥として記録された。
(埼玉「しらこばと」NO.401,P4)

・害鳥化するタンチョウ
 北海道ではタンチョウは1000羽を越え、2016/17年は鳥インフルエンザのため、連綿として続けられてきた給餌が停止されている。鶴居村ではタンチョウはカラスの様に畑、牛舎等の農業施設に多数出入りするようになっている。当地では害鳥と認識されている。生息数が増えた負の側面を検討しなければならない。トキ、コウノトリ保護運動でも同じような事が予想される。
(埼玉「しらこばと」NO.401,P8)

●2017/8 東京
・サシバ等の渡り調査(研究部)
 八王子市の西部地区でサシバ、ハチクマの秋の渡りが観察できる。1996年より日野カワセミ会は羽数をカウントしている。調査箇所は色々変わってきたが、2010年からは松竹公園西(八王子市下恩方)、陣馬山山頂、城山湖ダムサイト(相模原市)の3箇所で、2016年は約1箇月の調査期間でサシバ約3,500羽と過去最大であった。陣馬山山頂はアクセスが悪いため、今年から当支部研究部もカウントを支援する。
(東京「ヨリカモメ」NO.742,P8)

・ガビってる (田島基之)
 ガビチョウが特定外来生物に指定されたのは2005年で、当支部の月例探鳥会でガビチョウが記録されているのは高尾山、多摩川、多摩霊園である。1997年から増え始め、現在その3倍に増えている。東京都のガビチョウ分布は西から東へ広がっているようである。
(東京「ヨリカモメ」NO.742,P10〜11)

●2017/8-9 京都
・フクロウは吉兆?凶兆?
 フクロウは不苦労、福来郎として幸福のシンボルとされる。古代ギリシャでは学芸の神アテネの使者とされ、学問、知恵のシンボルとされる。時代により、東西で忌むものとされ、日本でも災いの象徴であった。フクロウは評価が激しく変わった鳥で、現在、フクロウは不吉なイメージが無いのは、文明の進化で夜が怖くなくなったからではないか。
(京都「そんぐぽすと」NO.207,P14)

・ナイチンゲールとフクロウ
 看護師フローレンス・ナイチンゲールはアテネのパルテノン神殿を訪れたとき、巣から落ちたコキンメフクロウの雛を手当し、アテネと名付けた。アテネは彼女に懐き、どこでもいっしょに行った。ナイチンゲールがクリミア戦争に従軍したとき、アテネをネズミがいる納屋へ移住させたが、ネズミを捕ることを知らず、餓死してしまった。ナイチンゲールはアテネを剥製にし、終始離さず、ロンドンのナイチンゲール博物館にその剥製が展示されている。
(京都「そんぐぽすと」NO.207,P15)

・フクロウの食事メニュー
 冬季に苫小牧演習林でフクロウのペリットを調査した結果、83%がネズミ、モグラで野鳥は17%であった。積雪の時、野鳥の比率が上がるとある。冬季の茨城県のトラフズクは92%がネズミ、8%が野鳥であった。欧州で24万以上のメンフクロウのペリット調査でも哺乳類98%、野鳥2%であった。繁殖期になるとフクロウの食性は変わるようで、富士山麓のビデオカメラ調査では、ネズミ80%、昆虫8%、モグラ7%、野鳥2%で昆虫も捕っている。市街地では坂出市では野鳥82%、ネズミ12%、甲府市では野鳥58%、ネズミ30%の記録があり、市街地ではフクロウは繁殖期は鳥をよく食べる。
(京都「そんぐぽすと」NO.207,P17)

●2017/9 岡山県
・CSR活動支援を受けブッポウソウ保護活動
 ダウ・ケミカル笠岡工場のCSR(企業の社会的責任)活動の助成を受け、岡山県内のブッポウソウの保護活動を実施する。期間は2017/7〜2018/5、小学校、地域住民への啓発、巣箱の維持管理、イベント開催で同社の従業員、バードライフ・インターナショナル東京も参加する。
(岡山県「野鳥おかやま」NO.222,P2)

・トビ
 トビの食性はカラス、カモメに似る。しかし、小回りがきかないため、街中のゴミには来ない。巣をアカマツ、クスノキ、モミ等の大木に造り、直径70cm前後、深さ30cm前後で、毎年、同じ巣を使うことが多い。都市近郊では営巣に適した樹木が減り、鉄塔を利用する場合がある。魚が豊富な海岸では比較的近距離に巣が集まり、巣から離れた餌場に行く。
(岡山県「野鳥おかやま」NO.222,P3)

