JP021 阿寒・屈斜路(あかん・くっしゃろ)

北海道:釧路市、弟子屈町、標茶町、中標津町、清里町、小清水町、白糠町、足寄町、陸別町、鶴居村、大空町、美幌町、津別町

北海道:釧路市、弟子屈町、標茶町、中標津町、清里町、小清水町、白糠町、足寄町、陸別町、鶴居村、大空町、美幌町、津別町

位置 N 43°28′ E 144°10′
面積 142,000ha

環境構成【開放水面/湿地帯/樹林/河川】

馬越尚夫
写真:馬越尚夫

阿寒湖及びその周辺の森林地域は、火山活動で形成された阿寒カルデラ(長径24km、短径13km)が基盤になっている。 阿寒湖の面積は、約13.0k㎡。阿寒地域に点在するカルデラ起因の湖のひとつ。湖岸には、雄阿寒岳の噴出物が直接流入している東側以外は、ヨシが生育している。湖底の一角には、世界的に珍しい球状マリモの群落もある。10数本の河川が流入し、年間通して安定した量の水が湖に流れ込んでいる。例年、正月前後に湖は全面結氷する。
湖の周囲は、亜寒帯性の針葉樹エゾマツ・トドマツと落葉広葉樹のカツラ・シナノキなどが混生する針広混交林の豊かな森に覆われている。この森は、一部原生林だが、その多くが、復元された二次林で構成されている。開放水面:カルデラ湖沼群(阿寒湖、ペンケトー、パンケトー、太郎湖、次郎湖、ヒョウタン沼、オンネトーなど、合計約16.44 k㎡)
屈斜路湖、摩周湖およびその周辺森林地域は、屈斜路カルデラ(長径26km、短径3km)が基盤となっている。屈斜路湖の面積は79.3k㎡、平均水深は28.4mで流入河川が数本あり流出河川は釧路川である。湖畔は主に砂地であり、周囲にわずかな淡水湿地はあるものの、大面積の湿地は存在しない。摩周湖は9.2k㎡、平均水深は137.5mで最水深は211.4m、流入河川および流出河川はなく、水は地下水となりカルデラ周囲地域の湧き水になっていると考えられている。屈斜路湖は厳冬期遅くに凍結するが、砂湯、和琴等地熱の高い場所は一部凍結を免れる。摩周湖は凍結しにくく、年によっては凍結しないこともある。
カルデラ内の陸地は一部農耕地となっているが、大半はミズナラ、ハルニレ、イタヤカエデ、シラカンバ等からなる落葉広葉樹の自然林および二次林となっている。またトドマツ、カツラ、イタヤカエデ等からなる針広混交林もあり、トドマツやカラマツの人工林もある。標高の高い場所はダケカンバ-クマイザサ群落である。火山性の特徴的な植生として、火山性土壌の強い場所ではアカエゾマツの純林やハイマツ-イソツツジの群落となっているほか、カルデラ中央の硫黄山では植生を欠く岩礫地もある。

選定理由

A1 オオワシ
A3 シマフクロウ・タンチョウ

保護指定

サイトの全域(90%以上)に法的な担保がある
<保護指定の内容>
都道府県指定鳥獣保護区(雌阿寒、屈斜路、屈斜路湖)、国立公園(阿寒摩周)、自然環境保全地域、保護林、
<その他>
ラムサール条約湿地

保全への脅威

  • シカ猟の鉛銃弾に由来する猛禽類の鉛中毒(オオワシ、オジロワシ、クマタカで記録されている)。20年前より発生し、順次規制がかけられ減少傾向にあるが、現在でも根絶されていない。
  • 外来種アメリカミンクの増加による、水鳥の繁殖への影響
  • 外来種ウチダザリガニの増加
  • 釣り人(主にフライフィッシング、ルアーフィッシングによる立ち込み、また船釣り)による、水鳥の生息場所及びオジロワシの採餌場所の撹乱(屈斜路湖)
  • 給餌の影響。屈斜路湖では、オオハクチョウへの餌付けにより、自然の餌で越冬できる以上の個体数(約300羽)が越冬している。また給餌の量も、鳥インフルエンザの影響等で不定である。
  • シカの増加により、林床植物の被食圧が高まり、また高木においても樹皮食いのために枯死するなど、植生の変化が激しい。

