公益財団法人日本野鳥の会
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Activity

当会の活動

ナベヅル・マナヅル分散プロジェクト

2007年度ツル越冬地の整備状況

 今年度もツルを誘引するために、自然な食物確保の試み、立入り制限(11月15日〜2月29日)、銃猟制限、ねぐら整備、鳴声の再生、監視小屋の設置、観察の案内、上空の航空機の飛行制限の要望等の活動を、伊万里市役所、伊万里鶴の会、長崎野生生物環境研究所、日本野鳥の会佐賀県支部の皆さんと連携して行っていきます。

11月10日 デコイを設置しました

 今年度は11月10日に、ツルを招くためのデコイ(実物大模型、マナヅル3体、ナベヅル3体)の設置を行いました。これは当会が製作し伊万里市に無償で貸し出しているものです。今年は初めて、地元の伊万里市立東山代小学校5年生の児童47名が参加しました。

設置作業の前に、市役所の方からツル誘引の活動の目的などのお話を聞きます。

右から伊万里市産業部農山漁村整備課の溝江龍史郎さん、山口早耶佳さん。

東山代小学校は干拓地から約1kmという近い距離にあります。5年生の皆さんは歩いてやってきました。

デコイ設置の指導にあたるのは、長崎野生生物環境研究所代表で名城大学農学部生物資源学科特任教授の鴨川誠さん、当会自然保護室室長の古南幸弘、それに地元でツル達を見守ってくださっている伊万里鶴の会の会長の一ノ瀬秀春さんです。
鴨川誠さんからは、長浜干拓地に飛来するマナヅル、ナベヅルについてお話がありました。小学生の身長と比べると、ツルの大きさがよく分かります。
ツル監視小屋からデコイを設置場所に運びます。落とさないように、みんなで協力して運んでいきます。
デコイの台座の部分が埋まるように、深さ10cmほどの穴を、シャベルで掘っていきます。
デコイが風などで倒れないように、周りに鉄筋を金槌で打ち込んで固定します。鉄筋がずれないように、みんなで押さえ、デコイを傷つけないように慎重に作業を進めます。

固定が完了したら、穴を埋め戻して、まわりに枯草を敷きます。
まだ終わりではありません。
デコイの周りに、エサとなるコメ(古米やくだけ米)をまいていきます。
デコイを設置した田んぼ全体にも、みんなでエサをまきました。
これでデコイの設置は終了です。
設置されたマナヅルのデコイ3体。右から成鳥メス、成鳥オス、幼鳥の模型です。ポーズも工夫されています。本物そっくりですね。
設置されたナベヅルのデコイ。右から幼鳥、成鳥オス、成鳥メスの模型。
(写真提供 伊万里市産業部農山漁村整備課)
作業が終わるころ、遠くの田んぼに本物のマナヅル2羽がえさを探しているのを発見しました!
みんなで順番に望遠鏡で観察していきます。
この2羽は11月2日に長浜干拓地に渡来して以来、滞在しつづけているもの。デコイの設置作業時にツルが滞在しているのは2004年の事業開始以来、初めてのことです。例年は1〜2日の滞在で南下していました。今までの生息環境整備の効果が現れたものと思われます。

今年こそ、これらに続く群れが現れ、越冬数が増えてゆくことを期待しています。
(写真提供:伊万里鶴の会 一ノ瀬秀春さん)
皆さんお疲れ様でした!
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