No.169 2018年4月号


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目次 ◆支部の動き
支部報 保護・調査記事関連トピックス
◆ブロックからのお知らせ
2017年度日本野鳥の会中四国ブロック
 交流会報告
◆事務局からのお知らせなど
富岡辰先新事務局長からの挨拶
連携団体(支部等)におけるシンボルマークの
 利用について

会員数

支部の動き

■支部報 保護・調査記事関連トピックス

 本記事は日本野鳥の会へ送付されてきている各地の支部報/会報から抽出して作成し、調査・保護に関心がある野鳥の会の会員へ配信しております。本記事の一部又は全部を不特定多数が見る可能性があるところへ公開される場合は、各支部/各会の了承を事前に得て下さい。記事は筆者の意向に反しないように、取り扱いをお願いします。

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.883

●2018/3 埼玉
・羽を集める楽しみ
●2018/3 東京
・行徳野鳥観察舎の近況
・興味ある亜種2種(研究部)
●2018/2-3 京都
・野鳥を食べる
・文豪を菜食主義者に変えた鳥
・2017年秋期タカの渡り調査(調査保護部)
・オオタカの指定解除について 
●2018/1 大阪
・海ガモはどこに
・チュウヒサミット2017
・コノドジロムシクイ(今川野鳥クラブ)
●2018/3 北九州
・H30年ガン・カモ・ハクチョウ類カウント調査
・郭公の鳴き声(S31/5/21天声人語)
・ノビタキの声(NHK「日本の野鳥 森へのいざない」より)

●2018/3 埼玉
・羽を集める楽しみ
 ソーア・ハンソン著「羽 進化が生みだした自然の奇跡」(白揚社)の冒頭にハゲワシの風切羽が空中から足元に舞落ちたエピソードが書かれている。拾った羽はまず、丁寧に水洗いし、種ごとに袋分けする。汚れの強いものには、少し台所用洗剤を使う。血が付いたものは水かぬるま湯(高温では血が固まる)で落とし、ダニ等の虫除去のため暫し、付け置く。保管に防虫剤は使わない。濡れた羽は吸湿する紙の上に重ならないよう放置し、自然乾燥させて回復させる。鳥類学では羽根ではなく羽と表記する。
(埼玉「しらこばと」NO.408,P2〜3)

●2018/3 東京
・行徳野鳥観察舎の近況
 耐震強度不足で無期限休館になっており、早ければ2018年度中に解体工事が行われる。跡地利用で行われたパブリックコメントに対し、「跡地利用の検討に参考にする」とだけあり、千葉県と市川市は相手出方を見る膠着状態にある。野鳥病院は扱い数が例年の1/3になっても続いている。11月に行われた市川市長選挙で「同舎の再開、再建」をうたった候補者が最高得票を得たが、有効票の1/4に達せず、4月に再選挙になる。
(東京「ユリカモメ」NO.749,P12)

・興味ある亜種2種(研究部)
 サンショウクイは近年、激減し、亜種リュウキュウサンショウクイが関東地方まで観察例が増えている。研究報告「西日本におけるリュウキュウサンショウクイの分布拡大」(2011 三上かつら 植田睦之)がある。千葉県では図鑑に載っていない顔白エナガの「チバエナガ(仮称)」が多数報告されている。
(東京「ユリカモメ」NO.749,P16)

●2018/2-3 京都
・野鳥を食べる
 江戸時代の鳥類図鑑(堀田禽譜)にはその料理法、その味、薬効等も記載されている。その現代版に編集した「江戸鳥類大図鑑〜よみがえる江戸鳥学の精華〜」を見ると、くぐい(ハクチョウ)は常奥二州の産が肥えてうまいとある。カルガモは秋に羽が抜けて飛べなくなるので、仙台ではヤスで突いて捕獲する、味は非常に良いとある。京都には伏見稲荷の雀の丸焼き。当時、野鳥は食材であった。著書「愛鳥譜」で鳥類学者の黒田長禮はオナガガモが最もうまい、その長男、黒田長久は本会や日本鳥学会会長を務めたが、コガモがうまいと言う。コガモはデゴイに反応しないとも書いている。黒田親子が好んでカモを食べていたことは、その役職からは今では考えられない。ムナグロも美味しい。アトリはツグミ同様、美味。フクロウは味が淡泊で佳味。モズは猛禽類としては味が良い。
(京都「そんぐぽすと」NO.210,P10〜13)

・文豪を菜食主義者に変えた鳥
 芥川龍之介の「山鴫」という短編にロシアの文豪トルストイの事が書かれている。鳥撃ちから帰って袋から獲物を取り出すと、ヤマシギが生きており、羽根を1本抜いて頭に突き刺しとどめを刺したエピソードが残っている。トルストイは数多くのヤマシギを殺生したが、59歳の時ぴたりと狩猟をやめ、菜食主義者になった。「肉食をする人が、自分で動物を殺すことになったら、大部分の人は肉食を敬遠するだろう」と書き残しており、トルストイはヤマシギを殺生したことに自責の念があった。
(京都「そんぐぽすと」NO.210,P13)

・2017年秋期タカの渡り調査(調査保護部)
 「タカの渡り全国ネットワーク」に詳しく報告あるものは、今後、記載省略します。
(京都「そんぐぽすと」NO.210,P14〜18)

・オオタカの指定解除について 
 環境省は昨年9月、種の保存法に基づく国内希少野生動植物からオオタカを解除した。1984年、400羽以下が2008年、5,800羽に回復したのを理由にしているが、関東地域の調査を元に全国数を推定しており、信ぴょう性に疑問がある。京都府では「京都府絶滅のおそれのある野生生物の保全に関する条例」で、野鳥5種を保全し、巣を破壊、損傷した場合は罰則がある。
(京都「そんぐぽすと」NO.210,P19)

●2018/1 大阪
・海ガモはどこに
 大阪湾では河口の辺りではスズガモが9割以上占める。瀬戸内海では姫路市から赤穂市にかけてホシハジロが増えだす。対岸の淡路島、四国には海ガモはあまり見られない。瀬戸内海西部では四国、九州を含め、マガモ、オナガガモが多く、海ガモの集団が見られるのは大阪湾と播磨灘に限られる。スズガモは遠浅の海を好む(例えば東京湾)とあるが、瀬戸内海西部の遠浅の湾に海ガモの群が見られないのは不思議である。
(大阪「むくどり通信」NO.251,P16)