●2017/9 徳島県
・秋のタカの渡り(研究部・普及編集部)
 鳴門付近でタカの渡りが観察しやすいのは鳴門山展望台、四方見展望台がある。秋、ハイタカは大陸で繁殖した個体が朝鮮半島から九州を通り、鳴門海峡を西から東へ通過するものが多い。秋の渡りはサシバ、ハチクマとも減少傾向にあり、サシバは約7,000(1990年代)が約4,000(現在)、ハチクマは約350(1990年代)が約200(現在)となっている。
(徳島県「野鳥徳島」NO.468,P2〜5)

・ちょっと気になる野鳥の和名アホウドリ
 アホウドリの名は江戸時代からあほうどり、ばかどり、おきのたいふ、らい、信天翁などと呼ばれていた。アホウドリの名は余りに侮辱的で、長谷川博・東邦大学名誉教授は「オキノタユウ(沖の大夫)」に改名するよう提唱している。これに改名を願う。
(徳島県「野鳥徳島」NO.468,P14)

●2017/9 筑後
・ヘラシギ、カラフトアオアシシギ(研究部)
 ヘラシギ、カラフトアオアシシギは絶滅危惧TA類で、ヘラシギは推定個体数140〜480羽、繁殖番数35〜100とされ、英国、ロシアで人工繁殖の試みがされている。カラフトアオアシシギは500〜1,000羽とされる。繁殖地はサハリン南部で1980年代の開発で、サハリン北部に少数の繁殖地が残る。日本では旅鳥で秋の渡りで若鳥や第一回冬羽へ換羽中の個体が見られる。
(筑後「まめわり」NO.196,P8)

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.863

●2017/8 千葉県
・ちばエナガを観る
・ミツバチの寿命を縮める農薬(7/13毎日新聞)
・トキ最多の77羽巣立つ(7/20日本経済新聞)
●2017/8 神奈川
・2017年ガンカモ調査1(保護研究部)
●2017/9 南富士
・ウルトラトレイル・マウントフジ(保護部)
・「鳥類学者だからって、鳥が好きだよと思うなよ」
●2017/9 滋賀
・珍しい鳥に出会ったら
・高島市にヤイロチョウ(保護研究部)
●2017/8 山口県
・ブッポウソウ増える巣離れ(保護部)
・春期シギ・チドリ類一斉調査(幹事)
●2017/9 福岡
・鳴きまねウグイス
・ハチクマの渡り
●2017/8 筑豊
・ヤツガシラ

●2017/8 千葉県
・ちばエナガを観る
 千葉県で報告されている顔が真っ白な顔白エナガを探した。通称ちばエナガとある。5/4、千葉市の公園に顔白エナガがおり、顔の黒いエナガに餌をあげた。ちばエナガは図鑑ではエナガとされるが、亜種と思っている。
(千葉県「ほおじろ」NO.437,P7)

・ミツバチの寿命を縮める農薬(7/13毎日新聞)
 ミツバチの大量死と関連があるとされるネオニコチノイド系農薬、過去の実験は農薬の濃度が高すぎると批判があり、今回、農場周辺で検出される程度まで低濃度で実験した結果をカナダのチームが科学誌サイエンスに発表した。ミツバチの平均寿命は23%短くなり、3箇月で女王蜂の生存率が通常の巣の5割程度が1割未満に低下していた。
(千葉県「ほおじろ」NO.437,P12)

・トキ最多の77羽巣立つ(7/20日本経済新聞)
 環境省は7/19、今年、佐渡市でトキの雛77羽が巣立ちし、2008年の放鳥開始以降、最大となり、純野生雛も昨年の6羽から15羽に増えたと発表した。佐渡市に生息するトキは282羽前後となり、巣立ち率は48%で安定的に繁殖が進んでいるとされる。
(千葉県「ほおじろ」NO.437,P12〜13)

