JP011 野付・尾岱沼(のつけ・おだいとう)
北海道:標津町、別海町
| 位置 | N 43°35′ E 145°16′ |
| 面積 | 8,300ha |
環境構成【開放水面/湿生草原/森林/海岸砂浜/干潟ほか】

写真:島田季枝
開放水面(野付湾の総面積)4,800ha、砂泥質の塩性湿地植生、ハマニンニク群落に代表される海岸砂浜植生、海岸砂丘植生、森林、湖沼、干潟、ミズゴケ湿原、泥炭地植生。
野付半島は海流によって運ばれた土砂が浅い海底に堆積して形成された日本最大の砂嘴である。半島の大部分は海岸砂浜草原と塩性湿地から成り、その他森林や淡水湖沼など多様な植生を形成している。
半島に囲まれた浅い野付湾にはアマモなどの水生植物が繁茂し、ガンカモ類、シギ・チドリ類などの水辺の鳥、またシマエビの生育にも大変重要な環境になっている。近年、砂浜の浸食や海岸保全工事、踏みつけに伴う海岸植生の変化や外来植物の侵入が懸念される。
選定理由
| A1 | タンチョウ・オオワシ |
| A3 | タンチョウ・オオワシ |
| A4i | オオハクチョウ・ヒシクイ・コクガン・ヒドリガモ・スズガモ・ホオジロガモ・キョウジョシギ・キアシシギ |
保護指定
サイトの全域(90%以上)に法的な担保がある
<保護指定の内容>
国指定鳥獣保護区(野付半島・野付湾)、都道府県立自然公園(野付・風蓮道立自然公園)、自然環境保全地域、保護林
<その他>
ラムサール条約湿地、東アジア・オーストラリア地域フライウェイパートナーシップ参加地
保全への脅威
- 地盤沈降に伴う砂浜の浸食による海岸植生の変化(著しい海岸浸食)
- 海岸保全工事のための土砂運搬による植生の変化
- 地盤沈降に伴う通行屋遺跡群の水没化
- エゾシカによる食害(エゾカンゾウ、ガンコウランなど)
- ガンコウランの食害による天然記念物カラフトルリシジミの生息数減少の懸念
- セイヨウオオマルハナバチの侵入による、希少種で在来種のノサップマルハナバチとの置き換わり
- セイヨウタンポポの侵入による、在来種のシコタンタンポポとの交雑
保全活動
- 外来植物の除去(別海町ボランティア協議会)
- ゴミ拾い(野付中学校、標津高校、町内の小学校)
- 定例観察会(野付半島ネイチャークラブ)
- セイヨウオオマルハナバチの監視、駆除(外来生物プロジェクト)
- カウント調査(コクガン、ゴマフアザラシ)(野付半島ネイチャーセンター)
※サイト情報の詳細版はこちら(PDF 326KB)
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JP010 知床半島・斜里岳(しれとこはんとう・しゃりだけ)
北海道:斜里町、清里町、羅臼町、標津町、中標津町
| 位置 | N 43°59′ E 145°01′ |
| 面積 | 123,000ha |
環境構成【海洋/断崖/草原/森林/河川/湖沼】

写真:藤川友敬
知床半島は、オホーツク海に突出した長さ約70km、基部の幅約25kmの細長い半島である。半島中軸には標高1,660mの羅臼岳をはじめ、硫黄山、遠音別岳、海別岳などが連なり、山麓の針広混交林帯からダケカンバ帯を経て高山のハイマツ帯まで連続した原生的環境が残されている。海岸部は断崖や岩場が続き、ウミウやケイマフリ、カモメ類の営巣地となっている。海岸断崖上部の森林にはオジロワシが営巣し、冬期は多数のオオワシが渡来して越冬する。森林内を流れる渓流にはオショロコマなどの淡水魚類が高密度で生息し、これら魚類を餌とするシマフクロウが繁殖している。半島基部には標高1,547mの斜里岳があり、知床火山群と屈斜路・阿寒火山群とを結んでいる。標高1,000m付近からはハイマツ帯となり、多くの高山植物が自生する。羅臼岳・遠音別岳・斜里岳のハイマツ帯にはオオムシクイが繁殖しており、国内で繁殖が確認されているのはこの山系だけである。
選定理由
| A1 | オオワシ・シマフクロウ |
| A3 | オオワシ・シマフクロウ |
| A4i | ウミウ・オオセグロカモメ |
保護指定
