プレスリリース 2016.07.09

2016年7月9日

三宅島のサンゴ、今年も健全な状態を確認
~三宅島で13回目のリーフチェックを実施~

主催:三宅島自然ふれあいセンター・アカコッコ館
共催:コーラル・ネットワーク
共催:アンバージャックダイビングスクール

 2016年7月9日、三宅島自然ふれあいセンター・アカコッコ館、コーラル・ネットワークとアンバージャックダイビングスクールが共同で、世界共通のサンゴ調査である「リーフチェック」を実施した。実施した場所は三宅島の南西に位置する富賀浜のテーブル状サンゴ群集である。
 調査を実施した結果、富賀浜では、調査範囲の52%程度がサンゴに覆われ、例年と変わらず健全な状態であった。

※リーフチェックとは
 サンゴ礁の健康度を測るために世界同一基準で用いられているモニタリング調査で1997年に始まった。アメリカ・カリフォルニアに本部を置く民間団体が推進している。調査は科学者とボランティアダイバーでチームを編成し、サンゴ、魚類、海底の生物など国際基準の調査項目を潜水して調査し、調査結果をインターネットを通じて本部に送る。各地の結果は毎年本部で取りまとめられ、ホームページなどを通じて公表される。

1.三宅島でのリーフチェックの経緯と調査方法

調査風景(富賀浜)
写真1. 調査風景

 三宅島では1998年より調査を開始し、05年の帰島以後は、07年以外毎年実施し、今回の調査は13回目となる。
 今回はコーラル・ネットワークのリーフチェックコーディネーター1名、アンバージャックダイビングスクールのインストラクター兼三宅島自然ガイド1名、三宅島自然ガイド1名、ボランティアダイバー3名、日本野鳥の会の職員でアカコッコ館のスタッフ1名で、地元の漁船の協力を得て、富賀浜を調査した。
 世界共通の調査方法に準じ、サンゴ群集上にメジャーで100mのラインを設置し、ライン直下の構成種を造礁サンゴ、海藻、砂床など10種に分類し記録した。あわせて、ライン周辺の魚やエビ、ウニなどの決められた生き物の数を記録した。なお、例年伊ヶ谷のカタン崎においても同様の調査をおこなっているが、今回は海況不良により未実施である。

2.調査結果

富賀浜のテーブルサンゴ状サンゴ群集
写真2. 富賀浜のテーブルサンゴ状サンゴ群集

テーブル状のサンゴを中心に、52%程度が造礁サンゴに覆われていた。一昨年と比べると微減し(昨年は未実施)、海藻類は増加したが、大きく環境が変化したものではなく、健全な状態を保っており、依然として伊豆諸島最大(世界最北限)のテーブル状サンゴ群集であると思われる。また、被覆状のサンゴが多い区域では、サンゴの成長が見られた。また、今年は台風の発生も遅く、高水温による白化が心配されているが、見られなかった。
オニヒトデやサンゴ食の巻き貝は確認できず、それらによる食痕もみられていない。調査ライン周辺での対象の魚類や無脊椎動物も例年どおり見られ、特に大きな変化は見られなかった。

3.参考リンク

「コーラル・ネットワーク」 http://coralnetwork.jp/
「三宅島自然ふれあいセンター・アカコッコ館」 http://www.wbsj.org/sanctuary/miyake/
「アンバージャックダイビングスクール」 http://www.amberjack-ds.jp/

協力・事前準備
「スナッパー・ダイビングセンター」 http://www.snapper-d.com/
「三宅島ダイビングサービスディープイン」 http://www.deep-in.info/
「北洋丸」

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