●2017/8 神奈川
・2017年ガンカモ調査1(保護研究部)
 1月第三日曜日前後に神奈川県内79箇所で調査した。総計14,356羽で内訳は括弧内は過去4年の平均、マガン1(1未満)、コガモ3,057(3,294)、ヒドリガモ2,946(2,536)、スズガモ2,509(1,888)、カルガモ1,304(2,025)、キンクロハジロ877(1,115)、ホシハジロ805(620)、マガモ763(864)、オナガガモ417(562)、オカヨシガモ377(244)、オシドリ217(949)等。スズガモとオシドリは年により変動がある。カルガモ減少の理由は不明。
(神奈川「はばたき」NO.543.P8〜9)

●2017/9 南富士
・ウルトラトレイル・マウントフジ(保護部)
 来年は9/13の開催が決まった。UTMFのアピールポイントの富士山を一周するコースは時計回りに3/4周に変更になっている。これは支部が主張する「鳥の繁殖期は避けるべき」に配慮した結果で、その時期は自衛隊の演習場通過が認められないため、9月になったと推測される。
(南富士「さえずり」NO.418,P4)

・「鳥類学者だからって、鳥が好きだよと思うなよ」
 川上和人氏の著作である。同氏は東大の樋口広芳氏の研究室の出で、師弟関係にある。NHKの夏休み子供電話相談で鳥の先生で登場している。本の内容は鳥類学者がどこで、どのような研究をしているのか、面白く書いており、親父ギャグの連発である。鳥類学者の調査の厳しさを伝えており、間違いなく同氏は鳥好きである。
(南富士「さえずり」NO.418,P8〜9)

●2017/9 滋賀
・珍しい鳥に出会ったら
 やるべきこと:記録を残す、識別の決め手となる程度で写真を撮る、支部へ連絡し、公式記録化する。やってはいけないこと:リアルタイムでSNSなどに情報を流さない、注意すべきこと:必要に応じ現場で何を見ているのか説明、人より前に出ないこと、その鳥がストレスに強い、弱い性質を知って、それに対応して多くの人が観察が楽しめることがの望ましい。
(滋賀「におのうみ」NO.50,P26)

・高島市にヤイロチョウ(保護研究部)
 2年前にも高島市にヤイロチョウが現れ、滋賀県の山間部にくるようになった。今年も高島市で営巣が確認され、全国から50台近い車が押し寄せトラブルがあった。高島市は侵入禁止のテープ設置、マナー呼び掛け看板設置、路上駐車防止のための臨時駐車場開放を行った。雛4羽が巣立った。支部は愛鳥家のモラルの問題としている。
(滋賀「におのうみ」NO.50,P27)

●2017/8 山口県
・ブッポウソウ増える巣離れ(保護部)
 山口県では20年位前までは1番のブッポウソウの繁殖があったが、2000年頃から確認できなかった。近年、電柱に巣箱を架け10番前後が繁殖するようになった。それに伴いカメラマンの接近で悪影響が出始めている。支部は地元新聞社にマナーを守るよう啓蒙記事を書いてもらった。
(山口県「やまぐち野鳥だより」NO.252,P1〜2)

・春期シギ・チドリ類一斉調査(幹事)
 4/29、山口県内20箇所で調査した。総計1,769羽で、内訳はチュウシャクシギ970、ハマシギ375、ダイゼン122、アオアシシギ40、ムナグロ37、ソリハシシギ36、メダイチドリ28、シロチドリ25、イソシギ22、コチドリ22、キアシシギ19等。
(山口県「やまぐち野鳥だより」NO.2,P8〜9)

●2017/9 福岡
・鳴きまねウグイス
 7/2、宗像市の電線で「チョットコイ、チョットコイ」と聞こえるウグイスがいた。
(福岡「野鳥だよりふくおか」NO.455,P7)

・ハチクマの渡り
 片江展望台では例年、9/23を中心にした1週間に多くのハチクマが渡る。2016年は9/24、10/2に1,000羽以上が通過した。ここでは北西から来るサシバ、ハイタカ、オオタカ、北東から来るノスリ、ハヤブサ、チゴハヤブサが見られる。
(福岡「野鳥だよりふくおか」NO.455,P9)

●2017/8 筑豊
・ヤツガシラ
 ヤツガシラは一属一種、ユーラシア大陸に広く分布し、アフリカ、インド、東南アジアで越冬する。国内では3、4月が渡りのピークで、秋は少ない。地上を歩いて採餌するのを見る。好みの場所は選ばず、神出鬼没である。一見派手に見えるが、鮮やかなオレンジ色は冠羽の内側のみで、他の見えるところはくすんだ色で、これらは荒地や乾燥地では保護色効果がある。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.474,P39〜41)