・チュウヒサミット2017
 11/18、4回目として名古屋市立大学で開催された。チュウヒが種の保存法で希少種指定(9/21)された記念すべき年の開催となった。席上、チュウヒサミット2017宣言が採択された。
https://miebird.org/index.php/ja/16-announce/522-event201711hr
岡山県支部多田英行氏の呼びかけで、チュウヒ保護ネットワークが発足した。大阪支部は11/21、堺第7-3区で鳥類調査、樹木伐採、除草作業を行った。チュウヒ3羽を確認。
(大阪「むくどり通信」NO.251,P18)

・コノドジロムシクイ(今川野鳥クラブ)
 11/6、7、大阪府東住吉区の川沿いの小さな藪で、コノドジロムシクイが撮影された。大阪府内初記録である。欧州から中央アジア中部で繁殖し、中東からアフリカで越冬する。国内では数例記録がある迷鳥である。
(大阪「むくどり通信」NO.251,P24)

●2018/3 北九州
・H30年ガン・カモ・ハクチョウ類カウント調査(研究部)
 1/7〜15、北九州市内17箇所で調査した。20種、8,784羽を記録、内訳はコブハクチョウ8、マガモ1,978、カルガモ1,346、ホシハジロ1,048、ヒドリガモ875、オナガガモ826、キンクロハジロ605、オシドリ518.、・・・ツクシガモ268、・・・、トモエガモ87等。
(北九州「北九州野鳥」NO.381,P10)

・郭公の鳴き声(S31/5/21天声人語)
 カッコウは5/20頃渡って来るが、岩手県ではカスレ声で苦しそうな変調声がすると報告されている。中西悟堂さんに聞くと、ウグイスと同様、カッコウも初めは声がちゃんと出ない。また、発情期には「オーンオン・オーワオーワ・ゴーア・ゴーア・ガガガガ」と言う声を出す。托卵して孵った雛が広範囲に散らばっているので、鳴き声を覚えさせるため、首を上下左右に振って大きな声で鳴く。
(北九州「北九州野鳥」NO.381,P14)

・ノビタキの声(NHK「日本の野鳥 森へのいざない」より)
 親鳥は巣の近くでガッ、ガッと鳴いて雛に予告する。雛を見ながら雛以外に聞こえない小さな声でチッとサインを送り、雛は親が餌を運んできたと瞬時に知り、口を大きく開ける。外敵に気付かれた時の親鳥は狂気のようにガッ、ガッと鳴き騒ぎ、雛は大きな頭を巣の底に沈め、じっとしている。
(北九州「北九州野鳥」NO.381,P14)

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.884

●2018/2 釧路
・ワシとタカ
・カラスは肌も黒いの?
●2018/初春の巻 弘前
・2018年ガンカモ一斉調査
・カラスのペリット
●2018/2-3 宮古
・2018年オジロワシ・オオワシ一斉調査
●2018/1-2 盛岡
・2018年ガンカモ調査
●2017/11 郡山
・2017年カッコウ調査(調査研究部)
●2018/2 静岡
・H29年度ガンカモ調査
●2017/12 福井県
・ナベコウ発見記
・2017年タカの渡り調査
・カケスの渡り(移動)2017年
・ガビチョウ
●2018/2 福井県
・オジロワシ・オオワシ渡来調査
・2017年秋ヒヨドリの渡り

●2018/2 釧路
・ワシとタカ
 どちらもタカ目タカ科であるが、一般的に大型を〇〇ワシ、それ以下を〇〇タカと呼ぶ。ノスリと同じ大きさのカンムリワシは例外的にワシと呼ばれる。
(釧路「ホシハジロ」NO.426,P3)

・カラスは肌も黒いの?
 生まれた間もないカラスは羽は生えておらず、地肌はそのまま肌色であるが、数日すると、赤黒い肌になる。成鳥になると肌は更に黒っぽくなる。雛は口の中は真っ赤、目は灰色がかったブルーでカラフルである。
(釧路「ホシハジロ」NO.426,P4)

●2018/初春の巻 弘前
・2018年ガンカモ一斉調査
 1/13、14、弘前支部内11箇所で調査した。総計13,490羽で内訳はヒシクイ6、マガン176、オオハクチョウ1,393、コハクチョウ4、カルガモ4,045、スズガモ2,144、マガモ2,141、オナガガモ1,680、コガモ1,208、カワアイサ203、キンクロハジロ137、ホシハジロ100等。
(弘前「初列風切」NO.198,P4)

・カラスのペリット
 弘前市内で10/16〜21のカラスのペリットを採取し、中身を分析した。結果は小礫(胃内にある消化を助ける小石)65個、ミズキの実36個、ハクモクレンの実23個、ヤマブドウ12、イネ12、ウルシ9、ツタ5、ヤマザクラ4、マサキ3、ヤマウルシ2等。10月だったので植物の種子が主であるが、他の季節ではネズミの毛、骨、鳥の羽毛、甲虫類の殻が出る。
(弘前「初列風切」NO.198,P7〜8)

●2018/2-3 宮古
・2018年オジロワシ・オオワシ一斉調査
 2/18、岩手県内27箇所で調査した。結果は沿岸部オオワシ5(成4、亜幼1)、オジロワシ8(成7、亜幼1)、内陸部オオワシ0、オジロワシ成7、全体で20羽を記録。全国調査では2004年にオオワシ2,326羽、オジロワシ1,110羽で最大数を示したが、昨年2017年はそれぞれ916、709でオオワシは半減、オジロワシは減少横ばいとされる。
(宮古「ミサゴの森」NO.258,P2〜3)

●2018/1-2 盛岡
・2018年ガンカモ調査
 盛岡市内19箇所で調査した。総計3,870羽で内訳はオオハクチョウ355、コハクチョウ15、カルガモ1,150、マガモ1,009、オナガガモ495、コガモ299、ホシハジロ178、ホオジロガモ108等
(盛岡「山翡翠」NO.380,P2)

