カワウの生態と調査 カワウの生態と基本的な調査について解説します。
 
 
もくじ
生態編
  カワウの形態
  分布と生息環境
  ねぐら・コロニー
  採食
  環境汚染の影響
  物質循環の役割
  行動圏
  生息状況の変遷
     
調査編
  ねぐら個体数調査
  繁殖状況調査
  河川飛来調査
  移動調査
採食
 カワウは魚食性の鳥である。沿岸部の海水域から汽水域、内陸部の淡水域までの幅広い水域で潜水して魚類を採食している。採食時に潜水する深さは水面から1m〜9.5mで、長いときは約70秒間も潜ると言われている。
 飼育下での記録では、1日に約330gを食べた記録があるほかに、1日あたり400g〜620gを食べた記録がある。飼育下では魚の密度が高く逃げ場がないなど、野外よりも容易に採食できる環境での結果だということは注意が必要である。実際に試験池に魚の逃げ場所を作ると、1日平均515gから130gに減少したと報告されている。また、野外での採食量は、体重1kgあたり262g(26.2%)と推定されている。魚種による選択性は認められていない。捕まえやすい魚種から採っているものと思われる。