カンムリウミスズメってどんな鳥?

種名

カンムリウミスズメ
(英名)Japanese Murrelet
(学名)Synthliboramphus wumizusume

ムクドリほどの大きさ(全長24cm)の海鳥です。冠羽と頬が黒く、後頭部は白で、白黒のはっきりした鳥です。よく潜水し、水中を飛ぶように泳ぎます。一生のうちのほとんどを海の上で過ごし、陸上に上がるのは、繁殖期のわずかな期間だけです。


鳴き声

■洋上での声
東京都伊豆諸島の新島の沖合いで2010年5月12日の日中に録音した、カンムリウミスズメの声です。洋上の個体数調査の際に、泳いでいるカンムリウミスズメが鳴いているのを録音しました。
同時に録音される風の音などは、編集段階で軽減しています。

Flash を使っています。

■営巣地での声
東京都伊豆諸島の神津島祇苗島で2010年4月19日夜に録音した、カンムリウミスズメの声です。巣と思われる岩の割れ目の近くに録音機を設置し、無人で録音しました。
同時に録音される風の音や周辺で鳴いていたオオミズナギドリの声などは、編集段階で軽減しています。

録音・編集協力:松田道生

Flash を使っています。

分布

日本で繁殖するウミスズメ科の鳥は7種類いますが、このうち6種類は北日本や北海道周辺の亜寒帯を主な分布域としています。唯一カンムリウミスズメだけが黒潮や対馬海流の影響のある暖帯海域に生息しています。知られている繁殖地の北限は、石川県の七ツ島、南限は伊豆諸島の鳥島です。最大の繁殖地は宮崎県の枇椰島で約3000羽と推定されています。そのほか、伊豆諸島や福岡県の筑前沖ノ島の小屋島、三重県の耳穴島、高知県の幸島が知られています。日本以外では韓国南部の島で繁殖が確認されており、日本周辺にしかいない鳥といえます。

カンムリウミスズメ繁殖地・生息地(伊豆諸島周辺)


 ※地図の読み込みに多少お時間のかかる場合があります。

繁殖

繁殖地は、無人島の崖や急な斜面の岩と岩の隙間、木の根元、地面のくぼ地などです。12月になると繁殖地となる島の周辺海域に姿を見せ始めます。3月下旬にニワトリの卵よりも少し小さなタマゴを1~2個生み、雌雄交代で約1ケ月抱卵します。ヒナは孵化するとわずか1,2日のうちに親鳥の声に導かれて海へ向かいます。親鳥からの給餌も洋上で行われ、その後、次に陸に上がるのは、繁殖のために再び繁殖地に戻ってくる時になります。

現在の状況


打ち上げられたゴミ

推定個体数は約5千羽、多くても約1万羽とされ、ウミスズメの仲間では今絶滅が最も心配されている種類です。国指定天然記念物、IUCN(絶滅危惧Ⅱ類)、及び環境省レッドリスト(絶滅危惧Ⅱ類)になっています。減少要因としては、近年の釣りブームや海洋レジャーの拡大により、繁殖地に人が立ち入るようになり、卵や雛が無造作に踏まれたり、撹乱によって親鳥が巣を放棄することが挙げられます。また、釣人が放置するゴミやまき餌に、カンムリウミスズメの捕食者であるカラス類が誘引されることがあります。繁殖地にドブネズミが入り込んだ福岡県小屋島のように群全体が壊滅的なダメージを受けた島もあります。この他、刺し網による混獲や油汚染による死亡例が報告されています。

各地での取り組み

繁殖地が離島や岩礁で、調査の機会が天候に左右されやすいことや危険を伴うこと等から詳細な情報と情報の更新が限られ、保護に向けての具体的な対策や取り組みがまだ十分には進んでいないのが現状です。
そうした中で、最大の繁殖地である枇椰島のある門川町では自治体としての保護活動と環境教育的な視点での活動が進められています。一方で、伊豆諸島では、営巣環境が悪化し、以前のような大規模な営巣地は認められず、また、航路での観察頻度が減少していること等が報告されています。
当会でも1995年以降、三宅島・アカコッコ館のレンジャーを中心に、大野原島周辺での洋上分布調査を継続しています。また、この鳥を見せることで地域に経済効果を生み出そうとモデルエコツアーを2006年から実施しています。当会支部でも、日本野鳥の会 宮崎県支部を始め、日本野鳥の会 石川日本野鳥の会 三重日本野鳥の会 福岡日本野鳥の会 北九州支部日本野鳥の会 大分県支部日本野鳥の会 鹿児島などが洋上分布や繁殖環境の調査、標識調査等に関わっています。

主なホームページ

『日本のウミスズメ類』ホームページへようこそ(絵本「カンムリウミスズメ物語」 をご覧になれます。)
http://www2.gol.com/users/kojiono/

日本海鳥グループblog
http://blog.seabirdgroup.jp/

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