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地球の生物多様性が失われています

今から10年前、2010年に開催された第10回生物多様性条約締約国会議で、「2050年までに『自然と共生する世界』を実現する」というビジョン(長期目標)が掲げられました。その実現に向けて、2020年までに生物多様性の損失を食い止めるべく、各国に具体的な行動を促す20項目の目標が採択されました。「生息地の損失速度を半減、可能ならゼロへ」「種の絶滅を防ぎ、保全状況を改善」など20項目の目標は、会議の開催地が愛知県であったことから、「愛知目標」と呼ばれています。

あれから10年――愛知目標は、2020年の期限までに、たった1割しか達成されませんでした。今年9月に条約事務局が発表した「地球規模生物多様性概況第5版(GBO5)」では、推定100万種の動植物が絶滅の危機にあるという、さらに深刻さを増した状況が報告されました。

愛知目標について(環境省生物多様性センター)

地球規模生物多様性概況第5版(GBO5)の公表について(環境省報道発表資料)

日本でも、評価種数は異なりますが、動植物の絶滅の流れが止まらず、環境省レッドリスト2020年版では、絶滅危惧種が2007年版より561種も増加して、合計3,716種になったと報告されました。日本に約700種いる野鳥は、14%に絶滅のおそれがあり、その内の15%がシマフクロウやチュウヒなどの猛禽類です。食物連鎖の頂点に立つ猛禽類の減少は、その傘下の動植物群の多様性の喪失を意味しています。

■環境省レッドリストに掲載された絶滅危惧種

  • 昆虫類で絶滅危惧種が増えているのは、第4次レッドリストで、草原・河川敷にすむチョウや水棲の甲虫類が新たに評価されたためで、こうした生息環境の悪化を意味しています。
  • 鳥類では、環境省レッドリスト掲載種の4割近くが、より絶滅の危険度の高いカテゴリに移動しました。

環境省レッドリスト2020の公表について(環境省報道発表資料)

愛知目標が達成できなかった背景には、各国政府が、自国の経済成長や消費を優先させたこと、また自然の豊かさに対する価値観が、個人や社会の中に醸成されてこなかったことなどがあります。

人がこのまま自然への破壊と収奪を続ければ、生態系は崩壊し、人も生きていくのが困難な時代を迎えます。現在、生物多様性条約の加盟国政府や国連機関、NGOなどにより、2030年までの新たな世界目標が検討されています。当会も、次の10年間を対象にした生物多様性国家戦略について、環境省などと議論をはじめています。今ここで、持続可能な経済活動へと大きな変換が必要です。当会は、国や企業の利害に縛られない自由な立場で、野鳥をシンボルに、人と自然とが共生する社会をめざして活動を続けています。どうか当会の活動をご支援ください。

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生物多様性を守る取り組み

■日本の生物多様性に迫る4つの危機

第1の危機:開発や乱獲による種の減少・絶滅、生息・生育地の減少

第2の危機:里地里山などの手入れ不足による自然の質の低下

第3の危機:外来種などの持ち込みや化学物質等による生態系のかく乱

第4の危機:地球環境の変化による危機(気候変動、温暖化)

開発から生息地を守り、種の絶滅を食い止める

日本の生物多様性は4つの危機にさらされています。最も影響の大きい第1の危機は、「開発や乱獲」です。開発から生息地を迅速かつ永続的に守るには、生息地を保護区にするのが最も有効です。しかし、日本の法制度では、民有地での開発を規制することができません。そこで、当会が生息地を買取または協定によって確保し、独自の「野鳥保護区」とする活動をはじめました。

1986年に第一号区を設置して以来、34年間で、全国に合計41か所設置。その面積は3,600haを超え、民間では国内最大級です(2020/11/20時点)。当会の野鳥保護区では、自然環境の改変や立ち入りを厳しく制限しており、絶滅危惧種のシマフクロウやタンチョウ、シマアオジなどの保護活動を通じて、その地域の生態系全体を守り、日本の生物多様性を守る役目を果たしています。

■当会の野鳥保護区の面積推移

渡邊野鳥保護区フレシマ(203.7ha/北海道)
タンチョウの営巣地があり、オジロワシ、オオワシなど絶滅危惧種が生息。クロユリ、シコタンキンポウゲなど27種の希少種を含む335種の植物が確認されています。

野鳥保護区について

自然エネルギーの発電施設を、生物多様性の新たな脅威にしない

生物多様性を脅かす第4の危機は、「気候変動、温暖化」です。世界の気温が2℃上昇すると、昆虫の18%、脊椎動物の8%が生息域の半分以上を失うと予測されています(「1.5℃特別報告書」2018, IPCC)。

温暖化を抑制するためには、風力や太陽光などの自然エネルギー発電の導入が不可欠です。しかし、不適切な規模や立地での発電施設の建設により、絶滅危惧種の野鳥の衝突死や渡りルートの阻害、生息地の消失などの問題が発生するようになりました。

そこで当会は2001年以降、野鳥への影響が懸念される発電施設の計画に対し、事業者や行政機関へ計画の見直しや中止を求める意見書や要望書を提出して、「自然エネルギー発電の導入」と「生物多様性の保全」が両立できるよう活動を続けています。

風車のブレードに衝突したオジロワシ(写真: 高田令子)

<主な成果>
●これまでに181件の意見書・要望書を提出
●「環境影響評価法」対象事業への風力発電事業の追加(2012年)、太陽光発電事業の追加(2019年)
●環境省と協力し、「センシティビティマップ」(風力発電施設の適正な設置場所の選定手法の一つ)を開発、普及

自然エネルギーとの共生について

日本野鳥の会と生物多様性基本法

1992年に「生物多様性条約」が採択され、「生物多様性」という言葉が国際社会に広まりはじめた時期に、日本野鳥の会はいち早く、国内のさまざまな野生生物を包括的に守る保護法の必要性を訴えました。他のNGO団体と協力して法案を作成し、各政党へ保護法制定をねばり強く働きかけて、2008年、この法案の流れをくむ「生物多様性基本法」が成立しました。以来、日本の国土や自然資源の利用に関わる政策に、生物多様性の保全が組み込まれることになりました。

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