サイトの全域(90%以上)に法的な担保がある
<保護指定の内容>
国指定鳥獣保護区(知床)、国立公園(知床)、都道府県立自然公園(斜里岳道立自然公園)、自然環境保全地域、保護林
<その他>
世界自然遺産登録地
保全への脅威
- エゾシカ狩猟による鉛中毒(オオワシ・オジロワシ)
- 希少動物の交通事故・感電事故(オオワシ・オジロワシ・シマフクロウなど)
- 河川工作物による魚類への影響(魚食性鳥類への影響)
- 希少種(シマフクロウ、オジロワシ、オオワシ)への観光目的餌付け。
- かつて、海鳥営巣地付近の小型船航行によるケイマフリ繁殖への影響があったが、観光船事業者・行政・研究者等関係者よる協議会が発足し、影響を回避する航行ルール合意やケイマフリの保護啓発活動が共同で行われるようになり、ケイマフリの営巣数に回復傾向が見られている。
- ヒグマが海鳥コロニーに侵入し、営巣攪乱と幼鳥の補食による影響が出ている。
保全活動
- 環境管理:実施者(公益財法人知床財団、環境省、林野庁、斜里町、羅臼町 )
内容:世界遺産地域管理計画に基づき、各行政機関・地元各機関が環境管理事業を
実施 - 外来種のコントロール:実施者(環境省)
内容:アライグマ生息状況調査・捕獲調査 - 環境教育活動:実施者(知床財団、知床博物館、羅臼町教育委員会、斜里高校、羅臼高校等)
内容:地元小中学校におけるヒグマ学習、世界遺産体験学習など
地元高校における知床自然概論授業、野外観察や海洋生物学習、世界遺産学習、知床100㎡運動の中で知床自然教室開催、森作りボランティア活動 - 保全のための人材育成活動:実施者(知床財団、知床博物館、知床自然大学院大学 設立財団)
内容:知床財団・知床博物館:大学生実習・インターンシップの受け入れ
知床大学院設立財団:人材育成のための研修事業と高等教育機関設置活動 - 法律制定、政策、規制:実施者(環境省、林野庁、北海道 )
内容:知床世界自然遺産管理計画策定、エゾシカ管理計画策定、ヒグマ管理計画策定、知床海域管理計画策定、知床エコツーリズム戦略策定、知床条例(道条例)策定 - モニタリング調査:実施者( 環境省、林野庁、知床財団、民間グループ )
内容:世界遺産管理計画に基づく各種モニタリング調査(37項目、うち鳥類5項目) - 経済活動を通じた保全(エコツーリズム等):実施者(知床世界自然遺産地域適正利用エコツーリズム検討会議とその構成団体)
内容:知床エコツーリズム戦略に基づき、観光事業やエコツーリズム事業のチェックが行われている。 - その他:シマフクロウ保護増殖事業(環境省)
※サイト情報の詳細版はこちら(PDF 672KB)
※知床半島・斜里岳の周辺海域は、マリーンIBA(Marine Important Bird and Biodiversity Areas:海鳥の重要生息地)に選定されている。 詳しくはこちら
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JP009 濤沸湖(とうふつこ)
北海道:網走市、小清水町
| 位置 | N 43°56′ E 144°24′ |
| 面積 | 2,200ha |
環境構成 【潟湖】

写真:川崎康弘
濤沸湖は北海道東部、網走市と小清水町にまたがる位置にあり、細長い砂丘(小清水原生花園)によってオホーツク海と隔てられてできた海跡湖である。面積は約900ha、岸辺の総延長は約27.3kmで、水深は平均1.1m、最深部でも2.5mと、比較的浅い湖である。湖には数本の河川が流入し、湖周辺には総面積約118haの湿原が広がっている。流入河川周辺にはハンノキ林が分布し、湿原は主にスゲ群落とヨシ群落で占められ、これにガマやフトイが加わる。汽水部にはアツケシソウやオオシバナなどが生育する塩性湿地も分布する。湿原では古くから牛馬が放牧され、家畜の選択的採食によって、ヒオウギアヤメやハマナス、センダイハギなどが優先する群落がパッチ状に成立している。
選定理由
| A1 | タンチョウ |
| A3 | タンチョウ |
| A4i | キアシシギ |
保護指定