保全活動

  • 環境管理:
    内容:ごみ拾い(摩周屈斜路パークボランティア)
    絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律に基づく保護増殖事業の一環として、シマフクロウの巣箱の設置、餌資源量調査、傷病個体の保護等を実施
    (釧路自然環境事務所野生生物課)
    山林管理、植樹活動、エゾシカの樹皮はぎ防止対策(前田一歩園財団)
    マリモ生息地の監視、打ち上げられたマリモの返還(阿寒町マリモ研究室、阿寒湖マリモ保護会)
  • 外来種のコントロール:
    内容:ミンクの駆除(環境省)
    オオハンゴンソウの駆除(摩周屈斜路パークボランティア)
    シカの捕獲(前田一歩園財団)
  • 環境教育活動:
    内容:阿寒エコミュージアムセンター運営(環境省)
    川湯エコミュージアムセンター運営(環境省)
    探鳥会(摩周屈斜路パークボランティア)
    子供への普及教育活動(前田一歩園財団)
    講演・セミナー等の人材育成活動(前田一歩園財団)
    マリモとマリモをとり巻く阿寒の自然に関する普及啓発活動(釧路市マリモ研究室、阿寒湖マリモ保護会)
  • モニタリング調査:
    内容:鳥類バンディング調査(山階鳥類研究所協力調査員)
    オジロワシ・オオワシ一斉調査(合同調査グループ)
    越冬期水鳥モニタリング調査(北海道)
    全国鳥類繁殖分布調査(バードリサーチ)
    モニタリングサイト1000(環境省)
    阿寒地域の自然史、野生生物の保護管理、森林管理などに関する調査研究(前田一歩園財団)
    マリモをはじめとした阿寒湖の水生生物に関する調査研究(釧路市マリモ研究室、阿寒湖マリモ保護会)
  • 経済活動を通じた保全(エコツーリズム等):
    内容:観察会・自然ガイド(ツーリズム弟子屈、阿寒観光協会))
  • その他:
    自然環境の保全と適正利用に関する活動をする団体への助成事業(前田一歩園財団)

※サイト情報の詳細版はこちら(PDF 493KB)

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JP020 十勝海岸湖沼群(とかちかいがんこしょうぐん)

北海道:豊頃町、大樹町

北海道:豊頃町、大樹町

位置 N 42°34′ E 143°30
面積 5,300ha

環境構成【潟湖/淡水性湿地】

千嶋淳
写真:千嶋淳

十勝海岸には海跡湖(汽水)の湧洞沼(349ha)、長節湖(137ha)、生花苗沼(175ha)、ホロカヤントウ沼(60ha)、内陸約5kmにキモントウ沼(46ha)の5箇所の湖沼が存在し、南方に位置する当縁湿原を含めて、周辺部は沼沢湿原と低層湿原となっている。 湿原部の主要植生はヨシ-イワノガリヤス群落、ヤチヤナギ-ムジナスゲ群落、ヤラメスゲ群落、ハンノキ林であり、湖沼ではフトイ群落、マコモ群落、ミツガシワ群落のほかエゾノミズタデ、ヒシ、タヌキモ、コウホネ、ジュンサイなどの水生植物群落が分布。
水生動物では汽水湖にはワカサギ、ヤマトシジミなどが生息している。

選定理由

A1 タンチョウ
A3 タンチョウ
A4i マガン

保護指定

サイトの一部(10~49%)に法的な担保がある。
<保護指定の内容>
都道府県指定鳥獣保護区(湧洞、ホロヤカントウ)
<その他>
町指定天然記念物湧洞湖畔野生植物群落

保全への脅威

  • 湧洞沼におけるプレジャーボートの水面への進入
  • 生花苗沼における狩猟

保全活動

  • 環境教育活動:実施者(日本野鳥の会十勝支部、十勝夢ツーリズム協会)
    内容:観察会(不定期)
  • モニタリング調査:実施者(環境省、山階鳥類研究所、タンチョウ保護調査連合)
    内容:タンチョウ標識調査