(自然保護室・野鳥の会・神奈川/森 要)

事務局からのお知らせなど

■普及室より

■10月号『フィールドガイド日本の野鳥』増補改訂新版の取り組み

<見え方の違いとは?>

 当会発行の『新・山野の鳥』や『見る読むわかる野鳥図鑑』は初心者向けで、『フィールドガイド日本の野鳥』は中・上級者向けとされます。『フィールドガイド日本の野鳥』の改訂を担当するようになった私は、その中の「野鳥の見分け方」で、野外識別が難しい場合について、述べることにしました。
 例えば、よく似た種がいる場合は、類似種の可能性を否定できなくてはなりません。そのためには、複数の識別ポイントをチェックして、総合的な検討も必要になります。以下、増補改訂新版の「野鳥の見分け方」から抜粋します。
 『・・・写真があっても見え方の違いがあるので、ワンカットだけでは検討しきれないこともある。同じ種でも亜種・雌雄・年齢や個体差・換羽や汚れ具合による違いもあるし、型や変異、交雑もありうる。・・・』
 「見え方の違い」とは、同じ個体でも、距離・角度・光線の具合・姿勢や動作によって違って見えることです。経験を重ねれば見え方の違いに配慮できるようになると思いますが、当会ホームページのBIRDFAN、フォトギャラリーというコーナーが役立つことはご存知でしょうか? そこには500種近く、2万4千枚ほどの写真が掲載されていて、投稿が多い種では1種についてさまざまなカットが見られるからです。

<キビタキとオオルリの雌は簡単か?>

 秋の渡りでは、キビタキとオオルリの雌で迷うことはありませんか? 声、大きさ、体型、姿勢、色などに微妙な違いはあるものの、写真で識別を頼まれると、声はわからない、大きさはわかりにくい、姿勢が典型的でない場合もあります。色で識別しようとすると、間違うこともあるでしょう。
 オオルリ雌のほうが茶色いように解説している図鑑もあります。が、キビタキの雌や若鳥の特徴とされるオリーブ色味がわからない写真もあるし、キビタキの尾羽はしばしば茶色に見えるし、実際、フォトギャラリーでは、そのようなキビタキも掲載されています。
 ただ、フォトギャラリー担当者によると、昨年度実績で週80枚以上もの投稿があり、対応に追われているとのこと。種名の間違いや、種の同定に時間や手間を要する写真、種を同定できない写真もあり、私も相談されることが少なくありません。投稿者に写真だけで同定できないと伝えると、怒られることもあります。そこで、9月には、投稿に際しての掲載条件を書き換えてもらい、野外識別が難しい場合についてご理解いただけるように、ホームページ上で、『フィールドガイド日本の野鳥』の「野鳥の見分け方」を見られるようにリンクを貼るようにしてもらいました。

<サメビタキ属はどこで見分ける?>

 2007年発行の増補改訂版では「ヒタキ科補足」というコーナーを追加して、キビタキ・オオルリの若鳥(第1回冬羽)とともに、よく似たサメビタキ属3種の識別を補足しました。そこでは、文一総合出版発行のBIRDER誌、10月号でサメビタキの特徴として紹介されていた下尾筒の軸斑についても記しているし、下嘴の形や色の違いは、谷口高司さんに図版も加えてもらいました。
 2015年発行の増補改訂新版では日本鳥類目録の改訂第7版に沿うように、さらに手を加えました。ムナフヒタキ(目録7版で新たに掲載)の解説をエゾビタキの解説の後ろに追加して、ニシオジロビタキ(目録7版で検討中とされた)も、補足しました。
 これでよし・・・と思ったら、目録7版では、それまでツグミ科とされていた種がヒタキ科に吸収されていました。ここでは、ツグミやジョウビタキなど新たにヒタキ科とされた種には触れていないし、属名を出すならキビタキ属・オオルリ属も補足しているので長くなってしまいます。そこで、「ヒタキ科の補足」を改めて、「ヒタキ類補足」としました。
 これでよしと思ったら・・・、キバラガラ(目録7版で新たに掲載)も追記することになりました。それには、増補版で追記したルリガラと並べるべきなので、「ヒタキ科補足」と同じ頁に収めなくてはなりません。そこで、同じ頁にあったウィルソンアメリカムシクイを目録掲載順に沿うように後ろの頁にずらして、キヅタアメリカムシクイ(目録7版で新たに掲載)と並べるようにした次第です。

