野鳥のヒナの紙芝居&絵本

国連生物多様性の10年日本委員会 「生物多様性の本棚」~みんなが生きものとつながる100冊~ ぼくとりなんだ

ヒナをテーマにした紙芝居と絵本で、子どもへの普及を

 春から夏にかけて、多くの野鳥は子育ての季節を迎えます。この時期、巣立ったばかりでまだ上手に飛べないヒナを見かけることがあります。つい、手を差しのべたくなりますが、そのようなヒナの多くは、親鳥から誘導されながら成長している「巣立ちビナ」です。親鳥が近くで見守っていることが多いので、拾わずにそのままにしておくほうが良いことがほとんどです。
 当会では、紙芝居「わたしのことり」と絵本「ぼくとりなんだ」を制作しました。この紙芝居と絵本は、野鳥のヒナと子どもとの出会いをテーマに創られた2つの物語です。作者は、絵本作家の和歌山静子さん。巣立ちビナのくらしぶりを伝えることで、子どもたちに、生きものや自然とのつきあい方を考えるきっかけになればと願っています。

紙芝居「わたしのことり」をご活用いただける方々に寄贈します

 2012年度に500部制作しましたが、大好評につき2013年度も500部増刷しています。紙芝居によって、多くの人にヒナを拾ってはいけない、拾わないことが野鳥の子育ての応援につながるというメッセージを広めていただきたいと考えています。
 ご希望の方は、申込書をダウンロードしていただき、郵送またはFAX、メール添付でお申込みください。

<お申込みにあたって>
●原則として申込はお一人様1組に限らせていただきます。
●年間最低1回は上演していただけますようお願いいたします。
●読み聞かせ参加者に当会制作のパンフレット「野鳥のヒナと出会ったら?」を配っていただくと、よりメッセージが伝わると思います。
●年度末に、実演した様子をお知らせいただく場合があります。用紙は別途お送りします。
●送料をご負担ください。着払いで送らせていただきます。

紙芝居のストーリー、内容はこちら
絵本のストーリー、内容はこちら
紙芝居「わたしのことり」寄贈申込用紙(PDF/73.7KB)

<お申込み・本件の問い合わせ先>
日本野鳥の会 普及室  普及教育グループ
〒141-0031東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル
TEL:03-5436-2622 FAX:03-5436-2635  E-mail:[email protected]

紙芝居「わたしのことり」

偶然出会ったかわいいヒナに心を奪われた女の子と、わが子を返してほしい親鳥のおはなし。女の子と親鳥のやりとりを通して、ヒナは親鳥といっしょに行動しながら生きる術を学んでいくことを伝えます。(B4判、12場面)


<あらすじ>

一羽のヒナを見つけた女の子。「かわいい!」と連れて帰ろうとしたとき、「その子を返して」と親鳥がやってきます。


女の子は、親鳥に対して自分がヒナのお母さんになれることを証明しようとがんばります。


しかし、親鳥の元に戻りたい、というヒナの言葉を聞き、女の子はヒナを放す決心をします。


親鳥に導かれて飛べるようになるヒナ。女の子はびっくりするとともに、自分も母親に呼ばれて帰っていきます。



絵本「ぼくとりなんだ」

産まれてから巣立つまでのこと、これから親鳥からいろいろなことを学ぶことを、ヒナが子どもに語ります。自然の中で生きてこそ「野鳥」であることを伝える物語です。
(B5判、32頁、ハードカバー。日本野鳥の会の通信販売ほか、全国の書店でも販売します。1,512円(税込)ご購入はこちら→



※この絵本の制作費の一部、紙芝居の制作費には、花王(株) 、東亜建設工業(株)、トヨタ自動車(株) 、丸和油脂(株)からの協賛および家電・住宅エコポイントの環境寄附を使用しています。

作者のことば

■作者紹介
脚本・絵 和歌山静子
日々の生活のなかで生きものたちとのふれあいを楽しむ絵本作家。絵本『てんてんてん』『ひまわり』『どんどこどん』(以上、福音館書店)、『おーい はーい』(ポプラ社)など、自然のいとなみや生きものたちを独自の視点とおおらかなタッチで表現した作品が人気を集める。その他に『あいうえおうさま』(作:寺村輝夫、理論社)など代表作がある。紙芝居も多く手がけ、童心社から『しんかんせんははやい』(脚本:中川ひろたか)『きかんしゃシュッシュ』(脚本:八木田宜子)ほか多数。

■作者からのメッセージ
 かねてより、鳥をテーマにした作品を描きたいという想いを卵のように温めていました。そのようなとき、日本野鳥の会からの依頼を受けました。
 身近な野鳥の観察が大好きです。また、旅先で出会う豊かな自然や生きものたちとの出会いには、いつもわくわくどきどきしていました。自然のなかで自らの力で生きている生きものたちは、とても魅力的です。
 そして、丹精こめて温めた卵からヒナが産まれるように、この物語ができました。私らしい作品を巣立たせることができたかなと、思っています。物語にこめた想いが、鳥のように飛んでみなさんの心に届けばうれしいです。