サイトの全域(90%以上)に法的な担保がある
<保護指定の内容>
国指定鳥獣保護区(濤沸湖)、国定公園(網走国定公園)、自然環境保全地域
<その他>
ラムサール条約湿地
保全への脅威
- 観光、レクリェーション。ここ2年で、カヌー利用が個人のレクリェーションで3件ほど確認された。
- 外来植物の影響による在来植物の衰退。一部地域はオオハンゴンソウに置き換わっている。アメリカオニアザミが増加。
- 小清水原生花園は牧草(ナガハグサなど)が繁茂し在来植物が衰退したため、火入れを行っている。
- 海と河川から土砂が流入し、湖の浅化が進む。アッケシソウ群落、干潟の一部衰退。
- 以前は観光のための餌付けがあったが、ほぼ行われなくなった。(対応として餌付け禁止・鳥インフルエンザの注意看板の設置、餌付け行為者に注意を行っている。)
保全活動
- 環境管理:実施者(環境省(国指定濤沸湖鳥獣保護地区)、オホーツク総合振興局 (網走国定公園)、林野庁(国有林)、網走市(濤沸湖水鳥・湿地センター運営)、小清水町(小清水原生花園インフォメーションセンター運営)
- 内容:
- 平成17年 濤沸湖及び周辺域の環境保全推進協議会を組織し、毎年清掃活動を実施。事務局は網走市。
- 平成23年 網走市と小清水町において「濤沸湖環境保全ビジョン」を策定。
- 網走国定公園小清水原生花園風景回復対策協議会を組織しており、2008年度版小清水原生花園管理マニュアルを作成。事務局はオホーツク総合振興局。毎年春に野焼きを実施。
- 外来種のコントロール:実施者(濤沸湖水鳥・湿地センター)
内容:アメリカオニアザミ、オオハンゴンソウ、オオアワダチソウの駆除を濤沸湖水鳥・湿地センターのボランティア組織である濤沸湖ファンクラブと実施。2015年度は行事としてオオハンゴンソウ駆除を実施。 - 環境教育活動:実施者(濤沸湖水鳥・湿地センター、日本野鳥の会オホーツク支部)
内容:濤沸湖水鳥・湿地センターにおいては植物、野鳥観察会等を実施。また、総合学習対応などを行っている。日本野鳥の会においては定期的に探鳥会を実施している。 - 保全のための人材育成活動:実施者( 濤沸湖水鳥・湿地センター )
内容:濤沸湖水鳥・湿地センターのボランティア組織である濤沸湖ファンクラブ会員はセンター事業の協力(ハクチョウカウント調査等)や講習会に参加。 - 利用ルールの策定:実施者(濤沸湖エコツーリズム推進協議会)
内容:濤沸湖エコツーリズム推進協議会(網走市、小清水町事務局)において策定した「濤沸湖 保全と利用のためのルール」の運用管理及び普及啓発。 - モニタリング調査:実施者(濤沸湖水鳥・湿地センター )
内容:ハクチョウ類、ワシ類カウント調査、環境省の渡り状況調査等を実施。(ハクチョウ類カウント調査は野鳥の会オホーツク支部、オホーツク総合振興局等が協力)。NPOや個人がモニタリングサイト1000(植物相、鳥類)の調査、標識調査を実施 - 経済活動を通じた保全(エコツーリズム等):
内容:近隣のユースホステル等宿泊施設が、宿泊者向けにガイドを行っている。
※サイト情報の詳細版はこちら(PDF 447KB)
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JP008 能取湖・網走湖(のとろこ・あばしりこ)
北海道:網走市、大空町
| 位置 | N 44°03′ E 144°10′ |
| 面積 | 16,000ha |
環境構成 【潟湖/湖沼】

写真:渡辺義昭
能取湖はオホーツク海沿岸部に並ぶ7つの海跡湖の一つで、網走市の西に位置している。湖岸延長は約35km。壺状の形をしており、壺の口の部分でオホーツク海とつながっている。卯原内川を筆頭にいくつもの小河川が流入し、それらの河口付近を中心に塩性湿地が広がりアツケシソウが特に多く見られる。 網走湖は網走市と女満別町にまたがる湖で、湖岸延長は約39km。南岸に注ぐ網走川が流入河川としては最大である。湖の東側にはハンノキ、ヤチダモの巨木を中心とした湿性林が広がり、林床にはミズバショウが多い。女満別町側の一帯56haは「女満別湿性植物群落」として国の天然記念物に指定されている。