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JP019 十勝川下流域(とかちがわかりゅういき)

北海道:浦幌町、豊頃町、池田町

北海道:浦幌町、豊頃町、池田町

位置 N 42°47′ E 143°33′
面積 10,000ha

環境構成【河川/淡水性湿地】

千嶋淳
写真:千嶋淳

十勝川河口から上流約40km区間の十勝川下流域は、昭和20年頃までに行われた河川改修工事により、直線化した十勝川と改修に伴って活用可能となった農耕地、そしてかつて大湿地であった名残の河跡湖などの湿地で構成されている。河口から30km付近の利別川との合流点付近までは浅瀬が少ないゆったりと流れる水路であり、それより上流は瀬や淵がある水路となっている。高水敷は主にヤナギ類による樹林、オオヨモギやクサヨシからなる草地、牧草地からなっている。

選定理由

A1 タンチョウ
A3 タンチョウ
A4i ヒシクイ

保護指定

法的な担保がない、もしくはわずか(10パーセント未満)である
<その他>
道指定天然記念物大津海岸長節湖畔植物群落

保全への脅威

  • ガン類やタンチョウの農耕地への飛来に対する農業生産者からの反発
  • 治水事業に伴う湿地の乾燥化

保全活動

  • 環境教育活動:実施者(日本野鳥の会十勝支部、浦幌野鳥倶楽部)
    内容:探鳥会
  • モニタリング調査:
    内容:タンチョウバンディング(環境省、タンチョウ保護調査連合)
    治水事業に伴う自然環境調査(北海道開発局帯広開発建設部)
  • 経済活動を通じた保全(エコツーリズム等):実施者(日本野鳥の会十勝支部、十勝夢ツーリズム協会)
    内容:十勝川下流エコツアー

※サイト情報の詳細版はこちら(PDF 526KB)

JP018 釧路湿原(くしろしつげん)

北海道:釧路市、釧路町、標茶町、鶴居町

北海道:釧路市、釧路町、標茶町、鶴居町

位置 N 43°07′ E 144°25′
面積 約33,000ha

環境構成【開放水面/湿生草原/樹林/農耕地】

西岡秀観
写真:西岡秀観

釧路湿原は、面積約18,000haの日本最大の湿原で、主にヨシ・スゲ類の低層湿原とその周囲のハンノキ林で形成されている。集水域となる湿原周辺の丘陵地には、ミズナラ、シラカンバなどの二次林が広がっている。タンチョウにとって、湿原そのものは営巣地として、また周辺域の牧草地帯は越冬地として、いずれも最大規模となっている。近年、湿原そのものや集水域に対する開発行為により、面積の減少および植生の急速な変化が問題になっている。

選定理由

A4i タンチョウ
A3 タンチョウ

保護指定

サイトの全域(90%以上)に法的な担保がある
<保護指定の内容>
国指定鳥獣保護区(釧路湿原)、国立公園(釧路湿原)、自然環境保全地域
<その他>
ラムサール条約湿地、東アジア・オーストラリア地域フライウェイパートナーシップ参加地、国指定天然記念物釧路湿原

保全への脅威

  • 太陽光発電所の建設が、湿原を含む周辺の原野で急速に拡大している。
  • アメリカミンクが定住しており、河川沿いおよび湿原域で鳥類への脅威となっている可能性がある
  • シカの生息数増加により、湿原周辺山林の裸地化した斜面からの土砂流入、および湿原内への侵入による植生踏付けと特定の植物の摂食により、鳥類が間接的に影響を受ける可能性がある
  • 集水域の開発行為による環境悪化

