JP025 旧長都沼(きゅうおさつぬま)

北海道:千歳市、長沼町

北海道:千歳市、長沼町

位置 N 42°54′ E 141°41′
面積 130ha

環境構成【水田/湖沼】

島崎康広
写真:島崎康広

千歳市と長沼町の境界に位置する延長約2km、幅130mの農業排水路で、千歳川に合流している。周辺一帯はかつて長都沼などの多くの沼があった広大な湿地帯であったが、灌漑事業により現在の形になった。水深は浅く、岸沿いにはマコモ、ヒシが分布している。水路の南西側にはおよそ30haのヨシ、アワダチソウを主体とする草地が隣接し、周囲をヤナギ、ニワトコなどの低灌木やシラカバ、ヤチダモなどからなる防風林が囲んでいる。周辺農地ではコムギ、豆類、てん菜、野菜の輪作が行われている。農地湿害解消の目的で千歳川の浚渫が行われたことにより、2005年秋より水路の水位が低下している。降雨などにより変動があるものの、確実に水位は低下し、水草類の減少と水面幅の減少により環境は悪化しつつある。

選定理由

A4i マガン・ヒシクイ・コハクチョウ

保護指定

法的な担保がない、もしくはわずか(10パーセント未満)である

保全への脅威

  • 水質悪化(狭い地域に多くの野鳥が集まることによる)
  • 水位の変動(農業用水路であるため、ガン等の渡りには関係なく、農業の都合により水位を調整しており、ガン等の渡りの時期に水位が低くなったり、シギ・チドリの時期に水位が高くなったりしている。)
  • 周辺農家との軋轢(周囲の畑を含め、ガンやハクチョウの餌場になっているため)
  • 餌付けによる周辺の家への食害誘発の恐れ
  • 観光客の増加によるねぐら環境の悪化
  • 水路幅減少により、キタキツネ・野犬などの脅威が増す

保全活動

  • 環境管理活動:実施者(北海道自然環境協議会)
    内容:環境美化
  • 環境教育活動:実施者(しこつ自然体験クラブ トゥレップ)
    内容:春にガンの探鳥会を兼ねて、重要性を知ってもらうために参加者を募り、周囲のゴミ拾いをおこなっていたが、近年は行われていない。
    探鳥会(ながぬまおっ鳥くらぶ、栗山町おっ鳥くらぶ)
    自然観察会(北海道自然観察協議会)
  • モニタリング調査:実施者(ながぬまおっ鳥くらぶ、栗山町おっ鳥くらぶ)
    千歳川・夕張川流域ガン、ハクチョウ類飛来数調査

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