選定理由
| A1 | タンチョウ |
| A3 | タンチョウ |
| A4i | キアシシギ |
保護指定
サイトの全域(90%以上)に法的な担保がある
<保護指定の内容>
都道府県指定鳥獣保護区(女満別)、国定公園(網走国定公園)、自然環境保全地域、保護林
<その他>
国指定天然記念物 女満別湿性植物群落
保全への脅威
- 農畜産業、生活、工場廃水等による水質悪化(網走湖)
- 網走湖において、繁殖しているタンチョウへのカメラマン等による撮影圧・観察圧が懸念される。
- 能取湖において、地元観光協会による不用意な環境改変行為により、シギ・チドリ類が多数利用していたアツケシソウ群落の一部が壊滅的な被害を受け、一時シギ・チドリ類の個体数も減少したが、地元大学等による保全回復策が功を奏し、元の状況に戻りつつあると考えられる。ただし、鳥類に関する詳細な調査はなされていないのが現状。
- 無酸素塩水層の水位上昇(網走湖)
- 観光/レクリエーション利用による踏圧害
- 湿性林の長期的な維持管理の方向性や方法が不明瞭
保全活動
- 環境管理:実施者(網走湖環境保全対策推進協議会(国土交通省北海道開発局)
内容:網走川水系網走川水環境改善緊急行動計画(清流ルネッサンスⅡ)を策定
(H16年6月) - 環境教育活動:実施者(日本野鳥の会オホーツク支部)
内容:探鳥会を開催(能取湖、網走湖、各年1回程度) - モニタリング調査:実施者(環境省)
内容:モニタリングサイト1000事業で能取湖のガンカモ類モニタリングを実施
※サイト情報の詳細版はこちら(PDF 650KB)
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JP007 コムケ湖・シブノツナイ湖(こむけこ・しぶのつないこ)
北海道:紋別市、湧別町
| 位置 | N 44°15′ E 143°31′ |
| 面積 | 1,516ha |
環境構成【潟湖】

写真:大館和広
コムケ湖は3つの水域に別れており、一番大きな東よりの水域で人工水路により海と繋がっている。湖内には広大な干潟が出現し、シギ・チドリ類が採食に利用する。湖と海は砂州(海浜草原)で区切られている。湖岸は塩沼地特有のアッケシソウ群落が随所に見られる。周囲はヨシ原の湿原で囲まれており、湖畔林へと続く。その外側はほぼ農地となっている。流入河川は2本あるが水量は多くない。湖の水深は浅く、水草が豊富でありカモの絶好の採食場となっている。シブノツナイ湖の湖口には水門があり、時化(シケ)の時には海水が流入する。周りはヨシ原湿原であり、その外側は農地となっている。流入する河川は2本で水量はコムケ湖のそれより多い。冬期は全面結氷する。
選定理由
| A4i | ヒドリガモ・オナガガモ・トウネン・チュウシャクシギ |
保護指定
法的な担保がない、もしくはわずか(10パーセント未満)である
保全への脅威
- 海岸侵食の進行による環境変化(海浜草原の減少)
- 海面上昇による高波の越波、海岸浸食が深刻
- カメラマンによる夏鳥の繁殖妨害
- 酪農排水の湖への流入による水質汚染
- ゴミの漂着
- 湿原の乾燥化
- 漁業活動
- アライグマの生息確認、海浜植生への帰化植物の侵入
- ヨシ原の減少
- 高規格道路整備による道路拡張による自然環境の破壊
保全活動
- 環境管理:実施者(コムケの会(紋別市委託)
内容:ゴミ回収、ビジター指導 - 外来種のコントロール:実施者(もんべつかいはつくらぶ、コムケの会)
内容:オオハンゴンソウ除去、マツヨイグサ類除去、ほか - 環境教育活動:
内容:観察会を通じた啓もう(もんべつかいはつくらぶ、コムケの会)
探鳥会(日本野鳥の会オホーツク支部) - 保全のための人材育成活動:実施者(もんべつかいはつくらぶ、コムケの会)
内容:ガイドセミナー開催 - モニタリング調査:実施者(もんべつかいはつくらぶ)
内容:各種調査、モニタリングサイト1000(シギチドリ調査、ガンカモ調査、陸生鳥類調査)ワシ調査、ハクチョウ調査 - 経済活動を通じた保全(エコツーリズム等):実施者(コムケの会)