●2017/11 郡山
・2017年カッコウ調査(調査研究部)
 6/10、朝7時から5分間で、カッコウの鳴き声調査をした。郡山市内の小中学校生にも調査協力頂いた。市街中心域は半径300m以内、市街地は400m以内、郊外は500m以内に声が届くとした。市街地で72箇所、雌がいるとしてカッコウ生息数144羽、郊外(郡部)では18箇所、36羽、総計180羽のカッコウが渡来していると推定。前年とほぼ同数で、市街地で減り、郊外で増えていた。
(郡山「2017年カッコウ調査報告書」2017/11/26)

●2018/2 静岡
・H29年度ガンカモ調査
 静岡県内45箇所を調査した。カモ類総計4,818羽で内訳はコガモ1,545、カルガモ754、ヒドリガモ607、マガモ386、オカヨシガモ335、キンクロハジロ206、ウミアイサ183、オナガガモ180、オシドリ180、ホシハジロ151等
(静岡「野鳥だより」NO.452,P1〜5) 

●2017/12 福井県
・ナベコウ発見記
 9/10、敦賀市でサシバと西進するナベコウ(幼鳥)を撮影する。9/8、秋田県内を南下するナベコウ(幼鳥)の記事がTwitter上にあり、同一個体の可能性がある。
(福井県「つぐみ」NO.184,P2)

・2017年タカの渡り調査
 9/24、あわら市の刈安山(548m)でサシバ93、ハチクマ42、他7、越前市と南越前町の境の矢良巣岳(472m)でサシバ30、ハチクマ65、他7、敦賀市と南越前町の境の鉢伏山(600m)でサシバ13、ハチクマ102、他16、敦賀市の天筒山(171m)でサシバ297、ハチクマ169、他69、小浜市でサシバ12、ハチクマ57、他9。嶺南ではルートは海岸沿いと滋賀県堺沿いの2つがありそうだ。
(福井県「つぐみ」NO.184,P4〜5)

・カケスの渡り(移動)2017年
 大野市で9月中旬から10月初旬にカケスが多数移動するのを見ている。全て西から東へ飛ぶ。今年は9/13〜26の内、12日間で主に午前中、約13,500羽のカケスが、1日平均約1,100羽が通過している。9/25にピークの2,878羽。10/1には568羽、10/9には241羽であった。観察点の500m程先の杉林で一休みするが、ハヤブサに狙われる。
(福井県「つぐみ」NO.184,P10)

・ガビチョウ
 特定外来種のガビチョウは1980年代に九州に、1990年代に関東で確認され、福井県内では2014/7、三国町で見られ、積雪が多い所には分布しないとされるが、2013年に新潟市で捕獲例あり。三国町では2017/7には確認できなかった。
(福井県「つぐみ」NO.184,P12)

●2018/2 福井県
・オジロワシ・オオワシ渡来調査
 2/4、三方五湖でオジロワシ成♀1を確認した。12/4に初認、12/14には若♂1もいたが、それは短期滞在であった。
(福井県「つぐみ」NO.185,P4〜5)

・2017年秋ヒヨドリの渡り
 小浜市内では8月よりヒヨドリは渡り始め、9/24からは100羽以上の群が見られ、11月上旬まで続いた。10/18には12,000羽以上が南下した。午前中に渡り、距離がある海上、河川では比較的大きな群で移動した。
(福井県「つぐみ」NO.185,P6〜7)

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.885

●2018/3 オホーツク
・コホオアカ
・オホーツクにおけるヤマガラ分布
●2018/3 千葉県
・持続可能な開発目標(SDGs)
・タンチョウ国後島と道東を往復(1/8毎日新聞)
・極楽鳥の羽根 光の99.95%吸収(1/10朝日新聞)
・小笠原の海鳥、実は固有種(1/27毎日新聞)
●2018/3 南富士
・ガンカモ調査(調査研究部)
・北海道のタンチョウ(本部レンジャー)
●2018/3 徳島県
・2018年1月ガンカモ調査(研究部)
・ちょっと気になる野鳥の和名ハヤブサ
・阿南市東部自然公園のサシバの塒立ち(研究部)
●2018/3 筑後
・2018年1月有明海水鳥調査(研究部)
・ブッポウソウ巣材調査

●2018/3 オホーツク
・コホオアカ
 1/13、網走市内でコホオアカが撮影された。日本海側の離島で記録があり、主に春に通過する。1/30まで滞在。オホーツク圏では初記録と思われる。
(オホーツク「ばあどこおる」NO.370,P5)

・オホーツクにおけるヤマガラ分布
 2010/3〜2018/2の情報から抜粋した。ヤマガラはオホーツク管内では稀な鳥とされ、近年見かける回数が増えた。正確な繁殖記録はないが、囀りを聞くようになり、遠軽町では巣立ち雛の確認例がある。
(オホーツク「ばあどこおる」NO.370,P7)

●2018/3 千葉県
・持続可能な開発目標(SDGs)
 Sustainable Development Goalsは2015/9、国連サミットで採択され、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された、2030年までの国際目標で、17のゴールと169のターゲットが設定されている。生物多様性や生態系保全がこの目標に寄与すると明言されている。日本野鳥の会には既に1992年にまとめた「日本野鳥の会の理念と活動」があり、その中にそれらへの答えがある。
https://www.wbsj.org/about-us/report/principles-and-activities/
(千葉県「ほおじろ」NO.443,P3〜5)

・タンチョウ国後島と道東を往復(1/8毎日新聞)
 昨年、国後島で発信器を装着したタンチョウが道東と行き来し、根室海峡を往復したことが確認された。1995〜96年には足環標識でも確認されていた。
(千葉県「ほおじろ」NO.443,P12)

・極楽鳥の羽根 光の99.95%吸収(1/10朝日新聞)
 極楽鳥の雄の漆黒の羽根は光を99.95%吸収すると米国の研究者が突き止めた。1/9付けの英科学誌ネイチャーコミュニケーションで発表した。こうした光を大部分吸収する構造は太陽電池パネルへの応用が考えられる。
(千葉県「ほおじろ」NO.443,P12〜13)