© 谷口高司

▲図版
増補改訂版以後、谷口高司さんに追加してもらった図版の例。本文にある「ヒタキ類補足」に対応したサメビタキ属3種。サメビタキ下尾筒の軸斑などは虫眼鏡がないと見えないくらいなので、解説文でも記している。(増補改訂版ではP335、新版ではP337)

(普及室・主席研究員/安西 英明)

■自然保護室より

■農林水産大臣から感謝状をいただきました

 昨年度、国内で発生した鳥インフルエンザへの対応に対して、農林水産大臣より感謝状をいただきました。直接の理由は、当会の金井参与が、農水省の防疫チームの一員として、発生農場での調査等に尽力されたことですが、各連携団体の皆さまが地域の自治体と連携して、野鳥における発生状況の把握などに務められたことなども評価されていると考えます。
 昨年は、家禽では12件の発生でしたが、野鳥では22都道府県で24種178個体、うち外来種2種48個体、動物園などの32羽の飼い鳥からH5N6亜型の鳥インフルエンザが検出されました。糞便などからの検出も加えると218件で過去最大規模でした。
 農水省がまとめた疫学調査報告書によると、「中国にあったH5N6亜型のウイルスが極東ロシア北方や中国東北部からロシア沿海州いずれかの野鳥群の営巣地や中継地に侵入し、平成28年の秋の渡りの時期に、渡り鳥によって日本、韓国といった日本海を取り囲む地域(環日本海地域)に持ち込まれたと考えられた。」とされています。
 中国南部には、H5N1亜型のウイルスが家禽や野鳥間で、モンゴル、ユーラシア大陸西方を由来とするウイルスとの間で遺伝子再集合を起こした結果生じた様々な亜型のウイルスが存在し、物流や野鳥の移動で拡散していることが想定されます。今年も、渡り鳥がやってくる季節となっていますが、多くの渡り鳥が利用する三江平原のある中国の黒竜江省でH7N9亜型が確認されたとの情報もありますので、今年も注意が必要です。


▲感謝状を遠藤理事長から伊藤自然保護室員に授与

(自然保護室/葉山 政治)

■ツル類の飛来情報をお寄せください!

 冬鳥が見られる季節になってきました。ナベヅル、マナヅルは10月中旬頃から日本へ渡ってきます。自然保護室では鹿児島県出水市でのナベヅル、マナヅルの越冬地一極集中化対策のため、支部や地域の方々と協力して越冬地づくりの活動を続けています。


▲飛翔するナベヅルの群れ

 そのための基礎データとして、国内のツル類の飛来情報を今年度も収集します。
 環境省ではナベヅル、マナヅルの希少鳥獣保護計画策定に向けた取り組みが進んでおり、その上でも重要な情報となります。

※過去の国内における越冬状況(出水を除く)は表を参照ください。

 ナベヅル、マナヅル等のツル類を確認されましたら、ぜひ下記の情報をお寄せいただけますようお願い致します。
@ 確認場所(地名までできるだけ具体的に)
A ツルの種類
B 個体数(幼鳥、成鳥分けて)
C 期間
D 確認場所の環境(例:水田、耕作放棄地、河川等)
E ねぐらの場所
F 生息を脅かす脅威
G その他の情報(採餌物、環境変化等)
※保護上の観点から飛来場所等の公開が不可の場合は合わせてお知らせください。
※専用の記録用紙(エクセル)がありますので、ご希望の場合は下記までご連絡ください。

【対象期間】:平成29年10月〜平成30年2月
【対象地域】:鹿児島県出水市以外の全国
【募集期間】:平成30年2月28日まで
※報告書へ記載する都合上、2月末で一度、締め切らせて頂きますが、上記期間以降も情報がございましたら、お寄せください。
【送付先】:Eメール:[email protected]
【問合せ先】:自然保護室 野口、伊藤
 電話:03-5436-2633、Fax:03-5436-2635

(自然保護室/野口 真麿子)

