カワウの生態と調査 カワウの生態と基本的な調査について解説します。
 
 
もくじ
生態編
  カワウの形態
  分布と生息環境
  ねぐら・コロニー
  採食
  環境汚染の影響
  物質循環の役割
  行動圏
  生息状況の変遷
     
調査編
  ねぐら個体数調査
  繁殖状況調査
  河川飛来調査
  移動調査
河川飛来調査
 採食行動を調べるためには、カワウがどこで採食や休息をするのかを把握する必要がある。日により、個体により、採食時間帯は異なると思われるが、群単位でみると夜明けにねぐらを発った後が最もよく採食に時間を費やしている。そこで効率的に調査をすることを考えれば、調査時間帯は夜明け前30分から約2時間とするのが望ましい。
 河川を見渡せる場所、例えば橋の上などに数キロおきに調査員を配置する。2001年11月に多摩川で日本野鳥の会が行なった飛来調査では、河口から20ヶ所以上に及ぶ調査地点を設けた。
 東京湾沿岸には第六台場のような大規模なねぐらがいくつか存在し、多摩川にも高圧線などに複数のねぐらが点在していた。前もって、ねぐらの分布や個体数を把握できていると、それぞれのねぐらと採食地の関係もわかってくる。
 調査地点を通過するカワウ、または見える範囲で採食や休息のために着水・着地したカワウを数え、その飛来方向、飛び去った方向と時刻を記録する。調査地点を通過した個体数を差し引くことで、採食場所を推測することができる。
 飛来数調査には、このように決まった時間に人数を集めて一斉に行なう他に、内水面漁業者など毎日のように現場に出ている人々が簡単にメモできるようなカレンダー式の調査票をつくり、配布することで情報を集める方法もある。
 内水面漁業者や釣り人と協力して一緒に現場で調査できると、お互いに理解を深められる。

 調査用紙は、こちらからダウンロードできます。