・小笠原の海鳥、実は固有種(1/27毎日新聞)
 小笠原諸島に棲息する「セグロミズナギドリ」とされる種は、森林総合研究所のDNA分析で、これとは別の新種と判明。1915年、新種として発見とあるが、外見が大西洋やインド洋に分布するセグロミズナギドリに似るとして、1974年以降、セグロミズナギドリと呼ばれてきたが、今回のDNA分析で当初の「オガサワラミズナギドリ」の和名に戻った。

●2018/3 南富士
・ガンカモ調査(調査研究部)
 1/21、富士川で調査した。総計3,095羽、内訳はコガモ1,176、カルガモ657、マガモ422、ヒドリガモ287、キンクロハジロ227等。
(南富士「さえずり」NO.424,P5)

・北海道のタンチョウ(本部レンジャー)
 タンチョウは北海道の(県の)鳥である。明治時代以前は全道で見られたが、一時絶滅とされ、大正時代に釧路湿原で十数羽が再発見され、現在は約1,800羽まで回復した。4月に産卵、5月に雛が孵化、生後100日程で親と同じ大きさになる。10月、不凍河川がある鶴居村などへ移動する。現在、根室〜釧路間に高規格幹線道路の建設が進んでおり、太陽光発電普及もタンチョウに影響している。野鳥の会は1987年から湿原を購入し、現在約2,600haのタンチョウ生息地を守っている。
(南富士「さえずり」NO.424,P6)

●2018/3 徳島県
・2018年1月ガンカモ調査(研究部)
 徳島県の委託を受け、1/15前後、県内77箇所で調査した。総計18,405羽で内訳はガン類、ハクチョウ類は0、ヒドリガモ4,974、マガモ4,308、カルガモ3,029、ホシハジロ1,666、コガモ1,232、オカヨシガモ1,078、オシドリ649、キンクロハジロ596、スズガモ446等。過去5年間の平均は全体で2割減であるが、カルガモは25%増である。オカヨシガモは全国の約7%前後で推移し、徳島県を代表するカモである。
(徳島県「野鳥徳島」NO.474,P2〜4)

・ちょっと気になる野鳥の和名ハヤブサ
 ハヤブサは1950年代から北日本で繁殖が知られ、現在、全国に留鳥として分布する。ハヤブサの語源は「速い翼(つばさ)」が転じたものとある。私はこの定説に疑義を持つ。ハヤブサの水平飛行は他の鳥よりも決して速くない。急降下時が速く、翼が速いのではなく落下速度が速いのである。語源は「速伏せ」にあると考える。伏せはかぶせて捕らえるの意で猛禽類が獲物を捕獲する表現である。ハヤブサは急降下し獲物を捕るので、古人は「速伏せ鳥(はやふせとり)」と呼び、これがハヤブサに転訛したと考える。
(徳島県「野鳥徳島」NO.474,P9)

・阿南市東部自然公園のサシバの塒立ち(研究部)
 ここでは日の出前からサシバの塒立ちが観察できる。2017/4/2、5:44にサシバ塒立ち開始(日出3分前)。8:30までに総計663羽が飛び立つ。4/12、5:30にサシバ塒立開始(日出4分前)。6:45までに総計138羽が飛び立つ。
(徳島県「野鳥徳島」NO.474,P11)

●2018/3 筑後
・2018年1月有明海水鳥調査(研究部)
 1月有明海6箇所で調査した。結果はシロチドリ43、ハマシギ181、アオアシシギ22、イソシギ3、ツクシガモ173、マガモ849、カルガモ57、コガモ75、ヒドリガモ372、オナガガモ1,025、ホシハジロ10、クロツラヘラサギ25等。
(筑後「まめわり」NO.202,P7)

・ブッポウソウ巣材調査
 矢部村の巣箱から得られたブッポウソウの巣材を調査した。8個の巣箱の内、3個で甲虫の断片が見つかった(アオハナムグリ、ノコギリクワガタ、カナブン、ウバタマモメツキ、クロコガネ?タマムシ、ドウガネブイブイ、カミキリ類?)。他はオシドリ、コウモリが営巣した。
(筑後「まめわり」NO.202,P8〜9)

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.886

●2018/3 苫小牧
・タンチョウの保護のこれから
●2018/3 奥多摩
・オオバン
●2018/3 静岡
・ライチョウ越冬期調査
●2018/3 三重
・四日市市のサシバ2017
・足見川メガソーラー建設計画に三重県知事意見書
・ミヤコドリ一斉カウント
●2018/3 大阪
・探鳥会リーダーフォーラムin名古屋2018
・ツバメが来る日が早くなる
●2018/3 岡山県
・チュウヒサミット2017に参加
●2018/3 高知
・H30年1月ガンカモ調査
●2018/3 筑豊
・福岡県環境部と県内4支部が意見交換
・鳥を見る人(編集後記)


●2018/3 苫小牧
・タンチョウの保護のこれから
 1/21、札幌市で同シンポジウムが開催された。鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリは昨年、開設30周年を迎えた。北海道大学院文学研究科の久井貴世氏の基調講演「札幌周辺にタンチョウがいた頃の話-古文書から探るタンチョウと人の関係史」があり、柳生会長からタンチョウ、コウノトリ、トキを害鳥と表現するのは止めたいとあった。
(苫小牧「あおさぎ」NO.217,P3) 

●2018/3 奥多摩
・オオバン
 支部フィールドではオオバンの初記録は1994/1/5の多摩川(八王子市)で、その後8年間記録が無かった。2003年頃より、記録が増え、2008年より10年間で急増した。山形県飛島では2014/5、湾内を泳ぐオオバン1が見つかり、島内初記録と話題になった。2010/5、茨城県稲敷市の蓮田で交尾するオオバンが確認され、2010/8、多摩川(昭島市)で幼鳥が見られ、一部で留鳥化、繁殖もしている。クイナの仲間は警戒心が強いが、この鳥はおおらかである。
(奥多摩「多摩の鳥」NO.241,P23)