保全活動

  • 環境管理:実施者(北海道開発局)
    内容:釧路湿原自然再生事業の一環として、釧路湿原北部の茅沼地区で釧路川の
    直線化部分1.6kmを蛇行した旧河川2.4kmに復元し、湿原植生や魚類の生息環境を復元した(2007~2011年)。現在は効果のモニタリング中。
    タンチョウ営巣地の買取・管理、自然採食地の管理((公財)日本野鳥の会)
    周辺民有地の購入、購入したトラスト地の植林(トラストサルン釧路)
    ハンノキの伐採(環境省、国交省、市民団体)
    給餌場の管理、ねぐらの整備巡回監視(鶴居村)
  • 外来種のコントロール:実施者(釧路湿原ボランティアレンジャーの会)
    内容:特定外来種のウチダザリガニの駆除調査として温根内地区周辺でカゴや網に
    よる捕獲を5回実施し1,100匹以上を駆除した(2013年度)
  • 環境教育活動:実施者(タンチョウコミュニティ 他)
    内容:地域の子供や女性団体と協力農家の畑を借りてタンチョウの餌となるデント
    コーンを栽培・収穫、実ほぐしまで行い給餌人に寄贈する。この他釧路湿原自然再
    生普及活動として53組の団体・企業・個人により77件の活動が行われ、延べ8
    千人以上が釧路湿原に親しむ、知る活動に参加した(2013年度)
  • モニタリング調査:実施者(開発局)
    内容:釧路湿原北部の茅沼地区で行われた釧路川の蛇行復元事業地でヨシ・スゲ
    群落の回復やハンノキ林の推移を把握する調査を継続中(2012年度~)。
    タンチョウの営巣状況モニタリング調査((公財)日本野鳥の会)
  • 経済活動を通じた保全(エコツーリズム等):実施者(鶴居村振興公社 他)
    内容:どさんこ(北海道産和種馬)による国立公園内でのホーストレッキングが
    行われている。この他、各種団体・個人ガイドによりカヌーやバードウォッチング、植物観察等の様々な有料ツアーが行われている。

※サイト情報の詳細版はこちら(PDF 450KB)

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JP017 大黒島(だいこくじま)

北海道:厚岸町

北海道:厚岸町

位置 N 42°57′ E 144°52′
面積 107ha

環境構成【島嶼/草地】

大黒島は、厚岸町の沖約3kmに浮かぶ、周囲約6.1km、面積1.1k㎡の無人島。昭和26年、島の南西部約12ha(全島面積約の11%)が、海鳥の繁殖地として国の天然記念物に、また同39年に道立自然公園として、さらに同41年より全島が鳥獣保護区特別保護地区に指定されている。 全島が海鳥繁殖地となっており、コシジロウミツバメ、オオセグロカモメ、ウミウ、ウトウが多数繁殖する。特に、コシジロウミツバメは数十万羽が繁殖し、国内で唯一の大規模繁殖地となっている。かつては、ケイマフリ、エトピリカが少数繁殖していたが、現在はごく稀に観察されるのみである。

選定理由

A4i コシジロウミツバメ・オオセグロカモメ
A4ii コシジロウミツバメ・オオセグロカモメ
A4iii コシジロウミツバメ

保護指定

サイトの全域(90%以上)に法的な担保がある
<保護指定の内容>
国指定鳥獣保護区(大黒島)、都道府県立自然公園(厚岸道立自然公園)、自然環境保全地域
<その他>
国指定天然記念物大黒島海鳥繁殖地

保全への脅威

  • 情報なし

保全活動

  • モニタリング調査:
    内容:モニタリングサイト1000(海鳥調査)

※サイト情報の詳細版はこちら(PDF 313KB)
※大黒島の周辺海域は、マリーンIBA(Marine Important Bird and Biodiversity Areas:海鳥の重要生息地)に選定されている。 詳しくはこちら

JP016 厚岸湖・別寒辺牛湿原(あっけしこ・べかんべうししつげん)

北海道:厚岸町、標茶町

北海道:厚岸町、標茶町

位置 N 43°05′ E 144°53′
面積 20,000ha

環境構成【潟湖/河川/淡水性湿地】

汽水湖である厚岸湖、厚岸湖に流入する別寒辺牛川周辺のヨシ・スゲを中心とする低層湿原。中央部は部分的に高層湿原。海岸沿いには塩性湿地が発達する。 湿原内ではタンチョウが繁殖。厚岸湖は全面凍結しないため、オオハクチョウの国内最大級の越冬地となっている。

