公益財団法人日本野鳥の会
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Activity

当会の活動

ナベヅル・マナヅル分散プロジェクト

2004年ツル越冬地整備状況

 今年度は,採食地の整備として二番穂を実らすための試験,立ち入り制限と銃猟制限,ねぐら環境の整備として水田への湛水,ツルを誘引するためにデコイを設置しました。また,伊万里市により監視小屋も設置されまして,今まで寒い中,大変だったボランティアの皆さんの活動もよりやりやすくなりました。また,野鳥誌での呼びかけに応じて多くの方から伊万里での観察用の望遠鏡や三脚をお送りいただきました。どうもありがとうございました。

自然な食物確保のための実験

 二番穂を実らすために刈り取り後の水田に施肥をしました。
 水を張っていないためか,雑草はたくさん生えてきたのですが,イネはあまり成長せず,穂は実りませんでした。残念ながら二番穂を実らすことはできませんでしたが,マナヅルは土を掘って草の根などを食べますので,そういう意味では採食環境を良くできたのかもしれません。
 写真は左が施肥をしていない水田,右が施肥をした水田。

立ち入り制限と銃猟禁止

 ツルが安心して越冬できるように,ハンターの理解も得られ,今冬は長浜干拓も銃猟禁止地域になりました。
 また,長浜干拓の地権者の協力も得まして,ツル飛来時には干拓地への立ち入りを極力しないよう制限することになりました。

ねぐらの整備

 昨年同様,田んぼに水をはって,ねぐらをつくりました。
 昨冬は,越冬したツルだけでなく,渡りの途中で立ち寄ったツルもこの水田でねぐらを取りました。また,ハクチョウ類やマガンも飛来しました。今年は何が訪れるか楽しみです。

デコイの設置

 昨年のマナヅル3体に加え,今年はナベヅルのデコイ3体を追加しました。最初届いたときは,「こりゃ黒すぎるよ」と思ったのですが,外に出して光が当たると,なかなかそれらしく見えます。
 昨年までに越冬したのはマナヅルのみでしたが,今年はナベヅルの定着も目指します。

鳴声の再生

 上空を通過していくツルたちに,伊万里の安全性をアピールするために,ツルの鳴声を再生します。日中は,タイマーで30分に1回ツルの声を上空に向かってながします。
 このスピーカーシステムは伊万里西ロータリークラブにが伊万里市に寄贈してくれたものです。また,再生するツルの鳴声は,『野鳥を録る』(東洋館出版社)の著者でもある松田道生さんに提供いただいたものです。ありがとうございました。

監視小屋の設置

 昨年までは,寒い中,伊万里鶴の会の皆さんが,ツルの飛来の観察や,訪問者へツルを見せたり,マナーの悪い観察者への注意など行なっていたのですが,今年からは伊万里市により監視小屋が設置されました。この冬は快適に作業を行なうことができそうです。

観察機器の整備

 昨年,ツルが飛来しているときは,土日には多くの人がツルを見に訪れてきました。多くは,双眼鏡など観察機器を持っていない人たちですので,その人たちにツルを見せるのに苦労しました。そこで,野鳥誌10月号で不要になった望遠鏡の提供を呼びかけたところ,たくさんの人に,望遠鏡や三脚を提供していただくことができました。
 今年,ツルを見に来た人は,きっと大満足して,越冬地定着の活動の支援者が増えるのではないでしょうか。機器を提供いただいたみなさまありがとうございました。

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