カワウの生態と調査 カワウの生態と基本的な調査について解説します。
 
 
もくじ
生態編
  カワウの形態
  分布と生息環境
  ねぐら・コロニー
  採食
  環境汚染の影響
  物質循環の役割
  行動圏
  生息状況の変遷
     
調査編
  ねぐら個体数調査
  繁殖状況調査
  河川飛来調査
  移動調査
環境汚染の影響
 カワウは、河川・湖沼など水域生態系の食物連鎖における高次消費者であるために、食物を通じDDT、PCB、ダイオキシン類などの有機塩素系化学物質の影響を強く受ける。そのためカワウは、有機塩素系化学物質による環境汚染の生物指標となる。アメリカ五大湖に生息する魚食性鳥類の研究で、メス同士のつがい、営巣の放棄、卵殻の薄化、胚致死、奇形の発生、免疫力の低下とDDTやPCB、ダイオキシン類との因果関係などが報告されている。実際に有機塩素系化学物質による汚染が、カワウの甲状腺及びその免疫機能に影響を及ぼしていることが指摘されている。