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チュウヒってどんな鳥?
チュウヒは、湿地や草原の生態系の頂点に位置するタカの仲間です。日本には多くが冬鳥として渡来しますが、一部地域で繁殖をしています。繁殖個体数は非常に少なく、環境省レッドリストでは「絶滅危惧IB類」に指定されています。
チュウヒのプロフィール

- 和名
- チュウヒ
- 江戸時代のはじめから「ちうひ」として知られていたようです。その他にも「こしじろたか」「をのうへ」という名前もありました。なぜ「ちうひ」なのかは分かっていませんが、低く飛ぶので「中飛」という説や、鳴き声による説もあるようです。
- 英名
- Eastern Marsh Harrier
- 学名
- Circus spilonotus
- Circusはタカの一種、空中に円をえがいて飛ぶことに由来しています。spilonotusは、「斑点のある背中の」という意味です。またCircusは「サーカス」の語源となっています。
- 分類
- タカ目タカ科
- 大きさ
- 全長(くちばしの先端から尾羽の先端までの長さ)
-
- オス:約48cm
- メス:約58cm
- 翼開長(広げた両翼の先端から先端までの長さ)
-
- オス:約113cm
- メス:約137cm
- 体重
-
- オス:平均557.8g(525g~650g)
- メス:平均812.5g(700g~950g)
チュウヒの特徴
オス成鳥
オスの羽の色は、茶色のものや白っぽいもの、白黒のものなどさまざまですが、腰が白く、翼の上面の青味がかった灰色が強いなどはすべてのオスで同じです。

オス成鳥1

オス成鳥2(写真提供:先崎啓究)

オス成鳥3(写真提供:先崎啓究)

オス成鳥4(写真提供:先崎啓究)
メス成鳥
メスの羽の色は、茶色が強いものが多いです。オスのように腰が白いものもいますが、その面積はオスよりも狭いです。

メス成鳥1

メス成鳥2
幼鳥
幼鳥の羽の色は、顔から肩にかけてクリーム色を帯び、他はほぼ茶色です。

幼鳥1

幼鳥2
他のタカ類との見分け方
チュウヒは、他のタカ類と比べると体が細く翼と尾が細長いのが特徴です。ヨシ原や草原の上をかろやかな羽ばたきで移動したり、翼を浅いV字形に保ち風上に向かってゆっくりまたは滑るように飛びます。
ノスリとの違い
ノスリの飛び方は、チュウヒと同じで両翼を浅いV字形にして飛びますが、ノスリは翼の幅が広く、尾は短めに見えます。

チュウヒ

ノスリ
トビとの違い

トビ
トビとは全体が茶色で翼と尾が長い点は似ていますが、飛ぶときにV字形になりません。
どこにいるの?
日本では、冬に見られることが多いですが、北海道や青森県など一部地域で子育てをしています。

日本国内の分布図
どんな環境が好きなの?
ヨシ原や草原などのような、開けた環境が好きです。

繁殖地の景観

越冬地の景観
何を食べるの?
チュウヒは、ネズミ類や鳥類をよく食べますが、カエル類や魚類、昆虫類を食べた記録もあります。羽ばたきと翼を浅いV字にかまえた滑翔を繰り返し行い、風上に向かって低く飛びながら食べ物を探します。

チュウヒが食べるヤチネスミや小鳥類(オオジュリン、コヨシキリ、ヒバリ、ノビタキなど)。(オオジュリン、ヒバリ 写真提供:奴賀俊光)
また、チュウヒの顔は、正面からみるとフクロウ類のような平面顔ですが、これは集音効果があるといわれています。視覚に加えて優れた聴覚を利用して獲物を探しているのです。

チュウヒの探餌飛行

集音効果があるといわれているチュウヒの正面顔
参考文献
- 平野敏明・小池勲・塚原千明.2005.渡良瀬遊水地におけるチュウヒとハイイロチュウヒの冬期の食性.日本鳥学会誌 54:29-36.
- 森岡照明・叶内拓哉・川田隆・山形則男.1995.文一総合出版,東京.
- 中川富男.2006.河北潟干拓地および北陸におけるチュウヒの繁殖と生態.チュウヒサミット2006.日本野鳥の会三重県支部.三重.
- 先崎啓究.2017.北海道におけるチュウヒの生態.チュウヒサミット2017.日本野鳥の会三重.三重.
- 先崎啓究・梅垣祐介.2015.個体差を楽しむか,珍鳥を狙うか,チュウヒ類カタログ.BIDER10月号.文一総合出版.東京.
- Simmons.E.R.2000.Harriers of the world Their behavior and ecology.OXFORD ORNITHOLOGY SERIES.UK.
- 菅原浩・柿澤亮三.1993.図説 日本鳥名由来辞典.柏書房株式会社.東京.
- 多田英行.2011.仏沼におけるチュウヒのヒナの育雛期の行動と餌内容の一例.Strix 27:73-82
- 内田清一郎・島崎三郎.1987.鳥類学名辞典.東京大学出版会.東京.







