プレスリリース:5月11日は「世界渡り鳥の日」 今年のテーマは「昆虫を守ることは、鳥たちを守ること」

2024年5月9日

世界渡り鳥の日2024 昆虫を守ることは、鳥たちを守ること バナー

5月11日(土)は、国連が定める「世界渡り鳥の日 World Migratory Bird Day」です。世界各地で、国境や文化を越えて、渡り鳥をテーマにイベントが開催されます。今年のテーマは、「昆虫を守ることは、鳥たちを守ること」です。

日本を含むアジアでは、渡りのルートである「フライウェイ」全体を保全していくことの重要性を普及するため、渡り鳥を守る国際枠組である「東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップ(EAAFP)」の呼びかけで、各地でこの日を祝う観察会などの普及啓発活動や保全活動が行なわれています。

(公財)日本野鳥の会は、EAAFPのパートナーとして、このキャンペーンを通じて、より多くの方に渡り鳥とその保護の重要性を知ってもらいたいと、その趣旨やテーマを紹介し、公式ポスターの日本語版(pdf)を配布します。また、「世界渡り鳥の日」にあわせてイベント「東京港野鳥公園ビッグ・デー」を開催します。

「世界渡り鳥の日」とは

「世界渡り鳥の日(World Migratory Bird Day)」は、渡り鳥とその保全の重要性を広く普及するキャンペーンです。国連環境計画(UNEP)の下にある2つの国際条約「アフリカ・ユーラシア大陸渡り性水鳥保全協定(AEWA)」と「移動性野生動物の種の保全に関する条約(CMS)」の共同により、2006年に始まりました。現在は世界的なキャンペーンとなり、世界各地でさまざまな団体が、渡り鳥をテーマに観察会や展示会、フェスティバル、アートや音楽によるイベントなどを開催しています。鳥たちの渡りの時期は国や地域により異なりますが、年に2回、5月と10月の第2土曜日がメインの日に指定され、今年は、5月11日(土)と10月12日(土)が「世界渡り鳥の日」になります。

今年のテーマは「昆虫を守ることは、鳥たちを守ること」

「世界渡り鳥の日」は、毎年テーマが設定されています。今年の世界渡り鳥のテーマは”Protect Insects, Protect Birds” 「昆虫を守ることは、鳥たちを守ること」です。昆虫は、多くの渡り鳥にとって、その繁殖を支えるだけでなく、長距離の渡りを支え、渡りの成功を左右する重要なエネルギー源となっています。渡り鳥は、渡りのルート上で、草原や湿地、森林などさまざまな生息環境を利用し、そこに棲む昆虫を採っています。渡りの時期は、中継地での昆虫の発生のピークと重なることが多く、昆虫は鳥たちが渡りを続けるエネルギーを補給するための栄養源になっています。

しかし、集約農業や都市開発で昆虫の生息環境が失われ、農薬や除草剤が使用されることにより、こうした昆虫の個体数の減少が懸念されています。エネルギーやたんぱく質を豊富に含む昆虫が不足すると、鳥の渡りや繁殖に支障をきたし、繁殖成功率の低下につながるおそれがあります。そこで、2024年の「世界渡り鳥の日」では、鳥たちにとって重要な昆虫を守るため、農薬や肥料の使用を減らし、可能であれば有機農業に切り替える、農業景観の中で自然植生地域を維持するなど、積極的な保護対策の必要性を呼びかけていきます。

5月11日にはバードウォッチングに出かけ、見た鳥をeBirdに投稿しよう

この季節は、シギ・チドリ類などの渡り鳥が越冬地から繁殖地への渡りの途中に日本の各地の干潟や河川、水田などに立ち寄る姿が見られます。また、野山や都市の公園でも、さまざまな鳥が渡りの途中に羽を休めるために立ち寄ります。「世界渡り鳥の日」には、バードウォッチングに行ってみませんか? この日は、世界最大の市民科学プロジェクト「eBird」による世界一斉野鳥カウント「グローバル・ビッグ・デー」にも重なっています。バードウォッチングをしたら、ぜひ、見た鳥をeBirdに投稿してください。

グローバル・ビッグ・デーの詳細はこちら

●日本野鳥の会では「東京港野鳥公園ビッグ・デー」を開催

日本野鳥の会では、「世界渡り鳥の日」にあわせて、フライウェイサイトのひとつである東京港野鳥公園を会場にイベント「東京港野鳥公園ビッグ・デー」を開催します。園内で自由にバードウォッチングし、見た鳥をeBirdに投稿していただくもので、参加者全員に素敵な記念品をプレゼントします。

「世界渡り鳥の日」のイベント情報

世界各地で「世界渡り鳥の日」とその前後で開催されるイベントの情報は、以下のイベントマップで登録、閲覧ができます。

ポスターのダウンロード

世界公式ポスターの日本語版(PNG)は、以下から自由にダウンロードできます。

ポスターのダウンロードはこちら(PNG 8.3MB)

詳細は「世界渡り鳥の日」の公式サイトをご覧ください(外部サイト、英文)

日本野鳥の会 組織概要

組織名:公益財団法人 日本野鳥の会(会員・サポーター 約5万人)
代表者:理事長 遠藤孝一
所在地:〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル
URL:https://www.wbsj.org/

本件に関するお問い合わせ先

(公財)日本野鳥の会
〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23丸和ビル
担当:自然保護室 葉山政治/岡本裕子
電話:03-5436-2633
E-mail:[email protected]


本プレスリリースのPDF版はこちら/648KB]

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