内容:ツアーガイド
※サイト情報の詳細版はこちら(PDF 456KB)
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世界一斉個体数調査(2018年)
2018年4月12日
2018年クロツラヘラサギ世界一斉個体数調査の結果
日本クロツラヘラサギネットワーク・日本野鳥の会
東南アジアの各国が協力して毎年1月に実施している「クロツラヘラサギの世界一斉センサス」(主催:香港バードウォッチング協会)の2018年の結果がまとまりましたのでお知らせ致します。
この調査は、世界的な絶滅危惧種であるクロツラヘラサギの最新の越冬個体数と分布を知るために日本、韓国、中国、台湾、香港、ベトナム、タイ、フィリピンなど東南アジアの自然保護団体が参加し、実施しているものです。
日本でも九州や沖縄などの越冬地で、「日本クロツラヘラサギネットワーク」や日本野鳥の会の支部が調査を行っています。2018年の国内での調査は1月19日~21日に、7県54か所、のべ60名を超える協力者を得て行われました。
1.2018年クロツラヘラサギ世界一斉個体数調査結果の概要
香港バードウォッチング協会
2018年のクロツラヘラサギの世界一斉センサスは1月19日~21日に行われました。
2018年の調査では、前年と同じ羽数の3,941羽が確認されました。
主要な越冬地は台湾で、世界の約56%を占めます。しかし、昨年よりは406羽の減少です。増加した国は中国本土で347羽(187%)の増加です。日本では508羽が観察され、昨年より75羽(17.3%)の増加です。この他、マカオ、ベトナムで増加しています。減少傾向にあるのはディープベイ(香港/深セン)で、2010年には462羽が観察されていましたが、2018年は350羽でした。
表1. 地域別のクロツラヘラサギの記録数
| 場所 | 2016年調査 | 2017年調査 | 2018年調査 | 前年比 (2018年-2017年. 羽数) |
| 台湾 | 2,060 | 2,601 | 2,195 | -406 |
| 后海湾(香港、深セン) | 371 | 375 | 350 | -25 |
| 日本 | 383 | 433 | 508 | +75 |
| 中国本土 | 434 | 397 | 744 | +347 |
| マカオ | 61 | 44 | 50 | +6 |
| ベトナム | 9 | 62 | 65 | +3 |
| 韓国 | 38 | 29 | 26 | -3 |
| タイ | 0 | 0 | 0 | 0 |
| カンボジア | 0 | 0 | 0 | 0 |
| フィリピン | 0 | 0 | 3 | 3 | 合計 | 3,356 | 3,941 | 3,941 | +-0 |
2.日本におけるクロツラヘラサギ一斉個体数調査の結果
日本クロツラヘラサギネットワーク・日本野鳥の会
2018年の調査では、日本では前年より75羽多い(17%増)、計508羽が確認されました。県別では、熊本県の171羽が最も多く、次いで、福岡県130羽、鹿児島県78羽、山口県42羽と続き、佐賀県40羽、宮崎県と沖縄県では21羽が確認されました。

図1. 日本におけるクロツラヘラサギの記録数の推移

図2. クロツラヘラサギの記録個体数の県別の推移
表2. 県別に見たクロツラヘラサギの記録数の推移
JP006 天売島(てうりとう)
北海道:羽幌町
| 位置 | N 44°25′ E 141°19′ |
| 面積 | 546ha |
環境構成【島嶼/崖地】

写真:石郷岡卓哉
天売島は、羽幌町の沖28kmに位置する周囲12kmあまりの有人島である。島の西側は切り立った断崖になっており、8種類の海鳥が繁殖する。ノガリヤス、オオイタドリ、クマイザサなどの草原、キハダやイタヤカエデなどの樹林で植生が構成されている。対馬暖流の影響で、四季を通じて比較的気候が温暖であるが、風がいつも強く吹き、とくに冬季は季節風が猛烈に吹き荒れることが多い。
