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環境省レッドリストでタンチョウが絶滅危惧種から脱しました
2026年3月17日
3月17日、環境省から「第5次レッドリスト、レッドデータブック」が公表されました。今回の改訂では、北海道のタンチョウ成熟個体数が1,200羽より多いと考えられることなどから、レッドリストのカテゴリーが「第4次レッドリスト」での絶滅危惧II類(VU)から準絶滅危惧(NT)に下がりました。これは、タンチョウが絶滅危惧種ではなくなったことを意味しています。
かつて絶滅したと思われていたタンチョウは、個体数が回復するとともに分布域を道東からオホーツク、宗谷、石狩空知などへと拡大し、再発見から102年目の今年、ついに絶滅の危機から脱しました。タンチョウの復活は地域の皆さんはじめ関係者、関係機関のご努力の賜物であるとともに、私たちの取り組みもタンチョウ復活の一助になったものと自負しています。
タンチョウの生息地の推移
当会は1984年の理事会においてツル保護特別委員会の設置を決定してからタンチョウ保護に本格的に関わり始め、1987年の鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ開設や野鳥保護区の設置開始、冬期自然採食地の管理開始などの取り組みを進めてきました。現在タンチョウの野鳥保護区は所有、協定合わせて23か所、約2,800ヘクタールとなり、31つがいのタンチョウの生息地を守っています。
個体数の推移グラフ/北海道によるタンチョウ個体数調査結果(各年度1月の第二回調査)より作図
ただし、絶滅危惧種ではなくなったとはいえ、準絶滅危惧は存続基盤が脆弱な種で『現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」として上位カテゴリーに移行する要素を有するもの』と定義されています。現在も保護上の課題として、冬期の天然の餌資源やねぐらになる凍らない水辺の不足、それに起因する給餌場やその周辺での集中・過密化による感染症蔓延のリスクがあります。
また、農場や市街地で過ごすタンチョウが増え、人とタンチョウの距離が近くなったことで農業被害や交通事故、撮影マナーなどの問題が増加しています。これらへの対策は、道半ばです。さらに、営巣地である湿原の開発は、いまだ続いています。
ふたたびタンチョウが絶滅の縁に立つことがないよう、いつの日か普通種に戻る日が訪れるよう、当会はこれからもタンチョウの保護活動を継続します。そしてタンチョウがくらす湿原の生物多様性を守り、人とタンチョウが共生する社会を目指していきます。
| 1985年 | ツル保護特別委員会発足 |
| 1987年 | 鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ ネイチャーセンターオープン タンチョウのための野鳥保護区「持田野鳥保護区東梅」設置 賛助会タンチョウ383人の会設立 |
| 1996年 | 伊藤義孝氏より給餌を引き継ぐ |
| 1997年 | 新賛助会タンチョウふぁんクラブ設立 |
| 2002年 | タンチョウのための野鳥保護区面積が1,000ヘクタール突破 |
| 2004年 | タンチョウティーチャーズガイド発行(2007年改訂) (2004/05年冬 タンチョウ個体数が1000羽を突破) |
| 2007年 | タンチョウのための野鳥保護区面積が2,000ヘクタール突破 |
| 2010年 | 冬期自然採食地整備開始 |
| 2011年 | 道央の新繁殖地むかわ町で地域の取組支援開始 |
| 2018年 | 鶴居村「タンチョウと共生するむらづくり推進会議」に参画 |
| 2020年 | 環境省「タンチョウ生息地分散行動計画改定案作成ワーキンググループ」に参画 苫小牧市のウトナイ湖でタンチョウの繁殖確認。勇払原野一帯では130年ぶり |
| 2026年 | タンチョウのための野鳥保護区約2,800ヘクタールで31つがいのタンチョウ生息地を保護。設置した冬期自然採食地17か所の管理を継続。 |
| 2027年 | ネイチャーセンターオープン40周年 |
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