総務室より

■ビジョン2030の策定について

 今、わが国では2020年、すなわち東京オリンピック、パラリンピックが開催される3年後をターゲットに様々な組織が作業を急いでいますが、我々にとってより重要な世界的ターゲットは今から13年後の2030年です。世界が合意した「持続可能な開発目標(SDGs)」を何とか達成しようというゴールの年が2030年であり、そこへ向けて世界中の国や自治体、企業やNGO、NPOなどの活動が活性化しているのです。
 私たち日本野鳥の会は2034年に創設100周年を迎えますが、その節目を目前にした2030年に持続可能な社会を構成する一員として生物多様性保全の分野で誇れる成果をあげており、社会から必要とされる団体でありたいと考えています。
 そこで、会員以外の多くの人々からも広く応援してもらえるように、また支部と財団が一体となって数々の課題を乗り越えるために頑張っていけるように、当会が「どのような成果をなし遂げていたいか」、「どのような未来像を創り出そうとするのか」、皆がわくわくできるビジョンを内外に示していきたいのです。そのようなビジョンを作るため、2030年に主力となる世代の財団職員をメンバーとする「ビジョン2030策定ワーキングチーム」を組織し、9月15日から検討を始めています。


▲ワーキングチーム初会合【9月15日】(前列左から、江面康子、柵さち子、竹前朝子。後列左から、五十嵐真、掛下尚一郎、遠藤孝一理事長、瀬古智貫、篠木秀紀、浦達也、上原健常務理事。なお、遠藤理事長及び上原常務理事は、主旨説明のため出席)


▲都合により、初会合に参加できなかった松本潤慶

 ビジョン2030はもちろん、支部の皆さんの共感が得られるようなものでなければなりませんので、皆さんからご意見をいただくべく、11月にはワーキングチームの案をお示しします。そして12月の理事会で最終決定したビジョン2030を来年には広く公表していく予定です。

(常務理事・事務局長/上原 健)

■日本野鳥の会小清水の解散

 日本野鳥の会小清水から提出されていた解散伺が、9月28日に開催された平成29年度第3回理事会で承認されました。
 これにより、昭和55年に設立された日本野鳥の会小清水が37年の歴史に幕を下ろすことになりました。
長い間の活動に心から敬意を表し、謹んでお知らせします。

(総務室/奥田 秋穂)

会員室より

■支部HPの新設・移転について

 財団のHP(ホームページ)には支部の一覧(http://www.wbsj.org/about-us/group/group-list/)がございます。
 HPのある支部につきましては、リンクをさせていただいておりますので、HPの新設や、移転の場合は、以下の担当者へご連絡くださいますようお願いいたします。
【連絡先】:
会員室メディアグループ WEB担当
Eメール:[email protected]
電話:03-5436-2632、FAX:03-5436-2635
※リンクの際、HPのアドレスが必要になりますので、可能な限りメールにてご連絡くださいますようお願いいたします。

(会員室/三浦 岳志)

■会員数

 10月1日会員数35,236人で、先月に比べ75人減少しました。9月の入会・退会者数の表をみますと、入会者数は退会者数より63人少なくなっています。
 会員の増減は入会者数と退会者数のほかに、会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活した人数によって決まります。9月の入会者数は97人で、前年同月の入会者97人と同数でした。また、9月の退会者は160人で、前年同月の退会者147人に比べ13人増加しました。

表1. 9月の入会・退会者数

入会者数退会者数
個人特別会員 6人 7人
総合会員(おおぞら会員) 17人 41人
本部型会員(青い鳥会員) 22人 29人
支部型会員(赤い鳥会員) 32人 57人
家族会員 20人 26人
合計 97人 160人
年度累計 967人

※会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活する方がいらっしゃるため、退会者数の年度累計は、実際の退会者数とずれた数字となります。このため、退会者数合計については年度末の集計後にお知らせいたします。

■都道府県および支部別会員数■
 野鳥誌贈呈者数を除いた数を掲載します。

表2 都道府県別の会員数(10月1日現在)

