公益財団法人日本野鳥の会
Google
Activity

当会の活動

タンチョウ保護の取り組み

くちばしに空き缶が刺さったタンチョウについて

 鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリの給餌場に現れるくちばしに空き缶が刺さったタンチョウについて、 このタンチョウは、鶴居村にあるもう一つの給餌場の「鶴見台」で最初確認され、2月1日に環境省釧路自然環境事務所から注意して確認してほしいと連絡のあった個体です。
 脚には、『143』という標識がついています。2009年に根室管内の別海町で生まれたのですが、ヒナの時に家畜糞尿の貯蔵タンクに落ちているところを保護され、釧路市動物園で収容飼育されていました。2011年1月に鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリの給餌場で放鳥した個体です。
 2月5日にサンクチュアリ給餌場に姿を現し、その後は、ほぼ毎日サンクチュアリ給餌場で確認しています。

サンクチュアリ給餌場に現れた『143』


 くちばしの付け根の方まで空き缶がささっており、缶の底の固い部分が引っ掛かっているせいか、抜けない状態になっています。観察していても給餌のデントコーンを食べることができていない様子でした。

くちばしのアップ<2月15日のもの


 しかし、動物園の獣医師の話では、くちばしの先端部だけを少し開くことができるとのことで水は飲めて、衰弱しきってしまうことなく過ごしている状況ではないかとのことでした。
2月13日には、私たちが観察していても、地面をつつく様子がほとんどなくなり、くちばしを背中に入れ、動かない時間が多くなって衰弱してきたかのように見えました。そこで、動物園の方のアドバイスで、レンジャーと獣医師の方とで給餌場に入り、タンチョウの様子を確認しようとしたのですが、近づく前にほかのタンチョウとともに飛んでしまいました。

空き缶を刺さったくちばしを背中に入れ休んでいる様子


 保護に関しては、まだ、飛べることなどから難しい状況です。 また、むやみに捕獲を試みても無駄に体力を奪ってしまうので慎重に判断しなければなりません。。
 毎日、環境省や動物園の方に画像や行動を伝え、保護の方法とタイミングを計っています。。
 その中で、一つ変化がありました。
14日には、前日までと異なり、缶が朽ちてきたのか、ズレたのか、くちばしの先端部が前より開いているように見え、給餌場を動き回り、デントコーンをついばむ様子を見せました。今日も同様の行動を見せ、デントコーンをついばみ、実際に食べているところを確認しました。

2月15日 給餌場でデントコーンをついばむ様子



 まずは、生命の危機は脱せたかもしれません。
 でも、くちばしには空き缶が刺さったままの状態なので、今後も状況を確認しつづけ、対応できるように準備を進めておきます。



日本野鳥の会に入会する BIRD FANのサイトへ Back to HOME sitemap English privacy policy プレスリリースサイトマップ個人情報の取扱いについてリンク