選定理由

A1 タンチョウ・オオワシ
A4i オオハクチョウ

保護指定

サイトの全域(90%以上)に法的な担保がある
<保護指定の内容>
国指定鳥獣保護区(厚岸・別寒辺牛・霧多布)、都道府県指定鳥獣保護区(厚岸)、都道府県立自然公園(厚岸道立自然公園)、自然環境保全地域、保護林
<その他>
ラムサール条約湿地、東アジア・オーストラリア地域フライウェイパートナーシップ参加地

保全への脅威

  • 湿原の乾燥化

保全活動

  • 野鳥保護区の設置(早瀬野鳥保護区別寒辺牛湿原、渡邊野鳥保護区大別川)
    ((公財)日本野鳥の会)

※サイト情報の詳細版はこちら(PDF 254KB)

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JP015 霧多布湿原・琵琶瀬湾(きりたっぷしつげん・びわせわん)

北海道:浜中町

北海道:浜中町

位置 N 43°04′ E 145°04′
面積 9,300ha

環境構成【潟湖/干潟/淡水性湿地/高層湿原/中間湿原/低層湿原/河川/湖沼/塩性湿地/岩礁】

河内直子
写真:河内直子

霧多布湿原は北海道東部太平洋岸に点在する湿地群の中で釧路湿原に次ぐ広さを持つ約3,168haの泥炭湿原である。中心部には高層湿原が広がり国の天然記念物に指定されている。また湿原の背後には約4kmの幅で森林が帯状に残され防霧保安林となっている。「花の湿原」と称されワタスゲ、エゾカンゾウ、ヒオウギアヤメ、ノハナショウブなどが群生する。特別天然記念物タンチョウの営巣地としても知られており隣接する火散布沼(ひちりっぷぬま)藻散布沼(もちりっぷぬま)とともにラムサール条約の登録地となっている。 霧多布湿原は太平洋の浜中湾、琵琶瀬湾に面しており琵琶瀬湾には湯沸島(とうふつしま)、嶮暮帰島(けんぼっきしま)、小島が点在している。湯沸島は橋でつながり人が居住しているが残る二つの島は無人島となっており、海鳥の集団営巣地がある。小島は国内でも珍しいエトピリカの集団営巣地であり、嶮暮帰島はコシジロウミツバメの大規模集団営巣地が確認されている。

選定理由

A1 タンチョウ・オオワシ
A3 タンチョウ・オオワシ

保護指定

サイトの全域(90%以上)に法的な担保がある
<保護指定の内容>
国指定鳥獣保護区特別保護地区(厚岸・別寒辺牛・霧多布)、都道府県立自然公園(厚岸道立自然公園)、自然環境保全地域
<その他>
ラムサール条約湿地、東アジア・オーストラリア地域フライウェイパートナーシップ参加地、国指定天然記念物霧多布泥炭形成植物群落

保全への脅威

  • 500年に一度の津波が、3000年前から周期的に霧多布湿原全域に訪れている。
  • 津波対策によって、道の拡幅や避難タワーの建設案などがあり、場合によっては影響が考えられる。

保全活動

  • 環境管理:実施者(NPO法人霧多布湿原ナショナルトラスト)
    内容:民有地の買い取り、湿原の復元
    上記団体以外:NPO法人エトピリカ基金:海鳥の啓もう活動や調査活動
  • 外来種のコントロール:実施者(浜中町)
    内容:オオハンゴンソウの駆除
  • 環境教育活動:実施者( NPO法人霧多布湿原ナショナルトラスト)
    内容:地元小学校~高校生への教育活動を実施
    霧多布湿原センターの運営
  • 保全のための人材育成活動:実施者(NPO法人霧多布湿原ナショナルトラスト)
    内容:職員を雇用し人材育成と実践を行っている。ボランティアによる環境保全
    活動や人材育成を行っている。
  • 法律制定、政策、規制:実施者(文科省、浜中町教育委員会)
    内容:霧多布湿原中央部を天然記念物エリアとして指定し、保全を行っている。
  • モニタリング調査:
    内容:町内の野鳥愛好家などが定期的に観察を行っている。
  • 経済活動を通じた保全(エコツーリズム等):実施者(NPO法人霧多布湿湿原ナショナルトラスト)
    内容:ナショナルトラスト保全地を活用したエコツアーの開催を行っている。