●2018/3 静岡
・ライチョウ越冬期調査
 2/18、19、長野県小谷村栂池高原を見てきた。標高2000mの樹林帯で計12羽のライチョウを確認した。ライチョウの学名はLagopus mutaでLagopusはウサギの足の意味で、足先まで羽毛が生え、雪面をトコトコ歩くライチョウの姿はウサギそのものである。本州のライチョウは南アルプスだけは高い独自性を持ち、北アルプスの個体とは別の遺伝的構造を持つと聞く。
(静岡県「野鳥だより」NO.453,P4〜6)

●2018/3 三重
・四日市市のサシバ2017
 足見川沿いでサシバの営巣を観察した。6月上旬、2羽の雛が孵化し、6月下旬には、♂親とヘルパー(昨年、ここで繁殖し、戻って来た若鳥)が頻繁に雛に給餌した。7/5、巣立ち。
(三重「しろちどり」NO.95,P2〜3)

・足見川メガソーラー建設計画に三重県知事意見書
 四日市市で計画されている足見川メガソーラーの建設中止を求める署名を10/17、四日市市長に提出、12/9、三重県知事へ提出した。1/18、環境影響評価準備書に対し、県知事意見が公表された。
http://www.pref.mie.lg.jp/common/content/000712539.pdf
この中で「複数の委員より極めて強い反対意見があり、県環境影響評価委員会の過程で事業実施すべきではない。事業区には絶滅危惧種のサシバ、ホトケドジョウが生息し、生物への打撃は避けられないので東エリア(全体の70%)は残すべき」としている。「サシバの保護の進め方」では、営巣木から500m以内は開発を極力避けるべきとしている。
(三重「しろちどり」NO.95,P4)

・ミヤコドリ一斉カウント
 今冬の伊勢湾西岸での3回の調査では、毎回110羽以上のミヤコドリが観察され、同地には冬期、ミヤコドリは定着していると考えられる。1/9の調査では125羽で、多いのは安濃川河口96、高松海岸22であった。2/7、東京支部の川内博研究部長が環境を見学に来られ、東京湾三番瀬のミヤコドリ報告の参考にする。
(三重「しろちどり」NO.95,P12)

●2018/3 大阪
・探鳥会リーダーフォーラムin名古屋2018
 1/20、21、本部主催で名古屋市で開催された。全国から33名が参加した。分科会「ヤング探鳥会」では運営スタッフの不足、二回目以降の参加者の減少問題指摘に対し、SNS等の広報充実の提案あり。分科会「ツバメの塒入り観察会」では昨年24支部で29回開催された。非会員の参加者が多く、入会勧誘のチャンス。分科会「お試し会員」では単独では行けない探鳥会に行ける、調査、保護活動に参加したい、共感する仲間ができる等が期待され、このようなことを考慮した対応、対話が必要。探鳥会以外に保護活動の裾野を広げることに、支部で差がある。全国共通課題が多く、他支部でやっていることを徹底的にパクる(TTP)のは、暗黙の了解である。
(大阪「むくどり通信」NO.252,P9)

・ツバメが来る日が早くなる
 ツバメ渡来日は気象庁の生物季節観測の項目になっており、それによると、2000年代は1960年代より平均6日早くなっている。バードリサーチの「季節前線ウォッチング」には、ツバメが営巣活動開始する日の情報があり、植田・神山(2014)では、2006年よりの7年間でツバメの渡来日は数日早くなっている。その原因が地球温暖化の影響とすると、秋の渡去の日も遅くなっているのか?越冬ツバメは増えているのか?
(大阪「むくどり通信」NO.252,P12)

●2018/3 岡山県
・チュウヒサミット2017に参加
 11/18、名古屋市で開催された。今回、国内のチュウヒの番数は推定110〜140番とあり、環境省が言う90番より多くなった。これは近年になり、北海道での調査が進んだことによる。北海道は全体の2/3を占め、特に西日本では危機的な状況にある。岡山、愛知、三重ではメガソーラーパネル設置で、繁殖が危機に瀕している。今後、目視調査以外にDNA解析、GPS使用等の研究が必要である。
(岡山県「野鳥おかやま」NO.225,P7)

●2018/3 高知
・H30年1月ガンカモ調査
 高知県内21箇所で調査した。総計22,961羽で内訳はヒシクイ1、マガモ8,641、カルガモ5,947、ヒドリガモ4,500、オナガガモ1,694、コガモ1,250、オシドリ423等。
(高知「しろぺん」NO.374,P1〜2)

●2018/3 筑豊
・福岡県環境部と県内4支部が意見交換
 1/31、同自然環境課と福岡県内4支部との定例の意見交換会があった。事前に13項目の質問を出し、県が回答、意見交換が行われた。オオタカは福岡県では希少種から外すことは考えていない。次回レッドリスト見直しは2024年。アマチュアカメラマンについては県では相談室を設けて、認識は支部と共有している。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.481,P19〜20)

・鳥を見る人(編集後記)
 鳥を見る人達の呼称は「野鳥愛好家」、「鳥見人」、「鳥屋」、「バードウォッチャー」、 「バーダー」とかあるが、バーダーは英語辞典に載っていなようで、米国人が短縮形で作った言葉。英国には「トウィッチャー(twitcher)」があり、人が見つけた珍鳥を追いかける人とあり、これにならぬよう心したい。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.481,P40)

(自然保護室・野鳥の会・神奈川/森 要)

ブロックからのお知らせなど

■2017年度日本野鳥の会中四国ブロック交流会報告

【日時】:2018年2月10日(土)〜2月11日(日)
【場所】:松江市宍道ふるさと森林公園(島根県松江市)
【担当支部】:日本野鳥の会島根県支部
【参加者】:9支部(岡山5名、広島10名、山口3名、鳥取5名、香川4名、愛媛2名、徳島4名、高知4名、島根17名)、財団(上原常務理事、江面普及教育Gチーフ、伊藤自然保護室員)合計57名

【スケジュール】
2月10日
・開会あいさつ
・記念講演「島根県に生息する鳥類の実態と特徴」島根県支部長 佐藤仁志
・財団からの報告 「ナベヅル、マナヅルと里地保全」自然保護室 伊藤加奈
・各支部からの報告
※閉会後、支部代表者会議
2月11日
・マガンのモーニングフライト等宍道湖西岸探鳥会

