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『Toriino』(トリーノ)は、自然をテーマにしたビジュアルフリーマガジンです。現在、地球規模で野鳥や野鳥がくらす自然環境が危機的状況にあることを背景に、特に50~60歳代の方々に、幼少期の自然が豊かであった時代をこの『Toriino』を通じて思い起こしていただき、自然のすばらしさや大切さを、次の世代の自然の守り手である子供たちや孫たちに伝えて欲しいとの思いから、2006年12月に創刊しました。
季刊で3月、6月、9月、12月の年4回発行しています。紙面は「日本的自然美:彩の章」「ノスタルジー:憶の章」「旅:流の章」「アニマル:響の章」の4つの柱で構成し、著名な写真家の写真で紹介します。
最新号の内容
第21号 2011年12月発行号
 表紙:石踊達哉
「白梅」(部分)2000年
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「彩の章」 写真:西川 孟
漆黒の闇、静かに明くる。朧に現れたるは、はれ雲上の山々か、海原の島々か、はたまた蓮華上の菩薩衆か。暖気静かに下る。啼鳥飛んで枝上の雪片々と散る。(誌面より)
「憶の章」-往- 写真:森山大道
濡れた靴は泥水を跳ね、寒さと空腹が体に重くのし掛かる。ふと、温かき生気を帯びた風が、傍らを過ぎる。女は幸福であるのか不幸であるのか知る由もなく、永遠に過ぎ去る。その光景は、既に過去という色も香りも感情もない深淵へと沈んで消えた。(誌面より)
「憶の章」-還- 写真:川田喜久治
冬枯れの林。葉を落とし剥き出しになった林縁には、夏の一枝一葉の勢力争いの形跡が残る。一枝一枝は、まるで独立した生命体であるかのように光を求めて伸びる。その形姿は、抑圧という名の淵に咲く大輪の花であるか。(誌面より)
「流の章」 写真・文:藤原新也
放射性物質への恐怖が影を落とす。恐れとは、我が身を脅かす不確かな未来の予感、である。恐れは、その人固有の実存のあり様を浮き彫りにする。それを越え出でるには、
集団ではない個としての当為が愈々問われるのかも知れぬ。(誌面より)
「響の章」 写真:星野道夫
北緯六十六度三十三分以北の圏。天球は天頂の星を中心に周る。遥か有史以前より続く天球の回転運動。その下、白い大地にホッキョクグマは静かにくらす。何人も立ち入れぬこの過酷な地で、無償の愛だけが彼らの血統を今に繋いできた。(誌面より) |
第20号 2011年9月発行号
 表紙:石踊達哉
「もみじ川」(部分)2007年
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「彩の章」 写真:西川 孟
枝は一枝として同じものはなく、葉も一葉として同じものはない。一枝一葉は、また無二の色衣をまとい、各々は礙げあうことなく全体は調和し、その姿を池面に留める。「これで善し」と、前のイデアは形と色を統べ、そのものとして顕現する。(誌面より)
「憶の章」-往- 写真:安井仲治
出会い―別れ 平和―紛争 飽食―飢餓 富裕―貧困 拘束―自由 肉体―精神 創造―破壊 生―死 二つを極とする多数の軸線。これら軸線が多元的に交差し合う境域に、人は喜び、悲しみ、生きる。交点から交点へ、滞留することのない粒子状の流れ。マイノリティもマジョリティも国境もない、悲哀の音を奏する流れ。(誌面より)
「憶の章」-還- 写真:川田喜久治
成長した大樹は、やがてその役割を終える。風に晒され、分解され、雨に流されたエス(それ)は、再び大気へと還り雲となる。時間の制約も重力の制約もない無限空間に、エスは何かに招かれるように進む。どこまでも、どこまでも。(誌面より)
「流の章」 写真・文:藤原新也
古代ギリシア人は、存在するものを照らす「光」に真理の本質を見た。光に照らされるもの、明るみにあるものは、真理なりである。「ただちに影響がない」という言葉には、どれほどの真理があるのだろうか。ゲーテの最後の言葉は、「もっと光を」であった。(誌面より)