※サイト情報の詳細版はこちら(PDF 400KB)

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JP014 ユルリ・モユルリ島(ゆるり・もゆるりとう)

北海道:根室市

北海道:根室市

位置 N 43°13′ E 145°36′
面積 200ha

環境構成【島嶼/草地】

川崎慎二
写真:川崎慎二

ユルリ島は馬が放牧されているためササ類が繁茂せず、中央部は高層湿原となり、周縁部は海洋性・高山性の植物が生育し、植物も300種が生育しており、北海道自然環境保全地域にも指定されている。ただし、近年種馬(雄)を入れておらず、放牧馬は減少の一途にある。そのため,ササ類等の植生への変化も著しい。モユルリ島は大型草食獣がいないため、ササに覆われている。両島とも一般人の立ち入りは規制されているが、個体数の減少が危惧されている海鳥の繁殖が確認されているため、周辺環境の保全が必要とされている。繁殖する海鳥類は北方系の代表的な種類で、主な鳥は、エトピリカ、ウトウ、ケイマフリ、ウミネコ、オオセグロカモメなど。

選定理由

A4i ウトウ・オオセグロカモメ
A4ii ウトウ・オオセグロカモメ

保護指定

サイトの一部(10~49%)に法的な担保がある。
<保護指定の内容>
国指定鳥獣保護区特別保護地区(ユルリ・モユルリ)
<その他>
道指定天然記念物ユルリ・モユルリ島海鳥繁殖地

保全への脅威

  • 地球温暖化の影響(エトピリカの南限繁殖地であるため)
  • 近接海域での洋上風力発電の計画
  • アマチュアカメラマンのチャーター船の繁殖地への接近
  • オジロワシによるオオセグロカモメの捕食及び撹乱が観察され、それが主要要因と考えられる繁殖数の激減がみられる。(同じ影響が、ウミネコ等の他の海鳥類に関しても懸念される)

保全活動

  • 外来種のコントロール:実施者(環境省釧路自然環境事務所)
    内容:ドブネズミの駆除(国指定ユルリ・モユルリ鳥獣保護区保全事業)
  • モニタリング調査: 内容:モニタリングサイト1000(環境省生物多様性センター:受託者山階鳥類研究所)
    エトピリカ保護増殖事業に係るモニタリング(環境省釧路自然環境事務所)
    ゼニガタアザラシセンサス(帯広畜産大学ゼニガタアザラシ研究グループ等)
  • その他:地域住民への保全・研究成果報告会の開催 実施者(環境省釧路自然環境事務所(主催),根室市教育委員会(共催))
    内容:「ユルリ島モユルリ島の保全・研究成果報告会」
    落石漁業協同組合等の地域住民へのモニタリング活動の成果還元
    特にドブネズミ駆除効果を中心に意見交換

※サイト情報の詳細版はこちら(PDF 546KB)
※ユルリ・モユルリ島の周辺海域は、マリーンIBA(Marine Important Bird and Biodiversity Areas:海鳥の重要生息地)に選定されている。 詳しくはこちら

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JP013 トモシリ・チトモシリ島(ともしり・ちともしりじま)

北海道:根室市

北海道:根室市

位置 N 43°18′ E 145°41′
面積 9ha

環境構成【島嶼/草地】

青木則幸
写真:青木則幸

トモシリ島は標高11.8m、海岸はハマニンニクが主体の草原、斜面および段丘はエゾノシシウド、オオハナウド主体の草原。2006年9月10日に植生調査で行った人の話では、南の端にカモメ類の繁殖巣が一つあったのみ。他の鳥の繁殖跡はなし。チトモシリ島では、トモシリ島北岸から見た限りでは南岸の裸地があるが、詳細は不明。

選定理由

A4i オオセグロカモメ

保護指定

法的な担保がない、もしくはわずか(10パーセント未満)である

保全への脅威

  • ドブネズミ、二ホンイタチの侵入。オジロワシによる捕食。
  • 津波による漂着物による、海鳥類の羅網死

保全活動

  • モニタリング調査:実施者(NPO法人エトピリカ基金)
    内容:3年に一度コドラート調査を実施

※サイト情報の詳細版はこちら(PDF 445KB)
※トモシリ・チトモシリ島の周辺海域は、マリーンIBA(Marine Important Bird and Biodiversity Areas:海鳥の重要生息地)に選定されている。 詳しくはこちら

