台湾の自然保護団体「自然保育與環境資訊基金會」の皆さんが来訪されました

2025年11月9日、10日に台湾の自然保護団体「自然保育與環境資訊基金會(Trust in Nature Foundation)」の6名のスタッフの皆さんが、日本野鳥の会の事務局とバードショップ、当会レンジャーが常駐する都立東京港野鳥公園に来訪されました。東京港野鳥公園では川島チーフレンジャーが案内し、事務局では、施設運営支援室、自然保護室、普及室、総務室、共生推進企画室の各室長、室長代理がそれぞれの事業について説明をしました。

湿地保全や海洋プラスチック問題への現場知見を紹介

ネイチャーセンターで展示を解説する川島チーフレンジャー
ネイチャーセンターで手作りの展示を解説する川島チーフレンジャー

東京港野鳥公園では、管理運営の仕組みや工夫していること、生態調査の方法や体制、外来種対策の取り組み、生態保全に関する啓発や普及活動等について幅広く質問があり、公園入口からネイチャーセンターまでの道中やネイチャーセンター館内で展示物や施設パンフレットを見てもらいながら回答しました。
気候や環境が違っても湿地の植生管理や外来植物への対策など、海洋プラスチック問題では共通の悩みが多かったようで、熱心にメモされている姿が印象的でした。

また、ボランティアグループが実際に活動している様子を見てもらい、人数や年齢構成、ボランティアの養成について質問がありました。

ネイチャーセンターで展示を解説する川島チーフレンジャー
左から李孟樵さん、李國伊さん、川島チーフレンジャー、徐尉傑さん、王千伃さん、陳立炘さん、鍾豐駿さん

サンクチュアリと保護区、観察マナーや当会のビジョンを紹介

日本野鳥の会の自然保護活動

写真や地図で保護区やサンクチュアリの位置や環境を紹介
写真や地図で保護区やサンクチュアリの位置や環境を紹介

自然保護活動に関しては、当会が運営するサンクチュアリの概念や野鳥保護区との違い、サンクチュアリをつくることになった経緯、地元の人や地方民間組織との協力関係についてなど、運営管理の方法を中心にたくさんの質問があり、施設運営支援室の古南室長と自然保護室の手嶋室長代理が中心に回答しました。ほか、野鳥や植物、昆虫などの密猟対策や生態調査の手法、外来種問題の現状についても話題にあがりました。台湾と日本では環境が違いますが、問題になる点には共通点も多くありました。

また、「これまでに自然保護活動をやっていてよかったと思うことや感動したことを教えてください」という質問には、「レンジャーをやっていた頃、一緒に施設で関わった子どもが大人になって、鳥に関わる仕事をしていることを知ったときは感動しましたね」と手嶋室長代理。レンジャー経験者でもある室長全員が頷く一コマもありました。

野鳥観察のマナーについて

台湾でも繁殖期に野鳥のヒナを拾ってしまうことや、写真撮影時のマナーが問題になっているそうで、野鳥に対するマナーなどの普及教育について、当会の取り組みを紹介しました。

キャンペーンや観察マナーについての説明をする富岡室長
キャンペーンや観察マナーについての説明をする富岡室長

「日本でも巣立ったヒナ鳥を拾ってしまうことがすごく多いです。日本では、“そのままそっとしておいてください”というメッセージを伝えるため、『ヒナを拾わないでキャンペーン』を実施しています。キャンペーンポスターは、学校やペットショップ、獣医さんなどに配布して掲示してもらっています」と普及室・富岡室長。このキャンペーンは30年続いています。

また野鳥の観察マナーについて、台湾で問題視されている状況もうかがいました。当会で作成しているポスターやパンフレットの実物を見てもらいながら、探鳥会の中で野鳥観察マナーの普及をしたり、カメラメーカーのマナー普及の小冊子制作に協力していることを紹介しました。

日本野鳥の会の未来に向けてのビジョン

最後に、日本野鳥の会の未来へのビジョンについて総務室・五十嵐室長、共生推進企画室・景山室長が説明しました。

バードメイトピンバッジや風呂敷などの寄付ツールの紹介をする景山室長
バードメイトピンバッジや風呂敷などの寄付ツールの紹介をする景山室長

理念として野鳥と人がともにある社会を目指しているのが当会の大きな目的です。いま、時代はネイチャーポジティブに向かっているところで、2030年までにこういったことを成し遂げたい、として『ビジョン2030』をつくりました。当会は歴史がある団体ですので『ビジョン2030』に向かって、連綿と活動を積み重ねていくことを目指しています」と話しました。

今回の交流では、台湾の自然保護の状況もうかがうことができ、とても貴重な交流の場となりました。

国境を越えて移動する渡り鳥やその環境を守るためには、自然保護活動にも国際的な連携が必要不可欠です。今後もさまざまな国や団体と連携しながら自然保護活動に取り組んでいきたいと思います。

前列が当会職員、後列が自然保育與環境資訊基金會の皆さん
前列が当会職員、後列が自然保育與環境資訊基金會の皆さん