【議事】
(1)各支部からの報告
<岡山>
・ダウ・ケミカルが自然保護団体に支援していて、支部のブッポウソウの保護活動が採択。今年から3年間。
・岡山後楽園で毎年アオバズクが営巣しているが、営巣場所周辺の樹木が伐採される予定あり。巣箱の設置を要望。文化財に指定されている関係で文化庁の許可が必要。これまで許可が下りなかったが、今年は岡山県等の協力もあり、巣箱を3つ設置できることになった。
・瀬戸大橋が今年開通30周年を迎え、橋が通常よりも長期間ライトアップされる。県から野鳥に影響ないか相談があった。以前、支部で落鳥等の現地調査を夜間2時間ほど実施したり、四国高速のパトロールも実施されたりしているが、特に影響は確認されなかったので、おそらく問題ないだろうと回答した。(橋が長い、周辺に工業団地があり、そちらの方が明るい、落鳥自体見つけづらい等あり、原因を判断するのが難しい面もある)
・県のカワウ調査、全国鳥類繁殖分布調査の実施。
・支部会員は高齢により退会する人が多い。若年層の獲得のためインターネットを活用した宣伝等を検討中。

<広島>
・野鳥図書館兼事務所の運営。年間50回以上探鳥会の開催、ガンカモ・ハクチョウ調査、シギチ調査、全国鳥類繁殖分布調査、県のカワウ調査、HP運営。
・来年は支部40周年なので、記念事業を検討中。

<山口>
・県版レッドデータブックの作業を実施中(鳥類の繁殖期と越冬期の調査。既存文献の収集)来年度には公表予定。調査者の確保が難しく、1人が複数箇所の調査地を担当したので、大変だった。
・カワウ調査、全国鳥類繁殖分布調査の実施。
・山口県立きらら浜自然観察公園の入館者確保のため、干潟及び汽水域を利用したクロツラヘラサギの傷病個体の保護、リハビリ事業を検討中。野外復帰できない個体を干潟で生活させる。今年4月より開始予定。サントリーの助成金を使用予定。他県の傷病個体の受け入れも検討しているので、搬送の判断は自治体だが、希望があれば連絡してほしい。

<鳥取>
・会員数は約200人で下げ止まり。初心者向け探鳥会は実施してないが、初心者への丁寧な対応の探鳥会を心掛けている。半年間会費が無料の「おためしメンバー」を実施。
・支部がデザインした羊毛フェルトキット「ヒーリングバード」を製作。財団の販売カタログ等にも掲載し、販売を促進中。

<香川>
・今年1/11に県内の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザが発生したことをうけ、半径10q範囲(野鳥監視重点区域)の監視に協力。週2回、カモ類が渡来するため池で支部会員が実施中。2/13まで。
・最近、ため池の水上の太陽光パネル設置が増えている。カモが利用している場所に設置される事例もある。県にも相談しているが、設置を禁止する法的な根拠がないので難しい。
・今冬はコウノトリが最大9羽飛来しているので、ため池など利用場所を記録している。大半が鳴門で確認されている個体。淡水漁業者が池の水を抜いて、水位が低くなる時期に飛来。これから水が再び溜まり始まるといなくなると思われる。
・香川県レッドリスト更新のための調査を実施。今年3年目の調査(5年事業)。鳥類のほか植物等も担当。

<愛媛>
・今冬、ツルの飛来数は0だが、野生と思われるコウノトリ(幼鳥、足環なし)が西予市宇和町と中予に合計2羽飛来している。
・県のカワウの管理指針が今年度中に出来る予定。中国四国カワウ広域管理指針では、被害を及ぼすカワウの個体数の半減を目標にしているが、繁殖期と越冬期では数が倍以上違うので、どちらを基準にするか議論されているところ。支部としては繁殖期を基準にすべきと意見している。今年は目標値は記載しない方向へいきそう。
・愛媛県と高知県の県境で風力発電事業(西予梼原風力発電事業(仮称))の計画がある。高知県支部と連携しながら対応したい。
・全国鳥類繁殖分布調査を実施しているが、調査員が集まりづらい。調査コースは前回を踏襲しているため、距離が長い(3q)のもネック。

<徳島>
・会員数は最大時よりは減少しているが、少し増えている。年2回写真展を開催するなど支部の活動が活発なのがいいのかもしれない。
・タカの渡りの観察スポットになっている鳴門山展望台が老朽化により壊れたが、環境省が撤去するというので、要望書を提出し、再建されることになった。
・コウノトリの保全活動は、豊岡以外で初繁殖したために、産官学民の協議会が設立されている。支部もそのメンバーに入っている。抱卵調査(抱卵時間を記録し抱卵開始を推定)や足環装着(豊岡から技術を習得し、自前で出来るように)を担当。2/7に完全抱卵を確認しているので、今年も繁殖するかもしれない。

<高知>
・県版のレッドリストの改訂作業に3年前から取り組んでいる。年度内に完成予定。
・岡山支部の丸山さん等に協力をいただいて、2年前から四万十川沿いにブッポウソウの巣箱をかけている。30個設置。昨年1つがいが1個使用し、巣立ちした。巣箱にスズメやカラス類、ムササビが入るので、秋の巣箱掃除後からブッポウソウの渡来期までは巣箱に蓋をしている。

<島根>
・探鳥会は以前は当初、東部、中部、西部で実施していた。昨年から久しぶりに県西部(益田市)でも定例探鳥会を実施。
・支部報をB5からA4サイズに、文字も大きく、表裏紙はカラーに変更。
・ガンカモ・ハクチョウ類調査(毎年10月〜3月)を受託していたが、2017年よりホシザキグリーン財団の調査に協力する形にした。(事務手間の軽減、怪我をした際に労災対象になる)
・全国鳥類繁殖分布調査の実施。県西部は会員数が少ないが、調査箇所が多い。
・HPを2016年12月に開設。運営は業者委託。
・支部設立30周年記念事業として支部報の記念号の発行、探鳥会(抽選で記念品進呈)、鳥類目録の改訂を予定。

