レンジャーの養成

レンジャー養成講座とは、自然保護NGOで働くために不可欠な、活動の企画・実施・まとめができる力を身につける講座です。今回は自然解説と自然調査をテーマに、トレーナーの指導のもと、実践を通じて企画からまとめまでのプロセスを学びます。ネイチャーセンターや、自然観察センターのような自然保護の拠点施設で働きたいという方にもおすすめです。
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「レンジャー」という仕事

「サンクチュアリ」とは、「自然環境の保全」「人と自然のふれあいの場」という役割をもつ自然保護のための場所のことです。レンジャーはサンクチュアリに常駐して、「自然環境の調査」「自然環境の管理」「来園者への自然解説」「ボランティア活動の促進」などの業務を行う自然保護のプロフェッショナルです。
日本野鳥の会では、直営が2ケ所、地方公共団体からの運営委託を受けている施設が6ヶ所、全国合計8ヶ所のサンクチュアリに約40名のプロのレンジャー(本会職員)を配置しています。

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レンジャーの仕事の様子

自然環境の調査
自然環境の調査

自然環境の管理
自然環境の管理

来園者への自然解説
来園者への自然解説

ボランティアコーディネート
ボランティアコーディネート

自然を守る活動
自然を守る活動

レンジャー養成講座の実施例

自然を伝える ~自然解説編~

日 程:2011年1月8日(土)、9日(日)、10日(月)
会 場:横浜自然観察の森(神奈川県横浜市)
受講者:19名

1日目:「オリエンテーションと講義」
自己紹介ゲームで緊張をほぐした後、日本野鳥の会のレンジャーの仕事についての講義。その後、今回の研修で参加者に作っていただく自然解説プログラムとはどんなものなのか、体験と講義により学びました。

2日目:「自然解説プログラムの企画」
自然解説プログラムの作り方についての講義の後、いよいよ自然解説プログラムづくりが始まります。まず、グループに分かれて、フィールドで自然観察をおこないます。自然観察から気付いた様々な視点をグループで共有し、伝えたいテーマを絞り込み、メンバーで協力してつくりあげていきます。このとき、図鑑で読んだ知識でなく自分で観察した事実に基づいて考えることができるかどうかがポイントになります。
★プログラム作成から実演・ふりかえりまで、各グループにトレーナーがつき、的確なアドバイスを行います。

3日目:「プログラムの実演発表」
どのグループも頭を悩ませ、工夫を凝らし、試行錯誤してつくった自然解説プログラムを、他の参加者に向けて実演しました。実演後、感想や提案を出し合い、プログラムのふりかえりを行いました。

受講者の声(アンケートより抜粋)

  • いろいろな人に出会えました!
  • 自分ひとりでは学べないことを多く学べた。
  • 人に伝えるということのイメージがつかめたと思います。
  • ぼんやりとしたイメージをいだいて参加したが、実際にプログラムの企画を行うことができ、内容がわかりやすかった
  • グループで1つのプログラムを考えることで、いろいろなポイントがあるということを学べました。
  • 非常に丁寧で的確なアドバイスをいただいたり、フィールドに出て実践をつめたり、とても充実していました。

自然を調べる ~自然調査編~

日程:2019年11月2日(土)、3日(日)、4日(月・祝)
会場:ウトナイ湖サンクチュアリ(北海道苫小牧市)
受講者:15名

1日目:「オリエンテーションと講義」
これから3日間共にするメンバーとまずはゲームを通して交流を深めていきました。次に当会の「サンクチュアリ」、「レンジャーの仕事」、「自然保護と調査活動」についての講義を行いました。その後グループ分けをし、フィールドに出て調査素材となる生き物の行動やいる場所などを一つ一つじっくり観察しながら「気になるポイント探し」を行いました。室内に戻ってきたらグループごとにメンバーが集めてきたポイントを共有し、一つに絞る作業を行いました。たくさんの中から一つに絞るのは大変ですが、各グループ意見を交換したりトレーナーのアドバイスをもらいながら決めます。

2日目:「調査の企画と実施」
初日に決めた気になるポイントをより具体的なテーマとしてグループで相談し決めていきました。調査テーマが決まったら、どんな結果になるのか予想し仮説を立て、調査方法や使用する道具、調査地点や集計の仕方を決めていきました。それを基に調査企画書と記録用紙を作成し実際に調査を行います。限られた時間の中で多くのデータを記録しようと各グループとても頑張っていました。

3日目:「調査結果のまとめと発表」
記録したデータを集計して調査結果を出しグラフを作成します。グラフは調査結果がより伝わるようグループで相談しながら作成しました。その後なぜこのような結果になったのか原因を考察していき、最後に今回の調査により何がわかったかまとめを行います。これらの作業が終わったら発表用ポスターの作成に取り掛かります。字や図の大きさや配置、発表する分担などを相談しながら作成し、完成したらいよいよ発表です。どのグループも緊張しながらもそれぞれの色を出した発表を行っていました。発表後は会場からの質問や意見を受け、今回の調査で明らかになったことや今後に向けての課題などを挙げていきました。最後にトレーナーからのコメントがあり、ふりかえりとまとめを行い講座は終了となりました。

受講者の声(アンケートより抜粋)

  • プロからお話をきくことができたので、実際の仕事がどのようなものかよく伝わりました。
  • 養成講座で調査の方法や実施を実際に体験しながら学ぶことができました。また、様々な年齢や職種などの方々の参加者と楽しみながら学ぶことができ、これから更に自然などの調査や保護について関わっていきたいと思いました。
  • 講義だけでなく、実際活動をたくさんすることができた。
  • トレーナーが班ごとにいて、アドバイスをくれたのでやりやすかったです。
  • レンジャーの方々はもちろん、参加者の皆さんも野鳥や自然の知識が豊富で色々教えてもらえて嬉しかったです。初めての鳥をたくさん見られて良かったです。調査のレクチャーや経験は今後にも生かせそうです。


受講者の声

顔写真

2016年度「調査編」受講
田島 奏一朗
(保全プロジェクト推進室 鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ)
「人と自然の仲立ち」
 私は幼い頃から自然や生きものが好きで、特にバードウォッチングを通して自然と触れ合ってきました。大学で干潟の生きものについて研究し、どのような仕事に就きたいのかを考えていく中で、野鳥を中心に自然や生きものの魅力、大切さを伝えたい、自然の中での発見や感動を多くの人と共有したい、自然保護に貢献したいと思い、レンジャー養成講座を受講するに至りました。
 調査編では、各グループとなって企画から調査、まとめ、発表までを行いました。これらの活動を通して、皆で協力し意見を出し合い、実際に調査した結果を明らかにしていくことの面白さや達成感、人に伝えることの難しさを体験しました。そして講座を通して同じ夢を持った仲間と出会い、話し合えたことは何よりの収穫になりました。
 受講がきっかけでご縁があり、豊田市自然観察の森でレンジャーを1年間務め、現在は鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリでタンチョウを守る仕事に携わっています。自然保護に取り組む中でそこで出会う人をはじめ、人との繋がりがいかに大事であるかを実感しています。またレンジャーは自然保護だけでなく、環境管理、環境教育、普及活動も担っています。一人でも多くの人の心に自然、生きものを大切にしたいという気持ちをもってもらいたい、その思いを伝える技術を高めるため、日々奮闘中です。自然保護に取り組みたい、自然や野鳥の魅力を伝えたいと思っている方はぜひ、レンジャー養成講座を受講していただきたいと思います。

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