水田の生物多様性を保全する取り組み -より良い制度に-(徳島県)

2019/12/05

先だってご報告した、徳島県での「生きもの“も”すみやすい田んぼづくり」の取り組みですが、これを今後さらに広げていくためには、「法律」や「制度」の力も必要になります。

ここ数年、国や自治体、関連団体を訪問し、より生物多様性に配慮した制度にならないかご相談していたところ、今年、徳島県が『多面的機能支払交付金』と呼ばれる国の制度に、県独自の指針として『大型鳥類(ツル・コウノトリ)を保護する取り組み』を新設しました。

この交付金は、農業・農村の多面的機能(※)の維持・発揮ために、毎年国から農家の方々へ支給されているもので、農地の維持管理(畦や水路の整備など)や花植えなどの景観形成などに活用されています。

新設された「大型鳥類の保護活動」は、必須の取り組みではありませんが、交付金の指針やマニュアルに明記されたので、このことに興味をもつ農家の方々が増えるかもしれません。

その際に、具体的な方法や取り組みの効果を伝えられるよう、引き続き、小松島市と阿南市にまたがる太田川流域でのモデル地づくりに励みたいと思います。


2015年度にナベヅルが飛来したモデル地のようす

※国土の保全や生物多様性の保全、洪水防止、文化伝承といった、農作物の生産以外の機能のこと