「響の章」 写真:星野道夫
男は極北の地でムースに出会った。遮るものは何もない遥かマッキンリーまで延びる静かな空間。水を弾く音が、かすかにこの透けた空間を伝う。夕闇の、ムースのスープ。その味は、大樹のような苦さと雲のような甘さを持つ。そして男は、ムースになった。(誌面より) |
第19号 2011年6月発行号
 表紙:石踊達哉
「波」(部分)2006年
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「彩の章」 写真:西川 孟
蓮華は汚れた泥に出て、清浄無垢な花をつける。そんなところから、蓮華には「香」「淨」「柔軟」「可愛」の四つの徳があるとされる。蓮華蔵世界とは、清浄にして光明が?く充満する廬舎那佛が坐す世界。生きとし生けるものは、佛性を備えるが故に、どのような境遇に置かれようとも蓮華となることができる。(誌面より)
「憶の章」-往- 写真:木村伊兵衛
草いきれの香、太陽の温もり、山間を流れる雲、飛ぶ鳥の影。地に杖を叩いて進めば歌も溢れ、笑う声は草木に沁みる。皆がいて何も不安はなかった。幸せの野道。しかし人は、いつの頃からかこの楽園を追われてしまう。(誌面より)
「憶の章」-還- 写真:川田喜久治
数百年という長い年月をかけて成長した大樹。その大樹を、人は暴力的に打ち倒してしまう。しかし大樹の生本能「エス」は、新たなエネルギーを残された株に備給し始める。切られてもなお姿を変えて生き続ける大樹。エスは身体化する。(誌面より)
「流の章」 写真・文:藤原新也
天上の月は、地上の生きるものも死ぬるものも分け隔てなく照らす。人は闇の中では生きてはいけぬ。光は自らを照らすが故に、生きるものはこれからを生きていける。(誌面より)
「響の章」 写真:星野道夫
アラスカの夏は短い。透き通った水に無数のサーモンが遡上しはじめると、待ちかねたかのようにグリズリーは川に入る。彼らは決められた漁場に立ち黙々と狙う。おこぼれに与ろうとするワシカモメ。サーモンを狙うハクトウワシ。この季節の川は、彼らの命を繋ぐオアシスとなる。(誌面より) |
第18号 2011年3月発行号
 表紙:石踊達哉
「花ふぶき」(部分)
2007年
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「彩の章」 写真:西川 孟
日月の運行を計らうことなく映じ続けてきた池面。幾度となく風雪に削られてきた積石。芽を吹き、花をつけ、葉を落とし、年輪を刻んできた木々。崇高なる美は、人知を越え、そこに魂が宿る時、生まれる。(誌面より)
「憶の章」-往- 写真:緑川洋一
波を切る船首の下、海?は浮かび、櫂の音は航跡へと消へいく。光の絨毯は海一面に広がり、我が進むべき方向を開いた。疲れはなかった。進むほどに光の道は開け、波と櫂の音だけが我を運んだ。(誌面より)
「憶の章」-還- 写真:川田喜久治
数百年という長い年月をかけて成長した大樹。枝は光に向かい、空間を侵食するかのように縦横へと伸びる。一枝一枝が確かな意志を持つ巨大生命体。この天蓋の下には、また無数の命が生を営む。天と地を結ぶ神の依代。(誌面より)
「流の章」 写真・文:藤原新也
人も犬も、リクシャー(人力車)も牛も、同じ道に混沌として行き交う。そのインドが大きく変わりつつある。―世界人口の増加、気候変動、食糧危機、生物多様性の危機―人の力は、この国を、世界を、どのように変えていくのだろう。(誌面より)
「響の章」 写真:星野道夫
閉ざされた白い季節は終わり、生きものたちの色艶やかな祭典の季節を迎える。紺碧の海に囲まれた小さな島では、ピンクや黄色の花々が咲き、緑の草地をホッキョクギツネの黒い影が駆ける。海風そよぐ崖の上では、水平線を向こうにツノメドリが静かに花を咲かせていた。(誌面より) |
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