都道府県会員数対前月差
北海道1733人-6人
青森県253人0人
岩手県360人-1人
宮城県483人-1人
秋田県248人1人
山形県209人-2人
福島県623人-1人
茨城県909人-7人
栃木県620人2人
群馬県631人1人
埼玉県2214人-6人
千葉県1639人2人
東京都4932人-8人
神奈川県3377人-2人
新潟県372人0人
富山県208人-1人
石川県289人1人
福井県219人-1人
山梨県283人-2人
長野県862人-1人
岐阜県472人-4人
静岡県1336人-12人
愛知県1529人0人
三重県421人-2人
滋賀県297人-2人
京都府806人-3人
大阪府1991人3人
兵庫県1288人0人
奈良県487人2人
和歌山県196人1人
鳥取県188人1人
島根県166人1人
岡山県559人-3人
広島県554人-2人
山口県372人0人
徳島県310人-1人
香川県198人-3人
愛媛県366人-2人
高知県130人-3人
福岡県1331人1人
佐賀県196人-4人
長崎県205人-4人
熊本県413人1人
大分県216人-2人
宮崎県248人0人
鹿児島県337人0人
沖縄県113人-1人
海外11人-1人
不明36人-4人
全国35236人-75人

備考:不明は転居先が不明の会員を示します。

表3 支部別の会員数(10月1日現在)

都道府県会員数対前月差
オホーツク支部242人-2人
根室支部82人-1人
釧路支部161人0人
十勝支部188人-5人
旭川支部82人0人
滝川支部48人3人
道北支部34人0人
江別支部19人-1人
札幌支部314人4人
小樽支部74人0人
苫小牧支部168人-2人
室蘭支部163人-1人
函館支部26人0人
道南檜山71人-1人
青森県支部141人1人
弘前支部117人0人
秋田県支部237人0人
山形県支部193人0人
宮古支部88人0人
もりおか155人0人
北上支部106人0人
宮城県支部441人-1人
ふくしま160人0人
郡山169人-1人
二本松14人0人
白河支部40人0人
会津支部51人0人
奥会津連合10人0人
いわき支部112人1人
福島県相双支部16人0人
南相馬15人0人
茨城県812人-9人
栃木600人-1人
群馬561人-4人
吾妻41人0人
埼玉1675人1人
千葉県1065人-2人
東京2891人-2人
奥多摩支部837人0人
神奈川支部2369人-6人
新潟県287人0人
佐渡支部29人0人
富山187人0人
石川268人1人
福井県212人-1人
長野支部467人1人
軽井沢支部174人0人
諏訪233人0人
木曽支部22人0人
伊那谷支部79人-1人
甲府支部196人0人
富士山麓支部55人-1人
東富士67人0人
沼津支部165人-3人
南富士支部249人0人
南伊豆41人0人
静岡支部354人-2人
遠江402人-10人
愛知県支部1112人-8人
岐阜477人-4人
三重357人-2人
奈良支部449人-4人
和歌山県支部197人1人
滋賀298人0人
京都支部775人1人
大阪支部1876人1人
ひょうご981人-1人
鳥取県支部210人3人
島根県支部155人-1人
岡山県支部527人-1人
広島県支部479人-1人
山口県支部351人0人
香川県支部159人-3人
徳島県支部322人-1人
高知支部119人-1人
愛媛342人0人
北九州316人3人
福岡支部 597人0人
筑豊支部233人1人
筑後支部164人-2人
佐賀県支部217人-3人
長崎県支部196人-4人
熊本県支部404人1人
大分県支部215人-2人
宮崎県支部242人1人
鹿児島307人-1人
やんばる支部78人0人
石垣島支部24人0人
西表支部42人0人
 30296人-85人

備考:支部別の会員数の合計は、都道府県別の会員数の合計と異なります。これは、本部型(青い鳥)会員や支部に所属されていない個人特別会員が支部別の会員数に含まれないためです。

(会員室/沖山展子)


★支部ネット担当より

 日本にやってきたばかりの冬鳥との出会いが楽しみの季節となりました。皆さまいかがお過ごしでしょうか。いつも支部ネット通信をご愛読いただき、ありがとうございます。
 今号では、『ツル類の飛来情報をお寄せください!』が掲載されています。ぜひご協力をお願いします。また、今後の当会の活動の根幹となる『ビジョン2030の策定について』も記載されております。ぜひご一読ください。
 日毎に秋冷の加わる頃、お風邪など召されませぬようお身体にお気をつけください。

■支部ネット通信は支部の代表の方に電子メールでも配信をしています。電子メールでの配信を希望される支部の代表の方は下記メールアドレスまでお気軽にお申し込みください。

支部ネット通信 第163号
◆発行
公益財団法人日本野鳥の会 2017年10月27日
◆担当
総務室 総務グループ
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〒141-0031
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