(2)支部代表者会議
<次年度のブロック交流会>
・開催日:6月30日、7月1日 開催地:広島
テーマ:中四国におけるブッポウソウの巣箱設置状況
・各支部から調査結果をもちよって、生息総数を推定したい。5分程度で、各県の昨年度の営巣状況(巣箱、自然木)、利用数(出来れば市町村別)を発表してほしい。

<財団普及室>非会員の探鳥会参加者へのDM発送サービス(提案)について
・参加時に連絡先を収集→財団でデータベース化→継続的に探鳥会等の情報を提供し、継続参加や入会につなげる。

<その他>
・カワウの管理について今後は捕獲数の検討に入ると思う。おそらくシャープシューティングをすることになると思うが、これに反対するのは難しい状況。検討会等で捕獲数と漁獲高の関連を資料として提示するよう言ってほしい。捕獲数が増えたのに漁獲高が回復しないのは他の要因があるため。
・岡山県では胃の内容物を調査しているが、アユは一匹も出てこない。
・アユが採食物として出てくるのは10-11月の産卵期の前後のみ。産卵により弱ったアユを食べている。稚アユの放流直後にも食べられていると思うが、放流場所は人家の近くなので、銃が使えず、カワウを撃って調べることができない。
・広島ではドライアイスによる繁殖阻害を昨年度から実施している。効果があるようだ。
・漁業の被害総額は荒いので、きちんと調べた方がいい。愛媛県でも被害総額を出してもらったが、各漁協は感覚的な金額で出しているので、増減を見るのは難しい気がする。釣り人は量を申告しないので、金額がでないと思う。
・胃の内容物を調べて、そのうちアユの占める割合と羽数でどのくらいカワウがアユを食べているかを出すことは出来るが、元々いるアユと放流したアユがいるので、すべてが漁業被害とは言えないので難しい。
・山口県では2年前から駆除していて、胃の内容物を調べているが、アユが出てくるのはほんのわずか。カワウが増えた原因は、餌の魚が増えたからと思われる。在来種が増えた根拠はなく(むしろ減っている)、外来種は増えている。外来種の駆除も並行して実施しないと、片手落ちの対策になる。外来種対策をしないとカワウの捕殺はさせないというように意見しようと思っている。コロニーを駆除すると、人がいない(アクセスしづらい)場所に移動して、駆除しづらくなるデメリットがある。

(3)支部報の改良、会員獲得について取組事例の紹介
・インターネット印刷にして費用を安く抑えてカラー化
・原稿が足りない場合は、他の支部で掲載済みの良い原稿を転載してもいいのでは。事前の許可は必要。
・今は入会しなくても鳥が見られる時代。野鳥の会の活動をいかに魅力的にPRできるかに尽きる。
・特色のある活動をする、営業力も必要。
・リーダーズフォーラムの結果を支部の役員、リーダーに浸透させる必要がある。


▲懇親会の様子


▲宍道湖西岸探鳥会の様子


▲マガン

(自然保護室/伊藤 加奈)

事務局からのお知らせなど

■総務室より

■富岡辰先新事務局長からの挨拶

 2016年に実施したアンケート調査で、バードウォッチングをしてみたいという方が1千万人いることが分かりました。しかし、情報や機会が無くはじめられないという方が数多くいることも分かりました。そんな方々に、バードウォッチングに参加してもらい、楽しんでもらうためには、連携団体(支部等)の皆さんの力が不可欠です。皆さんと協力して、一人でも多くの方に野鳥ファンになってもらえればと思っています。また、地域で起こる保護問題についても、連携団体(支部等)の皆さんと連携しながら、一つずつ解決していければと思っています。財団の職員は70名足らず。パートスタッフを入れても、121人(4/17現在)です。しかし、89の連携団体(支部等)。1000人を超えるリーダーと力を合わせ、連携できれば、とても大きなことができるはずです。これからも、いろいろなことを経験し、勉強をしながら、皆さんと一緒に一歩一歩進んでいければ幸いです。

(事務局長/富岡 辰先)


■連携団体(支部等)におけるシンボルマークの利用について

 シンボルマーク利用規準を更新しました。今後はこの基準によりシンボルマークをご利用下さい。以下、利用基準(2018年4月1日現在)を掲載します。

〈日本野鳥の会のシンボルマーク使用にあたって〉

【積極的にシンボルマークを使用する】
 日本野鳥の会○○支部、日本野鳥の会〇〇として、出版・発表・発売する印刷物、ニュースリリース、商品等には、シンボルマークを最も目立つ場所に極力使用するようお願いします。

【修正はできません】
 シンボルマークは、公益財団法人日本野鳥の会の登録商標であり、(公財)日本野鳥の会のみが独占的に使用できることが法律で定められています。デザインの部分的な修正はできませんので、正確に使用してください。

【公益財団法人日本野鳥の会、(公財)日本野鳥の会は使用できません】
 公益財団法人日本野鳥の会、(公財)日本野鳥の会という表現は、財団そのものを意味します。このため、連携団体(支部等)の制作物等には使用できませんので、ご注意ください。

【電子データ】
 シンボルマークには、電子データ(Adobe Illustrator、及びJPG)があります。
 電子データはシンボルマークのイメージの他、カラー印刷のための色指定なども含まれます。必要な場合は、使用の具体的な目的等を含めて総務グループまでご一報くださればお送りいたします。

【他団体・企業等がシンボルマークを使用する場合】
 連携団体(支部等)によるシンボルマークの使用は無料であり使用届も不要ですが、連携団体(支部等)以外の団体が使用する場合は、当会の許可を得ることが必要です。また企業等が営利目的で使用する場合は、原則として契約を交わしての有償使用となります。
 他団体・企業からの問合せは、総務グループ(03-5436-2620)までお願いいたします。

【お問い合わせ】
 その他、ご不明な点は、総務グループ(03-5436-2620)までご相談ください。

2018年4月1日現在

以上

(総務室/林山 雅子)