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JP012 風蓮湖・温根沼(ふうれんこ・おんねとう)

北海道:根室市、野付郡別海町、厚岸郡浜中町

北海道:根室市、野付郡別海町、厚岸郡浜中町

位置 N 43°18′ E 145°21′
面積 25,000ha

環境構成【開放水面/塩性湿地/干潟/樹林】

川崎慎二
写真:川崎慎二

開放水面 風蓮湖 5,750ha 温根沼 568ha 風蓮湖周辺は、根室湾の沿岸流によって湾の一部が閉鎖されてできた閉鎖湖である風蓮湖や温根沼の周辺に発達する低地と、それを取り巻く台地および段丘地の2つの地形区に大別される。風蓮湖を中心とする沖積低地は、海岸部では砂礫、河川地域では泥炭によっておおわれている。植生は、河川地域と湖岸沿いに広がる低層湿原・中間湿原・高層湿原・海岸沿いに分布する塩性湿地群落および海岸砂丘上に成立する自然草原のほか、針葉樹林、針広混交林、広葉樹林などの森林を加え、湖内の水生植物群落などを含めて、良好な自然環境を形成している。

選定理由

A1 タンチョウ・オオワシ
A3 タンチョウ・オオワシ
A4i オオハクチョウ・ヒシクイ・コクガン・ヒドリガモ・スズガモ・ホオジロガモ・タンチョウ・キョウジョシギ・トウネン・キアシシギ

保護指定

サイトの全域(90%以上)に法的な担保がある
<保護指定の内容>
国指定鳥獣保護区特別保護地区(風蓮湖)、都道府県指定鳥獣保護区(温根沼)、都道府県立自然公園(野付・風蓮道立自然公園)、自然環境保全地域、保護林
<その他>
ラムサール条約湿地、東アジア・オーストラリア地域フライウェイパートナーシップ参加地

保全への脅威

  • 温根沼周辺における高規格道路建設計画
  • 地盤沈下
  • 2006年の低気圧の風倒木による林内環境変化の植生への影響
  • 近年相次ぐ高潮による草原環境変化の植生への影響
  • エゾシカの増加による、ハマナス・オオシバナ、樹皮剥ぎ等の食害。湿地の荒廃。マダニの増加。要注意外来生物オニハマダイコンの流入。

保全活動

  • 環境管理:実施者((公財)日本野鳥の会 以下すべて根室市からの委託 )
    内容:森林、春国岱の海側石堤の定点調査
  • 外来種のコントロール:実施者((公財)日本野鳥の会・市民団体根室市ワイズユースの会ほか)
    内容:年2~3回、共同で春国岱のオニハマダイコン除去作業
  • 環境教育活動:実施者((公財)日本野鳥の会)
    内容:探鳥会(5.11.2月)、小中高校の環境普及教育、外部からの講師を招いた自然
    や生きものに関する講演会など
  • 保全のための人材育成活動:実施者((公財)日本野鳥の会)
    内容:ボランティア育成行事年1回主催、ボランティアグループ「スンク」の活動
    サポート・事務局
  • 法律制定、政策、規制:実施者( 根室市・北海道 )
    内容:春国岱森林調査の許可は根室市、春国岱車馬の利用許可は北海道が行っている
  • モニタリング調査:実施者((公財) 日本野鳥の会 コクガンネットワーク<コクガンのみ> )
    内容:
    ワシ類飛来数調査(4回/年)・オオハクチョウカウント調査(6回/年)
    シギチドリ類カウント調査(4回/年)・タンチョウ繁殖状況調査(3回/年)
    春国岱鳥類ラインセンサス調査(8回/年)ほかコクガン調査3回
  • 経済活動を通じた保全(エコツーリズム等):実施者(根室市・根室市観光協会)
    内容:ねむろバードランドフェスティバル開催(3日間)

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