カワウの生態と調査 カワウの生態と基本的な調査について解説します。
 
 
もくじ
生態編
  カワウの形態
  分布と生息環境
  ねぐら・コロニー
  採食
  環境汚染の影響
  物質循環の役割
  行動圏
  生息状況の変遷
     
調査編
  ねぐら個体数調査
  繁殖状況調査
  河川飛来調査
  移動調査
ねぐら・コロニー
 カワウは集団でねぐらをとる性質があり、繁殖も集団で行なう。集団繁殖地は、集団営巣地またはコロニーとも呼ぶ。
 ねぐら・コロニーは水辺に接する場所に作られる。森林以外にも海岸・湖沼に近い岸壁や人がつくった建造物、巣台などさまざまな場所や構造物を利用する。コロニーのほとんどは、繁殖期以外もねぐらとして利用される。人の近づかない安全な場所では地上営巣も観察されている。巣は、木の細い枝や枯れ草、青葉等を直径40cm〜60cmの皿型に組み合わせて造る。
 1腹卵数(1回の営巣で産む卵数)は3〜6個である。抱卵日数は25日〜28日、孵化後47日〜60日で巣立つ。繁殖期はコロニーによって異なり比較的期間が長い。
 一度形成されたねぐらに固執する習性があり、次から次にコロニーを新しく作ることは少ない。新しいコロニーよりも形成後時間の経過しているコロニーでは巣立ち率が低下する傾向がある。