概要
生物多様性条約(CBD)締約国会議において、沿岸、海洋の保全については、「少なくとも10%が実効的に保全されること」という目標が定められています。本年10月に名古屋市で開催される第10回締約国会議(COP10)で決定される2011-2020年の長期目標においても、2020年までに保護地域により保全されることが盛り込まれ、その数値目標が議論される見込みです。しかし、日本国内においては、周囲を海に囲まれ多種多様な海の生物の生息環境を抱えているにもかかわらず、海洋保護区の取り組みはまだほとんど進んでいないのが現状です。
日本野鳥の会は、野鳥を指標とした重要な生息地(IBA)を保全するためのリスト作成とその保護区化の運動を1995年に開始し、陸域のリストを2004年に公表しました。そして今年からマリーンIBA(海の重要野鳥生息地)の選定に着手しています。マリーンIBAは、海鳥を指標にした海洋保護区選定のための候補地リストです。このリストを生かし海の生物多様性を守っていくためには、実効性のある海洋保護区の制度や取り組みを考えていく必要があります。
シンポジウムでは、日本の海鳥や海洋保護区の現状を共有し、海鳥保護のため、そして海の生物多様性保全のための、海洋保護区の実現に向けて議論を深めていきます。
■日時:2010年7月24日(土)13:00〜17:30
■会場:立正大学大崎キャンパス 11号館1151室(東京都品川区大崎4-2-16)
http://www.ris.ac.jp/guidance/cam_guide/
■主催:財団法人 日本野鳥の会
■共催:立正大学地球環境科学部
■後援:生物多様性条約市民ネットワーク http://www.cbdnet.jp/
■参加:無料。当日参加可。
■当日参加も可能ですが、参加者数把握のため、事前の申込をお願い致します。
E-Mailにて、下記の要領でお申し込みください。
宛先:[email protected]
件名:シンポジウム参加申し込み
お知らせいただく事項:お名前、ご所属の団体・機関(もしあれば)
(この情報は本行事に関するご連絡以外には使用致しません。)
■スケジュール
12:30〜 受付開始
13:00〜 開始
13:15〜
第1部 基調講演「海鳥と生物多様性」
綿貫 豊(北海道大学大学院水産科学研究院・准教授)
13:45〜
第2部 海鳥のおかれている現状
①世界の海鳥の現状
佐藤 真弓(NPO法人バードライフ・アジア・研究員海洋・海鳥保全担当)
②保護の取り組み(エトピリカの事例)
片岡 義弘(NPO法人エトピリカ基金・理事長 片岡義廣)
③マリンレジャーによる撹乱(ベニアジサシの事例)
尾崎 清明(財団法人山階鳥類研究所・副所長)
④コロニー周辺での海鳥の状況(カンムリウミスズメの事例)
山本 裕(財団法人日本野鳥の会 自然保護室)
⑤洋上風力発電の影響
古南 幸弘(財団法人日本野鳥の会 自然保護室)
15:15〜 休憩
15:30〜
第3部 海洋保護区の現状と課題
①日本における海洋保護区の現状
前川 聡(財団法人世界自然保護基金ジャパン 自然保護室・海洋担当)
②海洋保護区の課題と求められること
向井 宏(海の生き物を守る会・代表)
③海洋保護区実現のための制度について
荒牧まりさ(環境省自然環境局自然環境計画課 サンゴ礁保全専門官)
④地域と海鳥の共存に向けて
篠木秀紀(財団法人日本野鳥の会 サンクチュアリ室)
16:40〜
第4部 ディスカッション
海鳥の保護と海の生物多様性保全について
17:30 終了
※このシンポジウムは、三井物産環境基金の助成を受けています。