選定理由
| A4i | オオセグロカモメ・ウミネコ |
| A4ⅱ | ウトウ |
| A4ⅲ | ウトウ |
保護指定
サイトの全域(90%以上)に法的な担保がある
<保護指定の内容>
国指定鳥獣保護区(天売島)、国定公園(暑寒別天売焼尻国定公園)、自然環境保全地域
<その他>
国指定天然記念物天売島海鳥繁殖地
保全への脅威
- 魚網による海鳥の混獲
- 海水温の上昇や海流の変化によるエサ資源の減少
- 洋上風力発電施設の計画
- 船舶の繁殖地への接近による繁殖かく乱など
- ハシブトガラスやオオセグロカモメ、ノラネコ、ドブネズミによる海鳥の卵やヒナの捕食
- 海洋のプラスチック汚染
保全活動
- 環境管理:実施者(環境省)
内容:ウミガラス保護増殖事業(デコイや音声装置の設置による誘引等) - 外来種のコントロール:実施者(羽幌町、環境省等)
内容:ノラネコを島外に出し、新たな飼い主へ譲渡(羽幌町、環境省、獣医師会、愛護団体等により協議会を組織し、実施) - 環境教育活動:実施者(羽幌町、環境省)
内容:北海道海鳥センターでの普及啓発活動(来館者への環境教育、学校教育との連携、観察会や学習会の開催) - 法律制定、政策、規制:
内容:天売島ネコ飼養条例の制定(2012年)により、島内の飼いネコを登録制にする。(羽幌町)
観光ルールの策定、観察マナーの現地指導など(天売の自然と親しむ会、観光業者など)
北海道海鳥センター・鳥獣保護区管理棟設置、羽幌自然保護管の配置(環境省) - モニタリング調査:実施者(天売海鳥研究室、環境省、北海道海鳥センター友の会)
内容:ウミネコ、オオセグロカモメ、ウミウ、ヒメウ(天売海鳥研究室)
ウトウ(環境省自然環境局生物多様性センター モニタリングサイト1000)
ウミガラス、ケイマフリ(環境省羽幌自然保護官事務所)
ウミスズメ(北海道海鳥センター友の会)
地元の自然に関する調査・啓発(北海道海鳥センター友の会)
※サイト情報の詳細版はこちら(PDF 645KB)
※天売島の周辺海域は、マリーンIBA(Marine Important Bird and Biodiversity Areas:海鳥の重要生息地)に選定されている。 詳しくはこちら
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持田野鳥保護区シマフクロウ釧路第2(もちだやちょうほごくシマフクロウくしろだい2)
シマフクロウのための野鳥保護区
北海道釧路地域 76.8ヘクタール
シマフクロウを対象とする野鳥保護区。2014年に当会が設置した杉本野鳥保護区シマフクロウ釧路第2に隣接した河畔林を中心とした森林。この周辺では2つがいのシマフクロウが生息しているが、これらの生息地は民有地がほとんどであり、法的な保護指定は一部にとどまっている。また周辺では複数の開発計画があるため、持田勝郎氏からのご寄付をもとに37.7ヘクタールの土地を購入した。また、2018年にこれらつがいの行動圏にあたる山林39.2ヘクタールを追加購入した。

村田野鳥保護区風蓮川(むらたやちょうほごくふうれんがわ)
タンチョウ保護のための野鳥保護区
北海道別海町 139.1ヘクタール
風蓮湖北西部に流れ込む風蓮川河口部の湿原。風蓮湖はラムサール条約湿地であるが、周辺には、開発のおそれのある民有地が残されていたため、村田陽子氏からのご寄付をもとに、139.1ヘクタールの土地を購入した。隣接する横澤野鳥保護区風蓮川と合わせ、4つがいのタンチョウの繁殖地を守っている。

横澤野鳥保護区風蓮川(よこざわやちょうほごくふうれんがわ)
タンチョウ保護のための野鳥保護区
北海道別海町 118.0ヘクタール
風蓮湖北西部に流れ込む風蓮川河口部の湿原。風蓮湖はラムサール条約湿地であるが、周辺には、開発のおそれのある民有地が残されていたため、関西在住の会員の方からのご寄付をもとに、118.0ヘクタールの土地を購入した。隣接する村田野鳥保護区風蓮川と合わせ、4つがいのタンチョウの繁殖地を守っている。














