気づいてほしい、サギたちの命の営み

(写真:掛下 尚一郎)
みなさんは、サギの仲間についてどのくらい知っていますか?サギは川や公園の池などでもよく出会え、体が大きいので見つけやすく、動きもゆったりしているので、観察するにはピッタリの鳥です。ぜひ、今年はサギたちのくらしに注目しながら、野鳥観察を楽しんでみてください。
観察しやすいサギの仲間
一言で「サギ」といっても、多種多様。日本ではなんと19種類ものサギが記録されています。幼鳥と成鳥で羽色が変わるサギもいれば、恋の季節になるとおめかしをするサギもいます。見られる時期もいろいろで、一年中見ることができるサギもいれば、春になると渡ってくるサギもいます。それぞれの特徴を知ると見つけやすくなり、観察がもっと楽しくなります。
まずは、私たちの身近なところでくらしている大きなサギに注目してみましょう。
まず手はじめに!
日本一大きなサギ!「アオサギ」
日本全国で見ることができ、全長約95cm、両翼を広げると160cmほどにもなる大きな鳥です。
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成鳥/ブルーグレーの羽と後頭から生える黒い冠羽が特徴(写真:pixta)
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幼鳥/体は大きいけれど、全体的にグレーの羽で冠羽がない(写真:掛下 尚一郎)

首を曲げて飛ぶ(写真:掛下 尚一郎)
シラサギという名のサギはいない!
「シラサギ(白鷺)」という言葉を聞くことがあると思いますが、シラサギという種名のサギはいません。シラサギとは全身が白いサギ類の総称で、ダイサギ、チュウサギ、コサギなどがいます。

(撮影:都立東京港野鳥公園)
大きさの比較


シラサギの中で最大!「ダイサギ」
本州から九州では一年中見ることができ、ゆっくり歩く

春に渡来する「チュウサギ」
ダイサギとコサギの中間くらいの大きさで、本州から九州ではおもに春に渡来。ダイサギやコサギに比べて草地を好む

黄色い足先がかわいい「コサギ」
チュウサギより小さく、本州から九州では一年中見ることができる。獲物を捕まえるために水辺でちょこちょこ動き回る
ダイサギとチュウサギの見分け方を知りたい!と思ったら、以下の図解を参考にじっくり観察してみてください。
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見つけられるとうれしいサギの仲間
「サギは首が長くて大きな鳥」と思われがちですが、実は首の短いサギや、小型のサギもいます。
ペンギンみたいな「ゴイサギ」
カラスくらいの大きさで、アオサギやダイサギほど首は長くありません。関東以南では一年中、東北以北では夏に見ることができます。昼間は草や木の茂みで休んでいることが多く、夕方から活動しはじめます。幼鳥と成鳥で見た目が大きく変わるおもしろい鳥でもあります。

成鳥/茂みの中を探すときは黄色の足を探すのがポイント(写真:井上瑞穂)

幼鳥/黒褐色の全身に星をちりばめたような白斑があることから「ホシゴイ」と呼ばれている(写真:井上瑞穂)
ミョウガの妖精!?「ヨシゴイ」
日本で最も小さいサギで、夏に九州以北の水田や河川、湖沼に渡来します。ヨシの茂みの中にいることが多く見つけにくいですが、葉の上を歩いたり、つかまる姿はユニークです。ネット上では、その姿がミョウガに似ていることから「ミョウガの妖精」などと言われています。

オス/額から後頭にかけて黒い(写真:pixta)

メス/首から胸にかけてしま模様がある(写真:pixta)
おめかしするサギたち
一部のサギたちは、恋の季節(繁殖期)になると華やかな姿になります。これはパートナーとして自分を選んでもらうためのアピールだと言われています。くちばしや目先、足の一部などが一時的に鮮やかな色に変わっている姿を見つけたら、恋の成就をあたたかく見守ってあげてください。
アオサギ

(撮影:東京港野鳥公園)
- 婚姻色※の時期:2月~3月(個体差あり、5月頃まで見られる場合もある)
- 目先やくちばし、足がピンク色になり、冠羽や背中、胸の飾り羽が発達
ダイサギ

(写真:pixta)

(写真:奴賀 俊光)
- 婚姻色の時期:4月上~中旬
- 背にレースのような飾り羽が現れ、目先が青緑色、目も赤色になる
チュウサギ

(撮影:都立東京港野鳥公園)

(写真:奴賀 俊光)
- 婚姻色の時期:4月中~5月上旬
- 背と胸に飾り羽が現れ、目先が黄色、目が赤色になる
コサギ

(写真:pixta)

(写真:奴賀 俊光)
- 婚姻色の時期:4月上~中旬
- 2本の長い冠羽が伸び、背に飾り羽が現れ、目先と足先がピンク色になる
アマサギ

(写真:pixta)
- 婚姻色の時期:5月~6月
- 頭部から首、背にかけてオレンジ色の飾り羽が現れ、くちばしは濃いピンク色、目先は赤紫色、目も赤色になる
※婚姻色とは:繁殖期特有の体の色のこと。魚類や両生類・爬虫類のほか、一部の鳥類に見られます。
何をしているの?-サギのひみつ
サギは生きていくために、エサを捕るだけでなく、いろいろな工夫をして命を守っています。
こんな姿に出会えるのも、サギの観察が楽しい理由の1つです。

(写真:瀬古 智貫)
- アオサギの日光浴
- このユニークなポーズは日光浴をしていると言われています。日光を浴びて体を温めたり、濡れた羽を乾燥させたり、寄生虫対策のためだと考えられています。

(写真:井上 瑞穂)
- ヨシゴイの擬態
- ヨシゴイは自分の身に危険が迫ると、くちばしを上に向け、首を伸ばしてじっと動かなくなります。葉や茎に擬態して身を守っています。

サギたちが教えてくれること
私たちの暮らしの近くで命をつないでいるサギの仲間たち。関心を寄せて観察してみると、実はいろいろな種類のサギがいて、季節や成長の過程で変化していることに気づきます。
身近にある自然の変化に気づき、そこに息づく命の営みを知ること――それは、人と自然が共生する未来を創るための第一歩です。
※バードメイト寄付について
バードメイトは、自然を守る活動に楽しく参加していただく寄付のしくみです。毎年、「今年の野鳥」を選んでピンバッジを作り、プレゼントしています。シールもあり、2026年度の野鳥は「アオサギ」です。
皆さまのご寄付は、身近な野鳥たちの調査研究、野鳥と自然の大切さを伝える普及啓発活動、タンチョウやシマフクロウなど絶滅危惧種の野鳥たちの保護活動など、自然を守るさまざまな活動の資金になります。

やってみよう!サギ検定試験(公開準備中)









