「農業農村整備に関する技術開発計画(案)」に対するパブリックコメントに意見を提出しました

「農業農村整備に関する技術開発計画(案)」に対するパブリックコメントに意見を提出しました


2026年6月15日

水が張られ、田植えが終わった水田ではサギ類、カエル類や小型の魚類など水中の小動物を探し、畔ではカルガモが休んでいる姿が見られます。繁殖しているケリのけたたましい鳴き声や飛び交うツバメの姿も見られるかもしれません。夜になればヒクイナの声も聞こえるでしょうか。

水田をはじめとして、農地は私たちの暮らしを支える食料生産の場であると同時に、多くの生きものの生息地でもあり、また景観形成、水源涵養、洪水防止などさまざまな機能を併せもっています。

このような多面的機能をもつ農業、農村は重要な社会インフラとされていることから、生産基盤の整備を通じた農村振興に必要な技術開発の方向性と具体策が協議され、4月24日に「農業農村整備に関する技術開発計画(案)~今後5年間で目指す技術開発の方向性~」として農林水産省が公表しました。

前述のとおり農地は多くの生きものの生息地でもあるため、農家の皆さんが安心して働くことができ、多くの収穫を得られるものであると同時に、生物多様性の高い環境が維持されることも重要です。豊かな生物多様性を支える農村環境は農村そのものの魅力を向上させ、それによって都市部との人的交流がより促進されると考えられます。

「農業農村整備に関する技術開発計画(案)」では、環境負荷低減や気候変動対策に係る技術開発については多く述べられている一方、同時に解決すべき生物多様性保全に関する技術開発が大きく不足していました。そこで、農地、農村の生物多様性も同時に維持、向上させるという視点から、5月8日までの期間で行われたパブリックコメントに意見を提出しました。

全体に対しては、開発した技術の社会実装の際に生物多様性への影響を回避・軽減するため、生物多様性への配慮を行うことが明確となる説明を加えることが必要であることを指摘しました。

特に、気候変動対策と生物多様性保全にはトレードオフ(二律背反)がある場合があり、これを避けることは非常に重要です。例えば、昨今注目が高まりつつある営農型太陽光発電においては、その立地選択や配置をどうするかによって、農村景観はもちろん、農地に生息する鳥類に与える影響が異なると考えられますので、個々の圃場だけでなく地域全体を一体として考える広い視野が必要です。そこで、再生可能エネルギーの導入を促進する際に必須の配慮として、「地域の生物多様性に与える影響を回避・低減した上で」という文言の追記を求めました。その他の意見については、末尾のリンクからご確認ください。

生物多様性の高い環境を維持する農村とそこから得られる豊かな農産物は、多くの人を魅了するものでしょう。そこに暮らす人、訪れる人、産物を食べる人、さらにそこに生息するさまざまな生きもの、すべてが共存する農村環境を一緒に作っていきましょう。


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