財団法人 日本野鳥の会
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クロツラヘラサギ調査研究プロジェクト

 クロツラヘラサギは東アジアにのみ生息し、全世界に約2,000羽しかいない世界的な絶滅危惧種で、IUCNのレッドリストでは絶滅危惧種(Endangered)、環境省のレッドデータブックでは絶滅危惧ⅠA類に指定されています。
 当会では1995年頃から、バードライフインターナショナルのアジアのパートナー団体と共同で、クロツラヘラサギの国際的な保全を図るための調査研究プロジェクトをたちあげ、中心的な役割を担いつつ活動を行ってきました。

和名:クロツラヘラサギ
英名:Black-faced Spoonbill
学名:Platalea minor

写真:宮城国太郎氏

全長約75cm、体重1,500g~2,200gのコウノトリ目トキ科の野鳥。
  干潟などでヘラ状のくちばしを左右に振りながら採食する。主な餌生物は魚類(ボラ・ハゼ・シラウオ・等)や甲殻類(カニ・エビ・アミ・等)、剣尾類(カブトガニの幼生~亜成体)など。
 4月中旬~7月中旬までが繁殖期で、その後繁殖地の近くの干潟で過ごした後10月下旬頃から越冬地への渡りを開始する。そして3月下旬ごろまで越冬地で過ごした後、4月初旬頃から繁殖地への渡りを開始する。若齢個体の中には繁殖地まで戻らない個体もあり、越冬地の近くまたは中継地で夏を越す個体もある。
 全世界の個体数は約2,000羽で(Y. T. Yu 2009)、朝鮮半島の西岸の38度線以北の離島や、中国遼東半島沿岸の離島で繁殖する(Chong
& Pak 1999)。主な越冬地は台湾、香港、ベトナム、中国南部、日本など。日本では主に九州以南で越冬し、近年は毎年約200羽が越冬している。
 台湾南部に全世界の個体数の半数以上が集中して越冬することが、保護上の問題として危惧されているが、2002年度の越冬期に、台湾でボツリヌス菌の中毒死が発生し73羽が死亡するという事故があり、その危惧が現実化してしまった。

参考文献

Y.T.Yu. 2009. The International Black-faced Spoonbill Census 2008 & 2009: 10-16. Black-faced Spoonbill Research Group, Hong Kong Bird Watching Society. Hong Kong.
Ueta, M. et al. 2002. Discovery of the breeding sites and migration
routes of Black-faced Spoonbills Platalea minor. Ibis,144:340-343.

Chong, J. & Pak, U. 1999. The breeding sites and distribution
of Black-faced Spoonbills in the Democratic People’s Republic of Korea
(DPRK). Conservation and research of Black-faced Spoonbills and their
habitats. pp.5-9. Wild Bird Society of Japan (WBSJ).

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