会員室より

■会員数

 4月2日の会員数は34,824人で、先月に比べ39人減少しました。3月の入会・退会者数の表をみますと、入会者数は退会者数より81人少なくなっています。
会員の増減は入会者数と退会者数のほかに、会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活した人数によって決まります。
 3月の入会者数は154人で、前年同月の入会者185人に比べ31人減少しました。また、3月の退会者は235人で、前年同月の退会者232人に比べ3人増加しました。

表1. 3月の入会・退会者数

入会者数退会者数
個人特別会員 15人 10人
総合会員(おおぞら会員) 39人 74人
本部型会員(青い鳥会員) 24人 30人
支部型会員(赤い鳥会員) 55人 75人
家族会員 21人 46人
合計 154人 235人
年度累計 1796人

※会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活する方がいらっしゃるため、退会者数の年度累計は、実際の退会者数とずれた数字となります。このため、退会者数合計については年度末の集計後にお知らせいたします。

■都道府県および支部別会員数■
野鳥誌贈呈者数を除いた数を掲載します。

表2 都道府県別の会員数(4月2日現在)

都道府県会員数対前月差
北海道1677人-15人
青森県244人-1人
岩手県365人2人
宮城県474人-3人
秋田県243人1人
山形県207人1人
福島県612人2人
茨城県891人-7人
栃木県632人-6人
群馬県627人4人
埼玉県2148人4人
千葉県1621人-2人
東京都4860人-5人
神奈川県3325人-10人
新潟県369人-1人
富山県204人-1人
石川県275人-6人
福井県227人3人
山梨県271人0人
長野県861人3人
岐阜県463人0人
静岡県1322人0人
愛知県1541人6人
三重県420人1人
滋賀県296人1人
京都府799人-8人
大阪府2008人2人
兵庫県1291人0人
奈良県482人-3人
和歌山県189人0人
鳥取県183人0人
島根県166人-3人
岡山県561人3人
広島県547人3人
山口県370人-4人
徳島県310人0人
香川県193人-2人
愛媛県355人0人
高知県126人-2人
福岡県1317人2人
佐賀県196人3人
長崎県204人3人
熊本県411人-5人
大分県213人-1人
宮崎県245人-2人
鹿児島県332人2人
沖縄県107人-2人
海外11人0人
不明33人4人
全国34824人-39人

備考:不明は転居先が不明の会員を示します。

表3 支部別の会員数(4月2日現在)

都道府県会員数対前月差
オホーツク支部242人1人
根室支部81人1人
釧路支部155人-2人
十勝支部182人0人
旭川支部79人0人
滝川支部48人0人
道北支部30人0人
江別支部18人0人
札幌支部303人-6人
小樽支部67人0人
苫小牧支部161人1人
室蘭支部156人-1人
函館支部24人0人
道南檜山64人-1人
青森県支部136人-1人
弘前支部112人0人
秋田県支部231人1人
山形県支部190人1人
宮古支部91人1人
もりおか159人2人
北上支部104人-2人
宮城県支部439人0人
ふくしま160人1人
郡山支部160人-1人
二本松12人0人
白河支部40人0人
会津支部50人-1人
奥会津連合10人0人
いわき支部111人2人
福島県相双支部14人0人
南相馬14人0人
茨城県800人-7人
栃木615人1人
群馬550人3人
吾妻41人0人
埼玉1632人-2人
千葉県1046人-3人
東京2826人-7人
奥多摩支部838人3人
神奈川支部2331人-10人
新潟県283人0人
佐渡支部30人0人
富山185人-1人
石川254人-8人
福井県221人3人
長野支部459人1人
軽井沢支部166人0人
諏訪支部235人0人
木曽支部19人-2人
伊那谷支部82人1人
甲府支部188人2人
富士山麓支部55人0人
東富士63人0人
沼津支部163人2人
南富士支部248人-1人
南伊豆38人-1人
静岡支部351人0人
遠江399人1人
愛知県支部1123人6人
岐阜469人5人
三重361人1人
奈良支部444人-3人
和歌山県支部190人-1人
滋賀293人0人
京都支部767人1人
大阪支部1912人3人
ひょうご971人-2人
鳥取県支部206人0人
島根県支部153人-2人
岡山県支部528人3人
広島県支部478人3人
山口県支部345人-5人
香川県支部157人-1人
徳島県支部322人-1人
高知支部116人-1人
愛媛333人-1人
北九州305人1人
福岡支部 587人-3人
筑豊支部232人0人
筑後支部167人1人
佐賀県支部220人3人
長崎県支部193人2人
熊本県支部405人-2人
大分県支部213人0人
宮崎県支部242人-2人
鹿児島304人2人
やんばる支部74人-2人
石垣島支部19人0人
西表支部44人2人
 29934人-22人

備考:支部別の会員数の合計は、都道府県別の会員数の合計と異なります。これは、本部型(青い鳥)会員や支部に所属されていない個人特別会員が支部別の会員数に含まれないためです。


(会員室/佐藤ゆき乃)


★支部ネット担当より

 シギ・チドリの渡りが始まり水辺が日に日ににぎやかになってきますね。皆さまいかがお過ごしでしょうか。いつも支部ネット通信をご愛読いただき、ありがとうございます。
 今月号では新事務局長、富岡辰先から皆様へのメッセージを掲載しています。そのほか、シンボルマークの使用基準の最新版をまとめましたので、ぜひご活用ください。新しい年度も、どうぞよろしくおねがいいたします。皆さま、お体をくれぐれもご自愛ください。

4月号では、別冊も作成しております。1年間を通して必要な情報をまとめております。どうぞご活用ください。
※4月号別冊保存版は、以下よりご確認下さい。
https://www.wbsj.org/info/shibu/net/2018/04betu.html


■支部ネット通信は支部の代表の方に電子メールでも配信をしています。電子メールでの配信を希望される支部の代表の方は下記メールアドレスまでお気軽にお申し込みください。

支部ネット通信 第169号
◆発行
公益財団法人日本野鳥の会 2018年4月26日
◆担当
総務室 総務グループ
林山雅子/松本直子
〒141-0031
東京都品川区西五反田3-9-23
丸和ビル
TEL:03-5436-2620
FAX:03-5436-2635
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